JP2012241824A - パックシール付軸受ユニット - Google Patents
パックシール付軸受ユニット Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012241824A JP2012241824A JP2011113541A JP2011113541A JP2012241824A JP 2012241824 A JP2012241824 A JP 2012241824A JP 2011113541 A JP2011113541 A JP 2011113541A JP 2011113541 A JP2011113541 A JP 2011113541A JP 2012241824 A JP2012241824 A JP 2012241824A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- slinger
- seal
- cylindrical portion
- bearing unit
- ring
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Sealing Of Bearings (AREA)
Abstract
【課題】スリンガと芯金との分離防止を図るとともに、エンコーダに傷がつきにくいパックシール付軸受ユニットを提供する。
【解決手段】スリンガ10は、断面L字形で全体を円環状に構成したもので、スリンガ円筒部13と、スリンガ円板部12とから成り、スリンガ円筒部13を、内輪1に対し固定している。シールリング20は、弾性材製で円環状のシール部材24と、このシール部材24を補強する円環状の芯金21とを備え、外輪2に対し固定されている。シール部材24は、ゴムの成型体からなり、2個のサイドリップ25,25の先端縁をスリンガ円板部12の軸方向外側面に弾性摺接され、ラジアルリップ26の先端縁をスリンガ円筒部13の外周面に弾性摺接されている。スリンガ円筒部13の軸方向外端部は、軸方向内側に折り返すことにより段部14を形成し、ラジアルリップ26の軸方向外側面に近接対向している。
【選択図】図1
【解決手段】スリンガ10は、断面L字形で全体を円環状に構成したもので、スリンガ円筒部13と、スリンガ円板部12とから成り、スリンガ円筒部13を、内輪1に対し固定している。シールリング20は、弾性材製で円環状のシール部材24と、このシール部材24を補強する円環状の芯金21とを備え、外輪2に対し固定されている。シール部材24は、ゴムの成型体からなり、2個のサイドリップ25,25の先端縁をスリンガ円板部12の軸方向外側面に弾性摺接され、ラジアルリップ26の先端縁をスリンガ円筒部13の外周面に弾性摺接されている。スリンガ円筒部13の軸方向外端部は、軸方向内側に折り返すことにより段部14を形成し、ラジアルリップ26の軸方向外側面に近接対向している。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持する為の軸受ユニットのうち、回転側軌道輪と静止側軌道輪との互いに対向する周面同士の間に存在して複数個の転動体を設置した軸受内部空間の端部開口部を、スリンガとシールリングとから成るパックシールにより塞いで成る、パックシール付軸受ユニットに関するものである。
従来より、軸受ユニットには、軸受の内部を外部から遮蔽して密封状態(気密状態、及び液密状態)に保つために各種の密封装置が設けられており、当該密封装置を設けることで、軸受ユニットの外部から異物(例えば、泥水、塵埃など)が内部に侵入することを防止しているとともに、内部に封入された潤滑剤(例えば、グリース、潤滑油など)が外部へ漏洩することを防止している。
このような密封装置としては、鋼板等を断面がL字状を成すようにプレス加工などで成形した環状の芯金の一部に、各種の弾性材(例えば、ゴムやエラストマー、プラスチックなどの高分子材)を連結した構造を成す接触型シールがあり、一方、ステンレス板、鉄板等の金属板(鋼板)からプレス加工などにより成形された非接触型シールドがある。さらには、前記接触型シール(シールリング)と非接触型シールド(スリンガ)とを断面形状が略箱形(矩形)状となるように組み合わせ、パッケージ構造とした接触型の密封装置(いわゆるパックシール)も知られている。
パックシールは、その断面積が小さく、大きな配設スペースを確保する必要がないという特長を有するだけでなく、その密封性能が非常に高いという優れた特長を有するため、厳しい密封性能(例えば、高レベルの泥水浸入防止効果)が要求される軸受ユニット(例えば、自動車の車輪を支持するためのハブユニット軸受など)に対する密封装置として広く使用されている。
パックシールは、その断面積が小さく、大きな配設スペースを確保する必要がないという特長を有するだけでなく、その密封性能が非常に高いという優れた特長を有するため、厳しい密封性能(例えば、高レベルの泥水浸入防止効果)が要求される軸受ユニット(例えば、自動車の車輪を支持するためのハブユニット軸受など)に対する密封装置として広く使用されている。
図6は、自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持する為の軸受ユニットの従来構造の1例を示している。この図6に示した軸受ユニット51は、使用時に懸架装置に支持固定されて回転しない静止側軌道輪である外輪2と、使用時に車輪を支持固定した状態で回転する回転側軌道輪であるハブ52とを、互いに同心に配置している。そして、この外輪2の内周面に設けた、それぞれが静止側軌道である複列の外輪軌道54、54と、前記ハブ52の外周面に設けた、それぞれが回転側軌道である複列の内輪軌道55、55との間に、それぞれが転動体である玉56、56を、両列毎に複数個ずつ配置している。これら各玉56、56は、それぞれ保持器57、57により、転動自在に保持されている。尚、前記ハブ52は、ハブ本体53と、このハブ本体53の軸方向内端部(軸方向に関して「内」とは、自動車への組み付け状態で車両の幅方向中央側を言い、図6の右側。反対に、車両の幅方向外側となる、図の左側を、軸方向に関して「外」と言う)に外嵌固定した内輪1とから成る。そして、前記両内輪軌道55、55のうち、軸方向外側の内輪軌道55は、前記ハブ本体53の軸方向中間部外周面に、軸方向内側の内輪軌道55は、前記内輪1の外周面に、それぞれ形成されている。
前記外輪2の内周面と前記ハブ52の外周面との間で前記各玉56、56を設置した環状の軸受内部空間58の両端開口は、それぞれシールリング59とパックシール60とによって、全周に亙り塞がれている。
これにより、軸受内部空間58内に存在するグリースが外部空間に漏洩する事の防止と、外部空間に存在する水分や塵芥等の異物が軸受内部空間58内に侵入する事の防止とを図っている。
これにより、軸受内部空間58内に存在するグリースが外部空間に漏洩する事の防止と、外部空間に存在する水分や塵芥等の異物が軸受内部空間58内に侵入する事の防止とを図っている。
図6に示すようなパックシール60は、所定の間隔を空けて対向して配置されたスリンガ61及び芯金62と、これらの間に介在するシール部材63で構成されている。この場合、スリンガ61及び芯金62は、いずれも断面形状が略L字状を成す環状に形成されており、シール部材63は、当該芯金62に連結されてシールリング64を形成するとともに、当該スリンガ61に摺接するラジアルリップと2枚のサイドリップを設けて構成されている。
ところで、パックシール構造の密封装置は、軸受ユニットに組み付けられる前の流通時や運搬時に、スリンガ61とシールリング64とが分離してしまう場合がある。スリンガ61とシールリング64とが分離した場合、軸受ユニットへの組み付け作業時に、当該スリンガ61とシールリング64を組み合わせ直す必要があり、密封装置の軸受ユニットへの組み付け作業をスムーズに行うことができない事態を招く虞がある。特に、図6に示すような構成を成すダブルサイドリップタイプのパックシールは低トルクでシール性が良い反面、2枚のサイドリップの反力のため、軸受ユニットへの組付け前にスリンガ61とシールリング64が分離しやすい問題がある。
この部分の改善の先行技術としては、特許文献1に、スリンガ円筒部がシールリングの芯金鍔部に重なる位置にまで延びる抜け止めリップ部を備え、この抜け止めリップ部とスリンガ鍔部とで芯金鍔部及びシールリップ部材を挟装することにより、輸送過程においても、スリンガとシールリングとが分離して相互にばらけたりすることがないパックシールが開示されている。
しかしながら、この先行技術は、スリンガに抜け止めリップを加硫成形する必要があるため、製造コストが高くなる。また、シールリングとスリンガを組み合わせる時、内径側(スリンガの円筒部側)のサイドリップに予め塗布されていたグリースが抜け止めリップにより掻きとられてしまう。さらに、抜け止めリップにより内径側のサイドリップが反転したり、ラジアルリップが芯金外方側(パックシールの外側)に倒される虞があるという問題があった。
本発明は、軸受ユニットに組み付けられる前の流通時や運搬時にスリンガとシールリングとが分離することを防止するとともに、スリンガとシールリングとを容易かつ確実に組合せることが可能なパックシールを備えたパックシール付軸受ユニットを提供することを目的とする。
上記問題を解決するために、本発明に係るパックシール付軸受ユニットは、軸受ユニットと、パックシールとを備える。
このうちの軸受ユニットは、互いに同心に配置された回転側軌道輪及び静止側軌道輪と、これら回転側軌道輪及び静止側軌道輪の互いに対向する周面にそれぞれ設けられた回転側軌道と静止側軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体とを備えたものであり、
前記パックシールは、前記回転側軌道輪と前記静止側軌道輪との互いに対向する周面同士の間に存在する環状空間の端部開口を塞ぐもので、スリンガと、シールリングとを備える。
このうちのスリンガは、金属板を曲げ成形する事により、全体を円環状に造られ、円筒部と、この円筒部の軸方向一端縁から径方向に折れ曲がった円板部とを備えたもので、このうちの円筒部を、前記回転側軌道輪と前記静止側軌道輪とのうちの一方の軌道輪の周面の一部に圧入する事により嵌合固定している。
又、前記シールリングは、円環状の芯金と、この芯金により補強された、弾性材製で円環状のシール部材とを備え、芯金は、金属板を曲げ成形する事により、全体を円環状に造られたもので、円筒部と、この円筒部の軸方向一端縁から径方向に折れ曲がった円板部とを備えており、このうちの円筒部を前記他方の軌道輪の周面の一部で前記スリンガに対向する部分に嵌合固定すると共に、前記シール部材を構成する複数本のシールリップの先端部を、前記スリンガの表面に全周に亙り摺接させている。
前記シールリップにはグリースが塗布されており、前記スリンガの円板部に摺接する2つのアキシャルリップと、前記スリンガの円筒部に摺接するラジアルリップを有し、前記スリンガにおける円筒部の軸方向他端部を折り返すことにより段部を設け、前記ラジアルリップは段部と軸方向に対向している。
このうちの軸受ユニットは、互いに同心に配置された回転側軌道輪及び静止側軌道輪と、これら回転側軌道輪及び静止側軌道輪の互いに対向する周面にそれぞれ設けられた回転側軌道と静止側軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体とを備えたものであり、
前記パックシールは、前記回転側軌道輪と前記静止側軌道輪との互いに対向する周面同士の間に存在する環状空間の端部開口を塞ぐもので、スリンガと、シールリングとを備える。
このうちのスリンガは、金属板を曲げ成形する事により、全体を円環状に造られ、円筒部と、この円筒部の軸方向一端縁から径方向に折れ曲がった円板部とを備えたもので、このうちの円筒部を、前記回転側軌道輪と前記静止側軌道輪とのうちの一方の軌道輪の周面の一部に圧入する事により嵌合固定している。
又、前記シールリングは、円環状の芯金と、この芯金により補強された、弾性材製で円環状のシール部材とを備え、芯金は、金属板を曲げ成形する事により、全体を円環状に造られたもので、円筒部と、この円筒部の軸方向一端縁から径方向に折れ曲がった円板部とを備えており、このうちの円筒部を前記他方の軌道輪の周面の一部で前記スリンガに対向する部分に嵌合固定すると共に、前記シール部材を構成する複数本のシールリップの先端部を、前記スリンガの表面に全周に亙り摺接させている。
前記シールリップにはグリースが塗布されており、前記スリンガの円板部に摺接する2つのアキシャルリップと、前記スリンガの円筒部に摺接するラジアルリップを有し、前記スリンガにおける円筒部の軸方向他端部を折り返すことにより段部を設け、前記ラジアルリップは段部と軸方向に対向している。
さらに、前記スリンガには、そのスリンガの円板部に軸受の回転状態を計測するセンサの被検出体として円環状のエンコーダを設けることもできる。
本発明のパックシール付軸受ユニットによれば、スリンガの円筒部に設けた折り返し段部とラジアルリップが軸方向に対向していることにより、軸受ユニットに組み付けられる前の流通時や運搬時に、スリンガとシールリングとが分離することを防止することができるとともに、スリンガとシールリングを容易かつ確実に組み合わせることができる。この結果、軸受ユニットに対するパックシールの組み付けをスムーズに行うことができるという効果が有る。
[実施の形態の第1例]
図1〜2は、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例の特徴は、パックシールの構造を工夫した点にあり、その他の部分の構造及び作用は、前述の図6に示した従来構造の場合と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
図1〜2は、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例の特徴は、パックシールの構造を工夫した点にあり、その他の部分の構造及び作用は、前述の図6に示した従来構造の場合と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
軸受内部空間58(図6参照)の軸方向内端開口は、外輪2の内周面と内輪1の外周面との間に嵌合されたパックシール3によって、全周に亙り塞がれている。本例の場合、パックシール3は、スリンガ10及びシールリング20を備え、これらのスリンガ10、シールリング20を断面の輪郭形状が略矩形状となるように組み合わせた構造(いわゆるパッケージ構造)として構成されている。
このうちのスリンガ10は、ステンレスなどの不錆鋼板をバーリング加工などのプレス成形にて打ち抜きや曲げ加工する事により断面L字形で全体を円環状に構成したもので、スリンガ円筒部13と、このスリンガ円筒部13の軸方向内端縁から径方向外方に折れ曲がったスリンガ円板部12とから成る。この様なスリンガ10は、スリンガ円筒部13を、内輪1の軸方向内端部外周面に締り嵌めで外嵌(圧入外嵌)する事により、前記内輪1に対し固定している。
又、前記シールリング20は、弾性材製で円環状のシール部材24と、このシール部材24を補強する円環状の芯金21とを備える。芯金21は、金属板をプレス成形にて打ち抜きや曲げ加工する事により断面L字形で全体を円環状に構成したもので、芯金円筒部23と、この芯金円筒部23の軸方向外端縁から径方向内方に折れ曲がった芯金円板部22とから成る。芯金21を断面L字形に折り曲げることにより、パックシール3の幅寸法を縮減している。この様なシールリング20は、芯金円筒部23を、前記外輪2の軸方向内端部内周面に締り嵌めで内嵌(圧入内嵌)する事により、前記外輪2に対し固定している。又、この状態で、前記シール部材24を構成する複数本のシールリップの先端縁を前記スリンガ10の表面に、全周に亙り摺接させている。
又、前記シールリング20は、弾性材製で円環状のシール部材24と、このシール部材24を補強する円環状の芯金21とを備える。芯金21は、金属板をプレス成形にて打ち抜きや曲げ加工する事により断面L字形で全体を円環状に構成したもので、芯金円筒部23と、この芯金円筒部23の軸方向外端縁から径方向内方に折れ曲がった芯金円板部22とから成る。芯金21を断面L字形に折り曲げることにより、パックシール3の幅寸法を縮減している。この様なシールリング20は、芯金円筒部23を、前記外輪2の軸方向内端部内周面に締り嵌めで内嵌(圧入内嵌)する事により、前記外輪2に対し固定している。又、この状態で、前記シール部材24を構成する複数本のシールリップの先端縁を前記スリンガ10の表面に、全周に亙り摺接させている。
前記シール部材24は、弾性体(例えばゴム)の成型体からなり、芯金20の芯金円筒部23及び芯金円板部22に固着一体とされている。図1に示すように、2個のサイドリップ25,25が、芯金円板部22を基部として先端縁をスリンガ円板部12の軸方向外側面に弾性摺接され、ラジアルリップ26が、芯金円板部22を基部として先端縁をスリンガ円筒部13の外周面に弾性摺接されている。さらに、サイドリップ25,25の先端縁付近にはグリース27が塗布されており、グリース27が塗布された状態でスリンガ円板部12に摺接している。
前記スリンガ10におけるスリンガ円筒部13の軸方向外端部は、軸方向内側に折り返すことにより段部14を形成しており、この段部14はスリンガ10が単体の状態において成形される。また、折り返し段部14は、前記ラジアルリップ26に対して軸方向外側に位置すると共に、ラジアルリップ26の軸方向外側面に近接対向している。
段部14は、スリンガ円筒部13から径方向外側に突出して、ラジアルリップ26と軸方向に対向することにより、スリンガ10とシールリング20との分離を防止している。また、段部14はスリンガ10が単体の状態で成形されるので、加工が容易であると共に、スリンガ円筒部13の内径面の変形を抑制しつつ段部14を成形することができる。
前記スリンガ10におけるスリンガ円筒部13の軸方向外端部は、軸方向内側に折り返すことにより段部14を形成しており、この段部14はスリンガ10が単体の状態において成形される。また、折り返し段部14は、前記ラジアルリップ26に対して軸方向外側に位置すると共に、ラジアルリップ26の軸方向外側面に近接対向している。
段部14は、スリンガ円筒部13から径方向外側に突出して、ラジアルリップ26と軸方向に対向することにより、スリンガ10とシールリング20との分離を防止している。また、段部14はスリンガ10が単体の状態で成形されるので、加工が容易であると共に、スリンガ円筒部13の内径面の変形を抑制しつつ段部14を成形することができる。
次に、図2を参照して、ラジアルリップ26と段部14の構成を詳細に説明する。内径側に位置するアキシャルリップ25の基部内径寸法は、折り返し段部14の外径寸法より大きくすると共に、芯金円板部22の内径寸法よりも大きく設定する。これにより、パックシール組立て時において、内径側のアキシャルリップ25が折り返し段部14を通過する際に、アキシャルリップ25が内径側に倒れこむのを防ぎ、アキシャルリップ25に塗布されたグリース27が段部14に掻き取られることを防止することができる。具体的には、折り返し段部14の外径寸法をD1、芯金円板部22の内径寸法をD2、内径側に位置するアキシャルリップ25の基部内径寸法をD3とすると、D1<D2<D3とする。さらに、ラジアルリップ26の基部内径寸法と折り返し段部14の外径寸法との距離をH、ラジアルリップ26の厚さ寸法をTとすると、2×T≦H≦3×Tの範囲内に設定する。距離Hがラジアルリップ26の厚さの2倍未満では、パックシール組立て時、ラジアルリップ26が折り返し段部14を通過する際に、ラジアルリップ26が段部14にベタ当り状態になる虞がある。一方、距離Hがラジアルリップ26の厚さの3倍より大きくなると、ラジアルリップ26の剛性が低下してしまい、スリンガ10とシールリング20との非分離の効果が失われる。
以上の構成により、パックシールが軸受ユニットに組み付けられる前の流通時や運搬時に、スリンガとシールリングとが分離することを防止することができる。さらに、スリンガとシールリングの組立て時において、シールリップが反転したり、シールリップに塗布されたグリースが掻き取られること無く、容易かつ確実に組み合わせることができる。この結果、パックシールのシール性能を損なうことなく、軸受ユニットに対するパックシールの組み付けをスムーズに行うことができる。
また、段部とラジアルリップとの間にはラビリンスシールが形成され、軸受内部空間からのグリース漏洩を防止することができる。さらに、スリンガ円筒部の折り返し段部は径方向の剛性が高いので、スリンガと軸受嵌合面に於ける嵌合力及び密封性を向上させることができる。
また、段部とラジアルリップとの間にはラビリンスシールが形成され、軸受内部空間からのグリース漏洩を防止することができる。さらに、スリンガ円筒部の折り返し段部は径方向の剛性が高いので、スリンガと軸受嵌合面に於ける嵌合力及び密封性を向上させることができる。
[実施の形態の第2例]
図3は本発明の実施の形態の第2例であり、エンコーダ付パックシールの例である。本例のパックシール3aの場合、スリンガ10aは不錆磁性鋼板を成形することにより造られ、スリンガ円板部12の軸方向内側面には、回転速度検出装置を構成する為の円輪状に成形された多極磁石のエンコーダ30を添着固定している。エンコーダ30には磁気センサ(図示しない)が対峙して設置され、このセンサとエンコーダ30(センサの被検出体)とにより、軸受の回転速度や回転角度等を検出することができる。さらに、折り返し段部14には、ラジアルリップ26に向かうにつれて外径寸法が小さくなる面取り部15が設けられ、段部14の軸方向内端面にバリ等がない滑らかな表面としている。パックシール組合せ時、この面取り部15により、ラジアルリップが所定の位置及び形状になるように組み立てることができる。また、軸受回転時にラジアルリップ26と段部14が接触した場合でも、段部14の軸方向内端面はバリ等がない滑らかな表面としているので、ラジアルリップ26が損傷する事はない。
図3は本発明の実施の形態の第2例であり、エンコーダ付パックシールの例である。本例のパックシール3aの場合、スリンガ10aは不錆磁性鋼板を成形することにより造られ、スリンガ円板部12の軸方向内側面には、回転速度検出装置を構成する為の円輪状に成形された多極磁石のエンコーダ30を添着固定している。エンコーダ30には磁気センサ(図示しない)が対峙して設置され、このセンサとエンコーダ30(センサの被検出体)とにより、軸受の回転速度や回転角度等を検出することができる。さらに、折り返し段部14には、ラジアルリップ26に向かうにつれて外径寸法が小さくなる面取り部15が設けられ、段部14の軸方向内端面にバリ等がない滑らかな表面としている。パックシール組合せ時、この面取り部15により、ラジアルリップが所定の位置及び形状になるように組み立てることができる。また、軸受回転時にラジアルリップ26と段部14が接触した場合でも、段部14の軸方向内端面はバリ等がない滑らかな表面としているので、ラジアルリップ26が損傷する事はない。
通常、パックシール3aは、図4に示すように、軸方向に複数個重ねられた状態で棒状に包装されてシール工場から出荷される。軸受工場ではパックシール3aは棒状のまま定配装置にかけられ、ダルマ落し方式で順次切り出された後、軸受ユニットへ圧入される。
軸方向に重ねられたエンコーダ付のパックシール3aでは、隣り合う一方のパックシール3aのエンコーダ30と、他方のパックシール3aの軸方向外面が擦れ合い、エンコーダ30の表面に傷がつく虞がある。また、スリンガ10がエンコーダ30のバックヨークを兼ねる場合、一方のエンコーダ30が隣接する他方のスリンガ10の軸方向外面を吸着し、さらに傷がつきやすくなると共に、シールリング20とスリンガ10の分離が発生しやすくなる。
軸方向に重ねられたエンコーダ付のパックシール3aでは、隣り合う一方のパックシール3aのエンコーダ30と、他方のパックシール3aの軸方向外面が擦れ合い、エンコーダ30の表面に傷がつく虞がある。また、スリンガ10がエンコーダ30のバックヨークを兼ねる場合、一方のエンコーダ30が隣接する他方のスリンガ10の軸方向外面を吸着し、さらに傷がつきやすくなると共に、シールリング20とスリンガ10の分離が発生しやすくなる。
本実施例の折り返し段部14を有するパックシール3aには、上記した搬送時の問題発生を抑制することができる。図4に示すように、スリンガ10の折り返し段14部を隣接する他方のエンコーダ30の内径に一部挿入して、スリンガ10に接触させている。このような構成により、エンコーダ30は隣接するパックシールと接触することが無いので、擦り傷を防止することができる。また、エンコーダ30と隣接するパックシールとの間には十分な空隙が保たれているため、エンコーダ30と隣接するパックシールとの間の磁力はその空隙により弱まり、擦り傷及びシールリング20とスリンガ10の分離を抑制することができる。さらに、折り返し段部14はエンコーダ30の磁力により、棒巻状態を保ち易くなるので、包装や定配装置への投入が容易になる。なお、本実施例の場合、パックシールの定配装置は、定配用の爪をパックシール間の外径側隙間に挿入して順次切り出す方法とすればよい。
図5のパックシール3bは本実施例の変形例であり、エンコーダ30aの内径側を縮径することにより、スリンガ10の折り返し段部14を隣接するエンコーダ30aの表面に接触させている。エンコーダ30aと接触する折り返し段部14の軸方向外端部分は、曲げ加工で滑らかな曲面となっており、ダルマ落し方式の切り出し時にエンコーダ30aの表面と段部14が擦れ合っても傷がつきにくい。また、折り返し段部14は円筒形状であり、円筒端部がエンコーダ30aと接触し、円筒面部はエンコーダ30aとは対向していない為、エンコーダ30aの磁力による段部14の吸着力を最小とすることができるので、擦れ傷の発生を抑制することができる。
尚、上記各実施形態では、内輪1が回転側部材、外輪2が固定側部材である例について述べたが、内輪1が固定側部材、外輪2が回転側部材である場合にも適用可能である。この場合は、スリンガ円筒部13が外輪2の内径面に嵌合されると共にスリンガ円板部部12が内向きに形成され、芯金円筒部23は内輪1の外径面に嵌合されると共に芯金円板部22が外向きに形成される。また、自動車の車輪を支持する軸受ユニットに適用した例について述べたが、他の回転部分の軸受ユニットにも本発明のパックシールを適用することができる。
本発明のパックシール付軸受ユニットは、車輪の回転支持に適用できる。
1 内輪
2 外輪
3、3a、3b パックシール
10、10a スリンガ
12 スリンガ円板部
13 スリンガ円筒部
14 段部
15 面取り部
20 シールリング
21 芯金
22 芯金円板部
23 芯金円筒部
24 シール部材
25 サイドリップ
26 ラジアルリップ
27 グリース
30、30a エンコーダ
51 軸受ユニット
52 ハブ
53 ハブ本体
54 外輪軌道
55 内輪軌道
56 玉
57 保持器
58 軸受内部空間
59 シールリング
60 パックシール
61 スリンガ
62 芯金
63 シール部材
64 シールリング
2 外輪
3、3a、3b パックシール
10、10a スリンガ
12 スリンガ円板部
13 スリンガ円筒部
14 段部
15 面取り部
20 シールリング
21 芯金
22 芯金円板部
23 芯金円筒部
24 シール部材
25 サイドリップ
26 ラジアルリップ
27 グリース
30、30a エンコーダ
51 軸受ユニット
52 ハブ
53 ハブ本体
54 外輪軌道
55 内輪軌道
56 玉
57 保持器
58 軸受内部空間
59 シールリング
60 パックシール
61 スリンガ
62 芯金
63 シール部材
64 シールリング
Claims (2)
- 軸受ユニットと、パックシールとを備え、
このうちの軸受ユニットは、互いに同心に配置された回転側軌道輪及び静止側軌道輪と、これら回転側軌道輪及び静止側軌道輪の互いに対向する周面にそれぞれ設けられた回転側軌道と静止側軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体とを備えたものであり、
前記パックシールは、前記回転側軌道輪と前記静止側軌道輪との互いに対向する周面同士の間に存在する環状空間の端部開口を塞ぐもので、スリンガと、シールリングとを備え、
このうちのスリンガは、金属板を曲げ成形する事により、全体を円環状に造られ、円筒部と、この円筒部の軸方向一端縁から径方向に折れ曲がった円板部とを備えたもので、このうちの円筒部を、前記回転側軌道輪と前記静止側軌道輪とのうちの一方の軌道輪の周面の一部に圧入する事により嵌合固定しており、
前記シールリングは、円環状の芯金と、この芯金により補強された、弾性材製で円環状のシール部材とを備え、芯金は、金属板を曲げ成形する事により、全体を円環状に造られたもので、円筒部と、この円筒部の軸方向一端縁から径方向に折れ曲がった円板部とを備えており、このうちの円筒部を前記他方の軌道輪の周面の一部で前記スリンガに対向する部分に嵌合固定すると共に、前記シール部材を構成する複数本のシールリップの先端部を、前記スリンガの表面に全周に亙り摺接させている、パックシール付軸受ユニットに於いて、
前記シールリップにはグリースが塗布されており、前記スリンガの円板部に摺接する2つのアキシャルリップと、前記スリンガの円筒部に摺接するラジアルリップを有し、前記スリンガにおける円筒部の軸方向他端部を折り返すことにより段部を設け、前記ラジアルリップは段部と軸方向に対向していることを特徴とするパックシール付軸受ユニット。 - 前記スリンガには、そのスリンガの円板部に軸受の回転状態を計測するセンサの被検出体として円環状のエンコーダが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のパックシール付軸受ユニット。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2011113541A JP2012241824A (ja) | 2011-05-20 | 2011-05-20 | パックシール付軸受ユニット |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2011113541A JP2012241824A (ja) | 2011-05-20 | 2011-05-20 | パックシール付軸受ユニット |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2012241824A true JP2012241824A (ja) | 2012-12-10 |
Family
ID=47463761
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2011113541A Withdrawn JP2012241824A (ja) | 2011-05-20 | 2011-05-20 | パックシール付軸受ユニット |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2012241824A (ja) |
Cited By (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100731040B1 (ko) * | 2002-06-12 | 2007-06-22 | 엘지.필립스 엘시디 주식회사 | 액정표시장치의 제조방법 |
| CN104838159A (zh) * | 2012-12-12 | 2015-08-12 | 株式会社捷太格特 | 滚动轴承 |
| CN108167442A (zh) * | 2017-11-15 | 2018-06-15 | 江苏华纳环保科技有限公司 | 一种机舱罩端口多层密封结构 |
| CN110883603A (zh) * | 2019-12-26 | 2020-03-17 | 安徽新诺精工股份有限公司 | 一种机床轴承防护结构 |
| JP2021523039A (ja) * | 2018-05-11 | 2021-09-02 | マシューズ インターナショナル コーポレイション | 噴射アセンブリで使用する封止マイクロバルブのシステムおよび方法 |
| US11639057B2 (en) | 2018-05-11 | 2023-05-02 | Matthews International Corporation | Methods of fabricating micro-valves and jetting assemblies including such micro-valves |
| US11660861B2 (en) | 2018-05-11 | 2023-05-30 | Matthews International Corporation | Systems and methods for controlling operation of micro-valves for use in jetting assemblies |
| US11794476B2 (en) | 2018-05-11 | 2023-10-24 | Matthews International Corporation | Micro-valves for use in jetting assemblies |
| US12358014B2 (en) | 2019-11-01 | 2025-07-15 | Matthews International Corporation | Non-contact deposition systems including jetting assemblies |
-
2011
- 2011-05-20 JP JP2011113541A patent/JP2012241824A/ja not_active Withdrawn
Cited By (11)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100731040B1 (ko) * | 2002-06-12 | 2007-06-22 | 엘지.필립스 엘시디 주식회사 | 액정표시장치의 제조방법 |
| CN104838159A (zh) * | 2012-12-12 | 2015-08-12 | 株式会社捷太格特 | 滚动轴承 |
| CN108167442A (zh) * | 2017-11-15 | 2018-06-15 | 江苏华纳环保科技有限公司 | 一种机舱罩端口多层密封结构 |
| JP2021523039A (ja) * | 2018-05-11 | 2021-09-02 | マシューズ インターナショナル コーポレイション | 噴射アセンブリで使用する封止マイクロバルブのシステムおよび方法 |
| US11639057B2 (en) | 2018-05-11 | 2023-05-02 | Matthews International Corporation | Methods of fabricating micro-valves and jetting assemblies including such micro-valves |
| US11660861B2 (en) | 2018-05-11 | 2023-05-30 | Matthews International Corporation | Systems and methods for controlling operation of micro-valves for use in jetting assemblies |
| US11794476B2 (en) | 2018-05-11 | 2023-10-24 | Matthews International Corporation | Micro-valves for use in jetting assemblies |
| JP7431751B2 (ja) | 2018-05-11 | 2024-02-15 | マシューズ インターナショナル コーポレイション | 噴射アセンブリで使用する封止マイクロバルブのシステムおよび方法 |
| US11938733B2 (en) | 2018-05-11 | 2024-03-26 | Matthews International Corporation | Systems and methods for sealing micro-valves for use in jetting assemblies |
| US12358014B2 (en) | 2019-11-01 | 2025-07-15 | Matthews International Corporation | Non-contact deposition systems including jetting assemblies |
| CN110883603A (zh) * | 2019-12-26 | 2020-03-17 | 安徽新诺精工股份有限公司 | 一种机床轴承防护结构 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US8016294B2 (en) | Sealing device | |
| JP2010185465A (ja) | 組み合わせシールリング付転がり軸受ユニット | |
| WO2019054473A1 (ja) | シール部材およびそれを備える車輪用軸受装置 | |
| JP2014126106A (ja) | 車輪支持用転がり軸受ユニット | |
| JP2013092206A (ja) | シール付車輪支持用軸受ユニット | |
| JP2012112494A (ja) | 車輪用軸受の密封装置 | |
| JP2013242033A (ja) | 転がり軸受 | |
| JP2006316884A (ja) | 密封装置付き軸受 | |
| JP2013242036A (ja) | シール装置及びシール付軸受ユニット | |
| JP2017106514A (ja) | 密封装置 | |
| JP2018059546A (ja) | アンギュラ玉軸受用の保持器及びハブユニット軸受 | |
| JP7495277B2 (ja) | 車輪支持用転がり軸受ユニット | |
| JP5554127B2 (ja) | 鉄道車両車軸用軸受装置 | |
| JP2017067166A (ja) | 密封装置及び密封装置付ハブユニット軸受 | |
| JP2015152117A (ja) | 転がり軸受及びこれを備える車輪用軸受装置 | |
| JP2020106081A (ja) | ハブユニット軸受 | |
| JP6985881B2 (ja) | 車輪用軸受装置 | |
| JP4853413B2 (ja) | シール構造及び軸受ユニット | |
| JP2012087901A (ja) | 密封装置および転がり軸受装置 | |
| JP5194992B2 (ja) | 転がり軸受装置 | |
| JP5790109B2 (ja) | 転がり軸受装置 | |
| JP4830949B2 (ja) | 軸受ユニット用密封装置、及び車輪支持用軸受ユニット | |
| JP2013133899A (ja) | シール構造及び軸受ユニット | |
| JP2012167750A (ja) | 車軸用軸受装置 | |
| JP4905367B2 (ja) | 軸受用密封装置、及び車輪支持用軸受ユニット |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20140805 |