JP2012244131A - パワーモジュール用基板及びその製造方法 - Google Patents

パワーモジュール用基板及びその製造方法 Download PDF

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敏之 長瀬
Shinsuke Aoki
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    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
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    • C23C18/1601Process or apparatus
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Abstract

【課題】良好な放熱特性を有するとともに、はんだ濡れ性を向上させることができるパワーモジュール用基板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】セラミックス基板2に金属層6および金属層7を積層するとともに、金属層6上に無電解ニッケルメッキ層61を形成した後、その無電解ニッケルメッキ層61を厚さが0.5μm以上2.0μm以下、算術平均粗さが0.1μm以上0.4μm以下となるように研磨してメッキ層60を形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、大電流、高電圧を制御する半導体装置に用いられるパワーモジュール用基板及びその製造方法に関する。
従来のパワーモジュールとして、セラミックス基板の一方の面に、回路層となるアルミニウム等の金属層が積層され、この回路層の上に半導体チップ等の電子部品がはんだ付けされるとともに、セラミックス基板の他方の面に放熱層となる金属層が形成され、この金属層にヒートシンクが接合された構成のものが知られている。
この種のパワーモジュールに用いられるパワーモジュール用基板においては、はんだ濡れ性向上のために、回路層の表面にニッケルメッキが施されたものが知られている。
例えば、特許文献1から特許文献3記載のパワーモジュール用基板においては、金属層の表面に無電解ニッケルメッキ又は電解ニッケルメッキを施している。また、特許文献4記載のパワーモジュール用基板では、回路層となるアルミニウム金属層上に、そのアルミニウム金属層と密着性の高い無電解ニッケルメッキを施し、その上にさらに電解ニッケルメッキを重ねてメッキ層を形成している。
特開平5−243421号公報 特開2004−207445号公報 特開2004−250762号公報 特開2010−50415号公報
しかしながら、前述の特許文献1から特許文献4に提案されているように、金属層に無電解ニッケルメッキを形成した場合、金属層との密着性は高いが、はんだ付け時に生じる金属層とメッキ層との熱膨張差によって、メッキ層に割れ(クラック)が発生することがある。そして、メッキ層内にクラックがあると、冷熱サイクル時にそのクラックを起点にして、はんだにもクラックが生じ、熱抵抗の上昇を招くという問題がある。
この場合、メッキ層を薄くすることで、はんだ付け時のクラックを防止することができると考えられるが、一方で、メッキ層を薄くすると、メッキ層内にピンホールが残り、はんだ付け時にボイドが発生し、そのボイドが起点となって冷熱サイクル時にはんだにクラックが発生するおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、金属層との密着性及びはんだ濡れ性が良いとともに、はんだ付け時のクラック等の発生を確実に防止することができ、良好な放熱特性を有するパワーモジュール用基板及びその製造方法を提供する。
本発明のパワーモジュール用基板の製造方法は、セラミックス基板に金属層を積層するとともに、前記金属層上に無電解ニッケルメッキ層を形成した後に、前記無電解ニッケルメッキ層を厚さが0.5μm以上2.0μm以下、算術平均粗さが0.1μm以上0.4μm以下となるように研磨することを特徴とする。
無電解ニッケルメッキ層を薄く形成すると、そのメッキ層内にピンホールが生じやすいため、一度、無電解ニッケルメッキ層を厚く形成し(例えば5μm以上の厚さ)、その後、研磨して平滑化することで、ピンホールのないメッキ層を形成することができる。これにより、ピンホールに起因するはんだ付け時のボイド発生を抑制することができる。また、メッキ層を薄く形成することで、熱膨張差によって生じるメッキ層の割れを防止することができる。さらに、メッキ層の表面は平滑化されており、良好なはんだ濡れ性を有する。
本発明のパワーモジュール用基板の製造方法は、セラミックス基板に金属層を積層するとともに、前記金属層上に無電解ニッケルメッキ層を形成した後に、前記無電解ニッケルメッキ層を厚さが0.5μm以上2.0μm以下となるように研磨し、前記無電解ニッケルメッキ層上に算術平均粗さが0.1μm以上0.4μm以下となるように電解ニッケルメッキ層を形成することを特徴とする。
一度、無電解ニッケルメッキ層を厚く形成し、その後、研磨して平滑化することで、ピンホールに起因するはんだ付け時のボイド発生を抑制し、熱膨張差によって生じるメッキ層の割れを防止することができる。そして、電解ニッケルメッキ層の算術平均粗さ(Ra)を0.1μm以上0.4μm以下に平滑化して形成しているので、良好なはんだ濡れ性を得ることができる。また、電解ニッケルメッキ層は、無電解ニッケルメッキ層よりも柔らかく、はんだ付け時に熱膨張差によって生じるメッキ層の割れを確実に防止することができる。
本発明のパワーモジュール用基板の製造方法は、セラミックス基板に金属層を積層するとともに、前記金属層の表面を算術平均粗さが0.1μm以上0.2μm以下に形成しておき、前記金属層の表面に、厚さが0.5μm以上2.0μm以下、算術平均粗さが0.1μm以上0.4μm以下となるように無電解ニッケルメッキ層を形成することを特徴とする。
予め下地となる金属層の表面を平滑化しておくことで、無電解ニッケルメッキ層を薄く形成した場合でも、メッキ層内にピンホールが生じにくく、また、メッキ層の表面を平坦に形成することができる。
本発明のパワーモジュール用基板の製造方法は、セラミックス基板に金属層を積層するとともに、前記金属層の表面を、算術平均粗さが0.1μm以上0.2μm以下に形成しておき、前記金属層の表面に、厚さが0.5μm以上2.0μm以下となるように無電解ニッケルメッキ層を形成し、前記無電解ニッケルメッキ層上に算術平均粗さが0.1μm以上0.4μm以下となるように電解ニッケルメッキ層を形成することを特徴とする。
電解ニッケルメッキ層の算術平均粗さ(Ra)を0.1μm以上0.4μm以下に平滑化して形成しているので、良好なはんだ濡れ性を得ることができる。また、電解ニッケルメッキ層は、無電解ニッケルメッキ層よりも柔らかく、はんだ付け時に熱膨張によって生じるメッキ層の割れを確実に防止することができる。
本発明のパワーモジュール用基板は、セラミックス基板に金属層が積層されるとともに、前記金属層の表面にメッキ層が形成されてなるパワーモジュール用基板であって、前記メッキ層は、厚さが0.5μm以上2.0μm以下の無電解ニッケルメッキ層からなり、前記無電解メッキ層の算術平均粗さは0.1μm以上0.4μm以下とされていることを特徴とする。
金属層との密着性の高い無電解ニッケルメッキ層を、厚さの薄い0.5μm以上2.0μm以下に設けることで、はんだ付け時の熱膨張係数差によって生じるメッキ層の割れ(クラック)を防止することができ、冷熱サイクル時において、はんだへのクラック発生を防止することができる。また、メッキ層の算術平均粗さ(Ra)を0.1μm以上0.4μm以下にしていることにより、良好なはんだ濡れ性を得ることができる。
また、本発明のパワーモジュール用基板は、セラミックス基板に金属層が積層されるとともに、前記金属層の表面にメッキ層が形成されてなるパワーモジュール用基板であって、前記メッキ層は、厚さが0.5μm以上2.0μm以下の無電解ニッケルメッキ層及び前記無電解ニッケルメッキ層上に形成された電解ニッケルメッキ層からなり、前記電解ニッケルメッキ層の算術平均粗さは0.1μm以上0.4μm以下とされていることを特徴とする。
電解ニッケルメッキ層の算術平均粗さ(Ra)を0.1μm以上0.4μm以下に平滑化して形成しているので、良好なはんだ濡れ性を得ることができる。また、電解ニッケルメッキ層は、無電解ニッケルメッキ層よりも柔らかく、はんだ付け時に熱膨張差によって生じるメッキ層の割れを確実に防止することができる。
なお、冷熱サイクルの耐久性の観点から、電解ニッケルメッキ層の厚さは4μm以下に形成されているのが望ましい。
本発明によれば、金属層との密着性及びはんだ濡れ性が良く、はんだ付け時のクラック等の発生を確実に防止することができるので、良好な放熱特性を有することができる。
本発明の第1実施形態のパワーモジュールの全体構成を示す縦断面図である。 回路層へのメッキ層の形成を説明する要部拡大図である。 第3実施形態のメッキ層を説明する要部拡大図である。 はんだボールの濡れ拡がり率を説明する図であり、(a)が濡れ拡がる前のはんだボール、(b)が濡れ拡がったときのはんだボールを示す。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態のパワーモジュール基板を用いたパワーモジュールを示している。この図1のパワーモジュール100は、セラミックス基板2を有するパワーモジュール用基板3と、パワーモジュール用基板3の表面に搭載された半導体チップ等の電子部品4と、パワーモジュール用基板3の裏面に接合されたヒートシンク5とから構成される。
パワーモジュール用基板3は、セラミックス基板2の両面に金属層6,7が積層されており、その一方の金属層6が回路層となり、その表面に電子部品4が接合される。また、他方の金属層7は放熱層とされ、その表面にヒートシンク5が取り付けられる。
セラミックス基板2は、例えば、AlN(窒化アルミニウム)、Si(窒化珪素)等の窒化物系セラミックス、もしくはAl(アルミナ)等の酸化物系セラミックスにより形成される。
両金属層6,7は、いずれも純度99.90質量%以上のアルミニウムが用いられ、JIS規格では、1N90(純度99.90質量%以上:いわゆる3Nアルミニウム)又は1N99(純度99.99質量%以上:いわゆる4Nアルミニウム)を用いることができる。なお、金属層6,7には、アルミニウムの他、Cuを用いることもできる。
セラミックス基板2及び両金属層6,7の平面状の大きさや厚さについての個々の寸法は特に限定されるものではないが、両金属層6,7の一辺が約50mmの略正方形に形成され、セラミックス基板2は、両金属層6,7より若干大きい矩形に形成される。また、セラミックス基板2の厚さは例えば635μm、両金属層6,7の厚さは600μmとされる。
また、両金属層6,7は、それぞれプレス加工により所望の外形に打ち抜いたものをセラミックス基板2に接合するか、あるいは、平板状のものをセラミックス基板2に接合した後に、エッチング加工により所望の外形に形成するか、いずれの方法も採用することができる。
両金属層6,7のうち、回路層である金属層6には所望の回路パターンが形成されており、その表面にはメッキ層60が形成されている。このメッキ層60は、Ni‐1〜3質量%Pや、Ni‐0.5質量%B等の無電解ニッケルメッキ層により、厚さが0.5μm以上2.0μm、算術平均粗さ(Ra)が0.1μm以上0.4μm以下となるように形成されている。
また、セラミックス基板2と回路層及び放熱層となる金属層6,7とは、Al‐Si系、Al‐Ge系、Al‐Cu系、Al‐Mg系またはAl‐Mn系等のろう材によりろう付けされている。
なお、セラミックス基板2と金属層6,7とは、拡散接合(Transient Liquid Phase Diffusion Bonding)によって接合してもよい。その接合方法について簡単に説明すると、金属層にスパッタリングによってCu又はAgを含有する固着層を形成した後、その固着層をセラミックス基板に接触させた状態で積層し、この積層体を加圧、加熱することにより、Cu又はAgが金属層に拡散して金属層の固着層近傍の融点を低下させ、セラミックス基板と金属層との界面に溶融金属層を形成する。さらに、拡散が進むと、溶融金属層のCu又はAg濃度が低下して融点が上昇することにより凝固して、セラミックス基板と金属層とが接合される。
金属層6と電子部品4との接合には、Sn‐Cu系,Sn‐Ag系,Sn‐Ag‐Cu系,Zn‐Al系もしくはPb‐Sn系等のはんだ材が用いられる。図中符号8がそのはんだ接合層を示す。また、電子部品4と金属層6の端子部との間は、アルミニウム等からなるボンディングワイヤ(図示略)により接続される。
次に、このような構成のパワーモジュール用基板3の製造方法について説明する。
まず、セラミックス基板2の両面にろう材箔を介して回路層及び放熱層となる両金属層6,7を積層し、これら積層体を積層方向に加圧した状態で加熱し、ろう材箔を溶融させることによって両金属層6,7をそれぞれセラミックス基板2に接合する。そして、この回路層となる金属層6の表面に、無電解ニッケルメッキを施して、メッキ層60を形成する。
本実施形態においては、メッキ層60は、この最終形態のメッキ層60より肉厚に形成した無電解ニッケルメッキ層61を研磨することによって形成される。具体的には、図2(a)に示すように、回路層となる金属層6の表面上に、5μm以上の厚さで無電解ニッケルメッキ層61を形成する。その後、この無電解ニッケルメッキ層61を、例えば硫酸濃度75%、電流密度1.4A/cm、研磨時間20sec、温度40℃で電解研磨することにより、厚さを0.5μm以上2.0μm以下、算術平均粗さ(Ra)を0.1μm以上0.4μm以下に仕上げることにより、メッキ層60とする(図2(b))。
このように、メッキ層60を、金属層6との密着性の高い無電解ニッケルメッキ層により形成し、厚さの薄い0.5μm以上2.0μm以下に設けることで、はんだ付け時の熱膨張差によって生じるメッキ層60の割れ(クラック)を防止することができる。これにより、冷熱サイクル時において、はんだへのクラック発生を防止することができる。また、メッキ層60の算術平均粗さ(Ra)を0.1μm以上0.4μm以下にして形成することにより、良好なはんだ濡れ性を得ることができる。
また、無電解ニッケルメッキ層は薄いとピンホールが生じ易いが、5μm以上の厚さに形成した場合はピンホールの発生を抑制することができる。本実施形態では、一度、無電解ニッケルメッキ層を5μm以上に厚く形成した後に、電解研磨して平滑化することで、ピンホールがなく、厚さの薄いメッキ層60を形成することができる。これにより、ピンホールに起因するはんだ付け時のボイド発生を抑制することができる。
したがって、金属層6との密着性及びはんだ濡れ性が良く、はんだ付け時のクラック等の発生を確実に防止することができるメッキ層60を形成することができるので、良好な放熱特性を有するパワーモジュール用基板を構成することができる。
次に、本発明の第2実施形態を説明する。この第2実施形態では、最終形態は第1実施形態の図1及び図2(b)と同様であるので、これらの図及びこれらの図に使用した符号を用いて説明する。
回路層である金属層6の表面を電解研磨、機械研磨(バフ研磨等)、ブラスト研磨、化学研磨等により研磨し、予め算術平均粗さ(Ra)を0.1μm以上0.2μm以下に形成して、平滑化しておき、この平滑化した金属層6の表面に、厚さが0.5μm以上2.0μm以下の無電解ニッケルメッキ層60(メッキ層)を形成する。なお、化学研磨には、50℃の5%水酸化ナトリウム溶液や、50℃の10%リン酸溶液、又は70℃の4%リン酸−6%硫酸溶液等の研磨液が利用できる。
金属層6の表面を平滑化しておくことで、無電解ニッケルメッキ層60を厚さが2.0μm以下に薄く形成した場合でも、メッキ層内にピンホールが生じることなく、金属層6の表面に密着させて形成することができるとともに、メッキ層の表面を平坦に形成することができるので、良好なはんだ濡れ性を得ることができる。
次に、本発明の第3実施形態を説明する。図3に示すとおり、この第3実施形態のパワーモジュール用基板においては、メッキ層70は、無電解ニッケルメッキ層71と、電解ニッケルメッキ層72との二層構造とされている。すなわち、前述した第1実施形態及び第2実施形態に示すいずれかの方法で、金属層6の表面に厚さ0.5μm以上2.0μm以下で、無電解ニッケルメッキ層71を形成した後に、その無電解ニッケルメッキ層71上に算術平均粗さが0.1μm以上0.4μm以下となる電解ニッケルメッキ層72を重ねることによりメッキ層70を形成する。この場合、冷熱サイクルの耐久性の観点から、電解ニッケルメッキ層72の厚さは、4.0μm以下に形成されていることが望ましく、1.0μm以上あるとよい。
この場合、電解ニッケルメッキ層72の表面を算術平均粗さ(Ra)が0.1μm以上0.2μm以下になるように平坦に形成することによって、良好なはんだ濡れ性を得ることができる。また、電解ニッケルメッキ層72は、無電解ニッケルメッキ層71よりも柔らかく、はんだ付け時に熱膨張差によって生じるメッキ層70の割れを確実に防止することができる。
次に、本発明の効果確認のために、アルミニウム製の金属層にメッキ層を形成した試料1〜23を表1及び表2に示す条件で作成し、これらの「メッキ密着性」、「はんだ濡れ性」、「冷熱サイクル時の耐久性」をそれぞれ評価した。なお、本実施形態における算術平均粗さ(Ra)は、光波干渉式表面粗さ測定器によって測定した。また、メッキ層の厚さは、蛍光X線膜厚計および電解式膜厚計によって測定した。
表1は、金属層に研磨処理を施さずに、メッキ層を形成した試料の評価結果を示し、表2は、金属層の表面を予め研磨した後に、メッキ層を形成した試料の評価結果を示す。
なお、無電解ニッケルメッキ層の上に、電解ニッケルメッキ層を重ねて形成した場合のみ、表1及び表2に電解ニッケルメッキ層の厚さt2を記載し、電解ニッケルメッキ層を形成しなかったものについては「‐」を記載した。
また、試料1〜10は、無電解ニッケルメッキ層を5.0μmの厚さで形成した後に、電解研磨して厚さt1に形成したものである。試料11は、無電解ニッケルメッキ層を研磨することなく、初めから厚さt1で形成したものである。また、試料12は、無電解ニッケルメッキ層を設けずに、直接、電解ニッケルメッキ層を厚さt2で形成したものである。
メッキ層の厚さt1,t1とt2の総厚Tは、蛍光X線膜厚計により測定した。また、電解ニッケルメッキ層の厚さt2については、電解式膜厚計を用いて測定し、その時の無電解ニッケルメッキ層の厚さt1を、t1=T−t2により求めた。そして、これらの測定は、膜厚計の視野中(10×15μm)で5点の厚さを測定して行い、その平均値を表1及び表2に記載した。
「メッキ添加物」の欄に、「P」が記載されている試料については、無電解ニッケルメッキ層としてNi‐3質量%Pを用い、「B」が記載されている試料については、Ni‐0.5質量%Bを用いた。
(メッキの密着性評価)
メッキ層の密着性評価は、碁盤目付着試験(一辺1mmの10×10の升目状の切り目をカッターナイフで膜につけ、18mm幅の粘着テープを貼り付けて剥がしたとき、剥がれずに残った升目の数で表す)で評価した。無電解ニッケルメッキ層のみを形成した試料については、無電解ニッケルメッキ層と金属層との密着性を評価した。また、無電解ニッケルメッキ層上に電解ニッケルメッキ層を形成した試料については、電解ニッケルメッキ層と無電解ニッケルメッキ層との密着性を評価した。
粘着テープで升目が剥がされることなく、残った升目の数が100であったものを「○」、殆ど剥がされることなく、残った升目の数が99〜95だったものを「△」、残った升目の数が94以下で升目の剥がれが多く発生したものを「×」として評価した。
(はんだ濡れ性評価)
はんだの濡れ性は、図4(a)に示すように、各試料1〜23の無電解ニッケルメッキ層60又は電解ニッケルメッキ層72の表面にはんだボール80を形成し、これを溶融して同図(b)に示すように濡れ拡がったときの濡れ拡がり率を下記に示す計算式(1)により評価した。符号Dは、濡れ拡がる前の形状を球とみなした場合のはんだボール80の直径、符号Hは、図4(b)に示す濡れ拡がり状態における高さを示す。
Figure 2012244131
はんだの濡れ拡がり率が60%より大きく、良好な濡れ拡がりが得られたものを「○」、50%より大きいが60%以下であったものを「△」、はんだが十分に濡れ拡がらず、50%以下であったものを「×」として評価した。
(冷熱サイクルの耐久性評価)
各試料1〜23のメッキ層60の表面に電子部品をはんだ付けしたものを作製し、−40℃から105℃に10分間で上昇させ、105℃に15分保持した後、105℃から−40℃に10分間で下降させ、−40℃に15分保持する温度履歴を1サイクルとした冷熱サイクルを3000サイクル付与した。そして、超音波検査装置により、各試料1〜23と電子部品との接合面におけるクラックの有無を確認した。3000サイクル後のはんだ付け部分の面積におけるクラックの占める割合(欠損率)が3%以下のものを「◎」とし、3%を超えて5%以下のものを「○」、5%を超えて10%以下のものを「△」、10%を超えるものを「×」として評価した。
Figure 2012244131
表1からわかるように、金属層上に無電解ニッケルメッキ層を5.0μm以上の厚さで形成した後に、その無電解ニッケルメッキ層を厚さが0.5μm以上2.0μm以下、算術平均粗さ(Ra)が0.1μm以上0.4μm以下となるように研磨して設けることで、メッキ層が形成される金属層の算術平均粗さ(Ra)の値が大きい(0.60)場合でも、「メッキ密着性」、「はんだ濡れ性」、「冷熱サイクル時の耐久性」に優れたメッキ層を形成することができる(試料1〜8)。
無電解ニッケルメッキ層の厚さが0.5μm以下で、無電解ニッケルメッキ層の算術平均粗さ(Ra)を0.1μm未満で形成した場合(試料9)には、メッキ層の表面が平滑化しすぎて、「メッキ密着性」が低下することがわかる。一方で、無電解ニッケルメッキ層の厚みが2.0μm以上で厚すぎる場合(試料10)は、メッキ層の表面が平滑化しきれず、「はんだ濡れ性」が悪くなり、また「冷熱サイクルの耐久性」も悪く、はんだにクラックが生じた。
さらに、無電解ニッケルメッキ層を研磨することなく、初めから厚さt1で形成しておき、その無電解ニッケルメッキ層の上に電解ニッケルメッキ層を形成した場合(試料11)、無電解ニッケルメッキ層を設けずに、直接、金属層の上に電解ニッケルメッキ層を形成した場合(試料12)では、表面粗さが0.4μmを超えてしまい、「はんだ濡れ性」及び「冷熱サイクルの耐久性」が劣る結果となった。
Figure 2012244131
また、表2からわかるように、予め金属層の表面を、算術平均粗さ(Ra)0.1μm以上0.2μm以下の平滑面に形成しておくことで、無電解ニッケルメッキ層を薄く設けた場合にも、メッキ層の算術平均粗さ(Ra)を0.1μm以上0.4μm以下として平坦に形成することができる。これにより、メッキ層内のピンホール発生を防止することができるとともに、良好なはんだ濡れ性を得ることができる(試料13〜19)。
なお、金属層の算術平均粗さ(Ra)を0.1μm未満とした場合(試料21)には、その金属層とメッキ層との密着性が低下し、0.2μmを超える場合(試料20)には、メッキ層の算術平均粗さ(Ra)を0.4μm以下に抑えることができずに、はんだ濡れ性が低下することがわかる。さらに、無電解ニッケルメッキ層の厚みを0.5μm未満とした場合(試料22)及び無電解ニッケルメッキ層の厚みを2.0μmを超えて形成した場合(試料23)には、はんだにクラックを生じ、冷熱サイクルの耐久性が悪くなることがわかる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
2 セラミックス基板
3 パワーモジュール用基板
4 電子部品
5 ヒートシンク
6,7 金属層
8 はんだ接合層
60,70 メッキ層
61,71 無電解ニッケルメッキ層
72 電解ニッケルメッキ層
80 はんだボール
100 パワーモジュール

Claims (7)

  1. セラミックス基板に金属層を積層するとともに、前記金属層上に無電解ニッケルメッキ層を形成した後に、前記無電解ニッケルメッキ層を厚さが0.5μm以上2.0μm以下、算術平均粗さが0.1μm以上0.4μm以下となるように研磨することを特徴とするパワーモジュール用基板の製造方法。
  2. セラミックス基板に金属層を積層するとともに、前記金属層上に無電解ニッケルメッキ層を形成した後に、前記無電解ニッケルメッキ層を厚さが0.5μm以上2.0μm以下となるように研磨し、前記無電解ニッケルメッキ層上に算術平均粗さが0.1μm以上0.4μm以下となるように電解ニッケルメッキ層を形成することを特徴とするパワーモジュール用基板の製造方法。
  3. セラミックス基板に金属層を積層するとともに、前記金属層の表面を、算術平均粗さが0.1μm以上0.2μm以下に形成しておき、前記金属層の表面に、厚さが0.5μm以上2.0μm以下、算術平均粗さが0.1μm以上0.4μm以下となるように無電解ニッケルメッキ層を形成することを特徴とするパワーモジュール用基板の製造方法。
  4. セラミックス基板に金属層を積層するとともに、前記金属層の表面を、算術平均粗さが0.1μm以上0.2μm以下に形成しておき、前記金属層の表面に、厚さが0.5μm以上2.0μm以下となるように無電解ニッケルメッキ層を形成し、前記無電解ニッケルメッキ層上に算術平均粗さが0.1μm以上0.4μm以下となるように電解ニッケルメッキ層を形成することを特徴とするパワーモジュール用基板の製造方法。
  5. セラミックス基板に金属層が積層されるとともに、前記金属層の表面にメッキ層が形成されてなるパワーモジュール用基板であって、前記メッキ層は、厚さが0.5μm以上2.0μm以下の無電解ニッケルメッキ層からなり、前記無電解ニッケルメッキ層の算術平均粗さは0.1μm以上0.4μm以下とされていることを特徴とするパワーモジュール用基板。
  6. セラミックス基板に金属層が積層されるとともに、前記金属層の表面にメッキ層が形成されてなるパワーモジュール用基板であって、前記メッキ層は、厚さが0.5μm以上2.0μm以下の無電解ニッケルメッキ層及び前記無電解ニッケルメッキ層上に形成された電解ニッケルメッキ層からなり、前記電解ニッケルメッキ層の算術平均粗さは0.1μm以上0.4μm以下とされていることを特徴とするパワーモジュール用基板。
  7. 前記電解ニッケルメッキ層の厚さが4μm以下であることを特徴とする請求項6記載のパワーモジュール用基板。
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