JP2012244131A - パワーモジュール用基板及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】セラミックス基板2に金属層6および金属層7を積層するとともに、金属層6上に無電解ニッケルメッキ層61を形成した後、その無電解ニッケルメッキ層61を厚さが0.5μm以上2.0μm以下、算術平均粗さが0.1μm以上0.4μm以下となるように研磨してメッキ層60を形成する。
【選択図】 図1
Description
例えば、特許文献1から特許文献3記載のパワーモジュール用基板においては、金属層の表面に無電解ニッケルメッキ又は電解ニッケルメッキを施している。また、特許文献4記載のパワーモジュール用基板では、回路層となるアルミニウム金属層上に、そのアルミニウム金属層と密着性の高い無電解ニッケルメッキを施し、その上にさらに電解ニッケルメッキを重ねてメッキ層を形成している。
この場合、メッキ層を薄くすることで、はんだ付け時のクラックを防止することができると考えられるが、一方で、メッキ層を薄くすると、メッキ層内にピンホールが残り、はんだ付け時にボイドが発生し、そのボイドが起点となって冷熱サイクル時にはんだにクラックが発生するおそれがある。
無電解ニッケルメッキ層を薄く形成すると、そのメッキ層内にピンホールが生じやすいため、一度、無電解ニッケルメッキ層を厚く形成し(例えば5μm以上の厚さ)、その後、研磨して平滑化することで、ピンホールのないメッキ層を形成することができる。これにより、ピンホールに起因するはんだ付け時のボイド発生を抑制することができる。また、メッキ層を薄く形成することで、熱膨張差によって生じるメッキ層の割れを防止することができる。さらに、メッキ層の表面は平滑化されており、良好なはんだ濡れ性を有する。
一度、無電解ニッケルメッキ層を厚く形成し、その後、研磨して平滑化することで、ピンホールに起因するはんだ付け時のボイド発生を抑制し、熱膨張差によって生じるメッキ層の割れを防止することができる。そして、電解ニッケルメッキ層の算術平均粗さ(Ra)を0.1μm以上0.4μm以下に平滑化して形成しているので、良好なはんだ濡れ性を得ることができる。また、電解ニッケルメッキ層は、無電解ニッケルメッキ層よりも柔らかく、はんだ付け時に熱膨張差によって生じるメッキ層の割れを確実に防止することができる。
予め下地となる金属層の表面を平滑化しておくことで、無電解ニッケルメッキ層を薄く形成した場合でも、メッキ層内にピンホールが生じにくく、また、メッキ層の表面を平坦に形成することができる。
電解ニッケルメッキ層の算術平均粗さ(Ra)を0.1μm以上0.4μm以下に平滑化して形成しているので、良好なはんだ濡れ性を得ることができる。また、電解ニッケルメッキ層は、無電解ニッケルメッキ層よりも柔らかく、はんだ付け時に熱膨張によって生じるメッキ層の割れを確実に防止することができる。
なお、冷熱サイクルの耐久性の観点から、電解ニッケルメッキ層の厚さは4μm以下に形成されているのが望ましい。
図1は、本発明の第1実施形態のパワーモジュール基板を用いたパワーモジュールを示している。この図1のパワーモジュール100は、セラミックス基板2を有するパワーモジュール用基板3と、パワーモジュール用基板3の表面に搭載された半導体チップ等の電子部品4と、パワーモジュール用基板3の裏面に接合されたヒートシンク5とから構成される。
両金属層6,7は、いずれも純度99.90質量%以上のアルミニウムが用いられ、JIS規格では、1N90(純度99.90質量%以上:いわゆる3Nアルミニウム)又は1N99(純度99.99質量%以上:いわゆる4Nアルミニウム)を用いることができる。なお、金属層6,7には、アルミニウムの他、Cuを用いることもできる。
また、両金属層6,7は、それぞれプレス加工により所望の外形に打ち抜いたものをセラミックス基板2に接合するか、あるいは、平板状のものをセラミックス基板2に接合した後に、エッチング加工により所望の外形に形成するか、いずれの方法も採用することができる。
なお、セラミックス基板2と金属層6,7とは、拡散接合(Transient Liquid Phase Diffusion Bonding)によって接合してもよい。その接合方法について簡単に説明すると、金属層にスパッタリングによってCu又はAgを含有する固着層を形成した後、その固着層をセラミックス基板に接触させた状態で積層し、この積層体を加圧、加熱することにより、Cu又はAgが金属層に拡散して金属層の固着層近傍の融点を低下させ、セラミックス基板と金属層との界面に溶融金属層を形成する。さらに、拡散が進むと、溶融金属層のCu又はAg濃度が低下して融点が上昇することにより凝固して、セラミックス基板と金属層とが接合される。
まず、セラミックス基板2の両面にろう材箔を介して回路層及び放熱層となる両金属層6,7を積層し、これら積層体を積層方向に加圧した状態で加熱し、ろう材箔を溶融させることによって両金属層6,7をそれぞれセラミックス基板2に接合する。そして、この回路層となる金属層6の表面に、無電解ニッケルメッキを施して、メッキ層60を形成する。
したがって、金属層6との密着性及びはんだ濡れ性が良く、はんだ付け時のクラック等の発生を確実に防止することができるメッキ層60を形成することができるので、良好な放熱特性を有するパワーモジュール用基板を構成することができる。
回路層である金属層6の表面を電解研磨、機械研磨(バフ研磨等)、ブラスト研磨、化学研磨等により研磨し、予め算術平均粗さ(Ra)を0.1μm以上0.2μm以下に形成して、平滑化しておき、この平滑化した金属層6の表面に、厚さが0.5μm以上2.0μm以下の無電解ニッケルメッキ層60(メッキ層)を形成する。なお、化学研磨には、50℃の5%水酸化ナトリウム溶液や、50℃の10%リン酸溶液、又は70℃の4%リン酸−6%硫酸溶液等の研磨液が利用できる。
金属層6の表面を平滑化しておくことで、無電解ニッケルメッキ層60を厚さが2.0μm以下に薄く形成した場合でも、メッキ層内にピンホールが生じることなく、金属層6の表面に密着させて形成することができるとともに、メッキ層の表面を平坦に形成することができるので、良好なはんだ濡れ性を得ることができる。
この場合、電解ニッケルメッキ層72の表面を算術平均粗さ(Ra)が0.1μm以上0.2μm以下になるように平坦に形成することによって、良好なはんだ濡れ性を得ることができる。また、電解ニッケルメッキ層72は、無電解ニッケルメッキ層71よりも柔らかく、はんだ付け時に熱膨張差によって生じるメッキ層70の割れを確実に防止することができる。
表1は、金属層に研磨処理を施さずに、メッキ層を形成した試料の評価結果を示し、表2は、金属層の表面を予め研磨した後に、メッキ層を形成した試料の評価結果を示す。
なお、無電解ニッケルメッキ層の上に、電解ニッケルメッキ層を重ねて形成した場合のみ、表1及び表2に電解ニッケルメッキ層の厚さt2を記載し、電解ニッケルメッキ層を形成しなかったものについては「‐」を記載した。
また、試料1〜10は、無電解ニッケルメッキ層を5.0μmの厚さで形成した後に、電解研磨して厚さt1に形成したものである。試料11は、無電解ニッケルメッキ層を研磨することなく、初めから厚さt1で形成したものである。また、試料12は、無電解ニッケルメッキ層を設けずに、直接、電解ニッケルメッキ層を厚さt2で形成したものである。
メッキ層の厚さt1,t1とt2の総厚Tは、蛍光X線膜厚計により測定した。また、電解ニッケルメッキ層の厚さt2については、電解式膜厚計を用いて測定し、その時の無電解ニッケルメッキ層の厚さt1を、t1=T−t2により求めた。そして、これらの測定は、膜厚計の視野中(10×15μm)で5点の厚さを測定して行い、その平均値を表1及び表2に記載した。
「メッキ添加物」の欄に、「P」が記載されている試料については、無電解ニッケルメッキ層としてNi‐3質量%Pを用い、「B」が記載されている試料については、Ni‐0.5質量%Bを用いた。
メッキ層の密着性評価は、碁盤目付着試験(一辺1mmの10×10の升目状の切り目をカッターナイフで膜につけ、18mm幅の粘着テープを貼り付けて剥がしたとき、剥がれずに残った升目の数で表す)で評価した。無電解ニッケルメッキ層のみを形成した試料については、無電解ニッケルメッキ層と金属層との密着性を評価した。また、無電解ニッケルメッキ層上に電解ニッケルメッキ層を形成した試料については、電解ニッケルメッキ層と無電解ニッケルメッキ層との密着性を評価した。
粘着テープで升目が剥がされることなく、残った升目の数が100であったものを「○」、殆ど剥がされることなく、残った升目の数が99〜95だったものを「△」、残った升目の数が94以下で升目の剥がれが多く発生したものを「×」として評価した。
はんだの濡れ性は、図4(a)に示すように、各試料1〜23の無電解ニッケルメッキ層60又は電解ニッケルメッキ層72の表面にはんだボール80を形成し、これを溶融して同図(b)に示すように濡れ拡がったときの濡れ拡がり率を下記に示す計算式(1)により評価した。符号Dは、濡れ拡がる前の形状を球とみなした場合のはんだボール80の直径、符号Hは、図4(b)に示す濡れ拡がり状態における高さを示す。
各試料1〜23のメッキ層60の表面に電子部品をはんだ付けしたものを作製し、−40℃から105℃に10分間で上昇させ、105℃に15分保持した後、105℃から−40℃に10分間で下降させ、−40℃に15分保持する温度履歴を1サイクルとした冷熱サイクルを3000サイクル付与した。そして、超音波検査装置により、各試料1〜23と電子部品との接合面におけるクラックの有無を確認した。3000サイクル後のはんだ付け部分の面積におけるクラックの占める割合(欠損率)が3%以下のものを「◎」とし、3%を超えて5%以下のものを「○」、5%を超えて10%以下のものを「△」、10%を超えるものを「×」として評価した。
無電解ニッケルメッキ層の厚さが0.5μm以下で、無電解ニッケルメッキ層の算術平均粗さ(Ra)を0.1μm未満で形成した場合(試料9)には、メッキ層の表面が平滑化しすぎて、「メッキ密着性」が低下することがわかる。一方で、無電解ニッケルメッキ層の厚みが2.0μm以上で厚すぎる場合(試料10)は、メッキ層の表面が平滑化しきれず、「はんだ濡れ性」が悪くなり、また「冷熱サイクルの耐久性」も悪く、はんだにクラックが生じた。
さらに、無電解ニッケルメッキ層を研磨することなく、初めから厚さt1で形成しておき、その無電解ニッケルメッキ層の上に電解ニッケルメッキ層を形成した場合(試料11)、無電解ニッケルメッキ層を設けずに、直接、金属層の上に電解ニッケルメッキ層を形成した場合(試料12)では、表面粗さが0.4μmを超えてしまい、「はんだ濡れ性」及び「冷熱サイクルの耐久性」が劣る結果となった。
なお、金属層の算術平均粗さ(Ra)を0.1μm未満とした場合(試料21)には、その金属層とメッキ層との密着性が低下し、0.2μmを超える場合(試料20)には、メッキ層の算術平均粗さ(Ra)を0.4μm以下に抑えることができずに、はんだ濡れ性が低下することがわかる。さらに、無電解ニッケルメッキ層の厚みを0.5μm未満とした場合(試料22)及び無電解ニッケルメッキ層の厚みを2.0μmを超えて形成した場合(試料23)には、はんだにクラックを生じ、冷熱サイクルの耐久性が悪くなることがわかる。
3 パワーモジュール用基板
4 電子部品
5 ヒートシンク
6,7 金属層
8 はんだ接合層
60,70 メッキ層
61,71 無電解ニッケルメッキ層
72 電解ニッケルメッキ層
80 はんだボール
100 パワーモジュール
Claims (7)
- セラミックス基板に金属層を積層するとともに、前記金属層上に無電解ニッケルメッキ層を形成した後に、前記無電解ニッケルメッキ層を厚さが0.5μm以上2.0μm以下、算術平均粗さが0.1μm以上0.4μm以下となるように研磨することを特徴とするパワーモジュール用基板の製造方法。
- セラミックス基板に金属層を積層するとともに、前記金属層上に無電解ニッケルメッキ層を形成した後に、前記無電解ニッケルメッキ層を厚さが0.5μm以上2.0μm以下となるように研磨し、前記無電解ニッケルメッキ層上に算術平均粗さが0.1μm以上0.4μm以下となるように電解ニッケルメッキ層を形成することを特徴とするパワーモジュール用基板の製造方法。
- セラミックス基板に金属層を積層するとともに、前記金属層の表面を、算術平均粗さが0.1μm以上0.2μm以下に形成しておき、前記金属層の表面に、厚さが0.5μm以上2.0μm以下、算術平均粗さが0.1μm以上0.4μm以下となるように無電解ニッケルメッキ層を形成することを特徴とするパワーモジュール用基板の製造方法。
- セラミックス基板に金属層を積層するとともに、前記金属層の表面を、算術平均粗さが0.1μm以上0.2μm以下に形成しておき、前記金属層の表面に、厚さが0.5μm以上2.0μm以下となるように無電解ニッケルメッキ層を形成し、前記無電解ニッケルメッキ層上に算術平均粗さが0.1μm以上0.4μm以下となるように電解ニッケルメッキ層を形成することを特徴とするパワーモジュール用基板の製造方法。
- セラミックス基板に金属層が積層されるとともに、前記金属層の表面にメッキ層が形成されてなるパワーモジュール用基板であって、前記メッキ層は、厚さが0.5μm以上2.0μm以下の無電解ニッケルメッキ層からなり、前記無電解ニッケルメッキ層の算術平均粗さは0.1μm以上0.4μm以下とされていることを特徴とするパワーモジュール用基板。
- セラミックス基板に金属層が積層されるとともに、前記金属層の表面にメッキ層が形成されてなるパワーモジュール用基板であって、前記メッキ層は、厚さが0.5μm以上2.0μm以下の無電解ニッケルメッキ層及び前記無電解ニッケルメッキ層上に形成された電解ニッケルメッキ層からなり、前記電解ニッケルメッキ層の算術平均粗さは0.1μm以上0.4μm以下とされていることを特徴とするパワーモジュール用基板。
- 前記電解ニッケルメッキ層の厚さが4μm以下であることを特徴とする請求項6記載のパワーモジュール用基板。
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