JP2012246367A - 熱硬化性樹脂組成物、その硬化物、半導体封止材料、プリプレグ、回路基板、及びビルドアップフィルム - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物、その硬化物、半導体封止材料、プリプレグ、回路基板、及びビルドアップフィルム Download PDF

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Abstract

【課題】その硬化物において低誘電率、低誘電正接でありながら、優れた耐熱性を兼備させた熱硬化性樹脂組成物、その硬化物、これらの性能を発現する半導体封止材料、プリプレグ、回路基板、及びビルドアップフィルムを提供する。
【解決手段】エポキシ樹脂と、エポキシ樹脂用硬化剤とを必須成分とすることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物であって、前記エポキシ樹脂用硬化剤として、脂肪族環状炭化水素基を介してフェノール類が結節された分子構造を有するフェノール樹脂(a−1)、芳香族ジカルボン酸又はそのハライド(a−2)、及び、芳香族モノヒドロキシ化合物(a-3)を反応させて得られる構造を有する活性エステル樹脂(A1)と、不飽和脂環式化合物とフェノール化合物とが重付加反応した構造を有する多官能フェノール化合物(A2)とを併用する。
【選択図】なし

Description

本発明は、その硬化物において優れた難燃性、耐熱性、低誘電正接を発現し、かつ、溶剤溶解性に優れた性能を有する熱硬化性樹脂組成物、その硬化物、半導体封止材料、プリプレグ、回路基板、及びビルドアップフィルムに関する。
エポキシ樹脂及びその硬化剤を必須成分とするエポキシ樹脂組成物は、その硬化物において優れた耐熱性と絶縁性を発現することから、半導体や多層プリント基板などの電子部品用途において広く用いられている。
この電子部品用途のなかでも多層プリント基板絶縁材料の技術分野では、近年、各種電子機器における信号の高速化、高周波数化が進んでいる。しかしながら、信号の高速化、高周波数化に伴って、十分に低い誘電率を維持しつつ低い誘電正接を得ることが困難となりつつある。
そこで、高速化、高周波数化された信号に対しても、十分に低い誘電率を維持しつつ十分に低い誘電正接を発現する硬化体を得ることが可能な熱硬化性樹脂組成物の提供が望まれている。これらの低誘電率・低誘電正接を実現可能な材料として、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂と塩化ベンゾイルおよびビス(クロロカルボニル)ベンゼンとを反応させて得られる活性エステル化合物をエポキシ樹脂用硬化剤として用いる技術が知られている(下記特許文献1参照)。
然し乍ら、電子部品における高周波化や小型化の傾向から多層プリント基板絶縁材料にも極めて高度な耐熱性が求められているところ、前記したフェノールノボラック樹脂中のフェノール性水酸基をアリールエステル化して得られる活性エステル化合物は、アリールエステル構造の導入により硬化物の架橋密度が低下してしまい、硬化物の耐熱性が十分でないものであった。このように耐熱性と低誘電率・低誘電正接とは両立が困難なものであった。
特開2004−169021号公報
従って、本発明が解決しようとする課題は、その硬化物において低誘電率、低誘電正接でありながら、優れた耐熱性を兼備させた熱硬化性樹脂組成物、その硬化物、これらの性能を兼備した半導体封止材料、プリプレグ、回路基板、及びビルドアップフィルムを提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、エポキシ樹脂用硬化剤として、脂環式骨格と芳香環とを併有する特定構造の活性エステル樹脂と、不飽和脂環式化合物とフェノール化合物とが重付加反応した構造を有する多官能フェノール化合物とを、エポキシ樹脂用硬化剤として併用することにより、硬化物における耐熱性が飛躍的に向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、エポキシ樹脂と、エポキシ樹脂用硬化剤とを必須成分とすることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物であって、前記エポキシ樹脂用硬化剤として、脂肪族環状炭化水素基を介してフェノール化合物が結節された分子構造を有するフェノール樹脂(a−1)、芳香族ジカルボン酸又はそのハライド(a−2)、及び、芳香族モノヒドロキシ化合物(a-3)を反応させて得られる構造を有する活性エステル樹脂(A1)と、不飽和脂環式化合物とフェノール化合物とが重付加反応した構造を有する多官能フェノール化合物(A2)とを併用することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物に関する。
本発明は、更に、上記熱硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物に関する。
本発明は、更に、上記熱硬化性樹脂組成物における前記エポキシ樹脂及び前記エポキシ樹脂用硬化剤に加え、更に無機質充填材を組成物中70〜95質量%となる割合で含有する熱硬化性樹脂組成物からなることを特徴とする半導体封止材料に関する。
本発明は、更に、上記熱硬化性樹脂組成物を有機溶剤に希釈したものを補強基材に含浸し、得られる含浸基材を半硬化させることによって得られるプリプレグに関する。
本発明は、更に、上記熱硬化性樹脂組成物を有機溶剤に希釈したワニスを得、これを板状に賦形したものと銅箔とを加熱加圧成型することにより得られる回路基板に関する。
本発明は、更に、上記熱硬化性樹脂組成物を有機溶剤に希釈したものを基材フィルム上に塗布し、乾燥させることによって得られるビルドアップフィルムに関する。
本発明によれば、その硬化物において低誘電率、低誘電正接でありながら、優れた耐熱性を兼備させた熱硬化性樹脂組成物、その硬化物、これらの性能を兼備した半導体封止材料、プリプレグ、回路基板、及びビルドアップフィルムを提供できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の熱硬化性樹脂組成物においてエポキシ樹脂用硬化剤として用いる活性エステル樹脂(A1)は、脂肪族環状炭化水素基を介してフェノール化合物が結節された分子構造を有するフェノール樹脂(a−1)、芳香族ジカルボン酸又はそのハライド(a−2)、及び、芳香族モノヒドロキシ化合物(a-3)を反応させて得られる構造を有するものである。
本発明ではとりわけ硬化物の誘電正接が低く、かつ有機溶剤へ溶解させた際の粘度が十分に低くなる点から、前記活性エステル樹脂(A1)は、前記芳香族ジカルボン酸又はそのハライド(a−2)中のカルボキシル基又は酸ハライド基1モルに対して、
前記フェノール樹脂(a−1)中のフェノール性水酸基が0.05〜0.75モル、
前記芳香族モノヒドロキシ化合物(a−3)が0.25〜0.95モル
となる割合で反応させて得られる構造を有するものであることが好ましい。
本発明では、活性エステル樹脂(A1)を構成する原料比率を上記範囲に調節すること、具体的には、前記芳香族カルボン酸又はそのハライド(a−2)の官能基数に対し、前記フェノール樹脂(a−1)中の官能基数を少なく、かつ、前記芳香族モノヒドロキシ化合物(a−3)の使用量(モル数)を多くなる様に調節することにより、得られる活性エステル化合物の硬化物において誘電正接を著しく低減させることができる。
ここでフェノール樹脂(a−1)において、脂肪族環状炭化水素基を介してフェノール化合物が結節された分子構造とは、1分子中に二重結合を2個含有する不飽和脂肪族環状炭化水素化合物とフェノール化合物とを重付加反応させて得られる構造が挙げられる。ここで、フェノール化合物としては、フェノール、及びアルキル基、アルケニル基、アリル基、アリール基、アラルキル基或いはハロゲン基等が1個または複数個置換した置換フェノール化合物が挙げられる。具体的には、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、イソプロピルフェノール、ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、ビニルフェノール、イソプロペニルフェノール、アリルフェノール、フェニルフェノール、ベンジルフェノール、クロルフェノール、ブロムフェノール、ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等が例示されるが、これらに限定されるものではない。またこれらの混合物を用いても構わない。これらの中でも流動性および硬化性が優れる点からフェノールが特に好ましい。
また、不飽和脂環族環状炭化水素化合物としては、具体的には、ジシクロペンタジエン、テトラヒドロインデン、4−ビニルシクロヘキセン、5−ビニルノルボナ−2−エン、α−ピネン、β−ピネン、リモネン等が挙げられる。これらの中でも特性バランス、特に耐熱性、吸湿性の点からジシクロペンタジエンが好ましい。またジシクロペンタジエンは石油留分中に含まれることから、工業用ジシクロペンタジエンには他の脂肪族或いは芳香族性ジエン類等が不純物として含有されることがあるが、耐熱性、硬化性、成形性等を考慮すると、ジシクロペンタジエンの純度90質量%以上の製品であることが望ましい。
次に、前記芳香族ジカルボン酸又はそのハライド(a−2)は、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−、2,3−、あるいは2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、及びこれらの酸フッ化物、酸塩化物、酸臭化物、酸ヨウ化物等の酸ハロゲン化物が挙げられる。これらのなかでも特に反応性が良好である点から芳香族ジカルボン酸の酸塩化物であること、なかでもイソフタル酸のジクロライド、テレフタル酸のジクロライドが好ましく、特にイソフタル酸のジクロライドが好ましい。
次に、芳香族モノヒドロキシ化合物(a−3)としては、例えば、フェノール;o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、3,5−キシレノール等のアルキルフェノール化合物;o−フェニルフェノール、p−フェニルフェノール、2−ベンジルフェノール、4−ベンジルフェノール、4−(α−クミル)フェノール等のアラルキルフェノール化合物;α−ナフトール、β−ナフトール等のナフトール化合物が挙げられる。これらのなかでも、特に硬化物の誘電正接が低くなる点からα−ナフトール、β−ナフトールが好ましい。
上記した活性エステル樹脂(A1)は、フェノール樹脂(a−1)、芳香族ジカルボン酸又はそのハライド(a−2)、及び、芳香族モノヒドロキシ化合物(a−3)を反応させて得られる構造を有するものであるが、特に、下記構造式(1)
下記構造式(1)
Figure 2012246367

(式中、Xはベンゼン環、ナフタレン環、炭素原子数1〜4のアルキル基で核置換されたベンゼン環又はナフタレン環、ビフェニル基、Yはベンゼン環、ナフタレン環、炭素原子数1〜4のアルキル基で核置換されたベンゼン環又はナフタレン環であり、kは0又は1を表し、nは繰り返し単位の平均で0.25〜1.5である。)
で表されるものが、低誘電率・低誘電正接といった誘電特性に優れる点から好ましい。
かかる活性エステル樹脂(A1)は、具体的には、下記構造式(1−1)〜(1−9)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2012246367
Figure 2012246367

本発明では、これらのなかでも、特に、下記構造式(2)
Figure 2012246367

(式中、Xはベンゼン環又はナフタレン環であり、kは0又は1を表し、nは繰り返し単位の平均値で0.05〜2.5である。)
で表される構造のものがとりわけ硬化物の誘電正接が低く、かつ、有機溶剤に溶解させた際の溶液粘度が低くなる点から好ましい。
なお、特に、上記構造式(1)又は(2)においてnの値、即ち、繰り返し単位の平均値は0.25〜1.5の範囲にあるものが、溶液粘度が低くビルドアップ用接着フィルムへの製造が容易となる点から好ましい。また、上記構造式(1)又は(2)中、kの値は0であることが、本発明の効果が顕著なものとなる点から好ましい。
ここで上記構造式(1)又は(2)中のnは以下の様にして求めることができる。
[構造式(1)又は(2)中のnの求め方]
下記の条件にて行ったGPC測定によりn=1、n=2、n=3、n=4のそれぞれに対応するスチレン換算分子量(α1、α2、α3、α4)と、n=1、n=2、n=3、n=4のそれぞれの理論分子量(β1、β2、β3、β4)との比率(β1/α1、β2/α2、β3/α3、β4/α4)を求め、これら(β1/α1〜β4/α4)の平均値を求める。GPCで求めた数平均分子量(Mn)にこの平均値を掛け合わせた数値を平均分子量とする。次いで、前記構造式aの分子量を前記平均分子量としてnの値を算出する。
(GPC測定条件)
測定装置 :東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」、
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HXL−L」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G3000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G4000HXL」
検出器: RI(示差屈折径)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」
測定条件: カラム温度 40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準 : 前記「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(使用ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−1000」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−40」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
試料 : 樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(50μl)。
フェノール樹脂(a−1)、芳香族ジカルボン酸又はそのハライド(a−2)、及び、芳香族モノヒドロキシ化合物(a−3)を反応させることにより製造することができる。
フェノール樹脂(a−1)、芳香族ジカルボン酸又はそのハライド(a−2)、及び、芳香族モノヒドロキシ化合物(a−3)を反応させる方法は、具体的には、これらの各成分をアルカリ触媒の存在下に反応させることができる。
ここで使用し得るアルカリ触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、ピリジン等が挙げられる。これらのなかでも特に水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが水溶液の状態で使用することができ、生産性が良好となる点から好ましい。
前記反応は、具体的には有機溶媒の存在下、フェノール樹脂(a−1)、芳香族ジカルボン酸又はそのハライド(a−2)、及び、芳香族モノヒドロキシ化合物(a−3)を混合し、前記アルカリ触媒又はその水溶液を連続的乃至断続的に滴下しながら反応させる方法が挙げられる。その際、アルカリ触媒の水溶液の濃度は、3.0〜30%の範囲であることが好ましい。また、ここで使用し得る有機溶媒としては、トルエン、ジクロロメタンなどが挙げられる。
反応終了後は、アルカリ触媒の水溶液を用いている場合には、反応液を静置分液し、水層を取り除き、残った有機層を洗浄後の水層がほぼ中性になるまで繰り返し、目的とする活性エステル樹脂(A1)を得ることができる。この様にして得られる活性エステル樹脂(A1)は、特に、硬化物の耐熱性に優れる点から、その軟化点が100〜180℃の範囲にあるものが好ましい。
他方、本発明で用いる不飽和脂環式化合物とフェノール化合物とが重付加反応した構造を有する多官能フェノール化合物(A2)は、前記した脂肪族環状炭化水素基を介してフェノール化合物が結節された分子構造を有するフェノール樹脂(a−1)に相当するものである。
ここで用いるフェノール化合物としては、フェノール、及びアルキル基、アルケニル基、アリル基、アリール基、アラルキル基或いはハロゲン基等が結合した置換フェノール化合物が挙げられる。具体的に例示すると、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、イソプロピルフェノール、ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、ビニルフェノール、イソプロペニルフェノール、アリルフェノール、フェニルフェノール、ベンジルフェノール、クロルフェノール、ブロムフェノール(各々o、m、p−異性体を含む)、ビスフェノールA、ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等が例示されるが、これらに限定されるものではない。またこれらの混合物を用いても構わない。これらの中でも流動性および硬化性が優れる点からフェノール、クレゾールが特に好ましい。
また、不飽和脂環式化合物としては、1分子中に不飽和二重結合を2つ以上有する脂肪族環状炭化水素化合物であれば、特に限定されないが、例示するならばジシクロペンタジエン、テトラヒドロインデン、4−ビニルシクロヘキセン、5−ビニルノルボナ−2−エン、α−ピネン、β−ピネン、リモネン等が挙げられる。これらの中でも特性バランス、特に耐熱性、吸湿性の点からジシクロペンタジエンが好ましい。またジシクロペンタジエンは石油留分中に含まれることから、工業用ジシクロペンタジエンには他の脂肪族或いは芳香族性ジエン類等が不純物として含有されることがあるが、耐熱性、硬化性、成形性等を考慮すると、ジシクロペンタジエンの純度90質量%以上の製品を用いることが望ましい。
ここで、前記不飽和脂環式化合物と前記フェノール化合物とを重付加反応させる方法は、例えば、不飽和脂環式化合物と、フェノール化合物とを、フェノール化合物/不飽和脂環式化合物=2.5/1〜15/1(モル比率)の範囲内で用い、溶融或いは溶液にしたフェノール化合物に、重付加触媒を添加し、これに不飽和脂環式化合物を適下後、加熱攪拌し重付加反応を進行させ、その後に未反応フェノール化合物を蒸留回収し、重付加反応物を得る方法が挙げられる。ここで重付加触媒としては、塩酸、硫酸などの無機酸或いはパラトルエンスルホン酸等の有機酸或いはAlCl、BF等のルイス酸等が挙げられる。この未反応フェノール化合物の蒸留回収する際、回収温度及び減圧度を適宜調整することにより、目的とする多官能フェノール化合物(A2)を得ることができる。
このようにして得られた多官能フェノール化合物(A2)は、耐熱性の改善効果が良好なものとなる点から、軟化点85〜145℃の範囲にあるものが好ましい。
本発明では、前記したとおり、エポキシ樹脂用硬化剤として、前記活性エステル樹脂(A1)と多官能フェノール化合物(A2)とを併用するものである。ここで、前記活性エステル樹脂(A1)と前記多官能フェノール化合物(A2)との配合割合[(A1)/(A2)]は、質量基準で30/70〜70/30となる割合であることが硬化物における耐熱性、誘電特性に優れる点から好ましい。
また、前記活性エステル樹脂(A1)と前記多官能フェノール化合物(A2)とを併用する場合、具体的には、エポキシ樹脂と配合する前に予めこれらを有機溶媒の存在下に予め混合しておくことが好ましい。
ここで用いる有機溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル、セロソルブ、ブチルカルビトール等のカルビトール、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられ、特に、積層板用ワニスやビルドアップ用接着フィルムとして用いる場合には、そ不揮発分65%のトルエン溶液の活性エステル樹脂にした場合の溶液粘度が300〜10,000mPa・S(25℃)となるように調整することが好ましい。
次に、本発明の熱硬化性樹脂組成物で用いるエポキシ樹脂は、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール付加反応型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂型エポキシ樹脂、ビフェニル変性ノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂の中でも、特に難燃性に優れる硬化物が得られる点から、テトラメチルビフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、
ノボラック型エポキシ樹脂を用いることが好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物における前記エポキシ樹脂用硬化剤、及びエポキシ樹脂の配合量は、エポキシ樹脂と、前記活性エステル樹脂(A1)と前記多官能フェノール化合物(A2)との配合割合が、モル比[エポキシ樹脂中のエポキシ基/(前記活性エステル樹脂(A1)中のカルボニルオキシ基+前記多官能フェノール化合物(A2)中のフェノール性水酸基]が0.8/1.2〜1.2/0.8となる割合であって、かつ、質量比[(A1)/(A2)]が、質量基準で30/70〜70/30となる割合であることが硬化物における耐熱性、誘電特性に優れる点から好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、前記したエポキシ樹脂用硬化剤及びエポキシ樹脂に加え、エポキシ樹脂用硬化剤を併用してもよい。ここで用いることのできるエポキシ樹脂用硬化剤としては、例えばアミン系化合物、アミド系化合物、酸無水物系化合物、フェノ−ル系化合物などの硬化剤を使用できる。具体的には、アミン系化合物としてはジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、イミダゾ−ル、BF−アミン錯体、グアニジン誘導体等が挙げられ、アミド系化合物としては、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂等が挙げられ、酸無水物系化合物としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等が挙げられ、フェノール系化合物としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール付加型樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、トリメチロールメタン樹脂、テトラフェニロールエタン樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価フェノール化合物)、ビフェニル変性ナフトール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価ナフトール化合物)、アミノトリアジン変性フェノール樹脂(メラミンやベンゾグアナミンなどでフェノール核が連結された多価フェノール化合物)等の多価フェノール化合物が挙げられる。
これらの中でも、特に芳香族骨格を分子構造内に多く含むものが難燃効果の点から好ましく、具体的には、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂、ビフェニル変性ナフトール樹脂、アミノトリアジン変性フェノール樹脂が難燃性に優れることから好ましい。
上記したエポキシ樹脂用硬化剤を併用する場合、その使用量は誘電特性の点から10〜50%の範囲であることが好ましい。
また必要に応じて本発明の熱硬化性樹脂組成物に硬化促進剤を適宜併用することもできる。前記硬化促進剤としては種々のものが使用できるが、例えば、リン系化合物、第3級アミン、イミダゾール、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩等が挙げられる。特にビルドアップ材料用途や回路基板用途として使用する場合には、耐熱性、誘電特性、耐ハンダ性等に優れる点から、ジメチルアミノピリジンやイミダゾールが好ましい。特に半導体封止材料用途として使用する場合には、硬化性、耐熱性、電気特性、耐湿信頼性等に優れる点から、リン系化合物ではトリフェニルフォスフィン、第3級アミンでは1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−ウンデセン(DBU)が好ましい。
以上詳述した本発明の熱硬化性樹脂組成物は、前記した通り、優れた溶剤溶解性を発現することを特徴としている。従って、該熱硬化性樹脂組成物は、上記各成分の他に有機溶剤を配合することが好ましい。ここで使用し得る前記有機溶剤としては、メチルエチルケトン、アセトン、ジメチルホルムアミド、メチルイソブチルケトン、メトキシプロパノール、シクロヘキサノン、メチルセロソルブ、エチルジグリコールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられ、その選択や適正な使用量は用途によって適宜選択し得るが、例えば、プリント配線板用途では、メチルエチルケトン、アセトン、1−メトキシ−2−プロパノール等の沸点が160℃以下の極性溶剤であることが好ましく、また、不揮発分40〜80質量%となる割合で使用することが好ましい。一方、ビルドアップ用接着フィルム用途では、有機溶剤(C)として、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル系溶剤、セロソルブ、ブチルカルビトール等のカルビトール系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等を用いることが好ましく、また、不揮発分30〜60質量%となる割合で使用することが好ましい。
また、上記熱硬化性樹脂組成物は、難燃性を発揮させるために、例えばプリント配線板の分野においては、信頼性を低下させない範囲で、実質的にハロゲン原子を含有しない非ハロゲン系難燃剤を配合してもよい。
前記非ハロゲン系難燃剤としては、例えば、リン系難燃剤、窒素系難燃剤、シリコーン系難燃剤、無機系難燃剤、有機金属塩系難燃剤等が挙げられ、それらの使用に際しても何等制限されるものではなく、単独で使用しても、同一系の難燃剤を複数用いても良く、また、異なる系の難燃剤を組み合わせて用いることも可能である。
前記リン系難燃剤としては、無機系、有機系のいずれも使用することができる。無機系化合物としては、例えば、赤リン、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム等のリン酸アンモニウム、リン酸アミド等の無機系含窒素リン化合物が挙げられる。
また、前記赤リンは、加水分解等の防止を目的として表面処理が施されていることが好ましく、表面処理方法としては、例えば、(i)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン、酸化ビスマス、水酸化ビスマス、硝酸ビスマス又はこれらの混合物等の無機化合物で被覆処理する方法、(ii)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン等の無機化合物、及びフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂の混合物で被覆処理する方法、(iii)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン等の無機化合物の被膜の上にフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂で二重に被覆処理する方法等が挙げられる。
前記有機リン系化合物としては、例えば、リン酸エステル化合物、ホスホン酸化合物、ホスフィン酸化合物、ホスフィンオキシド化合物、ホスホラン化合物、有機系含窒素リン化合物等の汎用有機リン系化合物の他、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン=10−オキシド、10−(2,5―ジヒドロオキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン=10−オキシド、10−(2,7−ジヒドロオキシナフチル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン=10−オキシド等の環状有機リン化合物及びそれをエポキシ樹脂やフェノール樹脂等の化合物と反応させた誘導体等が挙げられる。
それらの配合量としては、リン系難燃剤の種類、熱硬化性樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂用硬化剤、エポキシ樹脂、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合した熱硬化性樹脂組成物100質量部中、赤リンを非ハロゲン系難燃剤として使用する場合は0.1〜2.0質量部の範囲で配合することが好ましく、有機リン化合物を使用する場合は同様に0.1〜10.0質量部の範囲で配合することが好ましく、特に0.5〜6.0質量部の範囲で配合することが好ましい。
また前記リン系難燃剤を使用する場合、該リン系難燃剤にハイドロタルサイト、水酸化マグネシウム、ホウ化合物、酸化ジルコニウム、黒色染料、炭酸カルシウム、ゼオライト、モリブデン酸亜鉛、活性炭等を併用してもよい。
前記窒素系難燃剤としては、例えば、トリアジン化合物、シアヌル酸化合物、イソシアヌル酸化合物、フェノチアジン等が挙げられ、トリアジン化合物、シアヌル酸化合物、イソシアヌル酸化合物が好ましい。
前記トリアジン化合物としては、例えば、メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メロン、メラム、サクシノグアナミン、エチレンジメラミン、ポリリン酸メラミン、トリグアナミン等の他、例えば、硫酸グアニルメラミン、硫酸メレム、硫酸メラムなどの硫酸アミノトリアジン化合物、前記アミノトリアジン変性フェノール樹脂、及び該アミノトリアジン変性フェノール樹脂を更に桐油、異性化アマニ油等で変性したもの等が挙げられる。
前記シアヌル酸化合物の具体例としては、例えば、シアヌル酸、シアヌル酸メラミン等を挙げることができる。
前記窒素系難燃剤の配合量としては、窒素系難燃剤の種類、熱硬化性樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂用硬化剤、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合した熱硬化性樹脂組成物100質量部中、0.05〜10質量部の範囲で配合することが好ましく、特に0.1〜5質量部の範囲で配合することが好ましい。
また前記窒素系難燃剤を使用する際、金属水酸化物、モリブデン化合物等を併用してもよい。
前記シリコーン系難燃剤としては、ケイ素原子を含有する有機化合物であれば特に制限がなく使用でき、例えば、シリコーンオイル、シリコーンゴム、シリコーン樹脂等が挙げられる。
前記シリコーン系難燃剤の配合量としては、シリコーン系難燃剤の種類、熱硬化性樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂用硬化剤、エポキシ樹脂、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合した熱硬化性樹脂組成物100質量部中、0.05〜20質量部の範囲で配合することが好ましい。また前記シリコーン系難燃剤を使用する際、モリブデン化合物、アルミナ等を併用してもよい。
前記無機系難燃剤としては、例えば、金属水酸化物、金属酸化物、金属炭酸塩化合物、金属粉、ホウ素化合物、低融点ガラス等が挙げられる。
前記金属水酸化物の具体例としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタルサイト、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ジルコニウム等を挙げることができる。
前記金属酸化物の具体例としては、例えば、モリブデン酸亜鉛、三酸化モリブデン、スズ酸亜鉛、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化マンガン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化コバルト、酸化ビスマス、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化銅、酸化タングステン等を挙げることができる。
前記金属炭酸塩化合物の具体例としては、例えば、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウム、炭酸鉄、炭酸コバルト、炭酸チタン等を挙げることができる。
前記金属粉の具体例としては、例えば、アルミニウム、鉄、チタン、マンガン、亜鉛、モリブデン、コバルト、ビスマス、クロム、ニッケル、銅、タングステン、スズ等を挙げることができる。
前記ホウ素化合物の具体例としては、例えば、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸、ホウ砂等を挙げることができる。
前記低融点ガラスの具体例としては、例えば、シープリー(ボクスイ・ブラウン社)、水和ガラスSiO−MgO−HO、PbO−B系、ZnO−P−MgO系、P−B−PbO−MgO系、P−Sn−O−F系、PbO−V−TeO系、Al−HO系、ホウ珪酸鉛系等のガラス状化合物を挙げることができる。
前記無機系難燃剤の配合量としては、無機系難燃剤の種類、熱硬化性樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂用硬化剤、エポキシ樹脂、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合した熱硬化性樹脂組成物100質量部中、0.05〜20質量部の範囲で配合することが好ましく、特に0.5〜15質量部の範囲で配合することが好ましい。
前記有機金属塩系難燃剤としては、例えば、フェロセン、アセチルアセトナート金属錯体、有機金属カルボニル化合物、有機コバルト塩化合物、有機スルホン酸金属塩、金属原子と芳香族化合物又は複素環化合物がイオン結合又は配位結合した化合物等が挙げられる。
前記有機金属塩系難燃剤の配合量としては、有機金属塩系難燃剤の種類、熱硬化性樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂用硬化剤、エポキシ樹脂、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合した熱硬化性樹脂組成物100質量部中、0.005〜10質量部の範囲で配合することが好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、必要に応じて無機質充填材を配合することができる。前記無機質充填材としては、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素、水酸化アルミ等が挙げられる。前記無機充填材の配合量を特に大きくする場合は溶融シリカを用いることが好ましい。前記溶融シリカは破砕状、球状のいずれでも使用可能であるが、溶融シリカの配合量を高め且つ成形材料の溶融粘度の上昇を抑制するためには、球状のものを主に用いる方が好ましい。更に球状シリカの配合量を高めるためには、球状シリカの粒度分布を適当に調整することが好ましい。その充填率は難燃性を考慮して、高い方が好ましく、熱硬化性樹脂組成物の全体量に対して20質量%以上が特に好ましい。また導電ペーストなどの用途に使用する場合は、銀粉や銅粉等の導電性充填剤を用いることができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、シランカップリング剤、離型剤、顔料、乳化剤等の種々の配合剤を添加することができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、上記した各成分を均一に混合することにより得られる。本発明のエポキシ樹脂用硬化剤、エポキシ樹脂、更に必要により硬化促進剤の配合された本発明の熱硬化性樹脂組成物は従来知られている方法と同様の方法で容易に硬化物とすることができる。該硬化物としては積層物、注型物、接着層、塗膜、フィルム等の成形硬化物が挙げられる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物が用いられる用途としては、硬質プリント配線板材料、フレキシルブル配線基板用樹脂組成物、ビルドアップ基板用層間絶縁材料等の回路基板用絶縁材料、半導体封止材料、導電ペースト、ビルドアップ用接着フィルム、樹脂注型材料、接着剤等が挙げられる。これら各種用途のうち、硬質プリント配線板材料、電子回路基板用絶縁材料、ビルドアップ用接着フィルム用途では、コンデンサ等の受動部品やICチップ等の能動部品を基板内に埋め込んだ所謂電子部品内蔵用基板用の絶縁材料として用いることができる。これらの中でも、高難燃性、高耐熱性、低熱膨張性、及び溶剤溶解性といった特性から硬質プリント配線板材料、フレキシルブル配線基板用樹脂組成物、ビルドアップ基板用層間絶縁材料等の回路基板用材料、及び、半導体封止材料に用いることが好ましい。
ここで、本発明の回路基板は、熱硬化性樹脂組成物を有機溶剤に希釈したワニスを得、これを板状に賦形したものを銅箔と積層し、加熱加圧成型して製造されるものである。具体的には、例えば硬質プリント配線基板を製造するには、前記有機溶剤を含むワニス状の熱硬化性樹脂組成物を、更に有機溶剤を配合してワニス化し、これを補強基材に含浸し、半硬化させることによって製造される本発明のプリプレグを得、これに銅箔を重ねて加熱圧着させる方法が挙げられる。ここで使用し得る補強基材は、紙、ガラス布、ガラス不織布、アラミド紙、アラミド布、ガラスマット、ガラスロービング布などが挙げられる。かかる方法を更に詳述すれば、先ず、前記したワニス状の熱硬化性樹脂組成物を、用いた溶剤種に応じた加熱温度、好ましくは50〜170℃で加熱することによって、硬化物であるプリプレグを得る。この際、用いる熱硬化性樹脂組成物と補強基材の質量割合としては、特に限定されないが、通常、プリプレグ中の樹脂分が20〜60質量%となるように調製することが好ましい。次いで、上記のようにして得られたプリプレグを、常法により積層し、適宜銅箔を重ねて、1〜10MPaの加圧下に170〜250℃で10分〜3時間、加熱圧着させることにより、目的とする回路基板を得ることができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物からフレキシルブル配線基板を製造するには、エポキシ樹脂用硬化剤及びエポキシ樹脂、及び有機溶剤を配合して、リバースロールコータ、コンマコータ等の塗布機を用いて、電気絶縁性フィルムに塗布する。次いで、加熱機を用いて60〜170℃で1〜15分間加熱し、溶媒を揮発させて、接着剤組成物をB−ステージ化する。次いで、加熱ロール等を用いて、接着剤に金属箔を熱圧着する。その際の圧着圧力は2〜200N/cm、圧着温度は40〜200℃が好ましい。それで十分な接着性能が得られれば、ここで終えても構わないが、完全硬化が必要な場合は、さらに100〜200℃で1〜24時間の条件で後硬化させることが好ましい。最終的に硬化させた後の接着剤組成物膜の厚みは、5〜100μmの範囲が好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物からビルドアップ基板用層間絶縁材料を得る方法としては、例えば、ゴム、フィラーなどを適宜配合した当該熱硬化性樹脂組成物を、回路を形成した配線基板にスプレーコーティング法、カーテンコーティング法等を用いて塗布した後、硬化させる。その後、必要に応じて所定のスルーホール部等の穴あけを行った後、粗化剤により処理し、その表面を湯洗することによって、凹凸を形成させ、銅などの金属をめっき処理する。前記めっき方法としては、無電解めっき、電解めっき処理が好ましく、また前記粗化剤としては酸化剤、アルカリ、有機溶剤等が挙げられる。このような操作を所望に応じて順次繰り返し、樹脂絶縁層及び所定の回路パターンの導体層を交互にビルドアップして形成することにより、ビルドアップ基盤を得ることができる。但し、スルーホール部の穴あけは、最外層の樹脂絶縁層の形成後に行う。また、銅箔上で当該樹脂組成物を半硬化させた樹脂付き銅箔を、回路を形成した配線基板上に、170〜250℃で加熱圧着することで、粗化面を形成、メッキ処理の工程を省き、ビルドアップ基板を作製することも可能である。
次に、本発明の熱硬化性樹脂組成物から半導体封止材料を製造するには、エポキシ樹脂用硬化剤及びエポキシ樹脂、及び無機充填剤等の配合剤を必要に応じて押出機、ニ−ダ、ロ−ル等を用いて均一になるまで充分に溶融混合する方法が挙げられる。その際、無機充填剤としては、通常シリカが用いられるが、その場合、熱硬化性樹脂組成物中、無機質充填材を70〜95質量%となる割合で配合することにより、本発明の半導体封止材料となる。半導体パッケージ成形としては、該組成物を注型、或いはトランスファー成形機、射出成形機などを用いて成形し、さらに50〜200℃で2〜10時間に加熱することにより成形物である半導体装置を得る方法が挙げられる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物からビルドアップ用接着フィルムを製造する方法は、例えば、本発明の熱硬化性樹脂組成物を、支持フィルム上に塗布し樹脂組成物層を形成させて多層プリント配線板用の接着フィルムとする方法が挙げられる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物をビルドアップ用接着フィルムに用いる場合、該接着フィルムは、真空ラミネート法におけるラミネートの温度条件(通常70℃〜140℃)で軟化し、回路基板のラミネートと同時に、回路基板に存在するビアホール或いはスルーホール内の樹脂充填が可能な流動性(樹脂流れ)を示すことが肝要であり、このような特性を発現するよう上記各成分を配合することが好ましい。
ここで、多層プリント配線板のスルーホールの直径は通常0.1〜0.5mm、深さは通常0.1〜1.2mmであり、通常この範囲で樹脂充填を可能とするのが好ましい。なお回路基板の両面をラミネートする場合はスルーホールの1/2程度充填されることが望ましい。
上記した接着フィルムを製造する方法は、具体的には、ワニス状の本発明の熱硬化性樹脂組成物を調製した後、支持フィルムの表面に、このワニス状の組成物を塗布し、更に加熱、あるいは熱風吹きつけ等により有機溶剤を乾燥させて熱硬化性樹脂組成物の層(α)を形成させることにより製造することができる。
形成される層(α)の厚さは、通常、導体層の厚さ以上とする。回路基板が有する導体層の厚さは通常5〜70μmの範囲であるので、樹脂組成物層の厚さは10〜100μmの厚みを有するのが好ましい。
なお、前記層(α)は、後述する保護フィルムで保護されていてもよい。保護フィルムで保護することにより、樹脂組成物層表面へのゴミ等の付着やキズを防止することができる。
前記した支持フィルム及び保護フィルムは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、更には離型紙や銅箔、アルミニウム箔等の金属箔などを挙げることができる。なお、支持フィルム及び保護フィルムはマッド処理、コロナ処理の他、離型処理を施してあってもよい。
支持フィルムの厚さは特に限定されないが、通常10〜150μmであり、好ましくは25〜50μmの範囲で用いられる。また保護フィルムの厚さは1〜40μmとするのが好ましい。
上記した支持フィルムは、回路基板にラミネートした後に、或いは加熱硬化することにより絶縁層を形成した後に、剥離される。接着フィルムを加熱硬化した後に支持フィルムを剥離すれば、硬化工程でのゴミ等の付着を防ぐことができる。硬化後に剥離する場合、通常、支持フィルムには予め離型処理が施される。
次に、上記のようして得られた接着フィルムを用いて多層プリント配線板を製造する方法は、例えば、層(α)が保護フィルムで保護されている場合はこれらを剥離した後、層(α)を回路基板に直接接するように、回路基板の片面又は両面に、例えば真空ラミネート法によりラミネートする。ラミネートの方法はバッチ式であってもロールでの連続式であってもよい。またラミネートを行う前に接着フィルム及び回路基板を必要により加熱(プレヒート)しておいてもよい。
ラミネートの条件は、圧着温度(ラミネート温度)を好ましくは70〜140℃、圧着圧力を好ましくは1〜11kgf/cm(9.8×10〜107.9×10N/m2)とし、空気圧20mmHg(26.7hPa)以下の減圧下でラミネートすることが好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物を導電ペーストとして使用する場合には、例えば、微細導電性粒子を該熱硬化性樹脂組成物中に分散させ異方性導電膜用組成物とする方法、室温で液状である回路接続用ペースト樹脂組成物や異方性導電接着剤とする方法が挙げられる。
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、更にレジストインキとして使用することも可能である。この場合、前記熱硬化性樹脂組成物に、エチレン性不飽和二重結合を有するビニル系モノマーと、硬化剤としてカチオン重合触媒を配合し、更に、顔料、タルク、及びフィラーを加えてレジストインキ用組成物とした後、スクリーン印刷方式にてプリント基板上に塗布した後、レジストインキ硬化物とする方法が挙げられる。
本発明の硬化物を得る方法としては、例えば、上記方法によって得られた組成物を、20〜250℃程度の温度範囲で加熱すればよい。
従って、本発明によれば、ハロゲン系難燃剤を使用しなくても高度な難燃性を発現する環境性に優れる熱硬化性樹脂組成物を得ることができる。また、これらの硬化物における優れた誘電特性は、高周波デバイスの高速演算速度化を実現できる。また、該フェノール性水酸基含有樹脂は、本発明の製造方法にて容易に効率よく製造する事が出来、目的とする前述の性能のレベルに応じた分子設計が可能となる。
次に本発明を実施例、比較例により具体的に説明するが、以下において「部」及び「%」は特に断わりのない限り質量基準である。尚、150℃における溶融粘度及び軟化点測定、GPC測定、13C−NMR、FD−MSスペクトルは以下の条件にて測定した。
合成例1
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに、ジシクロペンタジエンとフェノールとの重縮合体(水酸基当量180g/eq、軟化点115℃)132g及び、α−ナフトール57.6g(0.6モル)
とトルエン801gを仕込み、系内を減圧窒素置換し溶解させた。次いで、
イソフタル酸クロライド121.2g(0.40モル)
を仕込みその後、窒素ガスパージを施しながら、系内を60℃以下に制御して、20%水酸化ナトリウム水溶液244.8gを3時間かけて滴下した。次いでこの条件下で1.0時間撹拌を続けた。反応終了後、静置分液し、水層を取り除いた。更に反応物が溶解しているトルエン相に水を投入して約15分間撹拌混合し、静置分液して水層を取り除いた。水層のPHが7になるまでこの操作を繰り返した。その後、デカンタ脱水で水分を除去し、続いて減圧脱水でトルエンを除去し、活性エステル樹脂(A−1)を得た。この活性エステル樹脂(B−1)の官能基当量は仕込み比より223グラム/当量、軟化点は152℃であった。
合成例2
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに活性エステル樹脂(A−1)100gとトルエン300gを仕込み、系内を減圧窒素置換し溶解させた。次いで、ジシクロペンタジエンとフェノールとの重縮合体(水酸基当量180g/eq、軟化点115℃)(A−2)100gを仕込みその後、窒素ガスパージを施しながら、系内を80℃以下に制御して溶解した。溶解確認後、反応物が溶解しているトルエン相に水を投入して約15分間撹拌混合し、静置分液して水層を取り除いた。その後、デカンタ脱水で水分を除去し、続いて減圧脱水でトルエンを除去し、活性エステル樹脂(A−3)を得た。この活性エステル樹脂(A−3)の官能基当量は仕込み比より199グラム/当量、軟化点は135℃であった。
実施例1、2及び比較例1〜4(エポキシ樹脂組成物の調整及び物性評価)
下記、表1記載の配合に従い、エポキシ樹脂として、DIC製N−680(オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量:183g/eq)、又は、DIC製HP−7200H(ジシクロペンタジエン・フェノール型エポキシ樹脂、エポキシ当量:275g/eq)、は硬化剤として(A−1)〜(B−3)を配合し、更に、硬化触媒としてジメチルアミノピリジン0.1phrを加え、最終的に各組成物の不揮発分(N.V.)が58質量%となるようにメチルエチルケトンを配合して調整した。
次いで、下記の如き条件で硬化させて積層板を試作し、下記の方法で耐熱性、誘電特性及び難燃性を評価した。結果を表1に示す。
<積層板作製条件>
基材:日東紡績株式会社製 ガラスクロス「#2116」(210×280mm)
プライ数:6 プリプレグ化条件:160℃
硬化条件:200℃、40kg/cmで1.5時間、成型後板厚:0.8mm
<耐熱性(ガラス転移温度)>
粘弾性測定装置(DMA:SII社製「EXTRA6000」;周波数1Hz、昇温速度3℃/min)を用いて、弾性率変化が最大となる(tanδ変化率が最も大きい)温度をガラス転移温度として評価した。
<誘電率及び誘電正接の測定>
JIS−C−6481に準拠し、アジレント・テクノロジー株式会社製ネットワークアナライザ「E8362C」を用い空洞共振法にて、絶乾後23℃、湿度50%の室内に24時間保管した後の試験片の1GHzでの誘電率および誘電正接を測定した。
Figure 2012246367

Claims (11)

  1. エポキシ樹脂と、エポキシ樹脂用硬化剤とを必須成分とすることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物であって、前記エポキシ樹脂用硬化剤として、脂肪族環状炭化水素基を介してフェノール化合物が結節された分子構造を有するフェノール樹脂(a−1)、芳香族ジカルボン酸又はそのハライド(a−2)、及び、芳香族モノヒドロキシ化合物(a-3)を反応させて得られる構造を有する活性エステル樹脂(A1)と、不飽和脂環式化合物とフェノール化合物とが重付加反応した構造を有する多官能フェノール化合物(A2)とを併用することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
  2. 前記活性エステル樹脂(A1)が、下記構造式(1)
    Figure 2012246367

    (式中、Xはベンゼン環、ナフタレン環、炭素原子数1〜4のアルキル基で核置換されたベンゼン環又はナフタレン環、ビフェニル基、Yはベンゼン環、ナフタレン環、炭素原子数1〜4のアルキル基で核置換されたベンゼン環又はナフタレン環であり、kは0又は1を表し、nは繰り返し単位の平均で0.25〜1.5である。)
    で表されるものである請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 前記活性エステル樹脂(A1)が、その軟化点が100〜180℃の範囲にあるものである請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 前記エポキシ樹脂用硬化剤を、前記活性エステル樹脂(A1)と前記多官能フェノール化合物(A2)との混合物として用いる請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
  5. 前記活性エステル樹脂(A1)と前記多官能フェノール化合物(A2)との配合割合[(A1)/(A2)]が、質量基準で30/70〜70/30となる割合である請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. エポキシ樹脂と、前記活性エステル樹脂(A1)と前記多官能フェノール化合物(A2)との配合割合が、モル比[エポキシ樹脂中のエポキシ基/(前記活性エステル樹脂(A1)中のカルボニルオキシ基+前記多官能フェノール化合物(A2)中のフェノール性水酸基]が0.8/1.2〜1.2/0.8となる割合であって、かつ、質量比[(A1)/(A2)]が、質量基準で30/70〜70/30となる割合である請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6の何れか1つに記載の熱硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
  8. 請求項1〜6の何れか1つに記載の熱硬化性樹脂組成物におけるエポキシ樹脂、及びエポキシ樹脂用硬化剤に加え、更に無機質充填材を組成物中70〜95質量%となる割合で含有する熱硬化性樹脂組成物からなることを特徴とする半導体封止材料。
  9. 請求項1〜6の何れか1つに記載の熱硬化性樹脂組成物を有機溶剤に希釈したものを補強基材に含浸し、得られる含浸基材を半硬化させることによって得られるプリプレグ。
  10. 請求項1〜6の何れか1つに記載の熱硬化性樹脂組成物を有機溶剤に希釈したワニスを得、これを板状に賦形したものと銅箔とを加熱加圧成型することにより得られる回路基板。
  11. 請求項1〜6の何れか1つに記載の熱硬化性樹脂組成物を有機溶剤に希釈したものを基材フィルム上に塗布し、乾燥させることを特徴とするビルドアップフィルム。
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