JP2012247166A - ヒートパイプ - Google Patents

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Abstract

【課題】不凝縮気体が混入しても凝縮性の低下を起こさないヒートパイプを提供する。
【解決手段】容器に、非相溶性の2種類の冷媒14,16を収容する。第2冷媒16は、第1冷媒よりの液密度が小さく、沸点が高い。発熱体24にて加熱された第1冷媒14が沸騰し、気泡14vとなって液体の第2冷媒16の層に送られる。第1冷媒の気泡14vは、第2冷媒16中で、第2冷媒16および放熱器26に冷やされ、第1冷媒14は凝縮し、液滴14aqとなる。液滴14aqは降下し、液体の第1冷媒の層14Lに戻る。第1冷媒は、第2冷媒中で凝縮するので、凝縮した液滴14aqが不凝縮気体の濃い層に囲まれることがなく、不凝縮気体による熱および物質移動の阻害が生じない。
【選択図】図1

Description

本発明は、容器内に収容した媒体の相変化を利用して循環する媒体により伝熱を行うヒートパイプに関する。
蒸発器と凝縮器を冷媒配管で接続した密閉系の中に、単一の液状の冷媒を封入し、蒸発器内で蒸発した冷媒蒸気を凝縮器表面で凝縮させることにより、冷媒の潜熱を利用して、蒸発器から凝縮器への熱輸送を行うヒートパイプが各種考案されている。
密閉系内に単一の液状冷媒を封入したヒートパイプにおいて、不凝縮気体が混入すると、冷媒蒸気の凝縮性能が低下する。これは、冷媒蒸気が凝縮器表面で凝縮する際、その周囲の気相部で、冷媒蒸気の濃度が低下する一方、不凝縮気体の濃度が上昇することによる。つまり、冷媒が液化したことにより、凝縮器表面近傍に不凝縮気体の濃度が高い層が形成され、この層が、冷媒蒸気の移動、拡散の妨げになって、凝縮性能を低下させる。この低下を防止するために、真空脱気を行った後に冷媒を入れて、系を封止し、不凝縮気体の混入を防止している。
また、冷媒を封入後、密閉系内で不凝縮気体が発生することを防止するために、容器等を構成する構造材の材料と冷媒の組み合わせも制約されている。例えば、冷媒として水を使用する場合、構造材にアルミニウム材を使用すると、アルミニウム材表面の酸化により水素が発生し、この水素が不凝縮気体となる。この組み合わせを採用する場合には、アルミニウム材表面にメッキ等のコーティング処理が必須となっている。
特開平3−113255号公報 特開2008−64384号公報 特開2005−77018号公報 特開2010−79402号公報
上述のように、従来のヒートパイプにおいては、不凝縮気体の混入を防止するために、真空脱気等の工程が必要となっており、また系を封止するための構造を設ける必要がある。また、媒体を封入した後の不凝縮気体の発生を防止するために、構造材の表面のコーティング処理が必要な場合がある。そして、これらにより、ヒートパイプの製造コストが上昇するという問題があった。
本発明は、不凝縮気体の混入が許容されるヒートパイプを提供することを目的とする。
本発明のヒートパイプは、非相溶性の2種類の冷媒を組み合わせて用いることで、系内の不凝縮気体の存在による凝縮性能の低下を防止している。2種類の冷媒は、第1冷媒と、第1冷媒より液密度が小さく、沸点が高い第2冷媒との組み合わせである。一つの繋がった空間を提供する容器内に第1および第2冷媒を収容すると、液密度の違いにより、第1冷媒が下に、第2の冷媒が上に位置するようになる。ここでいう上下は、重力場では重力により規定される方向であり、重力の向きが下向きである。また、遠心力等の慣性力の作用が支配的な場においては、慣性力の向きが下向きである。容器の、第1冷媒を収容する領域が発熱体からの熱を吸熱する吸熱領域となり、第2冷媒を収容する領域が吸収した熱を外部に放熱する放熱領域となる。吸熱領域において、第1冷媒は、発熱体からの熱により蒸発して気体となって液相の第1冷媒中を上昇し、液相の第2冷媒の層に達する。このときにおいても第1冷媒は気体であるため、第2冷媒内でも上昇する。気体の第1冷媒は、液体の第2冷媒中で、第2冷媒および容器等の構造材によりに冷やされて凝縮する。凝縮して液体となった第1冷媒は、液密度の差により第2冷媒中を下降し、液体として残っている第1冷媒の部分に戻る。このように、第1冷媒は、吸熱領域で気化し、放熱領域に移動して冷却されて凝縮し、液体となって吸熱領域に戻る循環を行う。この第1冷媒の循環により、放熱領域から吸熱領域へ熱が移動する。
第1冷媒が凝縮する際、周囲は液体の第2冷媒であるので、凝縮過程において周囲に不凝縮気体の層が形成されず、熱および冷媒の移動が阻害されない。第1冷媒と第2冷媒の間で熱の移動が行われるので、第1冷媒および第2冷媒の気相以外の気体が容器内に存在しても、この気体が熱の移動を阻害することがない。したがって、容器外部との気体のやりとりが可能となる。容器内に外部から気体を供給するため、また容器内から外部に気体を排出するために圧力調整弁を設けることができる。この圧力調整弁を介して気体を供給、排出することで容器内の圧力を調整することができる。
容器には、気体となって上昇する第1冷媒が通る上昇流路と、液体となった第1冷媒が下降する下降流路を分けて設けることができる。この場合、気体となった第1冷媒を上昇流路に向けて案内する上昇案内部材と、液体となった第1冷媒を下降流路に向けて案内する下降案内部材を設けることができる。
上昇案内部材と下降案内部材は、吸熱領域と放熱領域の間に、水平方向に対して傾斜して配置される板状の案内板として一体に設けることができる。この場合の水平方向は、重力または慣性力の向きに対して直交する方向である。案内板の下面が、気化した第1冷媒を案内する上昇案内部材として機能し、上面が液化した第1冷媒を案内する下降案内部材として機能する。
放熱領域には、放熱領域を貫通するように設けられ、内部を外部冷媒が流れる放熱器を設けることができる。
本発明によれば、不凝縮気体の混入防止を考慮する必要がないヒートパイプを提供することができる。
本発明の実施形態のヒートパイプを示す断面図である。 ヒートパイプ内の圧力調整に係る構成を示すブロック図である。 本発明の他の実施形態のヒートパイプを示す断面図である。 本発明の更に他の実施形態のヒートパイプを示す断面図である。 本発明の更に他の実施形態のヒートパイプを示す断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。本明細書において、鉛直方向、「上」「下」の語句は、以下に説明する実施形態のヒートパイプが重力が支配的に作用する場に設置された場合において、重力の方向に基づき定められる。すなわち、重力の方向が鉛直方向であり、また重力の向きが下、その反対の向きが上である。また、実施形態のヒートパイプが、擬似的な重力として作用する遠心力等の慣性力が支配的な作用する場に設置された場合は、この慣性力の方向が鉛直方向、慣性力の向きが下、その反対の向きが上である。水平方向、「左」「右」等の語句は、前記の重力または慣性力に直交する方向を意味する。
図1は、本発明の実施形態のヒートパイプ10の鉛直断面図である。容器12は、内部を密閉することができ、形状は、軸線の延びる方向が鉛直方向に一致する円柱、角柱等の柱状体、あるいは横方向に長い直方体など他の形状であってもよい。また、図に示される断面は長方形となっているが、他の形状であってもよい。さらに、他の形状、例えば上下に配置される二つの室を、この室に比べて細い管で繋いだ形状であってもよい。
容器12内には、2種類の冷媒が収容されている。2種類の冷媒である第1冷媒14と第2冷媒16は、互いに溶けることがない、つまり非相溶性であり、液相における密度(液密度)および沸点に差がある。第1冷媒14に対し、第2冷媒16は液密度が小さく、沸点が高い。第1冷媒14は、このヒートパイプ10が適用される環境において、高温熱源の加熱により蒸発、気化し、低温熱源の冷却により凝縮、液化する程度の沸点の液体が採用される。第2冷媒16の沸点は、上述のように第1冷媒14より高く、また、気化した第1冷媒14により加熱されても容易には蒸発しない程度の沸点の液体が採用される。また、2種類の冷媒の液密度の差は、ヒートパイプ動作中の冷媒の循環による撹拌によっも、2種類の液媒体の単独の層が残る程度の差があることが望ましい。
容器12内には、液相の第1および第2冷媒14,16の他に、気体18が収容されている。気体18は、気化した第1および第2冷媒14,16であってもよく、また他の気体、例えば空気や窒素であってもよい。
前述の液密度の差により、容器12の下側に液相の第1冷媒、上側に液相の第2冷媒が位置する。容器12の、液体の第1冷媒14を収容する領域が、ヒートパイプ10の冷却対象となる発熱体から熱を吸熱する吸熱領域20として規定される。この吸熱領域20は、第1冷媒14を収容する容器12自身およびこの容器12の部分に囲まれた容器内部の空間を含む。容器12の、液体の第2冷媒16を収容する領域が、吸熱領域20で吸収した熱を放熱する放熱領域22として規定される。この放熱領域22は、第2冷媒16を収容する容器12自身およびこの容器12の部分に囲まれた容器内部の空間を含む。
吸熱領域20の容器12の外側表面に、ヒートパイプ10の冷却対象となる発熱体24が固定的にまたは着脱可能に密着される。発熱体24は、例えばIGBT、CPU等の電子機器である。また、吸熱領域20の周囲の空間を冷却対象とすることもできる。放熱領域22には、ヒートパイプ10からの放熱を助ける放熱器26が設けられる。放熱器26は、放熱領域22を貫通する管28と、放熱領域22内の管28の周囲に設けられたフィン30を含む。管28内部は、ヒートパイプ10内部の空間とは分離されており、ここに外部冷媒が流れて、放熱領域22からの熱を吸収する。外部冷媒は、例えば水とすることができる。フィン30は、伝熱性のよい金属、例えばアルミニウムの薄板材により構成することができる。また、板面が、鉛直方向に延びるように配置されることが望ましい。
容器12には、圧力調整弁32が設けられている。圧力調整弁32は、気体18が位置する部分に対応して設けることができ、好適には、容器12の頂部とすることができる。圧力調整弁32を介して、容器12の外部と気体のやりとりを行うことで、容器12の内部の圧力を調整することができる。
ヒートパイプ10の動作について説明する。発熱体24が発熱すると、吸熱領域20の容器12の内壁面の温度が上昇する。容器内壁面の温度上昇により、第1冷媒14が加熱され、液体の第1冷媒14の層内で対流が生じる。この対流により熱が第2冷媒16との境界面34に移動し、第2冷媒16が加熱される。この加熱により液体の第2冷媒16の層内にも対流が生じ、更に上方へ熱が移動する。この熱は、放熱領域22の容器12の外壁面および放熱器26により外部に放熱される。
さらに、発熱体24が発熱すると、吸熱領域20の容器12の内壁面にて第1冷媒14が沸騰し始め、その蒸発潜熱により容器内壁面、そして発熱体24の温度上昇が抑制される。気化した第1冷媒は、第1冷媒の液体の層内を気泡となって上昇する。この気化した第1冷媒およびその気泡を符号14vで示す。また、液体の第1冷媒が形成している層を符号14Lで示す。第1冷媒の気泡14vは、液体の第2冷媒16中に進入すると、第2冷媒16に冷やされつつ上昇する。この過程で、第1冷媒の気泡14vは、その表面から凝縮し、気泡中の全ての気体が凝縮すると第1冷媒の液滴14aqとなる。気泡14vが冷却される過程において、気相の周囲には、凝縮した第1冷媒の層が形成される。つまり、周囲が液相で内側が気相の気泡が形成される。この2層の気泡も便宜的に気泡14vと記して説明する。周囲の液相と内側の気相は直接接触し、不凝縮気体が介在することがなく、凝縮が阻害されない。第1冷媒の気泡14vが凝縮して形成された液滴14aqは、周囲の第2冷媒16より密度が高いため、下降し、第1冷媒の層14Lに到達する。
上昇する第1冷媒の気泡14vが、冷えている容器12または放熱器26等の構造材表面に達すると、この構造材表面により冷やされて凝縮する。液滴14aqは構造材表面に付着する。液滴14aqが成長すると、構造材表面に沿って下降し、さらに構造材の下端から滴下し、第2冷媒16中を降下し、第1冷媒の層14Lに戻る。
第2冷媒16の層は、第1冷媒の気泡14vの上昇と液滴14aqの下降により、撹拌され、放熱領域22内の構造材表面の対流熱伝熱が促進され冷却性能が向上する。また、第1冷媒の層14Lの上層部分は、第2冷媒16の層と接し、冷却されている。このため第1冷媒の層14L内では上下の温度差に起因したベナール対流が生じ、発熱体24が設けられた容器20の部分の沸騰伝熱が促進される。
第1冷媒14の蒸発、凝縮を伴う循環により、第1および第2冷媒14,16は撹拌されて、特にこれらの境界付近では、2種の冷媒が乳濁した状態となる場合があるが、この混合層の下には第1冷媒14を主として形成された層が、上には第2冷媒16を主として形成された層が存在するよう、2種の冷媒の液密度が定められる。液密度の差が大きい方が、2種の冷媒が分かれやすい。
放熱器26に替えて、またはこれに加えて、容器に、容器12と第2冷媒16の接触する面積および容器12の外側表面の面積を増加させる構造を設けることもできる。例えば、容器12に凹凸を形成する、また容器表面にフィンを設けることなどが挙げられる。
圧力調整弁32を用いることで、第1冷媒の沸騰状態を調整することができる。図2は、圧力調整弁32に制御に係る構成を示すブロック図である。圧力調整弁32は、ポンプ36により加圧された気体を容器12内に導入し、また容器12内の気体18を外部に排出する機能を有する。圧力調整弁32とポンプ36の動作を制御する制御部38が設けられる。沸騰冷却においては、加熱部分の温度が高くなりすぎると、加熱部分表面を沸騰した冷媒の気泡が覆い、乾いた状態となって冷却性能が急低下することが知られている。いわゆるバーンアウトである。このバーンアウトを防止するために容器12内部の圧力を調整する。バーンアウトを検知するために、吸熱領域の容器12の温度を監視するための温度センサ40を設ける。温度センサ40は容器12に直接設けることもできるが、最終的に冷却する必要があるのは発熱体24であるので、これに温度センサ40を設けることが好適である。
制御部38は、温度センサ40の検出する温度を監視し、これが急激に上昇するなど、バーンアウトの発生が推測される状況となると、圧力調整弁32とポンプ36を動作させる。制御部38からの指令により、圧力調整弁32は、ポンプ36により加圧された気体を容器12内に送るように動作する。これにより、容器12内の圧力が高まると、第1冷媒14の沸点が上昇し、バーンアウトが解消される。バーンアウトが解消され、容器12内の圧力を低下してもよい状態となると、制御部38は、圧力調整弁32を容器12内の気体18を外部に排出するように制御する。ポンプ36は、高圧の気体を貯えるタンクまたはアキュームレータに替えることもできる。
図3は、本発明の他の実施形態のヒートパイプ50の鉛直断面図である。前述のヒートパイプ10と同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。ヒートパイプ50のヒートパイプ10に対する相違点は、発熱体の配置と、放熱器の構成である。ヒートパイプ50において、発熱体24は容器12の中に配置され、第1冷媒の層14L中に浸漬される。発熱体24は、容器12の内壁面に直接配置されてもよく、また容器12内に台を設け、台を介して容器に固定して配置してもよい。ヒートパイプ50の放熱器52は放熱領域22に設けられる。放熱器52は、放熱領域22を貫通するダクト54を有する。図3において、ダクト54は紙面を貫く方向に延びている。図示されるようにダクト54の断面形状は長方形であるが、この断面形状は他の形状とすることができる。ダクト54内には、伝熱面積向上のためのフィン56を設けることができる。フィン56は、例えば、薄板材を山と谷が交互になるように繰り返し屈曲させ、ダクト54内に、山の頂点と、谷の底がダクト54の内壁面に接するように配置するようにできる。ダクト54の内部は、ヒートパイプ50内部の空間とは分離されており、ここに外部冷媒が流れて放熱領域22からの熱を吸収する。外部冷媒は例えば空気とすることができる。
放熱器52は、フィン56を設けることで、外部冷媒に対する接触面積が増加する。この構成は、外部冷媒として、水等の液体に比べて一般的に熱伝導性の悪い気体を用いるのに有利である。また、フィンと共に、またはフィンに替えて、ダクト54そのものの表面に凹凸を設け、伝熱面積を増加させてもよい。ダクト54の外側表面、すなわち第2冷媒16に接している面に、フィンを設けても、また凹凸形状を設けてもよい。
ヒートパイプ50の発熱体24の配置および放熱器52の構造は独立して採用することができる。つまり、ヒートパイプ10において、発熱体24の容器内配置を採用することができる。また、ヒートパイプ10において、発熱体24は容器外に配置したまま、ヒートパイプ50のダクト形状の放熱器52を採用することができる。
ヒートパイプ50の動作は、ヒートパイプ10と同一であるので、説明は省略する。また、圧力調整に係る構成、動作についてもヒートパイプ10と同一であるので説明は省略する。
図4は、本発明の更に他の実施形態のヒートパイプ60の鉛直断面図である。前述のヒートパイプ10と同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。ヒートパイプ60は、ヒートパイプ10に対して第1冷媒14と第2冷媒16の間に、特に2種類の冷媒の境界面34付近に案内板62が配置される点において相違する。案内板62は、水平方向に対して傾いて配置される。また、案内板62の傾斜の上端と容器12の側壁の間には隙間64が形成され、同様に下端においても容器12の側壁の間に隙間66が形成される。案内板62の傾斜配置により、第1冷媒の気泡14vは、案内板62の斜面に沿って上昇し、前述の隙間64に案内され、この隙間を通って上昇する。この隙間64は、気化した第1冷媒14が上昇する上昇流路となる。また、案内板62の傾斜配置により、第1冷媒の液滴14aqが案内板62の斜面に沿って下降し、上述の隙間66に案内され、この隙間を通って下降する。この隙間66は、凝縮した第1冷媒14が下降する下降流路となる。
前述のように、第1冷媒14と第2冷媒16は、ヒートパイプの動作時に、これらの境界付近で乳濁する場合があるが、案内板62は、この乳濁した層内に位置するように配置することができる。また、図4において、案内板62は右下がりに配置されるが、逆に右上がりに配置することもできる。さらに、図4において、放熱器26の管28の延びる方向と案内板62の傾斜の方向は一致しているが、これに限られず、例えば直交するように配置することもできる。
案内板62は、図3に示されたヒートパイプ50に採用してもよい。また、案内板62は、ヒートパイプ10において、発熱体24を容器12内に配置した態様に採用してもよく、ヒートパイプ10において、放熱器26に替えてヒートパイプ50の放熱器52を用いた態様に採用してもよい。圧力調整に係る構成、動作については、前述のヒートパイプ10の場合と同一であるので説明は省略する。
図5は、本発明の更に他の実施形態のヒートパイプ70の鉛直断面図である。前述のヒートパイプ10,50と同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。ヒートパイプ70は、ヒートパイプ10に対して第1冷媒14と第2冷媒16の間に、特に境界面34付近に2枚の案内板72,74が配置される。案内板72,74は、水平方向に対して、互いに逆向きの傾斜となるよう傾いて配置される。案内板72,74と容器12の側壁の間には隙間76,78が設けられ、案内板72,74の間には隙間80が設けられる。図示する案内板72,74の配置は、互いに近い側の端が低い位置にあり、遠い側の端が高い位置にあるが、これと逆に配置することも可能である。
案内板72,74の傾斜配置により、第1冷媒の気泡14vは、案内板72,74の斜面に沿って上昇し、前述の隙間76,78に案内され、この隙間を通って上昇する。この隙間76,78は、気化した第1冷媒14が上昇する上昇流路となる。また、案内板72,74の傾斜配置により、第1冷媒の液滴14aqが案内板72,74の斜面に沿って下降し、上述の隙間80に案内され、この隙間を通って下降する。この隙間80は、凝縮した第1冷媒14が下降する下降流路となる。
前述のように、第1冷媒14と第2冷媒16は、ヒートパイプの動作時に、これらの境界付近で乳濁する場合があるが、案内板72,74は、この乳濁した層内に位置するように配置することができる。また、案内板は、2枚に限らず、3枚以上とすることも可能である。また、図5において、放熱器52のダクト54の延びる方向と案内板72,74の傾斜の方向は直交しているが、これに限られず、直角以外の角度で交差するようにもでき、同じ向きになるよう配置することもできる。また、図1,4のように発熱体24を容器12の外側に配置することもできる。また、放熱器52に替えて図1,4に示される放熱器26を採用してもよい。圧力調整に係る構成、動作については、前述のヒートパイプ10の場合と同一であるので説明は省略する。
ヒートパイプ60,70によれば、第1冷媒の上昇する流路と、下降する流路が分かれたことにより、ヒートパイプ内に方向性をもった循環流れが形成される。この流れにより、上昇する第1冷媒の気泡14vと、下降する第1冷媒の液滴14aqの干渉が低減され、蒸発、凝縮のサイクルが円滑に進行し、伝熱性能が向上する。また、循環流れの形成により、吸熱領域の沸騰が生じている面において、沸騰により生じた気泡の離脱、および液の供給が促進され、バーンアウトの抑制に有利である。
以上のヒートパイプ10,50,60,70において用いられる2種類の冷媒は、例えば、第1冷媒14としてフッ素系冷媒(沸点56℃、液密度1605kg/m3 (大気圧下))、第2冷媒16として水(沸点100℃、液密度960kg/m3 (大気圧下))とすることができる。この他、フッ素系冷媒とエタノール(沸点78℃、液密度737kg/m3 (大気圧下))の組み合わせ、水とシリコーン系オイル(液密度700−900kg/m3 (大気圧下))の組み合わせ等がある。
以上のヒートパイプ10,50,60,70においては、沸騰して気化した第1冷媒は、液体の第2冷媒中で凝縮液化するため、凝縮過程において、他の不凝縮気体により熱および物質移動が阻害されることがなく、凝集性能を維持できる。また、冷却容器内に不凝縮気体が混入しても、気体と液体の密度差により、不凝縮気体は、容器の上層部に集まり、この位置に保持されるため、第2冷媒中での第1冷媒の凝縮を阻害しない。これにより、ヒートパイプ作製時における高真空度の脱気工程、密閉製確保のためのヒートパイプの特別な構造等が不要となる。
10,50,60,70 ヒートパイプ、12 容器、14 第1冷媒、16 第2冷媒、20 吸熱領域、22 放熱領域、24 発熱体、26,52 放熱器、32 圧力調整弁、62,72,74 案内板、64,76,78 隙間(上昇流路)、66,80 隙間(下降流路)。

Claims (5)

  1. 容器と、
    容器に収容される第1冷媒と、
    容器に収容され、第1冷媒より液密度が小さく、沸点が高く、第1冷媒と非相溶性の第2冷媒と、
    を有し、
    容器の、液相の第1冷媒を収容する領域が発熱体の熱を吸収する吸熱領域として規定され、容器の、液相の第2冷媒を収容する領域が外部に熱を放出する放熱領域として規定され、
    第1冷媒が吸熱領域において気化して放熱領域に移動し、放熱領域において冷却されて凝縮し、吸熱領域から放熱領域へ熱が移動する、
    ヒートパイプ。
  2. 請求項1に記載のヒートパイプであって、前記容器に気体を供給し、また前記容器から気体を排出する圧力調整弁を有する、ヒートパイプ。
  3. 請求項1または2に記載のヒートパイプであって、
    前記吸熱領域と前記放熱領域の間に、吸熱領域で気化した第1冷媒が上昇する上昇流路と、放熱領域で凝縮した第1冷媒が下降する下降流路とを分けて設け、
    吸熱領域で気化した第1液媒体を上昇流路に向けて案内する上昇案内部材と、
    放熱領域で凝縮した第1液媒体を下降流路に向けて案内する下降案内部材と、
    を有する、ヒートパイプ。
  4. 請求項3に記載のヒートパイプであって、前記上昇案内部材と前記下降案内部材は、前記吸熱領域と前記放熱領域の間に、水平方向に対して傾斜して配置される板状の案内板として一体に設けられる、ヒートパイプ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のヒートパイプであって、前記放熱領域には、当該放熱領域を貫通し、内部に外部冷媒が流れる放熱器が設けられる、ヒートパイプ。
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