JP2012248587A - 半導体受光装置 - Google Patents

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宏泰 馬渡
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Abstract

【課題】低コストで高信頼性を有し、簡易に安定な光モニタ機能を発現し、小型である半導体受光装置を提供することにある。
【解決手段】光が導波するリッジ型スラブ導波路領域30に接続し、且つリッジ型スラブ導波路領域30と同一基板上に設けられ、入射した光を吸収するフォトダイオード領域10を備える半導体受光装置であって、フォトダイオード領域10がリッジ型スラブ導波路領域30と同じ半導体組成で形成された層構造をなすと共に、当該フォトダイオード領域10の上部クラッド層の上部に設けられた上部電極16を備え、フォトダイオード領域10のコア層が、前記入射した光が内部で導波して周回しつつ吸収する周回形状の吸収層11をなし、上部電極16の端部16aが吸収層11の端部11aよりも内側に配置されるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体受光装置に関し、より詳しくは、光導波路型半導体デバイスの導波光強度を検知するためのフォトダイオードをなす半導体受光装置に関する。
光導波路型半導体デバイスは、近年の結晶成長技術や高精度加工技術の進展によって、これまでの半導体レーザダイオードに代表される単機能素子から、光信号処理の機能を内蔵した、集積型のデバイスの開発が進展している。
半導体の機能素子を集積化するには、それぞれの機能素子間を光導波路で結合する必要があり、このときの伝搬損失や機能素子間の結合損失を極力低減することが重要である。
半導体光導波路は、一般にスラブ導波路構造と呼ばれる、屈折率差を用いた光の閉じ込め構造からなる多層構造を基本とする。これは、主に光が伝搬する屈折率の大きいコア層と、これの周囲に形成される屈折率の小さいクラッド層によって形成され、この屈折率差によって伝搬する光は中心のコア層を中心にして進行させるものである。ここで、スラブ導波路構造の一例のリッジ型スラブ導波路について図3(a),(b)を用いて説明する。これら図に示すように、リッジ型スラブ導波路100は、コア層101と、コア層101の下部および上部のそれぞれに形成される下部クラッド層102および上部クラッド層103とを備え、上部クラッド層103が所定幅を持つリッジ型構造をとっている。すなわち、上部クラッド層103には、所定幅を持つリッジ部104が形成されている。これらの層101,102,103の屈折率差およびリッジ部104によって、リッジ型スラブ導波路100の一方の端面100aから入射した光130は、コア層101におけるリッジ部104直下の領域105を伝搬し、リッジ型スラブ導波路100の他方の端面100bから出射している。
ここで、上述のリッジ型スラブ導波路におけるコア層およびクラッド層の半導体組成は、伝搬する光の波長より、半導体のバンドギャップエネルギー波長が短くなるような材料に決められる。これは光の波長が半導体のバンドギャップエネルギー波長に近づくにつれて、半導体による光吸収が生じ、伝搬損失が増大するためである。光の伝搬損失を低減して、光を伝搬させる導波路部分においては、半導体のコア層およびガイド層(コア層を上下で挟み光が伝搬する層)は光の波長より長いバンドギャップエネルギー波長をもつ組成で形成する必要がある。
一方、光の強度を測定するデバイスとして、一般的にフォトダイオードが用いられる。フォトダイオードは光を吸収して電気信号に変換するため、その吸収領域の半導体組成として光導波路を形成する半導体組成とは異なり、バンドギャップエネルギー波長が光の波長より長くなるようなものが用いられる。
光導波路を伝搬する光強度を測定するには、一般的には、フォトダイオード部分の光吸収効率を高めるため、導波路とは異なる組成の半導体材料によって同一基板上にフォトダイオード領域を形成するため、導波路部分とは別々に結晶成長等の素子作製プロセスが必要となる(例えば、下記の非特許文献1参照)。ここで、上述した構成のリッジ型スラブ導波路と同一基板上にフォトダイオード部分を形成した従来の導波路型フォトダイオードについて図4(a),(b),(c)を用いて説明する。これら図に示すように、導波路型フォトダイオードは、導波路部分をなすリッジ型スラブ導波路100の下部クラッド層102(基板)と同一基板上にて、リッジ型スラブ導波路100に接して設けられたフォトダイオード部分110を備える。フォトダイオード部分110は、下部クラッド層102上に設けられた吸収層111と、吸収層111上に設けられた上部クラッド層113と、上部クラッド層113上に設けられた電極116(上部電極)とを備える。吸収層111は、リッジ型スラブ導波路100のコア層101と同一の厚さで且つ、このコア層101と異なる組成で形成される。フォトダイオード部分110の吸収層111における、導波路部分100の光が伝搬する領域105に対向する領域115にて、当該フォトダイオード部分110に入射した光を吸収している。
このように、異なる組成の半導体領域を同一基板上に形成するには、半導体エピタキシャル成長工程を複数回行い、結晶成長工程と所望の形状へ加工する工程とを繰り返す作製工程が必要となる。したがって、作製工程が複雑になり、また先に形成された半導体層は結晶成長の温度まで加熱される熱工程を再度経ることになり、特性の劣化や変性が生じることに注意する必要がある。
一方、半導体層に電界を印加することで、光吸収を増加させることが可能である。これはフランツケルディッシュ効果と呼ばれ、半導体に印加された電界によって、図5(b)に示すように、伝導帯151と価電子帯152のバンドが傾き、バンドギャップエネルギーより小さい光に対しても吸収を生じさせることが可能である。なお、電界印加なしの場合には、図5(a)に示すように、伝導帯141と価電子帯142のバンドは傾きがなく、バンドギャップエネルギーより小さい光に対して吸収が生じない状態となる。
電界印加によって十分な吸収係数増加を得るには、電界無印加の状態での半導体コア層のバンドギャップエネルギー波長を、光の波長に十分近接している組成の半導体によって形成する必要がある。この場合、温度のゆらぎ等によっても、電界無印加時でも吸収係数の変動が生じてしまうため、光を導波させる導波路部分においては伝搬損失が増加することになり、特性の劣化が生じてしまう。したがって、光導波路としては、ある程度バンドギャップエネルギー波長と光の波長を離すことで、吸収による伝搬損失を低減する必要があり、このような半導体組成で吸収層を形成したフォトダイオードでは、十分な光吸収を生じさせるために大きな電界を印加したり、十分な素子の長さとしたりする必要がある。
しかし、半導体の逆方向印加電界を大きくすると、局所的なリーク電流パスの形成や、強電界による半導体層の劣化といった、信頼性上の問題も考慮する必要が生じる。特に、側壁部分での強電界印加はブレークダウンや故障の原因となりやすいため、表面付近の電界強度を緩和するような構造が必要になる。例えば、強電界を印加した状態で動作するアバランシェフォトダイオードでは、傾斜メサ構造や、ガードリング構造が用いられる。例えば、図6に示すように、傾斜メサ構造の半導体デバイス120は、吸収層121、下部クラッド層122、上部クラッド層123、上部電極126を備え、吸収層121の幅が上部から下部側に向けて漸増して形成されている。つまり、吸収層121の側壁部121a,121bは傾斜状に形成されている。しかし、導波路型フォトダイオードでは、導波路幅によって表面電極幅が決まるため、十分な面積を形成することが困難であり、このような電界緩和のための形状を取り入れることは難しい。
また、フォトダイオードとしての受光感度を大きくするためには、吸収領域を長くすることが必要であるが、集積デバイスでは素子の占有面積が大きくなり、素子設計上のデメリットとなってしまう。
以上のような観点から、これまでの導波路型デバイスによる光強度検出には、フォトダイオード部分をなす吸収領域の吸収層の半導体組成を、導波路部分をなす導波路領域のコア層の半導体組成と異なるもので構成する必要があった。
H. Nakamura, M. Shishikura, S. Tanaka, Y. Matsuoka, T. Ono, T. Miyazaki, S. Tsuji, "High Responsivity, Low Dark Current, and Highly Reliable Operation of InGaAlAs Waveguide Photodiodes for Optical Hybrid Integration",IEICE Trans. Electron., vol. E80-C, No. 1, , p.41-46, 1997年1月
光導波路として伝搬損失の少ないスラブ導波路構造をそのままフォトダイオードとして用いることができれば、組成の異なる半導体層構造を形成する必要がなく、これに要するコストの削減が可能となる。
しかし、スラブ導波路構造のままでは、フォトダイオードを形成しても光の吸収係数が小さいため印加電界を大きくする必要があり、この場合導波路の側壁部分における高電界による故障等の信頼性上の問題が懸念される。また、光吸収による電流を十分に得る為には、吸収領域となる導波路フォトダイオード部分を長くする必要があり、これは集積デバイス内でのフォトダイオードの配置の自由度に制約を生じさせ、またデバイスの小型化を図る上で課題となる。
以上のことから、本発明は上述したような課題を解決するために為されたものであって、低コストで高信頼性を有し、簡易に安定な光モニタ機能を発現し、小型である半導体受光装置を提供することを目的としている。
上述した課題を解決する本発明に係る半導体受光装置は、光が導波するリッジ型スラブ導波路領域に接続し、且つ前記リッジ型スラブ導波路領域と同一基板上に設けられ、入射した光を吸収するフォトダイオード領域を備える半導体受光装置であって、前記フォトダイオード領域が前記リッジ型半導体スラブ導波路と同じ半導体組成で形成された層構造をなすと共に、当該フォトダイオード領域の上部クラッド層の上部に設けられた上部電極を備え、前記フォトダイオード領域のコア層が、前記入射した光が内部を導波し周回しつつ吸収する周回形状の吸収層をなし、前記上部電極の端部が前記吸収層の端部よりも内側に配置されることを特徴とする。
前記リッジ型スラブ導波路領域は、コア層と、下部クラッド層、上部クラッド層を備え、前記上部クラッド層をリッジ型構造とし、前記コア層における前記上部クラッド層のリッジ部直下の領域が光を導波する領域をなしている。
上述した課題を解決する本発明に係る半導体受光装置は、前述した発明に係る半導体受光装置であって、前記吸収層が、円形状または多角形状に形成されていることを特徴とする。
上述した課題を解決する本発明に係る半導体受光装置は、前述した発明に係る半導体受光装置であって、前記吸収層が、前記リッジ型スラブ導波路領域における前記光が導波する部分よりも幅広であることを特徴とする。
上述した課題を解決する本発明に係る半導体受光装置は、前述した発明に係る半導体受光装置であって、前記吸収層と前記半導体スラブ導波路領域が、当該吸収層の接線方向にて接続することを特徴とする。
本発明に係る半導体受光装置によれば、フォトダイオード領域がリッジ型スラブ導波路領域と同じ半導体組成で形成された層構造をなすことにより、リッジ型スラブ導波路領域とフォトダイオード領域の層構造を同じ結晶成長工程で作製することができる。これにより、作製工程が簡易になり、低コストで高信頼性を実現できる。フォトダイオード領域のコア層が、入射した光が内部を導波し周回しつつ吸収する周回形状の吸収層をなすことにより、吸収層の小型化、つまり半導体受光装置の小型化を図ることができる。上部電極の端部が吸収層の端部よりも内側に配置されることにより、局所的なリーク電流のパスの形成や、強電界による半導体層の劣化を生じることなく、簡易に安定な光モニタ機能を発現することができる。
本発明の第1の実施例に係る半導体受光装置の説明図であって、図1(a)にその平面を示し、図1(b)にその側面を示し、図1(c)に図1(a)におけるc−c断面を示す。 本発明の第2の実施例に係る半導体受光装置の説明図であって、図2(a)にその平面を示し、図2(b)にその側面を示し、図2(c)に図2(a)におけるc−c断面を示す。 従来のリッジ型スラブ導波路の説明図であって、図3(a)にその断面を示し、図3(b)にその側面を示す。 従来の導波路型フォトダイオードの説明図であって、図4(a)にその側面を示し、図4(b)に図4(a)のb−b断面を示し、図4(c)に図4(a)のc−c断面を示す。 半導体層の光吸収を説明するための図であって、図5(a)に電界無印加の場合を示し、図5(b)に電界印加時の場合を示す。 従来の傾斜メサ構造の半導体デバイスの断面図である。
以下、本発明に係る半導体受光装置を実施するための一つの形態について説明する。
本実施形態に係る半導体受光装置をなすフォトダイオードは、光が導波する半導体スラブ導波路と同じ半導体組成で形成された層構造をなしている。つまり、フォトダイオードの吸収層(コア層)として、半導体スラブ導波路(光導波路)のコア層をそのまま用いることを特徴とする。これにより、フォトダイオードにおける光の吸収層を別組成の半導体で形成するための再成長工程や選択成長工程を省くことができ、これによる作製コストの低減や、再成長工程時の熱履歴の影響をなくすことが可能になる。
このような半導体スラブ導波路のコア層の組成からなる半導体層をフォトダイオードの吸収層(コア層)として用いる場合、吸収係数が小さいため、十分な長さ(大きさ)が必要となる。これを直線状の導波路構造とすると、フォトダイオード部分の占める面積が従来のフォトダイオード部分と比べて大きくなってしまうため、スラブ導波路構造で、円形あるいは内角が全反射角となる多角形の形状とする。このようなフォトダイオード部分に入射した光は、円形導波路の内周を周回し、あるいは、全反射角を持つ側壁部(側壁面)で反射しながら、フォトダイオードを形成する周回導波路を周回し続ける。これによって、実効的に十分な長さを得ることが可能となり、入射した光は吸収層に吸収されて電気に変換することが可能となる。このように周回導波路型をなすフォトダイオード部分の吸収層で入射した光を吸収することができるため、光の伝搬方向に対して直線状をなし導波路のコア層と同一の半導体組成でフォトダイオード部分の吸収層を形成した場合と比べて、約10分の1程度の大きさにすることが可能となる。
また、この領域へは印加電界を大きくする必要がある。従来の導波路型フォトダイオードでは、導波路構造を維持するために伝搬方向に沿って細長い形状となっており、ここに強電界を印加すると、導波路側壁部分に電界が集中してしまうため、表面のリーク電流増加や電気的故障といった信頼性上の問題が生じていた。ここで、吸収層を周回導波路構造とすることで、導波路中央部分には十分な電極形成のための面積を確保することが可能となる。したがって、導波路の端面付近まで電極を形成する必要がなくなり、端面から十分離れた中央部分に電極を形成することで、端面付近への電界集中を緩和することが可能になる。
このようにして、高信頼性を保持したまま、スラブ導波路構造のフォトダイオード部分に、比較的大きな電界を印加することが可能となる。
本発明の第1の実施例に係る半導体受光装置について図1(a)および図1(b)ならびに図1(c)を参照して説明する。なお、図1(a)においては、半導体スラブ導波路領域におけるリッジ部を省略して図示している。
本実施例に係る半導体受光装置をなす半導体デバイスは、図1(a),(b),(c)に示すように、光が導波するリッジ型スラブ導波路領域30に接続し、且つ、リッジ型スラブ導波路領域30と同一の基板である下部クラッド層32上に設けられ、入射した光を吸収するフォトダイオード領域10を備える。
リッジ型スラブ導波路領域30は、コア層31と、コア層31の下部および上部のそれぞれに設けられた下部クラッド層32および上部クラッド層33とを備え、上部クラッド層33が所定幅を持つリッジ型構造をとっている。すなわち、上部クラッド層33には、所定幅を持つリッジ部34が形成されている。このような構成のリッジ型スラブ導波路領域30においては、光はコア層31におけるリッジ部34直下の領域を導波する。
フォトダイオード領域10は、リッジ型スラブ導波路領域30と同じ半導体組成で形成された層構造で構成される。フォトダイオード領域10は、下部クラッド層32上に設けられた吸収層(コア層)11と、吸収層11上に設けられた上部クラッド層13とを備え、上部クラッド層13が所定幅を持つリッジ型構造をとっている。上部クラッド層13には、所定幅を持つリッジ部14が形成される。リッジ部14の上部には、光吸収電流を取り出す上部電極(金属電極)16が形成される。つまり、上部クラッド層13と上部クラッド層33、吸収層11とコア層31がそれぞれ同じ半導体組成で形成される。吸収層11では、入射した光が導波しつつ当該光を吸収している。また、電界を印加するための電極のうち、層構造下部には例えばn型ドーピングの伝導型半導体層を全面に形成して、吸収層11とは別の位置に、すなわち、フォトダイオード領域10の下部クラッド層32の下部における上部電極16の直下から離れた箇所に下部電極(金属パッド)17が形成される。
吸収層11および上部クラッド層13は円柱体状に形成されており、吸収層11の周壁部11aおよび上部クラッド層13の周壁部13aは平面にて円形を成している。上部電極16はリッジ部14と同じ円形状に形成されている。つまり、上部電極16は吸収層11の中央部に配置され、上部電極16の周壁部(端部)16aは吸収層11の側壁部11aよりも内側にずらした位置に配置される。これにより、吸収層11の周壁部11a近傍での電界強度を低減し、電界印加時のリークパス形成や電界集中による破壊を防止することができる。
上述した構成の半導体受光装置では、リッジ型スラブ導波路領域30を導波した光51は、当該リッジ型スラブ導波路領域30からリッジ型スラブ導波路領域30と同一の層構造からなるフォトダイオード領域10へ入射することになる。ここで、フォトダイオード領域10へ入射した光52は、円形に加工された導波路部分をなす吸収層11の内周を伝搬しながら、吸収層11の円形形状を周回することになる。導波路部分をなす吸収層11の側壁部11aでは、半導体と空気との屈折率の違いによって、伝搬する光52は吸収層11の外側に放射されずに周回することになる。つまり、吸収層11は周回形状を成している。
上述したように、リッジ部14上に上部電極16を形成することで、周回形状の吸収層11の上下に電界を印加することができる。つまり、上部電極16および下部電極17にバイアス電圧を印加することで、吸収層11(コア層)に電界を印加することができる。上下に印加された電界によって、半導体の吸収係数が大きくなり、光は半導体に吸収され、電子・正孔対を発生し、この発生したキャリアは電界によって電極へ運ばれ、電流として取り出される。
よって、吸収層11を周回する光52は徐々に吸収されて、電気信号に変換されるため、そのまま光として外部に透過されることはない。
以上説明したように、本実施例に係る半導体受光装置によれば、フォトダイオード領域10の吸収層11が、光が周回する周回形状をなすことにより、リッジ型スラブ導波路領域と同じ層構造であって吸収層を直線状に設けたフォトダイオードと比べて、10分の1以下の大きさにすることができる。すなわち、半導体受光装置の小型化を図ることができる。さらに、フォトダイオード領域10を小型に形成することが可能であるため、集積デバイスの設計自由度の向上にも寄与することができる。
また、フォトダイオード領域10がリッジ型スラブ導波路領域30と同じ半導体組成で形成される層構造をなすことにより、リッジ型スラブ導波路領域30とフォトダイオード領域10の層構造を同じ結晶成長工程で作製することができる。
したがって、本実施例に係る半導体受光装置を用いることで、従来の半導体導波路型フォトダイオードに比べて、フォトダイオード領域のための光吸収層形成に伴う再成長工程や選択成長工程を用いることが必要なく、またこれらによる熱履歴の影響を考慮する必要がないため、低コストで高信頼性を有し、簡易に安定な光モニタ機能を半導体導波路デバイスに内蔵することができる。
吸収層11がリッジ型スラブ導波路領域30における光が導波する部分よりも幅広であることで、リッジ型スラブ導波路領域30からフォトダイオード領域10に光が入射したときに、光の強度が高い部分(光の中心部分)が吸収層11内にて周回方向へ伝搬し、光の強度が低い部分(光の外側部分)が吸収層11内にて広がるが当該吸収層11内にて周方向へ伝搬する。これにより、フォトダイオード領域10内へ入射した光52がリッジ型スラブ導波路領域30へ出射してしまう可能性は低減される。
吸収層11とリッジ型スラブ導波路領域30が吸収層11の平面における接線方向にて接続することにより、フォトダイオード領域10に入射した光52がフォトダイオード領域10内にて周回することになる。これにより、フォトダイオード領域10内へ入射した光52がリッジ型スラブ導波路領域30へ出射してしまう可能性は低減される。
本発明の第2の実施例に係る半導体受光装置について、図2(a)および図2(b)ならびに図2(c)を参照して説明する。なお、図2(a)においては、半導体スラブ導波路領域におけるリッジ部を省略して図示している。
本実施例に係る半導体受光装置は、上述した第1の実施例に係る半導体受光装置が備えるフォトダイオード領域の形態を変更したものであって、それ以外は上述した第1の実施例に係る半導体受光装置と同じ構成であり、作用効果も同じである。したがって、ここでは、第1の実施例に係る半導体受光装置と異なる部分についてのみ説明する。なお、本実施例では、第1の実施例に係る半導体受光装置と同じ構成には同一の符号を付記している。
本実施例に係る半導体受光装置をなす半導体デバイスは、図2(a),(b),(c)に示すように、光が導波するリッジ型スラブ導波路領域30に接続し、且つ、リッジ型スラブ導波路領域30と同一の基板である下部クラッド層32上に設けられ、入射した光を吸収するフォトダイオード領域20を備える。
フォトダイオード領域20は、リッジ型スラブ導波路領域30と同じ半導体組成で形成された層構造で構成される。フォトダイオード領域20は、下部クラッド層32上に設けられた吸収層(コア層)21と、吸収層21上に設けられた上部クラッド層23とを備え、上部クラッド層23が所定幅を持つリッジ型構造をとっている。上部クラッド層23には、所定幅を持つリッジ部24が形成される。リッジ部24の上部には、光吸収電流を取り出す上部電極(金属電極)26が形成される。つまり、上部クラッド層23と上部クラッド層33、吸収層21とコア層31がそれぞれ同じ半導体組成で形成される。吸収層21では、入射した光が導波しつつ当該光を吸収している。また、電界を印加するための電極のうち、層構造下部には例えばn型ドーピングの伝導型半導体層を全面に形成して、吸収層21とは別の位置に、すなわち、フォトダイオード領域20の下部クラッド32の下部における上部電極26の直下から離れた箇所に下部電極(金属パッド)27が形成される。
吸収層21および上部クラッド層23は正八角柱体状に形成されており、吸収層21の周壁部21aおよび上部クラッド層23の周壁部23aは平面にて正八角形状を成している。上部電極26はリッジ部24と同じ正八角形状に形成されている。つまり、上部電極26は吸収層21の中央部に配置され、上部電極26の周壁部(端部)26aは吸収層21の側壁部21aよりも内側にずらした位置に配置される。これにより、吸収層21の周壁部21a近傍での電界強度を低減し、電界印加時のリークパス形成や電界集中による破壊を防止することができる。
上述した構成の半導体受光装置では、リッジ型スラブ導波路領域30を導波した光61は、当該リッジ型スラブ導波路領域30からリッジ型スラブ導波路領域30と同一層構造からなるフォトダイオード領域20へ入射することになる。ここで、フォトダイオード領域20へ入射した光62は、正八角形に加工された導波路部分をなす吸収層21の内周を全反射しながら伝搬し、吸収層21の正八角形状を周回することになる。導波路部分をなす吸収層21の側壁部21aでは、半導体と空気との屈折率の違いによって、伝搬する光62は吸収層21の外側に放射されずに周回することになる。つまり、吸収層21は周回形状を成している。
上述したように、リッジ部24上に上部電極26を形成することで、周回形状の吸収層21の上下に電界を印加することができる。つまり、上部電極26および下部電極27にバイアス電圧を印加することで、吸収層21(コア層)に電界を印加することができる。上下に印加された電界によって、半導体の吸収係数が大きくなり、光は半導体に吸収され、電子・正孔対を発生し、この発生したキャリアは電界によって電極へ運ばれ、電流として取り出される。
よって、吸収層21を周回する光62は徐々に吸収され、電気信号に変換されるため、そのまま光として外部に透過されることはない。
以上説明したように、本実施例に係る半導体受光装置によれば、フォトダイオード領域20の吸収層21が、光が周回する周回形状をなすことにより、上述した第1の実施例の場合と同様、リッジ型スラブ導波路領域と同じ層構造であって吸収層を直線状に設けたフォトダイオードと比べて、10分の1以下の大きさにすることができる。すなわち、半導体受光装置の小型化を図ることができる。さらに、フォトダイオード領域20は小型に形成することが可能であるため、集積デバイスの設計自由度の向上にも寄与することができる。
また、フォトダイオード領域20がリッジ型スラブ導波路領域30と同じ半導体組成で形成される層構造をなすことにより、リッジ型スラブ導波路領域30とフォトダイオード領域20の層構造を同じ結晶成長工程で作製することができる。
したがって、本実施例に係る半導体受光装置を用いることで、従来の半導体導波路型フォトダイオードに比べて、フォトダイオード領域のための光吸収層形成に伴う再成長工程や選択成長工程を用いることが必要なく、またこれらによる熱履歴の影響を考慮する必要がないため、低コストで高信頼性を有し、簡易に安定な光モニタ機能を半導体導波路デバイスに内蔵することができる。
吸収層21がリッジ型スラブ導波路領域30における光が導波する部分よりも幅広であることで、リッジ型スラブ導波路領域30からフォトダイオード領域20に光が入射したときに、光の強度が高い部分(光の中心部分)が吸収層21内にて周回方向へ伝搬し、光の強度が低い部分(光の外側部分)が吸収層21内にて広がるが当該吸収層21内にて周方向へ伝搬する。これにより、フォトダイオード領域20内へ入射した光62がリッジ型スラブ導波路領域30へ出射してしまう可能性は低減される。
吸収層21とリッジ型スラブ導波路領域30が吸収層21の平面における接線方向にて接続することにより、半導体スラブ導波路領域30の延在方向とその正面をなす吸収層21の側壁部21aが鈍角をなし、フォトダイオード領域20に入射した光62が吸収層21の側壁部21aで反射したときに、スラブ導波路領域30へは伝搬せずに吸収層21内を周回することになる。これにより、フォトダイオード領域20内へ入射した光62がリッジ型スラブ導波路領域30へ出射してしまう可能性は低減される。
なお、上記では、平面にて円形をなす吸収層11を備える半導体受光装置、平面にて正八角形状をなす吸収層21を備える半導体受光装置について説明したが、吸収層に入射した光が周回する形状であれば良く、例えば、平面にて楕円形状をなす吸収層を備える半導体受光装置、平面にて正八角形状以外の多角形状をなす吸収層を備える半導体受光装置とすることも可能である。なお、吸収層が四角形状である場合には、リッジ型スラブ導波路領域における光が伝搬する部分よりも吸収層を平面にて幅広とし吸収層内に入射した光が周囲に拡がるようにしたり、リッジ型スラブ導波路領域の延在方向と当該リッジ型半導体スラブ導波路の延在方向に対向する吸収層の側壁部とで鋭角または鈍角をなす様にフォトダイオード領域を配置したりすれば良い。
上記では、リッジ型スラブ導波路領域30における光51が伝搬する部分よりも幅広に形成されたフォトダイオード領域10の吸収層11を備える半導体受光装置、リッジ型スラブ導波路領域30における光61が伝搬する部分よりも幅広に形成されたフォトダイオード領域20を備える半導体受光装置について説明したが、リッジ型スラブ導波路領域における光が伝搬する部分よりも幅狭に形成されたフォトダイオード領域の吸収層を備える半導体受光装置とすることも可能である。つまり、フォトダイオード領域の吸収層は、入射した光が内部で周回することができる形状であれば良い。
上記では、リッジ型スラブ導波路領域30とフォトダイオード領域10とが吸収層11の平面における接線方向にて接続する半導体受光装置、リッジ型スラブ導波路領域30とフォトダイオード領域20とが吸収層21の平面における接線方向にて接続する半導体受光装置について説明したが、リッジ型スラブ導波路領域とフォトダイオード領域とは、吸収層の平面における接線方向に限らず他の箇所で接続する半導体受光装置とすることも可能である。
本発明は半導体受光装置に関するものであり、低コストで高信頼性を有し、簡易に安定な光モニタ機能を発現し、小型化を図ることができるので、光通信産業などにおいて、極めて有益に利用することができる。
10 フォトダイオード領域
11 吸収層
13 上部クラッド層
14 リッジ部
16 上部電極
17 下部電極
20 フォトダイオード領域
21 吸収層
23 上部クラッド層
24 リッジ部
26 上部電極
27 下部電極
30 リッジ型スラブ導波路領域
31 コア層
32 下部クラッド層
33 上部クラッド層
34 リッジ部
51 導波路領域を導波する光
52 フォトダイオード領域を伝搬する光
61 導波路領域を導波する光
62 フォトダイオード領域を伝搬する光

Claims (4)

  1. 光が導波するリッジ型スラブ導波路領域に接続し、且つ前記リッジ型スラブ導波路領域と同一基板上に設けられ、入射した光を吸収するフォトダイオード領域を備える半導体受光装置であって、
    前記フォトダイオード領域が前記リッジ型スラブ導波路領域と同じ半導体組成で形成された層構造をなすと共に、当該フォトダイオード領域の上部クラッド層の上部に設けられた上部電極を備え、
    前記フォトダイオード領域のコア層が、前記入射した光が内部を導波し周回しつつ吸収する周回形状の吸収層をなし、
    前記上部電極の端部が前記吸収層の端部よりも内側に配置される
    ことを特徴とする半導体受光装置。
  2. 請求項1に記載の半導体受光装置であって、
    前記吸収層が、円形状または多角形状に形成されている
    ことを特徴とする半導体受光装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の半導体受光装置であって、
    前記吸収層は、前記リッジ型スラブ導波路領域における前記光が導波する部分よりも幅広である
    ことを特徴とする半導体受光装置。
  4. 請求項3に記載の半導体受光装置であって、
    前記吸収層と前記リッジ型スラブ導波路領域は、当該吸収層の接線方向にて接続する
    ことを特徴とする半導体受光装置。
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