JP2012251015A - 熱可塑性樹脂組成物およびそれを用いてなる成形品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】体積平均粒子径215〜335nm及びゲル含量80〜93%のゴム質重合体(a)の存在下、所定比率の芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、及び(メタ)アクリル酸エステル化合物を含有するビニル系単量体(b1)を重合した共重合体(A)と、所定共重合比率のスチレン・アクリロニトリル(B)と、ポリメチルメタクリレート樹脂(C)とを含有し、
共重合体(A)のアセトン可溶分の極限粘度[η](メチルエチルケトン、30℃で測定)が0.35〜0.5dl/g、グラフト率が45〜85質量%であり、
(A)/(B)/(C)の割合が3〜70/3〜70/3〜70(質量比)であり、
厚さ2.4mmの樹脂成形品として測定した全光線透過率が70%以上である熱可塑性樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
芳香族ビニル化合物64〜84質量%、及び、シアン化ビニル化合物16〜36質量%を含有するビニル系単量体(b2)(ただし、これら単量体の合計を100質量%とする。)を重合して得られる共重合体(B)と、
(メタ)アクリル酸エステル化合物70〜100質量%、及び、所望により(メタ)アクリル酸エステル化合物と共重合可能な単量体0〜30質量%を含有するビニル系単量体(b3)(ただし、これら単量体の合計を100質量%とする。)を重合して得られる(共)重合体(C)とを含有し、
上記共重合体(A)のアセトン(ゴム質重合体がアクリル系ゴムの場合はアセトニトリル)可溶分の極限粘度[η](メチルエチルケトン、30℃で測定)が0.35〜0.5dl/gであり、且つ、上記共重合体(A)のグラフト率が45〜85質量%であり、
成分(A)/成分(B)/成分(C)の割合が3〜70/3〜70/3〜70(質量比)であり、
厚さ2.4mmの樹脂単独成形品として測定した全光線透過率が70%以上であることを特徴とする透明熱可塑性樹脂組成物を提供する。
そして、本発明は、その第3の局面によれば、上記透明または暗色系熱可塑性樹脂組成物からなる成形品を提供する。
1.共重合体(A)(以下、「成分(A)」ともいう。)
本発明で使用する成分(A)は、ゴム質重合体(a)の存在下に、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物及び(メタ)アクリル酸エステル化合物を必須成分として含有するビニル系単量体(b1)を重合して得られる。
上記ゴム質重合体(a)は、体積平均粒子径が215〜335nm、ゲル含量が80〜93質量%である以外に特に制限はなく、具体例としては、共役ジエン系ゴム質重合体、非共役ジエン系ゴム質重合体等が挙げられる。共役ジエン系ゴム質重合体としては、例えば、ポリブタジエン、ブタジエン・スチレン共重合体、ブタジエン・アクリロニトリル共重合体、及びこれらの水素添加物が挙げられる。非共役ジエン系ゴム質重合体としては、例えば、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ブテン・非共役ジエン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・1−オクテン・非共役ジエン共重合体等のエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム;アクリル系ゴム;シリコーン系ゴム;シリコーン・アクリル系IPNゴム等が挙げられる。これらのうち、ポリブタジエン、ブタジエン・スチレン共重合体が好ましく、ブタジエン・スチレン共重合体が特に好ましい。これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、ゴム質重合体(a)の粒子径分布は、シャープであることが好ましい。また、成分(a)の粒子径の分布は、単峰性であっても、多峰性であってもよいが、好ましくは単峰性である。
上記ゴム質重合体(a)における粒子径が200nm未満のゴム質重合体、及び、350nmを超えるゴム質重合体の含有量は、何れも、好ましくは15質量%以下、より好ましくは12質量%以下、さらに好ましくは8質量%以下、特に好ましくは5質量%以下である。粒子径が200nm未満のゴム質重合体の含有量が15質量%を超えると、成形品の耐衝撃性が不十分になる可能性がある。一方、粒子径が350nmを超えるゴム質重合体の含有量が15質量%を超えると、成形品の外観が不十分になる可能性がある。
尚、体積平均粒子径および粒子径分布は、ゴム質重合体(a)の製造時に、単量体の種類及び量、分子量調節剤の種類及び量、重合時間、重合温度、重合転化率等を適宜選択することにより調整される。また、目的とする体積平均粒子径及び粒子径分布のゴム質重合体は、小粒子径のゴム質重合体を含むゴムラテックスについて、肥大処理を行うことにより得ることもできる。体積平均粒子径および粒子径分布は、肥大処理を行う際の処方、処理時間、処理温度等を適宜選択することにより調整することができる。粒径肥大は、公知の方法、例えばラテックスを一度凍結させてから再溶解する方法、ラテックスに鉱酸、有機酸などを添加して、ラテックスのpHを一時的に低下させる方法、ラテックスに剪断力を加える方法(特開昭54−133588号公報、特開昭59−202211号公報)などによって行うことができる。特にラテックスに、リン酸または無水酢酸を添加する方法が、粒子径の調整が容易であるので、好ましい。ゴム粒子径分布は、必ずしも粒子径分布曲線が単一な山をもついわゆるモノモーダルである必要はなく、例えば2つの山をもつバイモーダル、複数の山をもつマルチモーダルなどであってもよい。マルチモーダルな粒子径分布をもつラテックスは、粒子径の異なる2種以上のゴム質重合体を混合することにより調整してもよい。マルチモーダルな粒子径分布の場合には、ゴムラテックス混合物の体積平均粒子径は215〜335nmである必要がある。
上記ゲル含量は、以下に示す方法により求めることができる。まず、ゴム質重合体0.25gをトルエン20mlに投入し、室温で48時間静置した後、200メッシュの金網で濾過し、さらに濾過残渣を60℃で48時間乾燥する。その後、濾過残渣を秤量(質量をW1グラムとする。)し、下記式(1)によりゲル含量を求める。
ゲル含量(質量%)=[W1(g)/0.25(g)]×100 (1)
尚、ゲル含量は、ゴム質重合体(a)の製造時に、単量体の種類及び量、分子量調節剤の種類及び量、重合時間、重合温度、重合転化率等を適宜選択することにより調整される。
上記ビニル系単量体(b1)は、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物及び(メタ)アクリル酸エステル化合物を必須成分として含有し、所望により、これらの化合物と共重合可能な他のビニル系単量体を含有することができる。当該共重合可能な他のビニル系単量体としては、マレイミド化合物、水酸基含有不飽和化合物、エポキシ基含有不飽和化合物、置換または非置換のアミノ基含有不飽和化合物、カルボキシル基含有不飽和化合物、酸無水物基含有不飽和化合物、オキサゾリン基含有不飽和化合物等が挙げられる。
また、上記芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物及び(メタ)アクリル酸エステル化合物と共重合可能なその他の化合物の含有量は、ビニル系単量体(b1)の全量を100質量%とした場合、通常0〜10質量%、好ましくは0〜5質量%である。上記含有量が10質量%を超えると、本発明の効果が十分に得られない可能性がある。
本発明の共重合体(A)は、上記ゴム質重合体(a)の存在下に上記ビニル系単量体(b1)を重合して得られる。
上記共重合体(A)の製造方法は、特に限定されず、公知の重合法、例えば、乳化重合、溶液重合、塊状重合、懸濁重合等が挙げられる。これらのうち、乳化重合が好ましい。尚、ゴム質重合体(a)及びビニル系単量体(b1)の使用比率(ゴム質重合体(a)/ビニル系単量体(b1))は、これらの合計を100質量%とした場合、好ましくは5〜80質量%/20〜95質量%であり、より好ましくは5〜70質量%/30〜95質量%であり、更により好ましくは10〜65質量%/35〜90質量%である。
尚、上記共重合体(A)が2種以上の共重合体からなる場合は、各ラテックスから樹脂成分を単離した後、混合してもよいが、他の方法として、例えば各共重合体をラテックスの状態で混合し、得られた混合物を凝固してもよい。
上記のようにして製造された共重合体(A)には、通常、ビニル系単量体(b1)の共重合体がゴム質重合体(a)にグラフトしているグラフト共重合体と、ゴム質重合体(a)にグラフトしていないビニル系単量体(b1)の共重合体とが含まれる。
上記共重合体(A)のグラフト率は、45〜85質量%、さらに好ましくは55〜80質量%、より好ましくは60〜78質量%である。上記グラフト率が45質量%未満では、機械的強度(落下強度)が劣る。一方、上記グラフト率が85質量%を超えると、成形品の表面に白もやが発生し外観を損なう。
なお、上記共重合体(A)のグラフト率は、その製造時に用いる連鎖移動剤の種類及び使用量、重合開始剤の種類及び使用量、重合時の単量体成分の添加方法及び添加時間、重合温度及び重合時間等を適宜選択することにより調整することができる。
グラフト率(質量%)={(S−T)/T}×100 (2)
上記式中、Sは共重合体(A)1グラムをアセトン(ゴム質重合体がアクリル系ゴムの場合はアセトニトリル)20mlに投入し、25℃の温度条件下で、振とう機により2時間振とうした後、0℃の温度条件下で、遠心分離機(回転数;23,000rpm)で60分間遠心分離し、不溶分と可溶分とを分離して得られる不溶分の質量(g)であり、Tは共重合体(A)1グラムに含まれるゴム質重合体の質量(g)である。このゴム質重合体の質量は、重合処方及び重合転化率から算出する方法、赤外線吸収スペクトル(IR)により求める方法等により得ることができる。
上記極限粘度は、製造時に用いる連鎖移動剤の種類及び使用量、重合開始剤の種類及び使用量、重合温度等を適宜選択することにより調整することができる。
本発明で使用する成分(B)は、芳香族ビニル化合物及びシアン化ビニル化合物を必須成分として含有するビニル系単量体(b2)を重合して得られる。
芳香族ビニル化合物の使用量が64質量%未満(シアン化ビニル化合物の使用量が36質量%超)の場合は、成形品の表面に白もやが発生し外観を損なう。一方、芳香族ビニル化合物の使用量が84質量%超(シアン化ビニル化合物の使用量が16質量%未満)の場合は、成形品の表面に白スジが発生し外観を損なう。
また、上記芳香族ビニル化合物又はシアン化ビニル化合物と共重合可能な他の化合物の含有量は、ビニル系単量体(b2)の全量を100質量%とした場合、通常0〜10質量%、好ましくは0〜5質量%である。上記含有量が30質量%を超えると、本発明の効果が十分に得られない可能性がある。
上記極限粘度は、製造時に用いる連鎖移動剤の種類及び使用量、重合開始剤の種類及び使用量、重合温度及び重合時間等を適宜選択することにより調整することができる。
本発明で使用する(共)重合体(C)は、(メタ)アクリル酸エステル化合物、及び、所望により(メタ)アクリル酸エステル化合物と共重合可能な他の単量体を含有するビニル系単量体(b3)を重合して得られる(共)重合体(C)である。
上記ビニル系単量体(b3)における(メタ)アクリル酸エステル化合物としては、上記共重合体(A)について上記したものと同様のものを使用することができるが、そのうち、(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物が好ましく、メチルアクリレート又はメチルメタクリレートがより好ましい。
一方、所望により(メタ)アクリル酸エステル化合物と共重合可能な他の単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、アクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物、マレイミド化合物、水酸基含有不飽和化合物、エポキシ基含有不飽和化合物、置換または非置換のアミノ基含有不飽和化合物、カルボキシル基含有不飽和化合物、酸無水物基含有不飽和化合物、オキサゾリン基含有不飽和化合物等が挙げられ、このうち、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有不飽和化合物が好ましい。
一方、(メタ)アクリル酸エステル系化合物と共重合可能な他の単量体の使用量は、ビニル系単量体(b3)の全量を100質量%とした場合、通常0〜30質量%、好ましくは0.5〜15質量%、さらに好ましくは0.5〜10質量%である。(メタ)アクリル酸エステル化合物の含有量が70質量%未満の場合、成形品の表面硬度が不十分になる可能性がある。
(共)重合体(C)は、ビニル系単量体(b3)を使用する以外、上記(B)成分と同様の方法で製造することができる。
本発明の透明熱可塑性樹脂組成物は、共重合体(A)と共重合体(B)と(共)重合体(C)とを均一に混合することにより調製される。本発明の透明熱可塑性樹脂組成物の表面硬度は、(共)重合体(C)の増加に伴い向上する傾向にあり、耐衝撃性は共重合体(A)の増加に伴い向上する傾向があり、成形加工性および透明性は共重合体(B)又は(共)重合体(C)の増加に伴い向上する傾向にある。
本発明の透明熱可塑性樹脂組成物におけるマスメルトフローレート(ISO1133に準拠、220℃、98N)は、通常5〜80g/10min、好ましくは10〜70g/10min、より好ましくは15〜60g/10minである。マスメルトフローレートの値が5g/10min未満では、成形性が不十分となる可能性があり、一方80g/10minを越えると衝撃強度が低下するおそれがある。
また、本発明の透明熱可塑性樹脂組成物におけるゴム質重合体(a)の含有量は、上記成分(A)、成分(B)及び成分(C)の合計量を100質量%として、通常5〜40質量%、好ましくは5〜30質量%、更に好ましくは10〜30質量%である。上記の範囲において、表面硬度と耐衝撃性が良くバランスし、しかも、透明性に優れた熱可塑性樹脂組成物が得られる。
なお、この全光線透過率は、樹脂以外の成分、例えば、以下に説明する添加剤や着色剤を含まない樹脂組成物を用いて得られた成形品(本明細書で「樹脂単独成形品」という)についての測定値を意味する。
また、上記着色剤は、二種以上を併用してもよい。例えば、黒色に着色したい場合は、赤、緑、黄色などの染料を組み合わせて黒色を発色することにより、より深みのある黒色(漆黒)を発現することができる。
本発明の透明熱可塑性樹脂組成物は、黒色等の暗色系の色に着色された場合に、特に優れた鮮映性を達成することができる。このような優れた鮮映性は、樹脂組成物を厚さ2.4mmの樹脂成形品として成形し、その色調をLab方式で測定して得られたL値が、50以下の場合に達成することができる。このL値は、好ましくは40以下であり、より好ましくは35以下、更に好ましくは30以下である。本発明の樹脂組成物は、暗色系に着色された場合、意匠性が高められ、特に黒で着色された場合、漆黒性の高い成形品を得ることができる。
本発明の透明又は暗色系熱可塑性樹脂組成物は、前記の各成分を溶融混合することにより得られる。溶融混合には、ミキシングロール、バンバリーミキサー、加圧ニーダー等のバッチ式混練機;単軸押出機、2軸押出機などの連続式混練機が使用される。また、混練の順序は、特に制限されず、例えば成分の全量を一括して混練する方法などが挙げられる。
(1)全光線透過率
射出成形機(日本製鋼社製「J−35AD」)を使用し、シリンダー温度220℃、金型温度50℃にて、5cm×8cmで厚み2.4mmの平板状の樹脂単独成形品(無着色)を射出成形した。次に、Gardner社製ヘーズメータ「haze−gard plus(商品名)」を使用し、ASTM D1003に準じて、得られた平板の全光線透過率を測定した。
ISO179に準じて、着色した成形品の室温におけるシャルピー衝撃強さ(Edgewise Impact:ノッチ付き)を測定した。測定条件は、
試験片タイプ : Type 1
ノッチタイプ : Type A
加重 : 2J
であった。測定値の単位はKJ/m2である。
(3−1)白もや
射出成形機(日精樹脂工業社製「FS−120」)を使用し、シリンダー温度220℃、金型温度50℃にて、縦270mm×横205mm×厚み3mmの形状で、270mm×205mmの面の中心にダイレクトゲートを持つ着色した成形品を成形し、ダイレクトゲートから半径5cmのダイレクトゲート周辺部分と成形品表面全体を目視で観察し、以下の基準で評価した。白もやが発生すると、成形品の意匠性が低下する。特に樹脂組成物を暗色系に着色した場合の成形品の意匠性(漆黒性)が低下する。
○:ダイレクトゲート周辺部分に白もやが観察されない。
△:ダイレクトゲート周辺部分に白もやが僅かに観察される。
×:ダイレクトゲート周辺部分に白もやが明確に観察される。
○:成形品表面全体に白もやが観察されない。
△:成形品表面全体に白もやが僅かに観察される。
×:成形品表面全体に白もやが明確に観察される。
(3−1)で用いた平板について以下の基準で評価した。
×:ダイレクトゲート付近から外周に向かって白スジが認められた。
射出成形機(日精樹脂工業社製「FS−120」)を使用し、シリンダー温度220℃、金型温度50℃にて、縦100mm×横75mm×深さ45mm×厚み2mmの箱形の着色した成形品1を成形し、図1(a)に示すように該成形品2個で該成形品の内のり寸法のほぼ2倍の寸法の1kgアルミ製の重り2を挟み、図1(b)に示すように両成形品1の相互に対向して当接する縁部分をガムテープ3で固定して、テストサンプルSを製作した。図2に示すように、床面に敷いた鉄板5の上面に鉛直に立設された高さ120cmの4つのガイドレール4を備える評価装置を用い、上記テストサンプルSを、縦100mm×横75mmの面が、上記鉄板5の上面と衝突する様にガイドレール4に沿って落下させた。まずテストサンプルSの片面を上記鉄板5の上面に衝突させ、次に反対面を該上面に衝突させる手順を1サイクルとし、このサイクルを繰り返すことで落下強度の評価を行った。評価は以下の基準で行った。
△:2〜3サイクル以内で割れる。
×:1サイクル以内に割れる。
着色した以外上記(1)と同様の平板を作成し、東測精密工業株式会社製往復動摩擦試験器を使用し、綿帆布かなきん3号、垂直荷重1kgで平板の表面を100往復摩擦後、当該表面を目視で観察し、以下の基準で評価した。傷付きは、暗色系に着色した場合により目立ちやすい傾向がある。
△:傷が僅かに観察される。
×:傷が明確に観察される。
着色した以外上記(1)と同様の平板を作成し、JIS K7105に準じ、デジタル光沢計(型式名「GM−26D」、村上色彩技術研究所社製)を用い、測定角度60度で測定した。
着色した以外上記(1)と同様の平板を作成し、紫外可視近赤外分光光度計(型式名「V−670」、日本分光社製)を用い、L値を測定した。
<共重合体(A)>
<ゴム質重合体(a−1)の調製>
攪拌装置、原料及び助剤添加装置、温度計、加熱装置などを備えた、容量10Lの耐圧容器の内部を窒素で置換後、水180部、1,3−ブタジエン90部、スチレン10部、t−ドデシルメルカプタン0.3部、過硫酸カリウム0.3部、高級脂肪酸ナトリウム石鹸3部、不均化ロジン酸カリウム0.1部、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩0.05部、電解質としてピロリン酸ナトリウム1部を仕込み、攪拌しつつ50〜70℃で20時間反応させた後、冷却して反応を終了させ、肥大前ゴム質重合体ラテックスを得た。このときの重合転化率は95%、体積平均粒子径は80nm、ゲル含量は87%であった。
なお、肥大前のゴム質重合体のゲル含量と肥大処理後のゴム質重合体のゲル含量は同じである。
表1又は表2に示す配合とした以外、ゴム質重合体(a−1)と同様に、ゴム質重合体(a−2〜8)を含むゴム質重合体ラテックスを調製した。得られたゴム質重合体のゲル含量、体積平均粒子径、粒子径分布を表1又は2に示した。
攪拌装置、原料及び助剤添加装置、温度計、加熱装置などを備えた、容量10Lのガラス製反応器に、上記ゴム質重合体ラテックス30部(ゴム質重合体(a−1)の固形分換算)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.24部、およびイオン交換水150部を仕込み、ついで、スチレン9.3部、アクリロニトリル3.0部、およびメタクリル酸メチル5.3部、t−ドデシルメルカプタン0.2部を仕込んだ。
これら混合物を攪拌しながら48℃まで昇温後、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.014部、硫酸第一鉄・7水和物0.0014部、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシレート・2水和物0.072部およびイオン交換水19部よりなる水溶液、ならびにジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド0.072部を添加し、1時間反応を続けた。
その後、スチレン27.8部、アクリロニトリル8.9部、メタクリル酸メチル15.7部、t−ドデシルメルカプタン0.15部、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド0.17部からなる単量体混合物、及びエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.0086部、硫酸第一鉄・7水和物0.001部、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシレート・2水和物0.043部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部、およびイオン交換水32部よりなる水溶液を4時間にわたって連続的に添加し、重合反応を続けた。添加終了後、更に1時間攪拌を続けた後、冷却して反応を終了した。
その後、反応生成物にSANDWIN−45(東邦化学製、p−クレゾール・ジシクロペンタジエン・イソブチレンの反応生成物)0.67部、エチレンジアミン4酢酸二ナトリウム0.5部を添加し、硫酸マグネシウムで凝固した。反応生成物を良く水洗し、脱水した後、80℃で24時間乾燥し、白色粉末の共重合体(A−1)を得た。重合転化率は、97%、グラフト率は70%、極限粘度〔η〕は、0.40dl/gであった。
ビニル系単量体を表1又は表2に示す配合とした以外は、共重合体(A−1)と同様に、共重合体(A−2〜24)を調製した。得られた共重合体のグラフト率及び極限粘度を表1及び表2に示した。
<共重合体(B−1)>
公知の溶液重合により得られた、スチレン単位量が76質量%、及び、アクリロニトリル単位量が24質量%である共重合体(B−1)を用いた。極限粘度[η](メチルエチルケトン中、30℃で測定)は0.6dl/g、GPC(ポリスチレン換算)で測定した重量平均分子量(Mw)は、148,000、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)は1.9であった。
<共重合体(B−2)>
公知の溶液重合により得られた、スチレン単位量が73質量%、及び、アクリロニトリル単位量が27質量%である共重合体(B−2)を用いた。極限粘度[η](メチルエチルケトン中、30℃で測定)は0.7dl/g、GPC(ポリスチレン換算)で測定した重量平均分子量(Mw)は、169,000、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)は2.2であった。
<共重合体(B−3)>
公知の溶液重合により得られた、スチレン単位量が85質量%、及び、アクリロニトリル単位量が15質量%である共重合体(B−3)を用いた。極限粘度[η](メチルエチルケトン中、30℃で測定)は0.54dl/g、GPC(ポリスチレン換算)で測定した重量平均分子量(Mw)は、116,000、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)は2.2であった。
<共重合体(B−4)>
公知の溶液重合により得られた、スチレン単位量が60質量%、及び、アクリロニトリル単位量が40質量%である共重合体(B−4)を用いた。極限粘度[η](メチルエチルケトン中、30℃で測定)は0.43dl/g、GPC(ポリスチレン換算)で測定した重量平均分子量(Mw)は、100,000、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)は2.9であった。
次の市販の樹脂を使用した。
(C−1):三菱レイヨン社製「アクリペットMF001」
メタクリル酸メチル/メタクリル酸=89/11(質量比、NMRで測定)、GPC(ポリスチレン換算)で測定した重量平均分子量(Mw)は、88,000、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)は2.6、MFR(230℃、37.3N)は、14.8g/10minであった。
(C−2):クラレ社製「パラペット G」
メタクリル酸メチル/メタクリル酸=91/9(質量比、NMRで測定)、GPC(ポリスチレン換算)で測定した重量平均分子量(Mw)は、86,000、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)は1.8、MFR(230℃、37.3N)は、8g/10minであった。
(D−1):2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート;スミライザーGS(F)(商品名、住友化学社製酸化防止剤)
(D−2):エチレンビスステアリルアマイド;カオーワックスEB−F(商品名、花王社製滑剤)
(E−1):カーボンブラック;三菱カーボンブラック汎用カラー(RCF)#45(商品名、三菱化学社製)
表3に示すように、共重合体(A−1)46部、共重合体(B−1)26部、(共)重合体(C−1)10部、(共)重合体(C−2)18部、添加剤(D−1)0.1部、添加剤(D−2)0.5部、着色剤(E−1)1部をヘンシェルミキサーで混合した後、一軸押出機(ナカタニ機械社製「NVC」、L/D=36)を使用して、シリンダー設定温度220℃、スクリュー回転数120rpm、混練樹脂の吐出速度25kg/hrの条件で混練して評価用樹脂組成物のペレットを得、各特性の評価を行った。評価結果を表3に示す。
表3又は表4に示す組成割合で各成分を配合し、実施例1と同様にして樹脂ペレットを得、評価を行った。評価結果を表3又は表4に示す。
本発明の樹脂組成物を用いた実施例1〜12は、落下強度、シャルピー衝撃強さに優れ、白もや、白スジの発生がなく、耐傷付き性にも優れることがわかった。
一方、比較例1は、ゴム質重合体のゲル含量が本発明の範囲外で低かったものであるが、白もやが発生し、成形品外観が悪かった。
比較例2は、ゴム質重合体のゲル含量が本発明の範囲外で高かったものであるが、落下強度が劣った。
比較例3は、ゴム質重合体の体積平均粒子径が本発明の範囲外で小さかったものであるが、落下強度が劣った。
比較例4は、ゴム質重合体の体積平均粒子径が本発明の範囲外で大きかったものであるが、白もやが発生し、成形品外観が悪かった。
比較例5は、共重合体(A)のグラフト率が、本発明の範囲外で低かったものであるが、落下強度が劣った。
比較例6は、共重合体(A)のグラフト率が、本発明の範囲外で高かったものであるが、白もやが発生し、成形品外観が悪かった。
比較例8は、共重合体(A)の極限粘度が、本発明の範囲外で高かったものであるが、白もやが発生し、成形品外観が悪かった。
比較例9は、共重合体(A)の調製に用いたビニル系単量体中のアクリロニトリルの含有量が、本発明の範囲外で低かったものであるが、白スジが発生し、成形品外観が悪かった。
比較例10は、共重合体(A)の調整に用いたビニル系単量体中のアクリロニトリルの含有量が、本発明の範囲外で高かったものであるが、白スジが発生し、成形品外観が悪かった。
比較例11は、共重合体(B)のアクリロニトリル(AN)の含有量が、本発明の範囲外で低いものであるが、白スジが発生し、成形品外観が悪かった。
比較例12は、共重合体(B)のアクリロニトリル(AN)の含有量が、本発明の範囲外で高かったものであるが、白スジの観察が行えない程の白もやが発生し、成形品外観が悪かった。
比較例14は、共重合体(A)の調整に用いたビニル系単量体中のメチルメタクリレート(MMA)の含有量が、本発明の範囲外で高かったものであるが、白スジが発生し、成形品外観が悪く、また、落下強度も悪かった。
Claims (4)
- 体積平均粒子径215〜335nm及びゲル含量80〜93%のゴム質重合体(a)の存在下、芳香族ビニル化合物38〜75質量%、シアン化ビニル化合物15〜22質量%、及び、(メタ)アクリル酸エステル化合物10〜40質量%を含有するビニル系単量体(b1)(ただし、これら単量体の合計を100質量%とする。)を重合して得られる共重合体(A)と、
芳香族ビニル化合物64〜84質量%、及び、シアン化ビニル化合物16〜36質量%を含有するビニル系単量体(b2)(ただし、これら単量体の合計を100質量%とする。)を重合して得られる共重合体(B)と、
(メタ)アクリル酸エステル化合物70〜100質量%、及び、所望により(メタ)アクリル酸エステル化合物と共重合可能な単量体0〜30質量%を含有するビニル系単量体(b3)(ただし、これら単量体の合計を100質量%とする。)を重合して得られる(共)重合体(C)とを含有し、
上記共重合体(A)のアセトン(ゴム質重合体がアクリル系ゴムの場合はアセトニトリル)可溶分の極限粘度[η](メチルエチルケトン、30℃で測定)が0.35〜0.5dl/gであり、且つ、上記共重合体(A)のグラフト率が45〜85質量%であり、
成分(A)/成分(B)/成分(C)の割合が3〜70/3〜70/3〜70(質量比)であり、
厚さ2.4mmの樹脂単独成形品として測定した全光線透過率が70%以上であることを特徴とする透明熱可塑性樹脂組成物。 - 上記ゴム質重合体(a)は、粒子径が200nm未満のゴム質重合体の含有量が15質量%以下で、かつ、粒子径が350nmを超えるゴム質重合体の含有量が15質量%以下である請求項1に記載の透明熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項1または2の透明熱可塑性樹脂組成物に着色剤を配合してなり、厚さ2.4mmの樹脂成形品として測定したL値が50以下である暗色系熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項1乃至3の何れか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物からなる成形品。
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