JP2012255185A - アルミニウム多孔体の製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】連通気孔を有する多孔質樹脂成形体の表面にアルミニウム膜を形成してなるアルミニウム構造体のシート32を溶融塩浴槽30中の溶融塩浴に浸漬して前記多孔性樹脂成形体を分解処理して除去した後にアルミニウム多孔体のシートを溶融塩浴から引き出す工程を含むアルミニウム多孔体33の製造方法であって、前記シートの搬送をそれぞれ独立して回転駆動する複数のローラRを用いて行うことを特徴とするアルミニウム多孔体の製造方法。
【選択図】図6
Description
この方法によれば、2〜20μmの厚さのアルミニウム多孔体が得られるとされているが、気相法によるため大面積での製造は困難であり、基体の厚さや気孔率によっては内部まで均一な層の形成が難しい。またアルミニウム層の形成速度が遅い、設備が高価などにより製造コストが増大するなどの問題点がある。さらに、厚膜を形成する場合には、膜に亀裂が生じたりアルミニウムの脱落が生じるおそれがある。
この方法によればアルミニウムと共晶合金を形成する層が出来てしまい、純度の高いアルミニウム層が形成できない。
本発明は、シート状アルミニウムを破断させることなく溶融塩浴から連続的に搬出する方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は以下に記載する通りのアルミニウム多孔体の製造方法及び製造装置に係るものである。
(2)前記複数のローラが溶融塩浴槽の入口側ローラ、出口側ローラ、及び該入口側ローラと該出口側ローラとの間に配置されたローラからなり、それぞれのローラは下方部分が溶融塩浴に浸漬されており、前記シートは前記入口側ローラ及び出口側ローラにおいてはローラの上側外周面に摺接するようにし、該入口側ローラと該出口側ローラとの間に配置された複数のローラにおいてはローラの下側外周面に摺接するようにしてシートを搬送することを特徴とする(1)に記載のアルミニウム多孔体の製造方法。
(3)前記入口側ローラと前記出口側ローラとの間に配置されたローラが複数個であることを特徴とする(2)に記載のアルミニウム多孔体の製造方法。
(4)ローラと接触している多孔体シートの曲率半径が150mm以上となるようにすることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のアルミニウム多孔体の製造方法。
(5)前記入口側ローラ、前記出口側ローラ、及び該入口側ローラと該出口側ローラとの間に配置されたローラはいずれも直径が300mm以上であることを特徴とする(1)〜(4)請求項1〜3のいずれかに記載のアルミニウム多孔体の製造装置。
(6)前記溶融塩浴槽がシートの入口開口と出口開口とを設けた外装容器内に収容されていることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のアルミニウム多孔体の製造方法。
(7)前記外装容器のシート入口開口部には入口ボックスが、また、シートの出口開口部には出口ボックスがそれぞれ設けられ、このボックス部にスリット状のシートの通過口とガスを排出するための排気口とが設けられ、外装容器内の雰囲気圧を外気圧よりも高く保持して前記シート通過口及び排気口からガスを外部に噴出させることを特徴とする(6)に記載のアルミニウム多孔体の製造方法。
(8)前記溶融塩浴槽が昇降装置を介して外装容器の底部に支持されて昇降可能となっており、前記入口側ローラ及び出口側ローラが外装容器に軸支されており、入口側ローラと該出口側ローラとの間に配置された複数のローラが溶融塩浴槽に軸支されており、昇降装置によって溶融塩浴槽を上下方向に移動させることによって、入口側ローラと該出口側ローラとの間に配置された複数のローラが入口側ローラ及び出口側ローラに対して上下方向に移動可能としたことを特徴とする(6)又は(7)に記載のアルミニウム多孔体の製造方法。
(9)溶融塩浴槽のシート出口側の溶融塩浴上にシートに随伴する溶融塩を除去するための液切り手段としてガス吹付けノズルをシートに隣接して設け、ガス吹付けノズルからシートにガスを吹き付けて液を吹き飛ばして除去することを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載のアルミニウム多孔体の製造方法。
(10)前記吹付けガスが不活性ガスであることを特徴とする(9)に記載のアルミニウム多孔体の製造方法。
(11)前記ガス吹付けノズルをシートの上面側と下面側とに設けることを特徴とする(9)又は(10)に記載のアルミニウム多孔体の製造方法。
(12)前記溶融塩浴槽がステンレス容器と該ステンレス容器の内壁面に設けたカーボン層とからなることを特徴とする(1)〜(11)のいずれかに記載のアルミニウム多孔体の製造方法。
(13)前記ステンレス容器と前記カーボン層との間に溶融塩浴を加熱するためのシースヒータが設けられていることを特徴とする(12)に記載のアルミニウム多孔体の製造方法。
(14)前記溶融塩は、LiCl、KCl、NaCl及びAlCl3からなる群より選択される1種以上を含むことを特徴とする(1)〜(13)のいずれかに記載の金属多孔体の製造方法。
(15)前記発泡樹脂は発泡ウレタンであることを特徴とする(1)〜(14)のいずれかに記載の金属多孔体の製造方法。
(16)前記溶融塩の温度を500℃以上600℃以下とすることを特徴とする(1)〜(15)のいずれかに記載の金属多孔体の製造方法。
(17)連通気孔を有する多孔質樹脂成形体の表面にアルミニウム膜を形成してなるアルミニウム構造体のシートから前記多孔性樹脂成形体を分解処理により除去してアルミニウム多孔体を製造する装置であって、溶融塩浴槽と該溶融塩浴槽にアルミニウム構造体のシートを搬送する入口側ローラと、前記搬入されたアルミニウム構造体のシートを溶融塩浴中に浸漬させて搬送するローラと、アルミニウム構造体のシートから多孔性樹脂成形体を分解処理によって除去して得られたアルミニウム多孔体を溶融塩浴から引き出して搬送する出口側ローラとを備え、前記各ローラがそれぞれ独立して回転駆動するようにしたことを特徴とするアルミニウム多孔体の製造装置。
図1は、アルミニウム構造体の製造工程を示すフロー図である。また図2は、フロー図に対応して樹脂成形体を芯材としてアルミニウムめっき膜を形成する様子を模式的に示したものである。両図を参照して製造工程全体の流れを説明する。まず基体樹脂成形体の準備101を行う。図2(a)は、基体樹脂成形体の例として、連通気孔を有する発泡樹脂成形体の表面を拡大視した拡大模式図である。発泡樹脂成形体1を骨格として気孔が形成されている。次に樹脂成形体表面の導電化102を行う。この工程により、図2(b)に示すように樹脂成形体1の表面には薄く導電体による導電層2が形成される。
続いて溶融塩中でのアルミニウムめっき103を行い、導電層が形成された樹脂成形体の表面にアルミニウムめっき層3を形成する(図2(c))。これで、基体樹脂成形体を基材として表面にアルミニウムめっき層3が形成されたアルミニウム構造体が得られる。基体樹脂成形体はそのまま残してもよいが、用途に応じて、基体樹脂成形体の除去104を行っても良い。発泡樹脂成形体1を分解等して消失させることにより金属層のみが残ったアルミニウム構造体(多孔体)を得ることができる(図2(d))。以下各工程について順を追って説明する。
以下では樹脂成形体として多孔質樹脂成形体を用いた場合について述べる。
三次元網目構造を有し連通気孔を有する多孔質樹脂成形体を準備する。多孔質樹脂成形体の素材は任意の樹脂を選択できる。ポリウレタン、メラミン、ポリプロピレン、ポリエチレン等の発泡樹脂成形体が素材として例示できる。発泡樹脂成形体と表記したが、連続した気孔(連通気孔)を有するものであれば任意の形状の樹脂成形体を選択できる。例えば繊維状の樹脂を絡めて不織布のような形状を有するものも発泡樹脂成形体に代えて使用可能である。発泡樹脂成形体の気孔率は80%〜98%、気孔径は50μm〜500μmとするのが好ましい。発泡ウレタン及び発泡メラミンは気孔率が高く、また気孔の連通性があるとともに分解性にも優れているため発泡樹脂成形体として好ましく使用できる。
発泡ウレタンは気孔の均一性や入手の容易さ等の点で好ましく、発泡ウレタンは気孔径の小さなものが得られる点で好ましい。
気孔率=(1−(多孔質材の重量[g]/(多孔質材の体積[cm3]×素材密度)))×100[%]
また、気孔径は、樹脂成形体表面を顕微鏡写真等で拡大し、1インチ(25.4mm)あたりの気孔数をセル数として計数して、平均孔径=25.4mm/セル数として平均的な値を求める。
電解めっきを行うために、発泡樹脂の表面をあらかじめ導電化処理する。発泡状樹脂の表面に導電性を有する層を設けることができる処理である限り特に制限はなく、ニッケル等の導電性金属の無電解めっき、アルミニウム等の蒸着及びスパッタ、又はカーボン等の 導電性粒子を含有した導電性塗料の塗布等任意の方法を選択できる。
導電化処理の例として、アルミニウムのスパッタリング処理によって導電化処理する方法、及び導電性粒子としてカーボンを用いて発泡樹脂の表面を導電化処理する方法について以下述べる。
アルミニウムを用いたスパッタリング処理としては、アルミニウムをターゲットとする限り限定的でなく、常法に従って行えばよい。例えば、基板ホルダーに発泡状樹脂を取り付けた後、不活性ガスを導入しながら、ホルダーとターゲット(アルミニウム)との間に直流電圧を印加することにより、イオン化した不活性ガスをアルミニウムに衝突させて、はじき飛ばされたアルミニウム粒子を発泡状樹脂表面に堆積することによってアルミニウムのスパッタ膜を形成する。なお、スバッタリング処理は発泡状樹脂が溶解しない温度下で行うことが好ましく、具体的には、100〜200℃程度、好ましくは120〜180℃程度で行えばよい。
導電性塗料としてのカーボン塗料を準備する。導電性塗料としての懸濁液は、好ましくは、カーボン粒子、粘結剤、分散剤および分散媒を含む。導電性粒子の塗布を均一に行うには、懸濁液が均一な懸濁状態を維持している必要がある。このため、懸濁液は、20℃〜40℃に維持されていることが好ましい。その理由は、懸濁液の温度が20℃未満になった場合、均一な懸濁状態が崩れ、合成樹脂成形体の網状構造をなす骨格の表面に粘結剤のみが集中して層を形成するからである。この場合、塗布されたカーボン粒子の層は剥離し易く、強固に密着した金属めっきを形成し難い。一方、懸濁液の温度が40℃を越えた場合は、分散剤の蒸発量が大きく、塗布処理時間の経過とともに懸濁液が濃縮されてカーボンの塗布量が変動しやすい。また、カーボン粒子の粒径は、0.01〜5μmで、好ましくは0.01〜0.5μmである。粒径が大きいと多孔質樹脂成形体の空孔を詰まらせたり、平滑なめっきを阻害する要因となり、小さすぎると十分な導電性を確保することが難しくなる。
次に溶融塩中で電解めっきを行い、樹脂成形体表面にアルミニウムめっき層を形成する。
溶融塩浴中でアルミニウムのめっきを行うことにより特に三次元網目構造を有する樹脂多孔体のように複雑な骨格構造の表面に均一に厚いアルミニウム層を形成することができる。
表面が導電化された樹脂成形体を陰極、純度99.0%のアルミニウムを陽極として溶融塩中で直流電流を印加する。溶融塩としては、有機系ハロゲン化物とアルミニウムハロゲン化物の共晶塩である有機溶融塩、アルカリ金属のハロゲン化物とアルミニウムハロゲン化物の共晶塩である無機溶融塩を使用することができる。比較的低温で溶融する有機溶融塩浴を使用すると、基材である樹脂成形体を分解することなくめっきができ好ましい。有機系ハロゲン化物としてはイミダゾリウム塩、ピリジニウム塩等が使用でき、具体的には1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド(EMIC)、ブチルピリジニウムクロライド(BPC)が好ましい。
溶融塩中に水分や酸素が混入すると溶融塩が劣化するため、めっきは窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で、かつ密閉した環境下で行うことが好ましい。
溶融塩中での分解は以下の方法で行う。表面にアルミニウムめっき層を形成した樹脂成形体を溶融塩に浸漬し、アルミニウム層に負電位(アルミニウムの標準電極電位より卑な電位)を印加しながら加熱して発泡樹脂成形体を除去する。溶融塩に浸漬した状態で負電位を印加すると、アルミニウムを酸化させることなく発泡樹脂成形体を分解することができる。加熱温度は発泡樹脂成形体の種類に合わせて適宜選択できる。樹脂成形体がウレタンである場合には分解は約380℃で起こるため溶融塩浴の温度は380℃以上にする必要があるが、アルミニウムを溶融させないためにはアルミニウムの融点(660℃)以下の温度で処理する必要がある。好ましい温度範囲は500℃以上600℃以下である。また印加する負電位の量は、アルミニウムの還元電位よりマイナス側で、かつ溶融塩中のカチオンの還元電位よりプラス側とする。このような方法によって、連通気孔を有し、表面の酸化層が薄く酸素量の少ないアルミニウム多孔体を得ることができる。
処理槽29は溶融塩浴槽30と外装容器31とから構成される。溶融塩浴槽30は昇降装置43を介して外装容器31に支持されている。溶融塩浴槽30は溶融塩浴槽30の外側壁を形成するステンレス容器35と溶融塩浴を所定の温度に加熱するための加熱機構(図ではシースヒータ)36と溶融塩浴槽30の内側壁面を形成するカーボン37層とから構成される。溶融塩浴槽30には陽極34が設置されている。
溶融塩浴槽30には溶融塩が収容されており、この溶融塩浴にシート状アルミニウム構造体32が浸漬され、樹脂が分解除去樹脂されてシート状アルミニウム多孔体33が溶融塩浴から搬出される(以下では、シート状アルミニウム構造体及びシート状アルミニウム多孔体のそれぞれを単に「シート」ということがある)。
また、外装容器31は外部壁面を構成するステンレス層39と、その内側の断熱層40と、シースヒータ41と、内部壁面を構成するステンレス層42とから構成される。
図7は図6に示す分解処理装置29のシート入口付近の部分拡大図である。
外装容器31のシート入口部には入口ボックス47が、また、外装容器31のシート出口部には出口ボックス(図示せず)をそれぞれ設け、このボックス部にスリット状のシート通過口49とガスを排出するための排気口50とを設けると共に、外装容器31内の雰囲気圧を外気圧よりも高く保持することによって、前記シート通過口49及び排気口50からガスを外部に噴出させることによって外気(大気)が分解処理槽内に侵入するのを防ぐ。ここに於いては、排気口50を設けず、シート通過口49のみからガスを外部に噴出させる構造とする事もできる。
シート32はシート通過口49を経て入口側のガイドローラ48にガイドされてローラR1に導かれる。
溶融塩浴に浸漬するローラR2〜R4の材質はカーボン製とすることが好ましい。すなわち、ローラを金属製とする場合には純度の点でアルミニウムを使用することが考えられるがアルミニウムは高温で強度が低下するという問題がある。このため、ローラ材質としてはカーボンを用いることが好ましい。また、ローラの軸受は強度及び純度の点から石英を用いることが好ましい。
シートがR1からR2へ向かうとき及びR4からR5に向かうときシートは曲率半径をもって方向を変える。この曲率半径が小さいとシートが破断しやすくなるため、この曲率半径が150mm以上となるようにローラの径及びローラの設置位置を設定することが好ましい。
吹付けガスとしてはアルミニウム金属体を酸化させることのないガスであれば使用可能であり、窒素ガス、Arガスなどの不活性ガスを用いることが好ましい。また、ガスの吹付けによって溶融塩の温度が低下して粘度が高まると液切りしにくくなるので、液切り部におけるシートの温度は400℃以上に保持することが好ましく、このため加熱されたガスを吹き付けることが好ましい。また、吹付けガスの風速が大き過ぎるとシートが判断する虞があるので、シートの引張り強度に応じて吹付けガスの風速を調節する必要がある。1mm厚のシートについて試験をしたところ40m/sec以下の速度でガスを吹き付ければ破断することがない。
次にアルミニウム多孔体を用いた電池用電極材料及び電池について説明する。例えばリチウムイオン電池の正極に使用する場合は、活物質としてコバルト酸リチウム(LiCoO2)、マンガン酸リチウム(LiMn2O4)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)等を使用する。活物質は導電助剤及びバインダーと組み合わせて使用する。従来のリチウムイオン電池用正極材料は、アルミニウム箔の表面に活物質を塗布している。単位面積当たりの電池容量を向上するために、活物質の塗布厚みを厚くしている。また活物質を有効に利用するためにはアルミニウム箔と活物質とが電気的に接触している必要があるので活物質は導電助剤と混合して用いられている。これに対し、本発明のアルミニウム多孔体は気孔率が高く単位面積当たりの表面積が大きい。よって多孔体の表面に薄く活物質を担持させても活物質を有効に利用でき、電池の容量を向上できるとともに、導電助剤の混合量を少なくすることができる。リチウム電池は、上記の正極材料を正極とし、負極には黒鉛、電解質には有機電解液を使用する。このようなリチウムイオン電池は、小さい電極面積でも容量を向上できるため、従来のリチウム電池よりも電池のエネルギー密度を高くすることができる。
リチウム電池に使用される電解質には、非水電解液と固体電解質がある。
図8は、固体電解質を使用した全固体リチウム電池の縦断面図である。この全固体リチウム電池60は、正極61、負極62、および、両電極間に配置される固体電解質層(SE層)63を備える。正極61は、正極層(正極体)64と正極集電体65とからなり、負極62は、負極層66と負極集電体67とからなる。
電解質として、固体電解質以外に、後述する非水電解液が用いられる。この場合、両極間には、セパレータ(多孔質ポリマーフィルム等)が配置され、非水電解液は両極およびセパレータ中に含浸される。
アルミニウム多孔体をリチウムイオン電池の正極に使用する場合は、活物質としてリチウムを脱挿入できる材料を使用することができ、このような材料をアルミニウム多孔体に充填することでリチウムイオン二次電池に適した電極を得ることができる。正極活物質の材料としては、例えばコバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、ニッケルコバルト酸リチウム(LiCo0.3Ni0.7O2)、マンガン酸リチウム(LiMn2O4)、チタン酸リチウム(Li4Ti5O12)、リチウムマンガン酸化合物(LiMyMn2−yO4);M=Cr、Co、Ni)、リチウム酸等を使用する。活物質は導電助剤及びバインダーと組み合わせて使用する。従来のリチウムリン酸鉄及びその化合物(LiFePO4、LiFe0.5Mn0.5PO4)であるオリビン化合物などの遷移金属酸化物が挙げられる。また、これらの材料の中に含まれる遷移金属元素を、別の遷移金属元素に一部置換してもよい。
非水電解液としては、極性非プロトン性有機溶媒で使用され、具体的にはエチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン及びスルホラン等が使用される。支持塩としては4フッ化ホウ酸リチウム、6フッ化リン酸リチウム、およびイミド塩等が使用されている。
(アルミニウム多孔体に充填する固体電解質)
活物質の他に、さらに、固体電解質を加えて充填してもよい。アルミニウム多孔体に活物質と固体電解質とを充填することで、全固体リチウム電池の電極に適したものとすることができる。ただし、アルミニウム多孔体に充填する材料のうち活物質の割合は、放電容量を確保する観点から、50質量%以上、より好ましくは70質量%以上とすることが好ましい。
このような硫化物系固体電解質は、公知の方法により得ることができる。例えば、出発原料として硫化リチウム(Li2S)及び五硫化二リン(P2S5)を用意し、Li2SとP2S5とをモル比で50:50〜80:20程度の割合で混合し、これを熔融して急冷する方法(溶融急冷法)や、これをメカニカルミリングする方法(メカニカルミリング法)が挙げられる。
上記方法により得られる硫化物系固体電解質は、非晶質である。この非晶質の状態のまま利用することもできるが、これを加熱処理して結晶性の硫化物系固体電解質としてもよい。結晶化することで、リチウムイオン伝導度の向上が期待できる。
活物質(活物質と固体電解質)の充填は、例えば、浸漬充填法や塗工法などの公知の方法を用いることができる。塗工法としては、例えば、ロール塗工法、アプリケーター塗工法、静電塗工法、粉体塗工法、スプレー塗工法、スプレーコーター塗工法、バーコーター塗工法、ロールコーター塗工法、ディップコーター塗工法、ドクターブレード塗工法、ワイヤーバー塗工法、ナイフコーター塗工法、ブレード塗工法、及びスクリーン印刷法などが挙げられる。
アルミニウム多孔体は、キャパシタ用の電極材料として使用することもできる。アルミニウム多孔体をキャパシタ用の電極材料として使用する場合は、電極活物質として活性炭等を使用する。活性炭は導電助剤やバインダーと組み合わせて使用する。導電助剤としては黒鉛、カーボンナノチューブ等が使用できる。またバインダーとしてはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンブタジエンゴム等を使用できる。
活性炭ペーストを充填する。キャパシタの容量を大きくするためには主成分である活性炭の量が多い方が良く、乾燥後(溶媒除去後)の組成比で活性炭が90%以上あることが好ましい。また導電助剤やバインダーは必要ではあるが容量低下の要因であり、バインダーは更に内部抵抗を増大させる要因となるためできる限り少ない方がよい。導電助剤は10質量%以下、バインダーは10質量%以下が好ましい。
上記のようにして得られた電極を適当な大きさに打ち抜いて2枚用意し、セパレータを挟んで対向させる。そして、必要なスペーサを用いてセルケースに収納し、電解液を含浸させる。最後に絶縁ガスケットを介してケースに蓋をして封口することにより非水電解液を用いるキャパシタを作製することができる。非水系の材料を使用する場合は、キャパシタ内の水分を限りなく少なくするため、キャパシタの作製は水分の少ない環境下で行い、封止は減圧環境下で行う。なお、本発明の集電体、電極を用いていればキャパシタとしては特に限定されず、これ以外の方法により作製されるものでも構わない。
また、負極は特に限定されず従来の負極用電極を使用可能であるが、アルミ箔を集電体に用いた従来の電極では容量が小さいため、前述の発泡状ニッケルのような多孔体に活物質を充填した電極が好ましい。
アルミニウム多孔体は、溶融塩電池用の電極材料として使用することもできる。アルミニウム多孔体を正極材料として使用する場合は、活物質として亜クロム酸ナトリウム(NaCrO2)、二硫化チタン(TiS2)等、電解質となる溶融塩のカチオンをインターカレーションすることができる金属化合物を使用する。活物質は導電助剤及びバインダーと組み合わせて使用する。導電助剤としてはアセチレンブラック等が使用できる。またバインダーとしてはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等を使用できる。活物質として亜クロム酸ナトリウムを使用し、導電助剤としてアセチレンブラックを使用する場合には、PTFEはこの両者をより強固に固着することができ好ましい。
例えばカリウムビス(フルオロスルフォニル)アミド<K-N(SO2F)2;KFSA>とナトリウムビス(フルオロスルフォニル)アミド<Na-N(SO2F)2;NaFSA>とを組み合わせて使用すると、電池の動作温度を90℃以下とすることができる。
[実施例1]
(導電層の形成)
多孔質樹脂成形体として、気孔率97%、気孔径約300μm、厚さ1mm、幅20mmの帯状のポリウレタンフォームを準備し、ポリウレタンフォームの表面にアルミニウムを目付量10g/m2で蒸着し、アルミニウム層を形成した。
上記で得た表面に導電層を形成した帯状のウレタン基材をワークとして、図5に示す装置を用いてめっきを行った。
溶融塩アルミめっき浴(EMIC:AlCl3=1:2)の浴温は60℃とし、ワークを陰極側とし、陽極側はアルミニウム板(純度99.9%)とした。電流密度3.6A/dm2の直流電流を90分間印加してめっきした。電流密度はウレタン発泡体の見かけの面積で計算した値である。この結果、150g/m2の重量のアルミニウムめっき層を有するアルミニウム構造体を得た。
図6に示す装置を用いてアルミニウム構造体の芯材である多孔質樹脂成形体の分解処理を行った。
ローラR1〜R5の直径φを300mmとし、各ローラの中心間の距離を400mmとした。ローラR1〜R5はそれぞれ独立して駆動させ、液切りのための吹付けガスとしてはN2ガスを用い、吹付け部分の温度が400℃となるようにN2ガスの温度を調節し、吹付け速度を風速40m/secとした。溶融塩浴としては温度500℃のLiCl−KCl共晶溶融塩を用いた。
アルミニウム構造体に−1Vの負電位を印加して溶融塩浴中を通過させたところ、溶融塩中にポリウレタンの分解反応による気泡が発生した。シートを200m処理したがシートは破断することはなかった。分解処理装置から搬出されたシートをその後大気中で室温まで冷却した後、水洗して溶融塩を除去し、樹脂が除去されたアルミニウム多孔体を得た。得られたアルミニウム多孔体は連通気孔を有し、気孔率が芯材としたウレタン発泡体と同様に高いものであった。
実施例1においてローラR1〜R5を同期させて操業したところローラR4とローラR5との間でシートが破断した。シートがローラR5に係る直前のシートの応力を測定すると0.04MPaであった。
2 導電層
3 アルミニウムめっき層
11 帯状樹脂
12 サプライボビン
13 デフレクタロール
14 懸濁液
15 槽
16 熱風ノズル
17 絞りロール
18 巻取りボビン
21a,21b めっき槽
22 帯状樹脂
23,28 めっき浴
24 円筒状電極
25,27 正電極
26 電極ローラ
29 処理槽
30 溶融塩浴槽
31 外装容器
32 アルミニウム構造体
33 アルミニウム多孔体
34 陽極
35 SUS容器
36 シースヒータ
37 カーボン
39 ステンレス層
40 断熱層
41 シースヒータ
42 ステンレス層
43 昇降装置
44 溶融塩槽の移動方向
45 液切り手段
46 対向ローラ
47 入口ボックス
48 ガイドローラ
49 シート通過口
50 排気口
60 リチウム電池
61 正極
62 負極
63 固体電解質層(SE層)
64 正極層(正極体)
65 正極集電体
66 負極層
67 負極集電体
121 正極
122 負極
123 セパレータ
124 押さえ板
125 バネ
126 押圧部材
127 ケース
128 正極端子
129 負極端子
130 リード線
141 分極性電極
142 セパレータ
143 有機電解液
144 リード線
145 ケース
R1〜R5 ローラ
Claims (17)
- 連通気孔を有する多孔質樹脂成形体の表面にアルミニウム膜を形成してなるアルミニウム構造体のシートを溶融塩浴槽中の溶融塩浴に浸漬して前記多孔性樹脂成形体を分解処理して除去した後にアルミニウム多孔体のシートを溶融塩浴から引き出す工程を含むアルミニウム多孔体の製造方法であって、前記シートの搬送を、それぞれ独立して回転駆動する複数のローラを用いて行うことを特徴とするアルミニウム多孔体の製造方法。
- 前記複数のローラが溶融塩浴槽の入口側ローラ、出口側ローラ、及び該入口側ローラと該出口側ローラとの間に配置されたローラからなり、それぞれのローラは下方部分が溶融塩浴に浸漬されており、前記シートは前記入口側ローラ及び出口側ローラにおいてはローラの上側外周面に摺接するようにし、該入口側ローラと該出口側ローラとの間に配置された複数のローラにおいてはローラの下側外周面に摺接するようにしてシートを搬送することを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム多孔体の製造方法。
- 前記入口側ローラと前記出口側ローラとの間に配置されたローラが複数個であることを特徴とする請求項2に記載のアルミニウム多孔体の製造方法。
- ローラと接触している多孔体シートの曲率半径が150mm以上となるようにすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアルミニウム多孔体の製造方法。
- 前記入口側ローラ、前記出口側ローラ、及び該入口側ローラと該出口側ローラとの間に配置されたローラはいずれも直径が300mm以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のアルミニウム多孔体の製造装置。
- 前記溶融塩浴槽がシートの入口開口と出口開口とを設けた外装容器内に収容されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のアルミニウム多孔体の製造方法。
- 前記外装容器のシート入口開口部には入口ボックスが、また、シートの出口開口部には出口ボックスがそれぞれ設けられ、このボックス部にスリット状のシートの通過口とガスを排出するための排気口とが設けられ、外装容器内の雰囲気圧を外気圧よりも高く保持して前記シート通過口及び排気口からガスを外部に噴出させることを特徴とする請求項6に記載のアルミニウム多孔体の製造方法。
- 前記溶融塩浴槽が昇降装置を介して外装容器の底部に支持されて昇降可能となっており、前記入口側ローラ及び出口側ローラが外装容器に軸支されており、入口側ローラと該出口側ローラとの間に配置された複数のローラが溶融塩浴槽に軸支されており、昇降装置によって溶融塩浴槽を上下方向に移動させることによって、入口側ローラと該出口側ローラとの間に配置された複数のローラが入口側ローラ及び出口側ローラに対して上下方向に移動可能としたことを特徴とする請求項6又は7に記載のアルミニウム多孔体の製造方法。
- 溶融塩浴槽のシート出口側の溶融塩浴上にシートに随伴する溶融塩を除去するための液切り手段としてガス吹付けノズルをシートに隣接して設け、ガス吹付けノズルからシートにガスを吹き付けて液を吹き飛ばして除去することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のアルミニウム多孔体の製造方法。
- 前記吹付けガスが不活性ガスであることを特徴とする請求項9に記載のアルミニウム多孔体の製造方法。
- 前記ガス吹付けノズルをシートの上面側と下面側とに設けることを特徴とする請求項9または10に記載のアルミニウム多孔体の製造方法。
- 前記溶融塩浴槽がステンレス容器と該ステンレス容器の内壁面に設けたカーボン層とからなることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のアルミニウム多孔体の製造方法。
- 前記ステンレス容器と前記カーボン層との間に溶融塩浴を加熱するためのシースヒータが設けられていることを特徴とする請求項12に記載のアルミニウム多孔体の製造方法。
- 前記溶融塩は、LiCl、KCl、NaCl及びAlCl3からなる群より選択される1種以上を含むことを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の金属多孔体の製造方法。
- 前記発泡樹脂は発泡ウレタンであることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の金属多孔体の製造方法。
- 前記溶融塩の温度を500℃以上600℃以下とすることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の金属多孔体の製造方法。
- 連通気孔を有する多孔質樹脂成形体の表面にアルミニウム膜を形成してなるアルミニウム構造体のシートから前記多孔性樹脂成形体を分解処理により除去してアルミニウム多孔体を製造する装置であって、溶融塩浴槽と該溶融塩浴槽にアルミニウム構造体のシートを搬送する入口側ローラと、前記搬入されたアルミニウム構造体のシートを溶融塩浴中に浸漬させて搬送するローラと、アルミニウム構造体のシートから多孔性樹脂成形体を分解処理によって除去して得られたアルミニウム多孔体を溶融塩浴から引き出して搬送する出口側ローラとを備え、前記各ローラがそれぞれ独立して回転駆動するようにしたことを特徴とするアルミニウム多孔体の製造装置。
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