JP2012255247A - 競技用ウエア - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
本発明の競技用ウエア1は、弾性率の小さい第1生地F1と、第1生地F1よりも弾性率の大きい第2生地F2とで形成される。前記ウエア1における骨盤Bhの上部の周囲が第2生地で覆われてベルト状の第1ベルト部10が形成される。第1ベルト部10は、骨盤Bhの上部を前面から覆うベルト前部11と、骨盤Bhの上部を背面から覆うベルト背部13と、骨盤Bhの上部を側面から覆う一対のベルト側部12とが胴回りの周方向に連続的に延びて形成される。
【選択図】図5
Description
また、この先行技術のガードルは、上前腸骨棘よりも2〜3cm上方の位置を中心に締付力の大きいベルトが配置されている。したがって、ベルトの中心は骨盤の上端よりも上方に配置されているだろう。
ベルト背部がベルト前部よりも骨盤の上方の位置に配置されており、オフセットした偶力が骨盤を直立させるモーメントとなって骨盤に加わる。その結果、骨盤が直立した姿勢となり易い。
下限値が4cm未満であると、前記偶力が十分に発揮されず、オフセットしていない場合に比べ、十分な効果が得られない。
上限値が6cmを超えると、ベルト前部の下端が下肢に近づき、下肢の動きを阻害したり、あるいは、ベルト前部の下端が下肢に近づくのを防ぐためベルトの上下の幅を必要以上に小さくしなければならない。
すなわち、後上端の中央と前上端の中央とのレベル差が4cm未満であると、前記偶力が十分に発揮されないだろう。
一方、後上端の中央と前上端の中央とのレベル差が6cmを超えると、ベルト背部の上端が腸骨よりも上方を覆ったり、あるいは、ベルト前部のゴム様ベルトや収納部の位置が下方になるのに伴いベルト前部の下端のラインが下肢に近づく。このようなベルト前部は不快感や運動能力の低下を招く。
第2生地の弾性率E2が3.0N/cmよりも小さいと、第2生地による腰に対する圧力が小さすぎて十分な偶力が得られないかもしれない。一方、第2生地の弾性率E2が14.0N/cmよりも大きいと、腰に対する締付力が大きくなりすぎて、腰の動きを阻害したり、血行が劣化したりするかもしれない。
一方、前記除算値(E2/E1)が25.0よりも大きいと、前記第1生地の弾性率E1が小さくなりすぎたり、前記第2生地の弾性率E2が大きくなりすぎるだろう。そのため、骨盤外周に過度の力が加わったり、第1生地がめくれて運動が阻害されるかもしれない。
一方、前記減算値(E2ーE1)が13.7N/cmよりも大きいと、前記第1生地の弾性率E1が小さくなりすぎたり、前記第2生地の弾性率E2が大きくなりすぎるだろう。そのため、骨盤外周に過度の力が加わったり、第1生地がめくれて運動が阻害されるかもしれない。
E=(F/W)/Δ …(1)
E:弾性率
F:20%伸び時の荷重
W:サンプルの幅
Δ:0.2(ひずみ)
本発明における弾性率は生地の単位幅当りの荷重の大きさであるから、生地の厚さは無視される。
なお、「単位伸び」とは生地の単位長さ当りの伸びを意味する。
また、第1または第2の生地が複合材である場合には、複合した状態で測定された値で定義される。
なお、「ゴム弾性」とは、ベルトの大きな変形が可能で(例えば、破断伸度が100%以上)、かつ、応力を取り除くとベルトが元の形状に復元する性質をいう。
一方、ベルト背部の上下方向の平均幅は、5〜12cm程度が好ましく、6〜10cm程度が更に好ましいだろう。
このように第1ベルト部の上端が形成されていることで、第1ベルト部の上端のラインが背面の中心から側部を通り前面の中心に向かって緩やかなカーブを描き、かつ、自然なラインとなる。
この実施例の場合、ベルト側部の上下の幅が大きくなる。ベルト側部の上下の幅が大きいと、骨盤の左右方向の安定が高まる。
このような配置で第1ベルト部が骨および筋肉を覆うことにより骨盤が安定すると共に、第1ベルト部が腸腰筋を圧迫して、インナーマッスルである腸腰筋の働きを高めることが可能となる。
このような位置にベルト背部が設けられていると、背面から骨盤に加わる力と前面から骨盤に加わる力とのオフセット量が大きい。したがって、骨盤が直立した姿勢となり易い。
腸骨稜と大転子の間において、ベルト側部が中殿筋に力を加えていることで、中殿筋の動きが左右にブレるのを防止し、中殿筋の働きが高められる。その結果、骨盤および下肢が左右方向に安定し運動効率が向上する。
骨盤にオフセットした力が加えられることで、水泳中に、重い下肢を上方に持ち上げる力が骨盤に作用する。そのため、水泳時において腰が沈み込まない上、筋疲労が生じても姿勢が安定する。その結果、競泳者の姿勢が水面に対して平行かつ真っ直ぐな有効姿勢となり易く、かつ、筋肉が疲労しても、前記有効姿勢を維持し易い。
10:第1ベルト部
11:ベルト前部
12:ベルト側部
13:ベルト背部
14:第1ベルト部の前上端のライン
15:第1ベルト部の後上端のライン
17:脚部
22:第2ベルト部
23:第3ベルト部
24:第2連結部
25:第1サポート部
26:第2サポート部
200:脹脛(ふくらはぎ)
31:第1連結部
101:第1領域
102:第2領域
103:第3領域
F:生地
Fb:身生地
Fs:強化生地
H1:上端のラインのオフセット量
H2:中心のラインのオフセット量
M1:腸腰筋
M2:中殿筋
M3:腰方形筋
Bb:大転子
Bf:大腿骨
Bh:骨盤
Bs:仙骨
Bt:腸骨
Bhu:骨盤の上部
Blc:腸骨稜
Bls:上前腸骨棘
Gb:ゴム様ベルト
Gs:収納部
Tu:大腿前部Tfの上端近傍の内側
Tf:大腿前部
Tb:大腿背部
J:股関節
K:膝
以下、本発明の第1実施例が図1A,図2A,図2B,図4〜図5Cを参照して説明される。
図4Bにおいて、骨盤Bhは腸骨Btおよび仙骨Bsからなる。骨盤Bhには股関節Jを介して大腿骨Bfが接続されている。
図1Aは、膝上丈のパンツ型の競技用ウエア1を示す。
図1Aに示すように、本競技用ウエア1は伸縮性を有する生地F1,F2からなる。
第1ベルト部10の上部は折り曲げられた後、折り曲げられた前記上部の端部が他の第1ベルト10と縫合されて袋状の収納部Gsが形成されている。図2Aおよび図2Bに示すように、前記収納部Gsには、帯状のゴム様ベルトGbがウエア1の胴回りの全周にわたって挿入されている。この実施例の場合、ゴム様ベルトGbの幅は、たとえば2.5cmである。
図2Aおよび図2Bの2点鎖線で示すように、ベルト前部11、一対のベルト側部12およびベルト背部13が第1ベルト部10を周方向Rに4等分した領域にそれぞれ設定されている。すなわち、ウエアの前面にベルト前部11、背面にベルト背部13、側面にベルト側部12がそれぞれ設定されている。前記ベルト前部11、ベルト側部12およびベルト背部13は、連続的に形成されている。
図2Aに示すように、ベルト前部11の下端のライン11dは、上方に向って凸となるように形成されている。図2Bに示すように、ベルト背部13の下端のライン13dは、上方に向って凸となるように形成されている。
図2BにおいてラインLbはベルト背部13を上下に2分割する仮想の後中心ラインである。図2AにおいてラインLfはベルト前部11を上下に2分割する仮想の前中心ラインである。図1に示すように、ラインLbがラインLfよりも平均値で約5.0cm上方となるように、第1ベルト部10が形成されている。
図5A,図5Bおよび図5Cに示すように、ウエア1が着用されると、第1ベルト部10により骨盤Bhの周囲が覆われる。
図5Aに示すように、ベルト前部11は骨盤Bhの上部Bhuを前面から覆う。図5Bに示すように、ベルト側部12は骨盤Bhの上部Bhuを側面から覆う。図5Cに示すように、ベルト背部13は骨盤Bhの上部Bhuを背面から覆う。
ベルト前部11の下端のライン11dは、骨盤Bhの下部の股関節Jや大転子Bbよりも上方に位置する。
第1ベルト部10は、前面の両端において上前腸骨棘BIsの一部を覆い、かつ、腸腰筋M1の一部を覆う。
ベルト側部12の下端12dは、ベルト側部12における周方向Rの概ね中心に近づくに従い下方に向って凸となるように形成されている。そのため、ベルト側部12の最下端は、大転子Bbに接近している。
ベルト側部12の高さは、大転子Bbから腸骨稜BIcまでの距離の1/2以上で、かつ、4/5以下に設定される。そのため、中殿筋M2は、その中部から上部にかけて、ベルト側部12によって覆われている。
すなわち、前面から骨盤Bhに加わる力Wfより上方の位置において、力Wbが背面から骨盤Bhに加わっている。
つぎに、本発明の第3実施例が図7A,図7Bおよび図7Cを参照して説明される。
図7Bおよび図7Cに示すように、本競技用ウエア1Bは、一対の第2ベルト部22を備えている。前記第2ベルト部22は第2生地F2で形成されており、第2生地F2の長手方向に沿った弾性率E3は第1生地F1の弾性率E1よりも大きい。
第2ベルト部22の上端は、骨盤Bh(図5B)の外側における大腿背部Tbにおいて、第1ベルト部10の下端に連結された第1連結部31を有している。第2ベルト部22は、前記第1連結部31から膝Kの内側K1に向かって膝Kの内側K1までベルト状に形成されている。一方、図7Aに示すように、第2ベルト部22は、大腿前部Tfには配置されていない。
なお、第2生地F2の長手方向に沿った弾性率E3と第2生地F2の胴回り方向に沿った弾性率E2は同じ値である。
つぎに、本発明の第4実施例が図8A,図8Bおよび図8Cを参照して説明される。
図8Aおよび図8Cに示すように、本競技用ウエア1Cは、一対の第3ベルト部23を備えている。前記第3ベルト部23は第2生地F2で形成されており、第2生地F2の長手方向に沿った弾性率E3は第1生地F1の弾性率E1よりも大きい。
第3ベルト部23は、大腿前部Tfの上端近傍の内側Tuから、膝Kの外側K2に向かって膝Kの外側K2までベルト状に形成されている。
なお、第2生地F2の長手方向に沿った弾性率E3と第2生地F2の胴回り方向に沿った弾性率E2は同じ値である。
つぎに、本発明の第5実施例が図9を参照して説明される。
図9に示すように、本競技用ウエア1Dは、いわゆるタイツ型であり、膝Kおよびその下方の脹脛(ふくらはぎ)200を覆う脚部17を備えている。前記ウエア1Dは、第1サポート部25、第2サポート部26および第2連結部24を備えている。
前記第1および第2サポート部25,26および第2連結部24は、第1生地F1よりも弾性率の大きい第2生地F2で形成されている。
第1サポート部25は、膝K近傍の上方の前面を覆う。第2サポート部26は、膝K近傍の下方の前面を覆う。
第2連結部24は、前記第1および第2サポート部25,26と、第1ベルト部10のベルト側部12の側部とを脚の長手方向Zに沿って連なるように形成されている。
なお、前記第2生地F2の第1および第2サポート部25、26の脚周り方向に沿った弾性率E4、第2生地F2の第2連結部24の長手方向に沿った弾性率E5および第2生地F2の胴回り方向に沿った弾性率E2は同じ値である。
図6A〜図6Cは男性用のスイムウエアを示す。図10A,図10Bおよび図10Cに示す競技用ウエア1Aは第6実施例を示し、前述の第2実施例のスイムウエア1を女性用スイムウエアに適用したものである。
前記第1生地F1は更に下腹部からなる第3領域103を覆い、前記第3領域103の第1生地F1の前記弾性率は、前記第1領域101を覆う第1生地F1の前記弾性率よりも大きい。
E1=(E11・A11+E12・A12+・・・E1n・A1n)/A1・・・(2)
E1i:第1生地で覆われた領域の生地の弾性率
A1i:弾性率E1iの生地で覆われた領域の面積
A1:腰盤下部を覆う第1生地の総面積
本第6実施例のウエア1Aについてのその他の構成は、前述した競技用ウエア1と同様であり、同一部分または相当部分に同一符号を付して、その説明を省略する。
つぎに、本発明の効果を明瞭にするために、試験例および比較例が示される。
なお、以下において「ゴム様ベルトGbの弾性率」とは、ゴム様ベルトGbの表面および裏面に第1生地F1を重ね合わせた状態における弾性率を示す。
試験例1は、図1Aの競技用ウエア1において、第1生地F1の胴回り方向Rに沿った弾性率が1.1N/cmに設定され、第2生地F2の胴回り方向Rに沿った弾性率が4.6N/cmに設定されたウエアである。ゴム様ベルトGbの弾性率は18.4N/cmであった。
試験例2は、前記図1Aの競技用ウエア1において、第1生地F1の胴回り方向Rに沿った弾性率が1.1N/cmに設定され、第2生地F2の胴回り方向Rに沿った弾性率が8.0N/cmに設定されたウエアである。ゴム様ベルトGbの弾性率は25.7N/cmであった。
したがって、試験例1は試験例2よりも、第1ベルト部10(図1A)による被験者に与える圧力および偶力が小さく設定されている。
比較例1は、前記図1の競技用ウエア1において、第1および第2生地F1、F2の胴回り方向Rに沿った弾性率が1.1N/cmに設定されたウエアである。比較例1のゴム様ベルトGbの弾性率は6.1N/cmであった。
比較例2は、図1B、図3Aおよび図3Bに示す公知のパンツ100を用いた。
図1Bに示すように、比較例2のパンツ100は第3生地F3、第4生地F4および第5生地F5を備えている。
図1Aおよび図1Bに示すように、パンツ100の前上端のライン14Aは、図1Aの競技用ウエア1の前上端のライン14に比べて、股間Cからの高さが高く設定されている。そのため、前記ゴム様ベルトGbによって、着用者の骨盤Bh(図5Aおよび図5B)よりも上方の部分が締めつけられる。
このパンツ100の上端のラインの最大のオフセット量H1は約3cm程度であった。
前記第3生地F3、第4生地F4および第5生地F5の弾性率は、それぞれ、1.7N/cm、4.4N/cmおよび4.9N/cmであった。なお、比較例2のゴム様ベルトの弾性率は腹部で11.6N/cm、背部で18.0N/cmであった。
試験例3は図6A〜図6Cの男子用のスイムウエア、試験例4は図10A〜図10Cの女子用のスイムウエアである。試験例3、4の第1生地の弾性率は前面が1.2N/cm、背面が3.3N/cm、第2生地の弾性率は6.7N/cmであった。なお、試験例3のゴム様ベルトは糸ゴムである。
なお、比較例3としては、一般的なスイムウエアを用いた。
生地の弾性率はJIS−L1018に準拠して下記の仕様で測定した。
試験機:万能材料試験機(インストロン5565型)
引張方向:ウエアの胴回り方向
引張速度:20.0cm/min
チャック間距離:10.0cm
生地のサイズ:幅5.0cm、長さ20.0cm
試験例1,2および比較例1のゴム様ベルトのサンプルのサイズ:幅2.5cm、長さ20.0cm
比較例2のゴム様ベルトのサンプルのサイズ:幅3.0、長さ20.0cm
前記各サンプルが20%伸びたときの単位伸びに対する単位幅当りの荷重の大きさを測定して求めた。
図11Aおよび図11Bは、比較例1および試験例1を用いた短距離ランニングテストの結果を示す。
このテストでは、男子短距離選手14名を被験者として、20mをダッシュした場合の走速度と推進力の変化を計測した。
その結果、図11Aに示すように走速度が平均値で0.5%向上し、図11Bに示すように推進力積が平均値で3%向上した。
この向上の度合いは、100mを10秒で走ることを想定した場合、0.05秒短縮されたことに相当する。
図12Aおよび図12Bは、比較例1および試験例1を用いたキック動作テストの結果を示す。
この試験は、男子長距離選手5名を被験者として、キック動作の変化を計測した。
その結果、図12Aに示すように、試験例1は、比較例1に比べて、キック動作の不安定性を示す横方向の力が減少した。また、図12Bに示すように、比較例1に比べ試験例1は推進効率が平均値で8%向上した。なお、ランニング中の腰の左右の動揺も小さくなった。
図13Aおよび図13Bは、比較例1および試験例2を用いたジャンプテスト1の結果を示す。
ジャンプテスト1は、男子バスケットボール選手5名、バレーボール選手3名の合計8名を被験者として、跳躍高を計測した。
その結果、図13Aに示すように、試験例2は比較例1に比べて跳躍高が平均で1cm向上した。また、図13Bに示すように、試験例2は比較例1に比べて跳躍高のばらつきが減少し、ジャンプの失敗が減少した。
図14Aに示すように、大殿筋の筋力発揮効率は、試験例2、比較例1,試験例1の順番に大きな値を示した。特に、試験例2は、試験例1および比較例1に比べて約1.5倍の筋力発揮効率を示した。
図14Bに示すように、ハムストリングスの筋力の発揮効率は、試験例2,試験例1,比較例1の順番に大きな値を示した。
これらの結果から、骨盤に加わる偶力が大きい順に前記各筋力の発揮効率も大きいことが分る。
これは、前記ジャンプ時において、骨盤を安定させる中殿筋M2(図5B)の活動が促進され、かつ、骨盤が直立することで筋肉が至適長さとなり、その結果、ジャンプで主に働く大殿筋およびハムストリングスの筋力発揮効率が向上したものと考えられる。
この試験は、競技スポーツを行っている成人男子5名を被験者とした。
その結果、図15Aに示すように、跳躍高の平均値は、試験例2,試験例1,比較例2,比較例1の順番に高かった。
しかし、比較例2と試験例1の実験結果の差が生じており、その理由について考察する。
これに対し、試験例1に用いた競技用ウエア1のゴム様ベルトGbの前上端のライン14および後上端のライン15uは、着用者の骨盤Bhより上方の部分に配置されていない。
また、試験例1の競技用ウエア1のゴム様ベルトGbの前上端のラインと後上端のラインとのオフセット量は、前記従来のパンツ100のゴム様ベルトGbの前上端のラインと後上端のラインとのオフセット量よりも大きい。
これに対し、前記パンツ100は、ゴム様ベルトの前上端のライン14Aが骨盤Bhよりも上方の部分に配置されており、かつ、前記オフセット量が小さいため、オフセットした偶力が小さい。その結果、骨盤を直立させ難いと推測される。
以上より、前記競技用ウエア1と前記パンツ100は構成において明確な差異があり、骨盤Bhに加える偶力の大きさの違いが実験結果に影響を与えたと考えられる。
前述したように、試験例1の第2生地F2の弾性率は4.6N/cm、ゴム様ベルトGbの弾性率は18.4N/cm、試験例2の第2生地F2の弾性率は8.0N/cm、ゴム様ベルトGbの弾性率は25.7N/cmであった。
したがって、試験例2の第1ベルト部10(図1A)が骨盤Bhに与える圧力および偶力は、試験例1の第1ベルト部10が骨盤Bhに与える圧力および偶力よりも大きい。
骨盤に加える圧力が大きい場合、骨盤の安定を図ることができる。さらに、骨盤に加える偶力が大きいことで、骨盤が直立した姿勢となり易い。
以上より、試験例1と試験例2は第2生地F2およびゴム様ベルトGbの弾性率において差異があり、骨盤Bhに加える圧力および偶力の大きさの違いが実験結果に影響を与えたと考えられる。
つぎに、一般的な成人男子8名を被験者として、同様のジャンプテストを試験例1と比較例1の各ウエアを着用して行った。その結果、図15Bに示すように、試験例1の方が比較例1に比べて跳躍力が高かった。
比較例3および試験例3、4のスイムウエアを着用した大学水泳部の男子学生7名および女子学生6名を被験者として、平泳時の1ストロークに対する推進距離の平均値を計測した。その結果、図16Aに示すように、前記ストローク長が平均で2cm長くなった。
また、試験例3、4では約70%の選手において図16Bの矢印方向に腰が起き、そのため、腰の沈み込みが抑えられたとの実感があり、比較例3に比べ、けのびの推進距離が増加したものと推測される。
Claims (5)
- 伸縮性を有する生地からなる競技用のウエアであって、
伸縮性を有する第1生地および第2生地で形成され、
前記第2生地の胴回り方向に沿った弾性率が、前記第1生地の胴回り方向に沿った弾性率よりも大きく、
前記ウエアにおける股間および骨盤の下部の周囲が前記第1生地で覆われ、
前記ウエアにおける前記骨盤の上部の周囲が前記第2生地で覆われてベルト状の第1ベルト部が形成され、
前記第1ベルト部は、
前記骨盤の上部を前面から覆うベルト前部と、
前記骨盤の上部を背面から覆うベルト背部と、
前記骨盤の上部を側面から覆う一対のベルト側部と、
が胴回りの周方向に連続的に延びて形成され、
前記ベルト前部、ベルト背部およびベルト側部は前記第1ベルト部を周方向に4等分した領域にそれぞれ設定され、
前記第1ベルト部の上端のラインが前記ベルト側部から前記ベルト前部の中央に近づくに従い下方に向かって傾斜しており、
前記ベルト背部の後上端ラインは、前記骨盤の仙骨の両側において前記骨盤の腸骨の上端よりも下方の位置に設定され、
前記後上端の中央が前記前上端の中央よりも上方の位置に配置され、
前記ベルト背部を上下に等分に2分割する仮想の後中心ラインが、前記ベルト前部を上下に等分に2分割する仮想の前中心ラインよりも平均値で上方の位置となるように前記第1ベルト部が形成されている競技用ウェア。 - 請求項1において、前記第1ベルト部は前記前面の両端近傍において上前腸骨棘の少なくとも一部を覆い、かつ、腸腰筋の一部を覆い、
前記ベルト背部は仙骨の一部を覆う競技用ウエア。 - 請求項1において、前記ベルト背部は仙骨の上端またはその近傍を覆い下端を覆わない競技用ウエア。
- 請求項1において、前記ベルト側部は腸骨稜よりも下方でかつ大転子よりも上方に配置されている競技用ウエア。
- 請求項1において、前記ベルト側部の下端のラインは、前記ベルト側部における周方向の概ね中心に近づくに従い下方に向かって凸となるように形成されており、
前記ベルト側部の最下端が前記大転子に接近しており、前記ベルト側部の高さが前記大転子から前記腸骨稜までの距離の1/2以上でかつ4/5以下に設定されている競技用ウエア。
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