JP2012508864A - 多重チューブ、環状多筒形パルスデトネーション燃焼器ベースのエンジン - Google Patents
多重チューブ、環状多筒形パルスデトネーション燃焼器ベースのエンジン Download PDFInfo
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Abstract
エンジン(100)は、コンプレッサ段(101)、パルスデトネーション燃焼段(105)およびタービン段(103)を含む。パルスデトネーション燃焼段は、入口部分(111)を有する少なくとも1つのパルスデトネーション燃焼器(109)を含む。パルスデトネーション燃焼器は、エンジンの中心線に対して長手方向および/または接線方向に配向される。より優れた性能を達成するために、プレナム(115)、ケーシング(107)、ディフューザ(119)およびシュラウド(113)を、この燃焼段に加えることができる。
Description
本発明は、パルスデトネーションシステムに関し、より詳細には多重チューブ、環状多筒形パルスデトネーション燃焼器ベースのエンジンに関する。
近年、パルスデトネーション燃焼器(PDC)およびパルスデトネーションエンジン(PDE)の開発が進むにつれて、航空エンジンおよび/またはさらなる推力/推進を生成するための手段など、PDC/PDEを実用化するために様々な努力が進められている。さらに、動作効率を最大化するために、従来型のガスタービンエンジン技術とPDC/PDE技術との組合せを使用する「ハイブリッド」タイプエンジンにPDC/PDE装置を利用する努力がなされている。以下の考察では、これらの応用例のどちらをも対象とする。以下の考察は、「パルスデトネーション燃焼器」(すなわちPDC)を対象とすることに留意されたい。しかし、この用語の使用は、パルスデトネーションエンジンなどを含むことが意図されている。
PDCの最近の開発ならびにこれらの装置の実用的な応用例および用途を見いだすことへの高い関心のために、PDCの運転効率および性能効率の向上、ならびに実用化するようにPDCを組み込むことに関心が高まっている。
いくつかの応用例では、エンジンの標準的な諸燃焼段階を単一のPDCに置き換える試みがなされている。しかし、比較的大きなPDCは、それに伴う力および応力のために実際的でない可能性がある。これは、他の構成部品とともに非常に厚い壁構造が必要であること、およびデトネーションを開始するために比較的長いPDCチューブが必要であることによるものである。PDCの直径がより大きくなると、より長いPDCチューブが必要になる。多くのエンジン用途では、この追加の長さが問題になる。
さらに、PDCの動作によって、PDCの内部および上流の構成部品の両方で非常に高い圧力ピークおよび振動が生じること、ならびにPDCのチューブおよび周囲の構成部品の内部で高熱が発生することが知られている。PDCの動作中のこれらの高温ならびに圧力ピークおよび振動のために、高温および圧力ピーク/振動の繰返しを長期にわたって受けても耐えることができる実用可能なシステムを開発するのは困難である。
さらに、上流の構成部品からの圧力ピークを阻止する必要があるので、高圧のピークがコンプレッサ段の上流に進むのを防止するために様々な弁調節技術が開発されている。しかし、弁によるこの阻止と非阻止の繰返し自体が、最適とは言い難いコンプレッサ動作の原因となり得る不安定な圧力振動を生成する可能性がある。
さらに、PDCをタービン段に結合することが、タービンベースのエンジンおよびハイブリッドエンジンにPDCを用いることの妨げになっている。PDCが高圧および高温のパルスを排出するために、既存のタービン段内でPDCからのエネルギーを最適化するのが困難であった。
したがって、上述の欠点に対処する、タービンベースのエンジンおよび発電装置においてPDCを実施する改善された方法が必要とされている。
本発明の一実施形態では、エンジンは、圧縮された流れが通過する出口を有するコンプレッサ段と、少なくとも1つのパルスデトネーション燃焼器を備え、パルスデトネーション燃焼器段が出口に結合されたパルスデトネーション燃焼器段と、パルスデトネーション燃焼器段に結合され、パルスデトネーション燃焼器段から排気を受け取るタービン段とを含む。少なくとも1つのパルスデトネーション燃焼器の少なくとも一部分が、エンジンの中心線に対して、接線方向および長手方向のうち少なくとも一方に配向される。
本明細書で用いられる「パルスデトネーション燃焼器」PDC(PDEも含む)は、装置の内部で、一連の反復するデトネーションまたは疑似デトネーションから圧力上昇および速度増加の両方をもたらす任意の装置またはシステムを意味するように理解される。「疑似デトネーション」は、デフラグレーション波形によってもたらされる圧力上昇および速度増加より大きな圧力上昇および速度増加をもたらす超音速乱流の燃焼プロセスである。PDC(およびPDE)の実施形態には、例えば燃料/空気の混合物である燃料/酸化剤の混合物に点火する手段、および点火プロセスによって開始された圧力波面が合体してデトネーション波形を生成するデトネーションチャンバが含まれる。各デトネーションまたは疑似デトネーションは、火花放電またはレーザパルスなどの外部点火により、あるいは衝撃集束、自動点火、または別のデトネーション(すなわちクロスファイヤ)などの気体力学プロセスによって開始される。
本明細書で用いられる「エンジン」は、推力および/または電力を生成するのに使用されるあらゆる装置を意味する。
本発明の利点、本質および様々な付加的特徴が、図面で概略的に説明されている本発明の例示的実施形態を検討することにより、より完全に明白になるであろう。
本発明を、添付図面を参照しながらさらに詳細に説明するが、添付図面は決して本発明の範囲を限定するものではない。
図1は、本発明の一実施形態によるエンジン100の一部分を示す。示されるように、エンジン100はコンプレッサ段101およびタービン段103を含む。これらの段は、任意の既知または従来の形で構成されている。コンプレッサ段101の下流およびタービン段103の上流にPDC段105が配置されている。示された例示的実施形態では、PDC段105は、PDC段105が燃焼段によって通常供給されるエネルギーを完全に供給するように、完全に従来型の燃焼器段に取って代わる。しかし、本発明はこの点に関して限定されない。具体的には、本発明のPDC段105は、エンジン105内の燃焼段で利用することも企図されている。これは、デフラグレーションベースの燃焼段をPDCに結合して、システムにさらなるエネルギーを供給するハイブリッドPDCエンジンのタイプに類似することになる。
PDC段105内には、PDC段のケーシング107内に配置された複数のPDC 109がある。わかるように、PDC 109は、エンジン100に対して環状に配置されている。PDC段105およびその構成部品を図のように配置することにより、エンジン100の全長が短縮され、従来型エンジンの長さ範囲とより等しい長さになる。従来の実装形態では、PDCは、完全にコンプレッサ段101とタービン段103の間に配置され、したがってエンジン100の全長が大幅に増加する。
PDC 109のそれぞれは、既知の構成を有する。本発明は、この点に関して限定されない。PDCのあらゆる既知のタイプまたは従来型のタイプを本発明に利用することができることが企図されている。
別の例示的実施形態では、PDC段105は、PDC 109およびデフラグレーションベースの燃焼装置の組合せを含むことができる。したがって、本発明の実施形態は、燃焼動作全体をPDCによってもたらす用途に限定されることは意図されていない。
本発明の例示的実施形態では、PDC 109のそれぞれがPDCの入口弁構造体111を含む。入口弁構造体111により、空気および/または空気/燃料混合物が入ることができ、空気の少なくともいくらかはコンプレッサ段101から供給される。図1に示されるように、PDC 109は長手方向に角度をなし、その結果、PDC 109の排気流がタービン段103で角度をなして方向付けられる。本発明の一実施形態では、PDC 109は、エンジンの中心線に対して約45度の角度をなす。別の実施形態では、PDC 109は、同中心線に対して約0度と約45度の間の角度をなす。別の例示的実施形態では、角度は、タービン103内の動翼に対して適切な速度三角形と一致するように選択される。このような構成は、定常状態モードで動作しているエンジン100に対して最適であり得る。
PDC 109を長手方向に角度付けすることに関する上記の考察は、エンジンを長手方向に見て/配向して、PDC 109をエンジン100の中心線の面上に投影したとき、エンジンの中心線とPDC 109の中心線との間の角度を指すことが意図されている。すなわち、投影したPDC 109のそれぞれの中心線とエンジン100の中心線は同一面に存在するが、PDC 109の中心線は、エンジンの中心線に対して角度をなす。これは、図1および図2Cに見ることができる。
図2Cは、長手方向に配向されたエンジン100およびエンジンの中心線CLを垂直に通る面を概略的に示す。PDC 109の長手方向の角度を示すために、また、この図面では、PDC 109は(図2Cに関して)エンジン100の中心線を垂直方向に通る面の上に投影される。(明確にするために、PDC 109は1つだけ示されている)。これは、図2Aに示されるように、PDC 109を、エンジン100の中心線CLのまわりに円形タイプの配列で配向することができる幾何形状の理解を簡単にするためになされている。
図示されていないさらなる例示的実施形態では、PDC 109の一部分は、第1の角度、例えば約45度で角度をなし、次いでPDCがその端部(すなわちタービン103の近く)に近づくのにつれて第2の角度へと曲がる/移行する。本発明の一実施形態では、第2の角度は約60度と約80度の間にある。このような実施形態は、エンジン100のまわりの空間の検討を最適化するのに用いることができる。
以下でより詳細に論じられるように、本発明の例示的実施形態では、PDC 109は、図示のように、エンジン100に対して長手方向に角度をなす上にエンジンの中心線に対して接線方向に角度をなす。これは、図2A、図2Bおよび図2Dに関して以下でさらに論じる。
PDC 109の角度付けのために、動作中、圧縮された流れが、コンプレッサ段101の出口121を出て、次いでPDC 109の入口弁111に向けられる。示された実施形態では、流れは、弁111の方へ、径方向外向きに向きを変える。
入口弁111の、あらゆる既知の構造または構成を利用することができることに留意されたい。この点に関して制約はない。しかし、例示的実施形態では、弁111は、PDC 109からの圧力ピーク(動作中に生成されるもの)を最小化するか、あるいは同圧力ピークが弁111を出てケーシング107の空洞に入るのを防止するように構成される。さらに、弁のタイミングおよび動作は限定されない。一実施形態では、すべてのPDC 109が同時に動作して同期する。さらなる例示的実施形態では、PDCの動作は、すべてのPDCが同時に点火するのではなく時差をもって動作するように順序付けられる。さらに、本発明は、使用される噴射装置によって限定されることは意図されていない。既知の弁制御方法、構造および技術を、本発明の様々な実施形態に利用することができる。本発明は、用いられた弁調節方法によって限定されることは意図されていない。
本発明の例示的実施形態は、PDC 109を示されたように角度付けし、弁111をエンジンの中心線から径方向に離して配置することにより、従来のPDC実装形態にあったコンプレッサを出る不安定な流れを最小化する助けとなる。この角度付けにより、PDC 109によって生成される圧力変動を、コンプレッサの出口121に到達する前にケーシング107内で拡散することができる。したがって、コンプレッサ段101の出口では比較的安定した流れが「見られ」、その動作が最適化され得る。
さらに、コンプレッサの流れをケーシング107内で径方向および前方へ向けることにより、PDC 109の冷却に影響を及ぼす。以前に説明したように、PDCの動作により、PDCの壁が非常な高温に到達し得るほどのかなりの量の熱が生じる。これらの壁を冷却するために様々な方法が企図されている。多くの方法は、追加の冷却構造および/または冷却システムを使用する必要があるものであり、エンジンのコスト、重さおよび複雑さが増す。
本発明の例示的実施形態では、コンプレッサの流れは、ケーシング107内で前方へ向けられ、したがってPDC 109の外面に沿ったものになる。コンプレッサ段101からの流れは、一般に比較的冷たいので、この流れは、PDC 109の壁に沿って入口弁111まで流れるとき熱交換器として働く。さらに、この流れがPDC 109の壁から熱を奪うので、流れの温度が上昇する。このことは、空気流の温度上昇がデトネーション手順を支援することができるので、PDCの動作の助けとなる。
本発明の別の例示的実施形態では、PDC 109の壁の熱交換の態様を向上するために、壁はベーンまたはバッフルなどで構成される。これにより、全体の表面積が増加して、PDC 109と流れの間の熱交換が増加することになる。さらに、これらの構造(図示せず)は、ケーシング107を通る入口弁111への流れを方向付けするか、他の方法で制御するのに用いることができる。
図1に示されるように、図示された実施形態では、PDC 109はエンジン100の中心線に対して角度をなす。エンジン100の中心線に対するPDC 109の角度付けにより、流れの方向を出口121から入口弁111に変えるのは比較的簡単である。
本発明の例示的実施形態は、図1に示されるように、出口121からの流れをPDC段105の中へ向けるディフューザ119を含む。ディフューザ119は、流れの変化および方向変更を最適化するように、出口121からの流れの向きをPDC段105の中へ変える助けとなる。本発明の一実施形態では、乱流が最小化するように流れの方向を変える。
さらなる例示的実施形態では、PDC段105はプレナム115を含む。プレナム115は、圧力上昇を緩和する助けとなるように利用されている。具体的には、プレナム115はあらたな空洞空間をもたらし、PDC 109の動作によって受ける圧力変動の放散および/または吸収を支援する。知られているように、空気は比較的圧縮性の媒体であり、したがって、プレナム115を加えることでPDC段105の全体的ボリュームを増加することにより、あらゆる圧力変動を放散するのに用いられる空気のボリュームが増加する。図1に示されたプレナムの構成および位置は例示として意図されており、本発明は示された実施形態に限定されないことに留意されたい。
さらに、代替の例示的実施形態では(図1に示されたように)、チューブシュラウド113がPDC 109を取り囲んでいる。シュラウド113は、コンプレッサ段101からの流れをPDC 109の壁へ向けること、ならびにプレナム115の領域内の流れを制御することの助けとなる。さらに、シュラウド113は、流れの方向付けならびに圧力ピークの緩和および/または放散を支援する流量制御開口123を含むことができる。プレナム115、ケーシング107、ディフューザ119および/またはシュラウド113の構成は、当業者によって、所望の運用特性および性能特性を達成するように最適化され得る。具体的には、当業者なら、PDC 109およびコンプレッサ段101の所望の動作を保証するために、所望の冷却および圧力ピークの最小化/放散を達成するように、これらの構成部品を十分に最適化することができる。
明白には図示されていない代替実施形態では、入口弁111に入る空気流の少なくともいくらかは、別の供給源から来て、次いでコンプレッサ段101へ進む。例えば、エンジン100がバイパス流量を有する実施形態では、バイパス流量の少なくともいくらかも弁111に向けられることが企図される。このさらなる流量は、所望の運用特性および性能特性に基づいて決定されることになっている。
本発明の例示的実施形態では、PDC 109は、ノズル117を介してタービン段103(一般には高圧タービン段)に結合される。ノズル117の正確な構成および実装形態は、設計および動作のパラメータ次第で変化することになる。示された例示的実施形態では、ノズル117は、その構造および動作が知られている集束ノズルである。別の実施形態では、ノズル117は集束−拡散ノズルである。さらに、ノズル117とタービン段103の間の変化は、本発明が用いられる特定のエンジン100の構造および運用のパラメータの関数である。例えば、いくつかの実施形態では、個々のPDC 109は、そのノズル117を介してタービン段103に直接結合されることが企図されている。しかし、2つ以上のPDC 109を単一のマニホールド構造体の中に向けることができ、そこでそれぞれの流れが混合され、次いで、共通のマニホールド構造体がタービン段103に向けられるようにも企図されている。
次に図2A、図2Bおよび図2Dに移って、図2Aは、PDC段105でタービン段103から前方を見た、PDC段105の例示的実施形態の断面を示す。この実施形態では、PDC段105は、エンジン100の中心線のまわりに径方向に配置された12本のPDC 109を含んでいる。もちろん、多種多様な数のPDC 109を有する様々な代替形態が企図されるので、本発明は、この示された実施形態に限定されない。
さらに、示された実施形態では、ノズル117は楕円形の開口201を有し、PDC 109の排気は、この開口を出てタービン段103に入る。しかし、開口201は、この点に関して限定されず、必要に応じてPDC 109および/またはタービンの性能を最大化するための任意の形状または構成で作製することができる。
本発明の例示的実施形態では、図2A/図2Dに見ることができるように、PDC 109は、エンジンの中心線CLに対して接線方向に角度をなす。この角度付けにより、PDC 109の排気が、回転する様相でタービン段103に入ることが可能になる。この回転は、タービン段の動作および性能を改善するのを支援する。したがって、本発明の例示的実施形態では、PDC 109は、入口部分111が(図1および図2Bに示されるように)ノズル117の物理的前方になるように長手方向に角度をなし、エンジンの中心線CLに対して接線方向に配向されるように角度をなす(図2A/2D)。
PDC 109を接線方向に角度付けすることに関する上記の考察は、長手方向の角度が測定される面に対して垂直なエンジン100の中心線の面上にPDC 109を投影したとき、エンジンの中心線とPDC 109の中心線との間の角度を指すことが意図されている。すなわち、同一面に存在する、投影したPDC 109のそれぞれの中心線とエンジン100の中心線であるが、PDC 109の中心線は、エンジンの中心線に対して角度をなす。これは、図2A、図2Bおよび図2Dに見ることができる。
図2Dは、図2Cに示されたエンジンの概略図であるが、エンジン100を見おろしたものである。エンジンの中心線CLを見おろすことにより、図2Cに示された垂直面に対して垂直すなわち鉛直な面が示されている。図2Dに示された面は、図2Cに示された面と同様に、エンジンの中心線CLおよびその面上に投影されたPDC 109の像のCLを通る。PDC 109の接線方向の角度を示すために、また、この図面では、PDC 109はエンジン100の中心線を通る面の上に投影される。これは、図2Aに示されるように、PDC 109を、エンジン100の中心線CLのまわりに円形タイプの配列で配向することができる幾何形状の理解を簡単にするためになされている。
したがって、接線方向の角度は、PDC 109の長手方向の角度を測定する面に対して垂直すなわち鉛直な面で測定される。本発明は、面を定義するのに、エンジンの絶対水平および絶対垂直を使用するものと限定されないことにも留意されたい。すなわち、面は、それぞれのPDC 109に関して、エンジンの中心線のまわりで回転する/まわりに配向することができることが企図されている。これは、特に、図2A/図2Bに示された、PDC 109がエンジンの中心線CLのまわりに円形の配列で配向される実施形態の場合である。
PDC 109は、接線方向に約0度と90度の間の角度をなすことができる。別の実施形態では、接線方向の角度が約10度と約90度の間にある。さらなる実施形態では、角度Aは約40度と約90度の間にある。
図2A、図2Bに示された実施形態では、PDC 109の接線方向の角度と長手方向の角度は同一である。しかし、本発明のさらなる実施形態では、PDC 109の少なくともいくつかが、接線方向の角度および長手方向の角度の一方または両方が異なるように角度付けされる。例えば、本発明の一実施形態では、PDC 109の半数の接線方向の角度が約90度であり、PDCの他の半数の接線方向の角度が約75度であるように角度付けされる。この実施例は、限定することは意図されておらず、例示にすぎないことに留意されたい。当業者なら、様々な設計および性能の基準に対して、所望の角度付けおよび構成を決定し、最適化することができる。
図2Bは、PDC段105をエンジン100側から概略的に示す。示された実施形態では、PDC段105は、タービン段103(例えば高圧タービン)に結合されたタービンマニホールド203に結合される。マニホールド203は、PDC段105およびタービン段103の性能を最適化するための任意の構成であり得る。別の例示的実施形態では、マニホールド203が利用されず、したがって、ノズル117はタービン段103に直接結合される。
本発明の別の例示的実施形態では、PDC 109の少なくともいくつかが互いに位相外れで作動することが企図される。このような実施形態では、PDC 109がタービンの方を向いているので、タービン段103への極端な圧力スパイク(すべてのPDC 109が同時に点火することによるもの)の悪影響を最小化するように、比較的一定の流れがタービン段103に向けられる。PDC段105において、いくつかのPDC 109およびいくつかの標準的燃焼装置を利用することも企図される。したがって、標準的燃焼装置が一定の流れをもたらす一方で、PDC 109が所望のPDC流をもたらすことになる。これらの構成部品の正確な動作および組合せは、エンジン100の所望の運用特性および性能特性に応じて決まるものであり、当業者なら、それらの所望の構成を選択して実施することができる。
本発明の例示的実施形態では、PDC 109は比較的小さな直径を有する。例えば、PDCは、約2インチから4インチの範囲の直径を有することができる。比較的小さな直径を用いることにより、個々のチューブの内部で内部応力が最小化され、したがってPDC 109のチューブ壁の全体的厚さが縮小される。さらに、PDC 109の全長が縮小され、コンパクトなPDC段105が可能になる。これは、PDC 109の直径が増加するのにつれて、適切なデトネーション動作を可能にするためにPDCの全長を増加する必要があるためである。
本発明の実施形態は、本明細書で論じられたPDC 109の(長手方向および/または接線方向の)角度付けのために、エンジンのタービン段に通常は存在するタービンノズル(一般にタービン入口またはタービン固定子部分とも称される)を除去することができる。知られているように、標準的なタービンエンジンの構成では、燃焼器の流れは、エンジンのタービン段に入るときエンジンの中心線と共軸である。タービン段のタービンノズル部分は、燃焼段から入る流れの向きをエンジンの中心線に正接する方向に変えるのに用いられる。一般に、燃焼器の流れは、タービンノズル部分によって約70度方向が変わり、その結果、タービン段では、流れが軸方向というより接線方向になる。しかし、タービンノズル部分を使用すると、流れの深刻な圧力低下が生じる。この圧力低下は不利である。さらに、タービンノズルを冷却するために、かなりの量のエンジン冷却流を用いなければならない。
本発明のPDC 109を、本明細書で説明されたように長手方向および/または接線方向に角度付けすることにより、本発明の実施形態は、タービン段からタービンノズル部分を除去することができる。このような実施形態では、PDC 109は、PDC 109の排気がタービン段の回転部分に対して適切な角度でタービン段に入るように(長手方向および/または接線方向に)角度付けされる。このような実施形態では、PDC 109の出口ノズル117は、タービン段103の回転部分へ直接排出する。これによって、タービンノズルに関連した圧力低下が解消され、しかもタービンノズルを冷却するために相当な量のエンジン冷却流を用いる必要性が解消する。このような実施形態では、PDC 109の排気流が適切な角度でタービン段103に入るようにPDC 109を角度付けするべきである。別の例示的実施形態では、タービンノズル部分が存在するが、PDC 109の角度付けのために、タービンノズルによって与えられる角度付けは、一般に必要とされるものより小さい。すなわち、例示的実施形態では、PDC 109とタービンノズルとの角度付けの組合せによって、タービン段103に入る流れの所望の回転を達成することができる。
再び図1に移って、プレナム115には共振空洞125が結合されている。共振空洞125は、能動的でも受動的でもよく、受ける可能性がある圧力振動に対してさらなる減衰をもたらす。例示的実施形態では、共振空洞125は、共振空洞125およびプレナム115の内部圧力が増加したり減少したりするとき振動する減衰構造体127を含む。したがって、減衰構造体127は、プレナム115のボリュームを効果的に増減させて、受ける圧力振動を効果的に吸収する。したがって、出口121からのコンプレッサの流れには圧力振動がほとんどなく、これによって、コンプレッサ段101は、正常かつ最適に動作することができる。減衰構造体127は、任意の機械式システム(振動する制振位置など)、または他のタイプの減衰機構(粘稠液など)、または音響ダンパ(1/4波ダンパ)であり得る。
1/4波ダンパでは、空洞の長さは、減衰されるべき振動の波長の1/4に選択される。諸波形がチューブに入って反射するとき、それらの位相が効果的にシフトされて、プレナム115内の残りの波形と打ち消すように干渉する。これによって、プレナム115の内部振動の振幅が、その所与の周波数で低減する。本発明の例示的実施形態では、プレナム115の内部で振動の別々の周波数を低減するかまたは除去することができるように、別々のサイズの複数の1/4波チューブを利用する。さらなる例示的実施形態では、1/4波チューブは、チューブ長さの調整を可能にする可調整ピストン構造体(要素127など)を有する。このような実施形態では、ピストンの調整、したがってチューブ長さの調整は、エンジンの動作中に受ける振動の減衰を調整するように、能動的に(すなわち動作中に)調整することができる。
使用される構成部品の配向および構成は、使用されるエンジンおよびタービン段の設計および動作のパラメータの関数であることが理解されよう。当業者なら、必要なパラメータおよび設計基準を考慮に入れて、最適な構成を決定し、かつ実施することができる。
図3は、タービン段103に入るPDCの排気の配向に対するPDC 109の配向についての代替形態の構成を示す(簡単に図示されている)。この図(図1とも一致している)の上部に示されるように、PDC 109の排気ガスは、エンジンの中心線に対して角をなしてタービン段103に向けられる。もちろん、ノズル117がタービン段103に直接結合されて示されていても、これに限定することは意図されていないことに留意されたい。この図が意図するのは、角度方向を表すことだけである。もちろん、マニホールド構造体を、タービン段103の中へ流れを向ける他の適切な手段と同様に用いることができる。あるいは、前述のように、ノズル117をタービン段103の回転部分に直接結合することができ、タービンノズルが不要になる。
この図の下部に代替実施形態が示されている。この実施形態では、PDC 109はエンジンの中心線に対して角度をなしているが、PDC 109の排気は、タービン段103に入るとき中心線と平行に方向付けられる。この実施形態では、流れの方向を中心線と平行になるように効果的に変化させるのに方向マニホールド構造体401が使用される。この実施形態では、エンジン100の中心線に対するPDC 109の角度は、方向マニホールド構造体401に対する熱負荷を低減するためにできるだけ小さくするべきである。
用いられる配向および構成は、使用されるエンジンおよびタービン段の設計および動作のパラメータの関数であることが理解されよう。当業者なら、必要なパラメータおよび設計基準を考慮に入れて、最適な構成を決定し、かつ実施することができる。
「流れ」および「流れの方向」に関する上記の考察は、事実上一般的であることが意図されていることにも留意されたい。本発明を組み入れるシステムに含まれる多くの流れが乱流であって無限の内部の流れ方向を有する可能性があることが、確実に理解し、かつ認識されている。これを理解する際に、例えば、流れが「平行」であると記述されるとき、それは一般的な流れの方向を意味するように理解される。
本発明が、上記で航空機および発電の用途に関して具体的に論じられてきたが、本発明は、これに限定されず、本発明の利点が望ましい任意の類似のデトネーション/デフラグレーションの装置に存在し得ることに留意されたい。
本発明が様々な特定の実施形態に関して説明されてきたが、当業者なら、特許請求の趣旨および範囲の範囲内の変更形態を用いて本発明を実施することができることを理解するであろう。
100 エンジン
101 コンプレッサ段
103 タービン段
105 PDC段
107 PDC段ケーシング
109 PDC
111 入口弁構造体
113 チューブシュラウド
115 プレナム
117 ノズル
119 ディフューザ
121 出口
123 流量制御開口
125 共振空洞
127 減衰構造体
201 開口
203 マニホールド
401 方向マニホールド構造体
101 コンプレッサ段
103 タービン段
105 PDC段
107 PDC段ケーシング
109 PDC
111 入口弁構造体
113 チューブシュラウド
115 プレナム
117 ノズル
119 ディフューザ
121 出口
123 流量制御開口
125 共振空洞
127 減衰構造体
201 開口
203 マニホールド
401 方向マニホールド構造体
Claims (22)
- 圧縮された流れが通る出口を有するコンプレッサ段と、
少なくとも1つのパルスデトネーション燃焼器を備え、前記出口に結合されたパルスデトネーション燃焼器段と、
前記パルスデトネーション燃焼器段に結合され、前記パルスデトネーション燃焼器段から排気を受け取るタービン段とを備えるエンジンであって、
前記少なくとも1つのパルスデトネーション燃焼器の少なくとも一部分が、前記エンジンの中心線に対して、接線方向および長手方向のうち少なくとも一方に配向されるエンジン。 - 前記少なくとも1つのパルスデトネーション燃焼器の前記一部分が、接線方向および長手方向の両方向に角度をなす請求項1記載のエンジン。
- 前記少なくとも1つのパルスデトネーション燃焼器が、前記少なくとも1つのパルスデトネーション燃焼器の中心線と前記エンジンの中心線との間の接線方向の角度が最大90度であるように、前記中心線に対して接線方向に配向される請求項1記載のエンジン。
- 前記少なくとも1つのパルスデトネーション燃焼器が、前記少なくとも1つのパルスデトネーション燃焼器の中心線と前記エンジンの中心線との間の接線方向の角度が10度から90度の範囲内であるように、前記中心線に対して接線方向に配向される請求項1記載のエンジン。
- 前記少なくとも1つのパルスデトネーション燃焼器が、前記少なくとも1つのパルスデトネーション燃焼器の中心線と前記エンジンの中心線との間の接線方向の角度が40度から90度の範囲内であるように、前記中心線に対して接線方向に配向される請求項1記載のエンジン。
- 前記少なくとも1つのパルスデトネーション燃焼器が、前記少なくとも1つのパルスデトネーション燃焼器の中心線と前記エンジンの中心線との間の長手方向の角度が0度から45度の範囲内であるように、前記中心線に対して長手方向に配向される請求項1記載のエンジン。
- 前記パルスデトネーション燃焼器段が、前記出口および前記少なくとも1つのパルスデトネーション燃焼器に結合されたプレナムをさらに備える請求項1記載のエンジン。
- 前記プレナムが、能動的圧力減衰構造体または受動的圧力減衰構造体を有する少なくとも1つの共振空洞を備える請求項7記載のエンジン。
- 前記パルスデトネーション燃焼器段が、複数のパルスデトネーション燃焼器を備え、前記パルスデトネーション燃焼器の少なくともいくつかが、前記パルスデトネーション燃焼器の他のものと異なって接線方向または長手方向に角度をなす請求項1記載のエンジン。
- 前記少なくとも1つのパルスデトネーション燃焼器が、前記圧縮された流れの少なくとも一部分が通る入口部分を備え、前記圧縮された流れの前記一部分が、径方向に前記エンジンの前記中心線から遠ざかって前記出口から前記入口部分へ向けられる請求項1記載のエンジン。
- 前記タービン段がタービンノズル部分を含まない請求項1記載のエンジン。
- 圧縮された流れが通る出口を有するコンプレッサ段と、
少なくとも1つのパルスデトネーション燃焼器を備え、前記出口に結合されたパルスデトネーション燃焼器段と、
前記パルスデトネーション燃焼器段に結合され、前記パルスデトネーション燃焼器段から排気を受け取るタービン段とを備えるエンジンであって、
前記少なくとも1つのパルスデトネーション燃焼器の少なくとも一部分が、前記エンジンの中心線に対して長手方向および接線方向の両方向に角度をなすエンジン。 - 前記少なくとも1つのパルスデトネーション燃焼器の中心線と前記エンジンの中心線との間の接線方向の角度が最大90度である請求項12記載のエンジン。
- 前記少なくとも1つのパルスデトネーション燃焼器の中心線と前記エンジンの中心線との間の接線方向の角度が10度から90度の範囲内である請求項12記載のエンジン。
- 前記少なくとも1つのパルスデトネーション燃焼器の中心線と前記エンジンの中心線との間の接線方向の角度が40度から90度の範囲内である請求項12記載のエンジン。
- 前記エンジンの中心線に対する前記少なくとも1つのパルスデトネーション燃焼器の中心線の長手方向の角度が0度から45度の範囲内である請求項12記載のエンジン。
- 前記パルスデトネーション燃焼器段が、前記出口および前記少なくとも1つのパルスデトネーション燃焼器に結合されたプレナムをさらに備える請求項12記載のエンジン。
- 前記プレナムが、能動的圧力減衰構造体または受動的圧力減衰構造体を有する少なくとも1つの共振空洞を備える請求項17記載のエンジン。
- 前記パルスデトネーション燃焼器段が、複数のパルスデトネーション燃焼器を備え、前記パルスデトネーション燃焼器の少なくともいくつかが、前記パルスデトネーション燃焼器の他のものと異なって接線方向または長手方向に配向される請求項12記載のエンジン。
- 前記少なくとも1つのパルスデトネーション燃焼器が、前記圧縮された流れの少なくとも一部分が通る入口部分を備え、前記圧縮された流れの前記一部分が、径方向に前記エンジンの前記中心線から遠ざかって前記出口から前記入口部分へ向けられる請求項12記載のエンジン。
- 前記タービン段がタービンノズル部分を含まない請求項12記載のエンジン。
- 圧縮された流れが通る出口を有するコンプレッサ段と、
少なくとも1つのパルスデトネーション燃焼器を備え、前記出口に結合されたパルスデトネーション燃焼器段と、
前記パルスデトネーション燃焼器段に結合され、前記パルスデトネーション燃焼器段から排気を受け取るタービン段とを備えるエンジンであって、
前記少なくとも1つのパルスデトネーション燃焼器の少なくとも一部分が、前記エンジンの中心線に対して長手方向に0度から45度の範囲内の角度をなし、前記中心線に対して接線方向に最大90度の角度をなすエンジン。
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