上述したように、非特許文献1に記載の光線路試験装置には、各IDM架に収納された複数の親ファイバセレクタが接続される。このため、非特許文献1に記載の光線路試験装置は、光測定器に接続する親ファイバセレクタを切り替えるための手段として、測定器成端架選択装置を備える必要があった。これにより、光線路試験装置の製造コスト、及び、維持管理コストが上昇してしまうという問題を生じていた。
この問題について、図10〜図11を参照してもう少し具体的に説明する。図10は、非特許文献1に記載の光線路試験装置10’の構成を示したブロック図である。光線路試験装置10’は、同図に示すように、光測定器(OTU:Optical Test Unit)100’と測定器成端架選択装置(FTES:Frame and Test Equipment Selector)200’とを含み、ファイバセレクタ群20’と共にIDM架54に収納される。そして、光線路試験装置10’が収納されたIDM架54は、光線路試験装置10’が収納されていない他のIDM架54’と共に、光線路試験システム1’を構成する。
図10に示すように、光線路試験装置10’には、各IDM架(IDM架54およびIDM架54’)に収納された複数の親ファイバセレクタ20a’が接続されている。光線路試験装置10’は、どのIDM架に引き込まれた光ファイバを試験対象とするかを選択すると共に、試験対象として選択された光ファイバ(以下「対象光ファイバ」とも記載)に対して、(1)波長1650nmのパルス光を用いた光パルス試験(「1650nmの光パルス試験」とも呼称する)、(2)波長1310nmのパルス光を用いた光パルス試験(「1310nmの光パルス試験」とも呼称する)、(3)波長1310nmの上り信号光の光パワー測定試験(「1310nmの光パワー測定試験」とも呼称する)、および、(4)波長1550nmの下り信号光の光パワー測定試験(「1550nmの光パワー測定試験」とも呼称する)の何れかの試験を行う。
光測定器100’は、これら4種類の試験機能を担うために、光パルス試験器120’と光パワー測定器130’とを含んで構成される。光パルス試験器120’は、1650nmの光パルス試験、および、1310nmの光パルス試験を行うためのものであり、分岐カプラ122’、光源123’、WDMカプラ124’、アバランシェ・フォトダイオード(APD:Avalanche Photodiode)125’、分岐カプラ126’、および光源127’により構成し得る。一方、光パワー測定器130’は、1310nmの光パワー測定試験、および、1550nmの光パワー測定試験を行うためのものであり、フォトダイオード(PD:Photodiode)133’により構成し得る。
また、試験機能が複数種類あることに対応し、光測定器100’は、複数の光コネクタ(図10において白抜きの長方形として図示)を備えている。図10に示す例においては、3つの光コネクタC1’〜C3’がこれに該当する。ここで、光コネクタC1’は、1650nmの光パルス試験用の光コネクタであり、光コネクタC2’は、1310nmの光パルス試験用の光コネクタであり、光コネクタC3’は、1310nmおよび1550nmの光パワー測定試験用の光コネクタである。
上述したように、光線路試験装置10’には、各IDM架に収納された複数の親ファイバセレクタ20a’が接続されている。したがって、光線路試験装置10’において、どのIDM架に引き込まれた光ファイバを試験対象とするかを選択する、すなわち、どのIDM架に収納された親ファイバセレクタ20a’を光測定器100’と接続するかを切り替える必要がある。更に、光測定器100’は、上述した4種類の試験機能を有している。したがって、光線路試験装置10’において、どの試験機能を利用するかを選択する、すなわち、親ファイバセレクタ20a’を、光測定器100’の光コネクタC1’〜C3’のうち、どの光コネクタと接続するかを切り替える必要がある。光線路試験装置10’の備える測定器成端架選択装置200’は、このための構成である。
図10に示す例において、測定器成端架選択装置200’は、複数の光線路側ポート(PA1〜PA20)、および、複数の試験器側ポート(PB1〜PB6)を備えている。なお、図10に示すように、光線路試験システム1’が5台のIDM架(IDM架54およびIDM架54’)により構成されている場合、光線路側ポートPA1〜PA20のうち、6個目以降の光線路側ポートPA6〜PA20は省略可能である。また、図10に示すように、光測定器100’が3個の光コネクタC1’〜C3’を含んでいる場合、試験器側ポートPB1〜PB6のうち、4個目以降の試験器側ポートPB4〜PB6は省略可能である。
測定器成端架選択装置200’の備える光線路側ポートPA1〜20の各々には、測定器成端架選択装置200’と同じIDM架54に収納された親ファイバセレクタ20’a、および、他のIDM架54’に収納された親ファイバセレクタ20’aの何れかを接続することができる。図10に示した例では、IDM架54およびIDM架54’に収納された5台の親ファイバセレクタ20’aが測定器成端架選択装置200’の光線路側ポートPA1〜PA5に接続されている。
一方で、測定器成端架選択装置200’の備える試験器側ポートPB1〜PB3は、それぞれ、光測定器100’の備える光コネクタC1’〜C3’に接続されている。また、試験器側ポートPB1に接続された光ファイバFB1には、波長1650nmの光(パルス光およびその後方散乱光)を選択的に透過するバンドパスフィルタ201’が挿入されている。また、試験器側ポートPB3に接続された光ファイバFB3は、WDMカプラ204’によって2本の光ファイバFB3a〜FB3bに分岐されている。そして、光ファイバFB3aには、波長1310nmの光(信号光)を選択的に透過するフィルタ202’が、また、光ファイバFB3bには、波長1550nmの光(信号光)を選択的に透過するフィルタ203’が、それぞれ挿入されている。
測定器成端架選択装置200’は、試験器側ポートPB1〜PB6に接続された7本の光ファイバ(以下「試験器側光ファイバ」と記載)群FB1〜FB6のうち、選択された試験機能に対応した試験器側光ファイバの末端と、光線路側ポートPA1〜PA20に接続された20本の光ファイバ(以下「光線路側光ファイバ」と記載)群FA1〜FA20のうち、選択された(通信用)光ファイバに対応した光線路側光ファイバの末端とを接続する。例えば、親ファイバセレクタ20a’を介して光線路側ポートPA3に接続された(通信用)光ファイバに関して、1310nmの光パルス試験を行う場合、測定器成端架選択装置200’は、試験器側ポートPB2に接続された試験器側光ファイバFB2の末端と、光線路側ポートPA3に接続された光線路側光ファイバFA3の末端とを接続する。
このように、測定器成端架選択装置200’は、複数の親ファイバセレクタ20a’の何れかを光測定器100’の備える複数の光コネクタC1’〜C3’の何れかに接続するための構成であり、試験器側光ファイバ群FB1〜FB6を移動するためのファイバ移動機構、および、移動した試験器側光ファイバ群FB1〜FB6を固定するためのファイバ固定機構を備えている必要がある。
測定器成端架選択装置200’の構成例を図11(a)に示す。図11(a)に示す測定器成端架選択装置200’においては、選択された試験機能に対応した試験器側光ファイバと選択された(通信用)光ファイバに対応した光線路側光ファイバとが共通のV字溝上に載置されるようにファイバ移動機構(不図示)が試験器側光ファイバ群FB1〜FB6を移動した後、ファイバ固定機構として機能する押圧具205’を降下させて試験器側光ファイバ群FB1〜FB6を押圧固定する構成が採用されている。
一般に、このようなファイバ移動機構およびファイバ固定機構は、測定器側光ファイバおよび光線路側光ファイバの本数が多いほど複雑な機構となり、高い工作精度が要求される。例えば、図11(a)に示す構成例においては、選択された試験機能に対応した試験器側光ファイバと選択された(通信用)光ファイバに対応した光線路側光ファイバとが共通のV字溝上に載置されるように、試験器側光ファイバ群FB1〜FB6を精度良く移動するファイバ移動機構が必要になる。また、ファイバ固定機構として機能する押圧具205’には、全ての試験器側光ファイバFB1〜FB6を均一に押圧することが要求される。なお、試験器側光ファイバPFBが1本であるファイバセレクタ20aにおいては、ファイバ固定機構として機能する押圧具205に対して、このような要求が課されることはない(図11(b)参照)。
このように、測定器側光ファイバおよび光線路側光ファイバの本数が増えると、測定器成端架選択装置の製造コストが上昇する。また、測定器側光ファイバおよび光線路側光ファイバの本数が増えると、測定器成端架選択装置における故障の発生率が上昇し、信頼性が低下するため、光線路試験システムの維持管理コストの上昇が避けられない。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、測定器成端架選択装置を要しない光線路試験システムを実現し、もって、光線路試験システムの製造コスト、および、維持管理コストを削減することにある。
上記の課題を解決するために、本発明に係る光線路試験システムは、光線路群に直接的又は間接的に接続されるni個の光線路側ポート、及び、該ni個の光線路側ポートの何れかに接続可能な試験器側ポートを有するm台の子ファイバセレクタと(1≦i≦m,m及びniは任意の自然数)、光線路群に接続されるn個の光線路側ポート(nは任意の自然数)、上記m台の子ファイバセレクタの各々が有する試験器側ポートに接続されるm個の光線路側ポート、及び、これらn+m個の光線路側ポートの何れかに接続可能な単一の試験器側ポートを有する1台の親ファイバセレクタと、上記親ファイバセレクタの単一の試験器側ポートに接続された光線路試験装置であって、上記子ファイバセレクタの各々に接続された光線路群、及び、上記親ファイバセレクタに接続された光線路群から選択された対象光線路を試験する光線路試験装置と、を備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、上記m台の子ファイバセレクタおよび上記1台の親ファイバセレクタは、光線路群から対象光線路を選択し、選択された対象光線路は、上記1台の親ファイバセレクタの備える単一の試験器側ポートを介して、上記光線路試験装置に接続される。すなわち、上記の構成によれば、測定器成端架選択装置を用いることなく、光線路群から選択された対象光線路に対する試験を行うことができる。
このように、測定器成端架選択装置を用いることなく光線路群から選択された対象光線路に対する試験を行うことによって、測定器成端架選択装置を有する従来の構成に比べて、光線路試験システムの製造コスト、および、維持管理コストを削減することができる。
何故なら、ファイバセレクタは、通常、複数の予備ファイバを備えているため、上記親ファイバセレクタに対して、光線路群に直接的に接続される光線路側ポートの個数nを保ちつつ、上記m台の子ファイバセレクタの各々に接続されるm個の光線路側ポートを増設することは容易である。測定器成端架選択装置を省略することによるコストの低下分は、これらm個の光線路側ポートを増設することに伴う製造コストの上昇分よりも大きいため、全体として製造コストを削減することができる。また、親ファイバセレクタに対して、光線路側ポートを増設したとしても、故障率はほとんど上昇しないため、測定器成端架選択装置を用いる従来の構成に比べて、維持管理コストを削減することができる。
また、非特許文献1に記載された光線路試験システムと比べて、本発明の光線路試験システムには、以下のようなメリットがある。
非特許文献1に記載された光線路試験システムにおいては、光線路試験装置に直接接続できるファイバセレクタの台数が、その光線路試験装置に内蔵された測定器成端架選択装置に設けられた光線路側ポートの個数に一致する。したがって、光線路試験装置に接続するファイバセレクタの台数を増加させたい場合、測定器成端架選択装置に設ける光線路側ポートの個数を増加させて光線路試験装置に直接接続できるファイバセレクタの台数を増やす必要がある。
しかしながら、測定器成端架選択装置に設ける光線路側ポートの個数を増加させて光線路試験装置に直接接続できるファイバセレクタの台数を増やすことは困難である。何故なら、測定器成端架選択装置は、光線路試験装置に内蔵されているので、光線路側ポートの個数を増加させるために、そのサイズを大型化することができないからである。
一方、上記の構成においては、光線路試験装置に直接接続できる子ファイバセレクタの台数が、光線路試験装置と共に光配線モジュール架に収納可能な親ファイバセレクタに設けられた光線路側ポートの個数に一致する。したがって、親ファイバセレクタに設ける光線路側ポートの個数を増加させて光線路試験装置に接続できる子ファイバセレクタの台数を増やすことが容易である。また、非特許文献1に記載された光線路試験システムと比べて、光線路試験装置のサイズを小さくすることができる。
なお、光線路群と光線路側ポートとが間接的に接続されるとは、例えば、光線路側ポートが光スイッチやファイバセレクタ等の光学部品を介して光線路群に接続されることを指す。また、光線路群と光線路側ポートとが直接的に接続されるとは、光線路側ポートがこのような光学部品を介さずに光ファイバのみを用いて光線路群に接続されることを指す。
また、上記光線路試験システムは、k台のファイバセレクタを収納可能なm−k+2台の光配線モジュール架と(kはmよりも小さい自然数)、上記m台の子ファイバセレクタのうちk−1台の子ファイバセレクタを除くm−k+1台の子ファイバセレクタの各々について、光線路群に接続された複数の光線路側ポート、および該子ファイバセレクタの光線路側ポートに接続された試験器側ポートを有するk−1台の孫ファイバセレクタとを備えており、上記m台の子ファイバセレクタのうち、上記k−1台の子ファイバセレクタは、上記光線路試験装置と共に1台の光配線モジュール架に収納されており、上記m−k+1台の子ファイバセレクタの各々は、上記k−1台の孫ファイバセレクタと共に、m−k+1台の光配線モジュール架の各々に収納されている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、上記m−k+1台の子ファイバセレクタの各々の光線路側ポートには、光線路群に接続された複数の光線路側ポートを有するk−1台の孫ファイバセレクタが接続されるため、子ファイバセレクタの個数を増やすことなく、より多くの光線路よりなる光線路群から選択した対象光線路に対する試験を行うことができる。
また、上記の構成によれば、上記m−k+1台の光配線モジュール架に収納された各々の親ファイバセレクタと、上記1台の光配線モジュール架に収納された光線路試験装置とを1本の光ファイバで接続すればよいので、光配線モジュール架間の光ファイバの引き回しの煩雑さを最小限に留めることができる。
また、上記光線路試験システムは、k台のファイバセレクタを収納可能な光配線モジュール架をL台備えており(kはmよりも小さい自然数、Lは(m+1)/kよりも大きい最小の自然数)、上記m台の子ファイバセレクタのうち、k−1台の子ファイバセレクタは、上記光線路試験装置と共に1台の光配線モジュール架に収納されており、上記m台の子ファイバセレクタのうち、上記k−1台の子ファイバセレクタを除くm−k+1台の子ファイバセレクタは、L−1台の光配線モジュール架に収納されている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、親ファイバセレクタ及び子ファイバセレクタをL台の光配線モジュール架に効率的に配分することができる。
また、非特許文献1に記載された光線路試験システムと比べて、上記の構成には、以下のようなメリットがある。
非特許文献1に記載された光線路試験システムにおいて、測定器成端架選択装置に直接接続されたファイバセレクタを親ファイバセレクタとして、各親ファイバセレクタに複数の子ファイバセレクタを接続する構成を採用した場合、測定器成端架選択装置と親ファイバセレクタと子ファイバセレクタとからなる3階層の階層構造が構成されることになるので、挿入損失の増加が避けられない。
一方で、上記の構成においては、親ファイバセレクタと子ファイバセレクタとからなる2階層の階層構造が生じるが、非特許文献1に記載された光線路試験システムにおける上述した3階層の階層構造と比べて挿入損失が小さくて済む。
また、上記光線路試験システムにおいて、上記光線路試験装置は、共通ポートが上記親ファイバセレクタの単一の試験器側ポートに直接的又は間接的に接続された光カプラと、上記光カプラの第1分岐ポートに接続された光パルス試験器であって、上記対象光線路に入力するパルス光を生成する共に、上記対象光線路から取り出した、上記パルス光の後方散乱光の波形を検出する光パルス試験器と、上記光カプラの第2分岐ポートに接続された光パワー測定器であって、上記対象光線路から取り出した信号光のパワーを測定するための光パワー測定器と、を備えている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、上記光カプラの共通ポートを単一の入出力ポートとし、かつ、光パルス試験と光パワー測定との両方を行い得る光線路試験装置を実現することができる。そして、上記のように、上記光カプラの共通ポートと上記親ファイバセレクタの単一の試験器側ポートとを接続する構成を採用することにより、測定器成端架選択装置を要することなく、対象光線路に関する光パルス試験および光パワー測定を行うことができる。したがって、非特許文献1に記載された光線路試験装置に比べて、製造コストおよび維持管理コストの低い構成によって対象光線路に関する光パルス試験および光パワー測定を行うことができる。
また、上記の構成によれば、光パルス試験と光パワー試験との切り替えを測定器成端架選択装置の備えるファイバ移動機構を作動させることによって行っていた非特許文献1の光線路試験システムに比べて、光パルス試験と光パワー試験との切り替えに要する時間を短縮することができる。
また、上記の構成によれば、上記の光パルス試験と光パワー測定とを同時に行うことも可能であるので、光線路試験に要する時間を更に短縮することもできる。
なお、光カプラの共通ポートと親ファイバセレクタの試験器側ポートとが間接的に接続されるとは、例えば、これらのポートが光スイッチ等の光学部品(ただし、測定器成端架選択装置を除く)を介して接続されることを指す。また、光カプラの共通ポートと親ファイバセレクタの試験器側ポートとが直接的に接続されるとは、これらのポートがこのような光学部品を介さずに光ファイバのみを用いて接続されることを指す。
また、上記光線路試験システムにおいて、上記光線路試験装置は、上記親ファイバセレクタの単一の試験器側ポートに接続される光線路側ポート、並びに、何れか一方が該光線路側ポートに接続される第1試験器側ポート及び第2試験器側ポートを有する光スイッチを更に備え、上記光パルス試験器は、共通ポートが上記光カプラを介して上記光スイッチの上記第1分岐ポートに接続される第1分岐カプラと、該第1分岐カプラの第1分岐ポートに接続された第1光源であって、第1の波長を有するパルス光を生成する第1光源と、共通ポートが上記光スイッチの上記第2試験器側ポートに接続される第2分岐カプラと、該第2分岐カプラの第1分岐ポートに接続された第2光源であって、上記第1の波長とは異なる第2の波長を有するパルス光を生成する第2光源と、第1分岐ポートが上記第1分岐カプラの第2分岐ポートに接続され、第2分岐ポートが上記第2分岐カプラの第2分岐ポートに接続された合波カプラと、上記合波カプラの共通ポートに接続された光検出器であって、上記第1波長を有するパルス光の後方散乱光、及び、上記第2の波長を有するパルス光の後方散乱光を電気信号に変換する光検出器と、を含んでいる、ことが好ましい。
上記の構成によれば、上記光線路試験装置は、上記親ファイバセレクタの単一の試験器側ポートに接続される光線路側ポート、並びに、何れか一方が該光線路側ポートに接続される第1試験器側ポート及び第2試験器側ポートを有する光スイッチを備えている。また、上記親ファイバセレクタは、複数の光線路側ポートを備えている。
したがって、上記親ファイバセレクタと上記光スイッチとによって、上記親ファイバセレクタの備えるn+m個の光線路側ポートの何れかを、上記光スイッチの備える2個の試験器側ポートの何れかに接続する構成が実現される。
また、上記の構成において、上記第1光源は、上記第1分岐カプラおよび上記光カプラを介して上記光スイッチの第1試験器側ポートに接続されており、上記第2光源は、上記第2の分岐カプラを介して上記光スイッチの第2試験器側ポートに接続されている。また、上記光検出器は、上記合波カプラ、上記第1の分岐カプラ、および上記光カプラを介して上記光スイッチの第1試験器側ポートに接続されており、上記合波カプラおよび上記第2の分岐カプラを介して上記光スイッチの第2の試験器側ポートにも接続されている。
したがって、上記の構成によれば、2つの波長に関する光パルス試験を実行可能な光線路試験装置であって、測定器成端架選択装置を要しない光線路試験装置を実現することができる。
上記の課題を解決するために、本発明に係る光線路試験システムは、光線路群に直接的又は間接的に接続されるni個の光線路側ポート、及び、該ni個の光線路側ポートの何れかに接続可能な試験器側ポートを有するm台の子ファイバセレクタと(1≦i≦m,m及びniは任意の自然数)、光線路群に接続されるn個の光線路側ポート(nは任意の自然数)、上記m台の子ファイバセレクタの各々が有する試験器側ポートに接続されるm個の光線路側ポート、及び、これらn+m個の光線路側ポートの何れかに接続可能なx個の試験器側ポート(xは任意の自然数)を有する1台の親ファイバセレクタと、上記親ファイバセレクタのx個の試験器側ポートの各々に接続されるx個の光線路側ポートを有する光測定器を内蔵した光線路試験装置であって、上記子ファイバセレクタの各々に接続された光線路群、及び、上記親ファイバセレクタに接続された光線路群から選択された対象光線路を試験する光線路試験装置と、を備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、親ファイバセクタの測定器側ポートの個数と光測定器の光線路側ポートの個数とが同数(共にx個)であるため、親ファイバセレクタと光測定器とを、測定器成端架選択装置や光スイッチなどを介することなく、互いに接続することができる。
測定器成端架選択装置を用いる必要がないので、製造コスト及び維持管理コストを従来の光線路試験システムよりも低く抑えることができる。また、測定器成端架選択装置を用いる必要がないことに加え、光スイッチを用いる必要もないため、光線路試験装置のサイズを小さく抑えることができる。
本発明に係る光線路試験システムにおいては、xが2である場合、(1)上記親ファイバセレクタが、上記光測定器の2つの光線路側ポートの何れか一方に入射する通信光を遮断する遮断機能を有しているか、あるいは、(2)上記光測定器の2つの光線路側ポートの何れか一方に入射する通信光を遮断する遮断手段を更に備えている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、或る光線路に関する試験に、他の光線路を伝播する通信光が影響を与えるという問題を回避することができる。
以上のように、本発明によれば、光線路試験システムの製造コスト、および、維持管理コストを削減することができる。
本発明に係る光線路試験システムの実施形態について、図面に基づいて説明すれば以下の通りである。本実施形態に係る光線路試験システムは、アクセスネットワークを構成する光ファイバ(光線路)から、試験対象となる対象光ファイバを選択し、選択した対象光ファイバについて、断線や損失増加等の物理的障害の有無、および、それらの物理的障害が生じた場所などを検知するために用いられる。
〔第1の実施形態〕
図1は、第1の実施形態に係る光線路試験システム1の構成を示すブロック図である。図1に示すように、光線路試験システム1は、親ファイバセレクタ(FS:Fiber Selector)20a、m個の子ファイバセレクタ20b1〜20bm(mは子ファイバセレクタの総数)、および、光線路試験装置(OTM:Optical Test Module)10を備えている。
親ファイバセレクタ20aおよび子ファイバセレクタ20b1〜20bmは、複数の通信用光ファイバよりなる光ファイバ群から、光線路試験装置10に接続する1本の対象光ファイバを選択するために用いられる。
1台の親ファイバセレクタ20a、およびm台の子ファイバセレクタ20b1〜20bmを、k台のファイバセレクタを収納可能な複数のIDM架に収納する場合、m−k+2台のIDM架を用いればよい。また、光線路試験システム1は、上記m台の子ファイバセレクタ20b1〜20bmのうちk−1台の子ファイバセレクタを除くm−k+1台の子ファイバセレクタの各々について、光ファイバ群に接続された複数の光線路側ポート、および子ファイバセレクタの光線路側ポートに接続された試験器側ポートを有するk−1台の孫ファイバセレクタを備える構成とすることができる。
図1に示すように、各IDM架に収納可能なファイバセレクタの台数が4台の場合、m台の子ファイバセレクタ20b1〜20bmのうち、3台の子ファイバセレクタ20b1〜20b3は、親ファイバセレクタ20aと共に1台のIDM架54に収納され、m−3台の子ファイバセレクタ20b4〜20bmの各々は、3台の孫ファイバセレクタと共に、m−3台のIDM架54’の各々に収納される。
このような構成を採用することによって、光線路試験システム1は、より多くの通信光ファイバよりなる光ファイバ群から、試験対象となる1本の対象光ファイバを選択し、選択した対象光ファイバについての試験を行うことができる。また、各IDM架54’とIDM架54とを1本の光ファイバで接続すればよいので、IDM架間の光ファイバの引き回しの煩雑さを最小限に留めることができる。また、IDM架に1台の親ファイバセレクタと3台の子ファイバセレクタが収納される従来の光線路試験システムと同様の制御方向によって制御することができるため、従来の光線路試験システムとの互換性が高いという利点もある。
子ファイバセレクタ20bk(kは1≦k≦mを満たす任意の整数)は、図1に示すように、光ファイバ群に接続される複数の光線路側ポートDPAk_1〜DPAk_nk(nkは子ファイバセレクタ20bkの備える光線路側ポートの総数)、および、これら複数の光線路側ポートの何れかに選択的に接続される試験器側ポートDPBkを備えている。また、光線路側ポートDPAq_1〜DPAq_3(qは4≦q≦mを満たす任意の整数)は、それぞれ、孫ファイバセレクタを介して光ファイバ群に接続されており、光線路側ポートDPAq_4〜DPAq_nqは、光ファイバ群に直接接続されている。なお、子ファイバセレクタ20bkの備える光線路側ポートの総数nkは、例えば、2000程度である。したがって、子ファイバセレクタ20b1〜20b3の各々が備える光線路側ポートには、例えば、1000本程度の通信用光ファイバから引き出された1000対(2000本)程度の伝送用光ファイバを接続することができる。また、孫ファイバセレクタの備える光線路側ポートの総数も、例えば、2000程度である。したがって、子ファイバセレクタ20bqの備える光線路側ポートには、1000本程度の通信用光ファイバから引き出された1000対(2000本)程度の伝送用光ファイバを直接接続することができると共に、3000本程度の通信用光ファイバから引き出された3000対(6000本)程度の伝送用光ファイバを、孫ファイバセレクタを介して接続することができる。ただし、本実施形態は、子ファイバセレクタ20bkおよび孫ファイバセレクタの備える光線路側ポートの具体的な総数によって限定されるものではない。また、光線路試験システム1の構成は、図1に示した例に限定されるものではなく、子ファイバセレクタ20b1〜20b3の各々が備える光線路側ポートの少なくとも何れかを、孫ファイバセレクタを介して光ファイバ群に接続する構成としてもよい。
一方で、親ファイバセレクタ20aは、図1に示すように、m+n個の光線路側ポートPPA1〜PPAm+n、および、これらm+n個の光線路側ポートの何れかに選択的に接続される単一の試験器側ポートPPBを備えている。また、これらm+n個の光線路側ポートのうちm個の光線路側ポートPPA1〜PPAmは、それぞれ、伝送用光ファイバを介して、子ファイバセレクタ20b1〜20bmの備える試験器側ポートDPB1〜DPBmに接続されており、これらm+n個の光線路側ポートのうちn個の光線路側ポートPPAm+1〜PPAm+nは、複数の通信用光ファイバよりなる光ファイバ群に接続されている。また、親ファイバセレクタ20aの備える試験器側ポートPPBは、伝送用光ファイバを介して、光線路試験装置10の備える単一の光コネクタC(図1において白抜きの長方形として図示)に接続される。
なお、mの値は、例えば20程度であり、nの値は、例えば2000程度である。したがって、親ファイバセレクタ20aの備える光線路側ポートには、20個程度の子ファイバセレクタの試験器側ポートにそれぞれ接続された伝送用光ファイバと、1000本程度の通信用光ファイバから引き出された1000対(2000本)程度の伝送用光ファイバとを接続することができる。ただし、本実施形態は、具体的なnの値によって限定されるものではない。
以上のように、親ファイバセレクタ20a、および、子ファイバセレクタ20b1〜20bmは、合計n+n1+n2+・・・+nm本の光ファイバから、試験対象となる1本の対象光ファイバを選択し、選択した対象光ファイバを、光線路試験装置10に接続する。
なお、光線路試験システム1の構成は、図1に示した例に限られるものではない。例えば、光線路試験システム1は、上述した孫ファイバセレクタを備えない構成とし、1台の親ファイバセレクタ20aとm台の子ファイバセレクタ20b1〜20bmとを、k台のファイバセレクタを収納可能な複数のIDM架に収納する構成としてもよい。この場合、(m+1)/k以上の自然数のうち最小のものをLとして、L台のIDM架を用いればよい。より具体的には、図2に示すように、各IDM架に収納可能なファイバセレクタの台数が4台の場合、(m+1)/4以上の自然数のうち最小のものをLとして、L台のIDM架を用いればよい。より具体的には、図1に示すように、m台の子ファイバセレクタ20b1〜20bmのうち、3台の子ファイバセレクタ20b1〜20b3を、親ファイバセレクタ20aと共にIDM架54に収納し、残りm−3台の子ファイバセレクタ20b4〜20bmを他のL−1台のIDM架54’に4台ずつ収納すればよい。
このような構成の場合、孫ファイバセレクタを用いずに、親ファイバセレクタと子ファイバセレクタとによって、対象光ファイバを選択することができるので、孫ファイバセレクタを用いる構成に比べて、挿入損失を低減させることができる。
光線路試験装置10は、親ファイバセレクタ20aおよび子ファイバセレクタ20b1〜20bmによって選択された1本の対象光ファイバについて、断線や損失増加等の物理的障害の有無、および、それらの物理的障害が生じた場所などを検知するための装置であり、例えば、図1に示すように、光スイッチ11、および、光測定器(OTU:Optical Test Unit)100を備えている。また、光線路試験装置10は、図示しない制御部を備えており、光線路試験装置10の備える各部、並びに、親ファイバセレクタ20aおよび子ファイバセレクタ20b1〜20bmは、この制御部によって制御される。
光スイッチ11は、親ファイバセレクタ20および子ファイバセレクタ20b1〜20bmによって選択された対象光ファイバであって、光線路試験装置10の備える単一の光コネクタCを介して自身の備える光線路側ポート11cに接続されている対象光ファイバを、該対象光ファイバについて行う試験項目に応じて、自身の備える試験器側ポート11aおよび11bの何れか一方に選択的に接続する。また、図1に示すように、試験器側ポート11aおよび11bは、伝送用光ファイバによって、光測定器100の備える単一の光コネクタC1およびC2にそれぞれ接続されている。
光測定器100は、自身の備える光コネクタC1およびC2の何れかに接続された対象光ファイバについて、断線や損失増加等の物理的障害の有無、および、それらの物理的障害が生じた場所などを検知するための構成である。図3は、光測定器100の構成例を示すブロック図である。図3に示すように、光測定器100は、WDMカプラ110、光パルス試験器(OTDR:Optical Time Domain Reflectometer)120、および、光パワー測定器(OPM:Optical Power Meter)130を備えている。
WDMカプラ110は、波長分割多重(Wavelength Division Multiplexing)方式を用いた光カプラであり、(1)自身の備える共通ポート110cより入力される光を、低損失にて複数の波長領域の分波光へと分波し、各分波光を自身の備える第1の分岐ポート110aおよび第2の分岐ポート110bから出力する分波器としての機能と、(2)自身の備える第1の分岐ポート110aおよび第2の分岐ポート110bの各々から入力される各波長領域の光を低損失にて合波することによって合波光を生成し、生成した合波光を自身の備える共通ポート110cより出力する合波器としての機能と、を併せ持っている。
本実施形態におけるWDMカプラ110は、共通ポート110cより入力される光を分波し、1650nmを含む波長領域において高い透過性を有する第1の分波光を第1の分岐ポート110aより出力し、1550nmおよび1310nmの双方を含む波長領域において高い透過性を有する第2の分波光を第2の分岐ポート110bより出力する。また、WDMカプラ110は、後述する分岐カプラ122およびバンドパスフィルタ121を介して光源123から供給される波長1650nmのパルス光を共通ポート110cより出力する。
また、図3に示すように、本実施形態において、共通ポート110cは、伝送用光ファイバを介して光コネクタC1に接続されており、第1の分岐ポート110aは、伝送用光ファイバを介して光パルス試験器120の備えるバンドパスフィルタ(BPF:Band Pass Filter)121に接続されており、第2の分岐ポート110bは、伝送用光ファイバおよび光コネクタを介して光パワー測定器130の備えるWDMカプラ131の共通ポート131cに接続されている。
光パルス試験器120は、光コネクタC1に接続された対象光ファイバについての、波長1650nm(第1の波長)のパルス光を用いた光パルス試験と、光コネクタC2に接続された対象光ファイバについての、波長1310nm(第2の波長)のパルス光を用いた光パルス試験とを行うための構成であり、例えば、図3に示すように、バンドパスフィルタ121、分岐カプラ122、光源123、WDMカプラ124、アバランシェ・フォトダイオード(APD:Avalanche Photodiode)125、分岐カプラ126、および、光源127により構成することができる。バンドパスフィルタ121、分岐カプラ122、および、光源123は、前者の光パルス試験のための構成であり、分岐カプラ126、および、光源127は、後者の光パルス試験のための構成である。また、WDMカプラ124、および、アバランシェ・フォトダイオード125は、何れの光パルス試験においても用いられる構成である。
光パルス試験器120は、光コネクタC1またはC2に接続された対象光ファイバに対して、上述したパルス光を供給し、そのパルス光が対象光ファイバ中を伝播する際に生じる後方散乱光の波形を検出する。
バンドパスフィルタ121は、WDMカプラ110の第1の分岐ポート110aより伝送用光ファイバを介して入力される光のうち、中心波長が1650nmの光を選択的に透過させ、ONU51とOLT52との間の光通信の通信帯域である1310nmおよび1550nmの光を遮断する。バンドパスフィルタ121は、透過後の光を、光ファイバを介して分岐カプラ122の共通ポート122cへと供給する。また、バンドパスフィルタ121は、分岐カプラ122を介して光源123から供給される波長1650nmのパルス光を透過させ、伝送用光ファイバを介してWDMカプラ110の第1の分岐ポート110aへと供給する。
分岐カプラ122は、(1)自身の備える共通ポート122cより入力される光を2つの分波光へと分波し、それらの分波光を自身の備える第1の分岐ポート122aおよび第2の分岐ポート122bからそれぞれ出力する分波器としての機能と、(2)自身の備える第1の分岐ポート122aおよび第2の分岐ポート122bから入力される光を合波することによって、合波光を生成し、生成した合波光を自身の備える共通ポート122cより出力する合波器としての機能と、を併せ持っている。
本実施形態において、分岐カプラ122は、第1の分岐ポート122aに対して伝送用光ファイバを介して光源123より供給される波長1650nmの光を共通ポート122cから出力する。また、分岐カプラ122は、共通ポート122cに対して伝送用光ファイバを介してバンドパスフィルタ121より供給される波長1650nmの光を第2の分岐ポート122bから出力する。なお、分岐カプラ122の分岐比は、例えば、波長領域1650nm付近において3dBとなるように設定されており、共通ポート122cより入力される波長1650nmの光は、1:1の比で分波された後に、各分岐ポートから出力される。ただし、既知の分岐比を有する分岐カプラであれば、どのような分岐比を有する分岐カプラであっても分岐カプラ122として用いることができる。
光源123は、光パルス試験に用いる波長1650nmのパルス光を生成し、生成したパルス光を、伝送用光ファイバを介して分岐カプラ122の第1の分岐ポート122aに供給する。光源123により生成されるパルス光のパルス幅は、例えば、20ns(nano-seconds、ナノ秒)から4μs(micro-seconds、マイクロ秒)までの値をとることが可能である。
また、光源123は、対象光ファイバについての光源試験に用いる変調周波数270Hzの変調光信号を、波長1650nmの光を用いて生成し、生成した変調光信号を分岐カプラ122の第1の分岐ポート122aに供給することもできる。なお、光源試験とは、対象光ファイバに対して変調光信号を入力し、対象光ファイバの終端において、この変調光信号を検出することにより行われる試験である。
分岐カプラ126は、分岐カプラ122と同様に、分波器としての機能と合波器としての機能とを併せ持っている。
本実施形態において、分岐カプラ126は、第1の分岐ポート126aに対して光源127より供給される波長1310nmの光を共通ポート126cから出力する。また、分岐カプラ126は、共通ポート126cに対して伝送用光ファイバおよび光コネクタC2を介して対象光ファイバより供給される波長1310nmの光を第2の分岐ポート126bから出力する。なお、分岐カプラ126の分岐比は、例えば、波長領域1310nm付近において3dBとなるように設定されている。ただし、既知の分岐比を有する分岐カプラであれば、どのような分岐比を有する分岐カプラであっても分岐カプラ126として用いることができる。
光源127は、光パルス試験に用いる波長1310nmのパルス光を生成し、生成したパルス光を、伝送用光ファイバを介して分岐カプラ126の第1の分岐ポート126aに供給する。光源127により生成されるパルス光のパルス幅は、光源123と同様に、例えば、20nsから4μsまでの値をとることが可能であり、ユーザは制御部を介して、光パルス試験において最適なパルス幅を選択することができる。
また、光源127は、対象光ファイバについての光源試験に用いる変調周波数270Hzの変調光信号を、波長1310nmの光を用いて生成し、生成した変調光信号を分岐カプラ126の第1の分岐ポート126aに供給することもできる。
WDMカプラ124は、波長分割多重方式を用いた光カプラであり、WDMカプラ110と同様に、分波器としての機能と合波器としての機能とを併せ持っている。
本実施形態におけるWDMカプラ124は、自身の備える第1の分岐ポート124aに対して分岐カプラ122より供給される波長1650nmの光と、自身の備える第2の分岐ポート124bに対して分岐カプラ126より供給される波長1310nmの光とを、低損失にてアバランシェ・フォトダイオード125に供給するために用いられる。
アバランシェ・フォトダイオード125は、光電効果とアバランシェ増倍現象とを利用した高受光感度のフォトダイオードである。
本実施形態においては、アバランシェ・フォトダイオード125は、WDMカプラ124を介して分岐カプラ122より供給される波長1650nmの光の各時刻における強度と、WDMカプラ124を介して分岐カプラ126より供給される波長1310nmの光の各時刻における強度とをそれぞれ検出するために用いられる。
より具体的には、アバランシェ・フォトダイオード125は、波長1650nmのパルス光を用いた光パルス試験において、光源123より出射され、分岐カプラ122、バンドパスフィルタ121、WDMカプラ110、および、光コネクタC1を介して対象光ファイバに供給されたパルス光の後方散乱光であって、WDMカプラ110、バンドパスフィルタ121、分岐カプラ122、および、WDMカプラ124を介して供給される後方散乱光を受光し、各時刻において、この後方散乱光の強度に応じた電気信号(電流)を出力する。
同様に、アバランシェ・フォトダイオード125は、波長1310nmのパルス光を用いた光パルス試験において、光源127より出射され、分岐カプラ126、および、光コネクタC2を介して対象光ファイバに供給されたパルス光の後方散乱光であって、分岐カプラ126、および、WDMカプラ124を介して供給される後方散乱光を受光し、各時刻において、この後方散乱光の強度に応じた電気信号(電流)を出力する。
なお、上記後方散乱光とは、対象光ファイバに供給されたパルス光が対象光ファイバの各位置において散乱することによって生じる散乱光のうち、そのパルス光の伝播方向と逆方向に伝播する散乱光のことを指す。
また、アバランシェ・フォトダイオード125から出力される各時刻での電気信号は、図示しないデータ取得(Data Acquisition)部によってデジタル化され、制御部に伝達される。制御部は、各時刻での電気信号の大きさを解析することによって、対象光ファイバにおける断線や損失増加等の物理的障害の有無、および、それらの物理的障害が生じた場所などを検知することができる。
図4の(a)は、光パルス試験において、光源123(または光源127)より出力されるパルス光の波形例と、対象光ファイバにキズなどの物理的障害が存在しない場合にそのパルス光によって生じる後方散乱光の波形例と、この後方散乱光を受光したアバランシェ・フォトダイオード125から出力される電気信号の波形例とを示すタイミングチャートである。
図4の(a)に示すように、対象光ファイバにキズなどの物理的障害が存在しない場合には、後方散乱光は、パルス光の出射時刻からの経過時間の増加に伴って減少し、パルス光が対象光ファイバの終端において反射した反射光に対応するピークを有する。
図4の(b)は、光パルス試験において、光源123(または光源127)より出力されるパルス光の波形例と、対象光ファイバにキズなどの物理的障害が存在する場合にそのパルス光によって生じる後方散乱光の波形例と、この後方散乱光を受光したアバランシェ・フォトダイオード125から出力される電気信号の波形例とを示すタイミングチャートである。
図4の(b)に示すように、対象光ファイバにキズなどの物理的障害が存在する場合には、後方散乱光は、その物理的障害によって反射された反射光に対応するピークと、パルス光が対象光ファイバの終端において反射した反射光に対応するピークとを有する。
制御部は、光源123によりパルス光が出射されてから上記物理的障害に起因するピークが観測されるまでの時間間隔を検出し、検出した時間間隔に基づいて、対象光ファイバにおける上記物理的障害までの距離を算出することができる。
光パワー測定器130は、対象光ファイバから取り出した信号光のパワーを検出するための構成である。より具体的に言うと、光パワー測定器130は、光パワー測定試験において、ONU51からOLT52に向かう上り用の信号光(波長1310nm)、および、OLT52からONU51に向かう下り用の信号光(波長1550nm)のパワーを検出するための構成であり、例えば、図3に示すように、WDMカプラ131、フィルタ132、フォトダイオード(PD:Photodiode)133、フィルタ134、および、フォトダイオード135により構成することができる。フィルタ132、および、フォトダイオード133は、波長1310nmの信号光のパワーを検出するための構成であり、フィルタ134、および、フォトダイオード135は、波長1550nmの信号光のパワーを検出するための構成である。また、WDMカプラ131は、何れの信号光のパワーを検出する際にも用いられる構成である。
WDMカプラ131は、波長分割多重方式を用いた光カプラであり、WDMカプラ110と同様に、分波器としての機能と合波器としての機能とを併せ持っている。ただし、WDMカプラ131は、WDMカプラ110と異なり、自身の備える共通ポート131cより入力される信号光を分波し、1310nmを含む波長領域において高い透過性を有する第1の分波光を、自身の備える第1の分岐ポート131aより出力し、1550nmを含む波長領域において高い透過性を有する第2の分波光を、自身の備える第2の分岐ポート131bより出力する。
また、図3に示すように、本実施形態において、共通ポート131cは、WDMカプラ110の第2の分岐ポート110bに接続されており、第1の分岐ポート131aは、フィルタ132に接続されており、第2の分岐ポート131bは、フィルタ134に接続されている。
フィルタ132は、伝送用光ファイバを介してWDMカプラ131の第1の分岐ポート131aより供給される信号光のうち、中心波長が1310nmの信号光を選択的に透過させ、透過後の信号光をフォトダイオード133に供給する。
フォトダイオード133は、フィルタ132より供給される信号光を受光し、受光した信号光のパワーに応じた電気信号(電流)を出力する。出力された電気信号は、図示しないデータ取得部によってデジタル化され、制御部に伝達される。制御部は、WDMカプラ110、WDMカプラ131、および、フィルタ132を介して対象光ファイバより供給される波長1310nmの信号光のパワーを、上記電気信号の大きさに基づいて算出することができる。
フィルタ134は、伝送用光ファイバを介してWDMカプラ131の第2の分岐ポート131bより供給される信号光のうち、中心波長が1550nmの信号光を選択的に透過させ、透過後の信号光をフォトダイオード135に供給する。
フォトダイオード135は、フィルタ134より供給される信号光を受光し、受光した信号光のパワーに応じた電気信号(電流)を出力する。出力された電気信号は、図示しないデータ取得部によってデジタル化され、制御部に伝達される。制御部は、WDMカプラ110、WDMカプラ131、および、フィルタ134を介して対象光ファイバより供給される波長1550nmの信号光のパワーを、上記電気信号の大きさに基づいて算出することができる。
なお、本実施形態において、光パワー測定器130が光コネクタ(図3において白抜きの長方形として図示)を介してWDMカプラ110に接続されているため、光パワー測定器130を光線路試験装置10から簡単に取り外すことができる。したがって、光パワー測定を利用しないユーザに対しては、光パワー測定器130を取り外したシンプルな構成で出荷するなどのカスタムメイドを容易に実現することができる。
また、本実施形態において、光線路試験システム1は、測定器成端架選択装置を要する非特許文献1に記載の光線路試験システムに比べて、単純な構成によって実現することができる。したがって、光線路試験システム1における故障の発生率が低減するので、光線路試験システム1の信頼性が向上する。
以上のように、本発明に係る光線路試験システム1は、光ファイバ群に接続されるni個の光線路側ポートDPAi_1〜DPAi_ni、及び、該ni個の光線路側ポートの何れかに接続される試験器側ポートDPBiを有するm台の子ファイバセレクタ20b1〜20bmと(1≦i≦m,m及びniは任意の自然数)、光ファイバ群に接続されるn個の光線路側ポートPPAm+1〜PPAm+n(nは任意の自然数)、上記m台の子ファイバセレクタ20b1〜20bmの各々が有する試験器側ポートに接続されるm個の光線路側ポートPPA1〜PPAm、及び、これらn+m個の光線路側ポートの何れかに接続される単一の試験器側ポートPPBを有する1台の親ファイバセレクタ20aと、上記親ファイバセレクタ20aの単一の試験器側ポートPPBに接続された光線路試験装置10であって、上記子ファイバセレクタ20b1〜20bmの各々に接続された光ファイバ群、及び、上記親ファイバセレクタ20aに接続された光ファイバ群から選択された対象光ファイバを試験する光線路試験装置10と、を備えている。
上記のように構成された本発明に係る光線路試験システム1によれば、光線路試験システム1の製造コスト、および、維持管理コストを削減することができる。
<変形例1>
本実施形態に係る光線路試験システム1の備える光測定器100の構成は、上述した例に限定されるものではない。ここでは、本実施形態の第1の変形例に係る光測定器100について、図5を参照して説明する。
本変形例に係る光測定器100における光パルス試験器120は、波長1650nmの光および波長1310nmの光を用いた光パルス試験に加えて、波長1550nmの光を用いた光パルス試験をも行うことができる構成である。本変形例における光パルス試験器120は、例えば、図5に示すように、既に説明したバンドパスフィルタ121、分岐カプラ122、光源123、WDMカプラ124、アバランシェ・フォトダイオード125、および、分岐カプラ126に加えて、光源128、WDMカプラ129、フィルタ140、および、アバランシェ・フォトダイオード141を備えることによって構成することができる。
本変形例において、フィルタ140およびアバランシェ・フォトダイオード141は、波長1550nmの光を用いた光パルス試験を行うための構成であり、光源128、分岐カプラ126、WDMカプラ129は、波長1550nmの光を用いた光パルス試験、および、波長1310nmの光を用いた光パルス試験の双方において用いられる構成である。また、本変形例において、WDMカプラ124およびアバランシェ・フォトダイオード125は、波長1310nmの光を用いた光パルス試験にも用いられる。
光源128は、光パルス試験に用いる波長1310nmのパルス光および波長1550nmのパルス光を生成し、生成したパルス光を、伝送用光ファイバを介して分岐カプラ126の第1の分岐ポート126aに供給する。光源128により生成されるパルス光のパルス幅は、光源123と同様に、例えば、20nsから4μsまでの値をとることが可能であり、ユーザは制御部を介して、光パルス試験において最適なパルス幅を選択することができる。
また、光源128は、対象光ファイバについての光源試験に用いる変調周波数270Hzの変調光信号を、波長1310nmの光または波長1550nmの光を用いて生成し、生成した変調光信号を分岐カプラ126の第1の分岐ポート126aに供給することもできる。
WDMカプラ129は、波長分割多重方式を用いた光カプラであり、WDMカプラ110と同様に、分波器としての機能と合波器としての機能とを併せ持っている。また、WDMカプラ129は、自身の備える共通ポート129cより入力される光を分波し、1550nmを含む波長領域において高い透過性を有する第1の分波光を自身の備える第1の分岐ポート129aより出力し、1310nmを含む波長領域において高い透過性を有する第2の分波光を自身の備える第2の分岐ポート129bより出力する。
また、図5に示すように、本変形例において、共通ポート129cは、分岐カプラ126の第2の分岐ポート126bに接続されており、第1の分岐ポート129aは、フィルタ140に接続されており、第2の分岐ポート129bは、伝送用光ファイバおよび光コネクタを介してWDMカプラ124の第2の分岐ポート124bに接続されている。
本変形例において、波長1310nmのパルス光を用いた光パルス試験を行う場合、光源128より出射され、分岐カプラ126および光コネクタC2を介して対象光ファイバに供給された波長1310nmのパルス光の後方散乱光は、分岐カプラ126、WDMカプラ129、および、WDMカプラ124を介して、アバランシェ・フォトダイオード125に供給される。
フィルタ140は、伝送用光ファイバを介してWDMカプラ129の第1の分岐ポート129aより供給される光のうち、中心波長が1550nmである光を選択的に透過させ、透過後の光をアバランシェ・フォトダイオード141に供給する。
アバランシェ・フォトダイオード141は、アバランシェ・フォトダイオード125と同様に、光電効果とアバランシェ増倍現象とを利用した高受光感度のフォトダイオードである。本変形例においては、アバランシェ・フォトダイオード141は、WDMカプラ129を介して分岐カプラ126より供給される波長1550nmの光の強度を検出するために用いられる。
より具体的には、アバランシェ・フォトダイオード141は、波長1550nmのパルス光を用いた光パルス試験において、光源128より出射され、分岐カプラ126および光コネクタC2を介して対象光ファイバに供給された波長1550nmのパルス光の後方散乱光であって、分岐カプラ126、WDMカプラ129、および、フィルタ140を介して供給される後方散乱光を受光し、各時刻において、この後方散乱光の強度に応じた電気信号(電流)を出力する。アバランシェ・フォトダイオード141から出力される各時刻での電気信号は、図示しないデータ取得部によってデジタル化され、制御部に伝達される。制御部は、各時刻での電気信号の大きさを解析することによって、対象光ファイバにおける断線や損失増加等の物理的障害の有無、および、それらの物理的障害が生じた場所などを検知することができる。
<変形例2>
以下では、本実施形態の第2の変形例に係る光線路試験システム1の備える光測定器100について、図6を参照して説明する。
本変形例に係る光線路試験システム1における光パルス試験器120は、波長1650nmの光を用いた光パルス試験を行うための構成であり、例えば、図6に示すように、バンドパスフィルタ121、分岐カプラ122、光源123、WDMカプラ124、および、アバランシェ・フォトダイオード125を備える一方で、既に説明した分岐カプラ126、光源127、光源128、WDMカプラ129、フィルタ140、および、アバランシェ・フォトダイオード141の何れをも備えていない構成とすることができる。なお、本変形例における光パワー測定器130の構成はすでに説明した構成と同じである。
本変形例においては、光測定器100に接続される対象光ファイバの本数が1本であるため、本変形例に係る光線路試験システム1は、光スイッチ11を備えない構成とすることができ、親ファイバセレクタ20によって選択された対象光ファイバが、WDMカプラ110の共通ポート110cに直接接続される構成とすることができる。
このように、本変形例に係る光線路試験システム1においては、光スイッチ11が省略されているので、製造コスト、および、維持管理コストを更に削減することができる。
〔第2の実施形態〕
図7は、第2の実施形態に係る光線路試験システム1の構成を示すブロック図である。図7に示すように、本実施形態に係る光線路試験システム1は、第1の実施形態に係る光線路試験システム1と同様、親ファイバセレクタ20a、m個の子ファイバセレクタ20b1〜20bm、および、光線路試験装置10を備えている。
本実施形態に係る光線路試験システム1と第1の実施形態に係る光線路試験システム1との相違点は、以下のとおりである。
(1)第1の実施形態においては、親ファイバセレクタ20aが単一の試験器側ポートPPBを備えているのに対し、本実施形態においては、親ファイバセレクタ20aは2つの試験器側ポートPPB1〜PPB2を備えている点。
(2)第1の実施形態においては、親ファイバセレクタ20aの試験器側ポートPPBが、光スイッチ11を介して光測定器100の2つの光コネクタ(光線路側ポート)C1〜C2に接続されるのに対して、本実施形態においては、親ファイバセレクタ20aの2つの試験器側ポートPPB1〜PPB2が、それぞれ、光スイッチ11を介さずに光測定器100の2つの光コネクタ(光線路側ポート)C1〜C2に接続される点。
このように、2つの試験器側ポートPPB1〜PPB2を有する親ファイバセレクタ20aを用いれば、光スイッチ11を省くことができる。より一般的に言えば、光測定器100の光コネクタと同数の試験器側ポートPPB1〜PPB2を有する親ファイバセレクタ20aを用いれば、光スイッチ11を省くことができる。これにより、光線路試験装置10をより小型化することが可能になる。なお、本実施形態に係る光線路試験システム1は、上述した相違点を除いて第1の実施形態に係る光線路試験システム1と同様に実施することができる。例えば、光測定器100の構成としては、図3に示すものを用いても良いし、図5に示すものを用いてもよい。
ただし、親ファイバセレクタ20aの2つの試験器側ポートPPB1〜PPB2を光測定器100の2つの光コネクタC1〜C2に同時に接続する構成を採用すると、或る光線路に関する試験に他の光線路を伝播する通信光が影響を与えてしまうという問題を生じ得る。例えば、光測定器100を図5のように構成した場合、或る光線路に関する1650nmの光パルス試験に他の光線路を伝播する波長1310nmの通信光が影響を与えてしまうという問題を生じる。これは、1650nmの光パルス試験を行っている際にも、光コネクタC2から光測定器100に入射した波長1310nmの通信光がAPD125に到達してしまうためである(図5参照)。
このような問題を回避するためには、光コネクタC1〜C2の何れか一方に入射する通信光を遮断する機能を付加することが望ましい。特に、光測定器100を図5のように構成する場合、1650nmの光パルス試験時に光コネクタC2に入射する波長1310nmの通信光を遮断する機能を付加することが望ましい。
このような機能を有する親ファイバセレクタ20aの構成例を図11(c)に示す。同図において、PFA1〜PFAm+nは、それぞれ、光線路側ポートPPA1〜PPAm+nに接続される光線路側ファイバ(固定ファイバ)を示す。また、PFB1〜PFB2は、それぞれ、試験器側ポートPPB1〜PPB2に接続される試験器側ファイバ(移動ファイバ)を示す。
図11(c)に示す親ファイバセレクタ20aは、試験器側ファイバPFB1〜PFB2を移動するファイバ移動機構(不図示)を備えている。このファイバ移動機構によって、試験器側ファイバPFB1〜PFB2のうち、選択された試験機能に対応した試験器側ファイバが、光線路側ファイバPFA1〜PFAm+nのうち、選択された光線路に対応した光線路側ファイバと共通のV字溝上に載置される。また、図11(c)に示す親ファイバセレクタ20aは、押圧具205a〜205bを備えている。この押圧具205a〜205bによって、試験器側ファイバPFB1〜PFB2のうち、選択された試験機能に対応した試験器側ファイバの末端と、光線路側ファイバPFA1〜PFAm+nのうち、選択された光ファイバに対応した光線路側ファイバの末端とが接続される。
図11(c)に示す親ファイバセレクタ20aにおいて注目すべき点は、試験器側ファイバPFB1を押圧するための押圧具205aと、試験器側ファイバPFB2を押圧するための押圧具205bとが個別に設けられている点である。これら2つの押圧具205a〜205bは、互いに独立に作動する。例えば、1650nmの光パルス試験時には、押圧具205aのみを作動させて、試験器側ファイバPFB1のみを光線路側ファイバに接続する。これにより、1650nmの光パルス試験時には、試験器側ファイバPFB2と光線路側ファイバとが接続されないことになる。したがって、1650nmの光パルス試験時には、光コネクタC2に入射する波長1310nmの通信光が親ファイバセレクタ20aにおいて遮断される。
なお、ここでは、光コネクタC1〜C2の何れか一方に入射する通信光を遮断する機能を親ファイバセレクタ20aに担わせる構成について説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、このような機能を担う光シャッターSを付加する構成を採用しても、上述した問題(1650nmの光パルス試験時に波長1310nmの通信光がAPD125に到達して試験結果に影響を与えてしまうという問題)を回避することができる。
光シャッターSを付加した光線路試験システム1の構成を図8に例示する。この光シャッターSは、1650nmの光パルス試験時に光コネクタC2に入射する波長1310nmの通信光を遮断するためのものである。この光シャッターSは、波長1310nmの通信光を遮断するか透過するかを切り替え可能な光学素子であれば、どのような光学素子によって実現してもよいので、光スイッチ11(図1参照)よりもサイズを小さくすることが可能である。
なお、図8においては、光シャッターSを光線路試験装置10の内部に設ける構成を示したが、これに限定されるものではない。光シャッターSは、(1)親ファイバセレクタ20aの試験器側ポートPPB2と光測定器100の光コネクタC2とを繋ぐ光ファイバ上の任意の点、又は、(2)親ファイバセレクタ20aの試験器側ポートPPB2に接続された試験器側ファイバPFB2上の任意の点に挿入することができる。つまり、光シャッターSは、光線路試験装置10の内部に設けてもよいし、光線路試験装置10と親ファイバセレクタ20aとの間に設けてもよいし、親ファイバセレクタ20aの内部に設けてもよい。
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態および変形例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。