JP2013032142A - 車両のブレーキ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ハイブリッド車のブレーキ制御装置は、マスターシリンダ13と、ホイールシリンダ4FL,4FR,4RL,4RRと、VDCブレーキ液圧アクチュエータ2と、統合コントローラ9と、を備え、統合コントローラ9は、停車時モータオフ制御部(ステップS9)と、昇圧勾配制限部(ステップS15〜ステップS20)と、を有する。停車時モータオフ制御部は、ブレーキ操作により車両が停止するとき、VDCモータ21を停止し、車両停止中、VDCモータ21の停止状態を維持したままとする。昇圧勾配制限部は、停車時モータオフ制御を終了すると、ホイールシリンダ圧の昇圧勾配を制限により緩勾配にすると共に、昇圧前にマスターシリンダ圧の発生がある場合の昇圧勾配を、昇圧前にマスターシリンダ圧の発生がない場合の昇圧勾配より緩やかにする。
【選択図】図4
Description
前記マスターシリンダは、ブレーキ操作に応じたマスターシリンダ圧を発生する。
前記ホイールシリンダは、前後輪の各輪に設けられ、ホイールシリンダ圧に応じて各輪に液圧制動力を与える。
前記ブレーキ液圧アクチュエータは、前記マスターシリンダと前記ホイールシリンダとの間に介装され、ポンプモータにより駆動する液圧ポンプと、ホイールシリンダ圧とマスターシリンダ圧の差圧を制御する差圧弁と、を有する。
前記停車時モータオフ制御部は、ブレーキ操作により車両が停止するとき、前記ポンプモータを停止し、車両停止中、前記ポンプモータの停止状態を維持したままとする。
前記昇圧勾配制限部は、車両停止状態からの車速発生により前記停車時モータオフ制御が終了すると、前記ポンプモータの作動再開に伴うホイールシリンダ圧の昇圧勾配を制限により緩勾配にすると共に、昇圧前にマスターシリンダ圧の発生がある場合の昇圧勾配を、昇圧前にマスターシリンダ圧の発生がない場合の昇圧勾配より緩やかにする。
停車時モータオフ制御が終了した時点でホイールシリンダ圧による実減速度が目標減速度より小さいときには、低下しているホイールシリンダ圧を、差圧弁コントロールとポンプアップ昇圧により上昇させる昇圧指令が出力される。
この昇圧指令に対し、昇圧勾配制限部において、昇圧勾配が制限されて緩勾配によりホイールシリンダ圧を上昇させるため、車速発生時、急な減速度の発生や急減するペダル反力の発生が抑えられる。
さらに、昇圧前にマスターシリンダ圧の発生がある場合の昇圧勾配が、昇圧前にマスターシリンダ圧の発生がない場合の昇圧勾配より緩やかにされる。すなわち、マスターシリンダ圧の発生がないときは、リリーフポートが開いていてマスターシリンダ圧が変動せず、マスターシリンダ圧の発生があるときは、リリーフポートが閉じていてマスターシリンダ圧が変動し、ブレーキペダル反力が低下する。このため、昇圧前におけるマスターシリンダ圧の発生有無により、ペダルフィールを優先する昇圧勾配制御と、ドライバの減速度要求を優先する昇圧勾配制御とに切り分けられる。
この結果、停車時モータオフ制御により車両停止状態でのポンプモータの耐久性を確保しつつ、車両停止状態からの車速発生時、違和感を抑えた減速度やペダルフィールを達成することができる。加えて、昇圧前にマスターシリンダ圧の発生があるとき、ペダルフィール違和感や減速度違和感を抑えることができ、昇圧前にマスターシリンダ圧の発生がないとき、ドライバの減速度要求に応えることができる。
実施例1の車両のブレーキ制御装置の構成を、「全体構成」、「回生協調ブレーキ制御のブロック構成」、「回生協調ブレーキ制御の処理構成」に分けて説明する。
図1は、実施例1のブレーキ制御装置を適用した前輪駆動による電動車両の一例であるハイブリッド車の構成を示し、図2は、ブレーキ液圧アクチュエータの一例であるVDCブレーキ液圧アクチュエータを示す。以下、図1及び図2に基づき、VDCを利用した回生協調ブレーキシステムの全体構成を説明する。
図3は、実施例1のブレーキ制御装置における回生協調ブレーキ制御系を示す。以下、図3に基づいて、回生協調ブレーキ制御のブロック構成を説明する。
実施例1の回生協調ブレーキ制御系は、図3に示すように、ブレーキコントローラ7と、モータコントローラ8と、統合コントローラ9と、を備えている。
図4は、実施例1のブレーキ制御装置における統合コントローラ8で実行される回生協調ブレーキ制御処理の流れを示すフローチャートである。以下、図4に基づいて、回生協調ブレーキ制御の処理構成をあらわす各ステップを説明する。なお、この回生協調ブレーキ制御処理は、ブレーキ操作開始が判断された時点からスタートし、ブレーキ操作解除により終了する。
ここで、目標減速度特性マップの補正は、例えば、算出されたブレーキペダル踏み込み速度が、ペダル踏み込み速度情報より速くなっているほど、実マスターシリンダ圧発生開始ポイントまでのロスストロークを短くするようにストローク方向にずらすオフセット補正を施す。なお、目標減速度特性マップが有するペダル踏み込み速度情報と算出されたペダル踏み込み速度が一致するとき、または、両速度差が許容範囲内であるときは、設定されている目標減速度特性マップの補正を要さない。
ここで、モータコントローラ8は、回生分指令を入力すると、回生分を目標回生制動力とし、走行用電動モータ5への回生電流値を決めるフィードフォワード制御により、回生トルク制御を行う。ブレーキコントローラ7は、昇圧分指令を入力すると、昇圧分を目標差圧とし、両M/Cカットソレノイドバルブ25,26への作動電流値を決めるフィードフォワード制御により、差圧コントロールを行う。
ここで、ホイールシリンダ圧指令値は、ペダルストロークに基づいて出力される指令値であり、目標減速度に相当する。一方、ホイールシリンダ圧実値は、車両の減速度を発生する制動液圧センサ値であり、実減速度に相当する。
ここで、ブレーキリリース前の踏み込み量に基づく昇圧勾配は、何ら制限することのない昇圧勾配(図5の昇圧特性C)に対して制限した勾配とするが、制限度合いを下記のように変更演算する。
ブレーキリリース前の踏み込み量が大きいほど車速発生時の昇圧量が大きくなることで、ペダルフィールを優先し、ブレーキリリース前の踏み込み量に基づく昇圧勾配を緩勾配とする(勾配制限大きい)。
一方、ブレーキリリース前の踏み込み量が小さいほど車速発生時の昇圧量が小さくなることで、ドライバの減速要求を優先し、ブレーキリリース前の踏み込み量に基づく昇圧勾配を急勾配とする(勾配制限小さい)。
ここで、路面勾配に基づく昇圧勾配は、何ら制限することのない昇圧勾配(図5の昇圧特性C)に対して制限した勾配とするが、制限度合いを下記のように変更演算する。
路面勾配が登坂勾配や降坂勾配であり大きな勾配を示すほど、ドライバの制動要求が早急であると判断し、昇圧特性を急勾配とする(勾配制限小さい)。
一方、路面勾配が平坦路に近いほど、ドライバの制動要求が早急でないと判断し、ペダルフィールを優先し、昇圧勾配を緩勾配とする(勾配制限大きい)。
この路面勾配に基づく昇圧勾配演算では、例えば、ブレーキリリース前の踏み込み量に基づく昇圧勾配を、急勾配側や緩勾配側に補正することで行う。
ここで、シフト情報に基づく昇圧勾配は、何ら制限することのない昇圧勾配(図5の昇圧特性C)に対して制限した勾配とするが、制限度合いを下記のように変更演算する。
Dレンジでの登坂時には、ドライバの制動要求が早急でないと判断し、緩勾配とする(勾配制限大きい)。一方、NレンジやRレンジでの登坂時には、Dレンジよりも早急性が高いと判断し、急勾配とする(勾配制限小さい)。
Rレンジでの降坂時には、ドライバの制動要求が早急でないと判断し、緩勾配とする(勾配制限大きい)。一方、NレンジやDレンジでの降坂時には、Rレンジよりも早急性が高いと判断し、急勾配とする(勾配制限小さい)。
このシフト情報に基づく昇圧勾配演算では、例えば、ステップS18にて路面勾配に基づき急勾配側や緩勾配側に補正された昇圧勾配を、さらに、シフト情報に基づき急勾配側や緩勾配側に補正することで行う。
ここで、マスターシリンダ圧情報としては、マスターシリンダ圧センサ24から直接取得するようにしても良いし、ストロークセンサ3からのペダルストローク量情報を代用するようにしても良い。なお、ストローク量情報で代用する場合は、ロスストローク以下のストローク量であるとき、マスターシリンダ圧を発生しないストローク領域とし、ロスストロークを超えるストローク量であるとき、マスターシリンダ圧を発生するストローク領域とする。
そして、マスターシリンダ圧情報に基づく昇圧勾配は、何ら制限することのない昇圧勾配(図5の昇圧特性C)に対して制限した勾配とするが、制限度合いを下記のように変更演算する。
昇圧前にマスターシリンダ圧の発生がある場合には、車速発生による昇圧時にマスターシリンダ圧が変動し、ペダル反力も変動する。このため、ペダルフィールを優先し、例えば、図5の昇圧特性Aに示すように、昇圧前のマスターシリンダ圧に基づく昇圧勾配Kaを緩勾配とする(勾配制限大きい)。
一方、昇圧前にマスターシリンダ圧の発生がない場合には、車速発生による昇圧時時にマスターシリンダ圧の変動がなく、ペダル反力も変動しない。このため、ドライバの減速要求を優先し、例えば、図5の昇圧特性Bに示すように、昇圧前のマスターシリンダ圧に基づく昇圧勾配Kbを急勾配とする(勾配制限小さい)。
ここで、ホイールシリンダ圧の昇圧は、w/cyl圧指令値>w/cyl圧実値のとき、演算により制限された昇圧勾配に追従させて実施する。
実施例1のハイブリッド車のブレーキ制御装置における作用を、「回生協調ブレーキ制御作用」、「停車時モータOFF制御作用」、「停車時モータOFF制御終了時の課題」、「停車時モータOFF制御終了時の昇圧勾配抑制作用」に分けて説明する。
ハイブリッド車の場合、制動時においてエンジン車のように制動エネルギーを熱エネルギーとして全て消費するのではなく、制動エネルギーのうちできる限り多くのエネルギーを回生エネルギーとしてバッテリ回収することが燃費向上を図る上で必要である。以下、これを反映する回生協調ブレーキ制御作用を説明する。
すなわち、VDCを利用した回生協調ブレーキ制御システムは、目標減速度に対し、基本液圧分と回生分だけでは補償しきれないシーンが発生すると、VDCブレーキ液圧アクチュエータ2によって補償しきれない分の液圧を昇圧し、ドライバの要求減速度を達成する制御システムである。言い換えると、コンベンショナルVDCの安全機能を拡張(安全機能+回生協調機能)した制御システムである。
上記回生協調ブレーキ制御では、ブレーキ操作による制動時、ポンプアップ昇圧のために常にVDCモータ21を作動しておく必要があることから、VDCモータ21の耐久性が問題となる。そこで、ブレーキ操作による制動時であっても一定の条件下ではVDCモータ21を停止させ、VDCモータ21の耐久性を確保する必要がある。以下、これを反映する停車時モータOFF制御作用を説明する。
なぜなら、第一に、ペダル踏み増し方向に操作するとき、マスターシリンダ圧とホイールシリンダ圧の目標差圧を維持すると、VDCモータ21を作動し、ホイールシリンダ圧をマスターシリンダ圧に追従させてポンプアップ昇圧させる必要がある。第二に、マスターシリンダ圧とホイールシリンダ圧の目標差圧を維持するように、カットバルブ25,26を閉じ状態としてペダル踏み込み操作を行うと、高いペダル反力により、所謂板踏み感になってしまう。
したがって、停車時モータOFF制御中にドライバがブレーキペダルに対して踏み増し方向に操作を行った場合には、マスターシリンダ圧とホイールシリンダ圧の間で、目標差圧のある状態から目標差圧が無くなる状態へと遷移することになる。
上記停車時モータOFF制御中に目標差圧が低い状態とされ、車速発生により停車時モータOFF制御を終了し、差圧コントロールとポンプアップ昇圧によりホイールシリンダ圧を立ち上げる比較例の課題を、図7に基づき説明する。
加えて、マスターシリンダ圧が急勾配にて低下するため、図7の矢印Hに示すように、ペダル反力が時刻t3から急低下し、ドライバにペダルフィール違和感を与える。
上記のように、停車時モータOFF制御中に踏み増し操作を行った場合、車速発生時に減速度違和感やペダルフィール違和感を発生する。このような減速度違和感やペダルフィール違和感を緩和することが必要である。以下、図8及び図9に基づき、これを反映する停車時モータOFF制御終了時の昇圧勾配抑制作用を説明する。
ブレーキリリース前の踏み込み量に基づく昇圧勾配は、ブレーキリリース前の踏み込み量が大きいほど、勾配制限を大きくとって緩勾配とされる。ブレーキリリース前の踏み込み量が大きいときには、昇圧勾配が小さくされる。また、ブレーキリリース前の踏み込み量が小さいときには、昇圧勾配が大きくされる。
これは、ブレーキリリース前の踏み込み量が大きいときには、図8に示すように、目標差圧を減じる量が大きくなり、車速発生時の昇圧量が大きくなる。一方、ブレーキリリース前の踏み込み量が小さいときには、目標差圧を減じる量が小さくなり、車速発生時の昇圧量が小さくなることによる。
したがって、ブレーキリリース前の踏み込み量が大きいときには、昇圧勾配が小さくすることで、ペダルフィールが優先され、減速度違和感やペダルフィール違和感が小さく抑えられる。一方、ブレーキリリース前の踏み込み量が小さいときには、昇圧勾配を大きくすることで、ドライバの減速要求が優先され、減速度違和感やペダルフィール違和感を抑えながらも、要求される減速度の早期発生が確保される。
路面勾配に基づく昇圧勾配は、路面勾配が大きな勾配を示すほど、勾配制限を小さくとって急勾配とされる。一方、路面勾配が平坦路に近いほど、勾配制限を大きくとって緩勾配とされる。
すなわち、登坂路停車の場合、制動力の低下により車両のずり下がりが発生するが、このずり下がりによる車速発生時にホイールシリンダ圧の昇圧が遅れると、車両のずり下がりを許してしまうことになる。降坂路の場合、制動力の低下により車両の押し出しが発生するが、この車両の押し出しによる車速発生時にホイールシリンダ圧の昇圧が遅れると、車両の押し出しを許してしまうことになる。
したがって、登坂路や降坂路での坂道停車時であって、路面勾配が大きな勾配を示すときには、ドライバの制動要求が早急であるとの判断に基づき、路面勾配に基づく昇圧勾配を急勾配とする。これにより、登坂路停車時には、車両のずり下がりが防止され、降坂路停車時には、車両の押し出しが防止される。つまり、坂道停車時には、早急なドライバの制動要求に応え、ホイールシリンダ圧の昇圧が遅れることがない。
一方、平坦路停車時であって、路面勾配が平坦路に近いときには、ドライバの制動要求が早急でなく、ペダルフィールの優先状況であるとの判断に基づき、路面勾配に基づく昇圧勾配を緩勾配とすることで、減速度違和感やペダルフィール違和感が小さく抑えられる。
シフト情報に基づく昇圧勾配は、登坂時と降坂時で分けて設定する。
まず、Dレンジでの登坂時には、ドライバの制動要求が早急でないと判断し、勾配制限を大きくとって緩勾配とする。一方、NレンジやRレンジでの登坂時には、Dレンジよりも早急性が高いと判断し、勾配制限を小さくとって急勾配とする。
また、Rレンジでの降坂時には、ドライバの制動要求が早急でないと判断し、勾配制限を大きくとって緩勾配とする。一方、NレンジやDレンジでの降坂時には、Rレンジよりも早急性が高いと判断し、勾配制限を小さくとって急勾配とする。
このように、シフト情報に基づいて昇圧勾配を決めることで、車両が動いて車速が発生したことを検知した際、路面勾配とシフトの組み合わせによるドライバ制動要求の早急性にあわせた制動力を提供することができる。
例えば、登坂路停車時に選択されているシフト位置がDレンジであれば、車両のずり下がりの進行方向(後退方向)に対して反対方向である車両の前進方向に駆動力が発生する。このため、その状態でのNレンジやRレンジ時よりも早急性が高くないと判断する。Nレンジ時やRレンジ時には、車両のずり下がりに対する反力が発生しないため、Dレンジ時よりも早急性が高いと判断し、昇圧勾配を急にすることで、ドライバの制動力要求の早急性に合わせた減速度を提供することができる。
逆に、降坂路停車時に選択されているシフト位置がRレンジであれば、車両のずり下がりの進行方向(前進方向)に対して反対方向である車両の後退方向に駆動力が発生している。このため、登坂路停車時のDレンジと同じように早急性は高くないと判断する。Nレンジ時やDレンジ時には、車両のずり下がりに対する反力が発生しないため、Rレンジ時よりも早急性が高いと判断し、昇圧勾配を急にする。
さらに、ブレーキリリース前の踏み込み量を考慮に加え、ペダルフィール優先とするシーンか、減速度を早急に発生させるシーンか、どうかを判断する。そして、減速度を早急に発生させるシーンである場合は、リリース前の踏み込み量が大きかったとしても、VDCブレーキ液圧アクチュエータ2の上昇勾配を急にすることで、ドライバによる制動要求の早急性に合わせた減速度を提供することができる。
マスターシリンダ圧情報に基づく昇圧勾配は、昇圧前にマスターシリンダ圧の発生がある場合の昇圧勾配を、昇圧前にマスターシリンダ圧の発生がない場合の昇圧勾配よりも緩勾配とされる。例えば、昇圧前にマスターシリンダ圧の発生がある場合には、図5の昇圧特性Aに示すように、昇圧勾配Kaが小さくされる。また、昇圧前にマスターシリンダ圧の発生がない場合には、図5の昇圧特性Bに示すように、昇圧勾配Kb(>Ka)が大きくされる。
この理由を説明する。昇圧前にマスターシリンダ圧の発生がないときは、大気圧であるリザーバ14とマスターシリンダ13の間のリリーフポートが開いている。したがって、マスターシリンダ圧の発生がない状態でVDCブレーキ液圧アクチュエータ2が作動すると、リザーバ14からブレーキ液を供給するため、マスターシリンダ圧は変動しない。
一方、マスターシリンダ圧の発生があるときは、ブレーキペダル11の踏み込み量が進むことで、リザーバ14とマスターシリンダ13の間のリリーフポートが閉じている。したがって、マスターシリンダ圧の発生がある状態でVDCブレーキ液圧アクチュエータ2が作動すると、密閉されたマスターシリンダ13からブレーキ液を供給するため、マスターシリンダ圧が低下し、これに伴いブレーキペダル反力も低下する。
このため、実施例1では、昇圧前におけるマスターシリンダ圧の発生有無により、ペダルフィールを優先する昇圧勾配制御と、ドライバの減速度要求を優先する昇圧勾配制御とに切り分けた。
したがって、図8の矢印E’に示すように、昇圧前にマスターシリンダ圧の発生があるときには、図8の矢印D’に示すように、昇圧勾配Kaが小さくする。このため、ペダルフィールが優先され、図8の矢印F’,G’,H’に示すように、減速度違和感やペダルフィール違和感が小さく抑えられる。
一方、図9の矢印E”に示すように、昇圧前にマスターシリンダ圧の発生がないときには、図9の矢印D”に示すように、昇圧勾配Kbを大きくする。このため、ドライバの減速要求が優先され、図9の矢印F”,G”,H”に示すように、減速度違和感やペダルフィール違和感を抑えながらも、要求される減速度の早期発生が確保される。
実施例1のハイブリッド車のブレーキ制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
前後輪の各輪に設けられ、ホイールシリンダ圧に応じて各輪に液圧制動力を与えるホイールシリンダ4FL,4FR,4RL,4RRと、
前記マスターシリンダ13と前記ホイールシリンダ4FL,4FR,4RL,4RRとの間に介装され、ポンプモータ(VDCモータ21)により駆動する液圧ポンプ22,22と、ホイールシリンダ圧とマスターシリンダ圧の差圧を制御する差圧弁(第1M/Cカットソレノイドバルブ25、第2M/Cカットソレノイドバルブ26)と、を有するブレーキ液圧アクチュエータ(VDCブレーキ液圧アクチュエータ2)と、
ブレーキ操作により車両が停止するとき、前記ポンプモータ(VDCモータ21)を停止し、車両停止中、前記ポンプモータ(VDCモータ21)の停止状態を維持したままとする停車時モータオフ制御部(ステップS9)と、
車両停止状態からの車速発生により前記停車時モータオフ制御が終了すると、前記ポンプモータ(VDCモータ21)の作動再開に伴うホイールシリンダ圧の昇圧勾配を制限により緩勾配にすると共に、昇圧前にマスターシリンダ圧の発生がある場合の昇圧勾配を、昇圧前にマスターシリンダ圧の発生がない場合の昇圧勾配より緩やかにする昇圧勾配制限部(ステップS15〜ステップS20)と、
を備える。
このため、車両停止状態でのポンプモータ(VDCモータ21)の耐久性を確保しつつ、車両停止状態からの車速発生時、違和感を抑えた減速度やペダルフィールを達成することができる。加えて、昇圧前にマスターシリンダ圧の発生があるとき、ペダルフィール違和感や減速度違和感を抑えることができ、昇圧前にマスターシリンダ圧の発生がないとき、ドライバの減速度要求に応えることができる。
このため、上記(1)の効果に加え、昇圧勾配制御の切り分け理由となっているリザーバ14とマスターシリンダ13の間のリリーフポートが閉じているか開いているかを精度良く検知することができる。
このため、上記(1)または(2)の効果に加え、路面勾配が大きな勾配を示すとき、車両のずり下がりや車両の押し出しを防止することができる。
このことは、マスターシリンダ圧が低圧側であるほど、同じ上昇幅でホイールシリンダ圧を昇圧したときの液消費量が大きく、これに伴うブレーキペダル反力の低下幅が大きくなることを意味する。一方、マスターシリンダ圧が高圧側であるほど、同じ上昇幅でホイールシリンダ圧を昇圧したときの液消費量が小さく、これに伴うブレーキペダル反力の低下幅が小さくなることを意味する。
なお、他の構成は、実施例1と同様であるし、他の作用は、実施例1と同様であるので、図示並びに説明を省略する。
実施例2のハイブリッド車のブレーキ制御装置にあっては、下記の効果を得ることができる。
このため、実施例1の(1)〜(3)の効果に加え、昇圧前にマスターシリンダ圧の発生があるとき、昇圧前のマスターシリンダ圧の高さにかかわらず、減速度違和感やペダルフィール違和感を小さく抑えることができる。
13 マスターシリンダ
14 リザーバ
2 VDCブレーキ液圧アクチュエータ(ブレーキ液圧アクチュエータ)
21 VDCモータ(ポンプモータ)
22 液圧ポンプ
24 マスターシリンダ圧センサ
25 第1M/Cカットソレノイドバルブ(差圧弁)
26 第2M/Cカットソレノイドバルブ(差圧弁)
3 ストロークセンサ
4FL 左前輪ホイールシリンダ
4FR 右前輪ホイールシリンダ
4RL 左後輪ホイールシリンダ
4RR 右後輪ホイールシリンダ
5 走行用電動モータ
61 プライマリ液圧管
62 セカンダリ液圧管
63 左前輪液圧管
64 右前輪液圧管
65 左後輪液圧管
66 右後輪液圧管
7 ブレーキコントローラ
8 モータコントローラ
9 統合コントローラ
9a 目標減速度算出部
9b 回生協調ブレーキ制御部
91 バッテリコントローラ
92 車輪速センサ
93 ブレーキスイッチ
94 路面勾配センサ
95 シフト位置センサ
96 ホイールシリンダ圧センサ
Claims (4)
- ブレーキ操作に応じたマスターシリンダ圧を発生するマスターシリンダと、
前後輪の各輪に設けられ、ホイールシリンダ圧に応じて各輪に液圧制動力を与えるホイールシリンダと、
前記マスターシリンダと前記ホイールシリンダとの間に介装され、ポンプモータにより駆動する液圧ポンプと、ホイールシリンダ圧とマスターシリンダ圧の差圧を制御する差圧弁と、を有するブレーキ液圧アクチュエータと、
ブレーキ操作により車両が停止するとき、前記ポンプモータを停止し、車両停止中、前記ポンプモータの停止状態を維持したままとする停車時モータオフ制御部と、
車両停止状態からの車速発生により前記停車時モータオフ制御が終了すると、前記ポンプモータの作動再開に伴うホイールシリンダ圧の昇圧勾配を制限により緩勾配にすると共に、昇圧前にマスターシリンダ圧の発生がある場合の昇圧勾配を、昇圧前にマスターシリンダ圧の発生がない場合の昇圧勾配より緩やかにする昇圧勾配制限部と、
を備えることを特徴とする車両のブレーキ制御装置。 - 請求項1に記載された車両のブレーキ制御装置において、
前記昇圧勾配制限部は、昇圧前にマスターシリンダ圧の発生がある場合、マスターシリンダ圧が高いほど、昇圧勾配を急勾配側に制限変更する
ことを特徴とする車両のブレーキ制御装置。 - 請求項1または請求項2に記載された車両のブレーキ制御装置において、
前記昇圧勾配制限部は、昇圧前にマスターシリンダ圧が発生したかどうかの情報を、ブレーキペダルのストローク量により取得する
ことを特徴とする車両のブレーキ制御装置。 - 請求項1から請求項3までの何れか1項に記載された車両のブレーキ制御装置において、
前記昇圧勾配制限部は、路面勾配が大きな勾配を示すほど、昇圧勾配を急勾配側に制限変更する
ことを特徴とする車両のブレーキ制御装置。
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