JP2013109809A - 記録パワーの決定方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】材料組成及び膜厚が実質的に同一である複数の記録再生層を有する記録再生層群を少なくとも1群有する多層光記録媒体において、光入射面側から遠い記録再生層の記録パワー決定方法を簡略化する。
【解決手段】 前記複数の記録再生層のうちの任意の記録再生層Aの最適記録パワーを求めるためのパワー範囲を、前記記録再生層Aよりも光入射面側に存在する記録再生層Bの記録パワーの実測値と、事前に媒体に記録された記録再生層Aおよび記録再生層Bの推奨の記録パワーの相対比率を用いて決定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の記録再生層を有する多層光記録媒体への記録に適用される記録パワーの決定方法に関する。
従来、ディジタル動画コンテンツの視聴や、ディジタルデータの記録のために、CD−DA、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−R、DVD+/−RW、DVD−RAM、Blu−ray Disc(BD)などの光記録媒体が広く利用されている。この中でも、次世代型DVD規格の一つとされるBDは、記録再生に用いるレーザー光の波長を405nmと短くし、対物レンズの開口数を0.85に設定している。BD規格に対応した光記録媒体側は、0.32μmのピッチでトラックが形成される。このようにすることで、光記録媒体の1つの記録再生層に対して25GB以上の記録再生を可能にしている。
ところで、動画やデータの容量は今後益々増大することが予想される。従って、光記録媒体における記録再生層を多層化することで光記録媒体の容量を増大させる方法が検討されている。BD規格の光記録媒体では、6層〜8層の記録再生層を設けることで、200GBもの超大容量を実現する技術も報告されている(非特許文献1、2参照)。
更に最近では、20層のROM型の光記録媒体(非特許文献3参照)、10層や16層の追記型の光記録媒体(非特許文献4、5、6参照)等の技術提案によって、BD規格と同様の光学系(波長及び開口数)を用いて、500GB程度の記録容量を達成できる可能性が高まってきている。
多層光媒体を記録する記録装置(以下ドライブとも言う)では、多層光記録媒体の記録層毎に、記録前に最適な記録パワーを決定する機構を有し、その方法はドライブによって種々存在するが、例えば記録層毎に、予め管理情報に記載された記録条件(例えば記録ストラテジや照射パルス波形)とそれに応じて必要となる記録パワーの調整範囲を参照するのが一般的である。
これはドライブ毎にレーザー波長やプロファイル、記録パルス間隔、また多層光媒体に応じた最適な記録条件が異なる為であり、ある程度の記録パワー調整範囲から最適な記録パワーを導出するものである。更に比較的積層数の少ない多層記録媒体においては、その調整範囲が各層によって大きく異ならない様にする為に、各層の記録層の記録感度が調整されているのが一般的である。
一方、多層光記録媒体において記録再生層を多層化する際に、多層光記録媒体の設計を簡潔化でき、更に、記録再生装置側の記録再生制御を簡略化できる多層光記録媒体を提供することを目的として、光照射によって情報が再生され得る記録再生層において、全ての記録再生層の光学定数や、材料組成及び膜厚が、実質的に同一である複数の記録再生層(記録再生層群という)を複数設けて、層数に比べて記録再生層の種類の数を少なくする多層光記録媒体が考えられている(非特許文献7参照)。
I. Ichimura et. al., Appl.Opt, 45, 1974-1803 (2006) K. Mishima et. al., Proc.of SPIE, 6282, 62820I (2006) A. Mitsumori et. al., Jpn.J. Appl. Phys., 48, 03A055 (2009) T. Kikukawa et. al., Jpn.J. Appl. Phys., 49, 08KF01 (2010) M. Inoue et. al., Proc.SPIE, 7730, 77300D (2010) M. Ogasawara et. al., Jpn.J. Appl. Phys., 50, 09MF01 (2011) T.Kikukawa et. al., Jpn.J. Appl. Phys., 50,09MF01(2011)
しかしながら、このような多層光記録媒体の構成では、記録再生層群内では、積層数が増えるに従い、光入射面側の層から奥側の層に向かうにつれて、手前側の層による入射光量の減衰により到達する光量が減少する為、記録に供する最適な記録パワーは各層で大きく異なることになる。
従って、光記録媒体に対して記録を行うドライブは、各層において最適記録パワーを決定するOptimum PowerControl(OPC)が必要となる。一般的に、OPCにおいては光記録媒体のドライブは予め光記録媒体に記録されている最適記録パワーの調整範囲を参照するが、この場合以下の様な課題が発生する。
一般的に、OPCではドライブ間の個体差や使用される温度環境等による実際の出射レーザーパワーのばらつき等を考慮して、記録に供する最適な記録パワーを決定するに当たり、光記録媒体に予め記録されている推奨の記録パワーに対して、ある程度の範囲のパワーマージンを測定する。例えば材料組成及び膜厚が実質的に同一である記録再生層を複数もつ多層光記録媒体では、予め記録されている各々の記録再生層自体の推奨の記録パワーおよびパワーマージン性能は同一であり、予め記録されている推奨の記録パワーをP’とした場合に、導出される推奨の記録パワーP’のパワーマージンは以下の式で与えられる。
α’P’<P’<β’P
一方、実際の多層光記録媒体では記録再生層が積層されている為に、予め記録されている推奨の記録パワーP’は各記録再生層の透過率をt(0<t<1)、記録を行う記録再生層よりも光入射面側に存在する記録再生層の数をkとすると、
’/t
となる。
従って、予め記録されている推奨の記録パワーP’から導出される、記録を行う記録再生層の積層状態での推奨の記録パワーP’のパワーマージンは以下の式で与えられる。
αP’<P’<βP’(α=α’/t、β=β’/t
tは0<t<1である為に、kが大きくなる程、つまり光入射面に対して奥側の層である程、また層数が多い程、記録を行う記録再生層の積層状態での推奨の記録パワーP’のパワーマージンは広くなる。この為、光入射面に対して奥側の層、あるいは層数が多い場合に、非常に広いパワー範囲でOPCを行う必要があり、OPCに多くの時間を要することでドライブの負担となると共に、情報の記録に時間がかかる事となる。
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、多層光記録媒体の記録に供する記録パワーを決定するに当たり、効率的かつ正確に決定することができる手段を提供することを目的としている。
本発明者らの鋭意研究によって、前記目的は以下の手段によって達成される。
材料組成及び膜厚が実質的に同一である複数の記録再生層を有する記録再生層群を少なくとも1群有する多層光記録媒体への記録に適用される記録パワー決定方法であって、
前記複数の記録再生層のうちの任意の記録再生層Aへの記録に適用される記録パワーを、前記記録再生層Aよりも光入射面側に存在する記録再生層Bの記録パワーの実測値と、事前に媒体に記録された記録再生層Aおよび記録再生層Bの推奨の記録パワーの相対比率から導出することを特徴とする記録パワー決定方法である。
前記記録再生層Aよりも光入射面側に存在する記録再生層Bの最適記録パワーの実測値をPとし、前記記録再生層Aと前期記録再生層Bの推奨の記録パワーの相対比率をTとしたとき、前記記録再生層Aに対する暫定の最適記録パワーをP/Tとし、これを用いて真の最適記録パワーを導出する事を特徴とする。
前記暫定の最適記録パワーに対して、αP/T<P<βP/T(ここで、αは0より大きく1よりも小さい係数、βは1よりも大きい係数)で表される、実測値を用いて導出される推奨の記録パワーPの範囲より、前記真の最適記録パワーを導出する事を特徴とする。
前記多層記録媒体中に予め記録されている推奨の記録パワーP’の範囲を参照して、前記最適記録パワーの実測値Pの実測を行うことを特徴とする。
前記推奨の記録パワーP’を用いて導出される推奨の記録パワーP’が、α’P’<P’<β’P’(ここで、α’は0より大きく1よりも小さい係数、β’は1よりも大きい係数)で表された時に、βP/T−αP/T=β’P’−α’P’である事を特徴とする。
(α+β)/2=1である事を特徴とする。
最適記録パワーを実測する前記記録再生層Bが、最も光入射面側に存在する記録再生層である事を特徴とする。
本発明によれば、多層記録媒体の記録に供する記録パワーを効率的かつ正確に導出する事を可能とする。
本発明の実施形態に係る光記録媒体の記録再生を行う光記録再生装置および光ピックアップの構造を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る光記録媒体の積層構造を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1には、第1実施形態に係る光記録媒体10と、この光記録媒体10の記録再生に用いられる光ピックアップ90の構成が示されている。光ピックアップ90は、第1光学系100と第2光学系200を備える。第1光学系100は、第1光記録媒体10の記録再生層群14に対して記録・再生を行う光学系となる。第2光学系200は、第1光学系100を利用して記録再生層群14に情報を記録する時に、後述するサーボ層18を利用してトラッキング制御を行う光学系となる。
第1光学系100の光源101から出射された比較的短い青色波長380〜450nm(ここでは405nm)となる発散性のビーム170は、球面収差補正手段193を備えたコリメートレンズ153を透過し、第2光学系200の波長選択フィルタ260を透過して偏光ビームスプリッタ152に入射する。偏光ビームスプリッタ152に入射したビーム170は、偏光ビームスプリッタ152を透過して、更に4分の1波長板154の透過によって円偏光に変換された後、対物レンズ156で収束ビームに変換される。このビーム170は、光記録媒体10の内部に形成された複数の記録再生層群14のいずれか記録再生層の上に集光される。
対物レンズ156の開口はアパーチャ155で制限され、開口数NAを0.70〜0.90(ここでは0.85)としている。例えば記録再生層群14で反射されたビーム170は、対物レンズ156、4分の1波長板154を透過して往路とは90度異なる直線偏光に変換された後、偏光ビームスプリッタ152で反射される。なお、この偏光ビームスプリッタ152は波長選択特性を有しており、第1光学系100の光源101からのビーム170は反射可能であるが、後述する第2光学系200の比較的長い赤色波長のビーム270は常に透過するようになっている。
偏光ビームスプリッタ152で反射されたビーム170は、集光レンズ159を透過して収束光に変換され、シリンドリカルレンズ157を経て、光検出器132に入射する。ビーム170には、シリンドリカルレンズ157を透過する際、非点収差が付与される。
光検出器132は、図示しない4つの受光部を有し、それぞれ受光した光量に応じた電流信号を出力する。これら電流信号から、非点収差法によるフォーカス誤差(以下FEとする)信号、再生時に限定されるプッシュプル法によるトラッキング誤差(以下TEとする)信号、光記録媒体10に記録された情報の再生信号等が生成される。FE信号およびTE信号は、所望のレベルに増幅および位相補償が行われた後、アクチュエータ191および192にフィードバック供給されて、フォーカス制御およびトラッキング制御がなされる。なお、第1光学系100によるトラッキング制御は再生時のみ利用される。
第2光学系200の光源201から出射された波長630〜680nm(ここでは650nm)となる発散性のビーム270は、球面収差補正手段293を備えたコリメートレンズ253を透過し、偏光ビームスプリッタ252に入射する。偏光ビームスプリッタ252に入射したビーム270は、偏光ビームスプリッタ252を透過して、更に第2光学系用の4分の1波長板254を透過して円偏光に変換された後、波長選択フィルタ260で反射されて、第1光学系100と共有される偏光ビームスプリッタ152を透過する。このビーム270は更に対物レンズ156で収束ビームに変換されて、第1光記録媒体10の内部に形成されたサーボ層18に集光される。サーボ層18で反射されたビーム270は、対物レンズ156、及び偏光ビームスプリッタ152を透過して第2光学系200の波長選択フィルタ260で反射し、4分の1波長板254において往路とは90度異なる直線偏光に変換された後、偏光ビームスプリッタ252で反射される。偏光ビームスプリッタ252で反射されたビーム270は、集光レンズ259を透過して収束光に変換され、シリンドリカルレンズ257を経て、光検出器232に入射する。ビーム270には、シリンドリカルレンズ257を透過する際、非点収差が付与される。
光検出器232は、図示しない4つの受光部を有し、それぞれ受光した光量に応じた電流信号を出力する。これら電流信号から、非点収差法によるフォーカス誤差(FE)信号、プッシュプル法によるトラッキング誤差(TE)信号が生成される。なお、サーボ層18にも情報が記録されている場合は再生信号も生成される。
第1光学系100による記録再生層群14への情報の記録時は、第2光学系200のTE信号について、所望のレベルに増幅および位相補償が行われた後、アクチュエータ191および192にフィードバック供給されてトラッキング制御がなされる。この結果、第2光学系200のトラッキング制御に基づいて、第1光学系100が記録再生層群14に情報を記録するようになっている。なお、本実施形態では、記録再生層群14に記録済みの情報を再生する際は、記録再生層群14上の記録マークを利用して第1光学系100が独自にトラッキング制御するようにしている。一方、この第2光学系200のトラッキング制御を利用しながら再生することも勿論可能である。
図2には、本実施形態の光記録媒体10の断面構造が拡大して示されている。
光記録媒体10は、外径が約120mm、厚みが約1.2mmの円盤形状となっている。この光記録媒体10は、光入射面10A側から、カバー層11、記録再生層群14及び中間層群16、バッファ層17、サーボ層18、支持基板12を備えて構成される。
記録再生層群14は、ここでは第1〜第6記録再生層14A〜14Fを備えて構成されており、それぞれに情報を記録できる構造となっており、材料組成及び膜厚が、実質的に同一である記録再生層で構成されている。この第1〜第6記録再生層14A〜14Fは、トラッキング制御用の凹凸や溝を有しない平面構造となっており、第1光学系100から高エネルギーとなる記録用のビーム170が照射されると、記録マークが形成される。なお、この記録再生層群14の種類として、情報の追記が出来るが書き換えが出来ない追記型記録再生層と、情報の書換が可能な書換型記録再生層がある。
支持基板12は、光記録媒体に求められる厚み(約1.2mm)を確保するための、厚さ1.0mmで直径120mmとなる円盤形状の基板であり、この支持基板12の光入射面10A側の面にサーボ層18が形成される。具体的には、支持基板12における光入射面10A側に、その中心部近傍から外縁部に向けてランド18Aおよびグルーブ18Bが螺旋状に形成される。このランド18Aおよびグルーブ18Bが、トラッキング制御用の凹凸(溝)となり、第2光学系200のビーム270がガイドされるようになっている。
なお、支持基板12の材料としては種々の材料を用いることが可能であり、例えば、ガラス、セラミックス、樹脂を利用できる。これらのうち成型の容易性の観点から樹脂が好ましい。樹脂としてはポリカーボネイト樹脂、オレフィン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、加工性などの点からポリカーボネイト樹脂やオレフィン樹脂が特に好ましい。なお、支持基板12は、ビーム270の光路とならないことから、高い光透過性を有している必要はない。
支持基板12の上に形成されるサーボ層18は、支持基板12の表面に記録層を形成することによって構成される。従って、このサーボ層18は、トラッキング制御用の凹凸(グルーブおよびランド)を備えた記録層となり、第2光学系200によって高エネルギーのビーム270が照射されると、化学的又は物理的特性の変化によって光反射率が変化し情報が記録される。勿論、サーボ層18はトラッキング制御用の光反射膜としても機能する。なお、ここで記録層の種類は特に限定されず、例えば、無機材料や有機色素材料等を用いた記録膜を採用でき、追記型や書換型などを適宜採用できる。なお、このサーボ層18において情報の記録機能が不要な場合は、Ag等の金属層を形成して、単純な光反射膜として機能させれば良い。支持基板12にはプリピットやグルーブといった凹凸の形で手前層の最適記録パワーや記録パワー範囲、透過率などが記録されている。
サーボ層18におけるトラッキング制御用の凹凸のトラックピッチTPは、ここでは、記録再生層14A〜14Fに記録予定とされる記録マークのトラックピッチの2倍に設定される。具体的に、記録再生層14A〜14Fに記録予定とされるトラックピッチは、BD規格との互換性のために0.32μm前後としていることから、サーボ層18のグルーブ/ランドのトラックピッチPは0.64μm前後に設定される。0.64μm前後のトラックピッチTPであれば、比較的長い赤色波長領域のビーム270であっても十分なトラッキングが可能である。特に本実施形態では、グルーブとランドの双方を利用してトラッキング制御を行うようにしているので、結果として、凹凸のピッチは0.64μm前後となるが、記録再生層14A〜14Fに記録される記録マークのトラックピッチは、その半分の0.32μm前後とすることができる。従って、サーボ層18のトラックピッチを小さくしなくても、記録再生層群14の記録マークのトラックピッチを2倍にできるので、記録容量を増大させることができる。
バッファ層17は、光透過性のアクリル系の紫外線硬化型樹脂により構成されており、ここでは90μmの膜厚に設定されている。
バッファ層17の光入射面10A側に積層される第1〜第6記録再生層14A〜14Fは、材料組成及び膜厚が、実質的に同一でとなっており、追記型記録膜の両外側に誘電体膜を積層した3層構造となっている(図示省略)。なお、この第1〜第6記録再生層14A〜14Fは、第1光学系100における青色波長領域(短い波長)のビーム170に対して光反射率・吸収率・透過率等が最適化されており、一方で、第2光学系200の赤波長領域(長い波長)のビーム270は十分透過するようになっている。
各記録再生層の誘電体膜は、追記型記録膜を保護するという基本機能に加えて、記録マークの形成前後における光学特性の差を拡大させる役割も果たす。
なお、ビーム170を照射した場合に、誘電体膜に吸収されるエネルギーが大きいと記録感度が低下しやすい。従って、これを防止するためには、これらの誘電体膜の材料として、380nm〜450nm(特に405nm)の波長領域において低い吸収係数(k)を有する材料を選択することが好ましい。なお、本実施の形態においては、誘電体膜の材料としてTiOを用いている。
誘電体膜に挟まれる追記型記録膜は不可逆的な記録マークが形成される膜であり、記録マークが形成された部分とそれ以外の部分(ブランク領域)は、ビーム170に対する反射率が大きく異なる。この結果、データの記録・再生を行うことができる。なお、この追記型記録膜についても、トラッキング制御用の第2光学系200のビーム270の赤色波長領域においては高い透過性を有する。
追記型記録膜は、Bi及びOを含む材料を主成分として形成される。この追記型記録膜は、無機反応膜として機能し、レーザー光の熱による化学的又は物理的な変化で反射率が大きく異なるようになっている。具体的な材料としては、Bi−Oを主成分とするか、又は、Bi−M−O(ただしMは、Mg、Ca、Y、Dy、Ce、Tb、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Mo、W、Mn、Fe、Zn、Al、In、Si、Ge、Sn、Sb、Li、Na、K、Sr、Ba、Sc、La、Nd、Sm、Gd、Ho、Cr、Co、Ni、Cu、Ga、Pbの中から選択される少なくとも1種の元素)を主成分とすることが好ましい。なお、本実施形態では、追記型記録膜の材料として、Bi−Ge−Oを用いている。
なお、ここでは第1〜第6記録再生層14A〜14Fにおいて追記型記録膜を採用する場合を示したが、繰り返し記録が可能な相変化記録膜を採用することも可能である。この場合の相変化記録膜は、SbTeGeを主成分とすることが好ましい。
中間層群16は、光入射面10Aから近い側から順番に第1〜第5中間層16A〜16Eを有しており、第1〜第6記録再生層14A〜14Fの間に積層される。各中間層16A〜16Eは、アクリル系またはエポキシ系の紫外線硬化型樹脂によって構成される。この中間層16A〜16Eの膜厚は、積層数を増大させるためには20μm以下に設定することが好ましく、第1中間層16Aが16μm、第2中間層16Bが12μm、第3中間層16Cが16μm、第4中間層16Dが12μm、第5中間層16Eが16μmとなる。つまり、2種類の膜厚(16μm、12μm)の中間層が交互に積層されている。この結果、第1〜第6記録再生層14A〜14Fの層間距離として、光入射面側から順番に第1距離(16μm)と、この第1距離と異なる第2距離(12μm)が交互に設定されることになる。また、第1距離と第2距離の差は4μmに設定される。このようにすると、層間クロストークが低減される。勿論、全ての中間層群16の膜厚を同じに設定しても良い。
カバー層11は、中間層群16と同様に光透過性のアクリル系の紫外線硬化型樹脂により構成されており、38μmの膜厚に設定されている。
光記録媒体10は、このように構成される結果、サーボ層18は、光入射面10Aから0.2mm(200μm)の距離に位置しており、また、記録再生層群14の中で光入射面10Aから最も遠い第6記録再生層14Fは、光入射面10Aから0.11mm(110μm)の距離に位置しており、第5記録再生層14Eは光入射面10Aから94μm、第4記録再生層14Dは光入射面10Aから82μm、第3記録再生層14Cは光入射面10Aから66μm、第2記録再生層14Bは光入射面10Aから54μm、そして、光入射面10Aに最も近い第1記録再生層14Aは、光入射面10Aから38μmの距離に位置することになる。また、記録再生層群14の全体的な厚み(第1記録再生層14A〜第6記録再生層14F間の距離)は72μmとなる。
また、本実施形態の光記録媒体10では、サーボ層18が、記録再生層群14と比較して光入射面10Aから遠い位置に配置されている。このようにすると、トラッキング用のランド18A及びグルーブ18Bが、記録再生層群14に照射される記録再生用のビーム170に悪影響を与えることを低減できる。
次に、本実施形態の光記録媒体10について説明する。
まず、金属スタンパを用いることによる、ポリカーボネイト樹脂の射出成型法により、グルーブおよびランドが形成された支持基板12を作製する。射出成形の型を利用して、この支持基板12には、記録再生層群14のアドレス情報、記録再生パワー等を含む記録条件、記録再生層14A〜14Fの位置又は層間距離など、媒体製造時に予め保持させておくべき基本情報がプリフォーマットされる。具体的には、ランド18A又はグルーブ18Bのウォブルを利用して、基本情報や手前層の最適記録パワー情報等がプリフォームされる。なお、プリフォームされる形態は、ランドグルーブに限らず、ピットでも構わない。更に、支持基板12上に成膜されたサーボ層18にプリライトの形態で、基本情報や手前層の最適記録パワー情報等を記録しても良い。また、支持基板12の作製は射出成型法に限られず、2P法や他の方法によって作製しても構わない。
その後、支持基板12におけるグルーブ及びランドが設けられた側の表面にサーボ層18を形成する。サーボ層18は、誘電体膜、追記型記録膜、誘電体膜の順に気相成長法を用いて形成し、記録膜として機能させる。更に、サーボ層18の上にバッファ層17を形成する。バッファ層17は、例えば、粘度調整されたアクリル系またはエポキシ系の紫外線硬化型樹脂をスピンコート法等により皮膜し、これに対して紫外線を照射して硬化することにより形成する。なお、紫外線硬化性樹脂の代わりに、光透過性樹脂からなる光透過性シートを接着剤や粘着剤等を用いてサーボ層18の上に貼り付けることで形成することもできる。
次に、第6記録再生層14Fを形成する。具体的には、誘電体膜、追記型記録膜、誘電体膜の順に気相成長法を用いて形成する。中でもスパッタリング法を用いることが好ましい。その後、第6記録再生層14Fの上に第5中間層16Eを形成する。第5中間層16Eは、例えば、粘度調整された紫外線硬化型樹脂をスピンコート法等により皮膜し、その後、この紫外線硬化性樹脂に紫外線を照射して硬化することにより形成する。この手順を繰り返すことで、第5記録再生層14E、第4中間層16D、第4記録層再生層14D、第3中間層16C・・・と順番に積層していく。
第1記録再生層14Aまで完成したら、その上にカバー層11を形成してこの光記録媒体10が完成する。なおカバー層11は、例えば、粘度調整されたアクリル系またはエポキシ系の紫外線硬化型樹脂をスピンコート法等により皮膜し、これに対して紫外線を照射して硬化することにより形成する。なお、本実施形態では製造方法としての一例を説明したが、他の製造技術を採用しても良い。
次に本実施形態の作用について説明する。
光入射面側に対して最も手前側にある記録再生層では、ある標準評価機で事前に測定され事前に媒体に記録された推奨の記録パワーP’に対して、記録再生層を形成する材料組成及び膜厚に依存するα’、β’を用いてα’P’〜β’P’の範囲で最も好ましい記録パワー条件を求める事が通常の方法である。
光入射面に対して最も奥側にある記録再生層では、この記録再生層よりも手前側にある記録再生層を入射光が通過するたびに、入射光量が減衰する。その減衰の度合いは、光入射面に対して奥側にある記録再生層の記録パワーに対する、光入射面側に対して最も手前側にある記録再生層の記録パワーの相対比率Tで表される。
以上から光入射面に対して最も奥側にある記録再生層では、最も好ましい記録パワー条件を求める方法としてα’P’/T〜β’P’/Tの範囲で記録パワー条件を求める事が通常である。その範囲はβ’P’/T−α’P’/Tである。
本発明実施の形態では実際に記録再生を行う評価機ないしドライブにて、実際に記録再生を行う記録再生層(記録再生層A)を含む同一の記録再生層群内における手前側の記録再生層(記録再生層B)にて測定した最適記録パワーと、ある標準評価機で事前に測定され事前に媒体に記録された記録再生層Aおよび記録再生層Bの推奨の記録パワーの相対比率を用いて、記録再生層Aの記録パワー範囲の中心値を決定する。
この最適記録パワーを実測する記録再生層Bは特に限定されないが、より光入射面側にある層であれば、他の記録再生層による減衰を受けないために好ましく、同一の記録再生層群内で最も手前側にある記録再生層がより好ましい。
ここで、事前に記録媒体中に記録してある記録再生層14Aの推奨の記録パワーP’を用いて、各記録再生層の最適記録パワーを求める記録パワー範囲を決定する場合は、記録再生層を形成する材料組成及び膜厚に依存する、記録再生層14Aで定義されるα’とβ’で規定される下限値と上限値の間で範囲が決定される。
一方で測定値を用いて記録再生層14Bないし14Fの最適記録パワーを求める前記の方法では、実際に記録再生を行う評価機ないしドライブにて測定される最適記録パワーの実測値を中心値として用いるので、記録再生層を形成する材料組成及び膜厚に依存する、記録再生層14Aで定義されるα’、β’を再び用いる必要がなく、最適記録パワーを測定する記録再生層Bの推奨の記録パワー範囲程度に、最も好ましい記録パワー条件を求めるパワー範囲を狭める事が出来る。即ち
βP/T−αP/T = β’P’−α’P
で表せるようにαとβを設定する事が出来、これらのα、βを用いて、αP/T≦P≦βP/Tの範囲で記録パワーPを変化させて、当該記録再生層の最適記録パワーを求める事が出来る。
αとβは上式を満たす限り任意に決定して良いが、P/Tの値をパワー範囲の中心値とする為に、
(α+β)/2=1
である事が望ましい。
次に本実施形態の光ピックアップ90を用いて、光記録媒体10に情報を記録再生する手順について説明する。
本実施形態ではサーボ層18に事前に記録されている記録再生層14Aの最適記録パワーP’の範囲を参照し、その範囲で実際に記録を行い、例えばエラーレートやJitterやi−MLSE、変調度等を用いて最適記録パワーP0Aを決定する。
次に予めサーボ層18に記録されている記録再生層14Fの推奨記録パワーP0F’を参照する。記録再生層14Aから14Eを通過し、記録再生層14Fに到達する記録光強度は、記録再生層14Aに到達する記録光強度に比較して、記録再生層14Aの推奨の記録パワーP0A’と記録再生層14Fの推奨の記録パワーP0F’との相対比率P0A’/P0F’倍の記録光強度になる。よって記録層再生層14Fに記録するためにはP0A/P0A’×P0F’の記録光強度を照射する必要がある。
本実施形態では、ある標準評価機で測定され、事前に光記録媒体に記録されている推奨の記録パワーP0A’=14mWであった。また記録再生層14Aでは0.9P’から1.1P’の間つまり12.6〜15.4mWの2.8mWの範囲で、最適記録パワー条件を求めて記録を行う事とされている。
一方前記標準評価機で測定され、事前に光記録媒体に記録されている記録再生層14Fの推奨の最適記録パワーP0F’=31.8mWであり、記録再生層14Aと記録再生層14Fの推奨の最適記録パワーの相対比率P0A’/P0F’=0.44である。よって記録再生層14Fでは12.6/0.44〜15.4/0.44、つまり、28.6〜35.0mWの6.4mWの範囲で最適記録パワー条件を求める事が通常の方法である。
ところが光記録媒体10を上記前記標準評価機と異なる光記録再生装置を用いて、最適記録パワーを測定するとP0A=12mWであった。このような差異は評価機、ドライブ間でレーザーパワーや波長、記録波形等のばらつきによって容易に生じる差異である。
本実施形態発明ではこの12mWを用いて、記録再生層14Fの暫定の最適パワーを算出した。その値P0A/P0A’×P0F’=12/0.44=27.3mWであった。
更に本実施形態発明では、27.3mWに対して、記録再生層14A同様に2.8mWの範囲で最適記録パワー条件を求めた。
どちらの方法で測定しても最適記録パワーは26.9mWであり、通常の方法が6.4mWの範囲で最適記録パワーを求めるのに対して、本発明の方法では2.8mWの範囲で最適記録パワーを求める事が出来、OPCの効率が大幅に向上した。
なお本実施形態を説明する一例として、記録・再生を行う光学系と、トラッキング制御を行う光学系を別個に設けた光学系を用いたが、本発明の効果はこのような光学系に限定されない。
本実施形態の光記録媒体10では、サーボ層18を、光入射面10Aを基準として記録再生層群14よりも遠い側に配置する場合に限って示したが、本発明はこれに限定されない。また。記録再生層群14として記録再生層を6層を備える場合に限って示したが、本発明はこれに限定されない。
なお、本実施形態では、記録再生層群において、2種類の層間距離(16μm、12μm)を交互に設定する場合を示したが、本発明はこれに限定されず、3種類以上の層間距離を組み合わせても良い。勿論、全て同じ膜厚に設定しても良い。
また本実施形態では、支持基板12ないしサーボ層18に光入射面側に近い記録再生層の最適記録条件等を事前に記録したが、記録を行う箇所は支持基板12ないしサーボ層18に限らず、記録再生層に事前に記録しても良い。
更に本実施形態では、支持基板12ないしサーボ層18は、トラッキング制御用のグルーブおよびランドを備えた記録層であるが、本発明はこれに限定されず、ピットや記録マークを用いてトラッキング制御を行う事も可能である。
また本発明では実施形態では、記録・再生を行う光学系と、トラッキング制御を行う光学系を別個に設けた光学系を用い、支持基板にのみトラッキング制御用のグルーブを設けた光記録媒体を用いたが、本発明の効果はこの様な光学系、および媒体構成に限定されず、記録・再生を行う光学系と、トラッキング制御を行う光学系が同一の評価機で、記録再生層にトラッキング制御用のグルーブを設けた光記録媒体を評価した結果、本実施例と同様の効果を確認した。
10 光記録媒体
11 カバー層
12 支持基板
14 記録再生層群
16 中間層群
17 バッファ層
18 サーボ層
90 光ピックアップ

Claims (7)

  1. 材料組成及び膜厚が実質的に同一である複数の記録再生層を有する記録再生層群を少なくとも1群有する多層光記録媒体への記録に適用される記録パワー決定方法であって、
    前記複数の記録再生層のうちの任意の記録再生層Aへの記録に適用される記録パワーを、前記記録再生層Aよりも光入射面側に存在する記録再生層Bの記録パワーの実測値と、事前に媒体に記録された記録再生層Aおよび記録再生層Bの推奨の記録パワーの相対比率から導出することを特徴とする記録パワー決定方法。
  2. 前記記録再生層Aよりも光入射面側に存在する記録再生層Bの最適記録パワーの実測値をPとし、前記記録再生層Aと前期記録再生層Bの推奨の記録パワーの相対比率をTとしたとき、前記記録再生層Aに対する暫定の最適記録パワーをP/Tとし、これを用いて真の最適記録パワーを導出する事を特徴とする請求項1に記載の記録パワー決定方法。
  3. 前記暫定の最適記録パワーに対して、αP/T<P<βP/T(ここで、αは0より大きく1よりも小さい係数、βは1よりも大きい係数)で表される、実測値を用いて導出される推奨の記録パワーPの範囲より、前記真の最適記録パワーを導出する事を特徴とする請求項2に記載の記録パワー決定方法。
  4. 前記多層記録媒体中に予め記録されている推奨の記録パワーP’の範囲を参照して、前記最適記録パワーの実測値Pの実測を行うことを特徴とする請求項2または3に記載の記録パワー決定方法。
  5. 前記推奨の記録パワーP’を用いて導出される推奨の記録パワーP’が、α’P’<P’<β’P’(ここで、α’は0より大きく1よりも小さい係数、β’は1よりも大きい係数)で表された時に、βP/T−αP/T=β’P’−α’P’である事を特徴とする請求項4に記載の記録パワー決定方法。
  6. (α+β)/2=1である事を特徴とする請求項3乃至5に記載の記録パワーの決定方法。
  7. 最適記録パワーを実測する前記記録再生層Bが、最も光入射面側に存在する記録再生層である事を特徴とする請求項1乃至6に記載の記録パワーの決定方法。
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