JP2013129903A - 無機ナノ粒子の製造方法及び無機ナノ粒子分散液 - Google Patents

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Abstract

【課題】化学試薬等を使用することなく溶媒中に長期間安定して分散された状態を維持することが可能な無機ナノ粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】レーザー光Lを発生させるためのレーザー発振器10と、前記レーザー光を集光するための集光手段12と、溶媒14を保持するための処理容器13と、処理容器13内に保持されている溶媒14と、溶媒14中に添加された銅、貴金属、これらの酸化物、並びに、これらのうち少なくとも1種を含む合金からなる群から選択される少なくとも1種の無機材料からなる粉末状のターゲット15とを備える液相レーザーアブレーション装置を用い、溶媒14を撹拌しながら、液相と気相との界面Iにおけるフルエンスが0.70J/cm以上となるようにして気相側から界面Iにレーザー光Lを集光照射することにより、溶媒14中のターゲット15に対してレーザー光Lを照射し、溶媒14中において無機ナノ粒子を製造する方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、無機ナノ粒子の製造方法並びに無機ナノ粒子分散液に関する。
従来から、化学的手法や物理的手法等を利用した様々な方法を用いてナノサイズの粒子(ナノ粒子)が形成されてきた。しかしながら、化学的手法を利用する従来のナノ粒子の製造方法においては、ナノ粒子の形成が困難な材料が存在するという問題があった。また、物理的手法を利用する従来のナノ粒子の製造方法においては、得られる粒子のサイズを十分に小さくできず、しかも不純物が混入しやすいといった問題があった。そこで、ナノ粒子の製造方法としては、不純物の混入を十分に抑制するという観点から、いわゆる液相レーザーアブレーションを採用する方法が注目されてきた。
このような液相レーザーアブレーションは、レーザー光を吸収する材料であれば、原理的には全ての材料のナノサイズ化が可能であると言われている。今日では、無機材料に対して液相レーザーアブレーションを施して、無機材料のナノ粒子を製造する種々の方法が提案されている。
例えば、2007年に発行されたApplied Surface Science(vol.253)の7840−7847頁に記載されたT.Okada, J.Suehiroらの論文「Synthesis of nano-structured materials by laser-ablation and their application to sensors(非特許文献1)」、2011年に発行されたTHE JOURNAL OF PHYSICAL CHEMISTRY(vol.115)の5073−5083頁に記載されたG.Cristoforettiらの論文「Production of Palladium Nanoparticles by
Pulsed Laser Ablation in Water and Their Characterization(非特許文献2)」、2010年に発行されたJournal of Laser Micro/Nanoengineering(vol.5)の192−196頁に記載されたT.Nishi, A.Takeichiらの論文「Fabrication of Palladium Nanoparticles by Laser Ablation in Liquid(非特許文献3)」においては、溶媒中においてパラジウムからなるターゲットに対してレーザー光を照射して液相レーザーアブレーションを施すことにより、パラジウムのナノ粒子を形成する方法が記載されている。
さらに、2010年8月30日に発行された第71回応用物理学会学術講演会の予稿集に記載された西哲平らの予稿「混合粉末ターゲットへのレーザー照射による化合物ナノ粒子作製(非特許文献4)」においては、溶媒を保持する処理容器の底部にパラジウムの粉末からなるターゲットを配置し、レーザー光を前記ターゲットに対して前記処理容器の底部を透過させて照射することにより、前記溶媒中においてパラジウムのナノ粒子を形成する方法が開示されている。
しかしながら、このような非特許文献1〜4に記載のような従来の無機ナノ粒子の製造方法においては、溶媒中において無機材料の粒子を形成して、該溶媒中に無機ナノ粒子が分散してなる分散液(コロイド)を得ることが可能となる場合もあるが、経時により分散液中のナノ粒子が容易に凝集してしまい、界面活性剤のような化学試薬等を使用しなければ、無機ナノ粒子分散液の分散性を長期間十分に安定して維持することができなかった。
T.Okada, J.Suehiro, "Synthesis of nano-structured materials by laser-ablation and their application to sensors",Applied Surface Science,2007年発行,vol.253,7840−7847頁 G.Cristoforettiら,"Production of Palladium Nanoparticles by Pulsed Laser Ablation in Water and Their Characterization",THE JOURNAL OF PHYSICAL CHEMISTRY,2011年発行,vol.115,5073−5083頁 T.Nishi, A.Takeichiら,"Fabrication of Palladium Nanoparticles by Laser Ablation in Liquid",Journal of Laser Micro/Nanoengineering,2010年発行,vol.5,192−196頁 西哲平ら,"混合粉末ターゲットへのレーザー照射による化合物ナノ粒子作製",第71回応用物理学会学術講演会予稿集,2010年8月30日発行
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、化学試薬等を使用することなく溶媒中に十分に長期間安定して分散された状態を維持することが可能な無機ナノ粒子を製造することができる無機ナノ粒子の製造方法、並びに、その方法を利用して得られる無機ナノ粒子分散液を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、上述のような非特許文献1〜4に記載のような無機ナノ粒子の製造方法を利用した場合に分散液中において無機ナノ粒子を十分に長期間安定して分散させることができない理由を検討したところ、無機材料をターゲットとした場合には、非特許文献1〜4に記載のような無機ナノ粒子の製造方法で採用する液相レーザーアブレーションの条件では、レーザー光の照射条件に依存して、無機材料のナノ粒子を十分に帯電させることができず、粒子が凝集してしまうのではないかと推察した。そして、このような点を考慮して、本発明者らが、更に鋭意研究を重ねた結果、レーザー光を発生させるためのレーザー発振器と、前記レーザー光を集光するための集光手段と、溶媒を保持するための処理容器と、前記処理容器内に保持されている溶媒と、前記溶媒中に添加された粉末状の所定の無機材料からなるターゲットとを備える液相レーザーアブレーション装置を用いて、前記溶媒を撹拌しながら、液相と気相との界面におけるフルエンスが0.70J/cm以上となるようにして気相側からレーザー光を集光照射(気相側から溶媒の表面にレーザー光を集光照射)し、前記溶媒中の前記ターゲットに前記レーザー光を照射することにより、驚くべきことに、化学試薬等を使用することなく前記溶媒中に十分に長期間安定して分散された状態を維持することができる無機ナノ粒子を製造することが可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の無機ナノ粒子の製造方法は、レーザー光を発生させるためのレーザー発振器と、前記レーザー光を集光するための集光手段と、溶媒を保持するための処理容器と、前記処理容器内に保持されている溶媒と、前記溶媒中に添加された銅、貴金属、これらの酸化物、並びに、銅及び貴金属のうちの少なくとも1種を含む合金からなる群から選択される少なくとも1種の無機材料からなる粉末状のターゲットとを備える液相レーザーアブレーション装置を用い、
前記溶媒を撹拌しながら、液相と気相との界面におけるフルエンスが0.70J/cm以上となるようにして気相側から該界面に前記レーザー光を集光照射することにより、前記溶媒中の前記ターゲットに対して前記レーザー光を照射し、前記溶媒中において前記無機材料のナノ粒子を形成することを特徴とする方法である。
上記本発明の無機ナノ粒子の製造方法においては、前記レーザー光の液相と気相との界面におけるフルエンスが0.70〜200J/cm(より好ましくは0.70〜100J/cm、更に好ましくは2.0〜100J/cm)であることが好ましい。
上記本発明の無機ナノ粒子の製造方法においては、前記ターゲットが、別途、液相中においてレーザー光を照射されて形成された無機材料からなる粉末であり、且つ、前記溶媒を撹拌する工程を実施する前に、前記ターゲットの粉末が前記溶媒中に分散されていることがより好ましい。
本発明の無機ナノ粒子分散液は、溶媒中に無機ナノ粒子が分散された無機ナノ粒子分散液であって、
製造後2時間以内の初期の前記無機ナノ粒子分散液及び大気圧、20〜25℃の温度の条件下において製造後1年以上経過させた前記無機ナノ粒子分散液に対してUV−可視光吸収スペクトル測定をそれぞれ行い、200〜800nmの波長領域のうちの前記初期の無機ナノ粒子分散液の吸収スペクトルの吸光度の値が正の値となる波長領域の中から選択される任意の異なる2点の波長をそれぞれ第一の波長及び第二の波長とし、該2点の波長の光の吸光度の比([第一の波長の光の吸光度]/[第二の波長の光の吸光度])をそれぞれ求めた場合に、製造後1年以上経過させた前記無機ナノ粒子分散液の第一の波長の光の吸光度及び第二の波長の光の吸光度の値がいずれも正の値であり、且つ、初期の前記無機ナノ粒子分散液の前記強度比(初期強度比)と製造後1年以上経過させた前記無機ナノ粒子分散液の前記強度比(1年以上経過後の強度比)との変化率([初期強度比]/[1年以上経過後の強度比])が0.9〜1.1の範囲であること、
を特徴とするものである。なお、ここにおいて「第一の波長」とは、前記200〜800nmの波長領域のうちの前記初期の無機ナノ粒子分散液の吸収スペクトルの吸光度の値が正の値となる波長領域の中から選択される任意の一点の波長をいい、第二の波長の波長とは、前記波長領域の中から選択される任意の他のもう一点の波長をいう。
また、上記本発明の無機ナノ粒子分散液としては、前記無機ナノ粒子の平均粒子径が0.5〜20nmであり、且つ、前記無機ナノ粒子の粒子径の標準偏差が3.0nm以下であることが好ましい。このように、本発明の無機ナノ粒子分散液は、溶媒中において十分に均一性の高いナノ粒子であることが好ましく、このようなナノ粒子は、上記本発明の無機ナノ粒子の製造方法を採用して好適に製造することが可能である。
また、上記本発明の無機ナノ粒子分散液としては、上記本発明の無機ナノ粒子の製造方法を利用して得られたものであることが好ましい。
本発明によれば、化学試薬等を使用することなく溶媒中に十分に長期間安定して分散された状態を維持することが可能な無機ナノ粒子を製造することができる無機ナノ粒子の製造方法、並びに、その方法を利用して得られる無機ナノ粒子分散液を提供することが可能となる。
本発明の無機ナノ粒子の製造方法に好適に利用することが可能な液相レーザーアブレーション装置の一実施形態を示す模式図である。 実施例1で得られたパラジウムナノ粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。 実施例1で得られたパラジウムナノ粒子の分散液(製造後2時間)のUV−可視光吸収スペクトルを示すグラフである。 比較例2において利用した液相レーザーアブレーション装置を示す模式図である。 比較例2で得られたパラジウムナノ粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。 比較例2〜3で得られた分散液(製造後2時間)のUV−可視光吸収スペクトルを示すグラフである。 比較例4において利用した液相レーザーアブレーション装置を示す模式図である。 比較例4で得られたパラジウムナノ粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。 実施例4で得られた金ナノ粒子の分散液に関して、製造直後(製造後2時間経過後)及び1年経過後に測定したUV−可視光吸収スペクトルを示すグラフである。 比較例5で得られた金ナノ粒子の分散液に関して、製造直後(製造後2時間経過後)及び2日経過後に測定したUV−可視光吸収スペクトルを示すグラフである。 実施例5で得られた白金ナノ粒子の分散液に関して、製造直後(製造後2時間経過後)及び1年経過後に測定したUV−可視光吸収スペクトルを示すグラフである。 実施例6で得られた銅ナノ粒子の分散液に関して、製造直後(製造後2時間経過後)及び1年経過後に測定したUV−可視光吸収スペクトルを示すグラフである。 実施例7で得られた酸化銅ナノ粒子の分散液に関して、製造直後(製造後2時間経過後)及び1年経過後に測定したUV−可視光吸収スペクトルを示すグラフである。 実施例8で得られた合金ナノ粒子の分散液に関して、製造直後(製造後2時間経過後)及び1年経過後に測定したUV−可視光吸収スペクトルを示すグラフである。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明及び図面中、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
[無機ナノ粒子の製造方法]
本発明の無機ナノ粒子の製造方法は、レーザー光を発生させるためのレーザー発振器と、前記レーザー光を集光するための集光手段と、溶媒を保持するための処理容器と、前記処理容器内に保持されている溶媒と、前記溶媒中に添加された銅、貴金属、これらの酸化物、並びに、銅及び貴金属のうちの少なくとも1種を含む合金からなる群から選択される少なくとも1種の無機材料からなる粉末状のターゲットとを備える液相レーザーアブレーション装置を用い、
前記溶媒を撹拌しながら、液相と気相との界面におけるフルエンスが0.70J/cm以上となるようにして気相側から該界面に前記レーザー光を集光照射することにより、前記溶媒中の前記ターゲットに対して前記レーザー光を照射し、前記溶媒中において前記無機材料のナノ粒子を形成することを特徴とする方法である。
先ず、本発明の無機ナノ粒子の製造方法に利用することが可能な液相レーザーアブレーション装置の好適な実施形態について説明する。図1に、本発明の無機ナノ粒子の製造方法に好適に利用することが可能な液相レーザーアブレーション装置の一実施形態の模式図を示す。
図1に示す液相レーザーアブレーション装置は、レーザー発振器10と、ミラー11と、集光手段12と、処理容器13と、処理容器13中に添加された溶媒14と、ターゲット15と、撹拌装置16とを備えるものである。なお、図1中、符号Gは処理容器13中の雰囲気ガスを示し、符号Iは液相(溶媒14の相)と気相(雰囲気ガスGの相)との界面を示し、符号Lはレーザー光を示す。このような液相レーザーアブレーション装置は、粉末状のターゲット15にレーザー光を照射する際に溶媒14を撹拌して、溶媒14中にターゲット15が十分に分散された状態となるようにすることができ且つレーザー発振器10から発せられたレーザー光Lが、光路上に配置されたミラー11に反射された後に集光手段12を透過して、処理容器13内の液相と気相の界面I(溶媒145の表面)に集光照射されて、溶媒14中のターゲット15にレーザー光Lが照射されるように構成されている。
レーザー発振器10は、レーザー光Lを発生させることが可能なものであればよく、特に制限されず、パルス幅が80フェムト秒〜100ナノ秒のパルスレーザー光を照射できるレーザー光発生装置を好適に用いることができる。また、このようなレーザー光発生装置の中でも、パルス幅が80フェムト秒〜100ナノ秒であり、波長が19nm〜10.6μm(より好ましくは248nm〜10.6μm)であり、且つ、1パルスあたりのエネルギーが50mJ〜5J(より好ましくは200mJ〜2J、更に好ましくは400〜800mJ)であるパルスレーザー光を照射できるレーザー光発生装置がより好ましい。このようなレーザー発振器10は、例えば、YAGレーザー装置、エキシマレーザー装置によって構成されるものが挙げられ、中でも、YAGレーザー装置によって構成されるものがより好ましい。また、ミラー11は、特に制限されるものではなく、公知の反射板等(例えば鏡等)を適宜用いることができる。
集光手段12としては特に制限されず、公知の集光レンズを適宜利用することができ、中でも、界面Iに照射されるーザー光Lのフルエンスを0.70J/cm以上(好ましくは0.7〜200J/cm、より好ましくは0.7〜100J/cm、更に好ましくは2〜100J/cm、特に好ましくは40〜70J/cm)とすることを可能とする集光レンズを好適に利用することができる。
処理容器13は、容器内にレーザー光を入射させることが可能なものであって、且つ、容器13内に溶媒14を保持することが可能なものである。本実施形態においては、レーザー光が導入される部位に開口部を有する容器13を用いて、その開口部に集光手段12を配置して容器内部を密閉しつつ、集光手段12を透過したレーザー光が容器13内に導入されるように設計している。このような処理容器13は、容器13内に溶媒14を保持することができ、その液相内にターゲットを分散させてレーザーアブレーション処理を施すことが可能なものであればよく、液相レーザーアブレーションに利用することが可能な公知の容器(例えば、ガラス製のメスフラスコ)を適宜用いることができる。
このような処理容器13の材質等は特に制限されず、目的の設計に合わせて、その材質等を適宜変更することができ、例えば、樹脂製の容器や金属製の容器等を適宜用いることができる。なお、レーザーアブレーションの際に容器13の材料に起因する不純物が混入する可能性もあるため、これを防止するという観点から、利用するレーザー光Lの条件等に応じてガラス製のものや、樹脂製のもの(例えばアクリル樹脂製のもの)等を適宜用いることができる。
さらに、このような処理容器13の形状や大きさは特に制限されず、用いる集光手段12の種類や光学系を考慮して任意の形状等とすることが可能である。また、このような処理容器13は、レーザーアブレーションを施す際に動いてしまうことを防止するために、容器13自体を適宜固定してもよい。
溶媒14としては、液相レーザーアブレーション方法に用いることが可能な公知の溶媒を適宜用いることができる。このような溶媒としては特に制限されず、水、有機溶媒、無機溶媒を適宜利用でき、例えば、エタノール、イソプロパノール、キシレン、ケロシン、メタノール、水、アセトン、液体窒素等が挙げられる。
ターゲット15は、粉末状のものであり、且つ、銅、貴金属、これらの酸化物、並びに、銅及び貴金属のうちの少なくとも1種を含む合金からなる群から選択される少なくとも1種の無機材料からなるものである。このような貴金属としては、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、金(Au)、銀(Ag)が挙げられ、より微細で均一な粒子を形成することが可能であるという観点から、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、金(Au)、ロジウム(Rh)が好ましく、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、金(Au)がより好ましく、パラジウム(Pd)が特に好ましい。
また、銅及び貴金属の酸化物としては、特に制限されないが、製造の容易性などの観点から、銅(Cu)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)の酸化物がより好ましく、銅(Cu)、銀(Ag)の酸化物が更に好ましい。
また、このような銅及び貴金属のうちの少なくとも1種を含む合金としては、銅及び貴金属のうちの少なくとも1種の金属を含むものであればよく、特に制限されるものではないが、コロイド中の粒子の安定性の観点から、少なくとも貴金属のうちの1種を含むものが好ましく、そのような合金中の貴金属としては、Pd、Pt、Au、Rh、Agがより好ましく、Pt、Pd、Auが特に好ましい。更に、前記合金としては、銅及び貴金属のうちの少なくとも1種の金属以外の他の金属を含むものであってもよい。このような他の金属としては、例えば、鉄、チタン、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、アルミニウム、イットリウム、バナジウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、タンタル等が挙げられる。また、このような銅及び貴金属以外の他の金属としては、溶媒中(例えば水中)での安定性、アプリケーション(応用性)、安全性の観点から、鉄、クロム、ニッケル、マンガン、コバルトが好ましく、鉄、クロム、ニッケルがより好ましい。
また、前記合金においては、前記銅及び貴金属の含有量(合金中の銅及び貴金属の総量)が1質量%以上のものが好ましく、3質量%以上のものがより好ましく、5〜90質量%のものが特に好ましい。このような前記銅及び貴金属のうちの少なくとも1種の金属の含有量が前記下限未満では、かかる金属元素を添加させた効果がナノ粒子の特性に現れ難い傾向にある。なお、ここで「合金」とは、2種類以上の金属元素からなる金属化合物となっているものをいい、そのような合金としては、合金中に含有される金属の諸元素が原子レベルで混合した状態となっているものがより好ましい。なお、このような合金の状態はXRD測定により単一の化合物に帰属される回折線を示すか否かを判定すること等により確認することができる。
また、このような合金としては、例えば、Pd−Feの合金、Pd−Crの合金、Pd−Niの合金、Pt−Auの合金、Au−Agの合金、Pt−Rhの合金、Pd−Mnの合金、Pd−Coの合金、Cu−Agの合金、Cu−Auの合金等を適宜利用することができ、製造の容易さ、コスト、応用性の観点から、Pd−Feの合金、Pt−Auの合金、Pd−Niの合金、Cu−Auの合金、Cu−Agの合金が好ましい。
また、このような合金の製造方法としては特に制限されず、銅及び貴金属のうちの少なくとも1種の金属を含む2種以上の金属種の原料を溶解した溶解混合物を得た後、その溶解混合物を固体化させることにより製造する方法を採用してもよく、あるいは、公知の化学合成法により製造する方法を採用してもよい。このような溶解混合物を得る方法としては特に制限されず、前記2種以上の金属種の原料を溶解させることが可能な公知の方法を適宜採用することができ、例えば、アーク溶解炉を用いたアーク溶解法を採用して溶解混合物を製造してもよい。また、このような溶解工程においては、前記原料金属の諸金属をそれぞれ別々に溶解させてもよく、前記原料金属の諸金属を同一の炉内において同時に溶解混合させてもよい。また、このような固体化のための方法は特に制限されず、公知の方法を適宜利用することができる。なお、このような合金としては市販の材料を適宜利用してもよい。
また、このような無機材料の中でも、安定性や応用性の観点から、Cu、Pd、Pt、Au並びに、これらの酸化物及び合金が好ましく、Cu、Pd、Pt、Au、CuO、少なくともPdを含む合金が好ましい。また、このような無機材料は1種を単独で用いてもよく、あるいは、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このような粉末状のターゲット(無機材料)としては、平均一次粒子径が0.02〜200μmのものを用いることが好ましく、0.02〜170μmのものを用いることがより好ましい。また、無機材料がパラジウムの場合には、特に、平均一次粒子径が0.5〜4μmのものを用いることが好ましく、0.5〜1.5μmのものを用いることがより好ましい。このような粉末状のターゲット(粉末状の無機材料)の粒子の平均一次粒子径が前記下限未満では、アブレーション効率が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、粉末が重くなり、分散させることが困難となる傾向にある。なお、このような粉末状のターゲット(粉末状の無機材料)の平均一次粒子径は、100個以上の一次粒子の粒子径を走査型電子顕微鏡(SEM)により測定して平均化することにより求めることができる。また、このような粉末状の無機材料としては市販のもの(例えば、株式会社ニラコ製の商品名「パラジウム/粉末」等)を適宜利用してもよい。
また、このようなターゲット(粉末状の無機材料)15の添加量としては、溶媒14に対して5〜20mg/mLであることが好ましく、12〜20mg/mLであることがより好ましい。このようなターゲット(粉末状の無機材料)15の添加量が前記下限未満では、アブレーション効率が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、撹拌により液滴と粉末とが飛散してレンズ等に付着し易くなる傾向にある。
また、このようなターゲット15は、液相中においてレーザー光を照射されることにより形成された前記無機材料の粉末であり、且つ、前記溶媒14を撹拌する工程を実施する前に(無機材料のナノ粒子を形成する工程を実施する前の段階で)、前記処理容器内において前記ターゲットの粉末が前記溶媒中に分散された状態で存在することが好ましい。すなわち、ターゲット15としては、本発明の無機ナノ粒子の製造方法において実施する液相レーザーアブレーション方法とは別に、液相中においてレーザーアブレーション処理を施されて形成された粉末状のターゲット(無機材料)であり、その処理の際に形成されたコロイド(ターゲット15の製造時に使用した溶媒とその溶媒中において形成されて分散された無機材料の粉末とからなるコロイド)をそのまま用いることが好ましい。このようにターゲット15が、別途、液相レーザーアブレーション処理(以下、本発明の無機ナノ粒子の製造方法において実施する液相レーザーアブレーション方法との区別が明確となるように、場合により「前処理」と記載する。)を施されて形成された無機材料の粉末からなる場合、その前処理により得られたコロイドを、そのまま本発明にかかる液相レーザーアブレーション装置の処理容器内のターゲット15及び溶媒14として利用することが可能となり、この場合には、コロイド状態のターゲット15に対して、本発明の無機ナノ粒子の製造方法を実施できるため、無機材料のナノ粒子を形成する際に、界面の近傍に分散されて存在するターゲットの割合がより高くなる傾向にあり、界面及びその近傍において、ターゲット15に対してより効率よくレーザー光を照射することが可能となることから、無機ナノ粒子をより効率よく形成することが可能となる。なお、このように前処理により得られたコロイドをそのまま本発明の無機ナノ粒子の製造方法に利用するという観点から、ターゲット(無機材料の粉末)15を製造する前処理(液相レーザーアブレーション処理)において用いる溶媒としては、上述の本発明にかかる溶媒14と同様のものを用いることが好ましい。また、このような前処理を施す際の処理容器も、上述の本発明にかかる処理容器13と同様のものを適宜利用することができる。そして、前処理に用いた処理容器、溶媒をそのまま、上述の本発明にかかる処理容器13、溶媒14として利用してもよい。なお、このような前処理により形成される「コロイド」とは、無機材料の粉末が溶媒中に分散しているような状態であればよく、長期に亘る分散安定性等を要求するものではない。すなわち、公知の液相レーザーアブレーション処理の条件を採用した場合には、そのレーザーアブレーションの条件を適宜変更することにより生成した粒子を帯電させて液相中において粒子の分散状態をある程度維持することが可能となるものの、前述のように、経時により粒子が容易に凝集して沈殿する。このような凝集に要する期間は、無機材料の種類によっても異なり、数日間のものもあれば数時間のものもある。そのため、前処理を施すことによって得られた無機材料の粉末をコロイド状態が維持されている時間内に利用すれば、撹拌する前の段階から、前記ターゲットの粉末が前記溶媒中に分散されている状態(コロイドの状態)とすることが可能となる。また、ここにいう前処理を施すことによって得られたコロイドは、化学試薬等を利用せずに、溶解中における粒子の分散状態を維持しているものが好ましい。
このようなターゲット15を製造するための前処理において採用される液相レーザーアブレーションの方法としては、無機材料の粉末を製造することができ且つ該粉末を溶媒中に分散させた状態(コロイド)とすることが可能な方法であればよく、特に制限されず、公知の液相レーザーアブレーション方法を適宜採用することができ、例えば、上記非特許文献4(2010年8月30日に発行された第71回応用物理学会学術講演会の予稿集に記載された西哲平らの予稿「混合粉末ターゲットへのレーザー照射による化合物ナノ粒子作製」)に記載されたような方法や、特開2011−161379号公報等に記載されている方法等を適宜採用してもよい。また、このような前処理に用いる液相レーザーアブレーション装置としても、公知の液相レーザーアブレーション処理を施すことが可能なものであればよく、特に制限されず、公知の液相レーザーアブレーション装置(例えば上記非特許文献4や特開2011−161379号公報に記載の装置等)をそのまま用いてもよい。このように、ターゲット(無機材料の粉末)15を製造するための液相レーザーアブレーション処理(前処理)においては、無機材料の粉末を製造でき且つその粉末を液相中に分散させることが可能な公知の液相レーザーアブレーション装置及び方法を適宜利用すればよい。
このような前処理の方法として好適に利用可能な方法としては、例えば、レーザー光を発生させるためのレーザー発振器と、前記レーザー光が透過可能な底部を有し且つ前記溶媒を保持するための処理容器と、前記処理容器内の底部上に配置させたターゲットを製造するための材料(ターゲット製造用材料)とを備え、前記処理容器の底部を透過したレーザー光が前記ターゲット製造用材料に対して照射されるように前記処理容器を配置している液相レーザーアブレーション装置(例えば、後述の図7に記載のような装置等)を用い、前記ターゲット製造用材料に対して前記レーザー光を前記処理容器の底部を透過させて照射することにより液相レーザーアブレーション処理を施し、これにより前記ターゲット製造用材料を微細化せしめてターゲット(無機材料の粉末)15を製造し、該ターゲットの粉末を液相中に分散する方法を採用してもよい。以下、このような前処理の方法として好適な方法に関して説明する。
このような前処理に用いるターゲット製造用材料は、前記無機材料からなるものであれば、その形態は特に制限されるものではなく、前記無機材料の粒子からなるものであってもバルク体からなるものであってもよいが、効率よくコロイド(分散液)の状態とするという観点からは粒子状のものを利用することが好ましい。また、このようなターゲット製造用材料としては、前述のターゲット15の条件を満たすもの(既に粉末状の無機材料となっているもの、例えば、市販の粒子等)をそのまま用いてもよく、その場合、前記前処理としての液相レーザーアブレーション処理をその粒子等に施すことにより、その粉末をより微細化して、これをターゲット15とすることができる。また、このような微細化処理としての前処理を施すことにより得られるターゲット15としては、平均一次粒子径が0.02〜2μmのものが好ましく、0.05〜1μmのものがより好ましい。なお、平均一次粒子径が前記下限未満ではアブレーション効率が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると撹拌時に粒子が効率的に界面に供給されず、効率が低下する傾向にある。また、このような前処理に用いる処理容器としては、レーザー光を透過可能な底部を有するものが好ましく、丸底フラスコ、ナス型フラスコ、梨型フラスコなどを適宜利用することができる。
また、このような前処理に利用するレーザー光を発振するためのレーザー発振器としては、特に制限されないが、前述のレーザー発振器10と同様のものを利用することが好ましい。また、このような前処理においては、得られるターゲット(無機材料の粉末)15が前処理に用いた溶媒(液相)中に分散したコロイド状態となるように、レーザーの照射条件を適宜設定することが好ましい。すなわち、このようなレーザーの照射条件は無機材料の種類によっても異なるものであり、一概に言えるものではないが、例えば、ターゲットを製造するための材料(無機材料の粒子又はバルク体等)に対して、液相中においてレーザー発振器から発振されるレーザー光を0.5〜5時間照射する条件を採用してもよい。また、この場合に、液相中の前記ターゲット製造用材料(無機材料の粒子又はバルク体等)の表面に照射されるレーザー光のフルエンスが0.3〜4J/cmとなるように調製してもよい。このようなフルエンスや照射時間が前記下限未満では前処理により形成される無機材料の粉末が溶媒中に分散されているコロイドを形成することが困難となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると容器の損傷しきい値を超えるため、容器の破損につながる可能性が高くなる傾向にある。また、このような前処理に利用するターゲット製造用材料の量としては特に制限されず、その好適な条件は無機材料の種類によっても異なるものではあるが、前記溶媒中における密度が2〜20g/mであることが好ましい。このような密度が前記範囲外にある場合には無機材料の粉末を溶媒中に分散したコロイド(分散液)状態で得ることが困難となる傾向にある。
撹拌装置16は、撹拌子(スターラバー)16Aと、撹拌子を回転させることが可能な装置16Bとかなる装置(いわゆる「マグネッチックスターラー」)である。このような撹拌装置16としては、粉末状のターゲット(粉末状の無機材料)15をより十分に分散させることが可能となるように、撹拌子の回転速度を300rpm以上(より好ましくは600rpm以上、更に好ましくは1000rpm)とすることが可能なものを好適に用いることができる。このような撹拌装置16としては特に制限されず、公知のものを適宜利用することができ、市販のものを用いてもよい。
次に、図1に示す液相レーザーアブレーション装置を利用した場合を例にして、溶媒を撹拌しながら、液相と気相との界面におけるフルエンスが0.70J/cm以上となるようにして気相側から該界面に前記レーザー光を集光照射することにより、前記溶媒中の前記ターゲットに対して前記レーザー光を照射し、前記溶媒中において無機材料のナノ粒子を形成する方法について説明する。
このような方法においては、溶媒14を撹拌しながら界面Iにレーザー光を集光照射する。このような溶媒14の撹拌の方法は、撹拌によりターゲット15を溶媒14中に十分に分散させることが可能となるような方法であればよく、特に制限されないが、撹拌子16Aの回転速度を300rpm以上(より好ましくは600rpm〜2400rpm、更に好ましくは800rpm〜1400rpm)とすることにより溶媒14を撹拌する方法を採用することが好ましい。このような回転速度が前記下限未満ではターゲット15を溶媒14中に十分に分散させることができなくなり、粉末状のターゲット15に対して均一にレーザーアブレーションを施すことが困難となるとともに、均一な無機材料のナノ粒子を形成することができなくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、液滴や粉末が飛散してレンズ等に付着し易くなる傾向にある(なお、粉末等がレンズに付着した状態でレーザー光が照射されると、レンズが容易に破損してしまう傾向にある)。
また、このようなレーザー光を集光照射する際には、集光手段12を利用して、界面Iにおけるレーザー光Lの1パルスあたりのエネルギー密度(フルエンス)を0.70J/cm以上とする必要があり、かかるフルエンスとしては0.70〜200J/cmとすることが好ましく、0.70〜100J/cmとすることがより好ましく、2.0〜100J/cmとすることが更に好ましく、40〜70J/cmとすることが特に好ましい。このような液相と気相との界面Iにおけるレーザー光Lのフルエンスが前記下限未満では、得られるナノ粒子の粒径の均一性が十分なものとならず、また、溶媒中において形成されたナノ粒子が経時により容易に凝集してしまい、長期間に亘り十分に安定してナノ粒子が分散した分散液を得ることができなくなる。更に、レーザー光Lのフルエンスが前記下限未満では、粒子の生成量が少なくなり、製造効率が低下する。また、上記上限を超えると、液滴の飛散や、撹拌子のアブレートによる不純物の混入の原因となる傾向にある。
また、界面Iにおけるレーザー光Lの集光形状(照射面形状)としては特に制限されず、集光後のレーザー光Lのエネルギー密度(フルエンス)が上記条件を満たすようなものであればよく、直径0.5〜9mm程度(より好ましくは直径0.5〜5mm程度)となるようにしてもよい。
また、このようにレーザー光Lを照射する際の気相を形成する処理容器13内の雰囲気ガスGとしては、空気、窒素、アルゴン、ヘリウム、酸素等を適宜利用することができ、安全性や装置の簡便性の観点から、空気もしくは不活性ガス(窒素、アルゴン等)を用いることが好ましい。
また、このようにレーザー光Lを照射する際の気相の圧力条件としては1〜2気圧(atm)であることが好ましく、1〜1.5気圧(atm)であることがより好ましい。このような気相の圧力が前記下限未満では、溶媒が気化し易くなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、気相側に生成するプルームが変形し、生成される粒子の粒子径の均一性が低下する傾向にある。更に、レーザー光Lを照射する際の温度条件は特に制限されないが、室温(25℃)程度であることが好ましい。
このように、上述のような液相レーザーアブレーション装置を用いて、溶媒14を撹拌しながら界面Iに気相側からレーザー光を集光照射することで、溶媒14の界面やその近傍に存在するターゲット15にレーザー光Lを照射し、ターゲット15に対して液相中でレーザーアブレーション処理を施すことが可能となる。すなわち、このような方法においては、先ず、撹拌装置16により溶媒14を撹拌してターゲット15の粒子を十分に分散させる。そして、このように溶媒14を撹拌(ターゲット15の粒子を十分に分散)しながら、レーザー発振器10からレーザー光Lを出射させ、そのレーザー光Lを光路上に配置されたミラー(反射板)11により反射させる。次に、ミラー11を反射したレーザー光Lは、集光手段12を透過して処理容器13内に入射され、液相と気相との界面Iに集光照射される。これにより、溶媒14の表面やその近傍に存在するターゲット15にレーザー光Lが照射され、液相と気相の界面及びその近傍において、液相レーザーアブレーション処理が行われて、無機材料のナノ粒子が形成される。そして、このようなレーザーアブレーション処理により形成されたナノ粒子は、周囲に存在する溶媒により冷却されて容易に安定化される。
なお、本発明においては、液相と気相との界面I(溶媒14の表面)にエネルギー密度(フルエンス)が0.70J/cm以上となるようにしてレーザー光Lを集光することにより、アブレーションで生成されるプルーム(ターゲットから放出される微粒子群)が液相を形成する溶媒14と気相を形成する雰囲気ガスGの双方の影響を受けるものと考えられ、これにより、液相中でナノ粒子が生成される過程において、溶媒14や雰囲気ガスGのアブレーションによって生成されたイオン種がナノ粒子の表面に付着するため、十分に均一性の高い無機材料のナノ粒子が得られるとともに、その形成された無機ナノ粒子が帯電して、化学試薬等を使用しなくとも、静電反発力により十分に長期間安定して分散させることも可能となるものと本発明者らは推察する。
そして、このような方法により、平均粒子径が0.5〜20nm(より好ましくは0.5〜15nm)であり、且つ、前記無機ナノ粒子の粒子径の標準偏差が3.0nm以下(より好ましくは2.0nm以下、更に好ましくは1.5以下)である無機ナノ粒子を製造することも可能となる。例えば、無機材料としてパラジウムを利用した場合には、平均粒子径が3〜8nm(より好ましくは4〜6nm)であり且つ粒子径の標準偏差が3.0nm以下(より好ましくは2.0nm以下、更に好ましくは1.5以下)であるような非常に均一性の高いナノ粒子を形成することも可能である。また、無機材料として合金を用いた場合には、平均粒子径が0.5〜20nm(より好ましくは1〜10nm)であり且つ粒子径の標準偏差が2.0nm以下(より好ましくは1.5以下、更に好ましくは1.0以下)であるような非常に均一性の高いナノ粒子を形成することも可能である。このように、本発明の無機ナノ粒子の製造方法は、溶媒中において十分に均一性の高いパラジウムナノ粒子を効率よく製造することが可能な方法としても利用することが可能である。
また、このようにして溶媒中において得られる無機材料のナノ粒子は、化学試薬等を使用しなくとも、その溶媒中に長期に亘って十分に安定して分散するものとなる。そして、このような方法によれば、後述する本発明の無機ナノ粒子分散液を効率よく製造することが可能となる。また、このようにして得られる無機ナノ粒子分散液は、エパボレーター等を用いて濃縮しても分散性を十分に維持することが可能なものとなる傾向にある。更に、溶媒を完全に蒸発させて得られるナノ粒子は粘性を有するものとなる傾向にある。
以上、図1を利用して、本発明の無機ナノ粒子の製造方法の好適な実施形態について説明したが、本発明の無機ナノ粒子の製造方法やその方法に利用することができる液相レーザーアブレーション装置は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、図1に示す実施形態(上記実施形態)においてはミラー11を用いているが、本発明にかかる液相レーザーアブレーション装置としては、レーザー光を発生させるためのレーザー発振器と、前記レーザー光を集光するための集光手段と、溶媒を保持するための処理容器と、前記処理容器内に保持されている溶媒と、前記溶媒中に添加された粉末状の前記無機材料からなるターゲットとを備えていればよく、ミラー11を用いなくてもよく、この場合には、直接レーザー光Lが処理容器13内に入射されるように、レーザー発振器10と処理容器13とを配置すればよい。
また、上記実施形態においては、撹拌装置16にいわゆるマグネチックスターラーを用いているが、本発明にかかる液相レーザーアブレーション装置においては、溶媒を撹拌するための手段は前述の撹拌装置16に制限されず、溶媒を撹拌してターゲットを十分に分散させることが可能なものであれば適宜用いることができ、例えば、撹拌羽根をモーター等で回転させるような撹拌装置や、超音波を印加して溶媒を撹拌する撹拌装置等を適宜利用することができる。
[無機ナノ粒子分散液]
本発明の無機ナノ粒子分散液は、溶媒中に無機ナノ粒子が分散された無機ナノ粒子分散液であって、
製造後2時間以内の初期の前記無機ナノ粒子分散液及び大気圧、20〜25℃の温度の条件下において製造後1年以上経過させた前記無機ナノ粒子分散液に対してUV−可視光吸収スペクトル測定をそれぞれ行い、200〜800nmの波長領域のうちの前記初期の無機ナノ粒子分散液の吸収スペクトルの吸光度の値が正の値となる波長領域の中から選択される任意の異なる2点の波長をそれぞれ第一の波長及び第二の波長とし、該2点の波長の光の吸光度の比([第一の波長の光の吸光度]/[第二の波長の光の吸光度])をそれぞれ求めた場合に、製造後1年以上経過させた前記無機ナノ粒子分散液の第一の波長の光の吸光度及び第二の波長の光の吸光度の値がいずれも正の値であり、且つ、初期の前記無機ナノ粒子分散液の前記強度比(初期強度比)と製造後1年以上経過させた前記無機ナノ粒子分散液の前記強度比(1年以上経過後の強度比)との変化率([初期強度比]/[1年以上経過後の強度比])が0.9〜1.1の範囲であること、
を特徴とするものである。
このような溶媒は、前述の本発明の無機ナノ粒子の製造方法において説明した溶媒と同様のものである。
また、本発明の無機ナノ粒子分散液は、製造後2時間以内の初期の前記無機ナノ粒子分散液及び大気圧、20〜25℃の温度の条件下において製造後1年以上経過(保管)した前記無機ナノ粒子分散液(1年経過後1月以内のものが好ましい。)に対してUV−可視光吸収スペクトル測定をそれぞれ行い、200〜800nmの波長領域のうちの前記初期の無機ナノ粒子分散液の吸収スペクトルの吸光度の値が正の値となる波長領域の中から選択される任意の異なる2点の波長をそれぞれ第一の波長及び第二の波長とし、該2点の波長の光の吸光度の比([第一の波長の光の吸光度]/[第二の波長の光の吸光度])をそれぞれ求めた場合に、各分散液の第一の波長の光の吸光度及び第二の波長の光の吸光度の値がいずれも正の値となり、且つ、初期の前記無機ナノ粒子分散液の前記強度比(初期強度比)と製造後1年以上経過させた前記無機ナノ粒子分散液の前記強度比(1年以上経過後の強度比)との変化率([初期強度比]/[1年以上経過後の強度比])が0.9〜1.1の範囲のものである。このような変化率の値が前記範囲外の値となる場合には、分散液中のナノ粒子の分散性が低く、無機ナノ粒子が凝集して沈殿等が生じたものとなってしまい、長期間に亘って分散性を維持できないものとなる。このように、本発明の無機ナノ粒子分散液においては、UV−可視光吸収スペクトルの200〜800nmの波長領域のうちの前記初期の無機ナノ粒子分散液の吸収スペクトルの吸光度の値が正の値となる波長領域の中から選択される任意の異なる2点の波長の光の吸光度が経時により変化する割合を分散性の指標としている。また、このような変化率の値としては、分散液がより高い分散安定性を満たすものとなることから0.9〜1.0の範囲であることがより好ましい。
このような強度比の変化率を求めるための、無機ナノ粒子分散液に対するUV−可視光吸収スペクトル測定方法としては、以下のような方法を採用する。すなわち、UV−可視光吸収スペクトル測定に際しては、先ず、測定に用いる無機ナノ粒子分散液(初期及び1年以上経過後のもの)の濃度を0.1mg/mLに調整した測定試料を形成する。次いで、前記測定試料に対してUV−可視光吸収スペクトル測定装置(例えば島津製作所社製の商品名「紫外可視近赤外分光光度計(UV−3600)」)を用いて、25℃の温度条件下、吸収スペクトルを測定する方法を採用する。そして、このようにして求められる吸収スペクトルから、初期の無機ナノ粒子分散液において、吸収スペクトルの吸光度の値が正の値となる波長領域における任意の異なる2点の波長の光の吸光度をそれぞれ求めて、前記強度比を求める。なお、このように任意の2点の強度比を分散性の指標として採用するのは、このような任意の異なる2点の波長の光の吸光度により、粒子の分散安定性を推察することが可能となるためである。さらに、200〜800nmの波長領域のうちの前記初期の無機ナノ粒子分散液の吸収スペクトルの強度が正の値となる波長領域の中から選択される、任意の異なる2点の波長(第一及び第二の波長)の位置における吸光度に基いて分散性を推察するが、前記初期の無機ナノ粒子分散液の吸収スペクトルの強度が0となる場合やノイズや誤差等により負の値となるような領域は、そもそも、その無機材料の粒子による吸収が確認されない波長領域であるものと考えられるため、分散性安定性を推察するための指標としては利用することは困難であり、本発明においては、初期の無機ナノ粒子分散液の吸収スペクトルの強度が正の値となる波長領域の中から波長を選択している。また、このような測定において、1年経過後において吸光度の値が0となる場合やノイズや誤差等により負の値となる場合には、粒子が凝集して分散性が非常に低いものとなっているかあるいは粒子が凝集、沈降して分散していないものである。そのため、本発明においては、各分散液の上記任意の異なる2点の波長の光の吸光度の値がいずれも正の値であることを条件としている。このように、1年経過後においていずれかの波長の光の吸光度の値が0或いは負の値となるような分散液は、分散性が低く、本発明の無機ナノ粒子分散液の条件を満たさないものとなる。
また、このような任意の2点の波長としては、前記初期の無機ナノ粒子分散液の吸収スペクトルにおいてプラズモン吸収のピークが確認される場合には、そのピーク近傍の波長領域(好ましくはピークの最大値の波長から±20nm以内の波長領域)から少なくとも1点(より好ましくは2点)選択することが好ましく、プラズモン吸収のピークが確認される場合においては、ピークの極大値と極小値における波長を前記任意の2点の波長として選択することが好ましい。
例えば、分散液中の無機材料の金属種がパラジウムであり、粒径が1〜5nm程度である場合には、プラズモン吸収のピークが波長200nm〜400nm程度の位置において確認されるため、前記任意の異なる2点の波長として265nmの波長と383nmの波長をそれぞれ選択することが好ましい。なお、無機材料がパラジウムである場合に、強度比の値として、265nmの波長の光の吸光度と383nmの波長の光の吸光度との比の値を採用するのは、このような波長の光の吸光度により粒子の分散安定性をより効率よく推察することが可能となるためである。このように、無機材料の金属種がパラジウムである場合においては、製造後2時間以内の初期の前記パラジウムナノ粒子分散液及び大気圧、20〜25℃の温度の条件下において製造後1年以上経過(保管)した前記パラジウムナノ粒子分散液(1年経過後1月以内のものが好ましい。)に対してUV−可視光吸収スペクトル測定をそれぞれ行い、265nmの波長の光の吸光度と383nmの波長の光の吸光度との強度比([265nmの光の吸光度]/[383nmの光の吸光度])をそれぞれ求めた場合に、各分散液の265nmの波長の光の吸光度及び383nmの波長の光の吸光度の値がいずれも正の値であり、且つ、初期の前記パラジウムナノ粒子分散液の前記強度比(初期強度比)と製造後1年以上経過させた前記パラジウムナノ粒子分散液の前記強度比(1年以上経過後の強度比)との変化率([初期強度比]/[1年以上経過後の強度比])が0.9〜1.1の範囲のものであることが好ましい。このような変化率の値が前記範囲外の値となる場合には、分散液中のナノ粒子の分散性が低く、パラジウムのナノ粒子が凝集して沈殿等が生じたものとなってしまい、長期間に亘って分散性を維持できないものとなる。このように、無機材料がパラジウムである本発明の無機ナノ粒子分散液においては、UV−可視光吸収スペクトルの265nmの波長の光の吸光度と383nmの波長の光の吸光度との強度比([265nmの光の吸光度]/[383nmの光の吸光度])が経時により変化する割合を分散性の指標とすることが好ましく、このような変化率の値としては、分散液がより高い分散安定性を満たすものとなることから0.9〜1.0の範囲であることがより好ましい。なお、このような測定において、無機材料がパラジウムである場合に、初期及び製造後1年経過後の分散液の265nmの波長の光の吸光度又は383nmの波長の光の吸光度の値が0となる場合やノイズや誤差等により負の値となる場合には、粒子が凝集して分散性が非常に低いものとなっているかあるいは粒子が凝集、沈降して分散していないものであると言えるため、各分散液の265nmの波長の光の吸光度及び383nmの波長の光の吸光度の値がいずれも正の値であることが、その好適な条件となる。このように、無機材料がパラジウムである場合には、265nm及び383nmのいずれかの波長の光の吸光度の値が0或いは負の値となるような分散液は、分散性が低く、本発明の無機ナノ粒子分散液の好適な条件を満たさないものとなる。以上、分散液中の無機材料の金属種がパラジウムである場合に関して、任意の2点の波長として好適な波長を説明したが、以下において、分散液中の無機材料が他の金属種である場合についても簡単に説明する。例えば、無機材料の金属種が金(Au)である場合には、プラズモン吸収のピークが波長500nm〜600nm程度の位置において確認されるため、前記任意の異なる2点の波長として550nmの波長と600nmの波長を選択することが好ましい。更に、無機材料の金属種が銅(Cu)である場合には、プラズモン吸収のピークが波長300nm〜400nm程度の位置及び波長550nm〜700nm程度の位置において確認されるため、前記任意の異なる2点の波長として350nmの波長と700nmの波長を選択することが好ましい。更に、このような好適な異なる2点の波長(第一及び第二の波長)としては、例えば、無機材料が白金(Pt)の場合には350nmと700nmを、無機材料がロジウム(Rh)の場合には400nmと600nmを、オスミウム(Os)の場合には300nmと600nmを、イリジウム(Ir)の場合には400nmと700nmを、それぞれ選択することが好ましい。また、無機材料の種類によってプラズモン吸収が確認されない場合(例えば酸化銅等の場合)もあるが、そのようなプラズモン吸収が確認されないような分散液の場合には、450nmと500nmの波長を前記任意の異なる2点の波長(第一の波長及び第二の波長)として選択することが好ましい。なお、プラズモン吸収が確認されないような分散液の場合において、初期の分散液に関して450nmと500nmの波長の位置のいずれか又は双方において正の値の吸光度が確認されない場合には、その正の値の吸光度が確認されない波長を、正の値の吸光度が確認される別の波長に変更すればよい。
また、本発明の無機ナノ粒子分散液中の無機ナノ粒子(分散質)は、平均粒子径が0.5〜20nmであることが好ましい。このような平均粒子径が前記下限未満では、粒子表面が帯電しにくくなり、コロイドの安定性が低下する。他方、このような平均粒子径が前記上限を超えると帯電によるコロイドの安定化よりも、重力による沈降の影響が大きくなり、コロイドが不安定となる。また、上述の上限値及び下限値の理由と同様の観点から、前記無機ナノ粒子の平均粒子径の上限値は15nm(更に好ましくは10nm)であることがより好ましく、他方、前記無機ナノ粒子の平均粒子径の下限値は、0.5nmであることがより好ましい。また、同様の理由から、特に、無機材料がパラジウムである場合には、平均粒子径は3〜8nmのものであることが好ましく、その平均粒子径の上限値が6nm(更に好ましくは5nm)であることがより好ましく、更に、下限値は、4nmであることがより好ましい。また、無機材料がAuである場合には、平均粒子径は5〜15nmのものであることが好ましく、その平均粒子径の上限値が13nmであることがより好ましい。また、無機材料が合金である場合には、平均粒子径は0.5〜20nmのものであることが好ましく、その平均粒子径の上限値が5nmであることがより好ましく、更に、下限値は、0.5nmであることがより好ましい。また、無機材料の他の金属種に関して、例えば、無機材料が銅(Cu)やその酸化物である場合には平均粒子径は0.5〜10nmであることが好ましく、無機材料が白金(Pt)の場合には平均粒子径は5〜15nmであることが好ましい。
さらに、前記無機ナノ粒子は、粒子径の標準偏差が3.0nm以下のものであることが好ましい。このような標準偏差が前記上限を超えると、粒子の均一性が低下し、コロイドの安定性の低下やナノ粒子特性の低下の原因となる。また、同様の観点から、無機ナノ粒子の粒子径の標準偏差としては2.0nm以下(更に好ましくは1.5以下、特に好ましくは0.5〜1.0nm)であることがより好ましい。特に、無機ナノ粒子を形成する無機材料が合金である場合には、上述の本発明の無機ナノ粒子の製造方法を採用することにより、標準偏差が1.0nm以下となるような非常に均一性の高い粒子を形成することもできるため、例えば、無機ナノ粒子を形成する無機材料が合金である場合には標準偏差が1.0nm以下であることが好ましい。
なお、このようなナノ粒子の平均粒子径及び粒子径の標準偏差は、任意の100個以上の一次粒子の粒子径を透過型電子顕微鏡(TEM)により測定して、その粒子径の測定値に基づいて算出する。さらに、ここにいう粒子径とは、粒子が球形でない場合には外接円の最大直径をいう。
また、本発明の無機ナノ粒子分散液としては、前記初期の前記無機ナノ粒子分散液の前記第一の波長及び前記第二の波長の光の吸光度(初期吸光度)と、前記製造後1年以上経過させた前記無機ナノ粒子分散液の前記第一の波長及び第二の波長の光の吸光度(1年以上経過後の吸光度)の値に基いて、第一の波長及び第二の波長のそれぞれの波長の位置における吸光度の変化率(式:[初期吸光度]−[1年以上経過後の吸光度]/[初期吸光度]を計算して得られる値の絶対値)を、それぞれ測定した場合(例えば、第一の波長が350nmであり且つ第二の波長が700nmである場合には、第一の波長(350nm)の光の吸光度の変化率と、第二の波長(700nm)の光の吸光度の変化率とをそれぞれ測定した場合)において、少なくとも一方の波長における変化率が0.20以下(より好ましくは0.15以下、更に好ましくは0.10以下、特に好ましくは0.09以下)であるという条件を満たすことが好ましく、双方の波長が前記条件を満たすことがより好ましい。このような変化率が第一及び第二の波長の双方において上記上限を超えるような無機ナノ粒子分散液は、吸収スペクトルの強度の変化が大きく、分散性の変化が大きいものと考えられることから、長期に亘る分散安定性が必ずしも十分なものではないと考えられる。このように、本発明の無機ナノ粒子分散液としては、長期に亘る分散安定性が十分に高いものとなるという観点から、上記条件を満たすものが好ましい。
また、本発明の無機ナノ粒子分散液としては、前記初期強度比及び前記1年以上経過後の強度比の値を利用して下記式:
[強度比の第二の変化率]=([初期強度比]−[1年経過後の強度比])/[初期強度比]
の計算値の絶対値として、強度比の第二の変化率を求めた場合に、前記強度比の第二の変化率が0.20以下であることが好ましく、0.10以下であることが好ましい。このような強度比の第二の変化率が前記上限を超えると長期に亘る分散安定性が必ずしも十分なものではない傾向にある。
また、このような本発明の無機ナノ粒子分散液は、上記本発明の無機ナノ粒子の製造方法を利用することにより容易に形成することができる。そのため、本発明の無機ナノ粒子分散液としては、上記本発明の無機ナノ粒子の製造方法を利用して得られたものであることが好ましい。なお、上記本発明の無機ナノ粒子の製造方法によって溶媒中に無機材料のナノ粒子を形成することにより、溶媒中に無機材料からなるナノ粒子が分散された本発明の無機ナノ粒子分散液をそのまま得ることが可能である。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示す液相レーザーアブレーション装置と同様の構成の液相レーザーアブレーション装置を用いて、パラジウム(Pd)のナノ粒子の製造を行った。なお、レーザー発振器10としてNd:YAGレーザー装置を用い、ミラー11として市販の反射鏡(CVI社製)を用い、集光手段12として焦点距離が100mmの合成石英レンズ(シグマ光機社製の商品名「球面平凸レンズ」)を用い、処理容器13としてガラス製のメスフラスコ(容量250mL)を用い、溶媒14としてはイオン交換水からなる純水(200mL、軽水、DO濃度:0質量%)を用い、ターゲット15としてパラジウムの粉末(3g、株式会社ニラコ製の商品名「パラジウム粉末」、300mesh、平均粒子径1μm)、撹拌装置16としてマグネチックスターラー(AS ONE社製の商品名「マグネチックスターラー」、長さ30mmの棒状の撹拌子16Aを利用)を用いた。また、処理容器13中の気相を形成する雰囲気ガスGとしては空気を利用した。
そして、先ず、処理容器13に溶媒14を導入した後に、前記パラジウムの粉末を添加した。その後、マグネチックスターラーを用い、撹拌子16Aを回転速度1200rpmで回転させて溶媒14を撹拌し、ターゲット15(パラジウムの粉末)を溶媒14中に強制的に分散させた。そして、撹拌子16Aの回転速度を1200rpmに維持して撹拌を続けながら、レーザー発振器10からNd:YAGレーザーの2倍高調波である波長532nmのレーザー光Lを10Hz、700mJ/pulseの照射条件で発振し、そのレーザー光をミラー11により反射させて集光手段12に入射させ、集光手段12により溶媒14の表面(液相と気相の界面I)におけるレーザー光Lのフルエンスが90J/cmとなるように集光(集光形状:直径が1mmの円形状)して、液相と気相の界面Iにレーザー光Lを60分間集光照射した。このようにしてレーザー光Lを界面Iに焦点がくるようにして集光照射することにより、液相と気相の界面から溶媒中にレーザー光Lが入射し、溶媒14の表面やその近傍に存在するターゲット15の粉末に対してレーザー光Lが照射されて、ターゲット15の粉末に対して液相レーザーアブレーションが行われた。このようにして、溶媒14中においてパラジウムのナノ粒子を形成し、前記ナノ粒子が溶媒14中に分散した分散液(黄色のコロイド)を得た。なお、このようにして得られたパラジウムのナノ粒子の収量(1時間当たりに製造される粒子の重さ)は25mg/hであった。
[実施例1で得られたナノ粒子及び分散液の特性の評価]
(透過型電子顕微鏡(TEM)測定)
実施例1で得られた分散液の一部(30mL)をガラス皿に移し替えて乾燥機により溶媒13(純水)を加熱蒸発させて粒子を回収した。このようにして回収された粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)で測定して粒子径を測定した。なお、このような測定により得られた結果のうち、透過型電子顕微鏡(TEM)写真を図2に示す。また、このような測定の結果、得られたパラジウムのナノ粒子の平均粒子径は5nmであり、粒子径の標準偏差は1.5nmであった。このような結果から、均一性の十分に高いナノ粒子が形成されていることが確認された。
(UV−可視光吸収スペクトルの測定A)
実施例1で製造した直後(製造から2時間後のもの)の分散液を用い、分散液中のパラジウムナノ粒子の濃度が0.1mg/mLとなるように調整した測定試料を形成した。その後、前記測定試料を用い、UV−可視光吸収スペクトル測定装置(島津製作所社製の商品名「紫外可視近赤外分光光度計(UV−3600)」)を用いて、25℃の温度条件下、UV−可視光吸収スペクトルを測定した。このような測定により得られた吸収スペクトルのグラフを図3に示す。なお、分散安定性を測定するための指標として、第一の波長として265nmを選択し、第二の波長として383nmを選択して、強度比等を求めた。図3に示す結果からも明らかなように、波長:265nmと383nmの位置において吸光度のピークが観測(吸光度が正の値を有していることが観測)され、分散液の分散性が十分に高いことが分かった。また、265nmの波長の光の吸光度と383nmの波長の光の吸光度との強度比([265nmの光の吸光度]/[383nmの光の吸光度])を求めたところ、製造直後の分散液の強度比(初期強度比)は2.84であることが分かった。
(UV−可視光吸収スペクトルの測定B)
実施例1で製造後、大気圧、20〜25℃の温度条件下において1年経過した後の分散液を用いた以外は、「UV−可視光吸収スペクトルの測定A」で採用した方法と同様の方法を採用して1年経過後の分散液のUV−可視光吸収スペクトルを測定した。このような測定により得られた吸収スペクトルのグラフから、波長:265nmと383nmの位置において吸光度が正の値を有していることが確認されるとともに、265nmの光の吸光度と383nmの波長の光の吸光度との強度比([265nmの光の吸光度]/[383nmの光の吸光度])を求めたところ、1年経過後の分散液の強度比(1年経過後の強度比)は2.70であることが分かった。
このようなUV−可視光吸収スペクトルの測定A及びBの結果から、初期強度比に対する1年経過後の強度比の変化率を式:
[強度比の変化率]=[初期強度比]/[1年経過後の強度比]
を計算して求めたところ、強度比の変化率(強度比の第一の変化率)の値は1.05であることが分かった。このような結果から、実施例1で得られた分散液においては、分散液中のナノ粒子の分散性がほとんど変化していないことが分かり、上述のような液相レーザーアブレーションにより得られるナノ粒子は長期に亘って分散性を維持することが可能なものであることが分かった。すなわち、実施例1で得られたナノ粒子は、分散液中における分散安定性が十分に高いものであることが確認された。
また、UV−可視光吸収スペクトルの測定A及びBの結果から、265nmの光の吸光度の変化率と383nmの波長の光の吸光度の変化率を、それぞれ、式:
[特定波長における吸光度の変化率]=[特定波長における初期吸光度]−[特定波長における1年以上経過後の吸光度]/[特定波長における初期吸光度]
の計算値の絶対値として求めたところ、265nmの光の吸光度の変化率は0.01であり、383nmの波長の光の吸光度の変化率は0.01であった。なお、ここにいう「初期吸光度」とは、製造した直後(製造から2時間後のもの)の分散液の吸光度をいい、「1年以上経過後の吸光度」とは、1年経過した後の分散液の吸光度をいう。また、強度比の第二の変化率を下記式:
[強度比の第二の変化率]=([初期強度比]−[1年経過後の強度比])/[初期強度比]
の計算値の絶対値として求めたところ、強度比の第二の変化率は0.10であった。このような結果から、実施例1で得られたナノ粒子は、分散液中における分散安定性が十分に高いものであることが確認された。
(実施例2)
レーザー発振器10としてNd:YAGレーザー装置を用い、レーザー発振器10からNd:YAGレーザーの3倍高調波である波長355nmのレーザー光Lを10Hz、500mJ/pulseの照射条件で発振し、集光手段12により溶媒の表面(液相と気相の界面I)におけるレーザー光Lのフルエンスが60J/cmとなるように集光(集光形状:直径が1mmの円形状)した以外は、実施例1と同様にして、溶媒14中においてパラジウムのナノ粒子を形成し、前記ナノ粒子が溶媒14中に分散した分散液(黄色のコロイド)を得た。なお、このようにして得られたパラジウムのナノ粒子の収量は18mg/hであった。
実施例1で得られたナノ粒子及び分散液の特性の評価方法と同様の方法を採用して実施例2で得られたナノ粒子及び分散液の特性を評価したところ、得られたパラジウムのナノ粒子の平均粒子径は6.5nmであり、粒子径の標準偏差は2.0nmであった。また、吸収スペクトルの測定により、製造直後の分散液(製造から2時間後のもの)及び製造から1年経過後の分散液のいずれにおいても波長:265nmと383nmの位置において吸光度が正の値を有していることが確認された。また、このような吸収スペクトルから求められる製造直後の分散液の前記強度比([265nmの光の吸光度]/[383nmの光の吸光度])は2.80であり、製造から1年経過後の分散液の前記強度比は2.85であり、前記強度比の変化率(強度比の第一の変化率)の値は0.98であることが分かった。更に、265nmの光の吸光度と383nmの波長の光の吸光度の変化率をそれぞれ求めたところ、265nmの波長の光の吸光度の変化率は0.01であり、383nmの波長の光の吸光度の変化率は0.02であった。更に、強度比の第二の変化率は0.15であった。このような結果から、実施例2においては、均一性の十分に高いナノ粒子が形成されていることが確認されるとともに、分散液中のナノ粒子の分散性がほとんど変化していないことから、得られたナノ粒子は分散液中における分散安定性が十分に高いものであることが確認された。
(実施例3)
レーザー発振器10としてNd:YAGレーザー装置を用い、レーザー発振器10からNd:YAGレーザーの2倍高調波である波長532nmのレーザー光Lを10Hz、400mJ/pulseの照射条件で発振し、集光手段12により溶媒の表面(液相と気相の界面I)におけるレーザー光Lのフルエンスが0.80J/cmとなるように集光(集光形状:直径が8mmの円形状)した以外は、実施例1と同様にして、溶媒14中においてパラジウムのナノ粒子を形成し、前記ナノ粒子が溶媒14中に分散した分散液(黄色のコロイド)を得た。なお、このようにして得られたパラジウムのナノ粒子の収量は10mg/hであった。
実施例1で得られたナノ粒子及び分散液の特性の評価方法と同様の方法を採用して実施例3で得られたナノ粒子及び分散液の特性を評価したところ、得られたパラジウムのナノ粒子の平均粒子径は8.0nmであり、粒子径の標準偏差は2.0nmであった。また、吸収スペクトルの測定により、製造直後の分散液(製造から2時間後のもの)及び製造から1年経過後の分散液のいずれにおいても波長:265nmと383nmの位置において吸光度が正の値を有していることが確認された。また、このような吸収スペクトルから求められる製造直後の分散液の前記強度比([265nmの光の吸光度]/[383nmの光の吸光度])は1.90であり、製造から1年経過後の分散液の前記強度比は1.90であり、前記強度比の変化率の値は1.00であることが分かった。更に、265nmの波長の光の吸光度と383nmの波長の光の吸光度の変化率をそれぞれ求めたところ、265nmの波長の光の吸光度の変化率は0.01であり、383nmの波長の光の吸光度の変化率は0.01であった。更に、強度比の第二の変化率は0.10であった。このような結果から、実施例3においては、均一性の十分に高いナノ粒子が形成されていることが確認されるとともに、分散液中のナノ粒子の分散性が変化していないことから、得られたナノ粒子は分散液中における分散安定性が十分に高いものであることが確認された。
(比較例1)
集光手段12を用いず、レーザ光Lを集光せず、溶媒14中のターゲット15に対してそのままレーザー光Lを照射した以外は、実施例2と同様にして溶媒14中においてパラジウムのナノ粒子を形成した。なお、界面Iにおけるレーザー光Lのフルエンスは0.63J/cmであった。このようにしてパラジウムのナノ粒子を形成した場合には、ナノ粒子が凝集して沈殿し、分散液が得られなかった。このように、界面Iにおけるレーザー光Lのフルエンスが0.63J/cmとなるような条件では、撹拌しながらレーザー光を照射しても、形成されるパラジウムのナノ粒子に十分な分散安定性を付与することができないことが確認された。また、実施例1で得られたナノ粒子の特性の評価方法と同様の方法を採用して比較例1で得られたナノ粒子の特性を評価したところ、得られたパラジウムのナノ粒子の平均粒子径は50nmであり、粒子径の標準偏差は30nmであった。このような結果から、界面Iにレーザー光を集光照射しない場合には、十分に小さく且つ均一な粒径を有するナノ粒子を形成することができないことが分かった。また、このようにして得られたパラジウムのナノ粒子の収量(1時間当たりに製造される粒子の重さ)は0.1mg/hであり、収率も十分なものとはならなかった。
(比較例2)
図4に示す液相レーザーアブレーション装置を用いて、液相レーザーアブレーション処理を施した。図4に示す液相レーザーアブレーション装置は、基本的に、レーザー発振器10と、レーザー光Lの光路上に配置された集光レンズ12と、石英製の窓Wを備える密封型の処理容器13と、溶媒14と、処理容器13に保持されたバルク状のターゲット15とを備える。
このような液相レーザーアブレーション装置においては、レーザー発振器10としてNd:YAGレーザー装置を用い、集光レンズ12として焦点距離が100mmの合成石英レンズを用いた。なお、ターゲット15の表面上の集光サイズが直径1.2mmとなるように、集光レンズ12は処理容器13の窓Wに密着させるようにして配置した。また、処理容器13としては、石英製の窓Wが設置される面及びターゲット15が保持される面が円形であり、且つ、長さが100mmの円筒状の容器(容器内の円形の面の内径が80mm)を用いた。また、このような処理容器13はアクリル樹脂製のものとし、窓Wは直径40mm、厚み8mmの石英製のものとした。また、溶媒14としては純水(軽水、DO濃度:0質量%)を用い、容器13内を溶媒14で満たした。また、ターゲット15としては直径40.0mm、厚み1.0mmのパラジウムからなる円板(バルク状のターゲット、株式会社ニラコ製の商品名「パラジウム円板」)を用い、また、ターゲット15は図示を省略したモーターと接続して、そのモーターにより回転可能とした。
そして、液相レーザーアブレーションを施す工程においては、かかる装置を用いて、レーザー発振器10からNd:YAGレーザーの2倍高周波の波長532nmのレーザー光Lを400mJ/pulse,10Hzの条件で発振し、集光レンズ12により、ターゲット15の表面上でのフルエンスが5.66J/cmとなるように集光(集光形状:直径3mm)して、溶媒14中においてターゲット15にレーザー光Lを照射した。また、このようなレーザー光Lの照射時間は60分間とした。なお、レーザー光Lの照射の際には、ターゲット15の表面の同じ位置に繰り返しレーザー光Lが照射されて穴が開ないように、ターゲット15を前記モーター(図示省略)により適宜回転させながらレーザー光Lを照射した。このようにして、バルク状のターゲット15に対してレーザー光Lを照射してレーザーアブレーションを施すことにより、パラジウムのナノ粒子を形成し、前記ナノ粒子が溶媒14中に分散した分散液(茶色のコロイド)を得た。なお、このようにして得られたパラジウムのナノ粒子の収量は0.7mg/hであった。
実施例1で得られたナノ粒子及び分散液の特性の評価方法と同様の方法を採用して比較例2で得られたナノ粒子及び分散液の特性を評価した。その結果、比較例2で得られたパラジウムのナノ粒子の平均粒子径は30nmであり、粒子径の標準偏差は20nmであることが確認された。なお、このような測定により得られた比較例2で得られた粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)写真を図5に示す。このような図5に示す結果や標準偏差の値等からも明らかなように、比較例2においては、ナノ粒子の粒子径のばらつきが大きく、十分に均一性の高い粒子を製造することができないことが分かった。また、比較例2においては、形成されたナノ粒子の平均粒子径が30nmとなっており、実施例1〜2と比較して得られる粒子が大きくなっていた。
また、比較例2で得られた分散液に関して、吸収スペクトルから求められる製造直後の分散液の前記強度比([265nmの光の吸光度]/[383nmの光の吸光度])は1.5であった。しかしながら、製造から1年経過後の分散液の265nmの光の吸光度及び383nmの光の吸光度は共に0となっていた。そのため、比較例2で得られた分散液に関しては、前記強度比の変化率(強度比の第一の変化率)の値は測定不能(計算式上、分母が0となるため)であることが分かった。このような結果から、比較例2で得られた分散液においては、ナノ粒子の分散安定性が十分なものではないことが分かった。なお、1年経過後の分散液は、粒子が凝集、沈殿して色が無色透明となっており、目視においても分散性が低下していることが確認できた。
(比較例3)
溶媒14をDO濃度が100質量%の重水に変更した以外は比較例2と同様にして、溶媒14中においてパラジウムのナノ粒子を形成し、前記ナノ粒子が溶媒14中に分散した分散液(茶色のコロイド)を得た。なお、このようにして得られたパラジウムのナノ粒子の収量は1.0mg/hであった。
実施例1で得られたナノ粒子及び分散液の特性の評価方法と同様の方法を採用して比較例3で得られたナノ粒子及び分散液の特性を評価した。その結果、比較例3で得られたパラジウムのナノ粒子の平均粒子径は15nmであり、粒子径の標準偏差は8nmであることが確認された。このような結果から、比較例3においては、ナノ粒子の標準偏差が低く、十分に均一性の高い粒子を製造することができないことが分かった。また、比較例3においては、形成されたナノ粒子の平均粒子径が15nmとなっており、実施例1〜2と比較して得られる粒子が大きくなっていた。
また、比較例3で得られた分散液に関して、吸収スペクトルから求められる製造直後の分散液の前記強度比([265nmの光の吸光度]/[383nmの光の吸光度])は1.3であった。しかしながら、製造から1年経過後の分散液の265nmの光の吸光度及び383nmの光の吸光度は共に0となっていた。そのため、比較例3で得られた分散液に関しては、前記強度比の変化率(強度比の第一の変化率)の値は測定不能(計算式上、分母が0となるため)であることが分かった。このような結果から、比較例3で得られた分散液においては、ナノ粒子の分散安定性が十分なものではないことが分かった。なお、1年経過後の分散液は、粒子が凝集、沈殿して色が無色透明となっており、目視においても分散性が低下していることが確認できた。
また、比較例2で得られた製造直後の分散液のUV−可視光吸収スペクトルと、比較例3で得られた製造直後の分散液のUV−可視光吸収スペクトルのグラフを図6に示す。図6に示す結果から、軽水を利用した場合と比較して重水を利用することによりナノ粒子の濃度が高くなることが分かるが、軽水及び重水を利用した場合のいずれにおいても、形成されるナノ粒子の粒子径の均一性が低く、比較例2〜3で採用するような液相レーザーアブレーション法では分散性の高いパラジウムのナノ粒子を製造することができないことが分かった。
(比較例4)
図7に示す液相レーザーアブレーション装置を用いて、液相レーザーアブレーション処理を施した。なお、図7に示す液相レーザーアブレーション装置は、基本的に、レーザー発振器10と、レーザー光Lの光路上に配置されたミラー11と、処理容器13と、溶媒14と、処理容器13の底部Bに沈殿させた粉末状のターゲット15とを備える。
このような液相レーザーアブレーション装置においては、レーザー発振器10としてNd:YAGレーザー装置を用い、処理容器13としてガラス製の梨型フラスコ(容量100mL)を用い、溶媒14としては純水(100mL:DO濃度は0質量%)を用い、ターゲット15としてパラジウムの粉末(3g、株式会社ニラコ製の商品名「パラジウム粉末」、300mesh、平均粒子径1μm)を用いた。
そして、液相レーザーアブレーションを施す工程においては、かかる装置を用いて、処理容器13(梨型フラスコ:容量100mL)を溶媒14で満たした後に、粉末状のターゲット15を添加して、ターゲット15を処理容器13の底部Bに沈殿させた。次に、レーザー発振器10からNd:YAGレーザーの2倍高調波である波長532nmのレーザー光Lを10Hz、400mJ/pulseの照射条件で発振し、集光せずに処理容器13の底部Bを透過させることにより、レーザー光Lを処理容器13の底部に沈殿したターゲット15に対して照射した(照射光形状:直径が10mmの円形状、フルエンス:0.51J/cm)。このようにして、処理容器13の底部B上に沈殿して配置された粉末状のターゲット15にレーザー光Lを60分間照射して液相レーザーアブレーションを行って、溶媒14中においてパラジウムのナノ粒子を形成し、前記ナノ粒子が溶媒14中に分散した分散液(茶色のコロイド)を得た。なお、このようにして得られたパラジウムのナノ粒子の収量は20mg/hであった。
実施例1で得られたナノ粒子及び分散液の特性の評価方法と同様の方法を採用して比較例4で得られたナノ粒子及び分散液の特性を評価した。その結果、比較例4で得られたパラジウムのナノ粒子の平均粒子径は20nmであり、粒子径の標準偏差は10nmであることが確認された。なお、このような測定により得られた比較例4で得られた粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)写真を図8に示す。このような図8に示す結果や標準偏差の値等からも明らかなように、比較例4においては、ナノ粒子の粒子径のばらつきが大きく、十分に均一性の高い粒子を製造することができないことが分かった。
また、比較例4で得られた分散液に関して、吸収スペクトルから求められる製造直後の分散液の前記強度比([265nmの光の吸光度]/[383nmの光の吸光度])は1.7であった。しかしながら、製造から1年経過後の分散液の265nmの光の吸光度及び383nmの光の吸光度は共に0となっていた。そのため、比較例4で得られた分散液に関しては、前記強度比の変化率(強度比の第一の変化率)の値は測定不能(計算式上、分母が0となるため)であることが分かった。このような結果から、比較例4で得られた分散液においては、ナノ粒子の分散安定性が十分なものではないことが分かった。なお、1年経過後の分散液は、粒子が凝集、沈殿して色が無色透明となっており、目視においても分散性が低下していることが確認できた。
このような実施例1〜3及び比較例1〜4で行った実験結果からも明らかなように、液相と気相の界面Iにフルエンスが0.70J/cm以上となるようにしてレーザー光Lを集光照射する本発明の無機ナノ粒子の製造方法(実施例1〜3)によれば、液相レーザーアブレーションにより形成されるパラジウムのナノ粒子が、粒子径の均一性が十分に高いものとなるとともに、分散液中での分散安定性が十分に高いものとなるが確認された。また、比較例1〜4との対比から、本発明の無機ナノ粒子の製造方法(実施例1〜3)によれば、粒子径が十分に小さなパラジウムのナノ粒子を、十分に高い収率で製造できることも分かった。すなわち、本発明の無機ナノ粒子の製造方法(実施例1〜3)によれば、粒子径のサイズが十分に小さく且つ均一なパラジウムのナノ粒子を十分に効率よく製造できることが確認された。
(実施例4)
図1に示す液相レーザーアブレーション装置と同様の構成の液相レーザーアブレーション装置を用いて、金(Au)のナノ粒子の製造を行った。なお、レーザー発振器10としてNd:YAGレーザー装置を用い、ミラー11として市販の反射鏡(CVI社製)を用い、集光手段12として焦点距離が200mmの合成石英レンズ(シグマ光機社製の商品名「球面平凸レンズ」)を用い、処理容器13としてガラス製のメスフラスコ(容量100mL)を用い、溶媒14としてはイオン交換水からなる純水(80mL、軽水、DO濃度:0質量%)を用い、ターゲット15として金の粉末(3g、株式会社高純度化学研究所製の商品名「Au純金粉」、平均粒子径150μm)、撹拌装置16としてマグネチックスターラー(AS ONE社製の商品名「マグネチックスターラー」、長さ30mmの棒状の撹拌子16Aを利用)を用いた。また、処理容器13中の気相を形成する雰囲気ガスGとしては空気を利用した。なお、撹拌前の状態におけるレンズと液相と気相の界面との間の距離を約200mmとした。
そして、先ず、処理容器13に溶媒14を導入した後に、前記金の粉末を添加した。その後、マグネチックスターラーを用い、撹拌子16Aを回転速度1200rpmで回転させて溶媒14を撹拌し、ターゲット15(金の粉末)を溶媒14中に強制的に分散させた。そして、撹拌子16Aの回転速度を1200rpmに維持して撹拌を続けながら、レーザー発振器10からNd:YAGレーザーの2倍高調波である波長532nmのレーザー光Lを10Hz、800mJ/pulseの照射条件で発振し、そのレーザー光をミラー11により反射させて集光手段12に入射させ、集光手段12により溶媒14の表面(液相と気相の界面I)におけるレーザー光Lのフルエンスが100J/cmとなるように集光(集光形状:直径が1mmの円形状)して、液相と気相の界面Iにレーザー光Lを60分間集光照射した。このようにしてレーザー光Lを界面Iに焦点がくるようにして集光照射することにより、液相と気相の界面から溶媒中にレーザー光Lが入射し、溶媒14の表面やその近傍に存在するターゲット15の粉末に対してレーザー光Lが照射されて、ターゲット15の粉末に対して液相レーザーアブレーションが行われた。このようにして、溶媒14中において金のナノ粒子を形成し、前記ナノ粒子が溶媒14中に分散した分散液(赤色のコロイド)を得た。なお、このようにして得られた金のナノ粒子の収量(1時間当たりに製造される粒子の重さ)は22mg/hであった。
そして、分散安定性を測定するための指標である第一の波長として265nmを選択する代わりに550nmを選択し且つ第二の波長として383nmをする代わりに600nmを選択した以外は、実施例1で得られたナノ粒子及び分散液の特性の評価方法と同様の方法を採用して実施例4で得られたナノ粒子及び分散液の特性を評価した。このような測定により得られた製造直後の分散液及び1年経過後の分散液の吸収スペクトルのグラフを図9に示す。なお、このように、第一及び第二の波長として選択する波長を変更した理由は、図9に示すグラフからも明らかなように、金のナノ粒子においては吸収スペクトルにおいて520nmをピークとするプラズモン吸収が確認されたことから、その近傍の任意の2点の波長である550nmの波長及び600nmの波長を採用して強度比の変化率や吸光度の変化率を測定することで、分散安定性に関してより精度の高い情報が得られるためである。その結果、得られた金のナノ粒子の平均粒子径は10nmであり、粒子径の標準偏差は1.5nmであることが分かった。また、図9に示す結果からも明らかなように、製造直後の分散液(製造から2時間後のもの)及び製造から1年経過後の分散液のいずれにおいても波長550nmと600nmの位置において吸光度が正の値を有していることが確認された。更に、図9に示す吸収スペクトルから求められる分散液の前記強度比([550nmの光の吸光度]/[600nmの光の吸光度])の変化率(強度比の第一の変化率)の値は0.9996であることが分かった。また、図9に示す結果からも明らかなように、550nmの光の吸光度と600nmの波長の光の吸光度の変化率をそれぞれ求めたところ、550nmの波長の光の吸光度の変化率は0.0018であり、600nmの波長の光の吸光度の変化率は0.0014であった。また、図9に示す製造直後の分散液(製造から2時間後のもの)及び製造から1年経過後の分散液の550nmの光の吸光度と600nmの波長の光の吸光度のデータに基いて求められる初期強度比及び1年経過後の強度比の値から、強度比の第二の変化率を求めたところ、強度比の第二の変化率は0.00045であった。このような結果から、実施例4においては、均一性の十分に高いナノ粒子が形成されていることが確認されるとともに、分散液中のナノ粒子の分散性が1年経過してもほとんど変化していないことから、得られたナノ粒子は分散液中における分散安定性が十分に高いものであることが確認された。
(比較例5)
図7に示す液相レーザーアブレーション装置を用いて、液相レーザーアブレーション処理を施した。このような液相レーザーアブレーション装置においては、レーザー発振器10としてNd:YAGレーザー装置を用い、処理容器13としてガラス製の梨型フラスコ(容量100mL)を用い、溶媒14としては純水(100mL:DO濃度は0質量%)を用い、ターゲット15として金の粉末(0.5g、株式会社高純度化学研究所製の商品名「Au純金粉」、平均粒子径150μm)を用いた。
そして、液相レーザーアブレーションを施す工程においては、かかる装置を用いて、処理容器13(梨型フラスコ:容量100mL)を溶媒14で満たした後に、粉末状のターゲット15(金の粉末)を添加して、ターゲット15を処理容器13の底部Bに沈殿させた。次に、レーザー発振器10からNd:YAGレーザーの2倍高調波である波長532nmのレーザー光Lを10Hz、600mJ/pulseの照射条件で発振し、集光せずに処理容器13の底部Bを透過させることにより、レーザー光Lを処理容器13の底部に沈殿したターゲット15に対して照射した(照射光形状:直径が10mmの円形状、フルエンス:0.76J/cm)。このようにして、処理容器13の底部B上に沈殿して配置された粉末状のターゲット15にレーザー光Lを60分間照射して液相レーザーアブレーションを行って、溶媒14中において金のナノ粒子を形成し、前記ナノ粒子が溶媒14中に分散した分散液(ピンク色のコロイド)を得た。なお、このようにして得られた金のナノ粒子の収量は20mg/hであった。
実施例4で得られた金のナノ粒子及び分散液の特性の評価方法と同様の方法を採用して比較例5で得られた金のナノ粒子及び分散液の特性を評価した。このような測定の結果、比較例5で得られた金のナノ粒子の平均粒子径は10nmであり、粒子径の標準偏差は5nmであることが確認された。このような標準偏差の値等からも明らかなように、比較例5においては、金のナノ粒子の粒子径のばらつきが大きく、十分に均一性の高い粒子を製造することができないことが分かった。また、比較例5で得られた分散液においては、1時間経過後において凝集沈殿が目視によっても確認され、製造から1年経過後の分散液の550nmの光の吸光度及び600nmの光の吸光度は共に0となっていることが分かった。そのため、比較例5で得られた分散液に関しては、前記強度比の変化率の値は測定不能(計算式上、分母が0となるため)であることが分かった。そこで、製造後1年経過後の分散液の代わりに製造後2日経過後の分散液を用いて分散液の前記強度比([550nmの光の吸光度]/[600nmの光の吸光度])の変化率を求めた。なお、製造直後の分散液及び2日経過後の分散液の吸収スペクトルのグラフを図10に示す。このような図10に示す結果からも明らかなように、製造直後の分散液と製造後2日経過後の分散液における前記強度比の変化率(強度比の第一の変化率)は0.9871となっており、実施例4と比較して、わずか2日経過後に既に変化率の度合が大きくなっていることが分かった。また、図10に示す結果に基づいて、製造直後の分散液と製造後2日経過後の分散液における550nmの波長の光の吸光度と600nmの波長の光の吸光度の変化率([特定波長(550又は600nm)における吸光度の変化率]=[特定波長における初期吸光度]−[特定波長における2日経過後の吸光度]/[特定波長における初期吸光度])をそれぞれ求めたところ、550nmの波長の光の吸光度の変化率は0.175であり、600nmの波長の光の吸光度の変化率は0.185であった。更に、図10に示す製造直後の分散液及び2日経過後の分散液の吸収スペクトルデータに基づいて、前記強度比の第二の変化率を求めたところ、0.013であった。このような結果から、比較例5で得られた分散液においては、実施例4で得られた分散液と比較して、わずか2日後においてナノ粒子の分散安定性が低下してしまうことが分かった。なお、1年経過後の分散液は、粒子が凝集、沈殿して色が無色透明となっており、目視においても分散性が低下していることが確認できた。
(実施例5)
ターゲット15として金の粉末(3g)を用いる代わりに白金(Pt)の粉末(3g、高純度化学研究所社製の商品名「Pt白金粉末」、平均粒子径75μm)を用いた以外は、実施例4と同様にして、白金のナノ粒子の製造(分散液の製造)を行った。なお、得られた分散液は黒色のコロイドとなった。このようにして得られた白金のナノ粒子の収量(1時間当たりに製造される粒子の重さ)は25mg/hであった。
そして、分散安定性を測定するための指標である第一の波長として265nmを選択する代わりに350nmを選択し且つ第二の波長として383nmをする代わりに700nmを選択した以外は、実施例1で得られたナノ粒子及び分散液の特性の評価方法と同様の方法を採用して実施例5で得られた白金のナノ粒子及び分散液の特性を評価した。このような測定により得られた製造直後の分散液及び1年経過後の分散液の吸収スペクトルのグラフを図11に示す。このような測定の結果、得られた白金のナノ粒子の平均粒子径は8nmであり、粒子径の標準偏差は1.0nmであることが分かった。また、図11に示す結果からも明らかなように、製造直後の分散液(製造から2時間後のもの)及び製造から1年経過後の分散液のいずれにおいても波長350nmと700nmの位置において吸光度が正の値を有していることが確認された。更に、図11に示す吸収スペクトルから求められる分散液の前記強度比([350nmの光の吸光度]/[700nmの光の吸光度])の変化率(強度比の第一の変化率)の値は0.975であることが分かった。また、図11に示す結果からも明らかなように、350nmの光の吸光度と700nmの波長の光の吸光度の変化率をそれぞれ求めたところ、350nmの波長の光の吸光度の変化率は0.0076であり、700nmの波長の光の吸光度の変化率は0.017であった。また、図11に示す製造直後の分散液(製造から2時間後のもの)及び製造から1年経過後の分散液の350nmの波長の光の吸光度と700nmの波長の光の吸光度のデータに基いて求められる初期強度比及び1年経過後の強度比の値から、強度比の第二の変化率を求めたところ、強度比の第二の変化率は0.025であった。このような結果から、実施例5においては、均一性の十分に高いナノ粒子が形成されていることが確認されるとともに、分散液中のナノ粒子の分散性が1年経過してもほとんど変化していないことから、得られたナノ粒子は分散液中における分散安定性が十分に高いものであることが確認された。
(実施例6)
以下のようにして銅の粉末からなるターゲット15を製造した後、その銅の粉末からなるターゲット15を用い、図1に示す液相レーザーアブレーション装置と同様の構成の液相レーザーアブレーション装置を利用して、銅(Cu)のナノ粒子の製造を行った。
<ターゲット15(銅の粉末)の製造工程>
図7に示す液相レーザーアブレーション装置を用いて、市販の銅の粒子に対して液相中でレーザー光を照射する液相レーザーアブレーション処理(前処理)を施して、銅の粉末を製造した。このような液相レーザーアブレーション装置においては、レーザー発振器10としてNd:YAGレーザー装置を用い、処理容器13としてガラス製の梨型フラスコ(容量100mL)を用い、溶媒14としては純水(100mL:DO濃度は0質量%)を用い、図7に示すターゲット15の代わりに銅の粒子(0.5g、ニラコ社製の商品名「銅/粉末」、平均粒子径100μm)を用いた。そして、液相レーザーアブレーションを施す工程においては、かかる装置を用いて、処理容器13(梨型フラスコ:容量100mL)を溶媒14で満たした後に、銅の粒子を添加して、銅の粒子を処理容器13の底部Bに沈殿させた。次に、レーザー発振器10からNd:YAGレーザーの2倍高調波である波長532nmのレーザー光Lを10Hz、600mJ/pulseの照射条件で発振し、集光せずに処理容器13の底部Bを透過させることにより、レーザー光Lを処理容器13の底部に沈殿した銅の粒子に対して照射した(照射光形状:直径が10mmの円形状、フルエンス:0.76J/cm)。このようにして、処理容器13の底部B上に沈殿して配置された銅の粒子にレーザー光Lを60分間照射して液相レーザーアブレーションを行うことにより、溶媒14中において銅の粉末を形成し、前記銅の粉末が溶媒14中に分散した銅の粉末(平均粒子径:0.05μm)の分散液(みどり色のコロイド)を得た。
<銅(Cu)のナノ粒子の製造工程>
次に、図1に示す液相レーザーアブレーション装置と同様の構成の液相レーザーアブレーション装置を用いて、銅(Cu)のナノ粒子の製造を行った。なお、レーザー発振器10としてNd:YAGレーザー装置を用い、ミラー11として市販の反射鏡(CVI社製)を用い、集光手段12として焦点距離が200mmの合成石英レンズ(シグマ光機社製の商品名「球面平凸レンズ」)を用い、処理容器13としてガラス製のメスフラスコ(容量100mL)を用い、溶媒14及びターゲット15として、上記ターゲット15(銅の粉末)の製造工程を実施して得られた銅の粉末の分散液(分散質の銅の粉末がターゲット15であり且つ分散媒としての純水(100mL:DO濃度は0質量%)が溶媒14である。)をそのまま用い、撹拌装置16としてマグネチックスターラー(AS ONE社製の商品名「マグネチックスターラー」、長さ30mmの棒状の撹拌子16Aを利用)を用いた。なお、本実施例においては、上記ターゲット15(銅の粉末)の製造工程を実施して得られた銅の粉末の分散液を、製造後、すぐに処理容器13内に導入しており、これにより、溶媒14を撹拌する前の段階から、ターゲット15が分散した状態で存在するようにした。また、処理容器13中の気相を形成する雰囲気ガスGとしては空気を利用した。なお、撹拌前の状態におけるレンズと液相と気相の界面との間の距離を約200mmとした。
そして、先ず、マグネチックスターラーを用い、撹拌子16Aを回転速度1200rpmで回転させて溶媒14を撹拌し、ターゲット15(銅の粉末)を溶媒14中に更に分散させた。そして、撹拌子16Aの回転速度を1200rpmに維持して撹拌を続けながら、レーザー発振器10からNd:YAGレーザーの2倍高調波である波長532nmのレーザー光Lを10Hz、800mJ/pulseの照射条件で発振し、そのレーザー光をミラー11により反射させて集光手段12に入射させ、集光手段12により溶媒14の表面(液相と気相の界面I)におけるレーザー光Lのフルエンスが100J/cmとなるように集光(集光形状:直径が1mmの円形状)して、液相と気相の界面Iにレーザー光Lを60分間集光照射した。このようにしてレーザー光Lを界面Iに焦点がくるようにして集光照射することにより、液相と気相の界面から溶媒中にレーザー光Lが入射し、溶媒14の表面やその近傍に存在するターゲット15の粉末に対してレーザー光Lが照射されて、ターゲット15の粉末に対して液相レーザーアブレーションが行われた。このようにして、溶媒14中において銅のナノ粒子を形成し、前記ナノ粒子が溶媒14中に分散した分散液(緑色のコロイド)を得た。なお、このようにして得られた銅のナノ粒子の収量(1時間当たりに製造される粒子の重さ)は20mg/hであった。
その後、分散安定性を測定するための指標である第一の波長として265nmを選択する代わりに350nmを選択し且つ第二の波長として383nmをする代わりに700nmを選択した以外は、実施例1で得られたナノ粒子及び分散液の特性の評価方法と同様の方法を採用して実施例6で得られた銅のナノ粒子及び分散液の特性を評価した。このような測定により得られた製造直後の分散液及び1年経過後の分散液の吸収スペクトルのグラフを図12に示す。このような測定の結果、得られた銅のナノ粒子の平均粒子径は5nmであり、粒子径の標準偏差は0.5nmであることが分かった。また、図12に示す結果からも明らかなように、製造直後の分散液(製造から2時間後のもの)及び製造から1年経過後の分散液のいずれにおいても波長350nmと700nmの位置において吸光度が正の値を有していることが確認された。更に、図12に示す吸収スペクトルから求められる分散液の前記強度比([350nmの光の吸光度]/[700nmの光の吸光度])の変化率(強度比の第一の変化率)の値は0.996であることが分かった。また、図12に示す結果からも明らかなように、350nmの光の吸光度と700nmの波長の光の吸光度の変化率をそれぞれ求めたところ、350nmの光の吸光度の変化率は0.013であり、700nmの波長の光の吸光度の変化率は0.048であった。また、図12に示す製造直後の分散液(製造から2時間後のもの)及び製造から1年経過後の分散液の350nmの光の吸光度と700nmの波長の光の吸光度のデータに基いて求められる初期強度比及び1年経過後の強度比の値から、前記強度比の第二の変化率を求めたところ、強度比の第二の変化率は0.0037であった。このような結果から、実施例6においては、均一性の十分に高いナノ粒子が形成されていることが確認されるとともに、分散液中のナノ粒子の分散性が1年経過してもほとんど変化していないことから、得られたナノ粒子は分散液中における分散安定性が十分に高いものであることが確認された。
(実施例7)
銅の粉末からなるターゲット15を製造する代わりに以下のようにして酸化銅の粉末を製造し、銅の粉末の分散液の代わりに以下のようにして得られた酸化銅の粉末の分散液を溶媒14及びターゲット15とした以外は、実施例6と同様にして酸化銅のナノ粒子の製造(分散液の製造)を行った。なお、得られた酸化銅のナノ粒子の分散液は茶色のコロイドとなった。このようにして得られた酸化銅のナノ粒子の収量(1時間当たりに製造される粒子の重さ)は25mg/hであった。
<ターゲット15(酸化銅の粉末)の製造工程>
先ず、実施例6で採用したターゲット15(銅の粉末)の製造工程と同様の工程を実施して、銅の粉末の分散液(緑色のコロイド)を得た。そして、その分散液を、室温(25℃)、大気圧下において、4時間放置した。このように放置することにより、分散液中の銅の粉末を酸化した。なお、このような酸化により、分散液の色が茶色に変色した。このようにして、酸化銅(CuO)の粉末(平均粒子径:0.05μm)の分散液(茶色のコロイド)を得た。
そして、実施例7で得られた酸化銅のナノ粒子及び分散液に関して、分散安定性を測定するための指標である第一の波長として265nmを選択する代わりに450nmを選択し且つ第二の波長として383nmをする代わりに500nmを選択した以外は、実施例1で得られたナノ粒子及び分散液の特性の評価方法と同様の方法を採用して特性を評価した。このような測定により得られた製造直後の分散液及び1年経過後の分散液の吸収スペクトルのグラフを図13に示す。このような測定の結果、得られた酸化銅のナノ粒子の平均粒子径は3nmであり、粒子径の標準偏差は1nmであることが分かった。また、図13に示す結果からも明らかなように、製造直後の分散液(製造から2時間後のもの)及び製造から1年経過後の分散液のいずれにおいても波長450nmと500nmの位置において吸光度が正の値を有していることが確認された。更に、図13に示す吸収スペクトルから求められる分散液の前記強度比([450nmの光の吸光度]/[500nmの光の吸光度])の変化率(強度比の第一の変化率)の値は1.006であることが分かった。また、図13に示す結果からも明らかなように、450nmの光の吸光度と500nmの波長の光の吸光度の変化率をそれぞれ求めたところ、450nmの波長の光の吸光度の変化率は0.017であり、500nmの波長の光の吸光度の変化率は0.011であった。また、図13に示す製造直後の分散液(製造から2時間後のもの)及び製造から1年経過後の分散液の450nmの光の吸光度と500nmの波長の光の吸光度のデータに基いて求められる初期強度比及び1年経過後の強度比の値から、前記強度比の第二の変化率を求めたところ、強度比の第二の変化率は0.0056であった。このような結果から、実施例7においては、均一性の十分に高いナノ粒子が形成されていることが確認されるとともに、分散液中のナノ粒子の分散性が1年経過してもほとんど変化していないことから、得られたナノ粒子は分散液中における分散安定性が十分に高いものであることが確認された。
(実施例8)
銅の粉末からなるターゲット15を製造する代わりに以下のようにしてPd−Fe合金の粉末からなるターゲット15を製造し、銅の粉末の分散液の代わりに以下のようにして得られたPd−Fe合金の粉末の分散液を溶媒14及びターゲット15とした以外は、実施例6と同様にして合金のナノ粒子の製造(分散液の製造)を行った。なお、得られた分散液は黄色のコロイドとなった。このようにして得られた合金のナノ粒子の収量(1時間当たりに製造される粒子の重さ)は20mg/hであった。
<ターゲット15(Pd−Fe合金の粉末)の製造工程>
先ず、化学合成法によりパラジウム(Pd)の含有量が90質量%であり且つ鉄(Fe)の含有量が10質量%であるPd−Fe合金のペレットを製造した。次に、該ペレットをドリルで削って粉体(平均粒子径が100μmの削りカス)を製造した。次いで、その削りカスを十分に洗浄して、Pd−Fe合金の粉体を得た。次に、銅の粒子を用いる代わりに前記Pd−Fe合金の粉体を用いる以外は、実施例6で採用したターゲット15(銅の粉末)の製造工程と同様の工程を実施して、Pd−Fe合金の粉末が溶媒14中に分散した合金のPd−Fe粉末(平均粒子径:1μm)の分散液(黄色のコロイド)を得た。
実施例8で得られたPd−Feのナノ粒子及び分散液に関して、分散安定性を測定するための指標である第一の波長として265nmを選択する代わりに450nmを選択し且つ第二の波長として383nmをする代わりに500nmを選択した以外は、実施例1で得られたナノ粒子及び分散液の特性の評価方法と同様の方法を採用して特性を評価した。このような測定により得られた製造直後の分散液及び1年経過後の分散液の吸収スペクトルのグラフを図14に示す。このような測定の結果、得られた合金のナノ粒子の平均粒子径は1nmであり、粒子径の標準偏差は0.5nmであることが分かった。また、図14に示す結果からも明らかなように、製造直後の分散液(製造から2時間後のもの)及び製造から1年経過後の分散液のいずれにおいても波長450nmと500nmの位置において吸光度が正の値を有していることが確認された。更に、図14に示す吸収スペクトルから求められる分散液の前記強度比([450nmの光の吸光度]/[500nmの光の吸光度])の変化率(強度比の第一の変化率)の値は1.0902であることが分かった。また、図14に示す結果からも明らかなように、450nmの光の吸光度と500nmの波長の光の吸光度の変化率をそれぞれ求めたところ、450nmの光の吸光度の変化率は0.089であり、500nmの波長の光の吸光度の変化率は0.187であった。また、図14に示す製造直後の分散液(製造から2時間後のもの)及び製造から1年経過後の分散液の450nmの波長の光の吸光度と500nmの波長の光の吸光度のデータに基いて求められる初期強度比及び1年経過後の強度比の値から、前記強度比の第二の変化率を求めたところ、強度比の第二の変化率は0.083であった。このような結果から、実施例8においては、均一性の十分に高いナノ粒子が形成されていることが確認されるとともに、分散液中のナノ粒子の分散性が1年経過してもほとんど変化していないことから、得られたナノ粒子は分散液中における分散安定性が十分に高いものであることが確認された。
以上のような結果から、本発明の無機ナノ粒子の製造方法によれば、銅、貴金属、これらの酸化物、及び、その合金のような無機材料のナノ粒子を効率よく製造することが可能であることが分かり、そのナノ粒子を化学試薬等を使用することなく、前記溶媒中に十分に長期間安定して分散された状態を維持することが可能な粒子とすることが可能であることが確認された。また、本発明の無機ナノ粒子の製造方法によれば、十分に均一性の高い無機ナノ粒子を効率よく製造できることも分かった。
以上説明したように、本発明によれば、化学試薬等を使用することなく溶媒中に十分に長期間安定して分散された状態を維持することが可能な無機ナノ粒子を製造することができる無機ナノ粒子の製造方法、並びに、その方法を利用して得られる無機ナノ粒子分散液を提供することが可能となる。
したがって、本発明の製造方法により得られた無機ナノ粒子は、各種触媒等の材料等として有用であり、例えば、無機ナノ粒子がパラジウムのナノ粒子である場合、かかる粒子は水素センサーや触媒を製造するための材料等として有用である。
10…レーザー発振器、11…ミラー、12…集光手段、13…処理容器、14…溶媒、15…ターゲット、16…撹拌装置、16A…撹拌子、16B…撹拌子を回転させることが可能な装置、G…雰囲気ガス、I…液相と気相の界面、L…レーザー光、W…窓、B…処理容器の底部。

Claims (6)

  1. レーザー光を発生させるためのレーザー発振器と、前記レーザー光を集光するための集光手段と、溶媒を保持するための処理容器と、前記処理容器内に保持されている溶媒と、前記溶媒中に添加された銅、貴金属、これらの酸化物、並びに、銅及び貴金属のうちの少なくとも1種を含む合金からなる群から選択される少なくとも1種の無機材料からなる粉末状のターゲットとを備える液相レーザーアブレーション装置を用い、
    前記溶媒を撹拌しながら、液相と気相との界面におけるフルエンスが0.70J/cm以上となるようにして気相側から該界面に前記レーザー光を集光照射することにより、前記溶媒中の前記ターゲットに対して前記レーザー光を照射し、前記溶媒中において前記無機材料のナノ粒子を形成することを特徴とする無機ナノ粒子の製造方法。
  2. 前記レーザー光の液相と気相との界面におけるフルエンスが0.70〜200J/cmであることを特徴とする請求項1に記載の無機ナノ粒子の製造方法。
  3. 前記ターゲットが、別途、液相中においてレーザー光を照射されて形成された無機材料からなる粉末であり、且つ、前記溶媒を撹拌する工程を実施する前に、前記ターゲットの粉末が前記溶媒中に分散されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の無機ナノ粒子の製造方法。
  4. 溶媒中に無機ナノ粒子が分散された無機ナノ粒子分散液であって、
    製造後2時間以内の初期の前記無機ナノ粒子分散液及び大気圧、20〜25℃の温度の条件下において製造後1年以上経過させた前記無機ナノ粒子分散液に対してUV−可視光吸収スペクトル測定をそれぞれ行い、200〜800nmの波長領域のうちの前記初期の無機ナノ粒子分散液の吸収スペクトルの吸光度の値が正の値となる波長領域の中から選択される任意の異なる2点の波長をそれぞれ第一の波長及び第二の波長とし、該2点の波長の光の吸光度の比([第一の波長の光の吸光度]/[第二の波長の光の吸光度])をそれぞれ求めた場合に、製造後1年以上経過させた前記無機ナノ粒子分散液の第一の波長の光の吸光度及び第二の波長の光の吸光度の値がいずれも正の値であり、且つ、初期の前記無機ナノ粒子分散液の前記強度比(初期強度比)と製造後1年以上経過させた前記無機ナノ粒子分散液の前記強度比(1年以上経過後の強度比)との変化率([初期強度比]/[1年以上経過後の強度比])が0.9〜1.1の範囲であること、
    を特徴とする無機ナノ粒子分散液。
  5. 前記無機ナノ粒子の平均粒子径が0.5〜20nmであり、且つ
    前記無機ナノ粒子の粒子径の標準偏差が3.0nm以下であることを特徴とする請求項4に記載の無機ナノ粒子分散液。
  6. 請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の無機ナノ粒子の製造方法を利用して得られたものであることを特徴とする請求項4又は5に記載の無機ナノ粒子分散液。
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