JP2013129925A - スパンボンド不織布の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のスパンボンド不織布の製造方法は、湾曲した帯状のスパンボンド不織布から該湾曲が矯正されたスパンボンド不織布を製造するスパンボンド不織布の製造方法であって、幅方向に伸縮性を有するスパンボンド不織布2を、その長手方向に搬送しつつ加熱ロール3に接触させ、その構成繊維の融点以下軟化点以上の温度に加熱する工程、及びその直後に、表面平滑な冷却ロール4に接触させて急冷する工程を具備する。
【選択図】図1
Description
しかし、幅方向に伸縮性を有するスパンボンド不織布のなかには、水平面に長手方向に延ばして配して平面視したときに、その中心線が、直線となっておらず、いずれかの方向に湾曲しているものがある。そのようなものは比較的安価に入手することができるが、湾曲の程度が大きいと、その原反を使用して各種の製品を製造する際に、製造ラインにおいて該シートが蛇行を生じたり、製品に好ましくないシワが発生したりする。そのような場合、蛇行修正機や治具などで対応することも可能であるが、それらでの対応も困難な場合があり、生産の継続が困難となったり、シワ等の発生により歩留まりが低下したりする。
図1は、本発明の実施に好ましく用い得る加熱急冷処理装置1を示す図である。
加熱急冷処理装置1は、幅方向に伸縮性を有するスパンボンド不織布2を、その長手方向に搬送しつつ、加熱ロール3及び冷却ロール4に順次接触させて、不織布2に対して加熱急冷処理を施す装置である。また、加熱急冷処理装置1は、加熱ロール3に、スパンボンド不織布2を送り込むフィードロール5、従動ロール6及び巻き取り装置7を備えている。
〔伸長率の測定方法〕
幅方向及び流れ方向の伸長率は以下の通り測定する。
測定は、ASTM D882(Standard Test Method for Tensile Properties of Thin Plastic Sheeting)で規定されている薄いプラスチック・シートの引張特性のための標準的な試験方法に準じて行う。具体的には、自然状態のスパンボンド不織布から、伸長率を測定したい方向の長さが150mm、それに直交する方向の長さが50mmの長方形状の測定サンプルを切り出す。即ち、帯状のスパンボンド不織布の幅方向の伸長率を求める場合は、該幅方向を長手方向とする長方形状の測定サンプルを切り出し、帯状のスパンボンド不織布の流れ方向(長手方向)の伸長率を求める場合は、該流れ方向を長手方向とする長方形状の測定サンプルを切り出す。そして、その測定サンプルを、その長手方向が引っ張り方向になるようにして、引張試験機のチャックに取り付ける。チャック間距離(伸長前の不織布の長さL)は100mmとし、測定サンプルを、チャック移動速度500mm/minで引っ張り、該測定サンプルが一部破壊(破断)した時のチャック間距離(伸長後の不織布の長さL1)を測定する。そして、下記の式に基づいて伸長率(%)を求める。
伸長率(%)=(L1−L)/L ×100
(但し、L:伸長前(自然状態)の不織布の長さ(=100mm),L1:伸長後(破断時)の不織布の長さ)
例えば、スパンボンド不織布が、ポリプロピレンを主成分として構成される場合、加熱ロール3の温度は、100℃〜160℃、特に120℃〜155℃に設定することが好ましい。
加熱ロール3としては、電熱線を用いたカートリッジヒータを内蔵するもの等、各種公知のものを特に制限なく用いることができる。また、加熱ロール3は、スパンボンド不織布に接触する表面が平滑であることが、スパンボンド不織布の表面に不規則な凹凸が存在する場合に、その凹凸を効率よく低減させる観点等から好ましい。
〔構成繊維の軟化点〕
構成繊維の軟化点は、例えば、JIS K7206「プラスチック-熱可塑性プラスチック-ビカット軟化温度(VST)試験方法」に準じて測定することができる。
〔構成繊維の融点〕
構成繊維の融点は、例えば、JIS L1013「化学繊維フィラメント糸試験方法」に規定される、融点の測定方法に準じて測定することができる。
加熱直後に、表面平滑な冷却ロール4に接触させて急冷することにより、湾曲や不規則な凹凸が矯正されたスパンボンド不織布の形態を、再度、安定して固定化することができる。
本発明において常温とは、日本工業規格が規定する20℃±15℃の範囲を言う。また、本発明において露点温度とは水蒸気を含む空気を冷却したとき、凝結が始まる温度を言う。冷却ロール周辺の空気が凝結し、ロール表面に付着しないように、空気中の飽和水蒸気量をコントロールすることが好ましい。図1に示すように、加熱ロール3及び冷却ロール4の周囲を囲って、両ロールの近辺の温湿度を一定に保ち易くしたり、加熱急冷処理装置1の配置環境を整えることが好ましい。
また、効率的且つ急速な除熱を行う観点から、スパンボンド不織布2は、冷却ロール4の周面に所定の角度以上巻き掛けるように搬送することが好ましく、冷却ロール4に対する不織布の巻き掛け角度θ2(図1参照)は、90°〜330°であることが好ましく、より好ましくは135°〜300°である。
冷却ロール4としては、冷却水を循環するものやエアーを用いたもの等、各種公知のものを特に制限なく用いることができる。
湾曲が矯正されたスパンボンド不織布を用いて各種製品を製造する場合に後の加工で施す加工としては、他のシートとの貼り合わせや、単独あるいは他のシートと貼り合わせた後の切断等が挙げられる。他のシートとの貼り合わせは、両シート間に、連続的又は間欠的に他の部材を介在させて行うこともできる。
湾曲が矯正されたスパンボンド不織布を用いて製造する製品としては、身体を加温する加温具や、清掃シート、身体から排出される液の吸収に用いる吸収性物品等が挙げられるが、これらに制限されないことは当然である。
例えば、図1の装置において、加熱ロール速度V2,冷却ロールV3とし、それらの速比が等速(V2=V3)のとき、スパンボンド不織布2を加熱ロールに導入する速度V1(フィードロール5の送り速度)と、加熱ロール3および冷却ロール4とを実質的に等速とすることができる。実質的に等速とは、例えば、速度V2の速度V1に対する比(V2/V1)が、0.95〜1.05である場合をいう。前記比(V2/V1)は、前記の範囲、特に0.98〜1.02であることが、特別な変速装置を必要とせず、且つ安定した搬送を行う点から好ましい。また、巻き取り装置7の速度はV2およびV3と実質的に等速で巻き取っている。
加熱ロール3による加熱中及び冷却ロール4による冷却中、又は加熱ロール3と冷却ロール4との間でスパンボンド不織布2をプレスしないことによって、スパボンド不織布に皺が発生することを防止することができる。皺の発生を一層抑制する観点から、スパボンド不織布2のプレスは、加熱ロール3による加熱中及び冷却ロール4による冷却中並びに加熱ロール3と冷却ロール4との間の何れの段階においても行わないことが好ましい。スパボンド不織布のプレスは、スパンボンド不織布を部材間(一対のロール間等)に挟んで該不織布を厚み方向に加圧することをいう。
例えば、上述した実施形態において、スパンボンド不織布2の急冷を促進するため、冷却ロール4に加えて、スパンボンド不織布2に冷風を吹き付ける手段を冷却ロール4の近辺に設けてもよい。この場合、冷却ロール4に対向する位置から冷却ロール4に対して冷風を吹きつけることにより、スパンボンド不織布2の冷却を向上させることができる。
また、上述した実施形態において、図1に示すように、加熱ロール3及び冷却ロール4の周囲を囲い、更に囲いの内部に対して乾燥エアーを送付し、冷却ロール4への結露を防止してもよい。また、冷却ロール4のみを囲って、又は加熱ロール3のみを囲って、互いのロールの温度の影響を防止し、スパンボンド不織布2に対して加熱と急冷の温度変化を一層瞬時に与えてもよい。
スパンボンド不織布A:構成繊維の主成分がプロピレンランダムコポリマー(融点165℃、軟化点145℃)からなる不織布。坪量37g/m2。処理前の幅226mm、10mカーブ値720mm。
スパンボンド不織布B:構成繊維の主成分がプロピレンランダムコポリマー(融点165℃、軟化点145℃)からなる不織布。坪量37g/m2。処理前の幅227mm、10mカーブ値700mm
スパンボンド不織布C:構成繊維の主成分がプロピレンランダムコポリマー(融点165℃、軟化点、145℃)からなる不織布。坪量37g/m2。処理前の幅226mm、10mカーブ値820mm
また、巻き取りテンションは、2kgf/225mmに設定した。具体的には、巻取り装置7はトルクモータを使用した巻取り装置であり、不織布の幅当たりの巻取りトルクが、プシュプルゲージ読み値で2kgf/225mmとなるように、モータ電流値を設定した。なお、プッシュプルゲージは巻取り装置7には付いておらず、巻き取りテンション設定時のみ使用した。
湾曲の矯正率は下記式により算出した。
湾曲の矯正率(%)=(C−D)/C ×100
(但し、Cは、処理前の10mカーブ値、Dは、処理後の10mカーブ値である。)
処理後のスパボンド不織布から、幅方向に200mm、流れ方向に200mmの寸法の試験片を切り出した。そして、この試験片の表面を目視し、不織布の表面の凹凸及び縦スジを、下記の評価基準に従い評価することによって、不織布の表面状態を評価した。
<表面凹凸>
◎:高さ(高低差)が0.1mm以上の凹凸なし
○:高さ(高低差)が0.1mm〜0.5mmの凹凸が1〜2箇所あり
△:高さ(高低差)が0.1mm〜0.5mmの凸凹が3箇所以上あり
×:高さ(高低差)が0.5mm以上の凹凸あり
<縦スジ>
◎:縦スジなし
○:1〜2本の縦スジあり
△:3本〜5本の縦スジあり
×:5本以上の縦スジあり
2 スパンボンド不織布
3 加熱ロール
4 冷却ロール
5 フィードロール
6 従動ロール
7 巻き取り装置
Claims (6)
- 湾曲した帯状のスパンボンド不織布から該湾曲が矯正されたスパンボンド不織布を製造するスパンボンド不織布の製造方法であって、
幅方向に伸縮性を有するスパンボンド不織布を、その長手方向に搬送しつつ加熱ロールに接触させ、その構成繊維の融点未満の温度且つ融点より65℃低い温度以上で加熱する工程、及びその直後に、表面平滑な冷却ロールに接触させて急冷する工程を具備するスパンボンド不織布の製造方法。 - 前記冷却ロールの温度が、露点温度以上常温以下である、請求項1記載のスパンボンド不織布の製造方法。
- 前記加熱ロールの温度が、構成繊維の軟化点以上の温度である、請求項1又は2に記載のスパンボンド不織布の製造方法。
- 湾曲が矯正されたスパンボンド不織布の幅が、矯正する前のスパンボンド不織布の幅と実質的に同一である、請求項1〜3項のいずれか一項に記載のスパンボンド不織布の製造方法。
- 前記加熱する工程と前記急冷する工程との間に、前記スパンボンド不織布を延伸する工程を具備しない、請求項1〜4項のいずれか一項に記載のスパンボンド不織布の製造方法。
- 前記加熱ロールによる加熱中及び前記冷却ロールによる冷却中、又は前記加熱から前記冷却までの間に、スパンボンド不織布のプレスを行わない、請求項1〜5項のいずれか一項に記載のスパンボンド不織布の製造方法。
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