JP2013129951A - ポリウレタン弾性繊維およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
環境に悪影響を与え得る重金属類を含むことなく耐塩素性および抗菌性に優れ、従来のストレッチ性を維持した高強度のポリウレタン弾性繊維およびその製造方法を提供する。
【解決手段】
ポリマージオールおよびジイソシアネートを出発するポリウレタンを含むポリウレタン弾性繊維であって、下記3成分(a)、(b)、(c)を含有するポリウレタン弾性繊維とする。
(a)気圧1.103×105Paにおける沸点または分解点が290℃以上であるp−ヒドロキシ安息香酸エステル類
(b)ヒンダードフェノール化合物
(c)アルカリ金属およびアルカリ土類金属の群から選択される少なくとも1種の金属からなる合成炭酸塩
【選択図】なし
Description
(1) ポリマージオールおよびジイソシアネートを出発するポリウレタンを含むポリウレタン弾性繊維であって、下記3成分(a)、(b)、(c)を含有することを特徴とするポリウレタン弾性繊維。
(a)気圧1.103×105Paにおける沸点または分解点が290℃以上であるp−ヒドロキシ安息香酸エステル類
(b)ヒンダードフェノール化合物
(c)アルカリ金属およびアルカリ土類金属の群から選択される少なくとも1種の金属からなる合成炭酸塩
(2)前記(a)が下記一般式(1)に表される構造を有することを特徴とする前記(1)に記載のポリウレタン弾性繊維。
(3)前記(a)、(b)、(c)の含有率がそれぞれ0.1重量%以上5重量%以下、0.1重量%以上5重量%以下、0.5重量%以上10重量%以下であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載のポリウレタン弾性繊維。
(4) 前記(a)の分子量が180以上であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載のポリウレタン弾性繊維。
(5) 前記(b)は、分子量が300以上であり、かつ、片ヒンダードのヒドロキシフェニル基を少なくとも1個有することを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載のポリウレタン弾性繊維。
(6) 前記(c)が炭酸カルシウムまたは炭酸マグネシウムであることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載のポリウレタン弾性繊維。
(7) ポリマージオールおよびジイソシアネートを出発するポリウレタンを含む紡糸原液に、下記3成分(a)、(b)、(c)を含有させて紡糸することを特徴とするポリウレタン弾性繊維の製造方法。
(a)気圧1.103×105Paにおける沸点または分解点が290℃以上であるp−ヒドロキシ安息香酸エステル類
(b)ヒンダードフェノール化合物
(c)アルカリ金属およびアルカリ土類金属の群から選択される少なくとも1種の金属からなる合成炭酸塩
(8) 紡糸方法が乾式であることを特徴とする前記(7)に記載のポリウレタン弾性繊維の製造方法。
前記p−ヒドロキシ安息香酸エステル類は、ポリウレタン弾性繊維中からの脱落防止の観点から、分子量が180以上であることが好ましい。
原子吸光光度法により測定した。検出限界は1ppmであり、測定値はn=2平均値より求めた。
試料(ポリウレタン弾性繊維)1gを秤量し、メタノール20mlに入れ、23℃下で24時間ヒンダードフェノール化合物を抽出した。抽出液について、高速液体クロマトグラフィーにて測定波長280nmにて測定した。なお、測定値はn=2の平均値より求め、定量は予め作成しておいた標準液から下記式にしたがって求めた。
まず、ポリウレタン弾性繊維を原子吸光光度法によって分析し、含有している金属種と量を測定した。測定はn=2で行い平均値より求めた。
ポリウレタン系弾性繊維を29ゲージ1口筒編機(ポリウレタン系弾性繊維の回転送り出し装置付き)を用いて50%伸張状態で編成し、ポリウレタン系弾性繊維100%からなる筒編地を作成した。サンプルの前後耳部は東レ(株)製ナイロンフィラメント(78デシテックス24フィラメント)を用いて少量つないで編成し、ほつれないようにした。次いで、作成した筒編地を伸張させない状態で190℃、60秒で乾熱ヒートセットを実施した。続いて本筒編地を、浴比1:20、80℃、20分の条件で、精練剤(日華化学製“サンモール”(登録商標)WX24)を0.1重量%用いて精練を実施し、原糸油剤等を除去した。
上記のとおり作製した評価用筒編地について、抗菌試験は社団法人繊維製品新機能評価評議会が指定した抗菌性試験手順(JIS L1902:2008、菌液吸収法)に準拠して実施した。抗菌性は下記式による静菌活性値で評価した。静菌活性値の高いものほど抗菌性に優れている。なお、試験菌として、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus:ATCC 6538P)を使用した。
次亜塩素酸ナトリウム液をイオン交換水で希釈して有効塩素濃度3ppm、さらに尿素濃度3ppmとし、硫酸の緩衝溶液でpH7.2に調整した塩素水を28℃に温度調節した恒温槽に試料糸を5gの荷重をかけて浸漬し、試料糸が切れるまでの時間を評価した。測定はn=5で行い、その平均値を採用した。
分子量1800のPTMG、MDI、エチレンジアミンおよび末端封鎖剤としてジエチルアミンからなるポリウレタンウレア重合体のDMAc溶液(35重量%)を常法により調製した。次に、酸化防止剤として、p−クレゾ−ル及びジビニルベンゼンの重合体(デュポン社製“メタクロール”(登録商標)2390)と紫外線吸収剤として、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノ−ル(サイテック社製“サイアソーブ”(登録商標)1164)を3対2(重量比)で混合し、DMAc溶液(濃度35重量%)を調整し、前記ポリウレタンウレア重合体のDMAc溶液96重量%と酸化防止剤溶液4重量%を均一に混合し、ポリウレタン紡糸溶液A1とした。
B1に代えて、p−ヒドロキシ安息香酸エステル類として東京化成工業(株)製“2−エチルヘキシルパラベン”(沸点:362.6℃/1.103×105Pa、分子量:250.33)のDMAc溶液(35重量%)を調製し、これをB2とした。
C1に代えて、グレートレイクスケミカルズ製“Lowinox(登録商標)CA22“(1,1,3−トリス[2−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]ブタン、分子量544.81)のDMAc溶液(35重量%)を調製し、これをC2とした。
D1に代えて、神島化学工業(株)製の塩基性炭酸マグネシウムGP−30(4MgCO3Mg(OH)24H2O、平均一次粒子径:1.5μm)のDMAc分散液(35重量%)を調製し、これをD2とした。
A1、B2、C2、D2をそれぞれ93.5重量%、0.5重量%、1.0重量%、5.0重量%で均一に混合して紡糸溶液とし、これを実施例1と同様に乾式紡糸し、22dtex、2filのマルチフィラメントのポリウレタン弾性繊維の500g巻糸体を得た。
A1、B2、C1、D2をそれぞれ93.0重量%、2.0重量%、1.0重量%、4.0重量%で均一に混合して紡糸溶液とし、これを実施例1と同様に乾式紡糸し、22dtex、2filのマルチフィラメントのポリウレタン弾性繊維の500g巻糸体を得た。
A1、B1、C1、D1をそれぞれ85.0重量%、10.0重量%、1.0重量%、4.0重量%で均一に混合して紡糸溶液とし、これを実施例1と同様に乾式紡糸し、22dtex、2filのマルチフィラメントのポリウレタン弾性繊維の100g巻糸体を得た。
A1、B1、C1、D1をそれぞれ85.0重量%、1.0重量%、10.0重量%、4.0重量%で均一に混合して紡糸溶液とし、これを実施例1と同様に乾式紡糸し、22dtex、2filのマルチフィラメントのポリウレタン弾性繊維の200g巻糸体を得た。
A1、B1、C1、D1をそれぞれ83.0重量%、1.0重量%、1.0重量%、15.0重量%で均一に混合して紡糸溶液とし、これを実施例1と同様に乾式紡糸し、22dtex、2filのマルチフィラメントのポリウレタン弾性繊維の150g巻糸体を得た。
B1に代えて、東京化成工業(株)製“エチルパラベン”(沸点:297.5℃/1.103×105Pa、分子量:166.17)のDMAc溶液(35重量%)を調製し、これをB3とした。
C1に代えて、ヒンダードフェノール化合物としてBASFジャパン(株)製“イルガノックス1010”(ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、分子量1177.63)のDMAc溶液(35重量%)を調製し、これをC3とした。
分子量2100のPTMG、MDI、エチレングリコールおよび末端封鎖剤として1−ブタノールからなるポリウレタンウレタン重合体のDMAc溶液(35重量%)を常法により調製した。次に、酸化防止剤として、p−クレゾ−ル及びジビニルベンゼンの重合体(デュポン社製“メタクロール”(登録商標)2390)と紫外線吸収剤として、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノ−ル(サイテック社製“サイアソーブ”(登録商標)1164)を3対2(重量比)で混合し、DMAc溶液(濃度35重量%)を調整し、前記ポリウレタンウレタン重合体のDMAc溶液96重量%と酸化防止剤溶液4重量%を均一に混合し、ポリウレタン紡糸溶液A2とした。
A2、B2、C1、D1をそれぞれ94.0重量%、1.0重量%、1.0重量%、4.0重量%で均一に混合して紡糸溶液とし、これを実施例12と同様に乾式紡糸し、20dtex、モノフィラメントのポリウレタン弾性繊維の200g巻糸体を得た。
A2、B2、C2、D2をそれぞれ93.5重量%、0.5重量%、1.0重量%、5.0重量%で均一に混合して紡糸溶液とし、これを実施例12と同様に乾式紡糸し、20dtex、モノフィラメントのポリウレタン弾性繊維の200g巻糸体を得た。
B1に代えて、p−ヒドロキシ安息香酸エステル類として東京化成工業(株)製“ベンジルパラベン”(沸点:389.8℃/1.103×105Pa、分子量:250.33)のDMAc溶液(35重量%)を調製し、これをB5とした。
B1に代えて、p−ヒドロキシ安息香酸エステル類として東京化成工業(株)製“プロピルパラベン”(沸点:294.3℃/1.103×105Pa、分子量:180.20)のDMAc溶液(35重量%)を調製し、これをB6とした。
B1に代えて、p−ヒドロキシ安息香酸エステル類として東京化成工業(株)製“4−ヒドロキシ安息香酸2−ヒドロキシエチル”(沸点:390℃以上/1.103×105Pa、分子量:)のDMAc溶液(35重量%)を調製し、これをB7とした。
B1に代えて、p−ヒドロキシ安息香酸エステル類としてシプロ化成(株)製“SEESORB712(3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ安息香酸ヘキサデシル)”(分解点:539.2℃/1.103×105Pa、分子量:474.76)のDMAc溶液(35重量%)を調製し、これをB8とした。
B1に代えて、p−ヒドロキシ安息香酸エステル類としてケミプロ化成(株)製“KEMISORB112(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)”(分解点:521.3℃/1.103×105Pa、分子量:438.64)のDMAc溶液(35重量%)を調製し、これをB9とした。
A1、D1をそれぞれ96.0重量%、4.0重量%で均一に混合して紡糸溶液とし、これを実施例1と同様に乾式紡糸し、22dtex、2filのマルチフィラメントのポリウレタン弾性繊維の500g巻糸体を得た。
A1、C1、D1をそれぞれ95.0重量%、1.0重量%、4.0重量%で均一に混合して紡糸溶液とし、これを実施例1と同様に乾式紡糸し、22dtex、2filのマルチフィラメントのポリウレタン弾性繊維の500g巻糸体を得た。
A1、B1、D1をそれぞれ95.0重量%、1.0重量%、4.0重量%で均一に混合して紡糸溶液とし、これを実施例1と同様に乾式紡糸し、22dtex、2filのマルチフィラメントのポリウレタン弾性繊維の500g巻糸体を得た。
A1、B1、C1をそれぞれ98.0重量%、1.0重量%、1.0重量%で均一に混合して紡糸溶液とし、これを実施例1と同様に乾式紡糸し、22dtex、2filのマルチフィラメントのポリウレタン弾性繊維の500g巻糸体を得た。
D1に代えて、ハイドロタルサイト(Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O)の粉体を用いてDMAc分散液(35重量%)を調製し、これをE1とした。
B1に代えて、東京化成工業(株)製“メチルパラベン”(沸点:265.5℃/1.103×105Pa、分子量:152.15)のDMAc溶液(35重量%)を調製し、これをB4とした。
A2、B1、D1をそれぞれ95.0重量%、1.0重量%、4.0重量%で均一に混合して紡糸溶液とし、これを実施例12と同様に乾式紡糸し、20dtex、モノフィラメントのポリウレタン弾性繊維の200g巻糸体を得た。
A2、B1、C1をそれぞれ98.0重量%、1.0重量%、1.0重量%で均一に混合して紡糸溶液とし、これを実施例12と同様に乾式紡糸し、20dtex、モノフィラメントのポリウレタン弾性繊維の200g巻糸体を得た。
B1に代えて、p−ヒドロキシ安息香酸エステル類以外のヒドロキシ安息香酸エステル類として東京化成工業(株)製“2−ヒドロキシ安息香酸ベンジル”(沸点:320℃/1.103×105Pa、分子量:228.25)のDMAc溶液(35重量%)を調製し、これをF1とした。
Claims (8)
- ポリマージオールおよびジイソシアネートを出発するポリウレタンを含むポリウレタン弾性繊維であって、下記3成分(a)、(b)、(c)を含有することを特徴とするポリウレタン弾性繊維。
(a)気圧1.103×105Paにおける沸点または分解点が290℃以上であるp−ヒドロキシ安息香酸エステル類
(b)ヒンダードフェノール化合物
(c)アルカリ金属およびアルカリ土類金属の群から選択される少なくとも1種の金属からなる合成炭酸塩 - 前記(a)、(b)、(c)の含有率がそれぞれ0.1重量%以上5重量%以下、0.1重量%以上5重量%以下、0.5重量%以上10重量%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリウレタン弾性繊維。
- 前記(a)の分子量が180以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリウレタン弾性繊維。
- 前記(b)は、分子量が300以上であり、かつ、片ヒンダードのヒドロキシフェニル基を少なくとも1個有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリウレタン弾性繊維。
- 前記(c)が炭酸カルシウムまたは炭酸マグネシウムであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリウレタン弾性繊維。
- ポリマージオールおよびジイソシアネートを出発するポリウレタンを含む紡糸原液に、下記3成分(a)、(b)、(c)を含有させて紡糸することを特徴とするポリウレタン弾性繊維の製造方法。
(a)気圧1.103×105Paにおける沸点または分解点が290℃以上であるp−ヒドロキシ安息香酸エステル類
(b)ヒンダードフェノール化合物
(c)アルカリ金属およびアルカリ土類金属の群から選択される少なくとも1種の金属からなる合成炭酸塩 - 紡糸方法が乾式であることを特徴とする請求項7に記載のポリウレタン弾性繊維の製造方法。
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