JP2013144379A - バルブ機構を備えた筆記具 - Google Patents

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Abstract

【課題】筆記時の筆圧により適性且つ一定量のインキをペン先へと流出、供給でき、また、連続筆記に必要なインキの流出量を制御することができるバルブ機構を備えた筆記具を提供することを課題とする。
【解決手段】インキタンク軸1と、ペン先2と、インキタンク軸1の先端部に内装されてペン先2へのインキの供給を制御するバルブ機構部3と、インキタンク軸1の先端部に取り付けられてペン先2を摺動可能に支持するペン先ホルダー4とから成り、ペン先2はその内端部が弁芯21の着座ブロック22に固定されて弁芯21と一体に移動可能にされ、その内方移動端は着座ブロック22が弁ケース本体12の内天面に形成される段部28に当接することによって規制され、その外方移動端は着座ブロック22の着座面23が常時受座筒6の受座部7に当接することによって規制される。
【選択図】図1

Description

本発明はバルブ機構を備えた筆記具、より詳細には、バルブ機構を備えた直液式のマーカー等の筆記具であって、ペン先がペン軸内部へ押し込まれることによりバルブが開いてインキがペン先に供出され、筆記可能となるバルブ機構を備えた筆記具に関するものである。
マーカー等の筆記具は、軸内にインキを含浸させた中綿を装填する中綿式タイプと、軸内に直接インキを注入する直液式(生インキ式)タイプとに大別される。従来のマーカーとしては中綿式のものが多かったが、中綿式の場合は、一端ペン先が乾くと、再び筆記可能状態にまでインキが染み込むのに時間がかかり、また、素早く筆記した場合は、インキの染み込みが追い付かないために筆記した文字が掠れるという欠点がある。
これに対して直液式の場合は、ペン先がインキタンク軸内に貯留されたインキに直接触れていてインキの染み込みが迅速なため、ペン先の乾きがなく、素早く筆記した場合においてもインキの染み込みがこれに追従するため、筆記文字が掠れることもないところから、最近では、直液式のものが主流となってきている。
ところで、直液式の場合は、ペン先に過剰にインキが染み出て、所謂インキのボタ落ち現象が起こるおそれがあるため、ペン先を押し込むことによって開放されるバルブ機構を配設し、ペン先にインキが過剰に供給されることを抑止するバルブ式タイプのものが多く出回っている。
現在実用化され市販されているバルブ機構を備えた筆記具におけるバルブ機構の多くは、基本的には、特許文献1(実公平1−11505号公報)に記載のバルブ構造に似通ったものである。即ち、弁座に対して離接する弁体をリターンスプリングで常時閉弁方向に付勢し、ペン先にそのスプリングのバネ圧を上回る筆圧が加わったときに、弁体が移動して開弁し、通液可能となるという基本構造を有するものである(図11参照)。
しかしながら、このバルブ機構の場合は、インキの流出量を制御する機能がないために筆記中にインキが供給過多となり、インキのボタ落ちが発生し易いという欠点があった。
このインキのボタ落ちを防止することを企図したものとして、特許文献2(特開平6−286386号公報)に記載の筆記具がある。この筆記具は、バルブ弁に対する開口量(又は開弁量)を小さく規制することにより、筆記時に常に一定量のインキを安定供給できるようにし、以て、ボタ落ちの発生を防止するようにしたものである。
しかし、この筆記具の場合、ボタ落ち防止の点では優れているものの、筆記に際してのバルブ弁の開口量が小さいためにインキの流出抵抗が大きく、ペン先(ペン体)にインキが充分に浸透するまでに時間がかかるという問題がある。また、開口量、換言すれば、インキの流出量が、バルブ弁のストローク(移動長さ)に依存するため、インキの流出量を変更することが容易ではないという欠点がある。
また、特許文献3(特許第4565894号公報)には2種の筆記具が開示されており、そのうちの第1の筆記具は、コイルスプリング(コイルバネ)の全圧縮寸法を変えるだけで弁機構部の開口量を変えることができるので、容易に仕様変更が可能という利点がある。しかしながら、この第1の筆記具の場合は、連続筆記するためには開口量を小さくする必要があるため、上記特許文献2の筆記具の場合と同様の欠点がある。
特許文献3に記載の第2の筆記具は、同一のコイルスプリングに大小2組のピッチ部を設け、二段階動作する弁機構を備えたものである。この第2の筆記具は、ペン先を強く押すことにより開口量を大きくできるので、初期使用時に短時間でインキをペン先へと流出・供給できる点で優れている。しかしながら、コイルスプリングは全長やピッチに対する製造誤差が大きいため、バルブ弁の開口量をバラツキなく一定の値に保つことが難しいという欠点がある。特に、筆圧の強い人が使用した場合には、二段目のバネも動作してしまい、開口量が大きくなってインキが過剰に流出するおそれがある。
更に、従来の上記いずれの筆記具の場合においても、ペン先の内端細径部を嵌入支持する支持部が着座部から長く延びるように形成されていて、その分ペン芯がインキに接触する部分が制約される。そのため、初期使用時におけるインキのペン芯への浸透に時間がかかるという問題がある。
実公平1−11505号公報 特開平6−286386号公報 特許第4565894号公報
本発明は、上記従来技術における種々の問題点を解消するためになされたもので、本発明の第1の課題は、筆記時の筆圧により適性且つ一定量のインキをペン先へと流出、供給でき、また、連続筆記に必要なインキの流出量を制御することができるバルブ機構を備えた筆記具を提供することにある。
また、本発明の第2の課題は、初期使用時に、短時間でインキをペン先へと流出、供給でき、連続筆記に必要なインキの流出量をバルブ機構の弁芯のストローク、即ち、バルブ弁の開口量とは独立に制御できるようにしたバルブ機構を備えた筆記具を提供することにある。
また、本発明の第3の課題は、弁芯のストロークやリターンスプリングの変形量に依存することなく、常に一定のインキ流出量を保つことができ、ペン先の太さや線幅、即ち、インキの流出量及びインキの粘度等の差違による仕様変更が容易であり、且つ、連続筆記に必要なインキの流出量を弁芯のストローク、即ち、バルブ弁の開口量とは独立に制御できるようにしたバルブ機構を備えた筆記具を提供することにある。
更に本発明の第4の課題は、強い筆圧がかかった場合においても、ペン先の先端が潰れたり、変形したりするおそれがないバルブ機構を備えた筆記具を提供することにある。
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、インキタンク軸と、ペン先と、前記インキタンク軸の先端部に内装されて前記ペン先へのインキの供給を制御するバルブ機構部と、前記インキタンク軸の先端部に取り付けられて前記ペン先を摺動可能に保持するペン先ホルダーとから成り、前記バルブ機構部は、前記インキタンク軸の先端部内に嵌装される弁ケースと、前記弁ケースの下部に配備される受座筒と、前記受座筒の受座部に対して離接する着座面を有する着座ブロックを備えていて前記弁ケース内に摺動可能に支持される弁芯と、前記着座ブロックの着座面が常時前記受座筒の受座部に当接するように前記弁芯に作用するリターンスプリングとから成り、前記ペン先はその内端部が前記弁芯の着座ブロックに固定されて前記弁芯と一体に移動可能にされ、その内方移動端は前記着座ブロックが前記弁ケースの内天面に形成される段部に直接的に又は間接的に当接することによって規制され、その外方移動端は前記着座ブロックの着座面が常時前記受座筒の受座部に当接することによって規制されることを特徴とするバルブ機構を備えた筆記具である。
一実施形態においては、前記弁ケースの前記段部に溝又は突起を形成することにより、前記ペン先が押し込まれて前記内方移動端に到達した際において、前記段部部分に流量が規制されたインキ流路が形成されるように構成される。
また、他の実施形態においては、溝又は突起を有するリング状又は円筒状の流量規制体を前記弁ケースの前記段部に当接するように嵌合することにより、前記ペン先が押し込まれて前記内方移動端に到達した際において、前記段部部分に流量が規制されたインキ流路が形成されるように構成される。この場合、前記流量規制体はゴム又は樹脂製エラストマー等の軟質弾性材で形成される。
また、一実施形態においては、前記着座ブロックに前記ペン先の内端部を嵌入支持するペン先支持孔が穿設され、また、前記着座ブロックの着座面が円錐状又は球面状にされる。
本発明に係る筆記具は上記のとおりであって、そのペン先はその内端部が前記弁芯の着座ブロックに固定されて前記弁芯と一体に移動可能にされ、その内方移動端は前記着座ブロックが前記弁ケースの内天面に形成される段部に直接的に又は間接的に当接することによって規制され、また、その外方移動端は前記着座ブロックの着座面が常時前記受座筒の受座部に当接することによって規制されるため、ペン先には筆記時の筆圧に応じて常に適正且つ一定量のインキが供給され、過剰量のインキが供給されることによるインキのボタ落ちが起こるおそれがないという効果がある。
請求項2及び3に係る発明においては、弁ケース内天面の段部又は流量規制体に形成される溝又は突起の数並びに大きさに応じて、弁ケース内へのインキの流入量及びペン先へのインキの供給量を規制でき、且つ、その溝又は突起の数又は大きさを変えることによって、弁ケース内へのインキの流入量及びペン先へのインキの供給量を調整することができるので、仕様に適合する性能・品質の筆記具を提供することが容易なる効果がある。
また、最初に筆記を開始する時には、ペン先の先端までインキを速やかに浸透させる必要があるが、本発明に係る筆記具においては、上記のとおり、筆記中に必要なインキの流入量を常に一定に保つことができるので、弁芯のストローク、即ち、バルブ弁の開口量を大きく設定することができ、以て、短時間にての対応が可能となる効果がある。
更に請求項5に係る発明においては、筆記に適した筆記圧以上の強い筆圧がかかった場合にも、ゴム又はエラストマー等の軟質弾性体を用いて形成した複数の突起又は溝を持つリング形状部材がクッションとして機能するため、ペン先の潰れや変形が抑止される効果がある。
本発明の一実施形態のペン先に筆圧が加わっていない時(閉弁時)における内部構成を示す縦断面図である。 本発明の一実施形態のペン先に筆圧が加わっている時(開弁時)における内部構成を示す縦断面図である。 図1におけるA−A線断面図である。 本発明に係る筆記具のバルブ機構部に使用される弁芯のそれぞれ異なる構成例を示す図である。 本発明の他の実施形態のペン先に筆圧が加わっていない時(閉弁時)における内部構成を示す縦断面図である。 本発明の他の実施形態のペン先に筆圧が加わっている時(開弁時)における内部構成を示す縦断面図である。 図5におけるB−B線断面図である。 本発明の更に他の実施形態のペン先に筆圧が加わっていない時(閉弁時)における内部構成を示す縦断面図である。 本発明の更に他の実施形態のペン先に筆圧が加わっている時(開弁時)における内部構成を示す縦断面図である。 図8及び図9に示す実施形態において用いられる流量規制体の2つの構成例を示す図である。 従来の筆記具のバルブ機構部の構成を示す縦断面図である。
本発明を実施するための形態を、添付図面に依拠して説明する。なお、以下の説明においては、図1に示す状態において下側(ペン先側)を先端側と表現し、上側を後端側と表現している。
本発明に係るバルブ機構を備えた筆記具は、インキタンク軸1と、ペン先2と、インキタンク軸1の先端部に内装されてペン先2へのインキの供給を制御するバルブ機構部3と、インキタンク軸1の先端部にねじ付けられてペン先2を保持するペン先ホルダー4とから成り、ペン先2は、バルブ機構部3及びペン先ホルダー4内において摺動可能に支持される。
なお、インキタンク軸1の後端部にネジ付きの着脱可能な尾栓部を設け、その尾栓部を着脱してインキタンク軸1内に交換可能なリフィールを搭載するタイプに構成することもできる。ペン先2は、合成樹脂製繊維(アクリル、ポリエステル、ナイロン等)の樹脂加工体、樹脂加工したフェルト、合成樹脂の発泡体、多孔質の成形体等の、一般にペン先として用いられているインキが毛細管作用によって導出される材料製で、砲弾形、ナタ形(チーゼル形)、平形(カリグラフ形)、その他任意の形状となし得る。
バルブ機構部3は、インキタンク軸1の先端部内に嵌装される弁ケース5と、弁ケース5の下部に嵌合される受座筒6と、弁ケース5内において摺動可能に支持される弁芯21と、弁芯21を取り巻くようにして弁ケース5内に配装されるリターンスプリング25とから成る。
弁芯21はその下部に、受座筒6の受座部7に対して離接する、外方に張り出す着座面23を有する着座ブロック22を備える。通例、受座部7は、受座筒6の上面開口を内方に窄めて形成される環状鍔部である。リターンスプリング25は、着座ブロック22の着座面23が常時受座筒6の受座部7に当接するように、弁芯21を付勢する。以下に、バルブ機構部3のより詳細な実施態様について説明する。
先ず、図1乃至図3に示される実施形態について説明する。この実施形態における弁ケース5は、下端に外方向に延びるフランジ11を有する弁ケース本体12と、弁ケース本体12上に延設される弁芯支持部13とから成る。弁ケース5は、縮径化されたインクタンク軸1の下端部に嵌装されるが、その際、そのフランジ11がインクタンク軸1の開口端面に密着状態となるようにされる(図1、2参照)。
弁ケース本体12の内天面中央部に、そこから弁芯支持部13を貫通して上面に抜ける弁芯支持孔15が穿設され、その上方開口部は縮径化されて弁体受口16が形成される。リターンスプリング25は、弁芯21を取り巻くようにして弁芯支持孔15内に配装され、その上端部が、弁芯支持孔15の上部周面に突設されるガタ防止用のリブ26によって保持され(図3参照)、その下端部は着座ブロック22の上面に当接して、常時着座ブロック22を下方に押下するように作用する。
弁芯21は着座部22から上方に延び、その上部が弁芯受口16に摺動自在に挿通されることにより、その上下動動作を支持される。弁芯支持部13には、インキタンク軸1内のインキを常時弁芯支持孔15内に導入するための開口又は縦スリット17が複数形成される。
図4は、弁芯21のそれぞれ異なる構成例を示すもので、それらはいずれも、丸棒状の弁芯本体21aと、拡径部21bと、着座ブロック22とから成り、着座ブロック22から拡径部21bにかけて、ペン芯2の嵌入軸2aを嵌入するペン先支持孔21cが穿設されることに変わりはないが、(A)に示すものは着座面23が円錐形状となっているのに対し、(B)に示すものは、着座面23が球面状である点で異なっている。
また、図4の(C)及び(D)に示すものは、着座ブロック22の端面に、複数のスリット25を有する囲周壁24が延設されている点で、(A)及び(B)のものとは異なっている。この囲周壁24には複数のスリット24aが形成されているため、初期使用時におけるインキのペン芯への浸透に時間がかかるという、上記従来技術におけるような問題は起こらない。なお、(C)に示すものは着座面23が円錐状であるのに対し、(D)に示すものは着座面23が球面状となっている点においてそれぞれ相違している。
また、弁ケース5の下部に、上述したように環状鍔部である受座部7を有する受座筒6が嵌装される。受座筒6の下端部には外方向に延びるフランジ27が形成され、受座筒6が弁ケース5の下部に嵌装される際、そのフランジ27が弁ケース5のフランジ11に重なり合って密着するようにされる。
上述したように弁芯21は、その下部に受座筒6の受座部7に対して離接する外方に拡がる着座面23を有する着座ブロック22を備えていて、弁芯支持孔15内に配置され、その上部が弁芯受口16内によって支持されるが、その着座ブロック22の径は弁芯支持孔15の内径より大に設定される。
従って、着座ブロック22は、ペン先2が押し込まれた際に弁芯支持孔15内に進入することはない。即ち、弁ケース5の内天面に弁芯支持孔15が穿設されることによって当該内天面に形成される段部28が、着座ブロック22に対してストッパーとして作用し、以て、弁芯21及びそれに一体化されているペン先2の内方移動端が規制される。
ペン先2は、ペン先ホルダー4内に保持され、その上端部に形成される細径の嵌入軸2aが着座ブロック22のペン先支持孔21c内に嵌入されることによって弁芯21に固定され、弁芯21と一体となって上下動する。ペン先ホルダー4は、その上部開口の内周面にメネジ31が切られていて、オネジが切られたインキタンク軸1の下端部にねじ付けられる。そして、ペン先ホルダー4の下部は縮径化され、その縮径部32において、ペン先2の先端部を摺動可能に支持する。通例、ペン先2の中間部に、インキを一旦保持し、インキをペン先にスムーズに浸透させるための保持体33が巻装される。
上記構成において、平時、即ち、ペン先2が押し込まれていない時は、リターンスプリング25の弾発力で着座ブロック22を介して弁芯21が先端方向に付勢されることにより、着座ブロック22の着座面23が受座部7に密着し続けるため、インキが受座部7を通って先端側に供給されることが阻止される(図1に示す閉弁状態参照)。この時インキタンク軸1内のインキは、弁芯支持部13のスリット17(又は開口)から常時弁芯支持孔15内に流入し、弁芯21の周囲の空間を通って弁ケース5内の受座部7よりも上側部分に貯留される。
筆記に際してペン先2に筆圧がかかると、その筆圧に応じてペン先2が、弁芯21と一体となってリターンスプリング25の弾発力に抗して押し込まれるため、着座面23が受座部7から離れる(図2に示す開弁状態参照)。かくして、弁ケース5内の受座部7よりも上側部分に貯留されていたインキは、受座部7を通って弁ケース5下部の受座筒6内に流入し、そこに露呈しているペン先2の内端部付近から速やかにペン先2全体に浸透する。
この筆圧に伴うペン先2及び弁芯21の内方向移動は、着座ブロック22の上面が弁ケース5の段部28に当接することによって規制され、同時に、インクタンク軸1内のインキが弁芯支持孔15から弁ケース本体12内部に導入されることが阻止される。かくして、インキがペン芯2に対して過剰に供給されることが抑止されて、筆記に必要な適性且つ一定量のインキのみがペン先2へと供給されることになるので、インキのボタ落ちが抑止されるのである。そして、筆圧が解除されると、リターンスプリング25の作用で弁芯21及びペン先2が先端側に移動し、図1に示す閉弁状態に復帰する。
なお、ペン先2へのインキ供給量を決定することになる弁ケース本体12のインキ貯留部Aの容積は、開弁時における着座ブロック22の着座面23と受座部7との間の間隔設定次第で任意に設定することができ、その設定により、ペン先2に対する適性且つ一定量のインキ供給を可能にすることができる。例えば、その設定により、紙面上に直径2センチの円を50回以上連続筆記可能にすることができる。因みに、日本語や英語を含め、ペン先を紙面から浮かすことなく20文字以上筆記することは少ないので、上記設定で通常筆記に十分な性能とすることができる。
次いで、図5乃至図7に示される第二の実施形態について説明する。この第二の実施形態は、上記第一の実施形態における弁ケース5の段部28に、溝29又は突起を形成することにより、狭いインキ流路を確保したものである。即ち、当該溝29あるいは突起間の空間が弁芯支持孔15並びに弁ケース本体12内に連通するようにすることで、スリット17(又は開口)から弁芯支持孔15及び溝29を経て弁ケース本体12内に至る、限定されたインキ流路が形成されるのである。その他の構成は、上記第一の実施形態における構成と同じである。
この第二の実施形態においては、ペン先2が押し込まれて着座ブロック22の上面が弁ケース本体12の段部28に当接しても、上記スリット17(又は開口)から弁芯支持孔15及び溝29を経て弁ケース本体12内に至る限定されたインキ流路が常時開放状態に確保されるため、少量づつではあるが、一定量のインキが弁ケース本体12内に供給されて、ペン先2に含浸され続ける。従って、連続筆記しても、文字の掠れが起こるおそれはない。
インキの供給量は、溝29(又は突起間の間隔)のサイズを変更することにより、上記特許文献2におけるように、弁の開口量に依存することなく、任意に設定することができ、ペン先2に対して安定的に定量供給することが可能となる。即ち、インキの流出量とは独立に弁の開口量を大きくすることができて、インキ貯留部A内でのインキと空気の置換(又は交換)がスムーズに行われるため、インキの流出抵抗を少なくすることができる。かくして、ペン先2へのインキ供給が充分且つ安定したものとなり、初期筆記時においても、特許文献3に記載のバルブ機構と同等以上の短時間での筆記が可能となる。
更に、インキの供給量の規制は、特許文献3に記載の例のように不安定なコイルスプリングを用いて行うのではなく、溝29(又は突起間の空間)の大きさの設定により行うため、インキの流出量を常に一定にすることができ、以て、筆記中におけるインキのボタ落ちをなくし、且つ、滑らかな連続筆記を可能にすることができる。
次いで、図8乃至図10に示される第三の実施形態について説明する。この第三の実施形態は、上記第二の実施形態におけると同様の技術思想に基づくものであるが、第二の実施形態における加工上の問題を解消することを企図している。即ち、第二の実施形態の場合、インキの流出量の調整のためには溝29又は突起のサイズや間隔を変更する必要があって、その都度金型を変更することを余儀なくされ、コストアップにつながるという問題がある。
即ち、弁ケース本体12の段部28に溝29又は突起を形成することにより限定されたインキ流路を画成する代わりに、周壁に少なくとも1つの溝38を設けた環状の流量規制体37を、弁ケース本体12にその段部28に当接するように嵌装することにより、上記同様の限定されたインキ流路を確保するようにしたものである。その他の構成は、上記第一及び第二の実施形態における構成と同じである。
流量規制体37は、例えば、図10に示されるように、内径が弁芯支持孔15と同径又はほぼ同径となるように形成され、その周壁に形成された溝38を介して弁芯支持孔15と弁ケース本体12内とが常時連通状態となり、以て、スリット17(又は開口)から弁芯支持孔15及び溝38を経て弁ケース本体12内に至る、限定されたインキ流路が形成されるのである。図10からも明らかなように、流量規制体37の高さ並びに溝38の大きさを変更することにより、インキの流量を調整することができる。
この第三の実施形態においては、ペン先2が押し込まれて着座ブロック22の上面が流量規制体37に当接しても、スリット17(又は開口)から弁芯支持孔15及び溝38を経て弁ケース本体12内に至る限定されたインキ流路が常時開放状態に確保されるため、少量づつではあるが、一定量のインキが弁ケース本体12内に供給されて、ペン先2に含浸され続ける。従って、連続筆記しても、文字の掠れが起こるおそれはない。
なお、流量規制体37をゴム又は樹脂製エラストマーその他の軟質弾性材で形成した場合は、筆記に適した筆記圧以上の強い筆圧がかかった場合でも、その弾性力がクッションとなるため、ペン先2の潰れや変形を防止することが可能となる。
この発明をある程度詳細にその好ましい実施形態について説明してきたが、この発明の精神と範囲に反することなしに広範に異なる実施形態を構成することができることは明白である。従って、この発明は、請求の範囲において限定した以外はその特定の実施形態に制約されるものではない。
1 インキタンク軸
2 ペン先
3 バルブ機構部
4 ペン先ホルダー
5 弁ケース
6 受座筒
7 受座部
12 弁ケース本体
13 弁芯支持部
15 弁芯支持孔
21 弁芯
22 着座ブロック
23 着座面
24 囲周壁
24a スリット
25 リターンスプリング
28 段部
29 溝
37 流量規制体
38 溝

Claims (6)

  1. インキタンク軸と、ペン先と、前記インキタンク軸の先端部に内装されて前記ペン先へのインキの供給を制御するバルブ機構部と、前記インキタンク軸の先端部に取り付けられて前記ペン先を摺動可能に支持するペン先ホルダーとから成り、
    前記バルブ機構部は、前記インキタンク軸の先端部内に嵌装される弁ケースと、前記弁ケースの下部に配備される受座筒と、前記受座筒の受座部に対して離接する着座面を有する着座ブロックを備えていて前記弁ケース内に摺動可能に支持される弁芯と、前記着座ブロックの着座面が常時前記受座筒の受座部に当接するように前記弁芯に作用するリターンスプリングとから成り、
    前記ペン先はその内端部が前記弁芯の着座ブロックに固定されて前記弁芯と一体に移動可能にされ、その内方移動端は前記着座ブロックが前記弁ケースの内天面に形成される段部に直接的に又は間接的に当接することによって規制され、その外方移動端は前記着座ブロックの着座面が常時前記受座筒の受座部に当接することによって規制されることを特徴とするバルブ機構を備えた筆記具。
  2. 前記弁ケースの前記段部に溝又は突起を形成することにより、前記ペン先が押し込まれて前記内方移動端に到達した際において、前記段部部分に流量が規制されたインキ流路が形成されるようにした、請求項1に記載のバルブ機構を備えた筆記具。
  3. 溝又は突起を有するリング状又は円筒状の流量規制体を前記弁ケースの前記段部に当接するように嵌合することにより、前記ペン先が押し込まれて前記内方移動端に到達した際において、前記段部部分に流量が規制されたインキ流路が形成されるようにした、請求項1に記載のバルブ機構を備えた筆記具。
  4. 前記流量規制体をゴム又は樹脂製エラストマーその他の軟質弾性材で形成した、請求項3に記載のバルブ機構を備えた筆記具。
  5. 前記着座ブロックに前記ペン先の内端部を嵌入支持するペン先支持孔を穿設した、請求項1乃至4のいずれかに記載のバルブ機構を備えた筆記具。
  6. 前記着座ブロックの着座面を円錐状又は球面状にした、請求項1乃至5のいずれかに記載のバルブ機構を備えた筆記具。
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