JP2013145221A - Hic割れ危険度が低い鋼材及びその中心偏析部評価法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】鋼材の元素含有量と中心偏析部のMn偏析度とからなる下記式(1)で定義される基本測定領域毎に測定し計算した全てのQ値を用いて鋼材の耐水素割れ感受性を評価する方法。Q=CCf5.4+CMnf1/6+(CCrf0.3+CMof1.3+CVf0.6)/5+(CCuf2.8+CNif1.3)/15+CNbf5/4+2CPf5.4・・・・式(1)。ここで、fは偏析部でのMn偏析度で、(CMn C/CMn)で定義される値であり、CMn Cは中心偏析部のMn濃度分布を鋼材の断面を幅方向に測定して得られるMn濃度、CMnはMn濃度の平均の濃度であり、fNのNはべき乗を、Ciはそれぞれ元素iの含有量(質量%)である。
【選択図】図1
Description
とき、HICの割れ面積率(CAR)が、1.5%以下となることがわかった。ここで、HICの割れ面積率(CAR)とはNACE TM0284−96規格により定義され、本発明では、1.5%以下となる場合をHIC特性が良好であると判断する。
Q=CCf5.4+CMnf1/6+(CCrf0.3+CMof1.3+CVf0.6)/5+
(CCuf2.8+CNif1.3)/15+CNbf5/4+2CPf5.4・・・・式(1)
ここで、fは偏析部でのMn偏析度で、(CMn C/CMn)で定義される値であり、CMn Cは中心偏析部のMn濃度分布を鋼材の断面を幅方向に測定して得られるMn濃度、CMnはMn濃度の平均の濃度であり、fNのNはべき乗を、Ciはそれぞれ元素iの含有量(質量%)で、iは元素C、Mn、Cr、Mo、V、Cu、Ni、Nb、Pを表し、含有しない場合はCi=0とする。
を特徴とする前記[2]に記載の化学組成を含有する耐水素割れ感受性が良好な高強度耐サワーラインパイプ用鋼板。
P=CCf5.4 × CNbf5 ・・・・式(2)
ここで、fは偏析部でのMn偏析度で、(CMn C/CMn)で定義される値であり、CMn Cは中心偏析部のMn濃度分布を鋼材の断面を幅方向に測定して得られるMn濃度、CMnはMn濃度の平均の濃度であり、fNのNはべき乗を表す。また、CC 、CNb はそれぞれC、Nb元素の含有量(質量%)を表す。
(CCuf2.8+CNif1.3)/15+CNbf5/4+2CPf5.4・・・・式(1)
ここで、fは偏析部でのMn偏析度で、(CMn C/CMn)で定義される値であり、CMn Cは中心偏析部のMn濃度分布を鋼材の断面を幅方向に測定して得られるMn濃度、CMnはMn濃度の平均の濃度であり、fNのNはべき乗を、Ciはそれぞれ元素iの含有量(質量%)で、iは元素C、Mn、Cr、Mo、V、Cu、Ni、Nb、Pを表し、含有しない場合はCi=0とする。
本発明ではこの値を用いて鋼材(本明細書では、「鋳片」と「鋼板」を含む概念で使用する)のQ値が決定されるために、偏析度fの決定は重要である。元素の分布は、添加元素の一種類の分布を測定する事で可能であるため、原理的にどの元素での分布でも測定可能であるが、分析精度と分析時間を考慮するとある程度の添加量と偏析形態が明確なC、Mn、Nb、P等で実施することが望ましい。このなかで、短時間分析での精度を考慮すると、通常含有量が、質量%で、1%程度と含有量の比較的多いMn元素の分布を測定することが好適である。また、偏析度ではNb、P、C等が母材と比べて大きくなるので、S/N比を優先するとこれら元素が好適である。分析機器の精度は、近年向上しているために、具体的な手法については改善変更されることが予想されるが、原理的に空間分解能が厚鋼板分析時には0.1mm、スラブ分析時には1mm程度で、組成の定量精度として、Mnであれば0.05%、他の偏析元素では0.005%以内であることが好ましい。
偏析部のMn濃度であるCMn Cは、スラブであれば1mm×1mm、鋼板であれば厚さ0.1mm×幅1mmの基本測定領域での中心偏析部のMn濃度を取得できれば得られる。EPMAを用いた分析は、スラブでは、0.1mm径のビームサイズを用いて、0.1mm×0.1mmの微小領域で測定を行い1mm×1mmの領域の10点×10点のデータ情報を全て集積し、濃度の平均値を用いて1mm×1mmの基本測定領域で再マッピング像を集積し構築すればよい。
Q値が1.0未満の領域では、HIC割れはほとんど発生せず、1.0以上になるとHIC割れの起点となる可能性が高くなる。従って、全ての基本測定領域毎に測定した全てのQ値が1.0を超えない場合はHIC割れはほとんど発生しない。したがって、Q値が1.0未満であることが好ましい。
Cは鋼板の強度の向上に寄与する元素であるが、0.03%未満では十分な強度が確保できず、0.07%を超えると靭性を劣化させるため、C含有量は、0.03〜0.07%とした。
Siは脱酸のため添加するが、0.01%未満では脱酸効果が十分でなく、0.5%を超えると靭性や溶接性を劣化させるため、Si含有量を0.01〜0.5%に規定する。好ましくは、Si:0.04〜0.4%である。
Mnは強度、靭性のため添加するが、0.8%未満ではその効果が十分でなく、1.5%を超えると中心偏析が著しく、Q値が増加するために、Mn含有量を0.8〜1.5%に規定する。
Alは脱酸剤として添加されるが、0.07%を超えると鋼の清浄度が低下し、HIC割れの起点となる介在物の形成が増加するため、Al含有量は0.07%以下に規定する。好ましくは、0.01〜0.05%とする。
本発明でP、Sは不可避的不純物であり、その量の上限を規定する。Pは、式(1)で示される様にQ値の増加に非常に影響を与え、HIC割れ感受性が悪化するため、P量は0.010%以下とする。好ましくは、P量は0.005%以下である。
Sは、含有量が多いとMnSの生成量が著しく増加し、HIC割れ感受性が悪化するため、S量は0.001%以下とする。
TiはTiNを形成しそのピニング効果により、スラブ加熱時のオーステナイト粗大化を抑制し、母材靭性を向上させる重要な元素である。その効果は、0.005%以上の添加で発現する。しかし、0.02%を超えると、粗大なTi系析出物が生成し、これがHIC割れの起点になり、HIC割れ感受性が劣化するため、Ti量は0.005〜0.02%の範囲とする。好ましくは、Ti量は0.009〜0.015%の範囲とする。
Nbは組織の微細粒化により靭性を向上させるとともに、析出物を形成し、強度上昇に寄与する。しかし、0.005%未満では効果がなく、0.07%を超えると、粗大なNb系析出物が形成され、HIC割れの起点となり、HIC割れ感受性が劣化するため、Nb含有量は0.005〜0.07%に規定する。また、Nbは、Q値増加への寄与が大きい事から、Nb含有量は0.05%以下であることが好ましい。
Caは硫化物系介在物の形態を制御して耐HIC割れ感受性が向上する。0.0005%以上でその効果が現れ、0.005%を超えると効果が飽和し、逆に清浄度を低下させてHICの起点となる介在物を形成するため、Ca量は0.0005〜0.005%の範囲とする。
Nは不可避的不純物として扱うが、N量が0.008%を超えると、HIC割れの起点となる粗大なTi−Nb系の析出物が形成するため、N量は0.008%以下とする。
本発明でOは不可避的不純物であり、その量の上限を規定する。Oは粗大で耐HICに悪影響を与える介在物の生成を抑制するため、O量は0.005%以下とする。
Cuは、鋼の焼入性向上に寄与するが、0.5%を超えて添加を行うと、鋼板靱性の劣化が生じるため、Cuを添加する場合は、Cu量は0.5%以下とする。
Niは、鋼の焼入性向上に寄与し、特に、多量に添加しても靱性劣化を生じないため、強靱化に有効であることから、添加することが可能である。しかし、Niは高価な元素であるため、Niを添加する場合は、Ni量は1%以下とする。
Crは、Mnと同様に低Cでも十分な強度を得るために有効な元素であるので添加してもよい。その効果を得るためには、0.1%以上添加することが好ましいが、過剰に添加すると溶接性が劣化するため、添加する場合は、Cr量は0.5%以下とする。
Mo:0.5%以下
Moは、焼入性を向上させる元素であり、MA生成やベイナイト相を強化することで強度上昇に寄与する元素であるので任意的に添加することが可能である。しかし、0.5%を超えて添加すると、溶接熱影響部靭性の劣化を招くことから、添加する場合には、Mo量は0.5%以下とする。0.3%以下とすることが好ましい。
Vは、焼入性を高め、強度上昇に寄与する元素であるので任意的に添加してもよい。その効果を得るためには、0.005%以上添加することが好ましいが、0.1%を超えて添加すると溶接熱影響部の靭性が劣化するため、添加する場合は、V量は0.1%以下とする。
本試験法によって同一材料での場所による違いおよび偏析度の違いによる耐HIC特性に違いを評価することが可能であることが確認された。また、この様にして得られた鋼板については、同様にEPMA分析実施してQ値の測定を実施した結果、スラブの評価と同様の結果が得られており、本分析は鋼板でも評価可能である事がわかった。
Claims (5)
- 鋼材の元素含有量と中心偏析部のMn偏析度とからなる下記式(1)で定義されるQ値を基本測定領域毎に測定し計算し、これら全てのQ値を用いて鋼材の耐水素割れ感受性を評価する方法。
Q=CCf5.4+CMnf1/6+(CCrf0.3+CMof1.3+CVf0.6)/5+
(CCuf2.8+CNif1.3)/15+CNbf5/4+2CPf5.4・・・・式(1)
ここで、fは偏析部でのMn偏析度で、(CMn C/CMn)で定義される値であり、CMn Cは中心偏析部のMn濃度分布を鋼材の断面を幅方向に測定して得られるMn濃度、CMnはMn濃度の平均の濃度であり、fNのNはべき乗を、Ciはそれぞれ元素iの含有量(質量%)で、iは元素C、Mn、Cr、Mo、V、Cu、Ni、Nb、Pを表し、含有しない場合はCi=0とする。 - 前記鋼材の化学組成が、質量%で、C:0.03〜0.07%、Si:0.01〜0.5%、Mn:0.8〜1.5%、Al:0.07%以下、S:0.001以下、P:0.010以下、Ti:0.005〜0.02%、Nb:0.005〜0.07%、Ca:0.0005〜0.005%、N:0.008%以下、O:0.005%以下を含有し、さらに、Cu:0.5%以下、Ni:1%以下、Cr:0.5%以下、Mo:0.5%以下、V:0.1%以下の中から選ばれる1種以上を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなることを特徴とする請求項1に記載の鋼材の耐水素割れ感受性を評価する方法。
- 連続鋳造鋳片の鋳込み方向と垂直方向の断面の中心偏析部の1mm×1mmの前記基本測定領域毎に測定した全てのQ値の中で、1.0≦Q<1.3であるQ値の数が前記断面で幅100mm当り5個以下(0を含む)であり、残部のQ値はQ<1.0である請求項2に記載の化学組成を含有する連続鋳造鋳片を鋼素材とすることを特徴とする耐水素割れ感受性が良好な高強度耐サワーラインパイプ用鋼板。
- 鋼板の圧延方向と垂直方向の断面であって、該鋼板の圧延方向と垂直方向の断面の中心偏析部の厚さ方向0.1mm×垂直方向1mmの前記基本測定領域毎の全てのQ値の中で、1.0≦Q<1.3であるQ値の数が前記断面で幅100mm当り5個以下(0を含む)であり残部のQ値がQ<1.0であることを特徴とする請求項2に記載の化学組成を含有する耐水素割れ感受性が良好な高強度耐サワーラインパイプ用鋼板。
- 鋼材のC、Nb元素の含有量と中心偏析部のMn偏析度とからなる下記式(2)で定義されるP値が0.35以下であることを特徴とする請求項4記載の耐水素割れ感受性が良好な高強度耐サワーラインパイプ用鋼板。
P=CCf5.4 × CNbf5 ・・・・式(2)
ここで、fは偏析部でのMn偏析度で、(CMn C/CMn)で定義される値であり、CMn Cは中心偏析部のMn濃度分布を鋼材の断面を幅方向に測定して得られるMn濃度、CMnはMn濃度の平均の濃度であり、fNのNはべき乗を表す。また、CC 、CNb はそれぞれC、Nb元素の含有量(質量%)を表す。
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