JP2013146227A - タンパク質溶液及びこれを含む洗剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温至適プロテアーゼの酵素活性の低下を抑制し、耐熱性を向上させ、低温至適プロテアーゼの酵素活性を長期間安定に維持できるタンパク質溶液を提供することを目的とする。
【解決手段】低温至適プロテアーゼ(A)、プロテアーゼ活性阻害剤(B)及び溶剤(C)を含有するタンパク質溶液(D)であって、(A)の酵素反応至適温度が0℃〜50℃であるタンパク質溶液。
(B):基質(E)としてベンジルオキシカルボニルフェニルアラニンニトロアニリド、ベンゾイルアルギニンニトロアニリド、フリルアクリロイルグリシルロイシンアミド及びサクシニルアラニルアラニルプロリルフェニルアラニンニトロアニリドのうちいずれか1つを用いて、低温至適プロテアーゼ(A)の活性の至適温度、最適pH及び最適基質濃度の条件下でHendersonプロットにより求めた(A)に対する阻害定数Kiが1pM〜10μMであるプロテアーゼ活性阻害剤。
【選択図】図4

Description

本発明は、タンパク質溶液及びこれを含む洗剤組成物に関する。
プロテアーゼは、ペプチド結合の加水分解を触媒する酵素群の総称で、微生物、動物及び植物中に広く存在が知られている。その応用分野としては、衣料用洗浄剤、自動食器洗浄機用洗浄剤、コンタクトレンズ用洗浄剤、浴用剤、角質除去用化粧料、食品の改質剤(製パン、肉の軟化、水産加工など)、ビールの清澄剤、皮革なめし剤、写真フィルムのゼラチン除去剤、消化助剤及び消炎剤などがあり、多くの分野で盛んに利用されている。
洗浄剤に添加するプロテアーゼとして、洗浄時の温度で高活性を発揮する低温至適プロテアーゼが近年開発されている。しかしながら、低温至適プロテアーゼは、プロテアーゼの中でも特に耐熱性が低く、一般的なプロテアーゼ(至適温度が50を超え80℃以下)と比較して溶液中での自己分解がより起こりやすく、酵素活性が低下しやすいという問題がある。
一方、プロテアーゼの活性を阻害するプロテアーゼ活性阻害剤の研究が行われている。例えば、非特許文献1には、ボロニックアシッドがセリンプロテアーゼやズブチリシンを阻害する旨の記載がある。
しかしながら、上記のプロテアーゼ活性阻害剤は、一般的なプロテアーゼに対しては一定の効果があるものの、低温至適プロテアーゼの酵素活性を長期間安定に維持できるほど十分でない。また、低温至適プロテアーゼの耐熱性の向上については効果がない。
Molecular & Cellular Biochemistry,51,1983,p5−32
本発明は、低温至適プロテアーゼの酵素活性の低下を抑制し、さらに耐熱性を向上させ、低温至適プロテアーゼの酵素活性を長期間安定に維持できるタンパク質溶液を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のタンパク質溶液は、低温至適プロテアーゼ(A)、下記プロテアーゼ活性阻害剤(B)及び溶剤(C)を含有するタンパク質溶液(D)であって、(A)の酵素反応至適温度が0℃〜50℃であるタンパク質溶液である。
プロテアーゼ活性阻害剤(B):基質(E)としてベンジルオキシカルボニルフェニルアラニンニトロアニリド、ベンゾイルアルギニンニトロアニリド、フリルアクリロイルグリシルロイシンアミド及びサクシニルアラニルアラニルプロリルフェニルアラニンニトロアニリドのうちいずれか1つを用いて、低温至適プロテアーゼ(A)の活性の至適温度、最適pH及び最適基質濃度の条件下でHendersonプロットにより求めた(A)に対する阻害定数Kiが1pM〜10μMであるプロテアーゼ活性阻害剤。
本発明のタンパク質溶液は、低温至適プロテアーゼの酵素活性の低下を抑制し、さらに耐熱性を向上できるので、低温至適プロテアーゼの酵素活性を長期間安定に維持できる。
また、本発明の洗剤組成物は、洗浄性の持続性が高い。
なお、本発明において、「洗浄性の持続性が高い」とは、一定期間保管した後に測定した洗浄性と、保管する直前に測定した洗浄性との差が小さく、一定の洗浄性を示すことを意味する。
カンナーゼに対する基質のミカエリス定数Kmを求めるために作成したHanes−Woolfプロットであり、縦軸をそれぞれの基質濃度[S]の酵素反応初速度vによる逆数([S]/v)、横軸を基質(D)の濃度[S]としてプロットしたグラフである。 カンナーゼの活性の最適pHを求めるために、縦軸をpH4.5〜9.5における傾き係数k、横軸をpHとしてプロットし、カンナーゼの活性のpH依存性を表したグラフである。 カンナーゼの活性の至適温度を求めるために、縦軸を20〜70℃における傾き係数k、横軸を温度としてプロットし、カンナーゼの活性の温度依存性を表したグラフである。 製造例1で得たプロテアーゼ活性阻害剤(B1)のカンナーゼに対する阻害定数を求めるために作成したHendersonプロットであり、横軸に1/αを、縦軸に[(B1)のモル濃度]/(1−α)をプロットしたグラフである。
本発明のタンパク質溶液は、低温至適プロテアーゼ(A)、下記プロテアーゼ活性阻害剤(B)及び溶剤(C)を含有するタンパク質溶液(D)であって、(A)の酵素反応至適温度が0〜50℃であるタンパク質溶液である。
プロテアーゼ活性阻害剤(B):基質(E)としてベンジルオキシカルボニルフェニルアラニンニトロアニリド、ベンゾイルアルギニンニトロアニリド、フリルアクリロイルグリシルロイシンアミド及びサクシニルアラニルアラニルプロリルフェニルアラニンニトロアニリドのうちいずれか1つを用いて、低温至適プロテアーゼ(A)の活性の至適温度、最適pH及び最適基質濃度の条件下でHendersonプロットにより求めた(A)に対する阻害定数Kiが1pM〜10μMであるプロテアーゼ活性阻害剤。
本発明において低温至適プロテアーゼ(A)は、酵素反応至適温度が0〜50℃であるプロテアーゼである。
(A)としては、酵素反応至適温度が0〜50℃である公知のプロテアーゼが含まれ、例えば、アスパラギン酸プロテアーゼに分類されるもの{活性部位に2個のアスパラギン酸を有するプロテアーゼ}、システインプロテアーゼに分類されるもの{活性部位に求核攻撃を行うシステインを有するプロテアーゼ}、金属プロテアーゼに分類されるもの{活性部位に金属イオンを有するプロテアーゼ}並びにセリンプロテアーゼに分類されるもの{触媒残基として、求核攻撃を行うセリン残基を有するプロテアーゼであり、具体的には、カンナーゼ(ノボザイムズ社)、スブチリシンS39及びスブチリシンS41等}等が挙げられる。
(A)としては、洗剤用途に広く使用されている観点から、セリンプロテアーゼに分類されるものが好ましい。
上記の低温至適プロテアーゼ(A)の酵素反応至適温度は、具体的には、後述する至適温度測定法によって求められる。
また、上記以外のプロテアーゼについて、低温至適プロテアーゼであるかどうかは、一般的なプロテアーゼ活性測定法(例えば、アゾカゼインを用いた活性測定法)によってプロテアーゼの酵素反応の至適温度を求めた際、至適温度が0〜50℃であるかどうかで判断し、至適温度が0〜50℃のものを低温至適プロテアーゼとする。
低温至適プロテアーゼは、至適温度が0〜50℃であるプロテアーゼであるが、この至適温度は使用時(洗浄等)の温度で高活性を発揮する観点から、5〜45℃が好ましく、さらに好ましくは10〜40℃である。
プロテアーゼ活性阻害剤(B)は、基質(E)としてベンジルオキシカルボニルフェニルアラニンニトロアニリド、ベンゾイルアルギニンニトロアニリド、フリルアクリロイルグリシルロイシンアミド及びサクシニルアラニルアラニルプロリルフェニルアラニンニトロアニリドのうちいずれか1つを用いて、低温至適プロテアーゼ(A)の活性の至適温度、最適pH及び最適基質濃度の条件下でHendersonプロットにより求めた(A)に対する阻害定数Kiが1pM〜10μMであるプロテアーゼ活性阻害剤である。(B)は、(A)と一定のモル比で可逆的に結合し、(A)の活性を阻害するものである。
上記ベンジルオキシカルボニルフェニルアラニンニトロアニリドは、フェニルアラニンのアミノ基にオキシカルボキシベンジル基が結合し、カルボキシル基にニトロアニリンがペプチド結合したものであり、MP−バイオメディカル社(製品名:N−cbz−L−phenylalanine−p−nitroanilide)から入手可能である。
上記ベンゾイルアルギニンニトロアニリドは、アルギニンのアミノ基にカルボキシベンジル基が結合し、アルギニンのカルボキシル基にニトロアニリンがペプチド結合したものであり、和光純薬工業(株)(製品名:Nα−ベンゾイル−DL−アルギニン−p−ニトロアニリド塩酸塩 )から入手可能である。
上記フリルアクリロイルグリシルロイシンアミドは、グリシルロイシンアミドのアミノ基にフリルアクリル酸がペプチド結合したものであり、シグマ社(製品名:N‐(3‐[2‐Furyl]acryloyl)‐Gly‐Leu amide)から入手可能である。
上記サクシニルアラニルアラニルプロリルフェニルアラニンニトロアニリドは、アラニルアラニルプロリルフェニルアラニンの末端アミノ基に無水コハク酸が結合し、末端カルボキシル基にニトロアニリンがペプチド結合したものであり、Bachem AG社(製品名:Suc−Ala−Ala−Pro−Phe−pNA)から入手可能である。
上記基質(E)のうち、Kiを求める際にどの基質を用いるかは、プロテアーゼ活性阻害剤(B)が活性を阻害する(A)の分類により適宜選択される。上記アスパラギン酸プロテアーゼ(A−1)であればベンジルオキシカルボニルフェニルアラニンニトロアニリド、システインプロテアーゼ(A−2)であればベンゾイルアルギニンニトロアニリド、金属プロテアーゼ(A−3)であればフリルアクリロイルグリシルロイシンアミド、セリンプロテアーゼ(A−4)であればサクシニルアラニルアラニルプロリルフェニルアラニンニトロアニリドを使用する。
上記に(A)として例示されていないプロテアーゼについては、参考文献1(Rawlings, N.D. & Barrett, A.J. (1993) Evolutionary families of peptidases. Biochem J 290, p205−218)に、(A−1)〜(A−4)のいずれに分類されるかが記載されている。
また、上記にも、参考文献1にも記載されていないプロテアーゼが、(A−1)〜(A−4)のいずれに分類されるかは、参考文献2(Woessner & Barrett(1998)Handbook of proteolytic enzymes.Academic Press)に示される方法を用いることで分類できる。
本発明において低温至適プロテアーゼ(A)の活性の最適基質濃度は、(A)に対する基質(E)のミカエリス定数Kmの3分の1〜2倍である。ミカエリス定数Kmは酵素反応初速度の基質濃度依存性を求めることによって求められる。具体的には、下記のミカエリス定数Km測定法によって求めたものである。
<ミカエリス定数Km測定法>
一定量の基質(E)、低温至適プロテアーゼ(A)、pH調整剤(M)及び水を含む一定の温度及びpHに調製した酵素反応溶液(I)を作成する。
酵素反応溶液(I)の温度は、0〜50℃の範囲内で、低温至適プロテアーゼ(A)の活性が失活せず、活性があり、吸光度の測定ができる温度で、酵素反応溶液(I)作成時から測定終了までの間、一定温度に保つことができればいい。
酵素反応溶液(I)のpHは、pH3〜12の範囲内であればいい。後述する最適pHがわかっている場合は、最適pHであることが好ましい。
酵素反応溶液(I)に用いるpH調整剤(M)は、扱いやすさ及び安定性の観点から、HEPESバッファー、MESバッファーなどのGoodバッファーが好ましい。酵素反応溶液(I)中の(M)の濃度(モル濃度)は、25〜500mMである。
酵素反応溶液(I)中の低温至適プロテアーゼ(A)の濃度(モル濃度)は、各プロテアーゼによって適宜選択されるが、後述する吸光度の変化ΔAλを縦軸に、時間hを横軸にプロットした場合、プロットが直線となる濃度を選ぶ。
酵素反応溶液(I)中の基質(E)の濃度(モル濃度)は、経時的な吸光度変化を観測できる最小の基質濃度から最大の基質濃度の間で3点以上選べばよい。測定に使用する(A)と類似のプロテアーゼのミカエリス定数Kmが分かっている場合は、類似プロテアーゼのKmの1/50〜10倍の間で3点以上選べばよい。
酵素反応溶液(I)について、分光光度計を用いて、波長300〜450nmの範囲内で、酵素反応の生成物が極大吸収をもつ波長での吸光度Aλを経時的に測定する。測定時の温度は、酵素反応溶液(I)を作成したときの温度と同温度である。測定時間は酵素の活性によって異なるが、吸光度が0.8を超えない範囲で0.1以上変化するのが見られれば良い。基質(E)及び低温至適プロテアーゼ(A)を混合した直後の吸光度をAλ0、h時間後の吸光度をAλhとし、吸光度の変化ΔAλ(ΔAλ=Aλh−Aλ0)と生成物の測定波長におけるモル吸光定数εを用いて下記数式(1)から酵素反応初速度v(M/s)を算出する。
v=ΔAλ/(ε×h×3600) (1)
さらに、基質(E)の濃度が異なる酵素反応溶液(I)を用いて、同様に測定し、酵素反応初速度vを算出する。
ミカエリス定数Kmは、算出した酵素反応初速度vを用いて、下記ミカエリスメンテン式(数式(2))から派生するHanes−Woolfプロットによって求められる。
v=Vmax[S]/(Km+[S]) (2)
上記数式(2)中、vは酵素反応初速度(M/s)、Vmaxは最大速度(M/s)、[S]は酵素反応溶液中での基質濃度(M)である。
Hanes−Woolfプロットは、横軸(x軸)にそれぞれの基質(E)の濃度[S]、縦軸(y軸)にそれぞれの基質濃度[S]の酵素反応初速度vによる逆数([S]/v)をプロットしたものであり、プロットの近似直線とx軸との交点が−Kmである。
低温至適プロテアーゼ(A)の活性の最適pHは、様々なpHで酵素反応溶液の吸光度を測定することによって決定できる。具体的には、下記の最適pH測定法によって求めたpHである。
<最適pH測定法>
一定量の基質(E)、低温至適プロテアーゼ(A)、pH調整剤(M)及び水を含むpHを3〜12に調製した酵素反応溶液(II)を作成する。それぞれの溶液(II)のpH間隔は1程度とする(例えば、pH3.0、4.0及び5.0等)。
酵素反応溶液(II)の温度は、0〜50℃の範囲内で、低温至適プロテアーゼ(A)の活性が失活せず、活性があり、吸光度の測定ができる温度で、酵素反応溶液(II)作成時から測定終了までの間、一定温度に保つことができればいい。
酵素反応溶液(II)に用いるpH調整剤(M)は、扱いやすさ及び安定性の観点から、HEPESバッファー及びMESバッファー等のGoodバッファーが好ましい。酵素反応溶液(II)中のpH調整剤(M)の濃度(モル濃度)は、25〜500mMである。
酵素反応溶液(II)中の基質(E)の濃度(モル濃度)は、上記低温至適プロテアーゼ(A)の基質(E)に対するミカエリス定数Kmの4〜6倍である。
酵素反応溶液(II)中の低温至適プロテアーゼ(A)の濃度(モル濃度)は、各プロテアーゼによって適宜選択され、後述する吸光度の変化ΔAλを縦軸に、時間hを横軸にプロットした場合、プロットが直線となる濃度を選ぶ。
酵素反応溶液(II)において、分光光度計を用いて、波長300〜450nmの範囲内で、酵素反応の生成物が極大吸収をもつ波長での吸光度Aλを経時的に測定する。測定時の温度は、酵素反応溶液(II)を作成したときの温度と同温度である。測定時間hは酵素の活性によって異なるが、吸光度が0.8を超えない範囲で、0.1以上変化すれば良い。基質(E)及び低温至適プロテアーゼ(A)を混合した直後の吸光度をAλ0、h時間後の吸光度をAλhとし、吸光度の変化ΔAλ(ΔAλ=Aλh−Aλ0)を縦軸に、時間hを横軸にプロットし、直線の傾き(係数k)を求める。さらに、それぞれのpH(3〜12)の酵素反応溶液(II)を用いて測定した係数kを用いて、縦軸を係数k、横軸をpHとしてプロットし、係数kが極大値となるpHが最適pHである。
pHを調整する際に、バッファーの種類を変更する場合は、バッファーによってプロテアーゼ活性が異なるため、適宜これを補正する必要がある。補正する方法としては、バッファーの種類を変える境目のpHにおいて、両方のバッファーで活性を測定しておき、片方のバッファーで測定した値を基準として活性を補正する方法が挙げられる。
低温至適プロテアーゼ(A)の活性の至適温度は、0〜50℃の範囲で酵素反応溶液の吸光度を測定することによって求められる。具体的には、下記の至適温度測定法によって求めた温度である。
<至適温度測定法>
一定量の基質(E)、低温至適プロテアーゼ(A)、pH調整剤(M)及び水を含む最適pHに調整した酵素反応溶液(III)を作成する。
酵素反応溶液(III)の温度は、0℃、5℃、10℃、20℃、30℃、40℃、50℃、60℃、70℃及び80℃でそれぞれ作成する。0℃で測定する際は、塩化ナトリウムを1Mとなるように溶解して作成する。
酵素反応溶液(III)に用いるpH調整剤(M)は、扱いやすさ及び安定性の観点から、HEPESバッファー及びMESバッファー等のGoodバッファーが好ましい。酵素反応溶液(III)中の(M)の濃度(モル濃度)は、25〜500mMである。
酵素反応溶液(III)中の基質(E)の濃度(モル濃度)は、後述する低温至適プロテアーゼ(A)の基質(E)に対するミカエリス定数Kmの4〜6倍である。
酵素反応溶液(III)中の低温至適プロテアーゼ(A)の濃度(モル濃度)は、各プロテアーゼによって適宜選択され、後述する吸光度の変化ΔAλを縦軸に、時間hを横軸にプロットした場合、プロットが直線となる濃度を選ぶ。
酵素反応溶液(III)について、分光光度計を用いて、波長300〜450nmの範囲内で、酵素反応の生成物が極大吸収をもつ波長での吸光度Aλを経時的に測定する。測定時の温度は、酵素反応溶液(III)を作成したときの温度と同温度である。測定時間hは酵素の活性によって異なるが、吸光度が0.8を超えない範囲で、0.1以上変化すれば良い。基質(E)及び低温至適プロテアーゼ(A)を混合した直後の吸光度をAλ0、h時間後の吸光度をAλhとし、吸光度の変化ΔAλ(ΔAλ=Aλh−Aλ0)を縦軸に、時間hを横軸にプロットして、直線の傾き(係数k)を求める。0〜50℃の各温度で作成した酵素反応溶液(III)において測定した係数kを用いて、縦軸を係数k、横軸を温度としてプロットする。係数kが極大値となる温度がプロテアーゼ(A)の活性の至適温度である。
<阻害定数Kiの測定方法>
至適温度、最適pHに調製した、一定量の低温至適プロテアーゼ(A)、プロテアーゼ活性阻害剤(B)、pH調整剤(M)及び水を含む低温至適プロテアーゼ・プロテアーゼ活性阻害剤混合溶液(i)を作成する。また、(B)の濃度が異なる(i)を数種類作成する。作成した(i)は、数十分〜数時間静置する。静置後のそれぞれの(i)に、基質(E)を添加して酵素反応溶液(IV)を作成する。
(i)及び(IV)に用いるpH調整剤(M)は、扱いやすさ及び安定性の観点から、HEPESバッファー、MESバッファーなどのGoodバッファーが好ましい。(i)及び(IV)中の(M)の濃度(モル濃度)は、25〜500mMであり、最適pHに調整できればいい。
(i)中の低温至適プロテアーゼ(A)の濃度(モル濃度)は、前述のKmを求めた際の(A)の濃度付近であり、且つ、後に(i)に添加する基質(D)のモル濃度の1000分の1〜10分の1の濃度である。(IV)中の(A)のモル濃度は、(IV)中の基質(E)のモル濃度の1000分の1〜10分の1の濃度である。
(i)及び(IV)中のプロテアーゼ活性阻害剤(B)の濃度(モル濃度)は、低温至適プロテアーゼ(A)の濃度(モル濃度)の10分の1〜1000倍で4種類以上と(B)を含まないものを作成する。
酵素反応溶液(IV)中の基質(E)のモル濃度は、最適基質濃度(上記ミカエリス定数Kmの3分の1〜2倍)である。
(i)の静置時間は、(A)と(B)が十分に結合し、低温至適プロテアーゼ(A)の活性が一定になるまでの時間であり、あらかじめ実験して求めておく。
低温至適プロテアーゼ(A)の活性が一定になるまでの時間は、後述する吸光度を利用した活性測定法により求めることができる。具体的には、プロテアーゼ・プロテアーゼ活性阻害剤混合溶液(i)を作成してから、一定時間おきに、後述する吸光度を利用した活性測定法により、直線の傾き(係数k)を求める。係数kが一定になるまでの時間が(A)の活性が一定になるまでの時間である。
プロテアーゼ活性の至適温度及び最適pHの条件下、酵素反応溶液(IV)を作成後、分光光度計を用いて、波長300〜450nmの範囲内で、生成物が極大吸収をもつ波長での吸光度Aλを経時的に測定する。測定時間hは酵素の活性によって異なるが、吸光度が0.8を超えない範囲で0.1以上変化すれば良い。単位時間あたりの吸光度変化ΔAλ(ΔAλ=Aλh−Aλ0)と生成物の測定波長におけるモル吸光定数εから上記数式(1)を用いて酵素反応初速度vを算出する。また、プロテアーゼ活性阻害剤(B)の濃度が異なる(i)を用いて作成した酵素反応溶液(IV)についても同様に測定し、酵素反応初速度viを算出する。(B)を含まない時の酵素反応初速度をvoとし、各(B)濃度での相対活性α(x=vi/vo)を算出する。
横軸に1/αを、縦軸に[(B)のモル濃度]/(1−α)をプロットし、Hendersonプロットを作成する。このプロットに近似直線を描いたときの傾きKi(app)、測定時の基質濃度[S]及びミカエリス定数Kmを式Ki=Ki(app)/(1+[S]/Km)に当てはめてKiを算出する。
上記Hendersonプロットは、具体的には、Biochem.J.,127,1972,p21−333に記載されている方法を用いる。
本発明において、プロテアーゼ活性阻害剤(B)の阻害定数Kiは、1pM〜10μMであり、適度な低温至適プロテアーゼ濃度範囲で低温至適プロテアーゼ活性を抑制及び回復並びに低温至適プロテアーゼの耐熱性を向上できるとの観点から、1nM〜1μMが好ましい。
上記阻害定数Kiが1pM未満では、低温至適プロテアーゼ(A)とプロテアーゼ活性阻害剤(B)の結合が強いため、(A)の活性を回復させるには大量に希釈しなければならない。例えば、Kiが0.1pMの(B)を、(A)と等モル量用いて(A)の活性を20%以下にした場合、タンパク質溶液中の(A)が約1.0×10-10重量%の濃度になるように大希釈しなければ(A)の活性を50%以上に回復することができない。しかしながら、(A)の濃度が1.0×10-10重量%以下では、低温至適プロテアーゼを衣料用洗浄剤等として使用する場合、添加することによる有用な効果が得られない。
一方、(B)の阻害定数Kiが10μMより大きくなると、(A)の活性を抑制するのに、大量の(B)が必要となる。また、(B)を大量に添加すると、大量に希釈しなければ(A)の活性を回復させることができない。
本発明において、(B)としては、上記の条件を満たす公知のプロテアーゼ活性阻害剤が含まれる。(B)としては、タンパク質性プロテアーゼ活性阻害剤(B1)及び非タンパク質性プロテアーゼ活性阻害剤(B2)が含まれる。
タンパク質性プロテアーゼ活性阻害剤(B1)は、天然物から抽出された又は宿主細胞に遺伝子を組み込むことで発現されたタンパク質であり、低温至適プロテアーゼの活性を阻害する性質をもつタンパク質である。(B1)として、例えば、ポテトインヒビター1ファミリーに属するタンパク質性プロテアーゼ活性阻害剤(B1−1)及びタンパク質性プロテアーゼ活性阻害剤(B1−2)等が挙げられる。
ポテトインヒビター1ファミリーに属するタンパク質性プロテアーゼ活性阻害剤(B1−1)としては、配列番号1のアミノ酸配列の1〜8個のアミノ酸配列を置換した配列(Y)を有するタンパク質性プロテアーゼ活性阻害剤(B1−1−1)、(B1−1−1)のアミノ酸配列と90%以上の相同性を有するタンパク質性プロテアーゼ活性阻害剤(B1−1−2)、配列番号26〜28のアミノ酸配列を有するタンパク質性プロテアーゼ活性阻害剤(B1−1−3)及びその他のタンパク質性プロテアーゼ活性阻害剤(B1−1−4)が含まれる。
プロテアーゼ活性阻害剤(B1−1−1)は、 配列番号1のアミノ酸配列において、アミノ酸配列の1〜8個のアミノ酸を変更前のアミノ酸とは別のアミノ酸と置換した配列(Y)を有するタンパク質性プロテアーゼ活性阻害剤であって、下記(1)〜(8)のうち少なくとも1つの条件を満たすタンパク質性プロテアーゼ活性阻害剤である。
(1)(Y)の12位のアミノ酸が下記アミノ酸(X1)である
(2)(Y)の38位のアミノ酸が下記アミノ酸(X2)である
(3)(Y)の48位のアミノ酸が下記アミノ酸(X3)である
(4)(Y)の50位のアミノ酸が下記アミノ酸(X4)である
(5)(Y)の51位のアミノ酸が下記アミノ酸(X5)である
(6)(Y)の52位のアミノ酸が下記アミノ酸(X6)である
(7)(Y)の53位のアミノ酸が下記アミノ酸(X7)である
(8)(Y)の70位のアミノ酸が下記アミノ酸(X8)である
(X1):アミノ酸(X0)のうちGlu以外のアミノ酸
(X2):アミノ酸(X0)のうちVal以外のアミノ酸
(X3):アミノ酸(X0)のうちMet以外のアミノ酸
(X4):アミノ酸(X0)のうちTyr以外のアミノ酸
(X5):アミノ酸(X0)のうちArg以外のアミノ酸
(X6):アミノ酸(X0)のうちIle以外のアミノ酸
(X7):アミノ酸(X0)のうちAsp以外のアミノ酸
(X8):アミノ酸(X0)のうちArg以外のアミノ酸
(X0):Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gly、Gln、Glu、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr又はVal
上記(1)の条件において、(X1)はアミノ酸(X0)のうちGlu以外のアミノ酸であるが、低温至適プロテアーゼ活性の適度な抑制、低温至適プロテアーゼの耐熱性向上及び希釈時の低温至適プロテアーゼ活性の回復しやすさの観点から、Asp、Ala、Asn、Gln、Leu、Ser、Thr及びValが好ましく、さらに好ましくはAsp、Ala、Asn及びGlnであり、特に好ましくはAla及びAspである。
上記(2)の条件において、(X2)はアミノ酸(X0)のうちVal以外のアミノ酸であるが、低温至適プロテアーゼ活性の適度な抑制、低温至適プロテアーゼの耐熱性向上及び希釈時の低温至適プロテアーゼ活性の回復しやすさの観点から、Ala、Gly、Ile、Leu、Phe、Ser、Thr及びTrpが好ましく、さらに好ましくはAla、Leu及びIleであり、特に好ましくはAla及びIleである。
上記(3)の条件において、(X3)はアミノ酸(X0)のうちMet以外のアミノ酸であるが、低温至適プロテアーゼ活性の適度な抑制、低温至適プロテアーゼの耐熱性向上及び希釈時の低温至適プロテアーゼ活性の回復しやすさの観点から、Ala、Gly、Ile、Leu、Ser、Thr及びValが好ましく、さらに好ましくはAla、Gly、Leu、Ser及びValであり、特に好ましくはAla及びGlyである。
上記(4)の条件において、(X4)はアミノ酸(X0)のうちTyr以外のアミノ酸であるが、低温至適プロテアーゼ活性の適度な抑制、低温至適プロテアーゼの耐熱性向上及び希釈時の低温至適プロテアーゼ活性の回復しやすさの観点から、Ala、Phe、Gly、Ile、Leu、Ser、Thr及びValが好ましく、さらに好ましくはAla、Phe及びLeuであり、特に好ましくはAla、Phe及びLeuである。
上記(5)の条件において、(X5)はアミノ酸(X0)のうちArg以外のアミノ酸であるが、低温至適プロテアーゼ活性の適度な抑制、低温至適プロテアーゼの耐熱性向上及び希釈時の低温至適プロテアーゼ活性の回復しやすさの観点から、Ala、Lys,His、Ile、Leu、Ser、Thr及びValが好ましく、さらに好ましくはAla、Lys及びHisである。
上記(6)の条件において、(X6)はアミノ酸(X0)のうちIle以外のアミノ酸であるが、低温至適プロテアーゼ活性の適度な抑制、低温至適プロテアーゼの耐熱性向上及び希釈時の低温至適プロテアーゼ活性の回復しやすさの観点から、Glu、Ala、Asn、Gln、Leu、Ser、Thr及びValが好ましく、さらに好ましくはAla、Val及びGlnである。
上記(7)の条件において、(X7)はアミノ酸(X0)のうちAsp以外のアミノ酸であるが、低温至適プロテアーゼ活性の適度な抑制、低温至適プロテアーゼの耐熱性向上及び希釈時の低温至適プロテアーゼ活性の回復しやすさの観点から、Glu、Ala、Asn、Gln、Ile、Leu、Ser、Thr及びValが好ましく、さらに好ましくはGlu、Ala、Asn及びGlnである。
上記(8)の条件において、(X8)はアミノ酸(X0)のうちArg以外のアミノ酸であるが、低温至適プロテアーゼ活性の適度な抑制、低温至適プロテアーゼの耐熱性向上及び希釈時の低温至適プロテアーゼ活性の回復しやすさの観点から、Ala、Lys,His、Ile、Gly、Leu、Ser、Thr及びValが好ましく、さらに好ましくはAla、Lys、Gly、Ile及びLeuであり、特に好ましくはAla、Gly及びLysである。
(B1−1−1)は、配列番号1のアミノ酸配列の1〜8個のアミノ酸を変更前のアミノ酸とは別のアミノ酸と置換した配列(Y)を有するタンパク質性プロテアーゼインヒビターであるが、配列(Y)中におけるアミノ酸の置換数は、低温至適プロテアーゼ活性の適度な抑制、低温至適プロテアーゼの耐熱性向上及び希釈時の低温至適プロテアーゼ活性の回復しやすさの観点から、1〜5個が好ましく、さらに好ましくは1〜3個である。
(B1−1−1)は、配列(Y)を少なくとも1つ有すればよく、低温至適プロテアーゼ活性の適度な抑制、低温至適プロテアーゼの耐熱性向上及び希釈時の低温至適プロテアーゼ活性の回復しやすさの観点から1〜4個が好ましい。
本発明において、(B1−1−1)は配列(Y)を有するタンパク質性プロテアーゼインヒビターであり、配列(Y)のみからなるものでもよく、配列(Y)のC末端及び/又はN末端に配列(Z)を1個又は複数個有しているものでもよく、これらが繰り返された配列でもよい。
配列(Z)は、アミノ酸1個又はアミノ酸が2個以上結合したペプチド配列である。
配列(Z)を構成するアミノ酸の数は、低温至適プロテアーゼ活性の適度な抑制、低温至適プロテアーゼの耐熱性向上及び希釈時の低温至適プロテアーゼ活性の回復しやすさの観点から、1〜100個が好ましく、さらに好ましくは1〜50個である。
(B1−1−1)が配列(Z)を有する場合、配列(Z)の個数は、低温至適プロテアーゼ活性の適度な抑制、低温至適プロテアーゼの耐熱性向上及び希釈時の低温至適プロテアーゼ活性の回復しやすさの観点から、1〜100個が好ましい。
また、(B1−1−1)を構成するアミノ酸配列中の配列(Y)以外のアミノ酸の数は、低温至適プロテアーゼ活性の適度な抑制、低温至適プロテアーゼの耐熱性向上及び希釈時の低温至適プロテアーゼ活性の回復しやすさの観点から、1〜100個が好ましく、さらに好ましくは1〜50個である。
(B1−1−1)は配列(Y)を有するタンパク質性プロテアーゼインヒビターであり、具体的には、配列番号2〜25のタンパク質性プロテアーゼインヒビターが挙げられる。
(B1−1−1)として、低温至適プロテアーゼ活性の適度な抑制、低温至適プロテアーゼの耐熱性向上及び希釈時の低温至適プロテアーゼ活性の回復しやすさの観点から、配列番号2〜25が好ましい。また、プロテアーゼの持続性の観点から、4、12、18、19、22、23、24及び25が好ましい。
プロテアーゼ活性阻害剤(B1−1−2)は、上記(B1−1−1)のアミノ酸配列と90%以上の相同性を有するタンパク質性プロテアーゼ活性阻害剤であって、下記(9)〜(16)のうち少なくとも1つの条件を満たすタンパク質性プロテアーゼ活性阻害剤(B1−1−2)であるタンパク質性プロテアー活性阻害剤である。
(9)(B1−1−1)において、配列(Y)の12位に相当する位置のアミノ酸が下記アミノ酸(X1)である
(10)(B1−1−1)において、配列(Y)の38位に相当する位置のアミノ酸が下記アミノ酸(X2)である
(11)(B1−1−1)において、配列(Y)の48位に相当する位置のアミノ酸が下記アミノ酸(X3)である
(12)(B1−1−1)において、配列(Y)の50位に相当する位置のアミノ酸が下記アミノ酸(X4)である
(13)(B1−1−1)において、配列(Y)の51位に相当する位置のアミノ酸が下記アミノ酸(X5)である
(14)(B1−1−1)において、配列(Y)の52位に相当する位置のアミノ酸が下記アミノ酸(X6)である
(15)(B1−1−1)において、配列(Y)の53位に相当する位置のアミノ酸が下記アミノ酸(X7)である
(16)(B1−1−1)において、配列(Y)の70位に相当する位置のアミノ酸が下記アミノ酸(X8)である
本発明において、(B1−1−2)のアミノ酸配列は、(B1−1−1)のアミノ酸配列と90%以上の相同性を有するタンパク質性プロテアーゼ活性阻害剤であるが、低温至適プロテアーゼ活性の適度な抑制、低温至適プロテアーゼの耐熱性向上及び希釈時の低温至適プロテアーゼ活性の回復しやすさの観点から、95%以上の相同性を有することが好ましく、さらに好ましくは97%以上の相同性を有することである。
アミノ酸配列の相同性は、National Center for Biotechnology Informationが提供する相同性解析プログラム「BLAST」の、blastpアルゴリズムを用いて解析する(http://blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi)。
配列番号26〜28のアミノ酸配列を有するタンパク質性プロテアーゼ活性阻害剤(B1−1−3)としては、配列番号26〜28のアミノ酸配列を有するものであればよく、具体的には、配列番号26〜28のアミノ酸配列であるものが含まれる。
その他のタンパク質性プロテアーゼ活性阻害剤(B1−1−4)としては、Eglin C及びWheat Subtilisin/Chymotrypsin inhibitor等が挙げられる。
タンパク質性プロテアーゼ活性阻害剤(B1−2)には、ポテトインヒビター1ファミリーに属するタンパク質性プロテアーゼ活性阻害剤(B1−1)以外の上記の条件を満たす公知のタンパク質性プロテアーゼ活性阻害剤が含まれ、具体的には、Fungal Protease inhibitor F、Streptomyces Subtilisin inhibitor及びHuman LEKTI等が挙げられる。
非タンパク質性プロテアーゼ活性阻害剤(B2)としては、上記(B1)以外の分子量50〜1000の化合物であり、低温至適プロテアーゼ(A)と可逆的な結合を形成し、低温至適プロテアーゼの活性を阻害するものである。(B2)として、具体的には、2,4−ジクロロフェニルボロン酸等が挙げられる。
上記(B)のうち、入手しやすさ、低温至適プロテアーゼ活性の抑制及び耐熱性向上の観点から、タンパク質性プロテアーゼ活性阻害剤(B1)が好ましく、さらに好ましくはポテトインヒビター1ファミリーに属するタンパク質性プロテアーゼ活性阻害剤(B1−1)であり、特に好ましくはEglin C及びWheat Subtilisin/Chymotrypsin inhibitorである。
また、上記(B)のうち、低温至適プロテアーゼ活性の抑制、耐熱性向上及び他のタンパク質の安定性の観点から、ポテトインヒビター1ファミリーに属するタンパク質性プロテアーゼ活性阻害剤(B1−1)が好ましく、さらに好ましくはプロテアーゼ活性阻害剤(B1−1−1)及びプロテアーゼ活性阻害剤(B1−1−2)である。
本発明において、溶剤(C)としては、水、有機溶剤及びこれらの混合物が挙げられる。
水としては、特に限定されるものではなく、例えば、水道水、イオン交換水、蒸留水及び逆浸透水等が挙げられる。また、水中に、後述するpH調整剤(M)を含むバッファー水溶液等が挙げられる。
有機溶剤としては、アルコール(炭素数1〜18のアルコールが挙げられ、具体的には、メタノール、エタノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール及びグリセリン等)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン等)、エーテル(テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、環状エーテル等)、スルホキシド(ジメチルスルホキシド等)、脂肪族または脂環式炭化水素(n−ヘキサン、n−ヘプタン、ミネラルスピリット、シクロヘキサン等)及びふっ素含有化合物(テトラフルオロエチレン等)等が挙げられる。これらの有機溶剤のうち、タンパク質の安定性の観点からアルコールが好ましい。
溶剤(C)としては、低温至適プロテアーゼの安定性の観点からアルコール及び水が好ましく、さらに好ましくは水であり、特に好ましくはpH調整剤(M)を含むバッファー水溶液である。
本発明におけるタンパク質溶液(D)は、上記低温至適プロテアーゼ(A)、プロテアーゼ活性阻害剤(B)及び溶剤(C)を含有するものである。
タンパク質溶液(D)中の(A)の含有量(重量%)は、タンパク質分解効果を発揮する観点から、(A)、(B)及び(C)の合計重量を基準として0.000001〜50重量%が好ましく、さらに好ましくは0.00001〜40重量%であり、特に好ましくは0.0001〜30重量%である。
タンパク質溶液(D)中の(B)の含有量(重量%)は、低温至適プロテアーゼの活性阻害効果の観点から、(A)、(B)及び(C)の合計重量を基準として、0.000001〜50重量%が好ましく、さらに好ましくは0.00001〜50重量%であり、特に好ましくは0.0001〜50重量%である。
タンパク質溶液(D)中の(C)の含有量(重量%)は、低温至適プロテアーゼの安定性の観点から、(A)、(B)及び(C)の合計重量を基準として、0.00000001〜99.999998重量%が好ましく、さらに好ましくは10〜99.99998重量%であり、特に好ましくは20〜99.9998%である。
タンパク質溶液(D)中のプロテアーゼ活性阻害剤(B)と低温至適プロテアーゼ(A)のモル比((B)のモル数/(A)のモル数)は、低温至適プロテアーゼの効果的な阻害の観点から1〜100000が好ましく、さらに好ましくは1〜1000であり、特に好ましくは1〜500である。
本発明におけるタンパク質溶液(D)には、上記の低温至適プロテアーゼ(A)、プロテアーゼ活性阻害剤(B)及び溶剤(C)以外に、無機塩(G)、糖(H)、アミノ酸(I)、低分子有機化合物(J)、脂肪酸(K)、油脂(L)、pH調整剤(M)、(A)と(B)以外のタンパク質(N)及び界面活性剤(O)を含有することができる。
無機塩(G)として、塩化ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、ギ酸ナトリウム、硫酸マグネシウム及び硫酸アンモニウム等が挙げられる。
糖(H)として、トレハロース、スクロース、デキストリン、シクロデキストリン、マルトース、フルクトース、ヒアルロン酸及びコンドロイチン硫酸等が挙げられる。
アミノ酸(I)として、グリシン、アラニン、アスパラギン酸、アスパラギン、フェニルアラニン、トリプトファン、チロシン、ロイシン、リシン、ヒスチジン、システイン、グルタミン、グルタミン酸、イソロイシン、メチオニン、プロリン、セリン、トレオニン、バリン及びそれらの塩等が挙げられる。
脂肪酸(K)として、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ドコサヘキサエン酸及びエイコサペンタエン酸等が挙げられる。
油脂(L)としては、上記脂肪酸(K)のモノ、ジ、トリグリセリドが挙げられる。
pH調整剤(M)としては、従来のpH調整剤が使用でき、例えば、ホウ酸バッファー、リン酸バッファー、酢酸バッファー、Trisバッファー、HEPESバッファー及びクエン酸等が挙げられる。
(A)と(B)以外のタンパク質(N)としては、特に限定するものではないが、低温至適プロテアーゼ以外の酵素、組み換えタンパク質、抗体及びペプチド等が挙げられ、具体的には、血清アルブミン、コラーゲン、カゼイン、ゼラチン及びシルクペプチド等が挙げられる。
界面活性剤(O)としては、後述する界面活性剤(O)が含まれ、好ましいものも同様である。
低分子有機化合物(J)としては、上記以外の分子量1000以下の低分子有機化合物が含まれ、具体的には、酢酸ベンジル、メチルサリチル酸、ベンジルサリチル酸、ヒドロキシ安息香酸、けい皮酸、カフェ酸、カテキン類、アスコルビン酸及びカロテノイド等が挙げられる。
本発明のタンパク質溶液(D)に含まれる無機塩(G)の含有量(重量%)は、タンパク質の安定性の観点からタンパク質溶液(D)の重量に対し0〜10%が好ましく、さらに好ましくは0〜5%、特に好ましくは0〜3%である。
本発明のタンパク質溶液(D)に含まれる糖(H)の含有量(重量%)は、タンパク質の安定性の観点からタンパク質溶液(D)の重量に対し0〜50%が好ましく、さらに好ましくは0〜30%、特に好ましくは0〜15%である。
本発明のタンパク質溶液(D)に含まれるアミノ酸(I)の含有量(重量%)は、タンパク質の安定性の観点からタンパク質溶液(D)の重量に対し0〜50%が好ましく、さらに好ましくは0〜30%、特に好ましくは0〜15%である。
本発明のタンパク質溶液(D)に含まれる低分子有機化合物(J)の含有量(重量%)は、タンパク質の安定性の観点からタンパク質溶液(D)の重量に対し0〜50%が好ましく、さらに好ましくは0〜30%、特に好ましくは0〜15%である。
本発明のタンパク質溶液(D)に含まれる脂肪酸(K)の含有量(重量%)は、タンパク質の安定性の観点からタンパク質溶液(D)の重量に対し0〜50%が好ましく、さらに好ましくは0〜30%、特に好ましくは0〜15%である。
本発明のタンパク質溶液(D)に含まれる油脂(L)の含有量(重量%)は、タンパク質の安定性の観点からタンパク質溶液(D)の重量に対し0〜50%が好ましく、さらに好ましくは0〜30%、特に好ましくは0〜15%である。
本発明のタンパク質溶液(D)に含まれるpH調整剤(M)の含有量(重量%)は、タンパク質の安定性の観点からタンパク質溶液(D)の重量に対し0〜50%が好ましく、さらに好ましくは0〜30%、特に好ましくは0〜15%である。
本発明のタンパク質溶液(D)に含まれる低温至適プロテアーゼ以外のタンパク質(N)の含有量(重量%)は、タンパク質の安定性の観点からタンパク質溶液(D)の重量に対し0〜50%が好ましく、さらに好ましくは0〜30%、特に好ましくは0〜15%である。
本発明のタンパク質溶液(D)に含まれる界面活性剤(O)の含有量(重量%)は、タンパク質の安定性の観点からタンパク質溶液(D)の重量に対し0〜50%が好ましく、さらに好ましくは0〜25%、特に好ましくは0〜10%である。
本発明におけるタンパク質溶液(D)は、各成分を混合することにより得られ、製造方法は特に限定されるものではない。1例を下記に示す。
(1)溶剤(C)にpH調整剤(M)及びプロテアーゼ活性阻害剤(B)を添加し、20℃〜40℃で均一になるまで撹拌する。
(2)低温至適プロテアーゼ(A)を添加し、20℃〜40℃℃で均一になるまで撹拌する(低温至適プロテアーゼ(A)とプロテアーゼ活性阻害剤(B)との結合速度の観点から、30分以上であることが好ましい)。
(3)最後に(G)〜(O)を添加し、25℃で均一になるまで撹拌し、タンパク質溶液(D)を製造する。
本発明におけるタンパク質溶液(D)のpHは、タンパク質の安定性の観点から、pH3〜10が好ましく、さらに好ましくはpH5〜9である。
(D)のpHは、pH調整剤(M)によって適宜調整できる。
本発明におけるタンパク質溶液(D)は、吸光度を利用した活性測定法によるプロテアーゼ活性Xiが、プロテアーゼ活性の残存によるプロテアーゼ自身及び/又は他のタンパク質の分解を防止するとの観点から、タンパク質溶液(S)の活性を基準として20%以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.0001〜10%であり、特に好ましくは0.0001〜3%である。
タンパク質溶液(S)は、タンパク質溶液(D)において、(B)を(B)と同重量の(C)で置きかえたタンパク質溶液である。例えば、(D)中の(A)、(B)及び(C)の含有量(重量%)が(A)、(B)及び(C)の合計重量を基準として、(A)が2重量%、(B)が18重量%、(C)が80重量%である場合、(S)中の(A)は2重量%、(C)は98重量%である。
本発明において、吸光度を利用した活性測定法とは、基質(D)を用いて、一定温度、一定pH、上述の低温至適プロテアーゼ(A)の活性の最適基質濃度の条件下で、酵素反応の生成物が極大吸収をもつ波長での吸光度Aλを経時的に測定する方法である。
基質(E)として、どの基質を用いるかは、上記Kiを求める際に使用する基質と同様、タンパク質溶液(D)中の低温至適プロテアーゼ(A)の分類により適宜選択される。
吸光度を利用した活性測定法として、具体的には、下記の測定によって求められる。
<吸光度を利用した活性測定法>
○プロテアーゼ活性Xi
一定量のタンパク質溶液(D)及び一定量の基質(E)を添加して酵素反応溶液(V)を作成する。
酵素反応溶液(V)の温度は、0〜50℃の範囲内で、低温至適プロテアーゼ(A)の活性が失活せず、活性があり、吸光度の測定ができる温度で、測定の間一定に保つことができればいい。
酵素反応溶液(V)中の基質(E)のモル濃度は、最適基質濃度で上記ミカエリス定数Kmの3分の1〜2倍であり、且つ、(V)中の低温至適プロテアーゼ(A)のモル濃度の5〜100000倍の濃度であればいい。
酵素反応溶液(V)について、分光光度計を用いて、波長300〜450nmの範囲内で、酵素反応の生成物が極大吸収をもつ波長での吸光度Aλを経時的に測定する。測定時の温度は、酵素反応溶液(V)を作成したときの温度と同温度である。酵素反応溶液(V)を作成直後の吸光度Aλ0及び酵素反応溶液(V)を作成からh時間後の吸光度Aλhを測定し、吸光度の変化ΔAλ(ΔAλ=Aλh−Aλ0)を求める。測定時間は酵素の活性によって異なるが、吸光度が0.8を超えない範囲で0.1以上変化するのが見られれば良い。吸光度の変化ΔAλを縦軸に、時間hを横軸にプロットして、直線の傾き(係数kX)を求める。
タンパク質溶液(D)に変えてタンパク質溶液(S)を使用する以外は同様にして吸光度を測定し、直線の傾き(係数kS)を求める。
上記タンパク質溶液(D)及び(S)は、作成してから30分以上6時間以内のものを使用する。
(D)のプロテアーゼ活性Xiは、タンパク質溶液(D)及びタンパク質溶液(S)を用いた上記の直線の傾き係数kX及びkSから、下記数式(3)によって求められる。
プロテアーゼ活性Xi(%)={kX/kS}×100 (3)
本発明のタンパク質溶液(D)の使用方法は、従来の
本発明の洗剤組成物は、上記タンパク質溶液(D)及び界面活性剤(O)を含有する洗剤組成物である。
本発明において、界面活性剤(O)は、ノニオン性界面活性剤(O−1)、アニオン性界面活性剤(O−2)、カチオン性界面活性剤(O−3)及び両性界面活性剤(O−4)が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤(O−1)としては、脂肪族アルコール(炭素数8〜24)アルキレンオキサイド(炭素数2〜8)付加物(重合度=1〜100)[オレイルアルコールエチレンオキサイド11モル付加物等]、(ポリ)オキシアルキレン(炭素数2〜8、重合度=1〜100)グリコール高級脂肪酸(炭素数8〜24)エステル[モノステアリン酸ポリエチレングリコール(重合度=20)及びジステアリン酸ポリエチレングリコール(重合度=30)等]、多価(2価〜10価又はそれ以上)アルコール脂肪酸(炭素数8〜24)エステル[モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸エチレングリコール及びモノラウリン酸ソルビタン等]、多価(2価〜10価又はそれ以上)アルコール高級脂肪酸(炭素数8〜24)エステル(ポリ)アルキレンオキサイド付加物(アルキレン基の炭素数2〜8,重合度=1〜100)[ソルビタンモノラウレートエチレンオキサイド(重合度=10)付加物及びメチルグルコースジオレエートエチレンオキサイド(重合度=50)付加物等]、脂肪酸N−ヒドロキシアルキルアミド[1:1型ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド及び1:1型ラウリン酸ジエタノールアミド等]、アルキル(炭素数1〜22)(ポリ)オキシアルキレン(炭素数2〜8、重合度=1〜100)フェニルエーテル、アルキル(炭素数8〜24)(ポリ)オキシアルキレン(炭素数2〜8、重合度=1〜100)−アミノアルキル(炭素数8〜24)−エーテル及びアルキル(炭素数8〜24)ジアルキル(炭素数1〜6)アミンオキシド[ラウリルジメチルアミンオキシド等]等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤(O−2)としては、炭素数8〜24のアルキルエーテルカルボン酸又はその塩及び炭素数8〜24のアルキル(ポリ)オキシエチレンエーテルカルボン酸又はその塩[(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム及び(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)ラウリルスルホコハク酸2ナトリウム等]、炭素数8〜24のアルキル硫酸エステル塩及び炭素数8〜24のアルキル(ポリ)オキシエチレン硫酸エステル塩[ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)硫酸ナトリウム及びラウリル(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)硫酸−トリエタノールアミン塩等]、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸スルホン酸ナトリウム、炭素数8〜24のアルキルフェニルスルホン酸塩[ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等]、炭素数8〜24のアルキルリン酸エステル塩及び炭素数8〜24のアルキル(ポリ)オキシエチレンリン酸エステル塩[ラウリルリン酸ナトリウム及び(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)ラウリルエーテルリン酸ナトリウム等]、脂肪酸塩[ラウリン酸ナトリウム及びラウリン酸トリエタノールアミン等]、アシル化アミノ酸塩[ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸ザルコシンナトリウム、ヤシ油脂肪酸ザルコシントリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム及びラウロイルメチル−β−アラニンナトリウム等]が挙げられる。
カチオン性界面活性剤(O−3)としては、第4級アンモニウム塩型[塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム及びエチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム等]及びアミン塩型[ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド乳酸塩、ジラウリルアミン塩酸塩及びオレイルアミン乳酸塩等]等が挙げられる。
両性界面活性剤(O−4)としては、ベタイン型両性界面活性剤[ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン及びラウロイルアミドエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルベタインヒドロキシプロピルリン酸ナトリウム等]、アミノ酸型両性界面活性剤[β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等]が挙げられる。
界面活性剤(O)としては、1種又は2種以上を使用することができる。2種以上の界面活性剤を使用する場合、その組み合わせとしては、ノニオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤と両性界面活性剤の組み合わせ等が挙げられる。
界面活性剤(O)として、洗浄性の観点から、ノニオン性界面活性剤単独での使用、及びノニオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤との組み合わせでの使用が好ましい。
ノニオン性界面活性剤としては、洗浄性の観点から、脂肪族アルコール(炭素数8〜24)エチレンオキサイド付加物(重合度=1〜100)が好ましく、さらに好ましくは脂肪族アルコール(炭素数12〜18)エチレンオキサイド付加物(重合度4〜20)、次にさらに好ましくは脂肪族アルコール(炭素数12〜15)エチレンオキサイド付加物(重合度=8〜12)、特に好ましくはオレイルアルコールエチレンオキサイド11モル付加物である。
アニオン性界面活性剤としては、洗浄性の観点から、炭素数8〜24のアルキルフェニルスルホン酸塩、脂肪酸塩、炭素数8〜24のアルキル硫酸エステル塩及び炭素数8〜24のアルキル(ポリ)オキシエチレン硫酸エステル塩が好ましく、さらに好ましくは、炭素数12〜16のアルキルフェニルスルホン酸塩及び炭素数8〜16の脂肪酸塩、次にさらに好ましくは、ドデシルベンゼンスルホン酸モノエタノールアミン塩及びラウリン酸ナトリウムである。
洗剤組成物中のタンパク質溶液(D)の含有量(重量%)は、洗浄性の観点から、(D)及び(O)の合計重量に基づいて、0.1〜99重量%が好ましく、さらに好ましくは0.5〜80重量%、特に好ましくは1〜70重量%である。
洗剤組成物中の界面活性剤(O)の含有量(重量%)は、洗浄性の観点から、(D)及び(O)の合計重量に基づいて、1〜99.9重量%が好ましく、さらに好ましくは20〜99.5重量%、特に好ましくは30〜99重量%である。
洗剤組成物中のタンパク質溶液(D)の含有量(重量%)は、洗浄性の観点から、洗剤組成物の重量に基づいて、0.1〜99重量%が好ましく、さらに好ましくは0.5〜60重量%、特に好ましくは1〜45重量%である。
洗剤組成物中の界面活性剤(O)の含有量(重量%)は、洗浄性の観点から、洗剤組成物の重量に基づいて、1〜98.999998重量%が好ましく、さらに好ましくは10〜89.9998重量%、特に好ましくは30〜78.998重量%である。
洗剤組成物中の低温至適プロテアーゼ(A)の含有量(重量%)は、洗浄性の観点から、洗剤組成物の重量に基づいて、0.000001〜5重量%が好ましく、さらに好ましくは0.0001〜4重量%、特に好ましくは0.001〜3重量%である。
洗剤組成物中のプロテアーゼ活性阻害剤(B)の含有量(重量%)は、洗浄性の持続性の観点から、洗剤組成物の重量に基づいて、0.000001〜50重量%が好ましく、さらに好ましくは0.0001〜40重量%、特に好ましくは0.001〜30重量%である。
洗剤組成物中の溶剤(C)の含有量(重量%)は、低温至適プロテアーゼ(A)及びプロテアーゼ活性阻害剤(B)の安定性の観点から、洗剤組成物の重量に基づいて、1〜90重量%が好ましく、さらに好ましくは10〜80重量%、特に好ましくは20〜70重量%である。
洗剤組成物のpHは、洗浄性の観点から、pH5.0〜9.0が好ましく、さらに好ましくはpH6.5〜8.5である。
本発明の洗剤組成物は、タンパク質溶液(D)及び界面活性剤(O)以外に、ビルダー(P)、キレート剤(Q)、色素(R)、香料(S)、蛍光増白剤(T)、消泡剤(U)及び低温至適プロテアーゼ(A)以外の酵素(W)等を含有することができる。
ビルダー(P)としては、特に限定するものではなく、従来の洗剤組成物に使用されているビルダーが使用でき、例えば、ポリカルボン酸塩(アクリル酸塩ホモポリマー及びマレイン酸塩ホモポリマー等)、多価カルボン酸塩(クエン酸及びリンゴ酸等)、及びアルカリビルダー(苛性ソーダ、ソーダ灰、アンモニア、トリエタノールアミン、トリポリリン酸ソーダ及びケイ酸ソーダ等)等が挙げられる。
キレート剤(Q)としては、特に限定するものではなく、従来の洗剤組成物に使用されているキレート剤が使用でき、例えば、ニトリロ三酢酸、イミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸及びジエンコル酸等のアミノポリ酢酸又はこれらの塩、ジグリコール酸、オキシジコハク酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、リンゴ酸、オキシジコハク酸、グルコン酸、カルボキシメチルコハク酸及びカルボキシメチル酒石酸等の有機酸又はこれらの塩並びにアミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)又はこれらのアルカリ金属若しくは低級アミン塩等が挙げられる。
洗剤組成物中のビルダー(P)及びキレート剤(Q)の含有量(重量%)は、洗浄性の観点から、洗剤組成物の重量に基づいて、0〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜5重量%である。
色素(R)としては、特に限定するものではなく、従来の洗剤組成物に使用されている色素が使用でき、例えば、ブロモフェノールブルー等が挙げられる。
香料(S)としては、特に限定するものではなく、従来の洗剤組成物に使用されている香料が使用でき、例えば、フェニルエチルアルコール等が挙げられる。
蛍光増白剤(T)としては、特に限定するものではなく、従来の洗剤組成物に使用されている蛍光増白剤が使用でき、例えば、ビフェニルスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
消泡剤(U)としては、特に限定するものではなく、従来の洗剤組成物に使用されている消泡剤が使用でき、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリオキシアルキレン系消泡剤及び鉱物油系消泡剤等が挙げられる。
洗剤組成物中の色素(R)、香料(S)、蛍光増白剤(T)及び消泡剤(U)の含有量(重量%)は、洗浄性の観点から、洗剤組成物の重量に基づいて、0〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは0〜5重量%である。
低温至適プロテアーゼ(A)以外の酵素(W)には、セルラーゼ(W−1)、アミラーゼ(W−2)、リパーゼ(W−3)及びオキシドレダクターゼ(W−4)が含まれる。
セルラーゼ(W−1)としては、動物、植物又は微生物起源のものが含まれ、入手しやすさの観点から、微生物起源のものが好ましい。セルラーゼには、化学的に、又は遺伝子的に修飾された変異体も含まれる。
セルラーゼとして、具体的には、ノボザイムス社のCelluzymeTM、CarezymeTM等が挙げられる。
アミラーゼ(W−2)としては、細菌又は真菌起源のものが含まれる。アミラーゼには、化学的に、又は遺伝子的に修飾された変異体も含まれる。アミラーゼとしては、例えば、英国特許第1,296,839号明細書に詳細に記載されているB.リヘニフォルミス(B.licheniformis)の特殊株から得られるα−アミラーゼ等が挙げられる。
市販のアミラーゼとしては、ノボザイムス社の DuramylTM、TermamylTM、FungamylTM及びBANTM並びにGist−Brocades社のRapidaseTM及びMaxamyl PTM等が挙げられる。
リパーゼ(W−3)としては、細菌又は真菌起源のものが含まれる。リパーゼには、化学的に、又は遺伝子的に修飾された変異体も含まれる。リパーゼの例としては、フミコーラ・ランギノーザ(Humicola lanuginosa)リパーゼ(欧州特許第258 068号明細書及び欧州特許第305 216号明細書)、リゾムーコル・ミーヘイ(Rhizomucor miehei)リパーゼ及びカンジダ(Candida)リパーゼ(欧州特許第238 023号明細書)、C.アンタークティカ(C.ntarctica)リパーゼA及びB、シュードモナス(Pseudomonas )リパーゼ(欧州特許第214761号明細書)、P.シュードアルカリゲネス(P.pseudoalcaligenes)及びP.アルカリゲネス(P.alcaligenes)リパーゼ(欧州特許第218272号明細書)、P.セパシア(P.cepacia)リパーゼ(欧州特許第331376号明細書)、P.スタッツェリ(P.stutzeri)リパーゼ、P.フルオレッセンス(P.fluorescens)リパーゼ及びバシラス(Bacillus)リパーゼ(英国特許第1,372,034号明細書)、B.サチリス(B.subtilis)リパーゼ(Dartois 他(1993), Biochemica et Biophysica Acta1131,253−260)、B.ステアロサーモフィラス(B.stearothermophilus)リパーゼ(特公昭64−744992号公報)並びにB.ピュミルス(B.pumilus)リパーゼ(国際公開第91/16422号)等が挙げられる。
市販のリパーゼとしては、ジェネンコア社の M1 LipaseTM、Luma fastTM及びLipomaxTM、ノボザイムス社のLipolaseTM及びLipolase UltraTM並びに天野エンザイム社のLipase P“Amano”TM等が挙げられる。
オキシドレダクターゼ(W−4)としては、ペルオキシダーゼ及びオキシダーゼ(例えばラッカーゼ)が含まれる。
ペルオキシダーゼとしては、植物、細菌又は真菌起源のものが含まれる。ペルオキシダーゼには、化学的に、又は遺伝子的に修飾された変異体も含まれる。ペルオキシダーゼとしては、コプリナス(Coprinus)(例えばC.シネレウス(Coprinus cinereus)又はC.マクロリザス(C.macrorhizus)の菌株由来のもの)、バシラス(Bacillus)(B.ピュミラス(B.pumilus)の菌株由来のもの)及び国際公開第91/05858号に記載されたペルオキシダーゼが好ましく、特に好ましくは国際公開第91/05858号に記載されたペルオキシダーゼである。
ラッカーゼとしては、細菌又は真菌起源のものが含まれる。ラッカーゼとしては、トラメテス(Trametes)(例えばT.ビロサ(T.villosa)又はT.ベルシコロール(T.versicolor)の菌株由来のもの]、コプリナス(Coprinus)[例えばC.シネレウス(C.cinereus)の菌株由来のもの]及びミセリオフトラ(Myceliophthora)[例えばM.サーモフィラ(M. thermophlla)の菌株由来のもの]等が挙げられる。
洗剤組成物中の(A)以外の酵素(W)の含有量(重量%)は、洗浄性の観点から、洗剤組成物の重量に基づいて、0〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは0.001〜8重量%、特に好ましくは0.01〜5重量%である。
本発明の洗剤組成物は、各成分を混合することにより得られ、製造方法は特に限定されるものではない。1例を下記に示す。
(1)界面活性剤(O)に、タンパク質溶液(D)を所定量添加し、25℃均一になるまで撹拌する。
(2)その他成分を所定量添加し、25℃で均一になるまで攪拌する。
本発明の洗剤組成物の使用方法は、従来の洗剤組成物の使用方法と同じでよく、特に限定されるものではない。衣料用洗剤としての使用方法の1例を下記に示す。
(1)洗濯物が入った洗濯機に水道水を張り、洗剤組成物を25℃で添加し、軽く撹拌して溶解させる。
(2)洗濯機で洗濯物を洗浄する。
(3)洗濯機から液を抜き、水道水で1〜2回すすぐ。
(4)適宜脱水をかける。
以下の実施例、比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<製造例1>
配列番号1のアミノ酸配列をコードする遺伝子(5‘末端側に制限酵素NcoI,3’末端側に制限酵素BamHI認識配列を付加し、北海道システムサイエンス社に人工合成を依頼したもの)を制限酵素NcoI、BamHIで処理し、pET−22bプラスミド(Novagen社)のNcoI制限酵素サイトとBamHI制限酵素サイトに結合し、配列番号1のタンパク質を発現するプラスミド(P1)を作成した。このプラスミドと12位のグルタミン酸をアスパラギン酸に置換するための変異導入用プライマー配列番号29、30を用い、以下の条件でプラスミド(P1)に変異導入を行った。即ち、プラスミド(P1)を0.5μL(10ng)、10μMの変異導入用プライマー各0.75μL(7.5pg)、10倍濃度のPCR用緩衝液2.5μL(タカラバイオ製)、2mMデオキシヌクレオチド3リン酸(dNTP)混液2μL(タカラバイオ製)、DNAポリメラーゼExTaq0.25μL(タカラバイオ製)及び脱イオン水17μLを混合した後、TaKaRa Thermal Cycler Dice(タカラバイオ製)でPCRを行った。反応条件は、94℃2分間の熱変性後、98℃10秒間、50℃10秒間、68℃6.5分間を30サイクル行った。得られたPCR産物をQIAquick Gel Extruction Kit(Qiagen製)で精製後(50μL)、6μLの10倍濃度のDpnI用緩衝液及び3μLの制限酵素DpnI(タカラバイオ製)を加え、37℃で1時間、テンプレートを分解した。得られた制限酵素処理PCR産物5μLを大腸菌DH5αへの形質転換に供した。即ち、制限酵素処理PCR産物5μLを100μLのE.Coli DH5α コンピテントセル(TOYOBO製)に添加し、氷上で30分間保存した後、42℃で90秒間過熱した。ここSOC培地(TOYOBO製)900μLを添加し、37℃で1時間静置培養した。培養液のうち100μLをLB/アンピシリンプレートに塗布し、37℃で一晩培養した。現れたコロニーをLB培地1mLで12時間培養したのち、Quantumprep Miniprep Kit(Bio−Rad製)に供し、配列番号2のタンパク質を発現するプラスミド(P2)を精製した(100μL)。得られたプラスミドは、DNAシークエンス解析サービス(マクロジェンジャパン社)に解析を依頼し、変異が導入されたことを確認した。
得られたプラスミド(P2)を大腸菌E.Coli BL21(DE3)に同様の方法で形質転換した。得られたプロテアーゼ活性阻害剤発現株をLB培養液(アンピシリン 100mg/L含有)1mLに植菌して30℃で12時間培養を行い、終夜培養液を作成し、0.5mlをLB培養液(アンピシリン 100mg/L含有)5mlに植菌して30℃3時間振とう培養を行い7種類の前培養液を作成した。7種類の前培養液をそれぞれ50mLの培養液{水50mL中のそれぞれの成分の含有量は、酵母エキス(日本製薬社製)1.2g、ポリペプトン(日本製薬社製)0.6g、リン酸2カリウム0.47g、リン酸1カリウム0.11g、硫酸アンモニウム0.35g、リン酸2ナトリウム12水和物0.66g、クエン酸ナトリウム2水和物0.02g、グリセロール0.2g、ラクトアルブミン水解物1.5g、消泡剤(信越シリコーン製、「KM−70」)0.3g、1mM硫酸マグネシウム、微量金属溶液(塩化カルシウム18.9μg、塩化鉄(III)500μg、硫酸亜鉛7水和物9.0μg、硫酸銅5.1μg、塩化マンガン4水和物6.7μg、塩化コバルト4.9μg、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム200μg)、100mg/Lアンピシリン}に植菌し微生物培養装置(エイブル社製、製品名「BioJr.8」)を用いてpH6.8、30℃を維持したまま培養を行った。培養開始後1M IPTG溶液を0.15mLを加えた。培養開始14時間後から、グリセリン/タンパク質溶液(50% グリセリン、50g/L ラクトアルブミン水解物、33g/L 消泡剤(信越シリコーン製、「KM−70」)、100mg/L アンピシリン)の滴下を開始した。培養開始後、48時間目に培養液(K−1)を回収した。
得られた培養液(K−1)をHis-tag精製用担体(GEヘルスケア社製 Ni Sepharose 6 Fast Flow)で分離し、配列番号1の12位のグルタミン酸をアスパラギン酸に置換した配列番号2のアミノ酸配列のプロテアーゼ活性阻害剤(B1)溶液(L−1)を得た。(L−1)中のプロテアーゼ活性阻害剤(B1)の量をSDS−PAGEにより測定したところ、1g/Lであった。
<製造例2>
製造例1において、「12位のグルタミン酸をアスパラギン酸に置換するための変異導入用プライマー(配列番号29、30)」に変えて、「50位のチロシンをロイシンに置換するための変異導入用プライマー(配列番号31、32)」を用いる以外は同様にして、配列番号1の50位のチロシンをロイシンに置換した配列番号10のアミノ酸配列のプロテアーゼ活性阻害剤(B2)溶液(L−2)を得た。(L−2)中のプロテアーゼ活性阻害剤(B2)の量をSDS−PAGEにより測定したところ、1g/Lであった。
<製造例3>
製造例1において、「12位のグルタミン酸をアスパラギン酸に置換するための変異導入用プライマー(配列番号29、30)」に変えて、「配列番号1の38位のバリンをアラニンに置換する変異導入用プライマー(配列番号31、32)を用いて、38位のバリンがアラニンに置換したプラスミド(P3)を得た。
また、製造例1において、「12位のグルタミン酸をアスパラギン酸に置換するための変異導入用プライマー(配列番号29、30)」に変えて51位のアルギニンと52位のイソロイシンとをそれぞれアラニンに置換するための変異導入用プライマー(配列番号33、34)」を用い、プラスミドP1に変えてプラスミドP3を用いる以外は同様にして、配列番号1の38位のバリンをアラニンに置換し、51位のアルギニンと52位のイソロイシンとをそれぞれアラニンに置換した配列番号22のアミノ酸配列のプロテアーゼ活性阻害剤(B3)溶液(L−3)を得た。(L−3)中のプロテアーゼ活性阻害剤(B3)の量をSDS−PAGEにより測定したところ、1g/Lであった。
<カンナーゼのプロテアーゼ活性の最適pHの測定>
カンナーゼ(ノボザイムズ社)10mgを1Lのバッファー1[50mM リン酸Naバッファー(pH8.5、25℃)水溶液]に溶解させ、カンナーゼ液(A1)(0.37μM)とした。
(A1)を1570μL、分光光度計のセル(底面積1cm×1cm)に入れた。分光光度計の試料室を25℃に保ち、セルを試料室内で5分静置し、温調した。ここに、25℃に温調した基質溶液(1)(Succinyl−Ala−Ala−Pro−Phe−nitroanilideをバッファー1溶解して5mg/mL(0.119mM)の濃度にしたもの)を400μL添加し、酵素反応溶液(II−1)とした。(II−1)を作成直後及び5秒おきに2分間の405nmにおける吸光度を測定した。
同様に、バッファー1に変えてバッファー2[50mM 酢酸Naバッファー(pH5.5、25℃)水溶液]、バッファー3[50mM 酢酸Naバッファー(pH6.5、25℃)水溶液]、バッファー4[50mM リン酸Naバッファー(pH6.5、25℃)水溶液]、バッファー5[50mM リン酸Naバッファー(pH7.5、25℃)水溶液]、バッファー7[50mM TAPS−NaOHバッファー(pH8.5、25℃)水溶液]及びバッファー8[50mM TAPS−NaOHバッファー(pH9.5、25℃)水溶液]をそれぞれ用いてカンナーゼ溶液(A2)〜(A8)及び基質溶液(2)〜(8)を作成した。
(A1)に変えて(A2)〜(A8)を、基質溶液(1)に変えて基質溶液(2)〜(8)用いる以外は同様にして、酵素反応溶液(II−2)〜(II−8)を作成し、(II−2)〜(II−8)を作成直後及び5秒おきに2分間の405nmにおける吸光度を測定した。
酵素反応溶液(II−1)〜(II−8)について、それぞれ(II−1)〜(II−8)を作成した直後の吸光度をAλ0、2分後の吸光度をAλhとし、吸光度の変化ΔAλ(ΔAλ=Aλh−Aλ0)を縦軸に、時間hを横軸にプロットし、直線の傾き係数kを求た。縦軸を係数k、横軸をpHとしてプロットし(図2)、係数kが極大値となるpHを求めたところ、最適pHはpH7.5であった。
なお、バッファーの種類を変える境目のpH(pH6.5及び8.5)において、両方のバッファーで活性を測定しておき、片方のバッファーで測定した値を基準として活性を補正した。pH6.5(バッファー3及び4)では、バッファー4を使用して求めた値をpH6.5での結果とし、バッファー2を用いて求めた係数kにはバッファー3と4の比(バッファー4での係数k/バッファー3での係数k)をかけて補正した。同様に、pH8.5(バッファー1及び7)ではバッファー1での値をpH8.5の結果とし、バッファー8を用いて求めた係数kにはバッファー1と7の比(バッファー1での係数k/バッファー7での係数k)をかけて補正した。カンナーゼの活性の最適pHは8.5であった。
<カンナーゼのプロテアーゼ活性の至適温度の測定>
カンナーゼ(ノボザイムズ社)10mgを1Lのバッファー1[50mM リン酸Naバッファー(pH8.5、25℃)水溶液]に溶解させたカンナーゼ溶液(A1)(0.37μM)を1570μL、分光光度計のセル(底面積1cm×1cm)に入れた。分光光度計の試料室を20℃に保ち、セルを試料室内で5分静置した。
次に、セルに、20℃に温調した基質溶液(1)(0.119mM、pH8.5)を400μL添加し、酵素反応溶液(III−1)とした。(III−1)を作成直後及び5秒おきに2分間の405nmにおける吸光度を測定した。
分光光度計の試料室をそれぞれ0℃、5℃、10、20、30℃、40℃、50℃、60℃、70℃又は80℃に設定して温調し、基質溶液(7)も試料室と同じ温度で温調してからセルに添加する以外は同様にして、酵素反応溶液(III−2)〜(III−6)を作成した。(III−2)〜(III−6)を作成直後及び5秒おきに2分間の405nmにおける吸光度を測定した。
酵素反応溶液(III−1)〜(III−6)について、それぞれ(III−1)〜(III−6)を作成した直後の吸光度をAλ0、2分後の吸光度をAλhとし、吸光度の変化ΔAλ(ΔAλ=Aλh−Aλ0)を縦軸に、時間hを横軸にプロットし、直線の傾き係数kを求た。縦軸を係数k、横軸を温度としてプロットし(図3)、係数kが極大値となる温度を求めたところ、至適温度は40℃であった。
<カンナーゼに対する基質のミカエリス定数Kmの測定>
カンナーゼ(ノボザイムズ社)10mgを1Lのバッファー1[50mM リン酸Naバッファー(pH8.5、25℃)水溶液]に溶解させたカンナーゼ溶液(A1)(0.37μM)を1570μL、分光光度計のセル(底面積1cm×1cm)に入れた。分光光度計の試料室を20℃に保ち、セルを試料室内で5分静置した。ここに、40℃に温調した基質溶液(1)(Succinyl−Ala−Ala−Pro−Phe−nitroanilideをバッファー7溶解して5mg/mL(0.119mM)の濃度にしたもの)を400μL添加し、酵素反応溶液(I−1)とした。(I−1)を作成直後及び5秒おきに2分間の405nmにおける吸光度を測定した。
基質溶液(7)において、Succinyl−Ala−Ala−Pro−Phe−nitroanilideのバッファー1中のモル濃度を0.024mM(基質溶液(8)、1mg/mL)、0.237mM(基質溶液(9)、10mg/mL)、0.474mM(基質溶液(10)、20mg/mL)および1.19mmM(基質溶液(11)、50mg/mL)とした溶液を作成した。基質溶液(5)に変えて基質溶液(8)〜(11)を用いる以外は同様にして酵素反応溶液(I−2)〜(I−5)を作成した。(I−2)〜(I−5)を作成直後及び5秒おきに2分間の405nmにおける吸光度を測定した。
(I−1)〜(I−5)を作成直後の吸光度をAλ0、h時間後の吸光度をAλhとし、それぞれ吸光度の変化ΔAλ(ΔAλ=Aλh−Aλ0)と405nmにおけるモル吸光定数εを用いて下記数式(1)からそれぞれの酵素反応初速度v(M/s)を算出した。
v=ΔAλ/(ε×h×3600)(1)
算出した酵素反応初速度vを用いて、横軸(x軸)にそれぞれの基質濃度[S]、縦軸(y軸)にそれぞれの基質濃度[S]の酵素反応初速度vによる逆数[S]/vをプロットし、Hanes−Woolfプロットを作成した(図1)。プロットの近似直線とx軸との交点(−Km)から、ミカエリス定数Kmは0.04mMであった。
<プロテアーゼ活性阻害剤のカンナーゼに対する阻害定数Kiの測定>
製造例1で得たプロテアーゼ活性阻害剤(B1)溶液(L−1)(1g/L)1mLを49mLのバッファー1(pH8.5)で希釈し、プロテアーゼ活性阻害剤溶液(B1−1)(2.7μM)とした。(B1−1)をバッファー1で1/50、1/30、1/20および1/10倍のモル濃度に希釈したものを(B1−2)〜(B1−5)とした。
バッファー1を1530μL、分光光度計のセル(底面積1cm×1cm)に入れ、カンナーゼ溶液(A1)を40μL及び(B1−1)を40μL添加し、プロテアーゼ・プロテアーゼ活性阻害剤混合溶液(i−1)を作成した。
分光光度計の試料室を40℃に保ち、セルを試料室内で30分静置した。ここに、40℃に温調した基質溶液(12){Succinyl−Ala−Ala−Pro−Phe−nitroanilideをバッファー7に溶解して10mg/mL(0.237mM)の濃度にしたもの}を400μL添加し、酵素反応溶液(IV−1)を作成した。(IV−1)を作成直後及び5秒おきに2分間の405nmにおける吸光度を記録した。
(B1−1)に変えて(B1−2)〜(B1−5)をそれぞれ用いる以外は同様にして、カンナーゼ・プロテアーゼ活性阻害剤(B1)混合溶液(i−2)〜(i−6)を作成し、基質溶液(12)を用いて酵素反応溶液(IV−2)〜(IV−6)を作成し、同様に吸光度を記録した。
(IV−1)〜(IV−6)を作成直後の吸光度をAλ0、h時間後の吸光度をAλhとし、それぞれ吸光度の変化ΔAλ(ΔAλ=Aλh−Aλ0)と405nmにおけるモル吸光定数εを用いて下記数式(1)からそれぞれの酵素反応初速度v(M/s)を算出した。
v=ΔAλ/(ε×h×3600)(1)
(IV−1)〜(IV−5)の酵素反応初速度vi、(IV−6)の酵素反応初速度をvoとし、各(B1)濃度での相対活性α(x=vi/vo)を算出した。
横軸に1/αを、縦軸に[(B1)のモル濃度]/(1−α)をプロットし、Hendersonプロットを作成した(図4)。このプロットの近似直線の傾きKi(app)(図4から3.06)、測定時の基質濃度[S]及びミカエリス定数Kmを式Ki=Ki(app)/(1+[S]/Km)に当てはめてKiを算出したところ、Kiは1.4nMであった。
上記において、「製造例1で得たプロテアーゼ活性阻害剤(B1)溶液(L−1)(1g/L)1mL」に変えて「製造例2及び製造例3で得たプロテアーゼ活性阻害剤(B2)及び(B3)の溶液(L−2)及び(L−3)(1g/L)をそれぞれ1mL」用いる以外は同様にして(B2−1)〜(B2−5)及び(B3−1)〜(B3−5)を作成し、阻害定数Kiを測定した。(B2)のKiは30nM、(B3)のKiは90nMであった。
<カルボキシフェニルボロン酸のカンナーゼに対する阻害定数Kiの測定>
4−カルボキシフェニルボロン酸(東京化成工業株式会社)50mgを50mLのバッファー1(pH8.5)に溶解させ、フェニルボロン酸溶液(B’1)(8.2mM)とした。(B’1)をバッファー1で1/10、1/4、1/2および3/4のモル濃度に希釈したものを(B’2)〜(B’5)とした。
上記「プロテアーゼ活性阻害剤のカンナーゼに対する阻害定数Kiの測定」において、(B1−1)〜(B1−5)に変えて(B’1)〜(B’5)を使用して、フェニルボロン酸のカンナーゼに対する阻害定数Kiを求めたところ、19μMであった。
<実施例1>
バッファー1が1530μLに、前述のカンナーゼ溶液(A1)40μL及び20mg/Lのプロテアーゼ活性阻害剤溶液(B1−1)40μLを添加し、タンパク質溶液(D1)を作成した。
<実施例2>
実施例1において、「プロテアーゼ活性阻害剤溶液(B1−1)」に変えて、「プロテアーゼ阻害剤溶液(B2−1)」を用いる以外は同様にしてタンパク質溶液(D2)を作成した。
<実施例3>
実施例1において、「プロテアーゼ活性阻害剤溶液(B1−1)」に変えて、「プロテアーゼ阻害剤溶液(B3−1)」を用いる以外は同様にしてタンパク質溶液(D3)を作成した。
<比較例1>
バッファー1が1530μLに、前述のカンナーゼ溶液(A1)40μLおよび前述の4−カルボキシフェニルボロン酸溶液(B’1)40μLを添加し、タンパク質溶液(D’1)を作成した。
<比較例2>
バッファー1が1530μLに、前述のカンナーゼ溶液(7)80μLを添加し、タンパク質溶液(D’2)を作成した。
<配合直後のプロテアーゼ活性>
タンパク質溶液(D1)〜(D3)及び(D’1)〜(D’2)について、配合直後のタンパク質溶液をそれぞれ16μLと、バッファー1を1584μLとを、分光光度計のセル中で混合し、タンパク質溶液(Y1)〜(Y5)を作成した。下記吸光度を利用した活性測定法により、(Y1)〜(Y5)のプロテアーゼ活性を測定した。結果を表1に示す。
<30℃3ヶ月保存したときのプロテアーゼ活性>
「配合直後のプロテアーゼ活性」において、「配合直後のタンパク質溶液」を用いる代わりに、「30℃で3ヶ月保管したタンパク質溶液」を用いる以外は同様にして、プロテアーゼ活性を算出した。
<プロテアーゼ活性の長期持続性>
配合直後のプロテアーゼ活性と30℃で3ヶ月保管後のプロテアーゼ活性との比を、プロテアーゼ活性の長期持続性として、以下の式にて算出した。
プロテアーゼ活性の長期持続性(%)=(30℃で3ヶ月保管後のプロテアーゼ活性)/(調製直後のプロテアーゼ活性)×100
<30℃又は40℃でそれぞれ1週間保存したときのプロテアーゼ活性>
「配合直後のプロテアーゼ活性」において、「配合直後のタンパク質溶液」を用いる代わりに、「30℃又は40℃でそれぞれ1週間保管したタンパク質溶液」を用いる以外は同様にして、プロテアーゼ活性を算出した。
<プロテアーゼの耐熱性>
30℃で1週間保管後のプロテアーゼ活性と40℃で1週間保管後のプロテアーゼ活性との比を、プロテアーゼの耐熱性として、以下の式にて算出した。
プロテアーゼの耐熱性(%)=(40℃で1週間保管後のプロテアーゼ活性)/(30℃で1週間保管後のプロテアーゼ活性)×100
<吸光度を利用した活性測定法>
タンパク質溶液(Y1)〜(Y4)をそれぞれ1570μLを分光光度計のセル(底面積1cm×1cm)に入れ、分光光度計の試料室を40℃に保ち、セルを試料室内で30分静置した。ここに、40℃に温調した基質溶液(27)(Succinyl−Ala−Ala−Pro−Phe−nitroanilideをバッファー1に溶解して0.5mg/mL(0.012mM)の濃度にしたもの)を400μL添加し、酵素反応溶液(V−1)を作成した。(V−1)を作成直後及び5秒おきに2分間の405nmにおける吸光度を記録した。
(V−1)を作成した直後の吸光度をAλ0、h秒後の吸光度をAλhとし、吸光度の変化ΔAλ(ΔAλ=Aλh−Aλ0)を縦軸に、時間hを横軸にプロットし、直線の傾き係数kXを求た。
ブランクとして、バッファー7が1570μLに、カンナーゼ溶液(A7)40μLを配合したタンパク質溶液(D0)を16μLと、バッファー1を1584μLとを分光光度計のセル中で混合し、タンパク質溶液(Y0)を作成した。同様にプロテアーゼ活性を測定し、直線の傾き係数kSを求た。
係数kX及び係数kSを用いて、下記数式(3)からタンパク質溶液(Y1)及び(Y2)のプロテアーゼ活性Xiを求めた。
プロテアーゼ活性Xi(%)={kX/kS}×100 (3)
Figure 2013146227
表1の評価結果から、比較例1及び2のタンパク質溶液と比較して、実施例1〜3の本発明のタンパク質溶液は、プロテアーゼ活性の持続性が高く、長期的にプロテアーゼ活性を保つことができることがわかる。また、30℃で1週間保管した後のプロテアーゼ活性と40℃で1週間保管した後のプロテアーゼ活性とが共に高く、プロテアーゼの耐熱性も向上できることが分かる。さらに、カンナーゼの活性の至適温度は40℃であり、通常、40℃で保管すると自己分解しやすいが、30℃で1週間保管した後のプロテアーゼ活性と40℃で1週間保管した後のプロテアーゼ活性の比較から、40℃で保管しても活性の低下が小さく、自己分解も効率よく抑制できることが分かる。
<実施例4〜6>
表2の割合で40℃で配合し、本発明の洗剤組成物を得た。
<比較例3〜5>
表2の割合で40℃で配合し、比較用の洗剤組成物を得た。
Figure 2013146227
なお、表2中、各成分の割合は、重量部で示した。
実施例4〜6及び比較例3〜5で作製した洗剤組成物を用いて下記の洗浄性試験をおこなった。
<洗浄性試験>
<配合直後の洗浄除去率>
実施例4〜6及び比較例3〜5で得た洗剤組成物について、洗剤組成物の作成後直ちに洗剤組成物0.8gを水999.2gに溶解させ溶液を得た。この溶液に、湿式人工汚染布(4cm×4cm)5枚を投入し、ターゴトメーター(大栄化学製)を用いて以下の条件にて洗浄及びすすぎをした後、布を取り出し、ギヤーオーブン(TABAI製、GPS−222)を用いて70℃で60分間乾燥し、試験布を得た。ついで、多光源分光測色計(スガ試験機製)を使用して、この試験布の540nmの反射率を、試験布1枚ごとに表裏2個所ずつ計4個所(試験布5枚で合計20個所)測定し、この平均値を求め、以下の式にて洗浄除去率(%)を算出した。結果を表2に記載した。
(洗浄条件)
時間:10分、温度:25℃、回転速度:120rpm
(すすぎ条件)
時間:1分、温度:25℃、回転速度:120rpm
(洗浄除去率)
洗浄除去率(%)={(RW−RS)/(RI−RS)}×100
なお、RIは清浄布の反射率、RWは洗浄布の反射率、RSは汚染布の反射率を示す。
また、使用した湿式人工汚染布は、表3の汚垢組成を有する財団法人洗濯科学協会製の湿式人工汚染布(540nmにおける反射率が40±5%)である。
Figure 2013146227
<30℃3ヶ月保管後の洗浄除去率>
実施例4〜6及び比較例3〜5で得た洗剤組成物について、「配合直後の洗浄除去率」において、「洗剤組成物の作成後直ち」に変えて、「洗剤組成物の作成後30℃で3ヶ月保管した後」の洗剤組成物を用いる以外は同様に洗浄性試験をおこない、洗浄除去率を算出した。結果を表2に記載した。
<30℃および40℃1週間保管後の洗浄除去率>
実施例4〜6及び比較例3〜5で得た洗剤組成物について、「配合直後の洗浄除去率」において、「洗剤組成物の作成後直ち」に変えて、「洗剤組成物の作成後30℃又は40℃で1週間保管した後」の洗剤組成物を用いる以外は同様に洗浄性試験をおこない、洗浄除去率を算出した。結果を表2に記載した。
<洗浄性の持続性>
配合直後の洗浄除去率と30℃および40℃で3ヶ月保管後の洗浄除去率との比を洗浄性の持続性として、以下の式にて算出した。
洗浄性の持続性(%)=(30℃で3ヶ月保管後の洗浄除去率−比較例4の洗浄除去率)/(配合直後の洗浄除去率−比較例4の洗浄除去率)×100
<洗浄性の耐熱性>
30℃又は40℃で1週間保管後の洗浄除去率の比を洗浄性の耐熱性として、以下の式にて算出した。
洗浄性の耐熱性(%)=(40℃で1週間保管後の洗浄除去率−比較例4の洗浄除去率)/(30℃で1週間保管後の洗浄除去率−比較例4の洗浄除去率)×100
表2に示すとおり、比較例3及び4の洗剤組成物は、配合直後の洗浄除去率は高いものの、30℃で3ヶ月保管後の洗浄除去率は、カンナーゼを含んでいない比較例5の洗剤組成物と同程度まで低下しており、洗浄性の持続性が5〜11%と低かった。一方、本発明の洗剤組成物は、30℃で3ヶ月保管後も、カンナーゼを含んでいない比較例5の洗剤組成物よりも洗浄除去率が10%以上高く、また、洗浄性の持続性が53〜79%と非常に高かった。したがって、本発明の洗剤組成物は、洗浄性の持続性が高いことが分かる。さらに、30℃で1週間保管した後の洗浄性と40℃で1週間保管した後の洗浄性とが共に高く、洗浄性の耐熱性が61〜68%であり、洗剤組成物の耐熱性も向上できることが分かる。
本発明のタンパク質溶液は、衣料用洗浄剤、自動食器洗浄機用洗浄剤、コンタクトレンズ用洗浄剤、浴用剤、角質除去用化粧料、食品の改質剤(製パン、肉の軟化、水産加工など)、ビールの清澄剤、皮革なめし剤、写真フィルムのゼラチン除去剤、消化助剤及び消炎剤として広範囲に使用できる。

Claims (6)

  1. 低温至適プロテアーゼ(A)、下記プロテアーゼ活性阻害剤(B)及び溶剤(C)を含有するタンパク質溶液(D)であって、(A)の酵素反応至適温度が0℃〜50℃であるタンパク質溶液。
    プロテアーゼ活性阻害剤(B):基質(E)としてベンジルオキシカルボニルフェニルアラニンニトロアニリド、ベンゾイルアルギニンニトロアニリド、フリルアクリロイルグリシルロイシンアミド及びサクシニルアラニルアラニルプロリルフェニルアラニンニトロアニリドのうちいずれか1つを用いて、低温至適プロテアーゼ(A)の活性の至適温度、最適pH及び最適基質濃度の条件下でHendersonプロットにより求めた(A)に対する阻害定数Kiが1pM〜10μMであるプロテアーゼ活性阻害剤。
  2. 基質(E)がサクシニルアラニルアラニルプロリルフェニルアラニンニトロアニリドである請求項1に記載のタンパク質溶液。
  3. プロテアーゼ活性阻害剤(B)がタンパク質性プロテアーゼ活性阻害剤(B1)である請求項1又は2に記載のタンパク質溶液。
  4. プロテアーゼ活性阻害剤(B)がポテトインヒビター1ファミリーに属するタンパク質性プロテアーゼ活性阻害剤(B1−1)である請求項1〜3のいずれかに記載のタンパク質溶液。
  5. プロテアーゼ活性阻害剤(B)が下記プロテアーゼ活性阻害剤(B1−1−1)又はプロテアーゼ活性阻害剤(B1−1−2)である請求項1〜4のいずれかに記載のタンパク質溶液。
    プロテアーゼ活性阻害剤(B1−1−1): 配列番号1のアミノ酸配列(F)において、(F)のアミノ酸配列の1〜8個のアミノ酸を変更前のアミノ酸とは別のアミノ酸と置換した配列(Y)を有するタンパク質性プロテアーゼ活性阻害剤であって、下記(1)〜(8)のうち少なくとも1つの条件を満たすタンパク質性プロテアーゼ活性阻害剤。
    プロテアーゼ活性阻害剤(B1−1−2):(B1−1−1)のアミノ酸配列と90%以上の相同性を有するタンパク質性プロテアーゼ活性阻害剤であって、下記(9)〜(16)のうち少なくとも1つの条件を満たすタンパク質性プロテアーゼ活性阻害剤(B1−1−2)であるタンパク質性プロテアー活性阻害剤。
    (1)(Y)の12位のアミノ酸が下記アミノ酸(X1)である
    (2)(Y)の38位のアミノ酸が下記アミノ酸(X2)である
    (3)(Y)の48位のアミノ酸が下記アミノ酸(X3)である
    (4)(Y)の50位のアミノ酸が下記アミノ酸(X4)である
    (5)(Y)の51位のアミノ酸が下記アミノ酸(X5)である
    (6)(Y)の52位のアミノ酸が下記アミノ酸(X6)である
    (7)(Y)の53位のアミノ酸が下記アミノ酸(X7)である
    (8)(Y)の70位のアミノ酸が下記アミノ酸(X8)である
    (9)(B1−1−1)において、配列(Y)の12位に相当する位置のアミノ酸が下記アミノ酸(X1)である
    (10)(B1−1−1)において、配列(Y)の38位に相当する位置のアミノ酸が下記アミノ酸(X2)である
    (11)(B1−1−1)において、配列(Y)の48位に相当する位置のアミノ酸が下記アミノ酸(X3)である
    (12)(B1−1−1)において、配列(Y)の50位に相当する位置のアミノ酸が下記アミノ酸(X4)である
    (13)(B1−1−1)において、配列(Y)の51位に相当する位置のアミノ酸が下記アミノ酸(X5)である
    (14)(B1−1−1)において、配列(Y)の52位に相当する位置のアミノ酸が下記アミノ酸(X6)である
    (15)(B1−1−1)において、配列(Y)の53位に相当する位置のアミノ酸が下記アミノ酸(X7)である
    (16)(B1−1−1)において、配列(Y)の70位に相当する位置のアミノ酸が下記アミノ酸(X8)である
    (X1):アミノ酸(X0)のうちGlu以外のアミノ酸
    (X2):アミノ酸(X0)のうちVal以外のアミノ酸
    (X3):アミノ酸(X0)のうちMet以外のアミノ酸
    (X4):アミノ酸(X0)のうちTyr以外のアミノ酸
    (X5):アミノ酸(X0)のうちArg以外のアミノ酸
    (X6):アミノ酸(X0)のうちIle以外のアミノ酸
    (X7):アミノ酸(X0)のうちAsp以外のアミノ酸
    (X8):アミノ酸(X0)のうちArg以外のアミノ酸
    (X0):Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gly、Gln、Glu、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr又はVal
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のタンパク質溶液(D)及び界面活性剤(O)を含む洗剤組成物。
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