JP2013149452A - 空気電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の空気電池は、多数の単位セルから成る電池に対して、電解液を電池外部で順環させているので、装置全体が非常に複雑で大型になるという問題点があった。
【解決手段】正極1と、金属負極2と、電解液3が注入された電解液保持容器4を備え、電解液保持容器4が、正極1と金属負極2との間に介在する電極部4Aと、電池外側へ延出する放熱部4Bを備えると共に、電極部4Aと放熱部4Bとの間で電解液3が循環可能である空気電池C1としたことで、電解液3から生じた析出物Qの分離を単一の電池内部で行うことができ、当該空気電池を多数個を用いて空気電池モジュールMを構成した場合でも、装置全体の小型軽量化を実現する。
【選択図】図1
【解決手段】正極1と、金属負極2と、電解液3が注入された電解液保持容器4を備え、電解液保持容器4が、正極1と金属負極2との間に介在する電極部4Aと、電池外側へ延出する放熱部4Bを備えると共に、電極部4Aと放熱部4Bとの間で電解液3が循環可能である空気電池C1としたことで、電解液3から生じた析出物Qの分離を単一の電池内部で行うことができ、当該空気電池を多数個を用いて空気電池モジュールMを構成した場合でも、装置全体の小型軽量化を実現する。
【選択図】図1
Description
本発明は、酸素を正極活物質として利用する空気電池の改良に関するものである。
従来の空気電池としては、例えば、特許文献1に記載されたものがある。特許文献1に記載の空気電池は、多数の単位セルから成る電池を備え、充電時には、貯液タンクの電解液を電池に循環供給すると共に、放電時には、貯液タンクを切り離して電池に付設した排液受槽内の電解液を電池に循環供給するものである。
この空気電池は、貯液タンクと電解液供給用の圧送ポンプとの間に、電解液を通すフィルタを備えており、また、貯液タンク内に、還流液流入パイプが臨む沈澱槽を備えると共に、貯液タンク内の底面に、攪拌用パイプの多数の噴出口を配置している。そして、充電に先立ち、攪拌用パイプから噴出する圧送液により、貯液タンク内に沈降した電解液添加剤を攪拌溶解させ、充電に際して、放電時に電池内に蓄積した脱落亜鉛や酸化亜鉛を沈澱槽内で攪拌溶解させるようにしている。
ところで、この種の空気電池においては、放電に伴って電解液から金属塩が析出するために、その析出物により伝導度の低下が起こり、出力が低下することがある。これに対して、上記従来の空気電池にあっては、析出物をフィルタで除去することが可能であるものの、多数の単位セルから成る電池に対して、圧送ポンプ、貯液タンク、排液受槽、沈殿槽、攪拌用パイプ及び各配管類を夫々配置し、電解液を電池外部に流通させて順環利用しているので、装置全体が非常に複雑で大型になるという問題点があり、このような問題点を解決することが課題であった。
本発明は、上記従来の状況に鑑みて成されたものであって、電解液から生じた析出物の分離を単一の電池内部で行うことができ、多数個を用いて空気電池モジュールを構成した場合でも、装置全体の小型軽量化を実現することができる空気電池を提供することを目的としている。
本発明の空気電池は、正極と、金属負極と、電解液が注入された電解液保持容器を備えている。そして、空気電池は、電解液保持容器が、正極と金属負極との間に介在する電極部と、電池外側へ延出する放熱部を備えると共に、電極部と放熱部との間で電解液が循環可能である構成としており、上記構成をもって従来の課題を解決するための手段としている。
本発明の空気電池は、上記構成を採用したことから、電解液から生じた析出物の分離を単一の電池内部で行うことができる。これにより、当該空気電池を多数個を用いて空気電池モジュールを構成した場合でも、装置全体の小型軽量化を実現することができる。
図1に示す空気電池C1は、正極1(空気極)1と、金属負極2と、電解液3が注入された電解液保持容器4を備えている。そして、空気電池C1は、電解液保持容器4が、正極1と金属負極2との間に介在する電極部4Aと、電池外側へ延出する放熱部4Bを備えると共に、電極部4Aと放熱部4Bとの間で電解液3が循環可能な構造である。
正極1は、詳細な図示を省略したが、正極部材と、最外層に配置した液密通気部材を備えている。正極部材は、例えば、触媒成分、及び触媒成分を担持する導電性の触媒担体を含むものである。
触媒成分としては、具体的には、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、タングステン(W)、鉛(Pb)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、バナジウム(V)、モリブデン(Mo)、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)等の金属及びこれらの合金などから選択することができる。
触媒成分の形状や大きさは、特に限定されるものではなく、従来公知の触媒成分と同様の形状及び大きさを採用することができる。ただし、触媒成分の形状は、粒状であることが好ましい。触媒粒子の平均粒子径は、1〜30nmであることが好ましい。触媒粒子の平均粒子径がこのような範囲内の値であると、電気化学反応が進行する有効電極面積に関連する触媒利用率と担持の簡便さとのバランスを適切に制御することができる。
触媒担体は、上述した触媒成分を担持するための担体、及び触媒成分と他の部材との間での電子の授受に関与する電子伝導パスとして機能する。触媒担体としては、触媒成分を所望の分散状態で担持させるための比表面積を有し、充分な電子伝導性を有しているものであればよく、主成分がカーボンであることが好ましい。触媒担体としては、具体的には、カーボンブラック、活性炭、コークス、天然黒鉛、人造黒鉛などからなるカーボン粒子が挙げられる。触媒担体のサイズについても特に限定されないが、担持の簡便さ、触媒利用率、触媒層の厚みを適切な範囲で制御するなどの観点からは、平均粒子径を5〜200nm程度、好ましくは10〜100nm程度とするとよい。
正極部材において、触媒成分の担持量は、電極触媒の全量に対して、好ましくは10〜80質量%、より好ましくは30〜70質量%であるが、これらに限定されるものではなく、空気電池に適用される従来公知の材料を適用することができる。
液密通気部材は、電解液3に対して液密性(水密性)を有し、且つ酸素に対して通気性を有する部材である。この液密通気部材は、電解液3が外部へ漏出するのを阻止し得るように、ポリオレフィンやフッ素樹脂などの撥水膜を用いており、一方、正極部材に酸素を供給し得るように多数の微細孔を有している。
金属負極2は、標準電極電位が水素より卑な金属単体又は合金から成る負極活物質を含むものである。標準電極電位が水素より卑な金属単体としては、例えば亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、マンガン(Mn)、ケイ素(Si)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、バナジウム(V)などを挙げることができる。また、合金としては、これらの金属元素に1種以上の金属元素又は非金属元素を加えたものを挙げることができる。しかしながら、これらに限定されるものではなく、空気電池に適用される従来公知の材料を適用することができる。
電解液3は、例えば塩化カリウム、塩化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水溶液を適用することができるが、これらに限定されるものではなく、空気電池に適用される従来公知の電解液を適用することができる。電解液3の量は、当該空気電池C1の放電時間、放電時に生じる金属塩の析出量、電解液保持容器4の空孔の総容積、及び一定の組成を維持し得る流通量などを考慮して決定される。
電解液保持容器4は、例えば撥水処理を行っていないグラスペーパー、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンからなる多孔質膜セパレータを含むことができる。しかしながら、これらに限定されるものではなく、空気電池に適用される従来公知の材料を適用することができる。
また、電解液保持容器4は、正極及び負極以外の構成要素として、とくに電池外側となる放熱部4B、及びケーシング4Cを有している。ケーシング4Cは、その材料が限定されるものではないが、熱抵抗の少ない金属で形成することが望ましく、例えば、銅(Cu)若しくは銅合金や、アルミニウム(Al)若しくはアルミニウム合金を採用することができる。
この実施形態の空気電池C1は、電解液保持容器4の放熱部4Bがヒートシンク5を備えている。図示例のヒートシンク5は、放熱部4Bを形成するケーシング4Cに一体形成した放熱板であって、複数枚が一定の間隔で設けてある。このヒートシンク5としては、放熱板のほか、棒状などの適宜形状を有するものや、多孔質体から成るものを採用することができる。
また、空気電池C1は、電解液保持容器4が、放電時に電解液3から生じた析出物を放熱部4B内に蓄積する構造を有しており、この実施形態では、前記析出物を放熱部4B内に蓄積する構造として、電極部4Aの下側に放熱部4Bが設けてある。すなわち、図示例の空気電池C1は、析出物をその自重によって放熱部4Bの下部に沈殿させる構造である。
さらに、空気電池C1は、図(A)中に仮想線で示すように、正極1、金属負極2及び電解液保持容器4の電極部4Aを保温する電極保温手段6を備えている。電極保温手段6は、その構成がとくに限定されるものではなく、周知の遮熱シート等のように内部を保温し得る適宜の部材を採用することができる。
さらに、空気電池C1は、図示の如く、初期状態において電解液保持容器4に電解液3が充填してある。この場合には、自己放電をしないように、当該電池を図示しないケースに気密的に収容したり、正極1を剥離可能な気密シートで被覆したりして、正極1への酸素供給を遮断しておく必要がある。
上記の構成を備えた空気電池C1は、正極1に空気(酸素)を導入することで放電を開始する。この際、空気電池C1は、放電に伴って電解液3から金属塩(析出物)が析出する。この析出物は、放電反応の低下をもたらす原因になるのであるが、その一方で、電解液3の温度が高いほど溶解量が増加する(析出物が溶け易い)ことが判明している。
そこで、空気電池C1は、正極1及び負極電極2に挟まれた電極部4Aと、電池外部に延出した放熱部4Bを備えた電解液保持容器4とすることで、電極部4A内の電解液3と放熱部4B内の電解液3とに温度差を設けている。これにより、温度が高い電極部4Aでは、析出物の溶解量が大きく(析出量が少なく)なり、析出物の影響を受けない良好な放電が行われる。また、温度が低く且つ放電に寄与しない放熱部4Bでは、析出物の溶解量が小さく(析出量が多く)なり、図1(A)に示すように、電解液3から析出物Qが分離されることとなる。
このようにして、上記の空気電池C1は、電解液3から生じた析出物Qの分離を単一の電池内部で行うことができる。これにより、当該空気電池を多数個を用いて空気電池モジュールを構成した場合でも、装置全体の小型軽量化を実現することができる。
また、上記の空気電池C1は、電解液保持容器4の放熱部4Bがヒートシンク5を有していることから、放熱部4Bにおける放熱作用がさらに向上し、電極部4Aと放熱部4Bとの温度差がより大きくなり、析出物Qの析出及び分離をより確実に行うことができる。
さらに、上記の空気電池C1は、電解液保持容器4の放熱部4B(ケーシング4C)が熱抵抗の少ない銅やアルミニウムなどの金属で形成してあることから、これによっても放熱部4Bにおける放熱作用が向上し、電極部4Aと放熱部4Bとの温度差がより大きくなり、析出物Qの析出及び分離をより確実に行うことができる。
さらに、上記の空気電池C1は、電解液保持容器4における電極部4Aと放熱部4Bとの温度差により、電解液3の対流が発生する。これにより、電極部4Aには、放熱部4Bにおいて析出物Qを分離した電解液3が還流となって循環することとなり、電極部4A側における良好な放電反応と、放熱部4B側における析出物Qの析出及び分離とが継続して行われる。
さらに、上記の空気電池C1は、電解液保持容器4が、電解液3から生じた析出物Qを放熱部4B内に蓄積する構造を有しており、これにより、析出物Qが電極部4Aに流入して放電反応を妨げるような事態を未然に防止する。この実施形態では、析出物Qを放熱部4B内に蓄積する構造として、電極部4Aの下側に放熱部4Bを設け、析出物Qを自重により沈殿させるので、極めて簡単な構造で析出物Qを分離することができる。
さらに、上記の空気電池C1は、正極1、金属負極2及び電解液保持容器4の電極部4Aを保温する電極保温手段6を備えているので、電極部4Aと放熱部4Bとの温度差がより一層大きいものとなり、電極部4Aにおける析出物Qの溶解を促進すると共に、放熱部4Bにおける析出物Qの析出及び分離をより確実に行うことができる。
図2〜図11は、本発明に係る空気電池の他の実施形態を説明する図である。なお、以下の各々の実施形態において、先の実施形態と同一の構成部位は、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図2に示す空気電池C2は、気体又は液体が流れる流体流路7を備え、この流体流路7内に電解液保持容器4の放熱部4Bを配置したものとなっている。また、この実施形態では、流体流路7に流れる流体が空気であって、流体流路7を通過した空気を正極1に供給する空気供給経路8を備えている。流体流路7の入口には、空気を圧送するためのファン9が設けてある。
上記の空気電池C2は、流体である空気で放熱部4Bを冷却することで、電解液保持容器4における電極部4Aの電解液3と放熱部4B電解液3との温度差をより大きくし、電極部4Aにおける析出物Qの溶解を促進すると共に、放熱部4Bにおける析出物Qの析出及び分離をより確実に行うことができる。また、流体流路7においては、放熱部4Bと空気との間で熱交換が行われ、予熱した空気を正極1に供給することで、放電効率をより高めることができる。
図3に示す空気電池C3は、気体又は液体が流れる流体流路7を備え、この流体流路7内に電解液保持容器4の放熱部4Bを配置したものとなっている。また、この実施形態では、流体流路7に流れる流体が電解液3であって、流体流路7を通過した電解液3を電解液保持容器4に供給する電解液供給経路10を備えている。この場合、流体流路7の入口側には、電解液の供給手段11が設けてあり、また、電解液保持容器4には、電解液3排出手段12が設けてある。供給手段11及び排出手段12には、電解液のタンクや、適宜の配管及びバルブ機構が含まれる。
上記の空気電池C3は、流体である電解液で放熱部4Bを冷却することで、電解液保持容器4における電極部4Aの電解液3と放熱部4B電解液3との温度差をより大きくし、電極部4Aにおける析出物Qの溶解を促進すると共に、放熱部4Bにおける析出物Qの析出及び分離をより確実に行うことができる。また、流体流路7においては、放熱部4Bと電解液との間で熱交換が行われ、予め加熱した電解液を正極1に供給することで、放電効率をより高めることができる。
図4に示す空気電池C4は、電解液保持容器4の放熱部4Bが、複数のヒートパイプ13を備えている。ヒートパイプ13は、パイプ内に揮発性の液体を封入した周知の構造を有するものであって、電解液保持容器4の壁部に貫通状態で設けることにより内部の熱を外部に放出する。
上記も空気電池C4は、放熱部4Bにヒートパイプ13を設けたことで、電解液保持容器4における電極部4Aの電解液3と放熱部4B電解液3との温度差をより大きくし、電極部4Aにおける析出物Qの溶解を促進すると共に、放熱部4Bにおける析出物Qの析出及び分離をより確実に行うことができる。
図5に示す空気電池C5は、金属負極2が、電池外側へ延出して電解液保持容器4の放熱部4Bに接合状態となる放熱促進部2Aを備えている。また、空気電池C5は、金属負極2と電解液保持容器4の放熱部4B(ケーシング4C)とが、同一金属であるとともに一体化してある。金属負極2及び放熱部4Bの材料としては、アルミニウム(Al)若しくはアルミニウム合金である。また、図示例の金属負極2の放熱促進部2Aには、放熱用の複数のフィン2Bが一体成形してある。
上記の空気電池C5は、金属負極2の放熱促進部2Aにより、電解液保持容器4の放熱部4Bの放熱機能が向上し、この際、金属負極2と放熱部4B(ケーシング4C)を同一金属で一体化したので、放熱部4Bの放熱機能がさらに向上する。しかも、金属負極2及び放熱部4Bの材料にアルミニウム若しくはアルミニウム合金を採用したので、熱抵抗が小さいものとなり、放熱部4Bの放熱機能のさらなる向上を実現する。
これにより、空気電池C5は、電解液保持容器4における電極部4Aの電解液3と放熱部4B電解液3との温度差を大きくし、電極部4Aにおける析出物Qの溶解を促進すると共に、放熱部4Bにおける析出物Qの析出及び分離をより確実に行うことができる。
図6に示す空気電池C6は、電解液保持容器4の放熱部4Bが、他の固体構造物に対して熱伝導可能に接続してある。固体構造物は、当該電池を収容する外装材14や、当該電池を電源とする機器本体15などである。
上記の空気電池C6は、先の実施形態では、放熱部4Bの熱を気体や液体である流体に放出するのに対して、放熱部4Bの熱を外装材14や機器本体15である固体(固体構造物)に放出する。これにより、電解液保持容器4における電極部4Aの電解液3と放熱部4B電解液3とに温度差を設け、電極部4Aにおける析出物Qの溶解を促進すると共に、放熱部4Bにおける析出物Qの析出及び分離をより確実に行うことができる。
図7に示す空気電池C7は、電解液保持容器4が、中央部に、電極部4Aを有すると共に、その両側に、放熱部4Bを有している。放熱部4Bには、放熱板等のヒートシンク5が設けてある。また、空気電池C7は、電解液保持容器4が、電解液3から生じた析出物Qを放熱部4B内に蓄積する構造を有している。
上記の空気電池C7では、電解液3が、電解液保持容器4における電極部4Aと放熱部4Bとの温度差により対流を生じて、電極部4Aと放熱部4Bとの間を循環する。このような電解液3の循環は、例えば図1に示す空気電池(C1)でも発生する。しかし、図1に示す空気電池(C1)では、電極部4Aと放熱部4Bを上下に配置しているので、例えば、各部の温度分布等に応じて対流が発生する。よって、循環流は一様ではない。
これに対して、上記の空気電池C7は、図中に矢印で示すように、中央の電極部4Aの上部から両側の放熱部4B,4Bに流れて、各放熱部4の下部から電極部4Aに戻る一様の循環流が発生する。これにより、空気電池C7は、電極部4Aでは、析出物Qの溶解を促進すると共に、放熱部4Bでは、析出物Qの析出及び分離を行う。とくに、放熱部4Bでは、析出物Qを自重及び循環流で沈殿させて、電解液3から分離することができる。
図8に示す空気電池C8は、図7に示すものと同様の電解液保持容器4を備えていると共に、電解液保持容器4が、電極部4Aと放熱部4Bとの間で電解液3を循環させる循環流発生手段16を備えている。循環流発生手段16としては、例えば、ポンプ、スクリュー及び各種の攪拌子などを採用することができる。また、空気電池C8は、電解液保持容器4が、電解液3から生じた析出物Qを放熱部4B内に蓄積する構造を有している。
上記の空気電池C8は、循環流発生手段16により、図中の矢印で示す循環流を積極的に形成し、電極部4Aにおける析出物Qの溶解や、放熱部4Bにおける析出物Qの析出及び分離の効率をより一層高めることができる。とくに、放熱部4Bでは、析出物Qを自重及び循環流で沈殿させて、電解液3から分離することができる。
図9に示す空気電池C9は、図7に示すものと同様の電解液保持容器4を備えていると共に、電解液保持容器4が、電解液3から生じた析出物Qを放熱部4B内に蓄積する構造を有している。この実施形態では、析出物Qを放熱部4B内に蓄積する構造として、放熱部4B内にフィルタ17が配置してある。図示例のフィルタ17は、放熱部4B内の中央部のやや下位側に配置してあると共に、蓄積した析出物Qが外部に流出しないように、上側を開放した箱形状を成している。
上記の空気電池C9は、電解液3が、電解液保持容器4における電極部4Aと放熱部4Bとの温度差により対流を生じて、電極部4Aと放熱部4Bとの間を循環する。これにより、空気電池C9は、電極部4Aにおいて析出物Qの溶解を促進すると共に、放熱部4Bにおいて析出物Qの析出及び分離を行う。そして、放熱部4Bでは、循環流及びフィルタ17により、析出物Qを電解液3から確実に分離させて、これを蓄積することができる。
図10に示す空気電池C10は、図7に示すものと同様の電解液保持容器4を備えていると共に、電解液保持容器4が、電解液3から生じた析出物Qを放熱部4B内に蓄積する構造を有している。この実施形態では、析出物Qを放熱部4B内に蓄積する構造として、放熱部4B内の下部に、析出物Qの収容空間18が設けてある。
上記の空気電池C10は、電解液3が、電解液保持容器4における電極部4Aと放熱部4Bとの温度差により対流を生じて、電極部4Aと放熱部4Bとの間を循環する。これにより、空気電池C10は、電極部4Aにおいて析出物Qの溶解を促進すると共に、放熱部4Bにおいて析出物Qの析出及び分離を行う。そして、放熱部4Bでは、析出物Qを自重及び循環流で沈殿させて収容空間18に収容し、析出物Qを電解液3から確実に分離させて蓄積しておくことができる。
図11は、本発明に係る空気電池を備えた空気電池モジュールの一実施形態を示す図である。図示の空気電池モジュールMは、図1に示す空気電池C1を複数(図示例では5個)備えており、複数の空気電池C1を直列に接続した構造である。この空気電池モジュールMは、各空気電池C1の放熱部4Bが、複数の放熱板から成るヒートシンク5を備えると共に、気体又は液体が流れる流体流路7を備えている。そして、流体流路7内に各空気電池C1の放熱部4Bを配置している。
上記の流体流路7に流す流体は、とくに限定されることはなく、放熱部4Bを冷却し得るものであれば良い。また、図2及び図3に示した実施形態のように、流体に空気や電解液を用いることも当然可能であり、これにより空気や電解液が予熱されるので、流体に空気や電解液を用いることは放電効率の向上に有効である。
上記の空気電池モジュールMでは、個々の空気電池C1において、電極部4Aでの析出物Qの溶解の促進、放熱部4Bでの析出物Qの析出及び分離が行われるので、従来の装置のように電池の外部で電解液を循環させる構成は一切不要になり、装置構造の簡略化や、小型軽量化を実現することができる。
また、上記の空気電池モジュールMは、自動車、列車及び船舶などの移動体に搭載する原電として用いることができ、上記したように装置構造の簡略化及び型軽量化を実現するので、搭載空間が狭く限られている移動体用電源に非常に好適である。
本発明の空気電池及び空気電池モジュールは、その構成が上記の実施形態に限定されるものではなく、各構成部位の材料、形状及び数などの構成の細部を適宜変更することができる。また、空気電池は、各実施形態の特徴的な構成、すなわち、金属負極2の放熱促進部2A、ヒートシンク5、電極保温手段6、ヒートパイプ13、固体構造物(14,15)、循環流発生手段16、フィルタ17及び析出物Qの収容空間18等の構成を適宜組み合わせると共に、システム化することが可能であり、これにより、電極部4Aにおける析出物の溶解を促進、放熱部4Bにおける析出物の析出及び分離の機能のさらなる向上を図ることができる。さらに、空気電池モジュールは、必要に応じて、各空気電池又は空気電池群を互いに並列接続することも可能である。
C1〜C10 空気電池
M 空気電池モジュール
1 正極
2 金属負極
2A 放熱促進部
3 電解液
4 電解液保持容器
4A 電極部
4B 放熱部
5 ヒートシンク
7 流体流路
8 空気供給経路
10 電解液供給経路
13 ヒートパイプ
14 外装材(固体構造物)
15 機器本体(固体構造物)
16 循環流発生手段
17 フィルタ
18 収容空間
M 空気電池モジュール
1 正極
2 金属負極
2A 放熱促進部
3 電解液
4 電解液保持容器
4A 電極部
4B 放熱部
5 ヒートシンク
7 流体流路
8 空気供給経路
10 電解液供給経路
13 ヒートパイプ
14 外装材(固体構造物)
15 機器本体(固体構造物)
16 循環流発生手段
17 フィルタ
18 収容空間
Claims (23)
- 正極と、金属負極と、電解液が注入された電解液保持容器を備え、
電解液保持容器が、正極と金属負極との間に介在する電極部と、電池外側へ延出する放熱部を備えると共に、電極部と放熱部との間で電解液が循環可能であることを特徴とする空気電池。 - 気体又は液体が流れる流体流路を備え、この流体流路内に電解液保持容器の放熱部を配置したことを特徴とする請求項1に記載の空気電池。
- 前記流体流路に流れる流体が空気であって、流体流路を通過した空気を正極に供給する空気供給経路を備えていることを特徴とする請求項2に記載の空気電池。
- 前記流体流路に流れる流体が電解液であって、流体流路を通過した電解液を電解液保持容器に供給する電解液供給経路を備えていることを特徴とする請求項2に記載の空気電池。
- 前記電解液保持容器の放熱部が、ヒートパイプを備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気電池。
- 前記電解液保持容器の放熱部が、ヒートシンクを備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気電池。
- 前記電解液保持容器の放熱部が、熱抵抗の少ない金属で形成してあることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の空気電池。
- 前記金属負極が、電池外側へ延出して電解液保持容器の放熱部に接合状態となる放熱促進部を備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の空気電池。
- 前記金属負極と電解液保持容器の放熱部とが、同一金属であるとともに一体化してあることを特徴とする請求項8に記載の空気電池。
- 前記電解液保持容器の放熱部が、他の固体構造物に対して熱伝導可能に接続してあることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の空気電池。
- 前記固体構造物が、当該電池体を収容する外装材であることを特徴とする請求項10に記載の空気電池。
- 前記固体構造物が、当該電池を電源とする機器本体であることを特徴とする請求項10に記載の空気電池。
- 前記電解液が、電解液保持容器における電極部と放熱部との温度差により対流を生じて、電極部と放熱部との間を循環することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の空気電池。
- 前記電解液保持容器が、電極部と放熱部との間で電解液を循環させる循環流発生手段を備えていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の空気電池。
- 前記電解液保持容器が、電解液から生じた析出物を放熱部内に蓄積する構造を有していることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の空気電池。
- 前記析出物を放熱部内に蓄積する構造として、電極部の下側に放熱部が設けてあることを特徴とする請求項15に記載の空気電池。
- 前記析出物を放熱部内に蓄積する構造として、放熱部内にフィルタが配置してあることを特徴とする請求項15又は16に記載の空気電池。
- 前記析出物を放熱部内に蓄積する構造として、放熱部内に析出物の収容空間が設けてあることを特徴とする請求項15又は16に記載の空気電池。
- 前記正極、金属負極及び電解液保持容器の電極部を保温する電極保温手段を備えたことを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の空気電池。
- 前記金属負極が、アルミニウム若しくはアルミニウム合金であることを特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載の空気電池。
- 請求項1〜20のいずれか1項に記載の空気電池を複数備えたことを特徴とする空気電池モジュール。
- 複数の空気電池が直列に接続してあることを特徴とする請求項21に記載の空気電池モジュール。
- 移動体に搭載する電源として用いられることを特徴とする請求項22に記載の空気電池モジュール。
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