JP2013149637A - 発光装置および発光装置の製造方法 - Google Patents

発光装置および発光装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】レンズ形の封止層を有する発光装置において、色調むら等を改善するとともに光の取り出し効率を向上させる。
【解決手段】この発光装置は、無機絶縁材料からなり、一部が発光素子の搭載される搭載部となる搭載面を有する基体と、前記基体の前記搭載面上に形成された素子接続端子と、前記基体の前記搭載面上に前記搭載部を取り囲むように形成された、透光性のガラスからなる堰止め層と、前記基体の前記搭載部に搭載され、前記素子接続端子と電気的に接続された発光素子と、前記堰止め層の内側の領域に前記発光素子を覆うように設けられた樹脂からなる封止層とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光装置およびその製造方法に係り、特に、レンズ形の封止層を有する発光装置と、発光装置の製造方法に関する。
近年、発光ダイオード(LED)素子を用いた発光装置では、基板に搭載された発光素子や配線導体層を保護するために、シリコーン樹脂やエポキシ樹脂からなる封止層が設けられており、封止層に蛍光材料を分散させることで、発光素子との組合せで白色発光を得る発光装置も実用化されている。
このような発光装置における色調むら等を改善するために、封止層を外表面が球面のレンズ形にすることが考えられている。すなわち、平板状の基体に発光素子を搭載し、この発光素子を覆うように流動性の樹脂材料をポッティングして、半球レンズ形状の透光性の封止層を形成することで、発光素子から発せられた光が封止層を透過する行路の長さを全ての方向で等しくした発光装置が開発されている。
しかしながら、流動性を有した樹脂材料をポッティングすると、樹脂材料が基体上を濡れ拡がろうとするため、樹脂材料と基体との界面の外表面に窪みが生じやすい。そして、このような形状の封止層では、透過する光が窪み部分の表面で全反射して封止層の内部に閉じ込められる結果、光の取り出し効率(放射効率)が低くなりやすいという問題があった。
この点を改善するために、基体上に発光素子の載置部を取り囲むように環状部材を取着するとともに、この環状部材よりも高くなるように突出して形成された載置部に発光素子を搭載し、さらに環状部材の内側に発光素子を覆うように透光性部材を設けた発光装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載された発光装置においては、環状部材がFe−Ni−Co合金、Fe−Ni合金等の金属や、アルミナセラミックス等のセラミックス材料から構成されており、透光性部材を透過した光の一部を環状部材が反射または吸収するため、光の取り出し効率を十分に高くできなかった。
特開2005−340543号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、レンズ形の封止層を有する発光装置において、色調むら等を改善し、かつ光の取り出し効率を向上させて、高輝度の発光を得ることを目的とする。
本発明の発光装置は、無機絶縁材料からなり、一部が発光素子の搭載される搭載部となる搭載面を有する基体と、前記基体の前記搭載面上に形成された素子接続端子と、前記基体の前記搭載面上に前記搭載部を取り囲むように形成された、透光性のガラスからなる堰止め層と、前記基体の前記搭載部に搭載され、前記素子接続端子と電気的に接続された発光素子と、前記堰止め層の内側の領域に前記発光素子を覆うように設けられた樹脂からなる封止層とを備えることを特徴とする。
本発明の発光装置において、前記堰止め層の熱膨張係数は、前記基体の熱膨張係数よりも小さいことが好ましい。また、前記堰止め層は、円環形の平面形状を有し、高さが10〜50μmで幅が80〜300μmが好ましい。また、前記封止層は、略半球状の立体形状を有することが好ましい。さらに、前記封止層は、流動性を有する硬化性樹脂材料のポッティングにより形成された層が好ましい。
本発明の発光装置の製造方法は、無機絶縁材料からなり、一部が発光素子の搭載される搭載部となる搭載面を有する基体と、前記基体の前記搭載面上に形成された素子接続端子と、前記基体の前記搭載面上に前記搭載部を取り囲むように形成された透光性のガラスからなる堰止め層を有する発光素子用基板を作製する工程と、前記発光素子用基板の前記基体の前記搭載部に発光素子を搭載し、該発光素子を前記素子接続端子と電気的に接続する工程と、前記基体の前記搭載面上で前記堰止め層の内側の領域に、流動性を有する硬化性樹脂材料をポッティングし硬化させて、前記発光素子を覆う樹脂からなる封止層を形成する工程とを備えることを特徴とする。
本発明の発光装置によれば、光の取り出し効率を向上させ、色調むら等が改善された高輝度の発光が得られる。
本発明の発光装置の第1の実施形態を示し、(a)は上面(搭載面)側から見た平面図であり、(b)は(a)におけるX−X線で切断した断面図である。 本発明の発光装置において、堰止め層の高さおよび幅と封止層の頂部の高さ等との関係を示す拡大断面図である。 本発明の発光装置の第2の実施形態を示し、(a)は上面(搭載面)側から見た平面図であり、(b)は(a)におけるY−Y線で切断した断面図である。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明はこれに限定されない。
本発明の実施形態の発光装置は、無機絶縁材料からなり、一部が発光素子の搭載される搭載部となる搭載面を有する基体と、この基体の搭載面上に形成された素子接続端子と、前記搭載面上に前記搭載部を取り囲むように形成された透光性のガラスからなる堰止め層と、前記基体の搭載部に搭載され、前記素子接続端子と電気的に接続された発光素子と、前記搭載面上で前記堰止め層の内側の領域に、前記発光素子を覆うように設けられた樹脂からなる封止層とを備える。
この発光装置においては、透光性のガラスからなる堰止め層により、封止層を構成する樹脂材料のポッティングの際の流動が堰き止められ、樹脂材料が基体の搭載面上を外側の領域まで濡れ拡がるのが抑えられる。したがって、簡易で安価なポッティング方法により、安定した、例えば半球レンズ形状の封止層を形成でき、発光素子から発せられた光が封止層を透過する行路長を全方向で等しくし、安定した良好な光学的特性を有する発光装置が得られる。
また、堰止め層が透光性のガラスにより構成されており、封止層を透過した光を堰止め層が反射または吸収しにくいため、光の取り出し効率に優れ、発光輝度の高い発光装置が得られる。さらに、堰止め層は基体と同時焼成するなどの方法で形成できるので、堰止め層の高さや、濡れ拡がる方向の障壁となる幅の調整が容易であり、発光装置全体としての製造も容易である。
以下、本発明の発光装置の第1の実施形態を、図面に基づいて説明する。第1の実施形態は、基体に設けられた1対の素子接続端子上に、下面に1対の電極を有する発光素子が搭載され、金錫共晶ハンダ等の金属間接続により電気的に接続された発光装置の例を示す。発光素子の接続方法はこれに限定されず、バンプによる接続など、フリップチップボンディングにより発光素子を接続した発光装置であればよい。
図1(a)は、第1の実施形態の発光装置を上面(搭載面)側から見た平面図であり、図1(b)は、図1(a)の発光装置をX−X線で切断した断面図である。なお、図1(a)は、封止層を除いた状態を示している。
この発光装置1は、平面形状が正方形で略平板状の基体2を有している。基体2は無機絶縁材料からなり、発光素子を搭載する上側の面を搭載面21として有する。なお、その反対側の面を非搭載面22とする。基体2の形状、厚さ、大きさ等は特に制限されず、通常、発光素子を搭載して発光装置を形成するための基体として用いられるものと同様にできる。本明細書において、「略平板状の基体」とは、上側の主面と下側の主面、すなわち搭載面21と非搭載面22がともに目視レベルで平板形状と認識できるレベルの平坦面である基体をいう。また、以下同様に、略を付けた表記は、特に断らない限り、目視レベルで認識できるレベルのことをいう。
基体2を構成する無機絶縁材料としては、酸化アルミニウム質焼結体(アルミナセラミックス)や窒化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、ガラス粉末とセラミックス粉末とを含むガラスセラミックス組成物の焼結体(Low Temperature Co−fired Ceramics。以下、LTCCと示す。)等が挙げられる。本発明においては、高反射性、製造の容易性、易加工性、経済性等の観点から、基体2を構成する無機絶縁材料はLTCCが好ましい。基体2を構成するガラスセラミックス組成物の焼結体の原料組成、焼結条件等については、後述する製造方法において説明する。
基体2は、発光素子の搭載時、およびその後の使用時における損傷等を抑制する観点から、例えば、抗折強度は250MPa以上が好ましい。そして、基体2は、搭載面21の略中央部に、発光素子を搭載するための搭載部3を有する。
基体2の搭載面21上には、1対(アノードとカソード)の素子接続端子4が設けられている。これらの素子接続端子4は、搭載される発光素子が下面に有する1対の電極と金錫半田等を介して金属間接続が可能なように、一方の端部が搭載部3と重なるように形成されている。また、基体2の非搭載面22上には、外部回路と電気的に接続されるアノードとカソードとなる1対の外部接続端子5が設けられている。そして、前記アノード側とカソード側の素子接続端子4は、基体2内部に埋設された接続ビア6を介して、非搭載面22に形成された前記1対の外部接続端子5にそれぞれ電気的に接続されている。
素子接続端子4、外部接続端子5および基体2内部に埋設された接続ビア6については、これらが素子接続端子4→接続ビア6→外部接続端子5→外部回路へと、アノードとカソードが短絡することなく電気的に接続される限りは、その配設される位置や形状は限定されない。
これら素子接続端子4、外部接続端子5および接続ビア6の構成材料は、通常発光素子を搭載する基板に用いられる配線導体と同様の構成材料であれば、特に制限なく使用できる。素子接続端子4、外部接続端子5および接続ビア6の構成材料として、具体的には、銅、銀、金等を主成分とする導電性金属材料が挙げられる。このような金属材料のなかでも、銀、銀と白金、または銀とパラジウムからなる金属材料が好ましく用いられる。これらの金属材料については、後述する発光装置の製造方法で具体的に説明する。素子接続端子4および外部接続端子5の厚さは、5〜15μmが好ましい。
また、素子接続端子4や外部接続端子5においては、前記金属材料からなる層上に、この層を酸化や硫化から保護するための導電性保護層(図示を省略する。)が、その端縁を含む全体を覆うように形成された構成が好ましい。導電性保護層としては、前記金属層を保護する機能を有する導電性材料で構成されていれば、特に制限されない。具体的には、ニッケルメッキ、クロムメッキ、銀メッキ、ニッケル/銀メッキ、金メッキ、ニッケル/金メッキ等からなる層が挙げられる。
本発明においては、素子接続端子4および外部接続端子5を被覆保護する導電性保護層として、例えば、素子接続端子4については、後述する発光素子の半田、金、金−錫共晶等のバンプ電極と良好な金属間接続が得られる等の点から、少なくとも最外層に金メッキ層を有する金属メッキ層を用いることが好ましい。導電性保護層は、金メッキ層のみで形成されていてもよいが、ニッケルメッキの上に金メッキを施したニッケル/金メッキ層形成がより好ましい。この場合、導電性保護層の膜厚としては、ニッケルメッキ層が2〜20μm、金メッキ層が0.1〜1μmが好ましい。
また、基体2の搭載面21上には、発光素子の搭載部3およびその一部に重なるように形成された素子接続端子4を取り囲むように、ガラスからなる堰止め層7が形成されている。
以下、堰止め層7を構成するガラスについて説明する。
堰止め層7を構成するガラスは、少なくとも、SiO、B、およびNaOとKOから選ばれる1種以上を構成成分とするホウケイ酸ガラスが好ましい。
このガラスは、軟化点(Ts)が650〜800℃のガラス粉末のみからなり、セラミックス粉末を含まない組成物を焼成してなるものが好ましい。通常、ガラス粉末を焼成して緻密な焼結体を得るためには、焼成温度が該ガラス粉末の軟化点を超えることが必要となる。上記堰止め層7を形成するためのガラス粉末の軟化点が800℃を超えると、通常これと同時焼成される未焼成のLTCC基体の銀を主体とする金属層が、焼成の際に過度に軟化して所定の形状を維持できなくなるおそれがある。したがって、ガラス粉末として、軟化点が650℃以下、好ましくは700℃以下のものを用いることにより、前記銀を主体とする金属層の過度の軟化による変形を生じさせることなく、ガラス粉末を含む堰止め層形成用の組成物と、銀を主体とする金属層を有する未焼成のLTCC基板とを同時に焼成できる。ガラス粉末の軟化点(Ts)は730℃以上780℃以下がより好ましい。
また、堰止め層7を構成するガラスの熱膨張率は、前記基体2の熱膨張率よりも小さいことが好ましい。その理由は、堰止め層7を構成するガラスの熱膨張率が基体2よりも大きいと、基体2から堰止め層7を構成するガラスに引張り力がかかり、ガラスが割れたり、熱や衝撃で割れやすくなったりするからである。堰止め層7を構成するガラスの熱膨張率を小さくすることで、基体2からガラスに圧縮力が作用し、ガラスが割れにくくなる。
堰止め層7を構成するガラスを形成するためのガラス粉末として、具体的には、酸化物換算のモル%表示で、SiOを78〜83%、Bを16〜18%、Alを0〜0.5%、NaOおよびKOから選ばれる少なくとも1種を合計で0.9〜4%、CaO、SrOおよびBaOから選ばれる少なくとも1種を合計で0〜0.6%含有するガラス粉末が挙げられる。以下、ガラス組成の記載において「%」は、特に断りのない限り、酸化物換算のモル%表示を表す。
上記ガラス粉末において、SiOはガラスのネットワークフォーマとなり、化学的耐久性、とくに耐酸性を高くするために必須の成分である。SiOの含有量が78%未満であると、耐酸性が不十分となるおそれがある。一方、SiOの含有量が83%を超えると、ガラスの軟化点やTgとも表記されるガラス転移点が過度に高くなるおそれがある。
はガラスのネットワークフォーマとなる必須の成分である。Bの含有量が16%未満であると、軟化点が過度に高くなるおそれがあり、またガラスが不安定となるおそれもある。一方、Bの含有量が18%を超えると、安定なガラスを得ることが難しく、また化学的耐久性が低下するおそれもある。
Alは、ガラスの安定性、化学的耐久性を高めるために0.5%以下の範囲で添加してもよい任意の成分である。Alの含有量が0.5%を超える場合、ガラスの透明性が低下するおそれがある。
NaOおよびKOは、軟化点やガラス転移点を低下させるために、合計した含有量が0.9〜4%となる範囲で添加する必須の成分である。NaOおよびKOの含有量の合計が0.9%未満であると、軟化点やガラス転移点が高くなりすぎるおそれがある。一方、NaOおよびKOの含有量の合計が4%を超えると、化学的耐久性、特に耐酸性が低下するおそれがあり、電気絶縁性も低下するおそれがある。
NaOおよびKOは、これらから選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。
CaO、SrO、BaOは、軟化点やガラス転移点を低下させるとともに、ガラスの安定性を高めるために、これらを合計した含有量が0.6%を超えない範囲で添加してもよい任意の成分である。CaO、SrO、BaOの含有量の合計が0.6%を超えると、耐酸性が低下するおそれがある。
なお、上記ガラス粉末は、必ずしも上記成分のみからなるものに限定されず、本発明の効果を損なわない範囲で上記以外の成分を含有できる。なお、この実施形態では鉛酸化物は含有していない。上記以外の成分を含有する場合、その合計した含有量は10%以下が好ましい。
堰止め層7を構成するガラス粉末は、上記したような組成を有するガラスを溶融法によって製造し、乾式粉砕法や湿式粉砕法によって粉砕して得られる。湿式粉砕法の場合、溶媒として水またはエチルアルコールを用いることが好ましい。粉砕機としては、例えばロールミル、ボールミル、ジェットミル等が挙げられる。
堰止め層7を構成するガラス粉末の50%粒径(D50)は0.3μm以上4μm以下が好ましい。ガラス粉末のD50が0.3μm未満の場合、ガラス粉末が凝集しやすく取り扱いが困難になるばかりでなく、均一分散が困難になる。一方、ガラス粉末のD50が4μmを超える場合には、ガラス軟化温度の上昇や焼結不足が発生するおそれがある。粒径は、例えば、粉砕後に必要に応じて分級して調整してもよい。なお、本明細書において、50%粒径(D50)はレーザ回折/散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した値をいう。
堰止め層7を構成するガラス粉末に、バインダー、必要に応じて可塑剤、分散剤、溶剤等を添加することによりペーストが得られる。
バインダーとしては、例えば、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂等を好適に使用できる。可塑剤としては、例えば、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ブチルベンジル等を使用できる。溶剤としては、トルエン、キシレン、2−プロパノール、2−ブタノール等の有機溶剤を好適に使用できる。
本発明の第1の実施形態において、堰止め層7は、このような各成分からなるホウケイ酸ガラス粉末を含む組成物を焼成してなるものであり、前記組成を有するホウケイ酸ガラス粉末を前記したようにペースト化したものをスクリーン印刷し、焼成して形成される。
ガラスからなる堰止め層7の平面形状は、発光素子の搭載部3を取り囲むような所定の幅を有する枠状または環状であれば、特に限定されない。また、一部切り欠きを有してもよい。矩形枠状または円環状とすることが好ましく、半球レンズ形の封止層を形成する観点からは、円環形状が特に好ましい。
図2に拡大して示す堰止め層7の高さhおよび幅wは、それぞれ以下に示す範囲が好ましい。すなわち、流動性を有する硬化性の樹脂材料をポッティングすることにより、頂部までの高さHが直径Dの1/2に近い半球レンズ形の封止層8を形成するために、堰止め層7の高さhは、10μm以上が好ましい。堰止め層7の高さhが10μm未満では、ポッティングの際に流動性の樹脂材料が堰止め層7の上面を超えて、外側の領域に拡がってしまい、半球レンズ形状を保つことができない。また、堰止め層7を形成するためのスクリーン印刷等の工程数の過剰な増大を抑えて、生産性を上げるために、堰止め層7の高さhは50μm以下が好ましい。
濡れ拡がる方向の障壁となる堰止め層7の幅wは特に限定されないが、80〜300μmの範囲が好ましい。堰止め層7の幅wが80μmより狭いと、スクリーン印刷により形成することが難しい。また、堰止め層7の幅wが300μmを超えると、堰止め層7自体が基体2に形成されたカソードマークに接触したり、あるいは連結基板として形成する際の分割溝にガラスが流入するなどのおそれがある。なお、図2において、符号9は搭載された発光素子を示す。発光素子9および封止層8については、後述する。
基体2の熱抵抗を低減するために、基体2の内部にサーマルビア(図示を省略する。)を埋設できる。サーマルビアは、例えば、発光素子の搭載部3より小さい柱状のものであり、非搭載面22から、基体2の厚さ方向の中間の位置まで配設するのが好ましい。このような配置とすることで、搭載面21全体、特に搭載部3の平坦度を向上でき、熱抵抗を低減し、また発光素子を搭載したときの傾きも抑制できる。
そして、本発明の第1の実施形態の発光装置1においては、このようにサーマルビア等が埋設された基体2の搭載面21の略中央部に設けられた搭載部3に、LED素子等の発光素子9が搭載されている。発光素子9は、下面に1対のバンプ等の電極を有し、半田、金、金−錫共晶等を介する金属間接続3aによって素子接続端子4に電気的に接続されている。
また、基体2の搭載面21上で堰止め層7の内側の領域には、発光素子9を覆うように略半球状に形成された透光性の樹脂からなる封止層8が設けられている。封止層8を構成する樹脂としては、耐光性、耐熱性の点で優れているため、シリコーン樹脂が好ましく用いられるが、シリコーン樹脂以外のエポキシ樹脂、フッ素樹脂などの使用を制限するものではない。シリコーン樹脂としては、発光装置の封止層用の樹脂として公知のシリコーン樹脂が特に制限なく用いられる。
また、このような透光性の樹脂に蛍光体等を混合または分散させることにより、発光装置1として得られる光を、所望の発光色に適宜調整できる。すなわち、封止層8を構成する樹脂に蛍光体を混合、分散させることにより、発光素子9から放射される光によって励起された蛍光体が可視光を発光し、この可視光と発光素子9から放射される光とが混色して、発光装置1として所望の発光色を得ることができる。蛍光体の種類は特に限定されず、発光素子9から放射される光の種類や目的とする発光色に応じて適宜選択される。
第1の実施形態の発光装置においては、透光性のガラスからなる堰止め層7により、封止層8を構成する樹脂材料の流動が堰き止められ、樹脂材料が基体2の搭載面21上を外側の領域まで濡れ拡がるのが抑えられるので、安定した半球レンズ形状の封止層8を形成できる。また、堰止め層7が透光性のガラスにより構成されており、封止層8を透過する光を堰止め層7が反射または吸収しないため、光の取り出し効率に優れ、発光輝度の高い発光装置が得られる。
次に、本発明の発光装置の第2の実施形態を、図面に基づいて説明する。図3(a)は、第2の実施形態の発光装置を上面(搭載面)側から見た平面図であり、図3(b)は、図3(a)の発光装置をY−Y線で切断した断面図である。なお、図3(b)は、樹脂からなる封止層を除いた状態を示している。
第2の実施形態の発光装置1は、LED素子等の発光素子9と素子接続端子4との電気接続がワイヤボンディングによるタイプの発光装置である。すなわち、基体2の搭載面21の搭載部3上に、2ワイヤタイプの発光素子9が配置され、接着剤であるシリコーンダイボンド材10を用いて固定されている。そして、発光素子9の一対の電極がそれぞれ所定の素子接続端子4にボンディングワイヤ11によって接続されている。
第2の実施形態において、その他の構成、材料等は第1の実施形態と同様に構成されているので、説明を省略する。
第2の実施形態の発光装置においても、第1の実施形態と同様に、安定した半球レンズ形状の封止層8を形成でき、かつ堰止め層7が封止層8を透過する光を反射または吸収しないので、光の取り出し効率に優れている。
次に、本発明の発光装置の製造方法を、LTCCからなる基体を有する図1に示される発光装置の製造を例にして説明する。
図1に示される発光装置1は、例えば、以下に示す(A)基体用グリーンシート作製工程、(B)導体ペースト層形成工程、(C)堰止め用ガラスペースト層形成工程、(D)積層工程、および(E)焼成工程を含む製造方法により発光素子用基板を製造した後、この発光素子用基板を使用し、(F)発光素子搭載工程、次いで(G)封止層形成工程を経て製造できる。なお、製造に用いる部材については、完成品の部材と同一の符号を付して説明する。
(A)基体用グリーンシート作製工程
ガラス粉末とセラミックス粉末とを含むガラスセラミックス組成物を用いて、基体を形成するためのグリーンシート(基体用グリーンシート)を作製する。なお、基体用グリーンシートは、上層を形成するための上層用グリーンシート、内層を形成するための内層用グリーンシート、下層を形成するための下層用グリーンシートを含む。
基体用グリーンシートは、ガラス粉末とセラミックス粉末とを含むガラスセラミックス組成物に、バインダー、必要に応じて可塑剤、分散剤、溶剤等を添加してスラリーを調製し、これをドクターブレード法等によりシート状に成形し、乾燥させることで製造できる。
基体用グリーンシートを作製するための基体用ガラス粉末としては、ガラス転移点(Tg)が550℃以上700℃以下のものが好ましい。Tgが550℃未満の場合には、脱脂が困難となるおそれがあり、700℃を超える場合には、収縮開始温度が高くなり、寸法精度が低下するおそれがある。また、このガラス粉末は、800℃以上930℃以下で焼成したときに結晶が析出するものが好ましい。結晶が析出しないものの場合、十分な機械的強度が得られないおそれがある。
このような基体用ガラス粉末としては、酸化物基準のモル%表示で、SiOを57〜65%、Bを13〜18%、CaOを9〜23%、Alを3〜8%、KOおよびNaOから選ばれる少なくとも一方を合計で0.5〜6%含有するものが好ましい。このような組成のものを用いることで、基体2の表面平坦度の向上が容易となる。
ここで、SiOは、ガラスのネットワークフォーマとなるものである。SiOの含有量が57%未満の場合、安定なガラスを得ることが難しく、また化学的耐久性も低下するおそれがある。一方、SiOの含有量が65%を超える場合には、ガラス溶融温度やTgが過度に高くなるおそれがある。SiOの含有量は、好ましくは58%以上、より好ましくは59%以上、特に好ましくは60%以上である。また、SiOの含有量は、好ましくは64%以下、より好ましくは63%以下である。
は、ガラスのネットワークフォーマとなるものである。Bの含有量が13%未満の場合、ガラス溶融温度やTgが過度に高くなるおそれがある。一方、Bの含有量が18%を超える場合、安定なガラスを得ることが難しく、また化学的耐久性も低下するおそれがある。Bの含有量は、好ましくは14%以上、より好ましくは15%以上である。また、Bの含有量は、好ましくは17%以下、より好ましくは16%以下である。
Alは、ガラスの安定性、化学的耐久性、および強度を高めるために添加される。Alの含有量が3%未満の場合、ガラスが不安定となるおそれがある。一方、Alの含有量が8%を超える場合、ガラス溶融温度やTgが過度に高くなるおそれがある。Alの含有量は、好ましくは4%以上、より好ましくは5%以上である。また、Alの含有量は、好ましくは7%以下、より好ましくは6%以下である。
CaOは、ガラスの安定性や結晶の析出性を高めるとともに、ガラス溶融温度やTgを低下させるために添加される。CaOの含有量が9%未満の場合、ガラス溶融温度が過度に高くなるおそれがある。一方、CaOの含有量が23%を超える場合、ガラスが不安定になるおそれがある。CaOの含有量は、好ましくは12%以上、より好ましくは13%以上、特に好ましくは14%以上である。また、CaOの含有量は、好ましくは22%以下、より好ましくは21%以下、特に好ましくは20%以下である。
OおよびNaOは、Tgを低下させるために添加される。KOおよびNaOの合計した含有量が0.5%未満の場合、ガラス溶融温度やTgが過度に高くなるおそれがある。一方、KOおよびNaOの合計した含有量が6%を超える場合、化学的耐久性、特に耐酸性が低下するおそれがあり、電気的絶縁性も低下するおそれがある。KOおよびNaOの合計した含有量は、0.8%以上5%以下が好ましい。
なお、基体用ガラス粉末は、必ずしも上記成分のみからなるものに限定されず、Tg等の諸特性を満たす範囲で他の成分を含有できる。他の成分を含有する場合、その合計した含有量は10%以下が好ましい。
基体用ガラス粉末は、上記したような組成を有するガラスを溶融法によって製造し、乾式粉砕法や湿式粉砕法によって粉砕して得られる。湿式粉砕法の場合、溶媒として水またはエチルアルコールを用いることが好ましい。粉砕機としては、例えばロールミル、ボールミル、ジェットミル等が挙げられる。
基体用ガラス粉末の50%粒径(D50)は0.5μm以上2μm以下が好ましい。ガラス粉末のD50が0.5μm未満の場合、ガラス粉末が凝集しやすく取り扱いが困難になるばかりでなく、均一分散が困難になる。一方、ガラス粉末のD50が2μmを超える場合には、ガラス軟化温度の上昇や焼結不足が発生するおそれがある。粒径は、例えば、粉砕後に必要に応じて分級して調整してもよい。
セラミックス粉末としては、従来からLTCC基板の製造に用いられるものが使用でき、例えば、アルミナ粉末、ジルコニア粉末、またはアルミナ粉末とジルコニア粉末との混合物等を好適に使用できる。特に、アルミナ粉末とともに、アルミナよりも高い屈折率を有するセラミックスの粉末(以下、高屈折率セラミックス粉末と示す。)の使用が好ましい。
高屈折率セラミックス粉末は、焼結体である基体2の反射率を向上させるための成分であり、例えば、チタニア粉末、ジルコニア粉末、安定化ジルコニア粉末等が挙げられる。アルミナの屈折率が1.8程度であるのに対して、チタニアの屈折率は約2.7、ジルコニアの屈折率は約2.2であり、アルミナに比べて高い屈折率を有している。これらのセラミックスの粉末のD50は、0.5μm以上4μm以下が好ましい。
このようなガラス粉末とセラミックス粉末とを、例えば、ガラス粉末が30質量%以上50質量%以下、セラミックス粉末が50質量%以上70質量%以下となるように配合し、混合することにより、ガラスセラミックス組成物が得られる。また、このガラスセラミックス組成物に、バインダー、必要に応じて可塑剤、分散剤、溶剤等を添加することによりスラリーが得られる。
バインダーとしては、例えば、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂等を好適に使用できる。可塑剤としては、例えば、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ブチルベンジル等を使用できる。溶剤としては、トルエン、キシレン、2−プロパノール、2−ブタノール等の有機溶剤を好適に使用できる。
このようにして得られたスラリーをドクターブレード法等によりシート状に成形し、乾燥させて、例えば3枚の基体用グリーンシート(上層用グリーンシート、下層用グリーンシートおよび内層用グリーンシート)を作製する。また、これらの基体用グリーンシートの所定の位置に、打ち抜き型またはパンチングマシンを使用して層間接続用のビアホールを形成し、さらに必要に応じてサーマルビア用のホールを形成する。
(B)導体ペースト層形成工程
各基体用グリーンシートの所定の位置に導体ペースト層を形成することにより、未焼成素子接続端子4、未焼成外部接続端子5を形成する。また、前記したビアホール内に導体ペーストを充填することによって、未焼成接続ビア6を形成する。さらに、サーマルビア用のホール内に金属ペーストを充填することによって、未焼成サーマルビアを形成する。
導体ペースト層および導体ペースト充填層の形成方法としては、導体ペーストをスクリーン印刷により塗布または充填する方法が挙げられる。形成される導体ペースト層の膜厚は、最終的に得られる素子接続端子4、外部接続端子5等の膜厚が所定の膜厚となるように調整される。また、金属ペースト充填層の形成方法としては、金属ペーストをスクリーン印刷により充填する方法が挙げられる。
未焼成素子接続端子4、未焼成外部接続端子5および未焼成接続ビア6の形成に用いる導体ペーストとしては、例えば、銅、銀、金等を主成分とする導体金属の粉末に、エチルセルロース等のビヒクル、必要に応じて溶剤等を添加してペースト状としたものを使用できる。なお、上記導体金属粉末としては、銀粉末、銀と白金または銀とパラジウムからなる金属粉末が好ましく用いられる。未焼成サーマルビアの形成に用いる金属ペーストとしては、前記した銀を主成分とする金属粉末を、エチルセルロース等のビヒクル、および必要に応じて溶剤等を添加してペースト状としたものを使用できる。
(C)堰止め用ガラスペースト層形成工程
上層用グリーンシートにおいて、前記(B)工程で形成された未焼成素子接続端子4の一部を含む搭載部3に相当する領域を取り囲むように、ガラスペーストをスクリーン印刷し、平面視が円環形の堰止め用ガラスペースト層7を形成する。
ガラスペーストとしては、前記した堰止め層用のガラス粉末に、エチルセルロース等のビヒクルと必要に応じて溶剤等を添加してペースト状としたものが用いられる。形成される堰止め用ガラスペースト層7の厚さは、最終的に得られる堰止め層7の高さhが、10μm以上50μm以下となるように調整することが好ましい。また、ガラスペーストの流動性やスクリーン印刷の工程数を調整することで、堰止め用ガラスペースト層7の厚さを10〜50μmの範囲にできる。また、堰止め用ガラスペースト層7のパターンの幅wは、80〜300μmの範囲が好ましい。スクリーン印刷版のパターンの幅を調整することで、堰止め用ガラスペースト層7のパターンの幅wを80〜300μmの範囲が好ましい。
(D)積層工程
前記(B)工程で得られた導体ペースト層付きグリーンシートと、さらに前記(C)工程で得られた導体ペースト層および堰止め用ガラスペースト層付きグリーンシートとを所定の順で重ね合わせた後、熱圧着により一体化する。こうして、未焼成基体2が得られる。
(E)焼成工程
前記(D)工程で得られた未焼成基体2について、必要に応じてバインダー等を脱脂後、ガラスセラミックス組成物等を焼結させるための焼成を行って発光素子用基板とする。
脱脂は、例えば、500℃以上600℃以下の温度で1時間以上10時間以下保持する条件で行う。脱脂温度が500℃未満または脱脂時間が1時間未満の場合、バインダー等を十分に除去できないおそれがある。一方、脱脂温度は600℃程度、脱脂時間は10時間程度とすれば、バインダー等を十分に除去でき、これを超えるとかえって生産性等が低下するおそれがある。
また、焼成は、基体2の緻密な構造の獲得と生産性を考慮して、800℃〜930℃の温度範囲で適宜時間を調整できる。具体的には、850℃以上900℃以下の温度で20分以上60分以下保持することが好ましく、特に860℃以上880℃以下の温度が好ましい。焼成温度が800℃未満では、基体2が緻密な構造のものとして得られないおそれがある。一方、焼成温度は930℃を超えると、基体2が変形するなど生産性等が低下するおそれがある。また、上記導体ペーストとして、銀を主成分とする金属粉末を含有する金属ペーストを用いた場合、焼成温度が880℃を超えると、過度に軟化するために所定の形状を維持できなくなるおそれがある。
このようにして発光素子用基板が得られるが、焼成後、必要に応じて素子接続端子4および外部接続端子5の全体を被覆するように、ニッケルメッキ、クロムメッキ、銀メッキ、ニッケル/銀メッキ、金メッキ、ニッケル/金メッキ等の、通常発光素子用基板において導体保護用に用いられる導電性保護層をそれぞれ形成できる。これらのうちでも、ニッケル/金メッキが好ましく用いられる。ニッケル/金メッキは、例えば、ニッケルメッキ層はスルファミン酸ニッケル浴等を使用して、金メッキ層はシアン化金カリウム浴等を使用して、それぞれ電解メッキによって形成できる。
(F)発光素子搭載工程
前記(E)工程で得られた発光素子用基板において、基体2の搭載面21の略中央部の搭載部3に、下面に1対のバンプ電極を有するLED素子等の発光素子9を配置し、半田、金、金−錫共晶等を介する金属間接続によって、素子接続端子4と電気的に接続する。
(G)封止層形成工程
このように基体2の搭載部3に搭載された発光素子9を覆うように、流動性を有する硬化性シリコーン樹脂材料をポッティングして略半球状の樹脂層を形成し、加熱等により硬化させる。こうして、基体2の搭載面21に形成されたガラスからなる円環形の堰止め層7の内側領域に、略半球状のレンズ形の封止層8が形成される。
以上の発光装置1の製造方法において、発光素子用基板の製造工程で用いられる基体用グリーンシートの枚数は、必ずしも3枚である必要はなく、2枚または4枚以上であってもよい。また、各部の形成順序等については、発光素子用基板の製造が可能な限度において適宜変更できる。さらに、発光素子用基板は、そのサイズにより、多数個取りの連結基板を作製し、これを分割する工程を得て個々の基板を作製する方法により作製されてもよい。その場合、分割のタイミングは、上記焼成後であれば、発光素子を搭載する前でもよいし、発光素子搭載後でもよい。
このような製造方法によれば、ガラスからなる堰止め層7により、封止層8を形成するための硬化性樹脂材料の流動が堰き止められ、樹脂材料が基体2の搭載面21上を堰止め層7の外側の領域まで濡れ拡がるのが抑えられるので、安定した半球レンズ形の樹脂封止層8が形成される。また、堰止め層7が透光性のガラスにより構成されており、堰止め層7が封止層8を透過する光を反射または吸収しないため、光の取り出し効率に優れ、発光輝度の高い発光装置が得られる。
以下、本発明の実施例について記載する。なお、本発明は実施例に限定されない。
例1〜8
以下に示す方法で、図1に示す構造の発光装置を製造した。
<堰止め用ガラスペーストの調製>
まず、堰止め層用のガラス粉末を製造した。すなわち、酸化物換算のモル%表示で、SiOが81.6%、Bが16.6%、KOが1.8%となるように、ガラス原料を調合、混合し、この原料混合物を白金ルツボに入れて1500〜1600℃で60分間溶融させた後、溶融状態のガラスを流し出し冷却した。得られたガラスを、アルミナ製ボールミルにより20〜60時間粉砕して堰止め層用ガラス粉末を得た。なお、粉砕時の溶媒にはエチルアルコールを用いた。
得られたガラス粉末の50%粒径(μm)を、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(島津製作所社製、商品名:SALD2100)を用いて測定したところ、2.3μmであった。また、ガラス粉末の軟化点を、示差熱分析装置(ブルカーAXS社製、商品名:TG−DTA2000)を用いて昇温速度10℃/分の条件で1000℃まで昇温して測定したところ、775℃であった。
上記で得られたガラス粉末と樹脂成分とを60:40の質量比で配合し、磁器乳鉢中で1時間混練を行い、さらに三本ロールにて3回分散を行って、堰止め用ガラスペーストを得た。なお、樹脂成分は、エチルセルロースとαテレピネオールとを質量比85:15で調合し分散したものを使用した。
<発光素子搭載用の基板の作製>
発光装置1の基体2を作製するための上層用グリーンシート、内層用グリーンシートおよび下層用グリーンシートを作製した。
まず、酸化物換算のモル%表示で、SiOを60.4%、Bを15.6%、Alを6%、CaOを15%、KOを1%、NaOを2%となるように原料を配合、混合し、この原料混合物を白金ルツボに入れて1600℃で60分溶融させた後、溶融状態のガラスを流し出し冷却した。このガラスをアルミナ製ボールミルにより40時間粉砕して基体用のガラス粉末を製造した。なお、粉砕の溶媒にはエチルアルコールを用いた。
この基体用ガラス粉末が35質量%、アルミナ粉末(昭和電工社製、商品名:AL−45H)が40質量%、ジルコニア粉末(第一稀元素化学工業社製、商品名:HSY−3F−J)が25質量%となるように配合し、混合することによりガラスセラミックス組成物を製造した。このガラスセラミックス組成物50gに、有機溶剤(トルエン、キシレン、2−プロパノール、2−ブタノールを質量比4:2:2:1で混合したもの)15g、可塑剤(フタル酸ジ−2−エチルヘキシル)2.5g、バインダーとしてのポリビニルブチラール(デンカ社製、商品名:PVK#3000K)5g、さらに分散剤(ビックケミー社製、商品名:BYK180)0.5gを配合し、混合してスラリーを調製した。
このスラリーをPETフィルム上にドクターブレード法により塗布し、乾燥させたグリーンシートを積層して、平板状であって焼成後のサイズが30mm×30mmで厚さが0.35mmとなる上層用、内層用、下層用の各グリーンシートを製造した。そして、上層用、内層用、下層用の各グリーンシートにおいて、所定の位置に孔空け機を用いて直径0.3mmの接続ビア用の貫通孔を形成した。なお、本実施例においては、発光素子搭載用の基板を多数個取りの連結基板として製造し、後述の焼成後に、1個ずつに分割して、30mm×30mmの外寸の略正方形の発光素子搭載用基板(基体)1とした。以下の記載は、多数個取り連結基板のうちの、分割後、1個の発光素子搭載用基板となる一区画について説明する。
一方、導電性粉末(大研化学工業社製、商品名:S550)、ビヒクルとしてのエチルセルロースを質量比85:15の割合で配合し、固形分が85質量%となるように溶剤としてのαテレピネオールに分散した後、磁器乳鉢中で1時間混練し、さらに三本ロールにて3回分散を行って導体用ペーストを製造した。
前記各グリーンシートに形成された接続ビア用の貫通孔に、上記で得られた導体用ペーストをスクリーン印刷法により充填して、接続ビア用ペースト層を形成した。その後、上層用グリーンシートの上側の面の接続ビア用ペースト層上に、前記導体用ペーストをスクリーン印刷することにより、素子接続端子用ペースト層を形成した。また、下層用グリーンシートの下側の面の接続ビア用ペースト層上に、前記導体用ペーストをスクリーン印刷することにより、外部接続端子用ペースト層を形成した。
さらに、導体用ペースト層が形成された上層用グリーンシートの上側の面、すなわち搭載面において、素子接続端子用ペースト層の一部を含む搭載部を取り囲むように、前記した堰止め用ガラスペーストをスクリーン印刷し、平面視が円環形状(内周縁の直径は2.4mm)の堰止め用ガラスペースト層7を形成した。ここで、スクリーン印刷する際の印刷版のパターンの幅を変えて、焼成後の堰止め層7の幅wが、表1に記載された寸法となるようにした。また、スクリーン印刷の回数を変えることで、堰止め層7の高さhが表1に記載された寸法となるようにした。なお、堰止め層の幅wおよび高さhの測定は、接触式膜厚計(東京精密社製、商品名:サーフコム1400D)により行った。
次いで、こうして得られた導電ペースト層およびガラスペースト層付き上層用グリーンシートと、導電ペースト層付き内層用グリーンシートおよび導電ペースト層付き下層用グリーンシートを積層して未焼結連結基板を得た。この未焼成連結基板に、各区画が焼成後に3mm×3mmの外寸となるような分割線(カットライン)を入れた後、550℃で5時間保持して脱脂を行い、さらに870℃で30分間保持して焼成を行って、多数個取り連結基板を製造した。得られた多数個取り連結基板を分割線に沿って分割して、発光素子搭載用の基板を製造した。
<発光素子の搭載および封止>
次に、こうして得られた発光素子搭載用の基板の搭載部に、下面に1対の電極を有するLED素子(CREE社製、商品名:DA350)9を配置し、前記1対の電極を素子接続端子4に金錫半田接着により接続した。その後、前記焼成工程で搭載面21上に形成された堰止め層7の内側の領域に、硬化性のシリコーン樹脂材料(信越化学工業社製、商品名:KER−6075)を、ディスペンサ(武蔵エンジニアリング社製、商品名:ML−5000XII)を用いて注入し、LED素子を覆う被覆層を形成した。そして、こうして形成された被覆層を100℃で1時間加熱した後、150℃で3時間加熱して硬化させ、透光性の封止層8を形成した。
<発光装置の各部の測定と評価>
こうして形成された封止層8の頂部までの高さHを、接触式膜厚計(東京精密社製、商品名:サーフコム1400D)を用いて測定し、底部の直径Dを、測長顕微鏡(オリンパス社製、商品名:STM6)を用いて測定した。測定結果を、堰止め層の幅wおよび高さhとともに表1に示す。
Figure 2013149637
表1から明らかなように、高さhが10〜30μmで幅wが80〜200μmの堰止め層7を有する例2〜例8の発光装置では、硬化性のシリコーン樹脂材料が堰止め層7で囲まれた領域の外側まで濡れ拡がることがなく、封止層8の頂部までの高さHが底部の直径Dの1/2となっている。すなわち、半球レンズ形を有する封止層8が形成されたことがわかる。そして、このような半球レンズ形を有する封止層8の形成により、発光素子9から発せられた光が封止層8を透過する行路長が全方向で等しくなり、安定した良好な光学的特性を有する発光装置が得られる。
これに対して、例1では、堰止め層7の高さhが10μm以下となっており、硬化性のシリコーン樹脂材料の外側への濡れ拡がりを、堰止め層7が十分に抑えることができない。そのため、封止層8の底部の直径Dが堰止め層7の内周縁の直径(24mm)より大きくなるばかりでなく、封止層8の高さHが底部の直径Dの1/2よりずっと小さくなっている。そのため、透過する光の行路長が全方向で等しくなるような、安定した半球レンズ形の封止層8は形成されていないことがわかる。
1…発光装置、2…基体、3…搭載部、4…素子接続端子、5…外部電極端子、6…接続ビア、7…堰止め層、8…封止層、9…発光素子、11…ボンディングワイヤ、21…搭載面、22…非搭載面。

Claims (6)

  1. 無機絶縁材料からなり、一部が発光素子の搭載される搭載部となる搭載面を有する基体と、
    前記基体の前記搭載面上に形成された素子接続端子と、
    前記基体の前記搭載面上に前記搭載部を取り囲むように形成された、透光性のガラスからなる堰止め層と、
    前記基体の前記搭載部に搭載され、前記素子接続端子と電気的に接続された発光素子と、
    前記堰止め層の内側の領域に前記発光素子を覆うように設けられた樹脂からなる封止層と
    を備えることを特徴とする発光装置。
  2. 前記堰止め層の熱膨張係数は、前記基体の熱膨張係数よりも小さい請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記堰止め層は、円環形の平面形状を有し、高さが10〜50μmで幅が80〜300μmである請求項1または2に記載の発光装置。
  4. 前記封止層は、略半球状の立体形状を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の発光装置。
  5. 前記封止層は、流動性を有する硬化性樹脂材料のポッティングにより形成された層である請求項1〜4のいずれか1項に記載の発光装置。
  6. 無機絶縁材料からなり、一部が発光素子の搭載される搭載部となる搭載面を有する基体と、前記基体の前記搭載面上に形成された素子接続端子と、前記基体の前記搭載面上に前記搭載部を取り囲むように形成された透光性のガラスからなる堰止め層を有する発光素子用基板を作製する工程と、
    前記発光素子用基板の前記基体の前記搭載部に発光素子を搭載し、該発光素子を前記素子接続端子と電気的に接続する工程と、
    前記基体の前記搭載面上で前記堰止め層の内側の領域に、流動性を有する硬化性樹脂材料をポッティングし硬化させて、前記発光素子を覆う樹脂からなる封止層を形成する工程と
    を備えることを特徴とする発光装置の製造方法。
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