JP2013151663A - 衣料用仕上げ剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】衣料のしなやかさを損なうことなく、毛羽や毛玉の発生を抑制すると共に、中性条件下での洗濯であっても衣料に残存した衣料用仕上げ剤組成物の易洗性を向上させることができる衣料用仕上げ剤組成物及びこれを用いた衣料の処理方法を提供する。
【解決手段】炭素数が1〜16であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(a1)、及びエチレン性不飽和カルボン酸又はその塩(a2)を含有し、かつガラス転移温度が−40℃以上、0℃未満であるポリマー(A)、カチオン化澱粉(B)、及び水を含有する衣料用仕上げ剤組成物であって、前記ポリマー(A)中の(メタ)アクリル酸エステル(a1)の含有量が70〜99.5質量%であり、前記(B)中のカチオンのモル数に対する前記(A)中のアニオンのモル数の比[(A)/(B)]が10〜200である衣料用仕上げ剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、衣料用仕上げ剤組成物及びこれを用いた衣料の処理方法に関する。
近年、ファッション性に優れたニット衣料が増えている。ニット衣料は、糊料組成物の対象衣料となるシーツやYシャツ等の衣布帛に比べて、しなやかな風合いが求められる。ニット衣料は布帛に比べて、単繊維を甘く撚った糸を使用し、ニット編みという編み方で構成されている。ニット編みは、糸や糸を構成する単繊維が動きやすいため衣料全体にしなやかな風合いを与えている。
前記衣料は糸から構成され、糸は単繊維から構成されている。衣料は、着用等の使用により衣料同士が擦れたり、衣料が椅子等の衣料以外の対象物と擦れあったりすることで、その摩擦により毛羽立ちや毛玉が発生する。そして、前記毛羽立ちや毛玉が発生することで表面に凹凸が生じ、この凹凸に光が当たると影が生じるため衣料の色目がくすんで見え、美観的に好ましくない。とりわけ毛玉が生じると顕著に影が生じるため、美観上の課題が大きくなる。
前記のとおり、ニット衣料は単繊維を甘く撚った糸を使用しているため糸から単繊維が抜けやすく毛羽立ちや毛玉が発生しやすい。よって、ニット衣料の洗濯は、洗面器等の容器にニット衣料を浸漬することにより行われてきたが、近年、全自動洗濯機の高機能化により全自動洗濯機でも洗濯できるようになっている。
しかしながら、洗濯機の標準コース等の強い撹拌力下で洗濯した場合、型崩れ等の不具合が発生しやすいため、ドライコースや手洗いコース等の撹拌力が弱いコースで洗濯することが推奨されている。
また、ニット衣料はアルカリ性の水に浸漬して撹拌すると、縮みや型崩れが起こりやすいため中性洗浄剤の使用が推奨されている。
このようなニット衣料を洗濯するための組成物として、特許文献1には、ポリマーのガラス転移温度が−45℃〜20℃である(メタ)アクリル酸エステル系共重合体等を主成分として含有する繊維加工用樹脂組成物が開示されている。
また、特許文献2には、低級脂肪酸ビニルエステル等と不飽和カルボン酸の乳化重合により得られるエマルジョンを含有する糊料組成物が記載されている。
特開2008−248432号公報 特開平3−260174号公報
特許文献1の繊維加工用樹脂組成物は、しなやかな風合いを損なうことなく毛羽や毛玉の発生を抑制する効果を有するものではあるが、その効果は不十分であった。
また、特許文献2では、洗濯時に衣料に残存した糊料組成物の糊落ちをよくするために不飽和カルボン酸を配合しているが、中性条件下での洗濯における糊落ち性が十分ではなかった。また、特許文献2では、低級脂肪酸ビニルエステルを主に含む共重合体を使用するため、しなやかな風合いが損なわれるという問題があった。
本発明は、上記従来の課題を鑑みてなされたものであって、衣料のしなやかさを損なうことなく、毛羽や毛玉の発生を抑制すると共に、中性条件下での洗濯であっても衣料に残存した衣料用仕上げ剤組成物の洗濯除去性(以下、易洗性ともいう)を向上させることができる衣料用仕上げ剤組成物、及びこれを用いた衣料の処理方法を提供する。
本発明は、下記[1],[2]を提供する。
[1]炭素数が1〜16であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(a1)、及びエチレン性不飽和カルボン酸又はその塩(a2)を含有し、かつガラス転移温度が−40℃以上、0℃未満であるポリマー(A)、カチオン化澱粉(B)、及び水を含有する衣料用仕上げ剤組成物であって、前記ポリマー(A)中の(メタ)アクリル酸エステル(a1)の含有量が70〜99.5質量%であり、前記(B)中のカチオンのモル数に対する前記(A)中のアニオンのモル数の比[(A)/(B)]が10〜200である衣料用仕上げ剤組成物。
[2]前記衣料用仕上げ剤組成物の(A)成分を、衣料の質量に対して0.1〜1質量%となるように水浴中で接触させる衣料の処理方法。
本発明の衣料用仕上げ剤組成物は、衣料のしなやかさを損なうことなく、毛羽や毛玉の発生を抑制すると共に、中性条件下での洗濯であっても衣料に残存した衣料用仕上げ剤組成物の易洗性を向上させることができる衣料用仕上げ剤組成物及びこれを用いた衣料の処理方法を提供することができる。
[衣料用仕上げ剤組成物]
本発明の衣料用仕上げ剤組成物は、炭素数が1〜16であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(a1)、及びエチレン性不飽和カルボン酸又はその塩(a2)を含有し、かつガラス転移温度が−40℃以上、0℃未満であるポリマー(A)、カチオン化澱粉(B)、及び水を含有する衣料用仕上げ剤組成物であって、前記ポリマー(A)中の(メタ)アクリル酸エステル(a1)の含有量が70〜99.5質量%であり、前記(B)中のカチオンのモル数に対する前記(A)中のアニオンのモル数の比[(A)/(B)]が10〜200であるものである。
本発明の衣料用仕上げ剤組成物は、衣料のしなやかさを損なうことなく、毛羽や毛玉の発生を抑制することができると共に、中性条件下での洗濯における衣料用仕上げ剤組成物の易洗性に優れるものである。
なお、本明細書において「(メタ)アクリル酸エステル」とは、「アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル」をいう。
また、本明細書において「毛羽立ち」とは、摩擦によって単繊維が引っ張られ、糸から単繊維が抜けかけたり(視覚的には、糸表面から単繊維が飛び出したり)している状態、又は磨耗によって単繊維に亀裂が入り、単繊維表面から繊維片が剥離しかけたりする状態をいう。
また、「毛玉」とは衣料から抜け落ちた単繊維同士が絡まり、玉状になって衣料に再付着している状態、繊維上の前記毛羽同士が絡まって玉状になった状態、又は糸を構成する単繊維から剥離しかかった繊維片が繊維上で絡まって玉状となった状態をいう。
<ポリマー(A)>
ポリマー(A)(以下、(A)成分ともいう)は、炭素数が1〜16であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(a1)(以下、モノマー(a1)ともいう)、及びエチレン性不飽和カルボン酸又はその塩(a2)(以下、モノマー(a2)ともいう)を含有し、かつガラス転移温度が−40℃以上、0℃未満であるポリマーであって、モノマー(a1)を70〜99.5質量%含有するものである。
(A)成分中のモノマー(a1)の含有量が70質量%未満又は99.5質量%を超えると、毛羽立ちや毛玉の発生を十分に抑制することができず、また、衣料からの易洗性も低下する。前記(A)成分中のモノマー(a1)の含有量としては、毛羽立ちや毛玉の発生を抑制する観点、及び衣料用仕上げ剤組成物の衣料からの易洗性の観点から、80〜98質量%が好ましく、85〜95質量%がより好ましい。
(モノマー(a1))
モノマー(a1)は、炭素数が1〜16であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルである。
炭素数が1〜16であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルであって、前記アルキル基が炭素数1〜16のアルキル基である化合物を表す。
モノマー(a1)は、炭素数が1〜16であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルであれば特に制限はなく、ポリマー(A)が前記ガラス転移温度を満すのであれば1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
また、前記アルキル基はn−体、sec−体、tert−体、iso−体を含む、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよい。
モノマー(a1)としてアクリル酸エステルを用いる場合のアルキル基の炭素数は、ガラス転移温度の調節しやすさの観点から、2〜12が好ましく、3〜10がより好ましく、4〜8が更に好ましい。
具体的な化合物としては、アクリル酸エチルエステル、アクリル酸n−プロピルエステル、アクリル酸n−ブチルエステル、アクリル酸iso−ブチルエステル、アクリル酸tert−ブチルエステル、アクリル酸n−ペンチルエステル、アクリル酸n−ヘキシルエステル、アクリル酸n−ヘプチルエステル、アクリル酸n−オクチルエステル、アクリル酸2−エチルヘキシルエステルが好ましく、アクリル酸n−ブチルエステル、アクリル酸iso−ブチルエステル、アクリル酸tert−ブチルエステル、アクリル酸2−エチルヘキシルエステルがより好ましく、アクリル酸n−ブチルエステルが更に好ましい。
モノマー(a1)としてメタクリル酸エステルを用いる場合のアルキル基の炭素数は、ガラス転移温度の調節しやすさの観点から、1〜8が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜2が更に好ましい。
具体的な化合物としては、メタクリル酸メチルエステル、メタクリル酸エチルエステル、メタクリル酸n−プロピルエステル、メタクリル酸n−ブチルエステル、メタクリル酸iso−ブチルエステル、メタクリル酸tert−ブチルエステル、メタクリル酸2−エチルヘキシルエステルが好ましく、メタクリル酸メチルエステル、メタクリル酸エチルエステルがより好ましく、メタクリル酸メチルエステルが更に好ましい。
モノマー(a1)としては、ポリマー(A)のガラス転移温度を−40℃以上、0℃未満の範囲に調整する観点から、メタクリル酸エステルと、アクリル酸エステルとを併用することが好ましい。
両者を併用する場合、炭素数が1〜6のアルキル基を有するメタクリル酸エステルと炭素数が2〜6のアルキル基を有するアクリル酸エステルとを併用することが好ましく、炭素数が1〜2のアルキル基を有するメタクリル酸エステルと炭素数が3〜5のアルキル基を有するアクリル酸エステルとを併用することがより好ましく、メタクリル酸メチルエステルとアクリル酸n−ブチルエステルとの併用が更に好ましい。
ガラス転移温度を−40℃以上、0℃未満にする際に、メタクリル酸エステルとアクリル酸エステルとを併用する際の質量比[アクリル酸エステル/メタクリル酸エステル]は、(A)成分のガラス転移温度を前記範囲に調整する観点から、99/1〜55/45が好ましい。より好ましくは、80/20〜56/44である。
(モノマー(a2))
モノマー(a2)は、エチレン性不飽和カルボン酸又はその塩である。本明細書において、「エチレン性不飽和カルボン酸」とは、分子内にビニル基及びカルボキシ基を有する化合物をいう。
エチレン性不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等が挙げられる。これらの中では、原料の入手容易性の観点から、アクリル酸、メタクリル酸が好ましく、アクリル酸がより好ましい。
エチレン性不飽和カルボン酸塩としては、前記エチレン性不飽和カルボン酸のアルカリ金属塩、及びアルカリ土類金属塩を挙げることができる。また、エチレン性不飽和カルボン酸塩は、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩であってもよい。エチレン性不飽和カルボン酸塩は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
(A)成分中のモノマー(a2)の割合は、毛羽立ちや毛玉の発生を抑制する効果を更に高める観点、及び衣料用仕上げ剤組成物の衣料からの易洗性を向上させる観点から、0.1〜5質量%が好ましく、0.3〜3質量%がより好ましく、0.4〜2質量%がより好ましく、0.6〜1.9質量%がより好ましく、0.8〜1.8質量%が更に好ましい。
本明細書において、(A)成分のガラス転移温度(Tg)は、各モノマー(i)のホモポリマーのガラス転移温度〔Tg(i)〕から、下記計算式(I)にしたがって共重合体のガラス転移温度(Tg)を算出した。ただし、小数点以下は四捨五入し、共重合体が多官能性モノマーを含む場合には、該多官能性モノマーを除いたモノマーについて計算を行った。各モノマー(i)のホモポリマーのガラス転移温度は、表1に記載のモノマーを使用する場合には、表1に記載の値を用いた。また、表1に記載のないモノマーを用いる場合には、ガラス転移温度(Tg)は、「ポリマーハンドブック、Fourth EditionVolume1, WILEY-INTERSCIENCE, A John Wiley & Sons, Inc., Publication,1999」に記載のホモポリマーの値を用いた。
Figure 2013151663
Figure 2013151663
(式中、Tgは共重合体のガラス転移温度(℃)であり、Tg(i)は共重合体を構成する各モノマー(i)のホモポリマーのガラス転移温度であり、wiは共重合体を構成するモノマー(i)の重量分率である。)
(a)成分のガラス転移温度(Tg)は、−40℃以上、0度未満である。ガラス転移温度(Tg)が−40℃未満又は0℃以上であると、着用等の際に衣類に発生する毛羽を抑制することができない。また、ガラス転移温度(Tg)が0℃以上であると、衣料のしなやかな風合いが損なわれる課題がある。毛羽の発生を抑制する観点から、ガラス転移温度(Tg)は、−30℃〜−5℃が好ましく、−25〜−8℃がより好ましい。また、全自動洗濯機の仕上げ剤投入口に衣類用仕上げ剤組成物が残留することを防止する観点から、(a)成分のガラス転移温度(Tg)は−25℃〜−5℃が更に好ましい。
(A)成分は、モノマー(a1)、(a2)で構成されていてもよいが、モノマー(a1)、(a2)とこれら以外の他のモノマーとで構成されていてもよい。
モノマー(a1)、(a2)以外のモノマーを用いる場合、(A)成分中のモノマー(a1)の割合は、毛羽や毛玉の発生を抑制する観点から、70質量%以上が好ましく、80〜98質量%がより好ましく、85〜95質量%が更に好ましい。
モノマー(a1)及びモノマー(a2)と共重合できる他のモノマーとして、例えばモノマー(a3)を用いることができる。
(モノマー(a3))
モノマー(a3)は、炭素数が2〜4であるヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルである。炭素数2〜4であるヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとは、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルであって、前記ヒドロキシアルキル基の炭素数が2〜4であることをいう。モノマー(a3)を用いることにより毛羽立ちや毛玉の発生を抑制する効果が更に向上する。
モノマー(a3)のヒドロキシアルキル基としては、毛羽立ちや毛玉の発生を抑制する観点から、炭素数2〜3のヒドロキシアルキル基が好ましく、炭素数2のヒドロキシアルキル基がより好ましい。
炭素数が2〜4のヒドロキシアルキル基を有するメタクリル酸エステルの具体例としては、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピルエステル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチルエステル等が挙げられる。
炭素数が2〜4のヒドロキシアルキル基を有するアクリル酸エステルの具体例としては、アクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピルエステル、アクリル酸4−ヒドロキシブチルエステル等が挙げられる。
これらの中では、毛羽立ちや毛玉の発生を抑制する観点、衣料にしなやかな風合いを付与する観点及び洗浄時の(A)成分の衣料からの易洗性を向上させる観点から、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル及びアクリル酸2−ヒドロキシエチルエステルが好ましい。
衣料からの易洗性及び毛羽立ちや毛玉の発生を抑制する観点から、(A)成分中のモノマー(a3)の割合は1〜15質量%が好ましく、2〜10質量%がより好ましく、3〜8質量%が更に好ましい。
本発明の(A)成分は、毛羽立ち、毛玉の発生を抑制する観点から、前記モノマー(a1)、モノマー(a2)及びモノマー(a3)を含む共重合体であることが好ましい。
なお、(A)成分を構成するモノマーとしては、(A)成分の効果に影響を及ぼさない範囲で、前記モノマー(a1)、モノマー(a2)、モノマー(a3)以外のモノマーを使用してもよい。
(A)成分の重量平均分子量(Mw)は、5万〜50万が好ましく、10万〜45万がより好ましく、20万〜40万が更に好ましい。
なお、(A)成分の重量平均分子量(Mw)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)測定による値をいう。より具体的には、溶離液としてクロロホルム、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトン及びこれらの溶媒を組み合わせた液のいずれか、好ましくはジメチルホルムアミドを使用して測定したポリスチレン換算の分子量をいう。
(A)成分は溶液重合や乳化重合等の方法で製造することができるが、生成物の取り扱いの容易性の観点から、乳化重合で製造することが好ましい。乳化重合の方法としては、例えば特開2008−88414号公報に記載の方法を挙げることができる。
<カチオン化澱粉(B)>
本発明においては、(A)成分の衣料への吸着性を高めることを目的として、また、(A)成分を乳化重合等で製造する際の乳化安定化剤として、カチオン化澱粉(B)を用いる(以下、(B)成分ともいう。)。
カチオン化澱粉の主骨格を形成する澱粉類としては、特開2010−180320号公報に記載の澱粉等を用いることができる。具体的には、コーンスターチ、小麦スターチ、ポテトスターチ、タピオカスターチ等の澱粉が挙げられる。
前記澱粉にカチオン基を導入してカチオン化澱粉とする方法は特に限定されず、例えば、澱粉類と四級アンモニウムアルキル化試薬とを反応させる方法が挙げられる。
四級アンモニウムアルキル化試薬としては、例えば、特開2010−180320号公報に記載のグリシジル基を有する4級アンモニウム化合物を挙げることができ、化合物の入手の容易性の観点から、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリドが好ましい。
四級アンモニウムアルキル化試薬の具体的な製造方法としては、例えば特開昭56−36501号公報、特開平6−100603号公報、特開2010−180320号公報、及び特開平8−198901号公報等に記載の方法が挙げられる。
(B)成分であるカチオン化澱粉の窒素原子の含有量(以下、N質量%ともいう)は、0.01〜1.5質量%が一般的であるが、(A)成分の衣料への吸着性をより高める点から、0.3〜1.3質量%が好ましく、0.4〜1質量%がより好ましく、0.5〜0.9質量%が更に好ましい。
本明細書において、N質量%は(B)成分の全質量に対して第4級アンモニウム基由来の窒素原子の含有量(質量%)をいう。N質量%は、「第十二改正日本薬局方」(財団法人日本公定書協会・第一法規出版(株)発行)の第43〜44頁に記載された窒素定量法(セミミクロケルダール法)に基づいて行うことができる。
(B)成分であるカチオン化澱粉の重量平均分子量は、毛羽立ち、毛玉の発生を抑制する観点から、10万〜190万が好ましく、30万〜170万がより好ましく、50万〜150万がより好ましく、80万〜130万が更に好ましい。
<各成分の含有量>
本発明の衣料用仕上げ剤組成物においては、前記(B)成分中のカチオンのモル数に対する前記(A)中のアニオン(カルボン酸又はその塩)のモル数の比[(A)/(B)]を10〜200とする。このモル数の比が10未満であると、衣料用仕上げ剤組成物の衣料からの易洗性は向上するが、毛羽立ちや毛玉の発生を抑制する効果が悪化し、衣料のしなやかな風合いが損なわれる。一方、モル数の比が200を超えると、衣料に対する吸着性が悪化や、衣料からの易洗性が悪化する。このモル数の比は、毛羽立ちや毛玉の発生を抑制する観点、(A)成分の易洗性を向上させる観点、衣料の風合いを維持する観点から、20〜180が好ましく、25〜130がより好ましく、30〜80が更に好ましい。
衣料用仕上げ剤組成物中の(A)成分の含有量は、1〜50質量%が好ましく、洗濯1回当たりの前記衣料用仕上げ剤組成物の使用量を低減させる点から、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、12質量%以上が更に好ましい。また衣料用仕上げ剤組成物中の(A)成分の含有量は、仕上げ剤投入口への付着性を低減する観点から、35質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下が更に好ましい。
(A)成分と(B)成分とは、それぞれ別々に製造して配合してもよく、(A)成分の製造に際に(A)成分と(B)成分とを混合してもよい。
<ポリオキシアルキレン付加型非イオン性界面活性剤(C)>
衣料用仕上げ剤組成物には、各種界面活性剤を配合してもよい。界面活性剤としては、毛羽立ち、毛玉の発生を更に抑制する観点から、ポリオキシアルキレン付加型非イオン性界面活性剤(以下、(C)成分ともいう。)を挙げることができる。(C)成分は前記(A)成分の製造時に使用しても良く、(A)成分とは別々に衣料用仕上げ剤組成物に用いても良い。
(C)成分の具体的例としては、分子内に炭素数8〜18の炭化水素基を少なくとも1つ有し、ポリオキシアルキレン基を20〜100モル有する化合物を挙げることができる。この化合物としては、炭素数8〜18のアルコールにポリオキシアルキレン基が20〜100モル付加したものが好ましい。
オキシアルキレン基としては、オキシエチレン基が好ましい。(C)成分の含有量は、毛羽立ち、毛玉の発生を抑制する観点から、(A)成分の質量に対して3〜40質量が好ましく、7〜20質量%がより好ましい。
<炭素数が2〜6であり2〜6価のアルコール(D)>
本発明の衣料用仕上げ剤組成物は、貯蔵安定性の高める観点から、炭素数が2〜6であり2〜6価のアルコール(以下、(D)成分ともいう)を使用することが好ましい。具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール等が挙げられる。
<シリコーン化合物(E)>
本発明の衣料用仕上げ剤組成物は、なめらかな風合いを付与する観点から、シリコーン化合物(以下、(E)成分ともいう)を使用することが好ましい。
(E)成分のシリコーン化合物としては、ジメチルシリコーン(ジメチルシロキサン)や変性シリコーン、例えば、アミノ変性シリコーン、アミド変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノポリエーテル変性シリコーン、アミドポリエーテル変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン等を挙げることができる。
これらの中では、なめらかな風合いを付与する観点から、ジメチルシリコーン、アミノ変性シリコーン、アミド変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノポリエーテル変性シリコーン、アミドポリエーテル変性シリコーンから選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
ジメチルシリコーンの重量平均分子量は、なめらかな風合いを付与する観点から、1,000〜100万が好ましく、3,000〜50万がより好ましく、5,000〜25万が更に好ましい。
ジメチルシリコーンの25℃における動粘度は、100〜100万mm2/sが好ましく、500〜70万mm2/sがより好ましく、1,000〜50万mm2/sが更に好ましい。
アミノ変性シリコーンのアミノ当量(アミノ当量とは窒素原子1個当たりの分子量)は、なめらかな風合いを付与する観点から、200〜40,000g/molが好ましく、2,500〜20,000g/molがより好ましく、3,000〜10,000g/molが更に好ましい。
また、アミノ変性シリコーンの25℃における動粘度は、100〜20000mm2/sが好ましく、200〜10000mm2/sがより好ましく、500〜5000mm2/sが更に好ましい。
ポリエーテル変性シリコーン、アミノポリエーテル変性シリコーン及びアミドポリエーテル変性シリコーンとしては、なめらかな風合いを付与する観点から、1質量%水溶液の曇点が80℃以下の化合物が好ましく、更に70℃以下の化合物が好ましい。
また、ポリエーテル変性シリコーン、アミノポリエーテル変性シリコーン及びアミドポリエーテル変性シリコーンの25℃における動粘度は、100〜6500mm2/sが好ましく、200〜6000mm2/sがより好ましく、500〜5500mm2/sが更に好ましい。
(E)成分は、オイル状のものをそのまま使用しても差し支えないが、本発明の組成物の製造上の観点から、(E)成分の粒子が水中に分散した水性エマルジョンの形態で配合することが好ましい。(E)成分の水性エマルジョンを得るためには、乳化剤として界面活性剤を用いることが好ましい。
前記乳化剤としての界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、脂肪酸塩等の陰イオン性界面活性剤、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸アルカノールアミド又はそのアルキレンオキサイド付加物、蔗糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン性界面活性剤、アミンオキサイド、スルホベタイン、カルボベタイン等の両性界面活性剤、トリ長鎖アルキル4級アンモニウム塩等の陽イオン性界面活性剤を用いることができる。
(E)成分を水性エマルジョンとした場合における乳化粒子の平均粒径は、繊維製品等の風合いを維持する観点から、0.01〜10μmが好ましく、0.01〜5μmがより好ましく、0.01〜1μmが更に好ましい。
本発明の衣料用仕上げ剤組成物中の(E)成分の含有量は、なめらかな風合いを付与する観点から、0.1〜30質量%が好ましく、0.3〜20質量%がより好ましく、0.5〜10質量%が更に好ましい。
(A)成分に対する(E)成分の質量比[(E)/(A)]は、なめらかな風合いを付与する観点から、0.02〜1が好ましく、0.03〜0.9がより好ましく、0.05〜0.8が更に好ましい。
前記のとおり、本発明の衣料用仕上げ剤組成物は、衣料のしなやかさを損なうことなく毛羽や毛玉の発生を抑制すると共に、中性条件下での洗濯であっても衣料に残存した衣料用仕上げ剤組成物の易洗性を向上させることができるため、ニット衣料の仕上げに好適に用いることができる。
本発明においては、さらに、香料、染料、消泡剤、抗菌剤、殺菌剤、酸化防止剤、キレート剤、防腐剤及びpH調整剤等の任意の成分必要に応じて用いることができる。
[衣料の処理方法]
本発明の衣料の処理方法は、前記衣料用仕上げ剤組成物の(A)成分を、衣料の質量に対して0.1〜1質量%となるように水浴中で接触させるものであり、毛羽立ち、毛玉の発生を効果的に抑制することができる。衣料の質量に対する衣料用仕上げ剤組成物の(A)成分の量が0.1質量%未満であると、前記衣料用仕上げ剤組成物を用いることによる効果を十分に得ることができず、1質量%を超えると経済的に好ましくない。衣料の質量に対する(A)成分の量は、しなやかな風合いの付与と、毛羽や毛玉抑制効果を衣料に付与する観点から、0.12〜0.8質量%がより好ましく、0.15〜0.6質量%が更に好ましい。
前記衣料用仕上げ剤を溶解させる水の量は、一般的に浴比で決めることができる。なお、本明細書において「浴比」とは、衣料の質量と衣料用仕上げ剤を含有する水の容量の比、[水の容量(リットル)]/[衣料の質量(kg)]をいう。
洗濯機等を用いて衣料用仕上げ剤を溶解させた水を撹拌しながら衣料と衣料用仕上げ剤組成物とを接触させる場合には、衣料同士の擦れを少なくし、毛羽・毛玉の発生を抑制する観点から、浴比は10〜90が好ましく、20〜80がより好ましく、30〜60が更に好ましい。
また、前記衣料の処理方法で衣料を処理する場合において、前記衣料用仕上げ剤組成物の(A)成分の衣料に対する吸着量は、毛羽立ち、毛玉の発生を効果的に抑制する観点から、衣料の質量に対して0.05〜0.4質量%が好ましく、しなやかな風合いの付与と、毛羽や毛玉抑制効果を衣料に付与する観点から、0.08〜0.3質量%がより好ましく、0.1〜0.2質量%が更に好ましい。
まず、以下の合成例にしたがって各成分の合成を行った。なお、(A)成分及び(A)成分の比較化合物である(A’)成分のモノマー組成を表2に示す。
[各成分の合成例]
<(A)成分の合成例>
合成例1:(a−1)成分の合成
窒素雰囲気下、反応容器に下記合成例16で得られたカチオン化澱粉1.1重量部、ポリビニルアルコール(日本合成化学製、GL−05)0.2重量部、及びイオン交換水48.7重量部を90℃にて均一溶解したのち60℃まで冷却した。これに、アクリル酸n−ブチル0.3重量部、メタクリル酸メチル0.2重量部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王(株)製、エマルゲン150)1.68重量部、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩0.03重量部、及びイオン交換水19.4重量部を加え、75℃に加熱して重合を開始した。重合開始後、5時間かけてメタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルの最終比が(重量比19/75/1/5)になるように予め混合しておいたもの16.2重量部、及び2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩0.05重量部をイオン交換水11.9重量部に溶解した水溶液を反応溶液中に滴下した。滴下終了後、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩0.004重量部を加え、1時間そのまま撹拌を続けた。冷却後、255メッシュにて反応溶液を濾過し、重合体重量が約20%の基剤を得た。
得られた基剤5gを20mLのメスフラスコに入れ、アセトンでメスアップした後、0.5μmのPTFEメンブランフィルターでろ過した。ろ液を用い、GPCにて分子量を測定したところ、重合平均分子量は33万であった。GPC測定条件を下記に示す。
カラム :α−M+α−M(アニオン)
溶離液 :H3PO4(60mmol/L)/LiBr(50mmol/
L)/DMF
流速 :1.0mL/min
カラム温度 :40℃
検出器 :RI
サンプル濃度:5mg/mL
サンプル量 :100μL
合成例2:(a−2)成分の合成
メタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルの最終比が(重量比27/67/1/5)になるように、合成例1と同様の方法で合成し基剤を得た。合成例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重合平均分子量は32万であった。
合成例3:(a−3)成分の合成
メタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルの最終比が(重量比31/63/1/5)になるように、合成例1と同様の方法で合成し基剤を得た。合成例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重合平均分子量は35万であった。
合成例4:(a−4)成分の合成
下記合成例16で得られたカチオン化澱粉の添加量を2.2重量部に変え、メタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルの最終比が(重量比31/63/1/5)になるように、合成例1と同様の方法で合成し基剤を得た。合成例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重合平均分子量は35万であった。
合成例5:(a−5)成分の合成
下記合成例16で得られたカチオン化澱粉の添加量を0.67重量部に変え、メタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルの最終比が(重量比31/63/1/5)になるように、合成例1と同様の方法で合成し基剤を得た。合成例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重合平均分子量は33万であった。
合成例6:(a−6)成分の合成
窒素雰囲気下、反応容器に下記合成例16で得られたカチオン化澱粉0.69重量部、ポリビニルアルコール(日本合成化学製、GL−05)0.2重量部、及びイオン交換水48.7重量部を90℃にて均一溶解したのち60℃まで冷却した。これに、アクリル酸n−ブチル0.3重量部、メタクリル酸メチル0.2重量部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王(株)製、エマルゲン150)1.05重量部、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩0.03重量部、及びイオン交換水19.4重量部を加え、75℃に加熱して重合を開始した。重合開始後、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルの最終比が(重量比63/31/1/5)になるように予め混合しておいたもの16.2重量部、及び2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩0.05重量部をイオン交換水11.9重量部に溶解した水溶液を、5時間かけて反応溶液中に滴下した。滴下終了後、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩0.004重量部を加え、1時間そのまま撹拌を続けた。冷却後、255メッシュにて反応溶液を濾過し、重合体重量が約20%の基剤を得た。得られた基剤をエバポレーターにて減圧濃縮し、重合体重量が約30%の基剤を得た。合成例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重合平均分子量は38万であった。
合成例7:(a−7)成分の合成
窒素雰囲気下、反応容器に下記合成例16で得られたカチオン化澱粉1.1重量部、ポリビニルアルコール(日本合成化学製、GL−05)0.2重量部、及びイオン交換水48.7重量部を90℃にて均一溶解したのち60℃まで冷却した。これに、アクリル酸n−ブチル0.3重量部、メタクリル酸メチル0.2重量部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王(株)製、エマルゲン150)1.68重量部、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩0.03重量部、及びイオン交換水19.4重量部を加え、75℃に加熱して重合を開始した。重合開始後、メタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルの最終比が(重量比31/63/1/5)になるように予め混合しておいたもの10.6重量部、及び2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩0.05重量部をイオン交換水11.9重量部に溶解した水溶液を、5時間かけて反応溶液中に滴下した。滴下終了後、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩0.004重量部を加え、1時間そのまま撹拌を続けた。冷却後、255メッシュにて反応溶液を濾過し、重合体重量が約15%の基剤を得た。合成例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重合平均分子量は32万であった。
合成例8:(a−8)成分の合成
下記合成例16で得られたカチオン化澱粉を添加せず、メタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルの最終比が(重量比31/63/1/5)になるように、合成例1と同様の方法で合成し基剤を得た。合成例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重合平均分子量は33万であった。
合成例9:(a−9)成分の合成
下記合成例16で得られたカチオン化澱粉の添加量を0.22重量部に変え、メタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルの最終比が(重量比31/63/1/5)になるように、合成例1と同様の方法で合成し基剤を得た。合成例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重合平均分子量は32万であった。
合成例10:(a−10)成分の合成
下記合成例16で得られたカチオン化澱粉の添加量を6.7重量部に変え、メタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルの最終比が(重量比31/63/1/5)になるように、合成例1と同様の方法で合成し基剤を得た。合成例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重合平均分子量は35万であった。
合成例11:(a−11)成分の合成
メタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルの最終比が(重量比38/56/1/5)になるように、合成例1と同様の方法で合成し基剤を得た。合成例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重合平均分子量は36万であった。
合成例12:(a−12)成分の合成
メタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルの最終比が(重量比35/64/1/0)になるように、合成例1と同様の方法で合成し基剤を得た。合成例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重合平均分子量は38万であった。
合成例13:(a−13)成分の合成
メタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルの最終比が(重量比31.7/63/0.3/5)になるように、合成例1と同様の方法で合成し基剤を得た。合成例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重合平均分子量は30万であった。
合成例14:(a−14)成分の合成
メタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルの最終比が(重量比31.5/63/0.5/5)になるように、合成例1と同様の方法で合成し基剤を得た。合成例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重合平均分子量は32万であった。
合成例15:(a−15)成分の合成
メタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルの最終比が(重量比31.3/63/0.7/5)になるように、合成例1と同様の方法で合成し基剤を得た。合成例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重合平均分子量は33万であった。
<(A’)成分((A)成分の比較化合物)の合成例>
比較合成例1:(a’−1)成分の合成
メタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルの最終比が(重量比32/63/0/5)になるように、合成例1と同様の方法で合成し基剤を得た。合成例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重合平均分子量は28万であった。
比較合成例2:(a’−2)成分の合成
メタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルの最終比が(重量比36/64/0/0)になるように、合成例1と同様の方法で合成し基剤を得た。合成例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重合平均分子量は40万であった。
比較合成例3:(a’−3)成分の合成
メタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルの最終比が(重量比0/94/1/5)になるように、合成例1と同様の方法で合成し基剤を得た。合成例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重合平均分子量は32万であった。
比較合成例4:(a’−4)成分の合成
メタクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルの最終比が(重量比49/45/1/5)になるように、合成例1と同様の方法で合成し基剤を得た。合成例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重合平均分子量は35万であった。
比較合成例5:(a’−5)成分の合成
窒素雰囲気下、反応容器に下記合成例16で得られたカチオン化澱粉1.1重量部、ポリビニルアルコール(日本合成化学製、GL−05)0.2重量部、及びイオン交換水48.7重量部を90℃にて均一溶解したのち60℃まで冷却した。これに、酢酸ビニル0.5重量部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王(株)製、エマルゲン150)1.68重量部、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩0.03重量部、及びイオン交換水19.4重量部を加え、75℃に加熱して重合を開始した。重合開始後、アクリル酸エチル、アクリル酸、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、酢酸ビニルの最終比が(重量比4.5/2/4.5/89)になるように予め混合しておいたもの16.2重量部、及び2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩0.05重量部をイオン交換水11.9重量部に溶解した水溶液を、5時間かけて反応溶液中に滴下した。滴下終了後、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩0.004重量部を加え、1時間そのまま撹拌を続けた。冷却後、255メッシュにて反応溶液を濾過し、重合体重量が約20%の基剤を得た。合成例1と同様の方法で分子量を測定したところ、重合平均分子量は12万であった。
Figure 2013151663
<(B)成分の合成例>
合成例16:(b−1)成分の合成
プロペラ型撹拌羽根、冷却管、温度計がついた500mL容量の4つ口フラスコに苛性ソーダ0.9g、イオン交換水45g、イソプロピルアルコール100gを入れ、25℃に調温した。以下の操作は撹拌条件下で行った。コーンスターチ(三和澱粉工業(株)製)100gを30分かけて投入した。更に苛性ソーダの20%水溶液9.7gと3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド150gとの混合物を4つ口フラスコ内に投入した。投入後50℃まで昇温し、10時間撹拌した。次に36%塩酸水溶液で反応液のpHを7に調製した後、25℃まで冷却した。更に36%塩酸水溶液2.3gを加えた後、40℃まで昇温し、反応液の粘度が50〜100mPa・sになるまで撹拌した。次いで5%苛性ソーダ水溶液で反応液のpHを5.0に調整した。この反応物をイソプロピルアルコール/水(質量比50/50)で2回洗浄し、乾燥させた。標準プルランを標準物質として用い、GPCにて分子量を測定したところ、重量平均分子量は97.2万であった。また、N質量%は0.67質量%であった。
[実施例1〜12、比較例1〜9]
表4に示す配合量にしたがって衣料用仕上げ剤組成物を調製した。表4の各組成物は、合計で100質量%となる。得られた組成物について、後述の評価方法に沿って、毛羽立ち及び毛玉抑制効果、衣料の風合い低減抑制効果、衣料用仕上げ剤組成物の吸着性、及び衣料用仕上げ剤組成物の易洗性を評価した。結果を表4に示す。
<(A)成分>
(a―1):上記合成例1で得られたポリマー(Tg:−29℃)
(a−2):上記合成例2で得られたポリマー(Tg:−20℃)
(a−3):上記合成例3で得られたポリマー(Tg:−15℃)
(a−4):上記合成例4で得られたポリマー(Tg:−15℃)
(a−5):上記合成例5で得られたポリマー(Tg:−15℃)
(a−6):上記合成例6で得られたポリマー(Tg:−15℃)
(a−7):上記合成例7で得られたポリマー(Tg:−15℃)
(a−8):上記合成例8で得られたポリマー(Tg:−15℃)
(a−9):上記合成例9で得られたポリマー(Tg:−15℃)
(a−10):上記合成例10で得られたポリマー(Tg:−15℃)
(a−11):上記合成例11で得られたポリマー(Tg:−6℃)
(a―12):上記合成例12で得られたポリマー(Tg:−15℃)
(a−13):上記合成例13で得られたポリマー(Tg:−15℃)
(a−14):上記合成例14で得られたポリマー(Tg:−15℃)
(a−15):上記合成例15で得られたポリマー(Tg:−15℃)
<(A’)成分:(A)成分の比較化合物>
(a’−1):上記比較合成例1で得られたポリマー(Tg:−15℃)
(a’−2):上記比較合成例2で得られたポリマー(Tg:−15℃)
(a’−3):上記比較合成例3で得られたポリマー(Tg:−49℃)
(a’−4):上記比較合成例4で得られたポリマー(Tg:10℃)
(a’−5):上記比較合成例5で得られたポリマー(Tg:31℃)
<(B)成分>
(b−1):上記合成例16で得られたカチオン化澱粉
(N質量%は0.67質量%、重量平均分子量97.2万)
<任意成分>
<(C)成分>
(c−1):ポリオキシエチレン(平均付加モル数:50モル)ラウリルエーテル
<(D)成分>
(d−1):プロピレングリコール
<衣料用仕上げ剤組成物の調製方法>
300mLビーカーに衣料用仕上げ剤組成物の全量が200gになる量のイオン交換水(温度:25℃)を入れた。このビーカーに(D)成分を投入して均一に溶解させた後10分間撹拌した。さらに2cmの羽根が3枚ついたタービン型の撹拌羽根で撹拌(300rpm)しながら上記合成例にて得られた基剤((A)成分と(B)成分と(C)成分)を投入して10分間撹拌した。
<衣料用仕上げ剤組成物の処理方法>
<試験布の準備>
T/Cニット布(ポリエステル65%、綿35%、エアーフライスF401−F11、マスダ(株)製)2kgを市販の液体洗剤(花王(株)のアタックバイオジェル(登録商標)、2011年製)を用いて全自動洗濯機(HITACHI NW−7FT)で5回繰り返し洗濯した(洗剤濃度0.083質量%、水道水(20℃)40L使用、標準コース、洗濯9分−すすぎ2回−脱水6分、浴比1/20)。
洗濯したT/Cニット布を25℃/50%RHの環境下で12時間乾燥させて10×10cm角に裁断し、試験布(X1)とした。
次いで、500mlガラスビーカーに水道水(炭酸塩アルカリ度:37mg/lCaCO3)300g、及び表4に示す実施例1〜12、比較例1〜9の衣料用仕上げ剤組成物0.30gをそれぞれ加えてマグネットスターラーと回転子(クロスヘッド回転子ダブル、型番001.1140、高さ14mm、直径40mm、アズワン製)を使用して10分間撹拌した(回転速度400rpm)。撹拌後、この溶液に試験布(X1)を4枚(10g)入れ、5分間撹拌した(回転速度400rpm)。その後、二層式洗濯機(TOSHIBA VH−52G(H))を用い、試験布(X1)を脱水槽の内壁に貼りつけ2分間脱水し、25℃/50%RHの環境下で12時間乾燥させ、これを試験布(X2)とした。
<毛羽立ち及び毛玉抑制効果の評価法>
実施例1〜12及び比較例1〜9の衣料用仕上げ剤組成物で処理した各試験布(X2)をアピアランス・リテンションテスター(ARP−1、大栄科学精器製作所製)を用いて荷重3.2Nにて2回転摩擦した。
摩擦した各試験布(X2)の毛羽立ちレベルを以下の基準サンプル1〜4と比較して下記判定基準にて得点をつけて平均点を求めることにより評価した。なお、評価は布帛の外観の評価に5年以上従事した判定者10人(30歳代)により行った。
毛羽立ち抑制効果としては3.5以下が合格であり、3.0以下がより好ましく、3.0未満が更に好ましい。
基準サンプル1:未処理の前記T/Cニット布(評価点:0)
基準サンプル2:試験布(X1)(評価点:2.0)
基準サンプル3:実施例1の衣料用仕上げ剤組成物0.2gで処理した試験布
(X2)(評価点:3.5)
基準サンプル4:比較例1の試験布(X2)(評価点:5.0)
〔判定基準〕
0 :基準サンプル1の試験布と同等の外観で、毛羽も毛玉もない。
1.0:基準サンプル1と2の試験布の中間の外観で、極わずかに毛羽立ちが
あるが、毛玉はない。
2.0:基準サンプル2の試験布と同等の外観で、僅かに毛羽立ちがあるが、
毛玉はない。
2.5:基準サンプル2と3の試験布の間の外観であるが、どちらかというと
基準サンプル2の外観に近く、基準サンプル2よりも毛羽立ちは多い
が、毛玉はない。
3.0:基準サンプル2と3の試験布の間の外観であるが、どちらかというと
基準サンプル3の外観に近く、毛羽立ちがあるが、毛玉はない。
3.5:基準サンプル3の試験布と同等の外観で、毛羽立ちはあるが、毛玉は
ない。
4.0:基準サンプル3と4の試験布の間の外観であるが、どちらかというと
基準サンプル3の外観に近く、毛羽立ちがあり、やや毛玉がある。
4.5:基準サンプル3と4の試験布の外観の間であるが、どちらかというと
基準サンプル4の外観に近く、毛羽立ちがあり、毛玉がある。
5.0:基準サンプル4の試験布と同等の外観で、毛羽立ちも毛玉もある。
<風合いの評価法>
各試験布(X2)を25℃/50%RHの恒温恒湿室に24時間静置して調湿処理し、自動化純曲げ試験機(KES−FB2−AUTO−A、カトーテック(株)製、条件;曲げ変形速度0.5cm-1/sec、最大極率±2.5cm-1、クランプ間隔1cm、布の向き 縦方向(衣服材料の科学[第2版]に記載の編地のウェール方向))を用いて、極率が0.5〜1.5cm-1での布の曲げ剛性(B値)を測定した。
一方、試験布(X1)に対して衣料用仕上げ剤組成物を用いずに水道水だけで処理を行ったこと以外は試験布(X2)を得るための処理と同様の処理を行い、25℃/50%RHの環境下で調湿処理したものを対照品とした。
衣料用仕上げ剤組成物で処理したものと、対照品とのB値の差(△B値)を下記式により算出した。
△B値(gf・cm2/cm)=(組成物処理品の曲げ剛性)−(対象品の曲げ剛性)
風合いは、△B値が0.05以下であることが好ましく、0.03以下であることがより好ましい。
<吸着率の評価法>
(1)試験布の準備
木綿メリヤス布(綿100%、蛍光晒、(株)谷頭商店製)2kgを市販の液体洗剤(花王(株)のアタックバイオジェル(登録商標)、2011年製)を用いて全自動洗濯機(HITACHI NW−7FT)で5回繰り返し洗濯した(洗剤濃度0.083質量%、水道水(20℃)40L使用、標準コース、洗濯9分−すすぎ2回−脱水6分、浴比1/20)。
洗濯後、25℃/50%RHの環境下で12時間乾燥させて10×10cm角に裁断したものを試験布(Y1)として用いた。
(2)試験布の処理方法
300mlガラスビーカーに水道水(炭酸塩アルカリ度:37mg/lCaCO3)130g、及び表4に示す実施例1〜12及び比較例1〜9の衣料用仕上げ剤組成物1.5gをそれぞれ加えてマグネットスターラーと回転子(クロスヘッド回転子ダブル、型番001.1140、高さ14mm、直径40mm、アズワン製)で10分間撹拌した(回転速度400rpm)。撹拌後、各試験布(Y1)を4.3g(2枚)入れ、5分間撹拌した(回転速度400rpm)。その後、二層式洗濯機(TOSHIBA VH−52G(H))を用い、各試験布(Y1)の評価面が表側(脱水槽の中心側)に出るように脱水槽の内壁に貼りつけ2分間脱水し、25℃/50%RHの環境下で12時間乾燥させ試験布(Y2)を得た。
(3)IR測定方法
フーリエ変換赤外分光光度計(FT−710、HORIBA社製)を用い、下記方法により、試料台に何もないことを確認してからバックグラウンド測定を行った後、試料台に各試験布(Y2)の評価面を下にして1枚のせ、3箇所ずつ測定した。計6箇所のスペクトルについて、1695〜1765cm-1のピーク強度(吸光度の面積)を定量し、その平均値を算出した。
(測定条件)
測定方法:ATR法
積算回数:10回
測定範囲:650〜4000cm-1
ピーク強度の定量範囲:1695〜1765cm-1
試験布(Y1)を衣料用仕上げ剤組成物を用いずに水道水だけで処理したこと以外は試験布(Y2)と同様の処理を行うことにより、対照品を得た。各試験布(Y2)と対象品とのピーク強度差(△ピーク強度)を下記式により算出した。
△ピーク強度=(組成物処理布のピーク強度)−(対象品のピーク強度)
(4)検量線の作成及び定量方法
200mlガラスビーカーにイオン交換水100g及び表4に示す各衣料用仕上げ剤組成物を0.5g加え、マグネットスターラーと回転子(長さ30mm、直径8mm)で10分間撹拌することにより、実施例1〜10及び比較例1〜9の衣料用仕上げ剤組成物の希釈液をそれぞれ調製した。
各希釈液を試験布(Y1)に対しスプレー容器(キャニオン製、T−7500)を用いて、試験布の乾燥時の質量(25℃/50%RHの環境下で12時間乾燥後の質量)に対し、100質量%の量を噴霧し25℃/50%RHの環境下で12時間乾燥させることにより各実施例及び比較例の吸着率15%の検量線試験布得た。
各衣料用仕上げ剤組成物を2.0g、3.3gとしたこと以外は上記と同様に希釈液を調整し、同様の方法で吸着率60%の検量線試験布、吸着率100%の検量線試験布を作成した。
前記処理により得た吸着率15%、60%、100%の検量線試験布について、上記の方法でピーク強度を測定し、得られた各△ピーク強度値を用いて各実施例及び比較例の検量線を作成した。得られた検量線を用い、各組成物の吸着率を算出した。
吸着率が20%以上のものを合格とし、30%以上がより好ましい。
<易洗性の評価法>
(1)試験布の準備
前記試験布(Y1)を得るための処理と同様の処理により試験布(Z1)を得た。
(2)試験布の処理方法
200mlガラスビーカーにイオン交換水100gと表4に示す衣料用仕上げ剤組成物を3.3g加え、マグネットスターラーと回転子(長さ30mm、直径8mm)で10分間撹拌することにより、各実施例及び比較例の衣料用仕上げ剤組成物を含む希釈液を調製した。撹拌後、調製した各希釈液を試験布(Z1)に対しスプレー容器(キャニオン製、T−7500)を用いて、試験布乾燥時の質量(25℃/50%RHの環境下で12時間乾燥後の質量)に対し、100質量%の量を噴霧し、25℃/50%RHの環境下で12時間乾燥させたものを2枚作成した。
乾燥させた試験布2枚を30×45cmの台布(木綿ブロード布、綿100%、(株)谷頭商店製)の端から10cm内側に試験布間距離が5cmとなるように縫いつけ、表3に示す液体洗剤を用いて全自動洗濯機(HITACHI NW−7FT)で洗濯した(洗剤濃度0.133質量%、水道水(20℃)30L使用、ドライコース、洗濯6分−すすぎ2回−脱水6分、浴比1/30、布総量1kg)。洗濯した試験布(Z1)を台布からはずし、25℃/50%RHの環境下で12時間乾燥させることにより試験布(Z2)を得た。
Figure 2013151663
化合物1:ステアロイルアミノプロピルジメチルアミン
化合物2:非イオン性界面活性剤[ポリオキシエチレンラウリルエーテル]
(平均エチレンオキサイド付加モル数が10)
化合物3:非イオン性界面活性剤[ポリオキシエチレンアルキルエーテル]
(アルキル鎖が二級直鎖であり、炭素数が12〜15、平均エチレ
ンオキサイド付加モル数が3)
化合物4:下記の方法で合成したポリマーを用いた。
すなわち、温度計、撹拌機、窒素導入管、還流冷却器を備えたガラス製反応器に、平均分子量1500のフェノキシポリエチレングリコール100.00g、無水マレイン酸5.00g、イソプロピルアルコール6.98gを仕込んで、窒素気流下、加熱して溶解させ、撹拌下150℃まで昇温した。イソプロピルアルコール還流化で、アクリル酸30.00g、ジ−t−ブチルパーオキサイド4.50gを別々に1時間にわたって連続滴下し、その後1時間撹拌を続けた。80℃に冷却後、減圧(13.3kPa)し、イソプロピルアルコールを除去した。常圧に戻した後、イオン交換水135.00gを加え、下記の構造を有する高分子化合物の溶液を得た。該高分子化合物は、フェノキシポリエチレングリコール/アクリル酸/マレイン酸=1/2/1(質量比)、式中(I)のx+yが20の高分子化合物である。
Figure 2013151663
(3)IR測定方法
試験布(Z2)に対して、前述のIR測定方法にて1695〜1765cm-1のピーク強度(吸光度の面積)を定量し、その平均値を算出した。
試験布(Z1)を各衣料用仕上げ剤組成物を用いずに水道水だけで処理したこと以外は試験布(Z2)を得るための処理と同様の処理を行うことにより対照品を得た。試験布(Z2)と対照品とのピーク強度差(△ピーク強度)を下記式により算出した。
△ピーク強度=〔組成物処理布のピーク強度〕−〔対象品のピーク強度〕
(4)検量線の作成及び定量方法
前記吸着率の評価方法における検量線の作成手順と同様にして残存率15%、60%、100%の検量線試験布を作成し、上記の方法と同様の方法でピーク強度を測定して検量線を作成した。得られた検量線を用い、(A)成分の易洗性を算出した。易洗性の評価においては、30%以上が好ましく、35%以上がより好ましい。
Figure 2013151663
以上の結果から明らかなように、本発明の衣料用仕上げ剤組成物は衣料の風合いを維持することができると共に、毛羽や毛玉の発生を抑制することができ、かつ衣料用仕上げ剤組成物の衣料からの易洗性が高い。
[実施例13〜15]
表5に示す配合量にしたがって衣料用仕上げ剤組成物を調製した。表5の各組成物は、合計で100質量%となる。得られた組成物について、後述の評価方法にしたがって、衣料の風合い(なめらかさ)を評価した。結果を表5に示す。
<(E)成分>
(e−1):信越化学工業(株)、
ジメチルシリコーンエマルション「KM−902」
ベースオイル:ジメチルシリコーン
動粘度50万mm2/s(25℃)、シリコーン濃度50質量%
(e−2):東レ・ダウコーニング(株)製
ポリエーテル変性シリコーン「SH−3749」
動粘度1300mm2/s(25℃)、1質量%水溶液の曇点36℃
<衣料用仕上げ剤組成物の処理方法>
〔試験布の準備〕
T/Cニット布(ポリエステル65%、綿35%、エアーフライスF401−F11、マスダ(株)製)2kgを市販の液体洗剤(花王(株)のアタックバイオジェル(登録商標)、2011年製)を用いて全自動洗濯機(HITACHI NW−7FT)で5回繰り返し洗濯した(洗剤濃度0.083質量%、水道水(20℃)40L使用、標準コース、洗濯9分−すすぎ2回−脱水6分、浴比1/20)。
洗濯したT/Cニット布を25℃/50%RHの環境下で12時間乾燥させて30×40cm角に裁断し、試験布(T1)とした。
次いで、電気バケツ(National製、N−BK2)に水道水(炭酸塩アルカリ度:37mg/lCaCO3)6.3L、及び表5に示す実施例13〜15の衣料用仕上げ剤組成物6.3gをそれぞれ加えて、弱水流にて1分間撹拌した。撹拌後、この溶液に試験布(T1)を6枚(210g)入れ、弱水流にて5分間撹拌した。その後、二層式洗濯機(TOSHIBA VH−52G(H))を用い、試験布(T1)を2分間脱水し、25℃/50%RHの環境下で12時間乾燥させ、これを試験布(T2)とした。
〔風合い(なめらかさ)評価〕
試験布(T1)に対して、衣料用仕上げ剤組成物を用いずに水道水だけで処理を行ったこと以外は試験布(T2)を得るための処理と同様の処理を行い、25℃/50%RHの環境下で調湿処理したものを対照品とした。
各試験布(T2)の風合い(なめらかさ)を以下の判定基準に従い、得点をつけて平均点を求めることにより評価した。なお、評価は布帛の外観評価に5年以上従事した判定者6名により行った。
なめらかさとしては、0以上が合格であり、0.5以上がより好ましく、1以上が更に好ましい。
〔判定基準〕
2 :対照品より非常になめらかである
1 :対照品よりなめらかである
0 :対照品と同等のなめらかさである
−1:対照品のほうがなめらかである
−2:対照品のほうが非常になめらかである
Figure 2013151663
以上の結果から明らかなように、本発明の衣料用仕上げ剤組成物によれば、衣料に対してなめらかな風合いを付与することができる。

Claims (8)

  1. 炭素数が1〜16であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(a1)、及びエチレン性不飽和カルボン酸又はその塩(a2)を含有し、かつガラス転移温度が−40℃以上、0℃未満であるポリマー(A)、カチオン化澱粉(B)、及び水を含有する衣料用仕上げ剤組成物であって、前記ポリマー(A)中の(メタ)アクリル酸エステル(a1)の含有量が70〜99.5質量%であり、前記(B)中のカチオンのモル数に対する前記(A)中のアニオンのモル数の比[(A)/(B)]が10〜200である衣料用仕上げ剤組成物。
  2. 前記ポリマー(A)に対するカチオン化澱粉(B)の質量比[(B)/(A)]が0.02〜1である、請求項1に記載の衣料用仕上げ剤組成物。
  3. 前記ポリマー(A)が、更に炭素数が2〜4であるヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(a3)を含むポリマーである、請求項1又は2に記載の衣料用仕上げ剤組成物。
  4. 更に、ポリオキシアルキレン付加型非イオン性界面活性剤(C)を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の衣料用仕上げ剤組成物。
  5. 更に、炭素数が2〜6であり2〜6価のアルコール(D)を含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の衣料用仕上げ剤組成物。
  6. 更に、シリコーン化合物(E)を含有する、請求項1〜5のいずれかに記載の衣料用仕上げ剤組成物。
  7. 前記衣料がニット衣料である、請求項1〜6のいずれかに記載の衣料用仕上げ剤組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の衣料用仕上げ剤組成物の(A)成分を、衣料の質量に対して0.1〜1質量%となるように水浴中で接触させる衣料の処理方法。
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