JP2013159165A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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弘 北本
Takahito Hieda
貴仁 稗田
Takeshi Ueda
武史 上田
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Abstract

【課題】2系統のいずれか一方に異常が発生しても、バックアップ制御中の操舵フィーリングを低下させることなくアシストを継続できる電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】正常時、電流指令値I*の1/2の電流値がそれぞれ2系統の駆動回路に出力される(ステップS507)。通電不良の検知を示す場合(ステップS501)には、通電不良が発生した系統を判定する(ステップS502)。そして、その通電不良の発生した系統における電力供給を停止し(ステップS503,505)、残りの正常な系統の駆動回路に対する制御信号Smcを出力する(ステップS504,506)。電流指令値I*が最大電流制限値I*maxの電流ゲインK倍以下の場合、正常な系統の電流指令値I*_aまたはI*_bはI*に設定され、電流指令値I*が最大電流制限値I*maxの電流ゲインK倍より大きい場合は、I*max×Kに設定される。
【選択図】図4

Description

本発明は、電動パワーステアリング装置に関するものである。
従来、車両用パワーステアリング装置として、モータを駆動源とする電動パワーステアリング装置(EPS)がある。通常、このような電動パワーステアリング装置は、トルクセンサにより操舵トルクを検出し、その検出された操舵トルクおよび車速等に基づいて操舵系に付与するアシスト力を電気的に制御する。そして、例えば、そのトルクセンサに異常が検出された場合等、何らかの失陥が検出された場合には、駆動源であるモータを停止して、速やかにフェールセーフを図るようになっている(例えば、特許文献1参照)。また、2つの冗長なシステムを備え、正常時には両システムのモータを同時に駆動制御し、一方に何らかの失陥があった場合には、そのモータを停止させ残るシステム側のモータにて継続して駆動するようにした電動パワーステアリング装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−182608号公報 特開2004−10024号公報
上記のような2系統のシステムを備えた電動パワーステアリング装置では、正常時には両システムの各モータを半分の出力トルクで同時に駆動制御する。このため、いずれかのシステムに異常が発生してアシストを停止した場合、残りのシステム側のモータでアシスト制御を継続可能である。しかしながら、このときの出力トルクは、正常時の半分の出力トルクとなり、運転者がステアリング操作を続行しようとしても、ステアリングホイールが重く操舵フィーリングが低下する。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、2系統のいずれか一方に異常が発生しても、バックアップ制御中の操舵フィーリングを低下させることなくアシストを継続できる電動パワーステアリング装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、操舵系に操舵トルクに応じたアシスト力を付与するモータと、前記モータのモータコイルを2系統設け、前記2系統のモータコイルのそれぞれに駆動電力を出力し、前記モータを駆動制御する制御手段と、を備えた電動パワーステアリング装置において、前記制御手段は、前記アシスト力に対応したモータトルクを発生させるべく電力の目標値である電流指令値を演算する電流指令値演算手段と、前記電流指令値に基づいて2系統の制御信号を出力する制御信号出力手段と、前記制御信号に基づいて対応する前記2系統のモータコイルに前記駆動電力をそれぞれ出力する2系統のモータ駆動手段と、を備え、前記制御信号出力手段は、いずれか一方の系統が故障したとき、残りの他の系統の発熱量が正常時の発熱量と同等もしくはそれ以下になるように前記駆動電力の目標値である系統別電流指令値を変えることを要旨とする。
上記構成によれば、本実施形態の制御手段は、2系統のモータコイルに対応してそれぞれ設けられた2系統のモータ駆動手段と、これらの各モータ駆動手段に対してそれぞれ制御信号を出力する制御信号出力手段とを備えるようにした。そして、2系統のいずれか一方の系統に故障が発生した場合、残りの他の系統に対して正常時の発熱量と同等もしくはそれ以下になるように駆動電力の目標値である電流指令値を調節してモータ駆動を継続する。これにより、バックアップ制御中のモータ駆動電流を制限しモータ出力を抑えることができるので、モータの発熱が抑えられ操舵フィーリングを低下させることなくアシストを継続できる。
本発明によれば、2系統のいずれか一方に異常が発生しても、バックアップ制御中の操舵フィーリングを低下させることなくアシストを継続できる電動パワーステアリング装置を提供することができる。
電動パワーステアリング装置の概略構成図。 電動パワーステアリング装置の制御ブロック図。 同じく電動パワーステアリング装置の制御ブロック図。 本発明の実施形態における電動パワーステアリング装置の制御の処理手順を示すフローチャート。 操舵時の電流指令値パターン。 本発明の他の実施形態における電動パワーステアリング装置の概略構成図。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に従って説明する。
図1は、車両用操舵装置の概略構成図である。図1に示すように、本実施形態の車両用操舵装置1には、電動パワーステアリング装置(EPS)20が設けられている。本実施形態の電動パワーステアリング装置20において、ステアリングホイール2が固定されたステアリングシャフト3は、ラックアンドピニオン機構4を介してラック軸5と連結されており、ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ラックアンドピニオン機構4によりラック軸5の往復直線運動に変換される。なお、本実施形態のステアリングシャフト3は、コラムシャフト3a、インターミディエイトシャフト3b、およびピニオンシャフト3cを連結してなる。そして、このステアリングシャフト3の回転にともなうラック軸5の直線運動が、ラック軸5の両端に連結されたタイロッド6を介して図示しないナックルに伝達されることにより、転舵輪(車輪)7の舵角、すなわち車両の進行方向が変更される。
また、電動パワーステアリング装置20は、操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する操舵力補助装置としてのEPSアクチュエータ10と、EPSアクチュエータ10の作動を制御する制御手段としてのECU(制御手段)11とを備えている。
本実施形態のEPSアクチュエータ10は、駆動源であるモータ12が減速機構13を介してコラムシャフト3aと駆動連結されたいわゆるコラムタイプのEPSアクチュエータとして構成されている。なお、本実施形態では、モータ12には、ブラシレスモータが採用されている。そして、EPSアクチュエータ10は、モータ12の回転を減速してコラムシャフト3aに伝達することにより、モータトルクをアシスト力として操舵系に付与する構成となっている。
一方、ECU11には、トルクセンサ14、車速センサ15が接続されている。そして、ECU11は、各センサの出力信号に基づいて、操舵トルクτおよび車速Vを検出する。
本実施形態では、コラムシャフト3aの途中、詳しくは、上記EPSアクチュエータ10を構成する減速機構13よりもステアリングホイール2側にトーションバー17が設けられている。そして、本実施形態のトルクセンサ14は、トーションバー17の捩れに基づいて、ステアリングシャフト3を介して伝達される操舵トルクτを演算可能なセンサ信号Sa,Sbを出力するセンサ素子14a,14bを備えて構成されている。
本実施形態では、トルク演算手段としてのECU11は、トルクセンサ14の出力要素としての各センサ素子14a,14bが出力する各センサ信号Sa,Sbに基づいて操舵トルクτを検出する。そして、ECU11は、操舵トルクτ、および車速センサ15により検出される車速Vに基づいて目標アシスト力を演算し、この目標アシスト力をEPSアクチュエータ10に発生させるべく、駆動源であるモータ12に駆動電力を供給することにより、操舵系に付与するアシスト力を制御する構成となっている。
次に、本実施形態のEPS(電動パワーステアリング装置)の電気的構成について説明する。図2および図3は、電動パワーステアリング装置の制御ブロック図である。
図2に示すように、本実施形態のモータ12は、2系統のモータコイル21A,21Bに共通のステータおよびロータを有しており、ロータは、各ティースに巻回された各モータコイル21A,21Bが発生する起磁力に基づいて回転する。そして、本実施形態のECU11は、これらの各モータコイル21A,21Bに対して、それぞれ独立に駆動電力を供給することにより、そのモータトルクを制御する構成になっている。
本実施形態のECU11は、上記各モータコイル21A,21Bに対応して独立に設けられた2つの駆動回路(モータ駆動手段)26A,26Bと、これらの各駆動回路26A,26Bに対して、それぞれ独立に制御信号Smc_a,Smc_bを出力するマイコン(以下、CPUという)27とを備えている。
具体的には,駆動回路26Aは、動力線を介して第1系統のモータコイル21Aに接続され、駆動回路26Bは、動力線を介して第2系統のモータコイル21Bに接続されている。また、CPU27の出力する制御信号Smc_aは、駆動回路26Aに入力され、もう一方の制御信号Smc_bは、駆動回路26Bに入力される。なお、本実施形態では、各駆動回路26A,26Bには、直列接続されたスイッチング素子対を基本単位(アーム)として各相に対応する3つのアームを並列接続している周知のPWMインバータが採用されており、CPU27の出力する各制御信号Smc_a,Smc_bは、その各相アームのオンduty比を規定している。そして、ECU11は、これらの各制御信号Smc_a,Smc_bに基づき各駆動回路26A,26Bが出力する駆動電力を、それぞれ独立に、その対応する各モータコイル21A,21Bに供給する構成となっている。
詳述すると、図3に示すように、本実施形態のCPU27は、目標アシスト力に対応するモータトルクを発生させるべく、モータ12に対する電力供給の電流指令値I*を生成するアシスト制御部(電流指令値演算手段)30と、その電流指令値I*に基づいて上記2系統の制御信号Smc_a,Smc_bの出力を実行する制御信号出力部(制御信号出力手段)31とを備えている。
本実施形態では、指令手段としてのアシスト制御部30は、上記トルクセンサ14により検出される操舵トルクτおよび車速センサ15により検出される車速Vに基づいて、上記目標アシスト力に対応した電流指令値I*を演算する。具体的には,その操舵トルクτが大きいほど、また車速Vが遅いほど、より大きなアシスト力が発生するような電流指令値I*を演算する。そして、アシスト制御部30は、この操舵トルクτおよび車速Vに基づく電流指令値I*を、そのモータ12に対する電力供給の電流指令値として制御信号出力部31に出力する構成となっている。
一方、制御信号出力手段を構成する制御信号出力部31には、各系統のモータコイル21A,21Bに通電される各相電流値Iu_a,Iv_a,Iw_aおよびIu_b,Iv_b,Iw_bならびにモータ12の回転角θが入力される。なお、本実施形態では、各相電流値Iu_a,Iv_a,Iw_aおよびIu_b,Iv_b,Iw_bは、図2を参照してそれぞれ、各系統の動力線に設けられた電流センサ32ua,32va、32wa,および32ub,32vb,32wbにより独立に検出される一方、モータ12の回転角θは、共通の回転角センサ33により検出される。そして、本実施形態の制御信号駆動回路26A,26Bに対応した制御信号Smc_a,Smc_bを出力する構成となっている。
さらに詳述すると、本実施形態の制御信号出力部31は、第1系統(図2に示す駆動回路26A、モータコイル21Aおよび動力線を含む系統)に対応する電流制御部35AおよびPWM変換部36Aと、第2系統(図2に示す駆動回路26B、モータコイル21Bおよび動力線を含む系統)に対応する電流制御部35BおよびPWM変換部36Bとを備えている。
また、制御信号出力部31は、上記アシスト制御部30から入力された電流指令値I*を、第1電流指令値I*_aかつ第2電流指令値(系統別電流指令値)I*_bとして出力する指令調停部37を備えている。そして、各電流制御部35A,35Bは、その入力される第1および第2電流指令値I*_a,I*_bに基づいて、それぞれ、独立に電流フィードバック制御を実行する構成となっている。
具体的には、各電流制御部35A,35Bは、その対応する系統の各相電流値Iu_a,Iv_a,Iw_aおよびIu_b,Iv_b,Iw_bを、モータ12の回転角θに従うd/q座標系のd軸電流値およびq軸電流値に変換する(d/q変換)。また、上記電流指令値I*は、q軸電流指令値として入力される(d軸電流指令値は「0」)。そして、各電流指令部35A,35Bは、そのd/q座標系における電流フィードバック制御の実行により得られるd軸電圧指令値およびq軸電圧指令値を、3相の交流座標系上に写像することにより(d/q逆変換)、それぞれ、その対応する系統の各相電圧指令値Vu*_a,Vv*_a,Vw*_aおよびVu*_b,Vv*_b,Vw*_bを演算する。
そして、各PWM変換部36A,36Bは、それぞれ、その対応する各電流制御部35A,35Bから入力される各相電圧指令値Vu*_a,Vv*_a,Vw*_aおよびVu*_b,Vv*_b,Vw*_bに基づいて、その対応する系統の駆動回路26A,26Bに対する制御信号Smc_a,Smc_bの出力を実行する構成になっている。
次に、本実施形態における電動パワーステアリング装置(EPS)の制御方法について説明する。図4は、本発明の実施形態における電動パワーステアリング装置の制御の処理手順を示すフローチャート、図5は、操舵時の電流指令値パターンである。
本実施形態のECU11(図2参照)は、電動パワーステアリング装置20の異常を検出する検出手段としての機能を有している。そして、その異常検出判定により、何らか(例えば、モータ12、ECU11、トルクセンサ14等)の異常を検出した場合には、そのフェールセーフを図るべく、電動パワーステアリング装置20の作動を停止する。上記図3に示すように、本実施形態のCPU27には、上記各モータコイル21A,21Bに対応する各系統の電力供給路に生じた通電不良の発生を検知可能な異常検知部38が設けられている。
具体的には,本実施形態の異常検知部38には、各系統のモータコイル21A,21Bに通電される各相電流値Iu_a,Iv_a,Iw_aおよびIu_b,Iv_b,Iw_b、ならびに各制御信号Smc_a,Smc_bが規定する各相のオンdutyを示すデューティ信号Sduty_a,Sduty_bおよびモータ12の回転角速度ωが入力される。そして、検知手段としての異常検知部38は、これらの各状態量に基づいて、相毎に、各系統における通電不良の発生を検知する構成となっている。
すなわち、何れかの相について、そのデューティ信号Sduty_b,Sduty_bが通電状態にあるべき状態にあることを示すにもかかわらず、その相電流値が非通電状態を示す値である場合には、当該相に通電不良が発生したものと判定することができる。そして、本実施形態の異常検知部38は、さらに、モータの回転角速度ωに基づく速度条件を付加し、その逆起電圧の影響が顕在化する高速回転時を排除することにより、精度よく、その通電不良の発生を検知することが可能な構成となっている。
また、本実施形態では、この異常検知部38による異常検知の結果が、異常検知信号S_trとして上記制御信号出力部31に入力されるようになっている。そして、本実施形態の制御信号出力部31は、上記各モータコイル21A,21Bに対応する2系統のうち、その一方の系統に通電不良の発生が検知された場合には、他方の系統の駆動回路に対する制御信号の出力を優先する構成となっている。
詳述すると、図4のフローチャートに示すように、本実施形態の制御信号出力部31において、指令調停部37は、入力される上記異常検知信号S_trが、通電不良の検知を示す場合(ステップS501:YES)には、続いて、当該通電不良が上記第1系統において発生したものであるか否かを判定する(ステップS502)。そして、その通電不良の発生が第1系統である場合(ステップS502:YES)には、第1系統における電力供給を停止し(ステップS503、I*_a=0)、他方の上記第2系統の駆動回路26Bに対する制御信号Smc_bの出力を優先する(ステップS504)。このとき、電流指令値I*が駆動回路の許容電流の最大値である最大電流制限値I*maxの電流ゲインK倍以下の場合、第2電流指令値I*_bはI*に設定され、電流指令値I*が最大電流制限値I*maxの電流ゲインK倍より大きい場合は、第2電流指令値I*_bはI*max×Kに設定される。
また、指令調停部37は、上記ステップS502において、通電不良の発生が第2系統であると判定した場合(ステップS502:NO)には、第2系統における電力供給を停止し(ステップS505、I*_b=0)、第1系統の駆動回路26Aに対する制御信号Smc_aの出力を優先する(ステップS506)。このとき、電流指令値I*が駆動回路の許容電流の最大値である最大電流制限値I*maxの電流ゲインK倍以下の場合、第1電流指令値I*_aはI*に設定され、電流指令値I*が最大電流制限値I*maxの電流ゲインK倍より大きい場合、第1電流指令値I*_aはI*max×Kに設定される。そして、本実施形態では、上記ステップS501において、上記異常検知信号S_trが通電不良の発生を示すものでないと判定した場合(ステップS501:NO)、ステップS507において、その対応する系統の駆動回路26A,26Bに対する制御信号Smc_a,Smc_bの出力を実行する。このとき、第1電流指令値I*_a,第2電流指令値I*_bは、ともに電流指令値I*の1/2倍の電流値に設定される(I*_a=I*/2,I*_b=I*/2)。
ここで、電流ゲインKは、いずれか一方の系統が故障したとき、残りの他の系統の発熱量が正常時の発熱量と同等になるように設定される。すなわち、図5に示すように、正常時の任意の操舵電流パターンから一点鎖線で示す総発熱量の1/2の発熱量が各系統の発熱量として算出され、これに対していずれか一方の系統が故障したとき、残りの正常な系統の発熱量が同等になるように電流ゲインKが算出される。図5の実線で示す故障時電流パターンは、前半がモータ回転状態での、また、後半がステアリングホイールがロック状態(モータ非回転状態)でのそれぞれの電流指令値I*_aまたはI*_bを示している。例えば、故障時の電流値が正常時の電流値より大きい状態では、ハンドル(ステアリングホイール)操作が重くなり、小さい状態では、ハンドル操作が軽くなる。
さらに、本実施形態の制御信号出力部31に設けられた各電流制御部35A,35Bは、各系統における通電不良の発生が検知されていない正常時において、上記のような3相の駆動電力を供給すべく各相電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*を演算する。上記電流制御部35において演算された各相電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*は、PWM変換部36に入力される。すなわち、本実施形態の制御信号出力部31において、入力される異常検知信号S_trが「対応する系統における通電不良の発生は検知されていない」ことを示す場合には、その対応する系統の駆動回路26A,26Bに対する制御信号Smc_a,Smc_bを出力する。(通常制御)
次に、本発明を具体化した他の実施形態を説明する。図6は、本発明の他の実施形態における電動パワーステアリング装置の概略構成図である。図6に示すように、電動パワーステアリング装置40は、減速機構47、モータ46、およびECU41が一体に組み込まれて構成されている。ECU41は、制御基板45および出力の異なる大小2系統のモータ駆動回路42A,42Bから構成され、各モータ駆動回路42A,42Bにはパワー基板43および出力に応じたヒートシンク44A,44Bが設置されている。また、モータ46が作動しているときの出力トルクは、各モータ駆動回路42A,42Bにより発生する出力トルクの合計とされている。2系統のモータ駆動回路42は、駆動できるモータ出力が大小異なっており、通常操舵時には出力が大きい方のモータ駆動回路42Bによりモータ46を駆動させ、据え切り等の高負荷時には他方の出力の小さいモータ駆動回路42Aを同時に駆動させることにより出力を増加させている。なお、本実施例では、ECU41の制御回路部である制御基板45を独立して2系統配置した例を示しており、低出力側の発熱量の少ないモータ駆動回路42Aは、モータ46を挟んで減速機構47のギヤハウジング48から離れた位置に配置されている。こうして、いずれか一方の系統が故障した場合、残りの他方の系統により電流指令値に制限をかけた状態でアシストを継続する。
以上、本実施形態によれば、以下のような作用・効果を得ることができる。
上記構成によれば、本実施形態のECU11は、各モータコイル21A,21Bに対応して独立に設けられた2系統のモータの駆動回路26A,26Bと、これらの各駆動回路26A,26Bに対して、それぞれ独立に制御信号Smc_a,Smc_bを出力する制御信号出力部31とを備えるようにした。そして、いずれか一方の系統に故障が発生した場合、残りの他の系統に対して正常時の発熱量と同等もしくはそれ以下になるように電流ゲインKを調節してモータ電流指令値を制限しモータ駆動を継続する。これにより、バックアップ制御中のモータ駆動電流を制限しモータ出力を抑えることができるので、モータの発熱が抑えられ操舵フィーリングを低下させることなくアシストを継続できる。
また、出力が大小の2系統のモータ駆動回路42を設けることにより、通常制御中の高負荷時には低出力側の駆動回路42Aを同時に駆動させモータ出力を増加させる。これにより、低出力側のヒートシンク44Aを小さくできるので、2系統を備えたECU41の小型化が可能となる。
以上のように、2系統のいずれか一方に異常が発生しても、バックアップ制御中の操舵フィーリングを低下させることなくアシストを継続できる電動パワーステアリング装置を提供することができる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
上記実施形態では、故障時の発熱量が正常時と同等もしくはそれ以下となるように電流ゲインにより各電流指令値を制限する方法を示したが、モータ、駆動回路の温度上昇を温度センサや温度推定を用いて検出し保護する方法を適用してもよい。
また、上記実施形態では、いずれか一方の系統が故障したとき、残りの他の系統の発熱量が正常時の発熱量と同等もしくはそれ以下になるように電流ゲインを設定するようにしたが、これに限らず、それ以下の低い値に設定しアシスト継続時に運転者がより故障状態を認知できるようにしてもよい。
上記実施形態では、EPSアクチュエータの駆動源であるモータには、ブラシレスモータを用いることとしたが、これに限らず、ブラシ付きの直流モータを駆動源とする電動パワーステアリング装置に具体化してもよい。
また、上記実施形態では、本発明をいわゆるコラムタイプの電動パワーステアリング装置に具体化したが、本発明は、ピニオンタイプやラックアシストタイプの電動パワーステアリング装置に適用してもよい。
1:車両用操舵装置、2:ステアリングホイール、3:ステアリングシャフト、3a:コラムシャフト、3b:インターミディエイトシャフト、3c:ピニオンシャフト、4:ラックアンドピニオン機構、5:ラック軸、6:タイロッド、7:転舵輪、10:EPSアクチュエータ(操舵力補助装置)、11,41:ECU(制御手段)、12,46:モータ、13,47:減速機構、14:トルクセンサ、14a,14b:センサ素子、15:車速センサ、16:ステアリングセンサ、17:トーションバー、18:回転子、19:センサ素子、20,40:電動パワーステアリング装置(EPS)、21:モータコイル、26,42:駆動回路(モータ駆動手段)、27:CPU(マイコン)、30:アシスト制御部(電流指令値演算手段)、31:制御信号出力部(制御信号出力手段)、32:電流センサ、33:回転角センサ、35:電流制御部、36:PWM変換部、37:指令調停部、38:異常検知部、43:パワー基板、44:ヒートシンク、45:制御基板、48:ギヤハウジング、
I*:電流指令値、I*max:最大電流制限値、I*_a,I*_b:第1,第2電流指令値(系統別電流指令値)、Iu,Iv,Iw:実電流値、Smc:モータ制御信号、S_tr:異常検出信号、Vu*,Vv*,Vw*:電圧指令値、Sduty:デューティ信号、τ:操舵トルク、V:車速、θ:モータ回転角、ω:モータ回転角速度、Sa,Sb:センサ信号、K:電流ゲイン

Claims (1)

  1. 操舵系に操舵トルクに応じたアシスト力を付与するモータと、
    前記モータのモータコイルを2系統設け、前記2系統のモータコイルのそれぞれに駆動電力を出力し、前記モータを駆動制御する制御手段と、を備えた電動パワーステアリング装置において、
    前記制御手段は、前記アシスト力に対応したモータトルクを発生させるべく電力の目標値である電流指令値を演算する電流指令値演算手段と、
    前記電流指令値に基づいて2系統の制御信号を出力する制御信号出力手段と、
    前記制御信号に基づいて対応する前記2系統のモータコイルに前記駆動電力をそれぞれ出力する2系統のモータ駆動手段と、を備え、
    前記制御信号出力手段は、いずれか一方の系統が故障したとき、残りの他の系統の発熱量が正常時の発熱量と同等もしくはそれ以下になるように前記駆動電力の目標値である系統別電流指令値を変えることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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