JP2013169087A - 電源装置の異常検出装置およびこれを備えた回転電機の電動駆動装置 - Google Patents

電源装置の異常検出装置およびこれを備えた回転電機の電動駆動装置 Download PDF

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剛 甲斐
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Abstract

【課題】車両の始動時に実施するコンタクタの異常診断を短縮し、車両駆動開始を早く行うことができるようにする。
【解決手段】電源装置の異常検出装置は、平滑コンデンサの端子間電圧を測定するコンデンサ電圧検出手段と、正極コンタクタ、負極コンタクタ、およびプリチャージコンタクタの開閉指令を制御する制御手段とを備え、制御手段は、正極コンタクタ、負極コンタクタ、およびプリチャージコンタクタに対して車両起動のための起動時指令を出力するタイミングで、正極コンタクタとプリチャージコンタクタを含む正極側コンタクタおよび負極コンタクタのいずれか一方の溶着異常を診断し、正極コンタクタとプリチャージコンタクタ、負極コンタクタ、およびプリチャージコンタクタに対して車両停止のための停止時指令を出力するタイミングで、正極側コンタクタおよび負極コンタクタのいずれか他方の溶着異常を診断する診断手段を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、電源装置の異常検出装置およびこれを備えた回転電機の電動駆動装置に関する。
ハイブリッド自動車(HEV)や電気自動車(EV)などの電動車両では、所望の高電圧を確保するため、二次電池の単電池セルを多数直列接続して構成される組電池(電池システム)が用いられている。この組電池からの出力をインバータにより交流に変換し、交流モータを駆動するハイブリッド自動車等の電動駆動装置には、組電池とインバータの正極間および負極間を接続するそれぞれの高電圧電源ラインに正極コンタクタおよび負極コンタクタが直列に接続される。また、正極コンタクタには、抵抗とプリチャージコンタクタの直列回路が並列に接続される。
インバータ側には直流電圧を平滑化するための平滑コンデンサがインバータと並列に設けられる。この平滑コンデンサは大容量であるので、正極および負極コンタクタを閉として、放電状態の平滑コンデンサが組電池にいきなり接続されると、正負の高電圧電源ラインに大電流が流れ、正極および負極コンタクタが溶着する可能性がある。そこで組電池からインバータへの電力の供給は、はじめにプリチャージコンタクタと負極コンタクタを閉状態にすることにより平滑コンデンサへの初充電(プリチャージ)を行い、このコンデンサ電圧が組電池の電圧となった状態で正極コンタクタを閉状態にすることで行われる。
このように平滑コンデンサへのプリチャージを行うことで、正極コンタクタを閉状態にする際の突入電流を無くし、コンタクタの接点溶着を防止する手法が広く用いられている。しかしながら、電動駆動装置の長期間の使用で、コンタクタは開閉操作時に発生する接点のアークや経年劣化により溶着する可能性がある。正極と負極のコンタクタが溶着すると2次電池とインバータとを切り離すことができなくなり、組電池の不要な放電などの不具合が発生する。このため、コンタクタの溶着が検出された際にはコンタクタの閉操作を禁止したり、車両操作者(運転者)に通知する処理が必要である。
このため、電動車両の起動時あるいは停止時に正極および負極コンタクタが溶着しているかどうかの診断を行う手法が従来より盛んに開発されている。このコンタクタの溶着診断はある程度時間のかかる処理であるが、コンタクタの溶着は組電池とインバータの接続時、すなわち車両の始動時に発生することが最も多いので、このコンタクタ溶着診断も多くの場合車両の始動時に行われている(たとえば特許文献1、2参照)。また、車両の停止時に行う手法も公開されている(たとえば特許文献3参照)。
特開2000−134707号公報 特許第4760723号 特許第4570859号
従来のコンタクタの溶着診断手法は時間がかかるため、車両の始動時に実施すると、車両の駆動開始を所定時間遅らせる必要があった。
(1)請求項1に記載の発明は、バッテリとインバータとを接続する正極側電源ラインに設けられた正極コンタクタと、バッテリと前記インバータとを接続する負極側電源ラインに設けられた負極コンタクタと、記正極コンタクタに並列接続され、互いに直列接続されたプリチャージコンタクタおよび制限抵抗と、正極側電源ラインと前記負極側電源ラインの間に前記インバータと並列に介装された平滑コンデンサと、平滑コンデンサの端子間電圧を測定するコンデンサ電圧検出手段と、正極コンタクタ、負極コンタクタ、およびプリチャージコンタクタの開閉指令を制御する制御手段とを備えた電源装置の異常検出装置であって、制御手段は、正極コンタクタ、負極コンタクタ、およびプリチャージコンタクタに対して車両起動のための起動時指令を出力するタイミングで、正極コンタクタとプリチャージコンタクタを含む正極側コンタクタおよび負極コンタクタのいずれか一方の溶着異常を診断し、正極コンタクタとプリチャージコンタクタ、負極コンタクタ、およびプリチャージコンタクタに対して車両停止のための停止時指令を出力するタイミングで、正極側コンタクタおよび負極コンタクタのいずれか他方の溶着異常を診断する診断手段を備えることを特徴とする電源装置の異常検出装置である。
(2)請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電源装置の異常検出装置において、診断手段は、起動時指令を出力するタイミングで、負極コンタクタの溶着異常を診断する負側診断手段と、停止時指令を出力するタイミングで、正極側コンタクタの溶着異常を診断する正側診断手段とを含むことを特徴とする
(3)請求項3に記載の発明は、請求項12に記載の電源装置の異常検出装置において、負側診断手段は、起動時指令を出力するタイミングで、プリチャージコンタクタを閉成する指令を出力するとともにコンデンサ電圧検出手段によって平滑コンデンサの端子間電圧を検出し、その後、プリチャージコンタクタを開放する指令を出力するとともにコンデンサ電圧検出手段によって平滑コンデンサの端子間電圧を検出し、検出した二つの平滑コンデンサの端子間電圧の差に基づいて、負極コンタクタの溶着異常を判定することを特徴とする
(4)請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の電源装置の異常検出装置において、負側診断手段は、プリチャージコンタクタを開放する指令を出力したときの平滑コンデンサの端子間電圧がプリチャージコンタクタを閉成する指令を出力したときの平滑コンデンサの端子間電圧よりも低下していれば、負極コンタクタの溶着異常と判定することを特徴とする。
(5)請求項5に記載の発明は、請求項2または3に記載の電源装置の異常検出装置において、制御手段は、正極側コンタクタの診断結果を格納する記憶部を備え、起動時指令を出力するタイミングで、正極側コンタクタの診断結果を読み出して、正極側コンタクタが溶着異常であると判定することを特徴とする。
(6)請求項6に記載の発明は、請求項3乃至5のいずれか1項に記載の電源装置の異常検出装置において、正側診断手段は、停止時指令を出力するタイミングで、コンデンサ電圧検出手段によって平滑コンデンサの端子間電圧を検出し、その後、正極側コンタクタを開放する指令を出力するとともにコンデンサ電圧検出手段により平滑コンデンサの端子間電圧を検出し、検出した二つの平滑コンデンサの端子間電圧の差に基づいて、正極側コンタクタの溶着異常を判定することを特徴とする。
(7)請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の電源装置の異常検出装置において、正側診断手段は、正極コンタクタを開放する指令を出力したときの平滑コンデンサの端子間電圧が、正極コンタクタを開放する指令を出力する前の平滑コンデンサの端子間電圧から減少しないとき正極側コンタクタの溶着異常と判定することを特徴とする。
(8)請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の電源装置の異常検出装置において、バッテリの総電圧を測定するバッテリ電圧検出手段をさらに備え、制御手段は、起動時指令が出力されるタイミングで、正極コンタクタ、負極コンタクタおよびプリチャージコンタクタを全て開放となるように制御するとともにバッテリの端子間電圧と平滑コンデンサの端子間電圧をそれぞれ検出し、それら端子間電圧の差が所定の値より小さい場合に、正極側コンタクタと負極コンタクタがともに溶着異常であると判定することを特徴とする。
(9)請求項9に記載の発明は、バッテリとインバータとを接続する正極側電源ラインに設けられた正極コンタクタと、バッテリとインバータとを接続する負極側電源ラインに設けられた負極コンタクタと、正極コンタクタに並列接続され、互いに直列接続されたプリチャージコンタクタおよび制限抵抗と、正極側電源ラインと負極側電源ラインの間にインバータと並列に介装された平滑コンデンサと、平滑コンデンサの端子間電圧を測定するコンデンサ電圧検出手段と、正極コンタクタ、負極コンタクタ、およびプリチャージコンタクタの開閉指令を制御する制御手段とを備えた電源装置の異常検出装置であって、負極コンタクタと前記正極コンタクタとをオンとしてバッテリーのDC電力をインバータに供給する前に、プリチャージコンタクタのみをオンからオフにした時の平滑コンデンサの端子間電圧がプリチャージコンタクタをオフした時に減少した場合に、負極コンタクタが溶着異常であると判定することを特徴とする電源装置の異常検出装置である。
(10)請求項10に記載の発明は、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の電源装置の異常検出装置を備えた回転電機の電動駆動装置である。
本発明によるコンタクタの異常溶着検出装置およびこれを備えた回転電機の電動駆動装置を用いることにより、車両起動(キーオン)後の車両駆動を速やかに開始することができる。
本発明による電源装置の異常検出装置を搭載した回転電機の電動駆動装置の概略構成を示す図である。 本発明によるコンタクタの電源装置の異常検出装置での車両起動時のコンタクタ異常診断(第1の異常診断)の、各コンタクタの状態と平滑コンデンサの端子間電圧の時間変化を示すタイミングチャートである。 車両起動時に正極側と負極側のコンタクタが共に溶着している場合に、図2のフローのステップS5とS8〜S13での各コンタクタの状態と平滑コンデンサの端子間電圧を示すタイミングチャートである。 車両起動時に正極側と負極側のコンタクタ両方が正常に動作している場合に、図2のフローのステップS5とS8〜S13での各コンタクタの状態と平滑コンデンサの端子間電圧を示すタイミングチャートである。 車両起動時に正極側と負極側のコンタクタが共に溶着している場合に、図2のフローのステップS16〜S28での各コンタクタの状態と平滑コンデンサの端子間電圧を示すタイミングチャートである。 車両起動時に正極側と負極側のコンタクタ両方が正常に動作している場合に、図2のフローのステップS16〜S28での各コンタクタの状態と平滑コンデンサの端子間電圧を示すタイミングチャートである。 図2に対応した、本発明による電源装置の異常検出装置での車両起動時のコンタクタ異常診断(第1の異常診断)の処理フローの図である。 車両停止時に正極側のコンタクタ(メインコンタクタ(+))が溶着している場合の、図7のフローのステップS54〜S58での各コンタクタの状態と平滑コンデンサの端子間電圧を示すタイミングチャートである。 車両停止時に全てのコンタクタが正常に動作している場合の、図7のフローのステップS54〜S58での各コンタクタの状態と平滑コンデンサの端子間電圧を示すタイミングチャートである。 図1に示す本発明による電源装置の異常検出装置を搭載した回転電機の電動駆動装置において、放電抵抗に直列に放電抵抗リレーを設けた変形実施例を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図1〜10を参照して説明する。
本発明によるコンタクタの異常検出装置およびこれを備えた回転電機の電動駆動装置は、回転電機のみによって走行する純粋な電気自動車(EV)や、エンジンと回転電機の双方によって駆動されるハイブリッド型の電気自動車(HEV)に適用できる。
図1は、本発明によるコンタクタの異常検出装置およびこれを備えた回転電機の電動駆動装置の概略構成を示す図である。
回転電機(モータ)1を電動駆動する電動駆動装置2は、電池システム4から供給されるDC電力をAC電力に変換してモータ1に供給するインバータ3、電池システム4の充放電状態を監視/制御するバッテリコントローラ5、インバータ3を制御するモータコントローラ6、とを備える。
モータコントローラ6およびバッテリコントローラ5は上位のコントローラである車両コントローラ7により制御される。イグニッションスイッチ8が車両の操作者(運転者)によりオンとされると、低電圧バッテリ9から車両コントローラ7および電動駆動装置2に低電圧DC電力が供給される。これにより、車両コントローラ6が起動され、さらに車両コントローラ6の制御により電動駆動装置2のバッテリコントローラ5とモータコントローラ6が起動され、電動駆動装置2が制御・駆動される。車両コントローラ7、バッテリコントローラ5、モータコントローラ6の間の通信は、たとえばCANにより行われている。
電池システム4は、リチウムイオン電池等の二次電池セルが複数個直列あるいは直並列に接続された二次電池モジュール10を複数個備えた高電圧バッテリである。また、二次電池モジュール10は、複数個の直列に接続された2次電池セルからなるセルグループが複数個直列あるいは直並列に接続されて構成されているが、図1ではこれを簡略化して示してある。
各々のセルグループはそれぞれに対応づけられたセルコントローラ11によって、それぞれのセルグループの二次電池セルの状態が監視され、充放電状態が制御される。電池システム全体の監視と充放電状態がバッテリコントローラ5によって制御され、複数のセルコントローラ11が通信経路12を介してバッテリコントローラ5から制御されて二次電池セルの充放電状態が制御される。
なお、複数のセルコントローラ11は双方向通信によりバッテリコントローラ5と情報の授受を行っているが、図1ではこれを簡略化して示してある。
電池システム4は、通常2つの大きなブロックに分割されており、この2つのブロックの間にサービスディスコネクトスイッチ(SDSW)13が設けられている。図1では簡単のため、2つの二次電池モジュール10から構成される電池システム4において、2つの二次電池モジュール10の間に示してある。このSDSW13は、車両のメンテナンス時等に安全確保のために、電池システム4からの高電圧直流電圧の出力を遮断する目的で用いられる。
電池システム4からの高電圧DC電力のインバータへの供給は、正極側電源ライン14と負極側電源ライン15を介して行われ、このDC電力の供給/遮断を行うために、正極側DC電源ラインにはメインコンタクタ(+)16が設けられており、負極側DC電源ラインにはメインコンタクタ(−)17が設けられている。また、メインコンタクタ(+)16に並列に、プリチャージコンタクタ18と制限抵抗19(抵抗値R2)の直列回路が設けられている。メインコンタクタ(+)16とメインコンタクタ(−)18は、電池システム4からの高電圧DC電力が常時流れるので、大電力での使用に耐える設計となっているが、多数回オン/オフを繰り返すと溶着を起こす場合がある。
車両の起動時には、まずプリチャージコンタクタ18がオンとされるが、メインコンタクタ(+)16、メインコンタクタ(−)17およびプリチャージコンタクタ18の制御については後述する。なお、これらのコンタクタのオン/オフは、バッテリコントローラ5から制御される構成であっても、あるいはモータコントローラ6から制御される構成であってもよい。なお、これらのコンタクタの制御用の配線は省略してある。
正極側電源ライン14と負極側電源ライン15の間に、メインコンタクタ(+)16およびメインコンタクタ(−)17より電池システム側にバッテリー総電圧を検出する電圧センサ20が設けられ、インバータ3側に平滑コンデンサ22の端子間電圧を検出する電圧センサ21が設けられている。電圧センサ20の出力はバッテリコントローラ5に入力されているが、この配線は省略してある。また電圧センサ21の出力はバッテリコントローラ5に入力されていてもよいし、あるいはモータコントローラ6に入力されていてもよい。
後述の、本発明によるコンタクタの異常検出装置の説明では、電圧センサ20と21両方で検出された電圧を用いてコンタクタの溶着異常を検出する。図1に示すように、バッテリコントローラ5とモータコントローラ6はCANを介して通信を行っており、電圧センサ21の出力がモータコントローラ6に入力される構成であっても、バッテリコントローラ5は電圧センサ21で検出された電圧情報を入手するように構成してもよい。
インバータ3には平滑コンデンサ22と放電抵抗23が並列に接続されている。
インバータ3は複数のIGBTあるいはMOSFETなどのスイッチング素子(不図示)を備え、これらのスイッチング素子のスイッチングにより電池システム4から供給されるDC電力をAC電力に変換してモータ1に供給する。このスイッチング素子のスイッチングによりノイズが発生するが、平滑コンデンサ22は、このノイズを除去するために設けられている。なお、このスイッチング素子のスイッチングは、モータコントローラ6からの制御信号(PWM信号、不図示)により上記のスイッチング素子のゲートを駆動することによって行われる。また、このPWM信号は、車両コントローラ7からのトルク要求に基づいてモータコントローラ6で生成されるが、詳細は省略する。
なお、EVやHEVでは、モータ1は、アクセルペダル戻し操作による減速時や、ブレーキペダル踏み込みによるブレーキング時に発電を行う(回生発電)モータジェネレータとして動作する。この回生発電の場合には、インバータ3は、モータ1で発生したAC電力をDC電力に変換して電池システム4に供給し、電池システム4が充電される。
本発明による電源装置の異常検出装置では、車両から起動指令が出力されたタイミングおよび車両から起動停止指令が出力されたタイミングにおいて、コンタクタ溶着異常診断を行い、二つのタイミングで診断された結果を総合してコンタクタ溶着異常診断を行う。
平滑コンデンサ22は大容量のコンデンサであり、車両動作が終了し、キーオフして車両を停止する場合には、この平滑コンデンサ22に蓄えられた電荷を放電する必要がある。放電抵抗23は、この平滑コンデンサ22の電荷を放電するために、平滑コンデンサ22に並列に接続されている。
本発明によるコンタクタの異常検出装置は、以下で説明するようなコンタクタ溶着異常診断手法を実行する検出装置装置である。したがって、本発明による電源装置の異常検出装置は、このコンタクタ溶着異常診断を実施する制御装置と、コンタクタ溶着異常診断のための信号をこの制御装置に入力する電動駆動装置2に含まれる各種装置である。この制御装置としては、バッテリコントローラ5あるいはモータコントローラ6いずれでもよいが、メインコンタクタ(+)16、プリチャージコンタクタ18、メインコンタクタ(−)の制御を行う制御装置であることが好ましい。
したがって、メインコンタクタ(+)16、プリチャージコンタクタ18、メインコンタクタ(−)17は、コンタクタ異常診断のための信号をこの電源装置の異常検出装置の制御装置に入力する装置であり、さらに、電圧センサ20、21も溶着異常診断用の信号を生成する装置である。
以下本発明による電源装置の異常検出装置で実行される溶着異常診断の手法について説明する。
(コンタクタ溶着異常診断)
本発明による電源装置の異常検出装置で実行するコンタクタ異常診断の特徴は、従来実行されているようなコンタクタ異常診断を2つの部分に分割して実行することである。第1の異常診断は、車両の起動時に実行され、第2の異常診断は車両の駆動終了時に実行される。従来行われているコンタクタ異常診断で、メインコンタクタ(+)16とメインコンタクタ(−)17を開閉して行う異常診断は、本発明では第2の異常診断に含まれている。メインコンタクタ(+)16とメインコンタクタ(−)17の開閉は、高電圧が印加された状態で行うので、このためこれらのコンタクタが溶着する可能性があり、このコンタクタの溶着を診断することがコンタクタ異常診断の目的であるが、この異常診断のためのコンタクタの開閉で溶着が起こる可能性もある。本発明による電源装置の異常検出装置で実行するコンタクタ異常診断では、第1の異常診断ではこのようなメインコンタクタの開閉を行わないので、車両駆動前の異常診断によるコンタクタの溶着の可能性を無くすことができる。
本発明による異常検出装置により異常検出対象となる電源装置は、バッテリ4とインバータ3とを接続する正極側電源ライン14に設けられた正極コンタクタ16と、バッテリ4とインバータ3とを接続する負極側電源ライン15に設けられた負極コンタクタ17と、正極コンタクタ16に並列接続され、互いに直列接続されたプリチャージコンタクタ18および制限抵抗19と、正極側電源ライン14と負極側電源ライン15の間にインバータ3と並列に介装された平滑コンデンサ22と、平滑コンデンサ22の端子間電圧を測定するコンデンサ電圧センサ21と、正極コンタクタ16、負極コンタクタ17、およびプリチャージコンタクタ18の開閉指令を制御するバッテリーコントローラ5、またはモータコントローラ6に代表される制御装置とを備えている。そして、本発明による異常検出装置の制御装置は、正極コンタクタ16、負極コンタクタ17、およびプリチャージコンタクタ18に対して車両起動のための起動時指令を出力するタイミングで、正極コンタクタ16とプリチャージコンタクタ18を含む正極側コンタクタおよび負極コンタクタ17のいずれか一方の溶着異常を診断し、正極コンタクタ16、負極コンタクタ17、およびプリチャージコンタクタ18に対して車両停止のための停止時指令を出力するタイミングで、正極側コンタクタ16および/または18と、負極コンタクタ17のいずれか他方の溶着異常を診断する。以下、診断手順を詳細に説明する。
(第1の異常診断)
図2は、本発明による電源装置の異常検出装置で実行する第1の異常診断の処理フローを示す。この第1の異常診断でのステップS6以降の処理は大きく2つ(フロー1Aと1B)に分けられる。
フロー1A(ステップS6〜S15)は、車両の起動時に正極側のコンタクタ(メインコンタクタ(+)16あるいはプリチャージコンタクタ18)と負極側のコンタクタ(メインコンタクタ(−)17)の両方が溶着しているかどうかを簡易に診断する処理である。ステップS5で、全てのコンタクタをオフとするように制御した状態で行うもので、従来のように、これらのコンタクタのオン・オフ切換えは行わない。
図3、4の診断処理タイミングチャートはこのフロー1Aの部分に対応している。車両起動時に正極側および負極側のコンタクタの両方が溶着している場合が図3に示すタイミングチャートであり、図4に示すタイミングチャートは、正極側あるいは負極側のいずれか一方は少なくとも溶着していない正常な状態のものを示している。図3、4それぞれの上部では各コンタクタの制御状態(点線)と実状態(実線)が示されている。また図3、4それぞれの下部では、電圧センサ20で検出された電池システム4の総電圧VBと電圧センサ21で検出された平滑コンデンサ22の端子間電圧VCが示されている。
フロー1B(ステップS16〜S28)の部分は、プリチャージコンタクタ18のみオン/オフしてコンタクタの異常診断を行う診断処理を示す。図5、6の診断処理タイミングチャートはこのフロー1Aの部分に対応している。図5は、車両起動時に負極側のコンタクタ17が溶着している場合を示すタイミングチャートであり、図6は、全てのコンタクタが正常に動作している場合のタイミングチャートである。
診断処理においては、フロー1Bでもメインコンタクタ(+)16とメインコンタクタ(−)17のオン/オフ制御を行わないので、従来の溶着診断に比べ簡易かつ高速に診断を行うことができる。
以下図2〜6を参照して、第1の異常診断の各ステップでの処理について説明する。
EVやHEVなどの車両を起動するため、イグニッションスイッチ8(図1)でキーオン(ステップS1)すると、コンタクタ異常診断を実行する制御装置が起動される(ステップS2)。上記のように、この制御装置はコンタクタ異常診断を実行する制御装置であり、バッテリコントローラ5であってもモータコントローラ6であってもよい。キーオンすると、低電圧バッテリ9から、車両コントローラ7および電動駆動装置2の低電圧側にあるバッテリコントローラ5とモータコントローラ6に電源が供給され、起動される。
バッテリコントローラ5およびモータコントローラ6は起動されると、それぞれが監視している対象の状態を把握する等の初期処理を行う(ステップS3)。たとえば、バッテリコントローラ5は、電池システム4の各電池セルを監視するセルコントローラ11を立ち上げる信号を送り、複数のセルコントローラを順次立ち上げるとともに、これらのセルコントローラ11を介して、各電池セルの電圧の初期状態や温度などのデータを入手する。また、モータコントローラ6も、インバータの温度や平滑コンデンサの端子間電圧などのデータを入手する。なお、各電池セルやインバータの状態に関するデータは、所定の時間間隔で適宜これらのデータがバッテリコントローラ5あるいはモータコントローラ6に入力されるが、図2のフローでは省略されている。
なお、キーオンと同時に行われるこの初期処理のタイミングを時刻t0とする。
ステップS4で、車両コントローラ7から溶着診断開始の指令が制御装置に送られると、ステップS5以降の溶着診断が制御装置によって実行される。車両始動時は、コンタクタが溶着していない正常状態であれば、メインコンタクタ(+)16、プリチャージコンタクタ18、メインコンタクタ(−)17は全てオフ、すなわち開放されているが、念のためステップS5で、これらのコンタクタをオフ、すなわち開放とする制御を行う。この時の時刻をt1(図3参照)とする。
(図2のフロー1Aの部分)
ステップS6では、時刻t1で電圧センサ20で検出された電池システム4の端子間電圧VBと、電圧センサ21で検出された平滑コンデンサ22の端子間電圧VCとを比較し、式(1)に示すように、その差が所定の電圧差ΔV1より大きければ、正極側のコンタクタ16、18および負極側のコンタクタ17が共に溶着している状態ではない(図4参照)と判断し、ステップS16に進む。またVBとVCの差がΔV1より小さければステップS7に進む。
VB−VC > ΔV1 ...(1)
もし、正極側のコンタクタ(メインコンタクタ(+)16あるいはプリチャージコンタクタ18)と負極側のコンタクタ(メインコンタクタ(−)17)の両方が溶着している場合は、電圧センサ20で検出される電池システム4の端子間電圧VBと電圧センサ21で検出される平滑コンデンサの端子間電圧VCはほぼ等しくなる(図3参照)。正極側のコンタクタであるメインコンタクタ(+)16が溶着している場合は、VBとVCはほとんど等しい値となり、正極側のコンタクタであるプリチャージコンタクタ18のみが溶着している場合は、制限抵抗19(抵抗値R2)と放電抵抗23(抵抗値R1)による電圧分割に従い、VBとVCの値に差が生じる。ステップS6での判断の閾値ΔV1は、正極側ではプリチャージコンタクタのみ溶着している場合を基準とするので、メインコンタクタ(+)16あるいはプリチャージコンタクタ18のどちらが溶着している場合でも検出できるように設定される。
なお、図3上部では、プリチャージコンタクタ18とメインコンタクタ(+)16の両方が溶着している場合を示している。また、図4上部では、プリチャージコンタクタ18とメインコンタクタ(+)16の両方が正常に動作している場合を示している。プリチャージコンタクタ18とメインコンタクタ(+)16のいずれか一方のみが溶着し、またメインコンタクタ(−)17が正常に動作している場合は、コンタクタは図3に示す状態となるが、VBとVCの電圧は図4に示すようになる。
ステップS7からS15では、正極側のコンタクタ16および/またはプリチャージコンタクタ18と負極側のコンタクタ17の両方が溶着しているかどうかを確認する。ステップS1の車両起動が前回車両停止してからすぐ行われた場合、平滑コンデンサ22の電荷の放電が終了していない場合は、正極側および負極側のコンタクタ16、18および17の全てが溶着していない正常な場合であっても、ステップS6でVB−VC>ΔV1が否定判定される可能性がある。この場合でも、正極側および負極側のコンタクタが溶着していない正常な場合は、ステップS5で全てのコンタクタがオフになっていれば、平滑コンデンサ22の電荷は放電抵抗23を介して放電され、電圧VCは次第に低下する。したがってこの電圧VCの低下を確認することにより、正極側のコンタクタ16および/または18と負極側のコンタクタ17の両方が溶着しているかどうかを確認することができる。
ステップS7では、ステップS1の車両起動が前回車両停車時から充分時間(時間T)が経過しているかどうか判定する。前回の車両停止から充分時間が経過していない場合は、ステップS8に進む。
前回車両停止してから充分時間が経過(時間T)した後、今回のステップS1の車両起動が行われた場合は、正極側および負極側のコンタクタ16および/または18と17が共に溶着していなければ、全てのコンタクタ16〜18が開放されている。そのため、平滑コンデンサ22の電荷は充分放電され、平滑コンデンサ22の端子間電圧VCはほぼ0になる。なお、この時間Tは、放電抵抗23の抵抗値R1と平滑コンデンサ22の容量Cで定まる時定数τ1により適宜定める。
逆に前回車両停止してから充分時間が経過しているにも拘わらず、ステップS6で否定判定された場合は、正極側のコンタクタ16および/または18と負極側のコンタクタ17が共に溶着している場合であるので、ステップS8からS12の処理は必要なく、ステップS7からステップS13に進んでよい。
ステップS8では、電圧センサ21で測定した平滑コンデンサ22の端子間電圧VCを初期値VC0とし、カウンタを0に設定する。これに続いてステップS9からS12の処理を所定回数繰り返す。
ステップS9で所定の時間Δt経過するまで待ち、ステップS10で再度平滑コンデンサ22の端子間電圧VCを測定し、初期値VC0との差(VC0−VC)が所定の電圧差ΔV2より大きいかどうか判定する。
初期値VC0との差が所定の電圧差ΔV2より大きければ、平滑コンデンサ22の電荷が正常に放電されている、すなわち正極側コンタクタ16および18と負極側コンタクタ17がともに溶着している状態ではないとして、図2の異常診断フローの後半部分(1B)を実行する。
初期値VC0と測定した端子間電圧VCの差が所定の電圧差ΔV2より大きくなければステップS11に進む。
ステップS11では、カウントが所定値Nを超えているか否かを判定し、所定値Nを超えていればステップS13に進む。カウントが所定値N以下であれば、ステップS12でカウントを1増加しステップS9に戻る。すなわち、ステップS9とS10の処理を所定回数繰り返す。 所定値Nは、ステップS9での待ち時間Δtでの平滑コンデンサ22の端子間電圧VCの減少の大きさΔVと、ステップS10の判定の閾値ΔV2を考慮して設定される。たとえば、上記の時定数τを用いて以下の式(2)の関係を満たすように、N、Δt、ΔV2を設定すれば、ステップS9とS10の処理をN回繰り返すとΔV2以上の電圧減少が確認できる。
ΔV=VC0・exp(−N・Δt/τ1)≧ ΔV2 ...(2)
なお、ΔV2は、電圧センサ21を用いた電圧測定系のノイズと電圧検出分解能を考慮して、少なくとも有意な電圧差が確実にあると判定できる程度に設定すればよい。ΔV2が小さくできれば、小さい電圧差でステップS10の判定ができるので、高速に異常診断ができることになる。
ステップS11でカウントが所定値N以上であれば、平滑コンデンサ22の放電が充分に行われない、すなわちステップS13で正極側のコンタクタ(メインコンタクタ(+)16あるいはプリチャージコンタクタ18)と負極側のコンタクタ(メインコンタクタ(−)17)の両方が溶着しているであると判断して正極側のコンタクタ溶着異常フラグFP=1(=ON)とし、負極側のコンタクタ溶着異常フラグFN=1(=ON)とする。
ステップS14では、正極側のコンタクタ16および/または18と負極側のコンタクタ17が共に溶着している情報、すなわち溶着異常フラグFP、FNを、上位制御装置である車両コントローラ7に送信し、終了する(ステップS15)。
なお、車両コントローラ7は、受信した溶着異常フラグFP、FNのデータを不揮発性のメモリ領域(不図示)に格納しておく。また同時に、溶着異常フラグFP、FNのいずれかがON(=1)となっている場合は、コンタクタに溶着異常が発生していることを別のフラグFCに1をセットする。このフラグFCの内容は、車両起動後の処理、たとえばステップS3の処理で上位コントローラ7から、異常診断を行う制御装置5または6に送信される。
(図2のフロー1Bの部分)
ステップS6でVB−VC>ΔV1の条件を満たしている場合、すなわち電池システム4の端子間電圧VBに対して、平滑コンデンサ22の端子間電圧VCの値が非常に小さい場合(図4に示すように正常な場合はVC=0V)、ステップS16〜S30(フロー1B)が実行される。
ステップS16では、先に説明したように、ステップS3の処理の中で上位コントローラである車両コントローラ7から制御装置5または6に送信されたデータに基づいて、コンタクタ溶着異常フラグFCに1がセットされているか確認する。もしFC=1となっていれば、制御装置の不揮発メモリに格納されている正極側コンタクタ溶着異常フラグFPの内容を読み出す(ステップS17)。
ステップS6あるいはステップS10で肯定判定されるとステップS16へ移行する。このとき、正極側のコンタクタ(メインコンタクタ(+)16あるいはプリチャージコンタクタ18)と負極側のコンタクタ(メインコンタクタ(−)17)の両方が共に溶着した状態ではない。ステップS17の情報、すなわち、正極側コンタクタ溶着異常フラグFPは、ステップS18以降の処理で正極側あるいは負極側のコンタクタが溶着しているかの判定に利用される。
なお、以下のステップS18〜S24での処理に対応して、図5はメインコンタクタ(−)17が溶着している場合のタイミングチャートを示し、図6はこれと比較するため、全てのコンタクタが溶着しておらず、正常に動作する場合のタイミングチャートを示す。
ステップS18では、平滑コンデンサ22の端子間電圧VCを測定する。この時の時刻をt2とし、測定した平滑コンデンサ端子間電圧をVC(t2)とする。この端子間電圧測定に続いて、ステップS19において、プリチャージコンタクタ18を所定時間オンとしたのち、ステップS20において、時刻t3で平滑コンデンサ22の端子間電圧VCを測定する。この時の時刻をt3とし、測定した平滑コンデンサ22の端子間電圧をVC(t3)とする。これに続いてプリチャージコンタクタ18をオフとする(ステップS21)。
ステップS22で、平滑コンデンサ22の端子間電圧VC(t2)とVC(t3)を式(3)により比較する。(VC(t3)―VC(t2))所定値ΔV3以上であるか否かを判定する。ステップS22が肯定判断されれば、メインコンタクタ(−)17が溶着していると判断し、ステップS24に進む。または、コンデンサ端子間電圧VC(t2)とVC(t3)の差である(VC(t3)―VC(t2))がΔV3より小さければ、ステップS24の処理を行う。
VC(t3)−VC(t2)≧ ΔV3 ...(3)
上記のステップS16での処理で説明したように、ステップS16が実行される場合は、正極側コンタクタ(メインコンタクタ(+)16あるいはプリチャージコンタクタ18)と負極側コンタクタ(メインコンタクタ(−)17)両方が共に溶着した状態ではない。
したがって、たとえばメインコンタクタ(−)17が溶着している場合は、正極側コンタクタ(メインコンタクタ(+)16およびプリチャージコンタクタ18)は正常に動作していることになる。この状態の診断処理ステップS16〜S28での各コンタクタの状態と平滑コンデンサ端子間電圧VCのタイミングチャートが図5に示されている。
図5に示す平滑コンデンサ端子間電圧VC(t2)とVC(t3)が、メインコンタクタ(−)が溶着している場合の平滑コンデンサ端子間電圧VCの上昇の例である。
時刻t2で平滑コンデンサ端子間電圧VC(t2)を測定した後にプリチャージコンタクタ18がオンとされると、メインコンタクタ(−)17が溶着している場合は、制限抵抗18を介して電池システム4から電流が流れ、平滑コンデンサ22が充電され、その端子間電圧が上昇して時刻t3でVC(t3)となる。したがって、上記式(3)を用いて、メインコンタクタ(−)17が溶着していると判断する。
なお、詳細は省略するが、時刻t2からt3までの平滑コンデンサ22の端子間電圧VCの上昇の時定数τ2は、放電抵抗23の抵抗値R1および制限抵抗19の抵抗値R2の合成抵抗と平滑コンデンサ22の容量Cで定まる時定数τ2に依存する。ステップS22での式(3)に基づいた判定を行うためには、下記の物理定数を考慮すればよい。
すなわち、(1)時刻t2からt3までの経過時間、上記時定数τ2、および電池システム4の端子間電圧VBの分割電圧(VB・R1/(R1+R2))に基いた、平滑コンデンサ22の端子間電圧VCの上昇(VC(t2)→VC(t3))と、(2)電圧センサ21を備える電圧測定系のノイズを考慮した電圧検出分解能とに基づいて、ΔV3と時刻t2からt3までの経過時間を適宜設定すればよい。
上記ステップS11で説明したと同様に、ΔV3が小さくできれば、ステップS22の判定を高速に行うことができる。なお、図5で時刻t4以降は、車両の駆動準備処理となるので、説明を省略する。
ステップS22で肯定判定された場合、ステップS23に進み、メインコンタクタ(−)17が溶着しているとして、負極側のコンタクタ溶着異常フラグFNをオンする。
ステップS22で否定判定された場合は、ステップS24に進み、ステップS23までの処理で、コンタクタ溶着異常フラグFPあるいはFNがオンされていないか確認する。もし、コンタクタ溶着異常フラグFPあるいはFNのいずれかがオンになっていれば、ステップS25に進み、上位制御装置である車両コントローラ7に溶着異常フラグの情報を送信する。
さらにステップS26で異常診断を終了する。
ステップS24で否定判定された場合は、全てのコンタクタは溶着しておらず、正常に動作していると判断し(ステップS27)、コンタクタ溶着異常診断は終了となる(ステップS28)。
(第1の異常診断後の車両の駆動)
全てのコンタクタ16〜18が正常に動作していると判定されて終了した場合(ステップS28)は、第1の異常診断終了後、正極側のコンタクタ(メインコンタクタ(+)16あるいはプリチャージコンタクタ18)と負極側のコンタクタ(メインコンタクタ(−)17)が閉成され、電池システム4からDC電力がインバータ3に供給される。また、第1の異常診断において、正極側あるいは負極側のコンタクタ16〜18のいずれかが溶着異常となっていると判定されて終了した場合(ステップS15、S26)であっても、車両の駆動は可能であるので、溶着異常の状態のままでインバータにDC電力供給を行う場合もある。
図5、図6で、時刻t4以降が第1の異常診断に続いて車両の駆動を行う場合のタイミングチャートであるが、説明は省略する。なお、図5での時刻t3以降の平滑コンデンサの端子間電圧VCの減少の時定数は前述のτ1となる。
(第2の異常診断)
メインコンタクタ(+)16とメインコンタクタ(−)17を開閉して行う異常診断は、本発明では第2の異常診断として車両の駆動終了時に実行される。
この第2の異常診断は従来行われている異常診断と同等であるので簡単に説明する。
なお、図8は正極側コンタクタ(メインコンタクタ(+)16およびプリチャージコンタクタ18)の内、メインコンタクタ(+)16が溶着異常となった場合の診断処理タイミングチャート (S51〜S62)であり、各コンタクタの状態と平滑コンデンサ22の端子間電圧VCのタイミングチャートである。また、図9は、全てのコンタクタが正常に動作している場合のタイミングチャートである。
正極側コンタクタであるプリチャージコンタクタ18のみが溶着異常となっている場合は、メインコンタクタ(+)16をオフとすることにより、上記のステップS6での説明から分かるように、電池システムの総電圧VBと平滑コンデンサ端子間電圧VCに差が生じるので、これを検出することにより、メインコンタクタ(+)16とプリチャージコンタクタ18のいずれが溶着しているか判定することが原理的に可能である。しかしながら、プリチャージコンタクタ18に流れる電流は制限抵抗19により制限されているので、溶着異常を起こすことは稀であり、さらに、電池システム4の端子間電圧VBも充電状態に依存して変化しているので、メインコンタクタ(+)16とプリチャージコンタクタ18のいずれが溶着しているか判定することは実際は難しく、ここでも正極側コンタクタ(メインコンタクタ(+)16とプリチャージコンタクタ18)の溶着異常の判断を行っている。
ステップS51で、車両を停止するためにイグニッションスイッチ8をオフにすると(時刻t8)、車両停止時のコンタクタの溶着異常診断が開始され、ステップS52で制御装置(バッテリコントローラ5、セルコントローラ11、モータコントローラ6)の停止処理が開始される。この停止処理ではたとえば、電池システム4の充電状態の情報を上位制御装置である車両コントローラ7に送信する処理なども含まれる。また、ステップS53以下の溶着診断処理もこの停止処理の一部として実行される。
ステップS53で溶着診断が開始され、ステップS54でメインコンタクタ(+)16とメインコンタクタ(−)17をオンとし、プリチャージコンタクタ18をオフとする制御が行われる(時刻t9)。車両が駆動状態であったので、正常であれば各コンタクタはこのような状態となっているが、各コンタクタの状態を確定するため、念のためこのような制御を行う。
ステップS55では、平滑コンデンサ22の端子間電圧VCを測定する。この時の時刻をt10とし、測定した端子間電圧をVC(t10)とする。これに続いてステップS56でメインコンタクタ(+)16をオフとする。さらにステップS57で、平滑コンデンサ22の端子間電圧を測定する。この時の時刻をt11とし、端子間電圧をVC(t11)とする。
メインコンタクタ(+)16が正常に動作していれば、図9に示すように、時刻t10で平滑コンデンサ22の端子間電圧VC(t10)の測定後にメインコンタクタ(+)16をオフとすると、平滑コンデンサ22の電荷は放電抵抗23により放電されるので、端子間電圧VCは時刻t10以降次第に前述の時定数τ1で減少する。
逆にメインコンタクタ(+)16が溶着異常となっている場合には、図8に示すように、平滑コンデンサ22の端子間電圧VCは、メインコンタクタ(−)17がオフとされる時刻t11まで低下せず、電池システム4の端子間電圧VBと同じ電圧を示す。
ステップS58で、平滑コンデンサ22の端子間電圧VC(t10)とVC(t11)が以下の式(4)を満たす場合は、正極側コンタクタ(メインコンタクタ(+)16あるいはプリチャージコンタクタ18)が溶着異常であるとしてステップS59に進む。
VC(t10)−VC(t11)≧ ΔV4 ...(4)
時刻t10とt11の時間差および式(4)の閾値ΔV4は、上記のΔV1〜ΔV3での説明と同様に、電圧の減少の大きさと電圧測定での分解能を考慮して適宜設定される。
ステップS59では、正極側コンタクタ(メインコンタクタ(+)16あるいはプリチャージコンタクタ18)が溶着異常であるとして、溶着異常フラグFPに1をセットする。
ステップS60では、全てのコンタクタをオフとする制御を行う(図8、図9では省略)。
以上で車両停止時の溶着診断(第2の以上診断)が終了となる(ステップS61)。
以上説明した第1実施形態では次の作用効果を奏することができる。
(1)正極コンタクタと負極コンタクタの溶着異常診断を車両起動時と車両停止時のタイミングで行うようにした。したがって、車両起動時に短時間に発進することができる。
(第1の変形例)
以上で説明した本発明の実施形態では、プリチャージコンタクタ18と制限抵抗19(抵抗値R2)の直列回路がメインコンタクタ(+)16に並列に設けられているとして説明した。
このプリチャージコンタクタ18と制限抵抗19(抵抗値R2)の直列回路は、メインコンタクタ(−)に並列に設けてもよい。
この第1の変形実施例では、上記で説明した溶着診断で診断する正極側コンタクタと負極側コンタクタが入れ替わることになる。すなわち、第1の以上診断ではメインコンタクタ(+)の溶着異常を診断する。図2のステップS17では負極側コンタクタ溶着異常フラグFNを読出し、ステップS23でメインコンタクタ(+)16の溶着異常フラグFPが設定される。
また、図3〜6でのメインコンタクタ(+)16とメインコンタクタ(−)17の制御ならびに実状態が入れ替わることになる。
さらに、車両停止時の溶着診断(第2の異常診断)では、ステップS56でメインコンタクタ(−)をオフにし、ステップS59でメインコンタクタ(−)の溶着異常フラグをFNに1を設定する。また図8、9では図3〜6と同様に、メインコンタクタ(+)16とメインコンタクタ(−)17の制御ならびに実状態が入れ替わる。
(第2の変形例)
図10に示すように、放電抵抗23に直列に放電抵抗リレー24を設けてもよい。なお、図10では、見易いように図1から各コントローラとモータを省略している。
放電抵抗リレー24をオン/オフすることにより放電抵抗23を平滑コンデンサに並列に接続したり、あるいはこの接続を解除することができる。
上記のステップS6での説明および第2の異常診断の説明の最初の部分の記載から分かるように、図10において、メインコンタクタ(+)16が溶着しておらず、プリチャージコンタクタ19とメインコンタクタ(−)が溶着している場合、この放電抵抗リレー24をオンとすると、制限抵抗R2と放電抵抗R1によって電池システム4の端子間電圧VBが分割され、電圧センサ21で検出する平滑コンデンサ22の端子間電圧VCが低下する。この放電抵抗リレー24のオン/オフは、車両の駆動が停止しインバータが動作していない状態で、メインコンタクタ(+)16とプリチャージコンタクタ18の状態を変えずに行うことができるので、このリレー24のオン/オフでの平滑コンデンサ22の端子間電圧VCの差、すなわち電池システム4の端子間電圧VBとリレー24をオンにした時の平滑コンデンサ22の端子間電圧VCとの差を安定して検出することができる。
したがって、プリチャージコンタクタ19のみが溶着している場合は、この放電抵抗リレー24がオンとオフの時の平滑コンデンサ端子間電圧VCの差を検出することで、プリチャージコンタクタ19が溶着していることを検出することができる。
なお、メインコンタクタ(+)16が溶着している場合は、プリチャージコンタクタ18と放電抵抗リレー24をそのようにオン/オフしても、平滑コンデンサ22の端子間電圧VCの差は殆ど出ないので、逆にこのような場合は、少なくともメインコンタクタ(+)16が溶着していると判定できる。
もともとプリチャージコンタクタ18には、制限抵抗19により大きな電流が流れないようになっているので、プリチャージコンタクタ18が溶着異常となる可能性は、メインコンタクタ(+)16より小さいと考えられる。放電抵抗リレー24とプリチャージコンタクタ18を様々な組み合わせでオン/オフしても、制限抵抗R2と放電抵抗R1の電圧分割による平滑コンデンサ22の端子間電圧VCの差が検出されない場合は、メインコンタクタ(+)16の溶着異常の可能性が高いと推定できる。
以上で説明したように、正極側コンタクタと負極側コンタクタの溶着異常を診断し、もしコンタクタ異常が検出された場合は、これを上位制御装置(車両コントローラ7)に送信し、車両の運転者に溶着異常を通知する。このようにして異常が検出された場合に、たとえば溶着した部品(コンタクタ)を交換することで、電池システムの不要な放電を避けることができ、電池システムの寿命を損なうことなく、エネルギーの無駄な使用を低減することができる。
以上の説明は本発明の実施形態および変形実施の例であり、本発明はこれらの実施形態や変形実施例に限定されない。当業者であれば、本発明の特徴を損なわずに様々な変形実施が可能である。
1…モータ(回転電機)
2…電動駆動装置
3…インバータ
4…電池システム(組電池)
5…バッテリコントローラ(制御装置)
6…モータコントローラ(制御装置)
7…車両コントローラ(上位制御装置)
8…イグニッションスイッチ
9…低電圧バッテリ
10…二次電池モジュール
11…セルコントローラ
12…通信経路
13…サービスディスコネクトスイッチ(SDSW)
14…正極側電源ライン
15…負極側電源ライン
16…メインコンタクタ(+)
17…メインコンタクタ(−)
18…プリチャージコンタクタ
19…制限抵抗
20…電圧センサ
21…電圧センサ
22…平滑コンデンサ
23…放電抵抗
24…放電抵抗リレー

Claims (10)

  1. バッテリとインバータとを接続する正極側電源ラインに設けられた正極コンタクタと、
    前記バッテリと前記インバータとを接続する負極側電源ラインに設けられた負極コンタクタと、
    前記正極コンタクタに並列接続され、互いに直列接続されたプリチャージコンタクタおよび制限抵抗と、
    前記正極側電源ラインと前記負極側電源ラインの間に前記インバータと並列に介装された平滑コンデンサと、
    前記平滑コンデンサの端子間電圧を測定するコンデンサ電圧検出手段と、
    前記正極コンタクタ、負極コンタクタ、およびプリチャージコンタクタの開閉指令を制御する制御手段とを備えた電源装置の異常検出装置において、
    前記制御手段は、前記正極コンタクタ、負極コンタクタ、およびプリチャージコンタクタに対して車両起動のための起動時指令を出力するタイミングで、前記正極コンタクタとプリチャージコンタクタを含む正極側コンタクタおよび負極コンタクタのいずれか一方の溶着異常を診断し、前記正極コンタクタとプリチャージコンタクタ、負極コンタクタ、およびプリチャージコンタクタに対して車両停止のための停止時指令を出力するタイミングで、前記正極側コンタクタおよび負極コンタクタのいずれか他方の溶着異常を診断する診断手段を備えることを特徴とする電源装置の異常検出装置。
  2. 請求項1に記載の電源装置の異常検出装置において、
    前記診断手段は、
    前記起動時指令を出力するタイミングで、前記負極コンタクタの溶着異常を診断する負側診断手段と、前記停止時指令を出力するタイミングで、前記正極側コンタクタの溶着異常を診断する正側診断手段とを含むことを特徴とする電源装置の異常検出装置。
  3. 請求項2に記載の電源装置の異常検出装置において、
    前記負側診断手段は、前記起動時指令を出力するタイミングで、前記プリチャージコンタクタを閉成する指令を出力するとともに前記コンデンサ電圧検出手段によって前記平滑コンデンサの端子間電圧を検出し、その後、前記プリチャージコンタクタを開放する指令を出力するとともに前記コンデンサ電圧検出手段によって前記平滑コンデンサの端子間電圧を検出し、前記検出した二つの平滑コンデンサの端子間電圧の差に基づいて、前記負極コンタクタの溶着異常を判定することを特徴とする電源装置の異常検出装置。
  4. 請求項3に記載の電源装置の異常検出装置において、
    前記負側診断手段は、前記プリチャージコンタクタを開放する指令を出力したときの前記平滑コンデンサの端子間電圧が前記プリチャージコンタクタを閉成する指令を出力したときの前記平滑コンデンサの端子間電圧よりも低下していれば、前記負極コンタクタの溶着異常と判定することを特徴とする電源装置の異常検出装置。
  5. 請求項2または3に記載の電源装置の異常検出装置において、
    前記制御手段は、前記正極側コンタクタの診断結果を格納する記憶部を備え、
    前記起動時指令を出力するタイミングで、前記正極側コンタクタの診断結果を読み出して、前記正極側コンタクタが溶着異常であると判定することを特徴とする電源装置の異常検出装置。
  6. 請求項3乃至5のいずれか1項に記載の電源装置の異常検出装置において、
    前記正側診断手段は、前記停止時指令を出力するタイミングで、前記コンデンサ電圧検出手段によって前記平滑コンデンサの端子間電圧を検出し、その後、前記正極側コンタクタを開放する指令を出力するとともに前記コンデンサ電圧検出手段により前記平滑コンデンサの端子間電圧を検出し、前記検出した二つの平滑コンデンサの端子間電圧の差に基づいて、前記正極側コンタクタの溶着異常を判定することを特徴とする電源装置の異常検出装置。
  7. 請求項6に記載の電源装置の異常検出装置において、
    前記正側診断手段は、前記正極コンタクタを開放する指令を出力したときの前記平滑コンデンサの端子間電圧が、前記正極コンタクタを開放する指令を出力する前の前記平滑コンデンサの端子間電圧から減少しないとき、前記正極側コンタクタの溶着異常と判定することを特徴とする電源装置の異常検出装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の電源装置の異常検出装置において、
    前記バッテリの総電圧を測定するバッテリ電圧検出手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記起動時指令が出力されるタイミングで、前記正極コンタクタ、前記負極コンタクタおよび前記プリチャージコンタクタを全て開放となるように制御するとともに前記バッテリの端子間電圧と前記平滑コンデンサの端子間電圧をそれぞれ検出し、それら端子間電圧の差が所定の値より小さい場合に、前記正極側コンタクタと前記負極コンタクタがともに溶着異常であると判定することを特徴とする電源装置の異常検出装置。
  9. バッテリとインバータとを接続する正極側電源ラインに設けられた正極コンタクタと、
    前記バッテリと前記インバータとを接続する負極側電源ラインに設けられた負極コンタクタと、
    前記正極コンタクタに並列接続され、互いに直列接続されたプリチャージコンタクタおよび制限抵抗と、
    前記正極側電源ラインと前記負極側電源ラインの間に前記インバータと並列に介装された平滑コンデンサと、
    前記平滑コンデンサの端子間電圧を測定するコンデンサ電圧検出手段と、
    前記正極コンタクタ、負極コンタクタ、およびプリチャージコンタクタの開閉指令を制御する制御手段とを備えた電源装置の異常検出装置において、
    前記負極コンタクタと前記正極コンタクタとをオンとして前記バッテリーのDC電力を前記インバータに供給する前に、前記プリチャージコンタクタのみをオンからオフにした時の前記平滑コンデンサの端子間電圧が前記プリチャージコンタクタをオフした時に減少した場合に、前記負極コンタクタが溶着異常であると判定することを特徴とする電源装置の異常検出装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の電源装置の異常検出装置を備えた回転電機の電動駆動装置。




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