JP2013182120A - 偏光素子およびその製造方法、液晶装置、電子機器 - Google Patents

偏光素子およびその製造方法、液晶装置、電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】広い波長帯域の光に対して優れた特性を発揮する偏光素子を提供する。
【解決手段】本発明の偏光素子1は、複数のナノロッド7(針状粒子)を含む偏光層5を備えている。複数のナノロッドは、偏光層5の一面の法線方向から見たときに、偏光層5の誘電体材料6の中でナノロッド7の長軸方向が所定の方向に沿って配向し、偏光層5の一面の法線方向から見た複数のナノロッド7の見掛け上のアスペクト比が相対的に小さい領域と相対的に大きい領域とが前記所定の方向に沿って配列されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、偏光素子およびその製造方法、液晶装置、電子機器に関する。
偏光素子の一つとして、偏光ガラスが知られている。偏光ガラスは無機物のみで構成できるため、有機物を含む偏光板に比べて、光に対する劣化が著しく少ない。したがって、偏光ガラスは、近年、高輝度化が進んでいる液晶プロジェクターに有効な光デバイスとして注目されている。
一般的な偏光ガラスとして、下記の特許文献1に記載されたものが公知である。その偏光ガラスの製造方法は以下の通りである。
(1)塩化物、臭化物、およびヨウ化物の群から選択した少なくとも一つのハロゲン化物および銀を含有する組成物から、所望の形状のガラス製品を作製する。
(2)そのガラス製品を、ガラス製品中にAgCl、AgBr、またはAgIの結晶を生成せしめるのに十分な期間にわたって、歪み点より高いが、ガラスの軟化点から約50℃は高くない温度にまで加熱し、結晶含有製品を作製する。
(3)この結晶含有製品を、結晶が少なくとも5:1のアスペクト比に伸長されるように、アニール点より高いが、ガラスが約108ポアズの粘度を示す温度より低い温度において応力下で伸長せしめる。
(4)その製品を、製品上に化学的な還元表面層を発達せしめるのに十分な期間にわたり、約250℃より高いが、ガラスのアニール点から約25℃は高くない温度の還元雰囲気に暴露する。これにより、伸長ハロゲン化銀粒子の少なくとも一部が銀元素に還元される。
下記の特許文献2には、複素誘電体を電界印加により配向させた偏光素子が開示されている。
特開昭56−169140号公報 特許第3359394号公報
特許文献1に記載の製造方法では、ガラス製品中に万遍なくハロゲン化物が析出する一方で、還元工程ではガラス製品の表層のハロゲン化物しか還元できない。そのため、ガラス製品の厚さ方向の中央部分にハロゲン化物が残存する。この相分離したハロゲン化物は、光の散乱に寄与し、偏光素子の透過率を下げる原因となる。したがって、この偏光素子を液晶表示装置などに適用した場合、十分な明るさが得られない虞がある。また、上記の製造方法により導入できるハロゲン化物は種類が少なく、現状、塩化銀、塩化銅、塩化カドミウム程度に限られる。その結果、広い波長帯域で所望の偏光特性が得られない。
特許文献2には、複素誘電体を電界印加により配向させると記載されているものの、具体的な製造方法は記載されていない。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、広い波長帯域で優れた偏光特性を発揮する偏光素子およびその製造方法を提供することを目的とする。また、そのような偏光素子を用いることで表示品位に優れた液晶装置を提供することを目的とする。また、この種の液晶装置を備えた電子機器を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の偏光素子は、光透過性を有する誘電体材料の中に複数の針状粒子が分散された偏光層を備え、前記複数の針状粒子は、前記偏光層の一面の法線方向から見たときに、前記誘電体材料の中で前記針状粒子の長軸方向が所定の方向に沿って配向し、前記偏光層の一面の法線方向から見た前記複数の針状粒子の見掛け上のアスペクト比が相対的に小さい領域と相対的に大きい領域とが前記所定の方向に沿って配列されていることを特徴とする。
なお、「針状粒子のアスペクト比」は、針状粒子の短軸方向の寸法に対する針状粒子の長軸方向の寸法の比である。
この種の偏光素子に用いる針状粒子は、アスペクト比によって固有の吸収波長を有する。したがって、1種類の針状粒子を有する偏光素子の場合、特定の波長においては所望の偏光特性が得られるが、特定の波長からずれた光に対しては所望の偏光特性が得られない場合がある。その点、本発明の偏光素子は、偏光層の一面の法線方向、すなわち光の進行方向から見た針状粒子の見掛け上のアスペクト比が相対的に小さい領域と相対的に大きい領域とが前記所定の方向に沿って配列されている。したがって、1種類の針状粒子であっても、光の吸収軸方向に様々なアスペクト比の針状粒子が存在していることと等価になり、広い波長帯域にわたって高い光吸収が生じる。その結果、広い波長帯域にわたって優れた偏光特性を発揮する偏光素子が実現できる。
本発明の偏光素子は、光透過性を有する誘電体材料の中に複数の針状粒子が分散された偏光層を備え、前記複数の針状粒子は、前記偏光層の一面の法線方向から見たときに、前記誘電体材料の中で長軸方向が所定の方向に沿って配向し、前記偏光層の一面に垂直、かつ前記所定の方向に平行な断面において、前記複数の針状粒子は、前記偏光層の一面に平行かつ前記所定の方向に垂直な方向にそれぞれ延在する第1の仮想線と第2の仮想線とを曲線状に結ぶ仮想曲線に前記針状粒子の長軸方向が沿うように配向していることを特徴とする。
本発明の偏光素子においては、偏光層の一面に垂直、かつ前記所定の方向に平行な断面において、複数の針状粒子が、前記所定の方向に垂直な方向にそれぞれ延在する第1の仮想線と第2の仮想線とを曲線状に結ぶ仮想曲線に沿って配向している。このとき、このような配向状態を偏光層の一面の法線方向から見ると、針状粒子の見掛け上のアスペクト比が第1の仮想線と第2の仮想線とを結ぶ直線上で変化しているように見える。そのため、上述したように、広い波長帯域にわたって高い光吸収が生じ、優れた偏光特性を発揮する偏光素子が実現できる。
本発明の偏光素子において、前記仮想曲線は、前記第1の仮想線と前記第2の仮想線との間に電圧を印加した際に生じる電気力線とすることができる。
この構成によれば、第1の仮想線と第2の仮想線との間に電圧を印加することにより、上記の針状粒子の配向状態を有する偏光素子を製造することができる。
本発明の偏光素子において、前記複数の針状粒子は、金属単体、もしくは第1の金属の表面が第2の金属で覆われた複合金属で構成されていることが望ましい。
この構成によれば、金属単体もしくは複合金属の種類を適切に選択することで、所望の偏光特性を有する偏光素子を実現することができる。
本発明の偏光素子において、前記偏光層が設けられた基材をさらに備えていてもよい。
この構成によれば、基材が偏光層を支持する支持部材として機能する。これにより、取り扱いが容易な偏光素子を実現できる。
本発明の偏光素子において、前記誘電体材料の熱膨張係数は、前記基材の熱膨張係数と略等しいことが望ましい。
この構成によれば、偏光素子に温度変化が生じた場合でも基材と偏光層との間に熱応力による歪みが生じにくく、安定した偏光特性が得られる。
本発明の偏光素子において、前記基材は、水晶もしくはサファイアで構成されていることが望ましい。
この構成によれば、偏光素子に温度変化が生じた場合でも基材に歪みが生じにくく、安定した偏光特性が得られる。
本発明の偏光素子の製造方法は、基材の一面に、液状の誘電体材料の中に複数の針状粒子を分散させた溶液を塗布する工程と、前記溶液の表面に、互いに略平行な方向に延在する第1の電極および第2の電極を配置する工程と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧を印加し、生じた電界により前記複数の針状粒子を配向させる工程と、前記複数の針状粒子を配向させた前記誘電体材料を焼成する工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明の偏光素子の製造方法によれば、溶液の表面に配置した第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加することにより、溶液内の針状粒子の配向状態を上記のように制御することができる。したがって、複数種の針状粒子を用いることなく、広帯域にわたって優れた偏光特性を発揮する偏光素子を容易に製造することができる。
本発明の偏光素子の製造方法において、前記誘電体材料の焼成を前記電圧の印加と同時に行うことが望ましい。
この構成によれば、複数の針状粒子の配向状態が維持された状態で周囲の誘電体材料が焼成により固化し、複数の針状粒子が固定される。したがって、所望の偏光特性を有する偏光素子を製造することができる。
前記溶液の表面に前記第1の電極および前記第2の電極を配置する工程において、前記第1の電極と前記第2の電極とを備えたテンプレート基板を前記溶液の表面に配置することが望ましい。
この構成によれば、第1の電極および第2の電極が取り扱いやすくなり、その後の第1の電極と第2の電極との間の電圧印加作業を容易に行うことができる。
本発明の偏光素子の製造方法において、前記第1の電極および前記第2の電極の各々が、前記テンプレート基板の一面の法線方向から見て櫛歯状に形成されていることが望ましい。
この構成によれば、第1の電極および第2の電極の各々の電極引き出し部に電圧を印加することにより、基材の広い範囲にわたって電界を生じさせることができる。その結果、基材の全面にわたってより均一な偏光特性を有する偏光素子を実現できる。
本発明の偏光素子の製造方法において、前記複数の針状粒子を配向させた後に、前記第1の電極および前記第2の電極を前記誘電体材料の表面から剥離する工程を備えることが望ましい。
この構成によれば、完成後の偏光素子上に第1の電極および第2の電極が残らないため、第1の電極および第2の電極の構成材料が光透過性を有する必要はない。よって、これら電極の構成材料の選択の自由度が高まる。
本発明の液晶装置は、一対の基板間に液晶が挟持された液晶パネルと、前記液晶パネルの少なくとも一面側に配置された偏光素子と、を備え、前記偏光素子が、前記本発明の偏光素子であることを特徴とする。
本発明の液晶装置は前記本発明の偏光素子を備えているため、表示品位に優れた液晶装置を実現することができる。
本発明の電子機器は、前記本発明の液晶装置を備えたことを特徴とする。
本発明の電子機器は前記本発明の液晶装置を備えているため、表示品位に優れた液晶表示部を有する電子機器を実現することができる。
本発明の一実施形態の偏光素子を示す断面図である。 本実施形態の偏光素子の製造工程を示すフローチャートである。 本実施形態の偏光素子の製造工程を、順を追って示す断面図である。 (A)偏光素子の製造工程で用いるテンプレート基板の斜視図であり、(B)テンプレート基板の平面図である。 複数のナノロッドの配向状態を説明するための図であり、(A)電圧印加前の状態、(B)電圧印加後の状態をそれぞれ示す平面図である。 ナノロッドのアスペクト比と吸収断面積との関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態の液晶装置を示す平面図である。 図7のH−H’線に沿う断面図である。 本発明の一実施形態の電子機器を示す平面図である。
以下、本発明の一実施形態について、図1〜図6を用いて説明する。
図1は、本実施形態の偏光素子の断面図である。
なお、以下の各図面においては各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
本実施形態の偏光素子1は、図1(A)に示すように、薄膜状の偏光層5を備えている。偏光層5は、光透過性を有する薄膜状の誘電体材料6と、誘電体材料6の中に分散された複数のナノロッド7(針状粒子)と、を含む。偏光層5は、基材としてのガラス基板2の上に設けられている。ガラス基板2の具体的な材質は特に限定されるものではなく、公知のいかなるガラス基板を用いても良い。なお、基材が光透過性を有する必要がある場合、基材として特にガラス基板に限定されるものではなく、石英基板、水晶基板、サファイア基板、樹脂基板等を用いても良い。偏光素子1に耐熱性が要求される場合には、無機系の基板を用いることが望ましい。特に、熱歪みが小さい水晶基板もしくはサファイア基板を用いることが望ましい。また、偏光素子1の用途によっては、基材は必ずしも光透過性を有している必要は無い。
偏光層5は、広い波長帯域において、第1の偏光状態の第1偏光の透過率が、第1の偏光状態とは異なる第2の偏光状態の第2偏光の透過率とは異なる特性を有する。例えば偏光層5の一面に光が入射するとき、S偏光の透過率とP偏光の透過率とが異なる。すなわち、偏光層5は、広い波長帯域において、第1偏光を選択的に透過する一方、第2偏光を選択的に吸収する特性を有する。偏光層5は、無機物を主原料とする光透過性を有する誘電体材料、例えばシリコン酸化物からなる誘電体材料6の中に、例えば金(Au)等からなる複数のナノロッド7(針状粒子)が分散したものである。
ナノロッド7の材料としては、金の他、銀(Ag)等の金属単体を用いることができる。もしくは、金(第1の金属)からなる針状結晶の表面が銀(第2の金属)で被覆された複合金属を用いることもできる。誘電体材料6としては、光透過性が高いシリコン酸化物等の材料を用いることが望ましい。温度変化が生じた際の熱歪みを極力小さくするために、誘電体材料6の熱膨張係数はガラス基板2の熱膨張係数と略等しいことが望ましい。後述する製造方法を実現するために、誘電体材料6は、液状でガラス基板2上に塗布が可能であり、ナノロッド7が均一に分散して電圧印加時に配向状態を変化できる程度の粘度を有することが望ましい。
ナノロッド7は、短軸方向が例えば数nmから数十nm程度、長軸方向が例えば数十nmから100nm程度の寸法を有している。ナノロッド7のサイズの一例は、長軸方向の寸法が例えば15nm、短軸方向の寸法が例えば5nm、アスペクト比が3である。アスペクト比とは、ナノロッド7の短軸方向の寸法に対する長軸方向の寸法の比である。ナノロッド7は、振動方向がナノロッド7の短軸方向と一致した偏光成分に対する吸収スペクトルが、振動方向がナノロッド7の長軸方向と一致した偏光成分に対する吸収スペクトルとは異なる、という特性を有している。
図1、図5(a)、図5(b)に示すように、偏光層5のガラス基板に接する側の面と反対側の面において所定の方向と垂直な方向に延在する第1の仮想線11aおよび第2の仮想線11bを想定する。第1の仮想線11aは、後述する偏光素子1の製造工程において電圧印加時に配置される第1の電極3の電極指3aにおける短手方向の中心線に相当する。第2の仮想線11bは、後述する偏光素子1の製造工程において電圧印加時に配置される第2の電極4の電極指4aにおける短手方向の中心線に相当する。図5(a)、(b)において、符号3fで示す直線は第1の電極3の電極指3aの輪郭を示す直線であり、符号4fで示す直線は第2の電極4の電極指4aの輪郭を示す直線である。
偏光層5の主面に垂直、かつ第1の仮想線11aおよび第2の仮想線11bに垂直な断面において、図1に示すように、複数のナノロッド7は、第1の仮想線11aと第2の仮想線11bとを曲線状に結ぶ仮想曲線に沿って配向している。この仮想曲線は、後述するように、第1の電極3と第2の電極4との間に電圧を印加したときの電気力線である。ここでは図面を見易くするため、3本の電気力線に沿って配向するナノロッド7のみを図示したが、これ以外にも多数のナノロッド7が第1の仮想線11aと第2の仮想線11bとの間を弓状に結ぶように配向している。
これに対して、偏光層5の主面の法線方向から見ると、複数のナノロッド7は、図5(b)に示すように、略同一の方向に配向している。複数のナノロッド7は、長軸方向が第1の仮想線11aおよび第2の仮想線11bと略垂直な方向(所定の方向)に沿うように配向している。偏光層5の主面の法線方向から見たとき、第1の仮想線11aと重なる領域または第2の仮想線11bと重なる領域におけるナノロッド7の見掛け上のアスペクト比は、第1の仮想線11aと第2の仮想線11bとの間の領域におけるナノロッド7の見掛け上のアスペクト比よりも小さい。より具体的には、第1の仮想線11aと第2の仮想線11bとの中間に近い程、ナノロッド7の見掛け上のアスペクト比は大きく、第1の仮想線11aあるいは第2の仮想線11bに近い程、ナノロッド7の見掛け上のアスペクト比は小さい。ここで、ナノロッド7の見掛け上のアスペクト比とは、偏光層5の主面へのナノロッド7の射影のアスペクト比を意味する。
例えばアスペクト比が3のナノロッド7を用いた場合、隣り合う第1の仮想線11aと第2の仮想線11bとの間の略中央に位置するナノロッド7は、図1に示したように、長軸方向を偏光層5の主面に対して略平行に向けて配向しているため、見掛け上のアスペクト比が略3である。ところが、第1の仮想線11aと重なる領域または第2の仮想線11bと重なる領域に位置するナノロッド7は、長軸方向が偏光層5の主面に対して立ち上がっているため、見掛け上のアスペクト比は3よりも充分に小さい値を取る。
図5(b)は、隣り合う1組の第1の仮想線11aおよび第2の仮想線11bに対応する箇所の拡大図である。したがって、偏光素子1の全域では、図5(b)に示すナノロッド7の配向状態が所定の方向に繰り返された構成を採る。すなわち、偏光層5の主面の法線方向から見たとき、偏光層5において、誘電体材料6の中で複数のナノロッド7の長軸方向が所定の方向に沿って配向し、ナノロッド7の見掛け上のアスペクト比が相対的に小さい領域と相対的に大きい領域とが前記所定の方向に沿って交互に配列されている。
以下、本実施形態の偏光素子1の製造方法について、図2〜図4を用いて説明する。
最初に、図3(A)に示すように、第1の電極3と第2の電極4とが交互に配置されたテンプレート基板12を作製する(図2のステップS1)。
テンプレート基板12の構成について説明する。
第1の電極3および第2の電極4は、基板13の一面に形成されている。第1の電極3は、図4(A)、(B)に示すように、複数本(本実施形態では3本)の電極指3aと、これら電極指3aと一体に形成された電極引き出し部3bと、を有している。複数本の電極指3aは、互いに平行に配置され、基板13の一辺に平行な方向に延在している。第2の電極4は、第1の電極3と同様、複数本(本実施形態では3本)の電極指4aと、これら電極指4aと一体に形成された電極引き出し部4bと、を有している。複数本の電極指4aは、互いに平行に配置され、基板13の一辺に平行な方向に延在している。すなわち、第1の電極3の各電極指3aと第2の電極4の各電極指4aとは、互いに平行に延在している。
第1の電極3と第2の電極4とは、基板13の一面の法線方向から見て櫛歯状に形成されている。第1の電極3と第2の電極4とは、互いの櫛歯が噛み合うように配置されており、互いに電気的に接続されていない。第1の電極3の電極指3aと第2の電極4の電極指4aとの間隔は例えば1μm程度である。第1の電極3および第2の電極4は、例えばインジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide, 以下、ITOと略記する)等の透明導電材料で構成されていてもよいし、金属材料で構成されていてもよい。基板13の材料は特に限定されない。
テンプレート基板12を作製する際には、第1の電極3および第2の電極4の材料としてITOを用いる場合、最初に、基板13の一面に、例えばスパッタ法によりITO膜を成膜する。次に、周知のフォトリソグラフィー法、エッチング法によりITO膜を櫛歯状にパターニングし、複数の電極指3aを有する第1の電極3および複数の電極指4aを有する第2の電極4を形成する。
次に、図3(B)に示すように、ガラス基板2の一面に、誘電体材料6としてのポリシラザンSOG(Spin On Glass)の中に複数のナノロッド7を分散させたポリシラザンSOG溶液8を塗布する(図2のステップS2)。ポリシラザンSOGは、塗布時には液状であり、後の工程で焼成すると、シリコン酸化物に変成する誘電体材料6である。この時点では、複数のナノロッド7はポリシラザンSOG溶液8の中でランダムな方向を向いている。
次に、図3(C)に示すように、テンプレート基板12を、第1の電極3および第2の電極4が形成された側の面をポリシラザンSOG溶液8の側に向けて、ポリシラザンSOG溶液8の表面上に配置する。次に、第1の電極3と第2の電極4との間に電圧を印加し、生じた電界により複数のナノロッド7を配向させる(図2のステップS3)。具体的には、第1の電極3の電極引き出し部3b(図4(A)、(B)参照)に高周波電源10を接続し、第2の電極4の電極引き出し部4b(図4(A)、(B)参照)を接地する。これにより、第1の電極3の電極指3aと第2の電極4の電極指4aとの間に電界が生じる。このとき、第1の電極3の電極指3aと第2の電極4の電極指4aとを曲線状に結ぶように電気力線が発生する。ナノロッド7は針状の形状をしており、各ナノロッド7には分極が生じている。そのため、各ナノロッド7は、長軸方向が電気力線に沿うように配向する。
次に、図3(D)に示すように、テンプレート基板12をポリシラザンSOG溶液8上から剥離する(図2のステップS4)。
次に、複数のナノロッド7を配向させたポリシラザンSOG溶液8を、例えばオーブン等を用いて400℃以上の温度で焼成する(図2のステップS5)。これにより、ポリシラザンSOG溶液8の中の有機溶媒が除去されるとともに、ポリシラザンが大気中の水分や酸素と反応して固化し、シリコン酸化物に変化する。このとき、複数のナノロッド7が電気力線に沿って配向した状態で固定され、図1に示す偏光層5が形成される。
以上の工程を経て、本実施形態の偏光素子1が完成する。
なお、電圧の印加とポリシラザンSOG溶液8の焼成は別々に行ってもよいが、同時に行ってもよい。電圧の印加とポリシラザンSOG溶液8の焼成を同時に行うと、複数のナノロッド7が電気力線に沿って配向した状態で確実に固定されやすく、所望の偏光特性を実現しやすい。その場合、テンプレート基板12として耐熱性の高いものを用いる必要がある。焼成が終わった後、テンプレート基板12を偏光層5から剥離すればよい。また、ポリシラザンSOG溶液8の成分と電極材料との反応を防ぐため、SiO等の層間絶縁膜を第1の電極3上および第2の電極4上に形成してもよい。
ポリシラザンSOG溶液8の上にテンプレート基板12を配置した後、第1の電極3と第2の電極4との間に電圧を印加する前の時点では、偏光層5の主面の法線方向から見ると、図5(a)に示すように、複数のナノロッド7はランダムな方向を向いている。これに対して、第1の電極3と第2の電極4との間に電圧を印加すると、偏光層5の主面の法線方向から見て、図5(b)に示すように、複数のナノロッド7は、第1の電極3の電極指3aおよび第2の電極4の電極指4aの延在方向と略垂直な方向に沿って配向する。また、ナノロッド7の見掛け上の長軸方向の寸法がナノロッド7の位置によって異なるため、ナノロッド7の見掛け上のアスペクト比はナノロッド7の位置によって異なる。
この種の偏光素子に用いるナノロッドは、見掛け上のアスペクト比によって固有の吸収波長を有する。したがって、1種類の針状粒子を有する偏光素子の場合、ある特定波長においては所望の偏光特性が得られるが、特定波長からずれた光に対しては所望の偏光特性が得られないおそれがある。
図6は、銀ナノロッドのアスペクト比と吸収断面積との関係を示すグラフである。図6の横軸は光の波長[nm]を示し、図6の縦軸は吸収断面積[a.u.]を示している。図6では、実線、破線、1点鎖線の3本のグラフを示すが、これら3本のグラフはアスペクト比が異なる3種類のナノロッドに対応する。図6に示す通り、ナノロッドのアスペクト比の変化に伴って、光の吸収ピーク波長が変化する。
本実施形態の偏光素子1は、ナノロッド7の見掛け上のアスペクト比がガラス基板2の面上の位置によって周期的に変化している。そのため、偏光層5の中に1種類のナノロッド7が含まれているだけであっても、光の吸収軸方向に様々なアスペクト比のナノロッドが存在していることと等価になり、広帯域にわたって高い光吸収が生じる。その結果、優れた偏光特性を発揮する偏光素子が実現できる。
本実施形態の偏光素子1は、後に偏光層5の母材となるポリシラザンSOGの中に1種類のナノロッド7を分散させたポリシラザンSOG溶液8を用いて製造することができる。よって、偏光素子1の製造工程の簡略化が図れる。また、偏光素子1の構成材料が全て無機材料であるため、耐熱性に優れた偏光素子を実現することができる。
本実施形態の偏光素子1の製造方法においては、第1の電極3および第2の電極4を備えたテンプレート基板12を使い回すことができる。そのため、ガラス基板2側に電極を形成するなどの加工を施す必要がない。そのため、透過率が高い偏光素子1を低コストで製造することができる。また、テンプレート基板12の第1の電極3および第2の電極4が櫛歯状に形成されているため、第1の電極3および第2の電極4の各々の電極引き出し部3b,4bに電圧を印加することにより、広い範囲にわたって電界を生じさせることができる。その結果、偏光層5の全面にわたってより均一な偏光特性を有する偏光素子1を実現できる。
[液晶装置]
以下、本発明の一実施形態である液晶装置を、図7、図8を参照して説明する。
本実施形態では、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor, 以下、TFTと略記する)を画素スイッチング素子として用いたアクティブマトリクス方式の液晶表示装置の例を挙げて説明する。図7は本実施形態の液晶表示装置を各構成要素とともに対向基板の側から見た平面図、図8は図7のH−H’線に沿う断面図である。
図7および図8に示すように、本実施形態の液晶表示装置31は、TFTアレイ基板32と対向基板33とがシール材34によって貼り合わされ、このシール材34によって区画された領域内に液晶層35が封入された液晶パネル36を有している。液晶層35は、正の誘電率異方性を有する液晶材料から構成されている。シール材34の形成領域の内側の領域には、遮光性材料からなる遮光膜(周辺見切り)37が形成されている。
シール材34の外側の周辺回路領域には、データ線駆動回路38および外部回路実装端子39がTFTアレイ基板32の一辺に沿って形成されており、この一辺に隣接する2辺に沿って走査線駆動回路40が形成されている。TFTアレイ基板32の残る一辺には、表示領域の両側に設けられた走査線駆動回路40の間を接続するための複数の配線41が設けられている。また、対向基板43の角部においては、TFTアレイ基板32と対向基板33との間で電気的導通をとるための基板間導通材42が配設されている。
対向基板33の液晶層35側の面には、カラーフィルター43が形成されている。カラーフィルター43は、マトリクス状に配列された複数のサブピクセルの各々に対応して、赤色色材層、緑色色材層、青色色材層を有している。液晶パネル36の光入射側および光射出側には、偏光板44,45がそれぞれ配置されている。これらの偏光板44,45は、上記実施形態の偏光素子である。
本実施形態によれば、上記実施形態の偏光素子を備えたことにより、明るく、コントラストの高い表示が可能な液晶表示装置を実現できる。
[電子機器]
以下、本発明の電子機器の一実施形態を、図9を用いて説明する。
図9は上記実施形態の液晶表示装置を備えた携帯電話機の斜視図である。図9に示すように、携帯電話機1300(電子機器)は、複数の操作ボタン1302、受話口1303、送話口1304とともに、上記実施形態の液晶表示装置からなる表示部1301を備えている。
本実施形態によれば、表示部1301として上記実施形態の液晶表示装置を備えたことにより、表示品位に優れた液晶表示部を備えた電子機器を実現することができる。
なお、本発明の電子機器の具体例としては、上記の携帯電話機の他、プロジェクター、電子ブック、パーソナルコンピューター、ディジタルスチルカメラ、液晶テレビジョン、ビューファインダー型またはモニター直視型のビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた電子機器等が挙げられる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば上記実施形態では、第1の電極および第2の電極の材料として透明導電材料を用いたが、第1の電極および第2の電極の材料として必ずしも透明導電材料を用いなくてもよい。また、上記実施形態では、ナノロッドの材料として金属を用いたが、これに代えて、半導体材料を用いてもよい。その他、偏光素子もしくはテンプレート基板の各部の形状、配置、構成材料、製造工程等に関しては適宜変更が可能である。
上記実施形態では、基材としてガラス基板を用い、基材が光透過性を有している例を挙げたが、偏光素子の用途によっては基材が必ずしも光透過性を有していなくてもよい。例えば反射型の液晶装置に用いる場合等には、光反射性の基材を用いることができる。また、上記実施形態では他に何も設けられていない基板の一面に偏光層を設けた例を示したが、例えば上述のTFTアレイ基板や対向基板のように、他の構成要素が設けられた基板の一面の上にさらに本発明による偏光層を設けてもよい。また、本発明の偏光素子は、必ずしも基材を備えていなくてもよい。例えば上記実施形態の偏光素子の偏光層から基材を剥離するなどして、偏光素子が偏光層のみで構成されていてもよい。
1…偏光素子、2…ガラス基板(基材)、3…第1の電極、4…第2の電極、5…偏光層、6…誘電体材料、7…ナノロッド(針状粒子)、8…ポリシラザンSOG溶液、11a…第1の仮想線、11b…第2の仮想線、12…テンプレート基板、31…液晶表示装置(液晶装置)、36…液晶パネル、44,45…偏光板(偏光素子)、1300…携帯電話機(電子機器)。

Claims (14)

  1. 光透過性を有する誘電体材料の中に複数の針状粒子が分散された偏光層を備え、
    前記複数の針状粒子は、前記偏光層の一面の法線方向から見たときに、前記誘電体材料の中で前記針状粒子の長軸方向が所定の方向に沿って配向し、
    前記偏光層の一面の法線方向から見た前記複数の針状粒子の見掛け上のアスペクト比が相対的に小さい領域と相対的に大きい領域とが前記所定の方向に沿って配列されていることを特徴とする偏光素子。
  2. 光透過性を有する誘電体材料の中に複数の針状粒子が分散された偏光層を備え、
    前記複数の針状粒子は、前記偏光層の一面の法線方向から見たときに、前記誘電体材料の中で長軸方向が所定の方向に沿って配向し、
    前記偏光層の一面に垂直、かつ前記所定の方向に平行な断面において、前記複数の針状粒子は、前記偏光層の一面に平行かつ前記所定の方向に垂直な方向にそれぞれ延在する第1の仮想線と第2の仮想線とを曲線状に結ぶ仮想曲線に前記針状粒子の長軸方向が沿うように配向していることを特徴とする偏光素子。
  3. 前記仮想曲線は、前記第1の仮想線と前記第2の仮想線との間に電圧を印加した際に生じる電気力線であることを特徴とする請求項2に記載の偏光素子。
  4. 前記複数の針状粒子が、金属単体、もしくは第1の金属の表面が第2の金属で覆われた複合金属で構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の偏光素子。
  5. 前記偏光層が設けられた基材をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の偏光素子。
  6. 前記誘電体材料の熱膨張係数が、前記基材の熱膨張係数と略等しいことを特徴とする請求項5に記載の偏光素子。
  7. 前記基材が、水晶もしくはサファイアで構成されていることを特徴とする請求項5または6に記載の偏光素子。
  8. 基材の一面に、液状の誘電体材料の中に複数の針状粒子を分散させた溶液を塗布する工程と、
    前記溶液の表面に、互いに略平行な方向に延在する第1の電極および第2の電極を配置する工程と、
    前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧を印加し、生じた電界により前記複数の針状粒子を配向させる工程と、
    前記複数の針状粒子を配向させた前記誘電体材料を焼成する工程と、
    を備えたことを特徴とする偏光素子の製造方法。
  9. 前記誘電体材料の焼成を前記電圧の印加と同時に行うことを特徴とする請求項8に記載の偏光素子の製造方法。
  10. 前記溶液の表面に前記第1の電極および前記第2の電極を配置する工程において、前記第1の電極と前記第2の電極とを備えたテンプレート基板を前記溶液の表面に配置することを特徴とする請求項8または9に記載の偏光素子の製造方法。
  11. 前記第1の電極および前記第2の電極の各々が、前記テンプレート基板の一面の法線方向から見て櫛歯状に形成されていることを特徴とする請求項10に記載の偏光素子の製造方法。
  12. 前記複数の針状粒子を配向させる工程の後に、前記第1の電極および前記第2の電極を前記誘電体材料の表面から剥離する工程を備えたことを特徴とする請求項8ないし11のいずれか一項に記載の偏光素子の製造方法。
  13. 一対の基板間に液晶が挟持された液晶パネルと、前記液晶パネルの少なくとも一面側に配置された偏光素子と、を備え、
    前記偏光素子が、請求項1ないし7のいずれか一項に記載の偏光素子であることを特徴とする液晶装置。
  14. 請求項13に記載の液晶装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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