JP2013185111A - アクリル系共重合体、熱可塑性樹脂組成物および成形体 - Google Patents

アクリル系共重合体、熱可塑性樹脂組成物および成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】本構成を有しない場合に比べ、熱可塑性樹脂とともに成形体にしたとき、耐衝撃性および難燃性に優れたアクリル系共重合体を提供する。
【解決手段】アクリル系共重合体は、エポキシ基を含有する(メタ)アクリル酸エステル単位(a1)と、下記式(1)で示される少なくとも一種のリン酸エステル単量体単位で変性された(メタ)アクリル酸エステル単位(a2)と、ガラス相転移点が0℃以下である(メタ)アクリル酸エステル単位(a3)と、を含み、(a1)から(a3)単位の総量100質量%に対し、(a1)が30質量%以上80質量%以下、(a2)が10質量%以上70質量%以下、(a3)が10質量%以上60質量%以下、で構成される。


【選択図】なし

Description

本発明は、アクリル系共重合体、熱可塑性樹脂組成物および成形体に関する。
従来、電気製品や電子・電気機器の部品には、ポリスチレン、ポリスチレン−ABS樹脂共重合体、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリアセタール等の高分子材料が、耐熱性、機械強度、特に、電子・電気機器の部品の場合には、環境変動に対する機械強度の維持性に優れることから用いられてきた。
一方、近年では、環境問題の観点から、上述の高分子材料に代えて、植物由来の材料であり、CO排出量が少なく、枯渇資源である石油の使用量が少なく、環境負荷が少ないポリ乳酸系樹脂材料を用いる検討がなされている。
例えば、特許文献1には、ポリL−乳酸とポリD−乳酸とのブレンド物からなり、該ポリL−乳酸および/またはポリD−乳酸のカルボキシル基末端の少なくとも一部が封鎖されているポリ乳酸樹脂組成物が開示されている。
特許文献2には、少なくとも1種の生分解性を示す有機高分子化合物と、リン含有化合物及び水酸化物を含有する難燃系添加剤と、少なくとも1種の上記有機高分子化合物の加水分解を抑制する加水分解抑制剤とを含有する樹脂組成物が開示され、ここで、水酸化物は、少なくとも金属水酸化物を含み、金属水酸化物は、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムのうち少なくとも1種であり、リン含有化合物は、有機リン化合物、リン単体、無機リン化合物のうち少なくとも1種であり、難燃系添加剤は、さらに窒素化合物を含むことが好ましいことが開示されている。
特許文献3には、ポリ乳酸樹脂100重量部に対し、難燃剤100〜0.5重量部およびエポキシ化合物10〜0.1重量部を配合してなる樹脂組成物が開示され、さらにアルカリ土類金属化合物が配合されること、さらにポリ乳酸樹脂以外の熱可塑性樹脂が1種以上配合されること、さらに強化材が配合されることが開示されている。
特許文献4には、ポリ乳酸樹脂(A)と、難燃剤(B)と、グリシジルメタクリレート変性コアシェル型耐衝撃剤(C)と、加水分解抑制剤(D)と、ドリップ防止成分(E)と、結晶核剤(X)とを含有する樹脂組成物であって、ポリ乳酸樹脂(A)の含有量が50質量%以上、難燃剤(B)の含有量が10〜40質量%、グリシジルメタクリレート変性コアシェル型耐衝撃剤(C)の含有量が1〜15質量%、加水分解抑制剤(D)の含有量が0.1〜10質量%であり、ドリップ防止成分(E)が、ガラス繊維および/またはフッ素樹脂系ドリップ防止剤であり、ガラス繊維の含有量が5〜35質量%、フッ素樹脂系ドリップ防止剤の含有量が0.1〜5質量%であり、結晶核剤(X)の含有量がポリ乳酸樹脂(A)100質量部に対して0.03〜5質量部である難燃性ポリ乳酸樹脂組成物が開示されている。
特開2002−30208号公報 特開2005−162871号公報 特開2006−16446号公報 特開2010−144084号公報
本発明の課題は、本構成を有しない場合に比べ、成形体にしたとき、耐衝撃性および難燃性が向上した樹脂組成物、該樹脂組成物に添加されるアクリル系共重合体を提供することにある。
本発明のアクリル系共重合体、熱可塑性樹脂組成物および成形体は、以下の特徴を有する。
(1)エポキシ基を含有する(メタ)アクリル酸エステル単位(a1)と、下記式(1)で示される少なくとも一種のリン酸エステル単量体単位で変性された(メタ)アクリル酸エステル単位(a2)と、ガラス相転移点が0℃以下である(メタ)アクリル酸エステル単位(a3)と、を含み、前記(a1)から(a3)単位の総量100質量%に対し、前記(a1)が30質量%以上80質量%以下、前記(a2)が10質量%以上70質量%以下、前記(a3)が10質量%以上60質量%以下で構成された、アクリル系共重合体である。

(ただし、式中のRは水素原子またはメチル基を、R、Rはそれぞれ水素原子あるいは炭素数が1以上6以下であるアルキル基もしくはアルキルエーテル基またはアリール基を、Aは炭素数が2以上14以下であるアルキレン基またはポリオキシアルキレン基を示す。)
(2)上記(1)に記載のアクリル系共重合体(A成分)と熱可塑性樹脂(B成分)とを含み、前記B成分100質量部に対し、前記A成分が1.0質量部以上20質量部以下で構成された、熱可塑性樹脂組成物である。
(3)前記熱可塑性樹脂(B成分)が、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、脂肪族ポリエステルからなる群から選択される、上記(2)に記載の熱可塑性樹脂組成物である。
(4)前記脂肪族ポリエステルが、ポリ乳酸である、上記(3)に記載の熱可塑性樹脂組成物である。
(5)前記熱可塑性樹脂(B成分)が、芳香族ポリカーボネート、スチレン系重合体からから選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂(b)10質量%以上90質量%以下、ポリ乳酸系樹脂10質量%以上90質量%以下で構成され、前記(b)および前記ポリ乳酸系樹脂の総量が100質量%となるように構成されたポリマーアロイである、上記(2)に記載の熱可塑性樹脂組成物である。
(6)上記(2)から(5)のいずれか1つに記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形体である。
請求項1に記載の発明によれば、本構成を有さないアクリル系共重合体が添加された樹脂組成物を成形体にした場合に比べ、耐衝撃性および難燃性が向上する。
請求項2に記載の発明によれば、本構成を有さない場合に比べ、成形体にしたときに、耐衝撃性および難燃性が向上する。
請求項3に記載の発明によれば、本構成を有さない場合に比べ、成形体にしたときに、耐衝撃性および難燃性が向上する。
請求項4に記載の発明によれば、本構成を有さないポリ乳酸含有樹脂組成物に比べ、成形体にしたときに、耐衝撃性、耐加水分解性および難燃性が向上する。
請求項5に記載の発明によれば、本構成を有さないポリ乳酸含有樹脂組成物に比べ、成形体にしたときに、耐衝撃性、耐加水分解性および難燃性が向上する。
請求項6に記載の発明によれば、本構成を有さない場合に比べ、耐衝撃性および難燃性に優れた成形体が得られる。
以下、本発明における樹脂組成物および樹脂成形体の実施の形態を説明する。なお、本実施形態は本発明を実施するための一例であり、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
[アクリル系共重合体(A成分)]
本実施の形態におけるアクリル系共重合体(A成分)は、エポキシ基を含有する(メタ)アクリル酸エステル単位(a1)と、下記式(1)で示される少なくとも一種のリン酸エステル単量体単位で変性された(メタ)アクリル酸エステル単位(a2)と、ガラス相転移点が0℃以下である(メタ)アクリル酸エステル単位(a3)と、を含む。更に、本実施の形態におけるアクリル系共重合体(A成分)は、(a1)から(a3)単位の総量100質量%に対し、(a1)を30質量%以上80質量%以下、(a2)を10質量%以上30質量%以下、(a3)を15質量%以上60質量%以下で構成される。

(ただし、式(1)中のRは水素原子またはメチル基を、R、Rはそれぞれ水素原子あるいは炭素数が1以上6以下であるアルキル基もしくはアルキルエーテル基またはアリール基を、Aは炭素数が2以上14以下であるアルキレン基またはポリオキシアルキレン基を示す。)
エポキシ基を含有する(メタ)アクリル酸エステル単位(a1)を有するモノマーとしては、例えば、グリシジルメタアクリレート(以下「GMA」と略す場合がある、CASNo.:106−91−2)、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(CASNo.:119692−59−0)、グリシジルアクリレート、イタコン酸グリシジルエステル、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテル等が挙げられる。
式(1)で示される少なくとも一種のリン酸エステル単量体単位で変性された(メタ)アクリル酸エステル単位(a2)としては、例えば、下記式(2)で示されるジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、(2−ヒドロキシエチル)アクリレートアシッドホスフェート、(2−ヒドロキシルエチル)メタクリレートアシッドホスフェート、(2−ヒドロキシプロピル)アクリレートアシッドホスフェート、(2−ヒドロキシプロピル)メタクリレートアシッドホスフェート、(3−ヒドロキシプロピル)アクリレートアシッドホスフェート、(3−ヒドロキシプロピル)メタクリレートアシッドホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート等が挙げられる。
ガラス相転移点が0℃以下である(メタ)アクリル酸エステル単位(a3)としては、例えば、メチルアクリレート(以下「MA」と略す場合がある)、ブチルアクリレート(以下「BA」と略す場合がある)、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メトキシトリプロピレングリコールアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート等が挙げられる。
本実施の形態のアクリル系共重合体における、エポキシ基を含有する(メタ)アクリル酸エステル単位(a1)が30質量%以上80質量%以下の場合、該共重合体を添加した樹脂組成物を成形体としたとき、成型体の耐衝撃性が低下するという不具合が抑制される。
本実施の形態のアクリル系共重合体における、式(1)で示される少なくとも一種のリン酸エステル単量体単位で変性された(メタ)アクリル酸エステル単位(a2)が10質量%以上の場合、該共重合体を添加した樹脂組成物を成形体としたとき、成型体の難燃性が損なわれるという不具合が抑制され、一方、式(1)で示される少なくとも一種のリン酸エステル単量体単位で変性された(メタ)アクリル酸エステル単位(a2)が70質量%以下の場合、成型体の耐衝撃性が低下するという不具合が抑制される。
本実施の形態のアクリル系共重合体における、ガラス相転移点が0℃以下である(メタ)アクリル酸エステル単位(a3)が10質量%以上の場合、該共重合体を添加した樹脂組成物を成形体としたとき、成型体の難燃性が損なわれるという不具合が抑制され、一方、ガラス相転移点が0℃以下である(メタ)アクリル酸エステル単位(a3)が60質量%以下の場合、成型体の難燃性が損なわれるという不具合が抑制される。
本実施の形態のアクリル系共重合体の調製時に、連鎖移動剤が用いられうる。連鎖移動剤としては、例えば、n−オクチルメルカプタン、α―メチルスチレンダイマー、アミン−チオール、ヘキシルメルカプタン、ヘプチルメルカプタン、ノニルメルカプタン、デシルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等が挙げられる。
本実施の形態のアクリル系共重合体の質量平均分子量は、3,000〜10,000,000であることが好ましく、アクリル系共重合体の質量平均分子量が30,000〜500,000であることがより好ましい。アクリル系共重合体の質量平均分子量が3,000未満の場合には、アクリル系共重合体自体が凝集し、ポリマー粒子として生産できないという不具合が生じ、一方、アクリル系共重合体の質量平均分子量が10,000,000を超えると、熱可塑性樹脂中での分散不良という不具合が生じる。
なお、上記質量平均分子量の測定方法については、後述する。
[熱可塑性樹脂組成物]
本実施の形態における熱可塑性樹脂組成物は、上述したアクリル系共重合体(A成分)と熱可塑性樹脂(B成分)とを含み、B成分100質量部に対し、A成分を1.0質量部以上20質量部以下含む樹脂組成物である。
本実施の形態における熱可塑性樹脂組成物において、B成分100質量部に対し、A成分が1.0質量部以上20質量部以下の場合、成型体の耐衝撃性が低下するという不具合が抑制される。
熱可塑性樹脂(B成分)として脂肪族ポリエステル系樹脂であるポリ乳酸を含有する樹脂材料において、従来技術では難しかった、この構成で予測できなかったレベルまで、耐衝撃性、耐加水分解性及び難燃性が改善される。この理由は定かではないが、従来技術では、生分解性樹脂を含有する樹脂組成物における機械特性、耐加水分解性及び難燃性を改良することを目的として、加水分解防止剤及び難燃剤を含有する組成物が提案されているが、開示されている加水分解防止剤及び難燃剤を用いて、通常の射出成形で成型品を製造した場合、耐衝撃性、耐加水分解性及び難燃性という諸条件をすべて満たすのは大変困難であるという不具合があるのに対し、本実施の形態のように、上述のアクリル系共重合体(A成分)を用いることで、熱可塑性樹脂(B成分)との相溶性が向上し、通常の射出成形を行っても、成型品の耐衝撃性が向上し、また成型品の耐加水分解性及び難燃性が改善されたと考えられる。
以下に、(B成分)について、詳細に説明する。
<熱可塑性樹脂(B成分)>
熱可塑性樹脂(B成分)として、脂肪族ポリエステル系樹脂(b1)、ポリカーボネート樹脂(b2)、スチレン系樹脂(b3)からなる群から選択される。
また、他の実施の形態として、熱可塑性樹脂(B成分)は、芳香族ポリカーボネート、スチレン系重合体からから選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂(b)10質量%以上90質量%以下、ポリ乳酸系樹脂10質量%以上90質量%以下で構成され、(b)およびポリ乳酸系樹脂の総量が100質量%となるように構成されたポリマーアロイである。
<脂肪族ポリエステル系樹脂(b1)>
脂肪族ポリエステル系樹脂(b1)として、微生物産出系重合体、合成系重合体、半合成系重合体に大別される。微生物産出系重合体としては、例えば、ポリヒドロキシ酪酸、ポリヒドロキシ吉草酸が挙げられる。合成系重合体としては、例えば、ポリカプロラクトン、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールとの縮合体が挙げられる。半合成系重合体としては、例えば、ポリ乳酸系重合体が挙げられる。これらの脂肪族ポリエステル系樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの脂肪族ポリエステル系樹脂の中でも、加工性、生分解性の観点から、半合成系重合体であることが好ましく、ポリ乳酸系重合体であることがより好ましい。特に、ポリ乳酸系重合体は、さつまいもやトウモロコシ等の非石油原料から乳酸が合成可能なため、石油資源を使用しない樹脂として、石油資源を使用した 樹脂に置き換えていく動きに対応することができる。
ポリ乳酸系重合体としては、ポリ乳酸又は乳酸と他の単量体との共重合体が挙げられる。これらのポリ乳酸系重合体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
他の単量体としては、2個以上のエステル結合形成性の官能基を持つ化合物であればよく、例えば、ジカルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトンが挙げられる。
ジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸が挙げられる。
多価アルコールとしては、例えば、ビスフェノールにエチレンオキシドを付加反応させた化合物等の芳香族多価アルコール;エチレングリコール、プロピレング リコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、グリセリン、ソルビタン、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール等の脂肪族多 価アルコール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のエーテルグリコールが挙げられる。
ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、グリコール酸、ヒドロキシブチルカルボン酸、特開平6−184417号公報に記載のヒドロキシカルボン酸が挙げられる。
ラクトンとしては、例えば、グリコリド、ε−カプロラクトングリコリド、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、δ−ブチロラクトン、β−又はγ−ブチロラクトン、ピバロラクトン、δ−バレロラクトンが挙げられる。
ポリ乳酸系重合体の合成方法としては、公知の合成方法を用いることができる。ポリ乳酸系重合体の合成方法としては、例えば、特開平7−33861号公報に 記載の合成方法;特開昭59−96123号公報に記載の合成方法;「高分子討論会予稿集」、44巻、3198〜3199頁に記載の合成方法が挙げられる。 具体的には、例えば、乳酸の直接脱水縮合による合成方法、ラクチドの開環重合による合成方法が挙げられる。
乳酸としては、例えば、L−乳酸、D−乳酸、DL−乳酸が挙げられる。これらの乳酸は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ラクチドとしては、例えば、L−ラクチド、D−ラクチド、DL−ラクチド、メソ−ラクチドが挙げられる。これらのラクチドは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
脂肪族ポリエステル系樹脂(b1)として、ポリ乳酸が好ましく、ポリ乳酸は、植物由来であり、環境負荷の低減、具体的にはCOの排出量削減、石油使用量の削減効果がある。ポリ乳酸としては、乳酸の縮合体であれば、特に限定されるものではなく、ポリ−L−乳酸(以下「PLLA」ともいう)であっても、ポリ−D−乳酸(以下「PDLA」ともいう)であっても、それらが共重合やブレンドにより交じり合ったものでもよく、さらに、ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸とを混合したものであり、これらのらせん構造がうまく噛み合った耐熱性の高い、ステレオコンプレックス型ポリ乳酸(以下「SC−PLA」ともいう)であってもよい。また、ポリ乳酸は、合成したものを用いてもよいし、市販品を用いてもよい。前記市販品としては、例えば、ユニチカ(株)製の「テラマックTE4000」、「テラマックTE2000」、「テラマックTE7000」、三井化学(株)製の「レイシアH100」、ネイチャーワークス社製の「Ingeo3001D」等が挙げられる。また、ポリ乳酸は、1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。なお、本実施形態において、ポリ乳酸は樹脂組成物の主成分として含まれる。ここで「主成分」とは、樹脂組成物全量に対して50質量%を超えることを意味する。
また、脂肪族ポリエステル系樹脂(b1)としてポリ乳酸を用いる場合、ポリ乳酸の分子量は、特に限定されるものではないが、本実施の形態では、ポリ乳酸の重量平均分子量は、8,000以上、200,000以下であり、15,000以上、120,000以下が好ましい。ポリ乳酸の重量平均分子量が8,000未満の場合、樹脂組成物の燃焼速度が速くなり、低温での機械的強度が低下する傾向があり、一方、ポリ乳酸の重量平均分子量が200,000を越える場合には、柔軟性が低下し、樹脂組成物のドリップ自消性が低下し、いずれの場合も難燃性が低下する傾向にある。なお、「ドリップ自消性」とは、樹脂組成物が熱によりたれて消失することを意味する。
樹脂組成物中におけるポリ乳酸の重量平均分子量は、樹脂組成物を液体窒素雰囲気下で冷却してその表面から測定用試料を削り取り、測定用試料を重水素化クロロホルムに0.1質量%の濃度で溶解させ、ゲルパーミッションクロマトグラフにて、分離されたポリ乳酸について測定した重量平均分子量を意味する。また、測定には、ゲルパーミッションクロマトグラフとして、東ソー社製「HLC−8220GPC」が用いられる。
本実施の形態における脂肪族ポリエステル系樹脂(b1)は、樹脂組成物全量に対して10質量%以上90質量%以下であることが好ましく、また、樹脂組成物全量に対して15質量%以上85質量以下であることがより好ましい。脂肪族ポリエステル系樹脂(b1)が、樹脂組成物全量に対して10質量%以上では、樹脂の混練工程で安定性が悪化する(ストランドが引きにくくなる)という不具合が抑制され、一方、樹脂組成物全量に対して90質量%以下では、耐湿熱性が低下するという不具合が抑制される。
<ポリカーボネート樹脂(b2)>
本実施の形態におけるポリカーボネート樹脂(b2)は、公知のポリカーボネート樹脂が用いられる。ポリカーボネート樹脂(b2)としては、例えば、芳香族ポリカーボネート、ポリオルガノシロキサン含有芳香族ポリカーボネート、脂肪族ポリカーボネート、脂環式ポリカーボネートなどが挙げられる。上記のなかでも、芳香族ポリカーボネートが望ましい。これらのポリカーボネート樹脂(b2)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<スチレン系樹脂(b3)>
本実施の形態におけるスチレン系樹脂(b3)は、公知のスチレン系樹脂が用いられる。スチレン系樹脂(b3)としては、例えば、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、(メタ)アクリル酸エステル・スチレン共重合体、スチレン・アクリロニトリル共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、アクリロニトリル・スチレン・ブタジエン共重合体(ABS)などが挙げられ、上記のなかでも、アクリロニトリル・スチレン・ブタジエン共重合体(ABS)が望ましい。これらのスチレン系樹脂(b3)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施の形態におけるポリカーボネート樹脂(b2)またはスチレン系樹脂(b3)は、樹脂組成物全量に対して10質量%以上90質量%以下であることが好ましく、また、樹脂組成物全量に対して15質量%以上85質量以下であることがより好ましい。ポリカーボネート樹脂(b2)またはスチレン系樹脂(b3)が、樹脂組成物全量に対して10質量%以上では、耐湿熱性が低下するという不具合が抑制され、一方、樹脂組成物全量に対して90質量%以下では、樹脂の混練工程で安定性が悪化する(ストランドが引きにくくなる)という不具合が抑制される。
<その他成分>
本実施の形態における熱可塑性樹脂組成物は、その他、酸化防止剤、安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤や充填剤を含有してもよい。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系、アミン系、リン系、イオウ系、ヒドロキノン系、キノリン系酸化防止剤等が挙げられる。
安定剤としては、例えば、ポリアミド、ポリ−β−アラニン共重合体、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、メラミン、シアノグアニジン、メラミン−ホルムアルデヒド縮合体等の塩基性窒素含有化合物等の窒素含有化合物;有機カルボン酸金属塩(ステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム等)、金属酸化物(酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム等)、金属水酸化物(水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム等)、金属炭酸塩等のアルカリまたはアルカリ土類金属含有化合物;ゼオライト;ハイドロタルサイト等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、サリチレート系、シュウ酸アニリド系等が挙げられる。
また、本実施形態に係る熱可塑性樹脂組成物には、耐衝撃性が損なわれない範囲で、その他難燃剤を含有してもよい。その他難燃剤としては、シリコーン系難燃剤、窒素系難燃剤、無機水酸化物系難燃剤等が挙げられる。その他難燃剤は1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
その他難燃剤としては、合成したものを用いてもよいし市販品を用いてもよい。リン系難燃剤の市販品としては、大八化学製の「TPP」、「PX−200」、「PX−202」、ブーテンハイム製の「TERRAJU C80」、クラリアント製の「EXOLIT AP422」、「EXOLIT OP930」等が挙げられる。シリコーン系難燃剤の市販品としては、東レダウシリコーン製の「DC4−7081」等が挙げられる。窒素系難燃剤の市販品としては、三和ケミカル製の「アピノン901」、下関三井化学製の「ピロリンサンメラミン」、ADEKA製の「FP2100」等が挙げられる。無機水酸化物系難燃剤の市販品としては、堺化学工業製「MGZ300」、日本軽金属製「B103ST」等が挙げられる。
また、充填剤としては、例えば、カオリン、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土などのクレイ、タルク、マイカ、モンモリナイト等が挙げられる。また、その他充填剤としては、メラミン含有粒子、フォスフェート粒子、酸化チタン等も挙げられる。その他充填剤は1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。また、ポリ乳酸に予めクレイが添加された、例えば、ユニチカ(株)社製の「テラマックTE7000」を適用してもよい。
また、本実施の形態における熱可塑性樹脂組成物は、ポリ乳酸以外の樹脂、離型剤、耐候剤、耐光剤、着色剤等を含有してもよい。
<熱可塑性樹脂組成物の製法>
本実施の形態における熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(B成分)100質量部に対し、アクリル系共重合体(A成分)が1.0質量部以上20質量部以下となるように配合し、更に必要に応じてその他成分とともに混練して作製される。
前記混練は、例えば、2軸混練装置(東芝機械製、TEM58SS)、簡易ニーダー(東洋精機製、ラボプラストミル)等の公知の混練装置を用いて行う。ここで、混練の温度条件(シリンダ温度条件)としては、ポリ乳酸の分解温度未満であることが好ましく、150℃以上、280℃以下が好ましく、170℃以上、260℃以下がより好ましい。
[成形体]
本実施の形態における成形体は、上述した本実施の形態における熱可塑性樹脂組成物を成形することにより得ることができる。例えば、射出成形、押し出し成形、ブロー成形、熱プレス成形などの成形方法により成形して、本実施形態に係る成形体が得られる。本実施形態においては、成形体における成分の分散性の理由から、本実施形態の熱可塑性樹脂組成物を射出成形して得られたものであることが好ましい。
前記射出成形は、例えば、日精樹脂工業製「NEX150」、日精樹脂工業製「NEX70000」、東芝機械製「SE50D」等の市販の装置を用いて行う。この際、シリンダ温度としては、160℃以上、260℃以下とすることが好ましく、170℃以上、240℃以下とすることがより好ましい。また、金型温度としては、生産性の観点から、30℃以上、120℃以下とすることが好ましく、30℃以上、60℃以下とすることがより好ましい。
<電子・電気機器の部品>
前述の本実施の形態における成形体は、機械的強度(耐衝撃性)、耐湿熱性(耐加水分解性)及び難燃性に優れたものになり得るため、電子・電気機器、家電製品、容器、自動車内装材などの用途に好適に用いることができる。より具体的には、家電製品や電子・電気機器などの筐体、各種部品など、ラッピングフィルム、CD−ROMやDVDなどの収納ケース、食器類、食品トレイ、飲料ボトル、薬品ラップ材などであり、中でも、電子・電気機器の部品に好適である。電子・電気機器の部品は、複雑な形状を有しているものが多く、また重量物であるので高い耐衝撃強度及び面衝撃強度が要求されるが、本実施形態の樹脂成形体によれば、このような要求特性を十分満足させることができる。
以下実施例及び比較例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
以下に、実施例及び比較例に用いるアクリル系共重合体(A)の製造例について説明する。
製造例A1:
温度計、攪拌機、還流冷却器、窒素流入口、単量体と乳化剤の添加装置を有するガラス反応器に、脱イオン水160質量部、ラウリル硫酸ナトリウム0.05質量部を仕込み、窒素気流中で攪拌しながら50℃に昇温した。次にジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート10質量部、ブチルアクリレート(BA)0.5質量部、クメンハイドロパーオキサイド0.01質量部の混合物を仕込み、その10分後にエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.01質量部と硫酸第一鉄・7水和塩0.005質量部を蒸留水5質量部に溶解した混合液、およびホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム0.2質量部を仕込んだ。1時間攪拌後、そこにジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート20質量部、BA9.5重量部およびクメンハイドロパーオキサイド0.1質量部からなる単量体の混合物を、5時間を要して滴下した。また、前記の単量体混合物の添加とともに、1質量部のラウリル硫酸ナトリウムを5質量%濃度の水溶液にしたものを5時間にわたり連続的に追加した。単量体混合物添加終了後、1.5時間攪拌を続け、CHDF2000型(MATEC社製)により測定した質量平均分子量5万のアクリレート系重合体を得た。このアクリレート系重合体に、グリシジルメタクリレート(GMA)60質量部、およびクメンハイドロパーオキサイド0.01質量部の混合物を50℃で10分間にわたって連続的に添加した。添加終了後、クメンハイドロパーオキサイド0.01質量部を添加し、さらに1時間攪拌を続けて重合を完結させた。単量体成分の重合転化率は98.3%であった。上記により、アクリル系共重合体のラテックスを得た。得られたアクリル系共重合体ラテックスを塩化カルシウム1.5%の熱水200部中に滴下し、凝固、分離し洗浄した後75℃で16時間乾燥し、これをアクリル系共重合体A1として使用した。以上の仕込み組成を表1にまとめて示す。
製造例A2:
ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェートを2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェートに変更した以外は、上記製造例A1に準じて、アクリル系共重合体A2を製造した。
製造例A3:
ブチルアクリレート(BA)をメチルアクリレート(MA)に変更した以外は、上記製造例A1に準じて、アクリル系共重合体A3を製造した。
製造例A4から製造例A13:
グリシジルメタアクリレート(GMA)、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、ブチルアクリレート(BA)、n−オクチルメルカプタンの添加量を表1に記載の仕込み組成に変更した以外は、上記製造例A1に準じて、アクリル系共重合体A4からアクリル系共重合体A13を製造した。
比較製造例A14から比較製造例A20:
グリシジルメタアクリレート(GMA)、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、ブチルアクリレート(BA)の添加量を表1に記載の仕込み組成に変更した以外は、上記製造例A1に準じて、アクリル系共重合体A14、アクリル系共重合体A16からアクリル系共重合体A20を製造した。同様に、グリシジルメタアクリレート(GMA)、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェートエチレンの添加量を表1に記載の仕込み組成に変更するとともに、ブチルアクリレート(BA)をメチルメタクリレート(以下「MMA」と略す場合がある)に変更した以外は、上記比較製造例A14に準じて、アクリル系共重合体A15を製造した。
実施例1:
表2に示す組成で、肪族族ポリエステル系樹脂(b1)としてポリ乳酸系樹脂(商品名「Ingeo3001D」、ネイチャーワークス社製)、アクリル系共重合体(A)として製造例A1で得られたアクリル系共重合体A1を用い表2に示す割合で配合し、タンブラーで均一に混合し、該混合物をベント付二軸押出機(日本製鋼所製;TEX−30α)にて、シリンダ温度およびダイス温度210℃、スクリュー回転数250rpm、ベント吸引度100MPa、並びに吐出量10kg/hで溶融混練しペレットを得た。得られたペレットは80℃で4時間、熱風乾燥機を用いて乾燥後、射出成形機(東芝機械社製、製品名「NEX500」)によりシリンダ温度210℃、金型温度60℃の条件で所定の評価用試験片を得た。
実施例2から実施例28,比較例1から比較例17:
表2から表5に示す組成で、肪族族ポリエステル系樹脂(b1)としてポリ乳酸系樹脂(b1−1)(商品名「Ingeo3001D」、ネイチャーワークス社製)、及び、ポリカーボネート樹脂(b2)として芳香族ポリカーボネート(b2−1)(商品名「ユーピロンS2000」、三菱エンジニアリングプラスチック社製)、スチレン系樹脂(b3)としてアクリロニトリル・スチレン・ブタジエン共重合体(b3−1)(商品名「トヨラック700」、東レ社製)、アクリル系共重合体(A)として製造例A1から製造例A13、比較製造例A14から比較製造例A20で得られた、アクリル系共重合体A1からアクリル系共重合体A20を用い表2から表5に示す割合で配合した以外は、上記実施例1に準じて、評価用試験片を得た。
[質量平均分子量の測定]
製造例A1から製造例A13、比較製造例A14から比較製造例A20で得られたアクリル系共重合体の質量平均分子量は、テトラヒドロフラン可溶分を試料として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(機種名「HLC−8220」、東ソー(株)製)、カラム(商品名「TSK−GEL SUPER HZM−M」、東ソー(株)製)を用い、溶離液:テトラヒドロフラン、測定温度:40℃の条件で、標準ポリスチレンによる検量線から質量平均分子量を求めた。
<測定・評価>
得られた試験片を用いて、下記各測定・評価を行った。表2から表5に結果を示す。
(耐衝撃性(初期衝撃値)の試験方法)
射出成形機(東芝機械社製、製品名「NEX500」)のシリンダ内で強制的に滞留させることなく、連続成形して得られた試験片をISO179によりノッチ付シャルピー衝撃強さにて測定した。シャルピー耐衝撃強度は、数値が大きい程、耐衝撃性に優れていることを示す。
(耐加水分解性(耐湿熱性))
賦型ペレットを65℃、95%RH雰囲気下に0,24,48,96時間調湿し、それぞれのMVRを測定した。測定条件は、200℃×1.2kgfに設定した。
(難燃性(コーンカロリーメーター試験))
燃焼中の発熱速度の経時変化が観測できるを用いて、難燃性挙動を調べた。コーンカロリーメーター(東洋精機社製、製品名「コーンカロリーメーターIII」)にて測定した。用いる試験片は、射出成型機(東芝機械社製、製品名「NEX500」)を用いてシリンダ温度210℃、金型温度60℃で30mm×30mm×2mmの試験片を射出成型した。測定条件としては、コーンヒーターの輻射量を50kW/m、排気流量を0.024m/sec、オリフィスタイプをラージ、サンプルの上面とコーンヒーターとの距離を25mm、測定までサンプルを輻射熱遮断するためにシャッターとイグナイタ(試料から発生した可燃性ガスに着火させるための10kVの高電圧スパーク)を用いる設定で行った。シャッターを開け、コーンヒーターの輻射熱による加熱が始まると同時に試験開始とし、試料が加熱で分解し、その分解ガスにイグナイタで着火し、サンプルが燃焼し、燃えなくなるまで続けた。
評価は、単位面積あたりの発熱速度=H.R.R.(kW/cm)を燃焼の激しさの指標として行った。最大H.R.R.は、サンプルに着火してから消えるまでの間のH.R.R.の最大値を示した。平均H.R.R.は、サンプルに着火してから消えるまでの間のH.R.R.の平均値を示した。
(難燃性(UL試験))
射出成型機(東芝機械社製、製品名「NEX500」)を用いてシリンダ温度210℃、金型温度60℃で射出成型し、UL−94におけるVテスト用UL試験片(厚さ2.0mm)を作製した。上記Vテスト用UL試験片を用い、UL−94に規定の方法に準拠して、UL−Vテストを実施した。「UL−94Vテスト」の結果の表示は、難燃性が高い方から順に、V−0、V−1、V−2であり、V−2より劣る場合、即ち試験片が延焼してしまった場合をnot−Vと示した。
本発明の活用例として、電子・電気機器、家電製品、容器、自動車内装材などの樹脂成形体への適用がある。

Claims (6)

  1. エポキシ基を含有する(メタ)アクリル酸エステル単位(a1)と、
    下記式(1)で示される少なくとも一種のリン酸エステル単量体単位で変性された(メタ)アクリル酸エステル単位(a2)と、
    ガラス相転移点が0℃以下である(メタ)アクリル酸エステル単位(a3)と、を含み、
    前記(a1)から(a3)単位の総量100質量%に対し、
    前記(a1)が30質量%以上80質量%以下、
    前記(a2)が10質量%以上70質量%以下、
    前記(a3)が10質量%以上60質量%以下、
    で構成されたことを特徴とするアクリル系共重合体。

    (ただし、式(1)中のRは水素原子またはメチル基を、R、Rはそれぞれ水素原子あるいは炭素数が1以上6以下であるアルキル基もしくはアルキルエーテル基またはアリール基を、Aは炭素数が2以上14以下であるアルキレン基またはポリオキシアルキレン基を示す。)
  2. 請求項1に記載のアクリル系共重合体(A成分)と熱可塑性樹脂(B成分)とを含み、
    前記B成分100質量部に対し、前記A成分が1.0質量部以上20質量部以下で構成されたことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  3. 前記熱可塑性樹脂(B成分)が、脂肪族ポリエステル系樹脂(b1)、ポリカーボネート樹脂(b2)、スチレン系樹脂(b3)からなる群から選択されることを特徴とする請求項2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 前記脂肪族ポリエステル系樹脂(b1)が、ポリ乳酸であることを特徴とする請求項3に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 前記熱可塑性樹脂(B成分)が、芳香族ポリカーボネート、スチレン系重合体からから選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂(b)10質量%以上90質量%以下、ポリ乳酸系樹脂10質量%以上90質量%以下で構成され、前記(b)および前記ポリ乳酸系樹脂の総量が100質量%となるように構成されたポリマーアロイであることを特徴とする請求項2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形体。
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