図1は、本発明の一実施例を説明するための概略的な側面図及び平面図である。図1において、センサーアレイ領域1及び集光レンズ3は側面図で示され、画素Pは平面図で示されている。
赤外線センサー装置23は、センサーアレイ領域1と集光レンズ3とを備えている。センサーアレイ領域1には、温度センサー13と赤外線吸収膜15とをそれぞれ備えた複数の画素Pがライン状に配置されている。集光レンズ3は、センサーアレイ領域1に対向して配置されている。
画素Pについて説明する。画素Pの断面図は図15の断面図と同じである。
画素Pは、メンブレン部5を2本の梁部7で基板9に対して中空状に支持した断熱構造体で形成されている。メンブレン部5と基板9との間には空隙11が形成されている。各画素Pにおいて、メンブレン部5の面積は同じである。
メンブレン部5に温度センサー13と赤外線吸収膜15が形成されている。温度センサー13は、例えばダイオード、MOSFET、サーモパイル、焦電体、ボロメータで構成される。赤外線吸収膜15は、例えば酸化シリコン膜や窒化シリコン膜で形成されている。赤外線吸収膜15は、温度センサー13と集光レンズ3との間に配置されるように、温度センサー13の上方に配置されている。温度センサー13の信号を外部に取り出すために、梁部7の内部に配線17が形成されている。
センサーアレイ領域1の中央部の画素Pと周縁部の画素Pとでは赤外線吸収膜15の面積が互いに異なっている。具体的には、周縁部の画素Pの赤外線吸収膜15は、中央部の画素Pの赤外線吸収膜15に比べて、面積が大きい。これにより、周縁部の画素Pは、中央部の画素Pに比べて、赤外線検出感度が高くなっている。
センサーアレイ領域1において、赤外線吸収膜15の面積が変化されていることによって、画素Pの赤外線検出感度がセンサーアレイ領域1の中央部から周縁部へ向かって高くなるように変化されている。画素Pの赤外線検出感度は、集光レンズ3の集光特性、つまり、各画素Pが集光レンズ3を介して受光する赤外線受光量に合わせて、画素Pの赤外線検出信号出力が等しくなるように変化されている。これにより、センサーアレイ領域1の周縁部での赤外線受光量の低下が補正されている。
例えば、集光レンズ3の集光特性が中央部の画素Pと周縁部の画素Pとで約2倍の赤外線受光量差が生じるような集光特性であれば、それに合わせて、周縁部の画素Pの赤外線吸収膜15の面積は、中央部の画素Pの赤外線吸収膜15の面積の2倍に設計される。その他の画素Pにおいても、同様に、赤外線受光量に合わせて赤外線吸収膜15の面積が設計される。
各画素Pにおいて赤外線吸収膜15の面積を変化させる方法は、赤外線吸収膜15の形成時に使用されるマスクのパターンサイズを変化させることで対応可能である。この方法によれば、製造工程が増えないので、低コストで実現が可能である。
図2は、本発明の他の実施例を説明するための概略的な側面図及び平面図である。図2において、センサーアレイ領域1及び集光レンズ3は側面図で示され、画素Pは平面図で示されている。また、図2において、図1と同じ機能を果たす部分には同じ符号が付され、それらの部分の説明は省略される。
この実施例では、画素Pは赤外線吸収膜15と集光レンズ3との間に配置された赤外線反射膜25を備えている。ただし、センサーアレイ領域1の最も周縁に位置する画素Pには赤外線反射膜25は配置されていない。赤外線反射膜25は例えばアルミニウムなどの金属材料で形成されている。なお、各画素Pにおいて、赤外線吸収膜15の面積は同じである。
赤外線反射膜25は赤外線吸収膜15の上方に配置されている。センサーアレイ領域1の中央部の画素Pから周縁部の画素Pに向かって、赤外線反射膜25と赤外線吸収膜15が重なる面積が変化されている。具体的には、周縁部の画素Pにおいて赤外線反射膜25と赤外線吸収膜15が重なる面積(ゼロ)は、中央部の画素Pにおいて赤外線反射膜25と赤外線吸収膜15が重なる面積に比べて、大きい。これにより、周縁部の画素Pは、中央部の画素Pに比べて、赤外線検出感度が高くなっている。
センサーアレイ領域1において、赤外線反射膜25と赤外線吸収膜15が重なる面積が変化されていることによって、画素Pの赤外線検出感度がセンサーアレイ領域1の中央部から周縁部へ向かって高くなるように変化されている。画素Pの赤外線検出感度は、各画素Pが集光レンズ3を介して受光する赤外線受光量に合わせて、画素Pの赤外線検出信号出力が等しくなるように変化されている。これにより、センサーアレイ領域1の周縁部での赤外線受光量の低下が補正されている。
例えば、集光レンズ3の集光特性が中央部の画素Pと周縁部の画素Pとで約2倍の赤外線受光量差が生じるような集光特性であるとする。周縁部の画素Pでは赤外線吸収膜15の全面で赤外線を受光する。中央部の画素Pでは赤外線吸収膜15の赤外線受光面積、すなわち赤外線反射膜25で覆われていない赤外線吸収膜15部分の面積が赤外線吸収膜15の面積の半分になるよう赤外線反射膜25が配置される。その他の画素Pにおいても、同様に、赤外線受光量に合わせて、赤外線吸収膜15の赤外線受光面積が赤外線反射膜25の配置によって設計される。
各画素Pにおいて赤外線反射膜25と赤外線吸収膜15とが重なる面積を変化させる方法は、赤外線反射膜25の形成時に使用されるマスクのパターンサイズ及び配置を変化させることで対応可能である。さらに、赤外線反射膜25は配線17と同一材料で同時に形成されるようにすれば、製造工程が増えないので、低コストで実現が可能である。
この実施例では、赤外線吸収膜15はメンブレン部3とは別途形成されているが、メンブレン部3を構成する材料そのものが赤外線を吸収する材料である場合には、メンブレン部3を構成する材料が赤外線吸収膜として使用されてもよい。この場合、センサーアレイ領域1において、赤外線反射膜25とメンブレン部3が重なる面積が変化される。通常、各画素Pにおいてメンブレン部3は同一の面積で形成されるので、赤外線反射膜25と赤外線吸収膜とが重なる面積が変化される本発明の構成は、メンブレン部3を構成する材料が赤外線吸収膜として使用される場合に特に有効である。
図3は、本発明のさらに他の実施例を説明するための概略的な側面図及び平面図である。図3において、センサーアレイ領域1及び集光レンズ3は側面図で示され、画素Pは平面図で示されている。また、図3において、図1と同じ機能を果たす部分には同じ符号が付され、それらの部分の説明は省略される。なお、図3において、簡略化のため、ダイオードは電気回路のシンボルで示されている。
この実施例では、温度センサーは複数の同一サイズのダイオード13aが直列接続されて構成されている。ダイオード13aは単結晶シリコンに形成されたPN接合ダイオードであってもよいし、ポリシリコンに形成されたPN接合ダイオードであってもよい。なお、各画素Pにおいて、赤外線吸収膜15の面積は同じである。
センサーアレイ領域1の中央部の画素Pと周縁部の画素Pとでは、ダイオード13aの直列接続数が互いに異なっている。具体的には、周縁部の画素Pのダイオード13aの直列接続数は、中央部の画素Pのダイオード13aの直列接続数に比べて、多い。これにより、周縁部の画素Pは、中央部の画素Pに比べて、赤外線検出感度が高くなっている。
センサーアレイ領域1において、ダイオード13aの直列接続数が変化されていることによって、画素Pの赤外線検出感度がセンサーアレイ領域1の中央部から周縁部へ向かって高くなるように変化されている。画素Pの赤外線検出感度は、各画素Pが集光レンズ3を介して受光する赤外線受光量に合わせて、画素Pの赤外線検出信号出力が等しくなるように変化されている。これにより、センサーアレイ領域1の周縁部での赤外線受光量の低下が補正されている。
例えば、集光レンズ3の集光特性が中央部の画素Pと周縁部の画素Pとで約2倍の赤外線受光量差が生じるような集光特性であれば、それに合わせて、周縁部の画素Pのダイオード13aの直列接続数は、中央部の画素Pのダイオード13aの直列接続数の2倍に設計される。その他の画素Pにおいても、同様に、赤外線受光量に合わせてダイオード13aの直列接続数が設計される。
直列接続可能なダイオード13aの最大段数は、使用する電源電圧によって決定されるので、画素数が多く、ダイオード13aの段数を細かく調整する必要がある場合には、電源電圧が高くされて、最大直列接続可能段数が多くされることが好ましい。なお、各画素Pのダイオード13aの段数は、ダイオード13aの形成時に使用される半導体マスクのパターンで決定されるので、製造工程が増加することはない。
図3に示された実施例において、センサーアレイ領域1における各画素Pの赤外線吸収膜15の面積は互いに異なっていてもよい。すなわち、本発明の赤外線センサー装置において、赤外線吸収膜の面積及びダイオードの直列接続数が変化されていることによって、画素の赤外線検出感度がセンサーアレイ領域の中央部から周縁部へ向かって高くなるように変化されているようにしてもよい。
この場合、赤外線吸収膜の面積は、必ずしも、センサーアレイ領域の中央部から周縁部へ向かって大きくなるように変化されるものではない。また、ダイオードの直列接続数は、必ずしも、センサーアレイ領域の中央部から周縁部へ向かって大きくなるように変化されるものではない。
例えば、ある位置の画素P1の赤外線検出感度を隣の中央部側の画素P2の赤外線検出感度に比べて高めるために、画素P2に比べて画素P1のダイオードの直列接続段数が1段増加される場合を考える。このとき、画素P1とP2で同じ面積の赤外線吸収膜が配置されると画素P1の赤外線検出感度が所望する値を超えてしまう場合が生じる。この場合、画素P1の赤外線吸収膜の面積が画素P2の赤外線吸収膜の面積に比べて小さくされて、画素P1について所望の赤外線検出感度が設定される。
また、画素P1のダイオードの直列接続段数が画素P2のダイオードの直列接続段数に比べて少ない場合であっても、その段数差を補うように画素P1の赤外線吸収膜の面積が画素P2の赤外線吸収膜の面積よりも大きくされれば、その面積の差によっては、画素P1の赤外線検出感度を画素P2の赤外線検出感度に比べて大きくすることもできる。
また、図3に示された実施例において、図2に示された実施例と同様に、赤外線吸収膜15と集光レンズ3との間に赤外線反射膜が配置されてもよい。すなわち、本発明の赤外線センサー装置において、赤外線反射膜と赤外線吸収膜が重なる面積及びダイオードの直列接続数が変化されていることによって、画素の赤外線検出感度がセンサーアレイ領域の中央部から周縁部へ向かって高くなるように変化されているようにしてもよい。
この場合、上記で説明された赤外線吸収膜の面積及びダイオードの直列接続数が変化されている場合と同様に、赤外線反射膜と赤外線吸収膜が重なる面積及びダイオードの直列接続数は、必ずしも、センサーアレイ領域の中央部から周縁部へ向かって大きくなるように変化されるものではない。
図4は、本発明のさらに他の実施例を説明するための概略的な側面図及び平面図である。図4において、センサーアレイ領域1及び集光レンズ3は側面図で示され、画素Pは平面図で示されている。また、図4において、図1と同じ機能を果たす部分には同じ符号が付され、それらの部分の説明は省略される。なお、図4において、簡略化のため、MOSFETは電気回路のシンボルで示されている。
この実施例では、温度センサーは複数の同一サイズのMOSFET13bが直列接続されて構成されている。各MOSFET13bは飽和結線されている。MOSFET13bはNチャネル型であってもよいし、Pチャネル型であってもよい。
センサーアレイ領域1の中央部の画素Pと周縁部の画素Pとでは、MOSFET13bの直列接続数が互いに異なっている。具体的には、周縁部の画素PのMOSFET13bの直列接続数は、中央部の画素PのMOSFET13bの直列接続数に比べて、多い。これにより、周縁部の画素Pは、中央部の画素Pに比べて、赤外線検出感度が高くなっている。
センサーアレイ領域1において、MOSFET13bの直列接続数が変化されていることによって、画素Pの赤外線検出感度がセンサーアレイ領域1の中央部から周縁部へ向かって高くなるように変化されている。画素Pの赤外線検出感度は、各画素Pが集光レンズ3を介して受光する赤外線受光量に合わせて、画素Pの赤外線検出信号出力が等しくなるように変化されている。これにより、センサーアレイ領域1の周縁部での赤外線受光量の低下が補正されている。
例えば、集光レンズ3の集光特性が中央部の画素Pと周縁部の画素Pとで約2倍の赤外線受光量差が生じるような集光特性であれば、それに合わせて、周縁部の画素PのMOSFET13bの直列接続数は、中央部の画素PのMOSFET13bの直列接続数の2倍に設計される。その他の画素Pにおいても、同様に、赤外線受光量に合わせてMOSFET13bの直列接続数が設計される。
MOSFET13bはサブスレッショルド領域で動作するように閾値電圧が調整されていることが好ましい。MOSFET13bを駆動させる電流源の電流は、MOSFET13bがサブスレッショルド領域で動作するように設計されている。MOSFET13bを駆動させる電流源は、例えば、センサーアレイ領域1の形成領域とは異なる領域で基板9上に形成される。
MOSFET13bをサブスレッショルド領域で動作させることによって、MOSFET13b一段あたりの直流電圧を例えば数10mV(ミリボルト)まで小さくすることができる。これにより、低い電源電圧の場合でも直列接続可能なMOSFET13bの最大段数を多くすることが可能である。したがって、温度センサーとしてダイオード13aが用いられた場合(図3を参照。)と比較すると、温度センサーとしMOSFET13bが用いられる場合は低い電源電圧でも直列接続段数を大幅に増やすことができる。したがって、各画素Pの赤外線検出感度をより細かく調整することが可能である。
なお、各画素Pの温度センサーのMOSFET13bの段数は、MOSFET13bの形成時に使用される半導体マスクのパターンで決定されるので、製造工程が増加することはない。
図4に示された実施例において、センサーアレイ領域1における各画素Pの赤外線吸収膜15の面積は互いに異なっていてもよい。すなわち、本発明の赤外線センサー装置において、赤外線吸収膜の面積及びMOSFETの直列接続数が変化されていることによって、画素の赤外線検出感度がセンサーアレイ領域の中央部から周縁部へ向かって高くなるように変化されているようにしてもよい。
この場合、上記で説明された赤外線吸収膜の面積及びダイオードの直列接続数が変化されている場合と同様に、赤外線吸収膜の面積及びMOSFETの直列接続数は、必ずしも、センサーアレイ領域の中央部から周縁部へ向かって大きくなるように変化されるものではない。
また、図4に示された実施例において、図2に示された実施例と同様に、赤外線吸収膜15と集光レンズ3との間に赤外線反射膜が配置されてもよい。すなわち、本発明の赤外線センサー装置において、赤外線反射膜と赤外線吸収膜が重なる面積及びMOSFETの直列接続数が変化されていることによって、画素の赤外線検出感度がセンサーアレイ領域の中央部から周縁部へ向かって高くなるように変化されているようにしてもよい。
この場合も、上記で説明された赤外線吸収膜の面積及びダイオードの直列接続数が変化されている場合と同様に、赤外線反射膜と赤外線吸収膜が重なる面積及びMOSFETの直列接続数は、必ずしも、センサーアレイ領域の中央部から周縁部へ向かって大きくなるように変化されるものではない。
図5は、本発明のさらに他の実施例を説明するための概略的な側面図及び平面図である。図5において、センサーアレイ領域1及び集光レンズ3は側面図で示され、画素Pは平面図で示されている。また、図5において、図1と同じ機能を果たす部分には同じ符号が付され、それらの部分の説明は省略される。
この実施例では、温度センサーとして焦電体13cが配置されている。焦電体13cは温度変化によって電荷を生じるが、生じる電荷は焦電体13cの面積に比例する。なお、各画素Pにおいて、赤外線吸収膜15の面積は同じである。
センサーアレイ領域1の中央部の画素Pから周縁部の画素Pに向かって、焦電体13cの面積が変化されている。具体的には、周縁部の画素Pの焦電体13cの面積は、中央部の画素P画素Pの焦電体13cの面積に比べて、大きい。これにより、周縁部の画素Pは、中央部の画素Pに比べて、赤外線検出感度が高くなっている。
センサーアレイ領域1において、焦電体13cの面積が変化されていることによって、画素Pの赤外線検出感度がセンサーアレイ領域1の中央部から周縁部へ向かって高くなるように変化されている。画素Pの赤外線検出感度は、各画素Pが集光レンズ3を介して受光する赤外線受光量に合わせて、画素Pの赤外線検出信号出力が等しくなるように変化されている。これにより、センサーアレイ領域1の周縁部での赤外線受光量の低下が補正されている。
例えば、集光レンズ3の集光特性が中央部の画素Pと周縁部の画素Pとで約2倍の赤外線受光量差が生じるような集光特性であれば、それに合わせて、周縁部の画素Pの焦電体13cの面積は、中央部の画素Pの焦電体13cの面積の2倍に設計される。その他の画素Pにおいても、同様に、赤外線受光量に合わせて焦電体13cの面積が設計される。
各画素Pにおいて焦電体13cの面積を変化させる方法は、焦電体13cの形成時に使用されるマスクのパターンサイズを変化させることで対応可能である。この方法によれば、製造工程が増えないので、低コストで実現が可能である。
図5に示された実施例において、センサーアレイ領域1における各画素Pの赤外線吸収膜15の面積は互いに異なっていてもよい。すなわち、本発明の赤外線センサー装置において、赤外線吸収膜の面積及び焦電体の面積が変化されていることによって、画素の赤外線検出感度がセンサーアレイ領域の中央部から周縁部へ向かって高くなるように変化されているようにしてもよい。
この場合、上記で説明された赤外線吸収膜の面積及びダイオードの直列接続数が変化されている場合と同様に、赤外線吸収膜の面積及び焦電体の面積は、必ずしも、センサーアレイ領域の中央部から周縁部へ向かって大きくなるように変化されるものではない。
また、図5に示された実施例において、図2に示された実施例と同様に、赤外線吸収膜15と集光レンズ3との間に赤外線反射膜が配置されてもよい。すなわち、本発明の赤外線センサー装置において、赤外線反射膜と赤外線吸収膜が重なる面積及び焦電体の面積が変化されていることによって、画素の赤外線検出感度がセンサーアレイ領域の中央部から周縁部へ向かって高くなるように変化されているようにしてもよい。
この場合も、上記で説明された赤外線吸収膜の面積及びダイオードの直列接続数が変化されている場合と同様に、赤外線反射膜と赤外線吸収膜が重なる面積及び焦電体の面積は、必ずしも、センサーアレイ領域の中央部から周縁部へ向かって大きくなるように変化されるものではない。
図6は、本発明のさらに他の実施例を説明するための概略的な側面図及び平面図である。図6において、センサーアレイ領域1及び集光レンズ3は側面図で示され、画素Pは平面図で示されている。また、図6において、図1と同じ機能を果たす部分には同じ符号が付され、それらの部分の説明は省略される。
この実施例では、図5の実施例と同様に、温度センサーとして焦電体13cが配置されている。画素Pの赤外線検出感度がセンサーアレイ領域1の中央部から周縁部へ向かって高くなるように、焦電体13cの材料自体もしくは材料の組成又はその両方が変化されている。画素Pの赤外線検出感度は、各画素Pが集光レンズ3を介して受光する赤外線受光量に合わせて、画素Pの赤外線検出信号出力が等しくなるように変化されている。これにより、センサーアレイ領域1の周縁部での赤外線受光量の低下が補正されている。なお、この実施例において、各画素Pにおいて、焦電体13cの面積は同じである。また、各画素Pにおいて、赤外線吸収膜15の面積は同じである。
焦電体13cの材料としては、例えば、BaTiO3(チタン酸バリウム)、LiTaO3(タンタル酸リチウム)、PbTiO3(チタン酸鉛)、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等が使用される。これらの材料は焦電係数が互いに異なる。したがって、センサーアレイ領域1における画素Pの位置に応じて、これらの材料を使い分けることによって、画素Pの赤外線検出感度を調整することが可能である。
また、PZTでは、焦電体13cに含まれるZr(ジルコニウム)とTi(チタン)の組成比を変化させることによって、焦電体13cの焦電係数を変化させることができる。したがって、センサーアレイ領域1の中央部付近の画素PではTiに対するZrの組成比率が小さくされ、周縁部付近の画素PではTiに対するZrの組成比率が大きくされることによって、画素Pの赤外線検出感度を補正することが可能である。一例としては、センサーアレイ領域1の中央部付近の画素Pの焦電体13cはZr/Ti=92/8程度の組成で形成され、周縁部付近の画素Pの焦電体13cはZr/Ti=95/5程度の組成で形成されればよい。
図6に示された実施例において、センサーアレイ領域1における各画素Pの赤外線吸収膜15の面積は互いに異なっていてもよい。すなわち、本発明の赤外線センサー装置において、赤外線吸収膜の面積、及び焦電体の材料自体もしくは材料の組成又はその両方が変化されていることによって、画素の赤外線検出感度がセンサーアレイ領域の中央部から周縁部へ向かって高くなるように変化されているようにしてもよい。
この場合、上記で説明された赤外線吸収膜の面積及びダイオードの直列接続数が変化されている場合と同様に、赤外線吸収膜の面積及び焦電体(温度センサー)の感度は、必ずしも、センサーアレイ領域の中央部から周縁部へ向かって大きくなるように変化されるものではない。
また、図6に示された実施例において、図2に示された実施例と同様に、赤外線吸収膜15と集光レンズ3との間に赤外線反射膜が配置されてもよい。すなわち、本発明の赤外線センサー装置において、赤外線反射膜と赤外線吸収膜が重なる面積、及び焦電体の材料自体もしくは材料の組成又はその両方が変化されていることによって、画素の赤外線検出感度がセンサーアレイ領域の中央部から周縁部へ向かって高くなるように変化されているようにしてもよい。
この場合も、上記で説明された赤外線吸収膜の面積及びダイオードの直列接続数が変化されている場合と同様に、赤外線反射膜と赤外線吸収膜が重なる面積及び焦電体(温度センサー)の感度は、必ずしも、センサーアレイ領域の中央部から周縁部へ向かって大きくなるように変化されるものではない。
また、図6に示された実施例において、センサーアレイ領域1における各画素Pの焦電体13cの面積は互いに異なっていてもよい。すなわち、本発明の赤外線センサー装置において、焦電体13cの面積、及び焦電体の材料自体もしくは材料の組成又はその両方が変化されていることによって、画素の赤外線検出感度がセンサーアレイ領域の中央部から周縁部へ向かって高くなるように変化されているようにしてもよい。
この場合も、上記で説明された赤外線吸収膜の面積及びダイオードの直列接続数が変化されている場合と同様に、焦電体13cの面積及び焦電体(温度センサー)の感度は、必ずしも、センサーアレイ領域の中央部から周縁部へ向かって大きくなるように変化されるものではない。
図7は、本発明のさらに他の実施例を説明するための概略的な側面図及び平面図である。図7において、センサーアレイ領域1及び集光レンズ3は側面図で示され、画素Pは平面図で示されている。また、図7において、図1と同じ機能を果たす部分には同じ符号が付され、それらの部分の説明は省略される。
この実施例では、温度センサーとしてボロメータ13dが配置されている。画素Pの赤外線検出感度がセンサーアレイ領域1の中央部から周縁部へ向かって高くなるように、ボロメータ13dの材料自体もしくは材料の組成又はその両方が変化されている。画素Pの赤外線検出感度は、各画素Pが集光レンズ3を介して受光する赤外線受光量に合わせて、画素Pの赤外線検出信号出力が等しくなるように変化されている。これにより、センサーアレイ領域1の周縁部での赤外線受光量の低下が補正されている。なお、この実施例において、各画素Pにおいて、ボロメータ13dの面積は同じである。また、各画素Pにおいて、赤外線吸収膜15の面積は同じである。
ボロメータ13dの材料としては、例えば、VOx(酸化バナジウム)、a−Si(アモルファスシリコン)、Ti、TiOx(酸化チタン)等が使用される。これらの材料は抵抗温度係数(TCR)が互いに異なる。したがって、センサーアレイ領域1における画素Pの位置に応じて、これらの材料を使い分けることによって、画素Pの赤外線検出感度を調整することが可能である。これらの材料のTCRは、製造プロセス条件や不純物濃度などによって変化するが、一般的なTCRとして、例えば、VOxは3.5%/K、a−Siは2.5%/K、Tiは0.25%/K程度の値が挙げられる。
また、a−SiのTCRは、不純物濃度によってTCRを例えば2.5%/K〜5.0%/K程度の範囲で変化され得る。したがって、センサーアレイ領域1の中央部付近の画素Pではa−Siの不純物濃度が濃くされ、周縁部付近の画素Pではa−Siの不純物濃度が薄くされることによって、画素Pの赤外線検出感度を補正することが可能である。
図7に示された実施例において、センサーアレイ領域1における各画素Pの赤外線吸収膜15の面積は互いに異なっていてもよい。すなわち、本発明の赤外線センサー装置において、赤外線吸収膜の面積、及びボロメータの材料自体もしくは材料の組成又はその両方が変化されていることによって、画素の赤外線検出感度がセンサーアレイ領域の中央部から周縁部へ向かって高くなるように変化されているようにしてもよい。
この場合、上記で説明された赤外線吸収膜の面積及びダイオードの直列接続数が変化されている場合と同様に、赤外線吸収膜の面積及びボロメータ(温度センサー)の感度は、必ずしも、センサーアレイ領域の中央部から周縁部へ向かって大きくなるように変化されるものではない。
また、図7に示された実施例において、図2に示された実施例と同様に、赤外線吸収膜15と集光レンズ3との間に赤外線反射膜が配置されてもよい。すなわち、本発明の赤外線センサー装置において、赤外線反射膜と赤外線吸収膜が重なる面積、及びボロメータの材料自体もしくは材料の組成又はその両方が変化されていることによって、画素の赤外線検出感度がセンサーアレイ領域の中央部から周縁部へ向かって高くなるように変化されているようにしてもよい。
この場合も、上記で説明された赤外線吸収膜の面積及びダイオードの直列接続数が変化されている場合と同様に、赤外線反射膜と赤外線吸収膜が重なる面積及びボロメータ(温度センサー)の感度は、必ずしも、センサーアレイ領域の中央部から周縁部へ向かって大きくなるように変化されるものではない。
図8は、本発明のさらに他の実施例を説明するための概略的な側面図、平面図及び断面図である。図8において、センサーアレイ領域1及び集光レンズ3は側面図で示され、画素Pは平面図で示されている。また、図8において、断面図は平面図のA−A’位置での断面に対応している。また、図8において、図1と同じ機能を果たす部分には同じ符号が付され、それらの部分の説明は省略される。
画素Pは、メンブレン部5を2本の梁部7で基板9に対して中空状に支持した断熱構造体で形成されている。メンブレン部5と基板9との間には空隙11が形成されている。梁部7は、図1に示された梁部7と比較して、形状及び配置が異なっているが、機能は同じである。
この実施例では、温度センサーとしてサーモパイル13eが配置されている。サーモパイル13eは、材料の両端に温度差が与えられることにより起電力が生じるゼーベック効果を利用したものである。サーモパイル13eは、熱電能が互いに異なる熱電対材料13e1,13e2が配線17によって直列に接続されたものである。例えば2対(2段)の熱電対材料13e1,13e2が交互に直列に接続されている。
熱電対材料13e1,13e2は、メンブレン部5上から、梁部7上を介して、空隙11が形成されていない領域の基板9上にまたがって配置されている。メンブレン部5上で熱電対材料13e1と13e2を接続する配線17は温接点を構成する。空隙11が形成されていない領域の基板9上で熱電対材料13e1と13e2を接続する配線17は冷接点を構成する。
画素Pの赤外線検出感度がセンサーアレイ領域1の中央部から周縁部へ向かって高くなるように、サーモパイル13eの材料自体もしくは材料の組成又はその両方が変化されている。画素Pの赤外線検出感度は、各画素Pが集光レンズ3を介して受光する赤外線受光量に合わせて、画素Pの赤外線検出信号出力が等しくなるように変化されている。これにより、センサーアレイ領域1の周縁部での赤外線受光量の低下が補正されている。なお、この実施例において、各画素Pにおいて、サーモパイル13eの対数は同じである。また、各画素Pにおいて、赤外線吸収膜15の面積は同じである。
サーモパイル13eを構成する熱電対材料13e1,13e2の材料の組み合わせとしては、例えば、N型ポリシリコンとP型ポリシリコン、N型ポリシリコンとアルミニウム、P型ポリシリコンとアルミニウム等の組み合わせが使用されることが多い。ただし、熱電対材料13e1,13e2は、これらの材料に限定されるものではなく、ゼーベック効果を有する材料であればどのような材料であってもよい。
ポリシリコンに比べてアルミニウムはゼーベック係数が非常に小さい。したがって、N型ポリシリコンとP型ポリシリコンを熱電対材料13e1,13e2として用いたサーモパイル13eは、N型ポリシリコンとアルミニウム、又はP型ポリシリコンとアルミニウムを熱電対材料13e1,13e2として用いたサーモパイル13eに比べて、感度が高くなる。
例えば、センサーアレイ領域1の中央部付近の画素Pでは熱電対材料13e1,13e2としてN型ポリシリコンとアルミニウムが使用され、周縁部付近の画素Pでは熱電対材料13e1,13e2としてN型ポリシリコンとP型ポリシリコンが使用されることによって、その感度を調整することが可能である。
また、ポリシリコンのゼーベック係数は、ポリシリコンの不純物濃度が変化されることによって変化する。したがって、熱電対材料13e1,13e2のいずれか又は両方についてポリシリコンが用いられる場合、センサーアレイ領域1の中央部付近の画素Pと周縁部付近の画素Pとでポリシリコンの不純物濃度を変化させることによって、画素Pの赤外線検出感度を調整することが可能である。
また、サーモパイルは、ダイオードやMOSFETと同様に、直列接続段数を増やすことによって感度を上げることができる。したがって、センサーアレイ領域1の中央部付近の画素Pと周縁部付近の画素Pとでサーモパイルの直列接続段数を変化させることによって、画素Pの赤外線検出感度を調整することが可能である。なお、サーモパイルの赤外線検出感度について、サーモパイルの材料自体、材料の組成もしくは直列接続段数又はそれらのうちの複数を変化させることによって調整することが可能である。
図8に示された実施例において、センサーアレイ領域1における各画素Pの赤外線吸収膜15の面積は互いに異なっていてもよい。さらに、各画素Pにおいてサーモパイルの直列接続段数が変化されていてもよい。すなわち、本発明の赤外線センサー装置において、赤外線吸収膜の面積、サーモパイルの直列接続段数、及びサーモパイルの材料自体もしくは材料の組成又はその両方のうち複数が変化されていることによって、画素の赤外線検出感度がセンサーアレイ領域の中央部から周縁部へ向かって高くなるように変化されているようにしてもよい。
この場合、上記で説明された赤外線吸収膜の面積及びダイオードの直列接続数が変化されている場合と同様に、赤外線吸収膜の面積及びサーモパイル(温度センサー)の感度は、必ずしも、センサーアレイ領域の中央部から周縁部へ向かって大きくなるように変化されるものではない。
また、図8に示された実施例において、図2に示された実施例と同様に、赤外線吸収膜15と集光レンズ3との間に赤外線反射膜が配置されてもよい。さらに、各画素Pにおいてサーモパイルの直列接続段数が変化されていてもよい。すなわち、本発明の赤外線センサー装置において、赤外線反射膜と赤外線吸収膜が重なる面積、サーモパイルの直列接続段数、及びサーモパイルの材料自体もしくは材料の組成又はその両方のうち複数が変化されていることによって、画素の赤外線検出感度がセンサーアレイ領域の中央部から周縁部へ向かって高くなるように変化されているようにしてもよい。
この場合も、上記で説明された赤外線吸収膜の面積及びダイオードの直列接続数が変化されている場合と同様に、赤外線反射膜と赤外線吸収膜が重なる面積及びサーモパイル(温度センサー)の感度は、必ずしも、センサーアレイ領域の中央部から周縁部へ向かって大きくなるように変化されるものではない。
ところで、画素Pのトータルの赤外線検出感度Sは、赤外線吸収膜15の受光量をQ、温度センサー13の出力温度係数をTc、温度センサー13の熱抵抗をRとすると、S∝Q・Tc・Rで表される。ここで、温度センサー13の熱抵抗は梁部7の熱抵抗に置き換えられる。
また、画素Pにおける温度センサー13の時定数tは、画素Pの熱容量をCとすると、t=C・Rで表される。ここで、温度センサー13の時定数tは温度センサー13の応答速度に影響する。また、画素Pの熱容量はメンブレン部5の熱容量に置き換えられる。
上記で説明された実施例は、温度センサー13を構成する素子の直列接続段数や面積などを変えることによってTcを変化させたり、赤外線吸収膜15の受光面積を変化させたりしている。これにより、集光レンズ3の集光特性による受光量Qのばらつきを打ち消して、センサーアレイ領域1の中央部と周縁部で画素Pの感度Sが一定にされている。
また、上記で説明された実施例は、センサーアレイ領域1において、各画素Pのメンブレン部5の面積は一定なので、各画素Pの熱容量Cも一定である。さらに、各画素Pの梁部7の熱抵抗も一定なので、各画素Pの温度センサー13の熱抵抗も一定である。したがって、センサーアレイ領域1において、各画素Pにおける温度センサー13の時定数t(=C・R)及び応答速度は一定である。
一般に、温度センサー13において、ノイズを低減するために、ダイオードや焦電体などの温度センサー13を構成する素子の面積が大きくされる。このとき、温度センサー13は可能な限りメンブレン部5の全体に形成される。したがって、センサーアレイ領域1の周縁部の画素Pについて、温度センサー13を構成する素子の段数を単純に増加したり、面積を拡大したりすることが困難な場合がある。
このような場合、例えば、センサーアレイ領域1の周縁部の画素Pについて、メンブレン部5の面積が中央部の画素Pよりも大きくされることによって、温度センサー13の形成可能面積が大きくされる。そして、周縁部の画素Pは、中央部の画素Pに比べて、温度センサー13を構成する素子の段数や面積が大きくされて、赤外線検出感度が大きくされる。
しかし、メンブレン部5の面積を変化させると、メンブレン部5の熱容量Cが変化する。したがって、メンブレン部5の面積を変化させると、温度センサー13の時定数t(=C・R)が変化し、温度センサー13の応答速度も変化する。これにより、センサーアレイ領域1において、各画素Pにおける温度センサー13の応答速度が均一にならない不具合が生じる。
このような不具合を解消する方法について説明する。
例えば、集光レンズ3の集光特性がセンサーアレイ領域1の中央部の画素Pと周縁部の画素Pとで約2倍の赤外線受光量差が生じるような集光特性である場合を考える。また、メンブレン部5の全面に赤外線吸収膜15が形成され、又はメンブレン部5の基材自体が赤外線吸収膜15を構成しており、メンブレン部5の面積と赤外線吸収膜15の面積がほぼ等しい又は等しいとする。
中央部の画素Pに対して、周縁部の画素Pのメンブレン部5の面積が2倍であれば、周縁部の画素Pの受光量Qは2倍になる。中央部の画素Pと周縁部の画素Pとで、温度センサー13の出力温度係数Tc及び梁部7の熱抵抗Rが等しいとすると、中央部の画素Pの赤外線検出感度S1はS1=Q・Tc・Rであり、周縁部の画素Pの赤外線検出感度S2はS2=2Q・Tc・Rである。これにより、集光レンズ3の集光特性に起因するセンサーアレイ領域1の周縁部での赤外線受光量の低下が補正される。
また、中央部の画素Pに対して、周縁部の画素Pのメンブレン部5の面積が2倍であれば、周縁部の画素Pの熱容量Cは2倍となる。中央部の画素Pと周縁部の画素Pとで、梁部7の熱抵抗Rが等しいとすると、中央部の画素Pの温度センサー13の時定数t1はt1=C・Rであり、周縁部の画素Pの温度センサー13の時定数t2はt2=2C・Rである。したがって、中央部の画素Pに対して、周縁部の画素Pの温度センサー13の応答速度は2倍になる。
温度センサー13の時定数t1,t2を一致させるためには、周縁部の画素Pについて梁部7の熱抵抗Rを半分にすればよい。これにより、周縁部の画素Pの温度センサー13の時定数t2=2C・R/2=C・R=t1となる。
しかし、周縁部の画素Pについて、梁部7の熱抵抗Rが半分になると、赤外線検出感度S2=2P・Tc・R/2となる。すなわち、梁部7の熱抵抗Rの低下がメンブレン部5の面積(赤外線吸収膜15の面積)が増加されたことよる受光量Qの増加を打ち消す。そこで、周縁部の画素Pについて、例えば温度センサー13を構成する素子の直列接続段数や面積が2倍にされて温度センサー13の出力温度係数Tcが2倍にされる。これにより、周縁部の画素Pの赤外線検出感度は、S2=2P・2Tc・R/2=2・S1となり、中央部の画素Pの2倍の赤外線検出感度になる。
このように、周縁部の画素Pについて、中心部の画素Pに対して、例えばメンブレン部5の面積が2倍にされ、温度センサー13の出力温度係数Tcが2倍にされ、梁部7の熱抵抗が半分にされる。これにより、集光レンズ3の集光特性に起因する周縁部の画素Pでの光量低下が補正され、かつ、周縁部の画素Pと中心部の画素Pでの温度センサー13の応答速度が均一にされ得る。
なお、周縁部の画素Pと中心部の画素Pとの間の画素Pについては、集光レンズ3の集光特性に起因する周縁部の画素Pでの光量低下が補正され、かつ、温度センサー13の応答速度が均一にされるように、メンブレン部5及び赤外線受光膜15の面積、温度センサー13の出力温度係数Tc、及び梁部7の熱抵抗が適宜設定される。
次に、センサーアレイ領域1に、メンブレン部5の面積が互いに異なっていることによってメンブレン部5の熱容量が互いに異なっている画素Pが含まれている実施例を説明する。
図9は、本発明のさらに他の実施例を説明するための概略的な側面図及び平面図である。図9において、センサーアレイ領域1及び集光レンズ3は側面図で示され、画素Pは平面図で示されている。また、図9において、図1と同じ機能を果たす部分には同じ符号が付され、それらの部分の説明は省略される。この実施例における画素Pの断面図は図8に示された断面図と同様である。
この実施例では、センサーアレイ領域1の中央部の画素Pと周縁部の画素Pとでメンブレン部5の面積が互いに異なっている。例えば、周縁部の画素Pのメンブレン部5の面積は、中央部の画素Pのメンブレン部5の面積の2倍である。したがって、周縁部の画素Pのメンブレン部5の熱容量は、中央部の画素Pのメンブレン部5の熱容量の2倍である。
各メンブレン部5において、赤外線吸収膜15がメンブレン部5とほぼ同じ面積で形成されている。赤外線吸収膜15はメンブレン部5上に別途成膜される。又は、メンブレン部5の表面層が赤外線吸収膜15として利用される。センサーアレイ領域1の中央部の画素Pと周縁部の画素Pとで赤外線吸収膜15の面積が互いに異なっている。ここでは、周縁部の画素Pの赤外線吸収膜15の面積は、中央部の画素Pの赤外線吸収膜15の面積の2倍である。したがって、周縁部の画素Pの受光量は、中央部の画素Pの受光量の2倍である。
また、センサーアレイ領域1の中央部の画素Pと周縁部の画素Pとで、梁部7の長さが互いに異なっている。ここでは、周縁部の画素Pの梁部7の長さL2は、中央部の画素Pの梁部7の長さL1の半分である。中央部の画素Pと周縁部の画素Pとで、梁部7の幅及び梁部7における配線17の幅は同じである。
梁部7の熱抵抗は、梁部7及び梁部7における配線17の長さに比例し、断面積に反比例する。したがって、周縁部の画素Pの梁部7の熱抵抗は、中央部の画素Pの梁部7の熱抵抗の半分である。
センサーアレイ領域1の各画素Pにおいて、温度センサーは複数の同一サイズのダイオード13aが直列接続されて構成されている。センサーアレイ領域1の中央部の画素Pと周縁部の画素Pとでダイオード13aの直列接続数が互いに異なっている。例えば、周縁部の画素Pのダイオード13aの直列接続数は8段であり、中央部の画素Pのダイオード13aの直列接続数は4段である。したがって、周縁部の画素Pの温度センサーの出力温度係数は、中央部の画素Pの温度センサーの出力温度係数の2倍である。なお、ここでの画素Pにおけるダイオード13aの直列接続数は一例であり、ダイオード13aの直列接続数はこれらに限定されない。
例えば、集光レンズ3の集光特性は、中央部の画素Pと周縁部の画素Pとで約2倍の赤外線受光量差が生じるような集光特性である。
中心部の画素Pの赤外線検出感度をS1=Q・Tc・R、時定数をt1=C・Rとすると、周縁部の画素Pの赤外線検出感度はS2=2P・2Tc・R/2=2・S1、時定数はt2=2C・R/2=t1となる。周縁部の画素Pは、中心部の画素Pに対して、赤外線検出感度が2倍で、かつ応答速度が等しくなっている。これにより、センサーアレイ領域1の周縁部での赤外線受光量の低下が補正されている。
なお、周縁部の画素Pと中心部の画素Pとの間の画素Pについては、集光レンズ3の集光特性に起因する周縁部の画素Pでの光量低下が補正され、かつ、温度センサー13の応答速度が均一にされるように、メンブレン部5及び赤外線受光膜15の面積、温度センサー13の出力温度係数Tc、及び梁部7の熱抵抗が適宜設定される。
図10は、本発明のさらに他の実施例を説明するための概略的な側面図及び平面図である。図10において、センサーアレイ領域1及び集光レンズ3は側面図で示され、画素Pは平面図で示されている。また、図10において、図1と同じ機能を果たす部分には同じ符号が付され、それらの部分の説明は省略される。この実施例における画素Pの断面図は図8に示された断面図と同様である。
この実施例は、図9に示された実施例と比較して、梁部7の長さ及び幅、ならびに梁部7における配線17の幅が変更されている。具体的には、センサーアレイ領域1の周縁部の画素Pにおいて、梁部7の長さ及び幅、ならびに梁部7における配線17の幅が変更されている。
センサーアレイ領域1の中央部の画素Pと周縁部の画素Pとで、梁部7の幅及び梁部7における配線17の幅が互いに異なっている。ここでは、周縁部の画素Pの梁部7の幅W2は、中央部の画素Pの梁部7の幅W1の2倍である。また、周縁部の画素Pの梁部7における配線17の幅は、中央部の画素Pの梁部7における配線17の幅の2倍である。中央部の画素Pと周縁部の画素Pとで、梁部7の長さは同じである。
梁部7の熱抵抗は、梁部7及び梁部7における配線17の長さに比例し、断面積に反比例する。したがって、周縁部の画素Pの梁部7の熱抵抗は、中央部の画素Pの梁部7の熱抵抗の半分である。
例えば、集光レンズ3の集光特性は、中央部の画素Pと周縁部の画素Pとで約2倍の赤外線受光量差が生じるような集光特性である。図9に示された実施例と同様に、周縁部の画素Pの赤外線検出感度はS2=2P・2Tc・R/2=2・S1であり、時定数はt2=2C・R/2=t1である。周縁部の画素Pは、中心部の画素Pに対して、赤外線検出感度が2倍で、かつ応答速度が等しくなっている。これにより、センサーアレイ領域1の周縁部での赤外線受光量の低下が補正されている。
なお、周縁部の画素Pと中心部の画素Pとの間の画素Pについては、集光レンズ3の集光特性に起因する周縁部の画素Pでの光量低下が補正され、かつ、温度センサー13の応答速度が均一にされるように、図9に示された実施例と比較して、梁部7の幅及び梁部7における配線17の幅が変更されて、梁部7の熱抵抗が適宜設定される。
図11は、本発明のさらに他の実施例を説明するための概略的な側面図及び平面図である。図11において、センサーアレイ領域1及び集光レンズ3は側面図で示され、画素Pは平面図で示されている。また、図11において、図1と同じ機能を果たす部分には同じ符号が付され、それらの部分の説明は省略される。この実施例における画素Pの断面図は図8に示された断面図と同様である。
この実施例は、図9に示された実施例と比較して、センサーアレイ領域1の各画素Pにおいて、温度センサーとして焦電体13cを備えている。この実施例のその他の構成は、図9に示された実施例と同一である。
センサーアレイ領域1の中央部の画素Pと周縁部の画素Pとで焦電体13cの面積が互いに異なっている。例えば、周縁部の画素Pの焦電体13cの面積は、中央部の画素Pの焦電体13cの面積の2倍である。したがって、周縁部の画素Pの温度センサーの出力温度係数は、中央部の画素Pの温度センサーの出力温度係数の2倍である。
この実施例において、図9に示された実施例と同様に、周縁部の画素Pのメンブレン部5の面積は、中央部の画素Pのメンブレン部5の面積の2倍である。したがって、周縁部の画素Pのメンブレン部5の熱容量は、中央部の画素Pのメンブレン部5の熱容量の2倍である。
また、周縁部の画素Pの赤外線吸収膜15の面積は、中央部の画素Pの赤外線吸収膜15の面積の2倍である。したがって、周縁部の画素Pの受光量は、中央部の画素Pの受光量の2倍である。
また、周縁部の画素Pの梁部7の長さL2は、中央部の画素Pの梁部7の長さL1の半分である。中央部の画素Pと周縁部の画素Pとで、梁部7の幅及び梁部7における配線17の幅は同じである。したがって、周縁部の画素Pの梁部7の熱抵抗は、中央部の画素Pの梁部7の熱抵抗の半分である。
例えば、集光レンズ3の集光特性は、中央部の画素Pと周縁部の画素Pとで約2倍の赤外線受光量差が生じるような集光特性である。図9に示された実施例と同様に、周縁部の画素Pの赤外線検出感度はS2=2P・2Tc・R/2=2・S1であり、時定数はt2=2C・R/2=t1である。周縁部の画素Pは、中心部の画素Pに対して、赤外線検出感度が2倍で、かつ応答速度が等しくなっている。これにより、センサーアレイ領域1の周縁部での赤外線受光量の低下が補正されている。
なお、この実施例においても、図9に示された実施例と同様に、周縁部の画素Pと中心部の画素Pとの間の画素Pは、集光レンズ3の集光特性に起因する周縁部の画素Pでの光量低下が補正され、かつ、温度センサー13の応答速度が均一にされるように、適宜設定される。
図12は、本発明のさらに他の実施例を説明するための概略的な側面図及び平面図である。図12において、センサーアレイ領域1及び集光レンズ3は側面図で示され、画素Pは平面図で示されている。また、図12において、図1と同じ機能を果たす部分には同じ符号が付され、それらの部分の説明は省略される。この実施例における画素Pの断面図は図8に示された断面図と同様である。
この実施例は、図11に示された実施例と比較して、梁部7の長さ及び幅、ならびに梁部7における配線17の幅が変更されている。具体的には、センサーアレイ領域1の周縁部の画素Pにおいて、梁部7の長さ及び幅、ならびに梁部7における配線17の幅が変更されている。
センサーアレイ領域1の中央部の画素Pと周縁部の画素Pとで、梁部7の幅及び梁部7における配線17の幅が互いに異なっている。図10に示された実施例と同様に、周縁部の画素Pの梁部7の幅W2及び梁部7における配線17の幅は、中央部の画素Pの梁部7の幅W1及び梁部7における配線17の幅の2倍である。中央部の画素Pと周縁部の画素Pとで、梁部7の長さは同じである。したがって、周縁部の画素Pの梁部7の熱抵抗は、中央部の画素Pの梁部7の熱抵抗の半分である。
例えば、集光レンズ3の集光特性は、中央部の画素Pと周縁部の画素Pとで約2倍の赤外線受光量差が生じるような集光特性である。図9に示された実施例と同様に、周縁部の画素Pの赤外線検出感度はS2=2P・2Tc・R/2=2・S1であり、時定数はt2=2C・R/2=t1である。周縁部の画素Pは、中心部の画素Pに対して、赤外線検出感度が2倍で、かつ応答速度が等しくなっている。これにより、センサーアレイ領域1の周縁部での赤外線受光量の低下が補正されている。
なお、周縁部の画素Pと中心部の画素Pとの間の画素Pについては、集光レンズ3の集光特性に起因する周縁部の画素Pでの光量低下が補正され、かつ、温度センサー13の応答速度が均一にされるように、図11に示された実施例と比較して、梁部7の幅及び梁部7における配線17の幅が変更されて、梁部7の熱抵抗が適宜設定される。
図13は、本発明のさらに他の実施例を説明するための概略的な側面図及び平面図である。図13において、センサーアレイ領域1及び集光レンズ3は側面図で示され、画素Pは平面図で示されている。また、図13において、図1と同じ機能を果たす部分には同じ符号が付され、それらの部分の説明は省略される。この実施例における画素Pの断面図は図8に示された断面図と同様である。
この実施例は、図10に示された実施例と比較して、センサーアレイ領域1の各画素Pにおいて、温度センサーとしてサーモパイル13eを備えている。この実施例のその他の構成は、図10に示された実施例と同一である。サーモパイル13eの構成は図8に示された実施例と同様である。サーモパイル13eは、熱電能が互いに異なる熱電対材料13e1,13e2が配線17によって直列に接続されて形成されている。
センサーアレイ領域1の中央部の画素Pと周縁部の画素Pとでサーモパイル13eの直列接続段数が互いに異なっている。例えば、周縁部の画素Pのサーモパイル13eの直列接続段数は4段(4対)であり、中央部の画素Pのサーモパイル13eの直列接続段数は2段(2対)である。したがって、周縁部の画素Pの温度センサーの出力温度係数は、中央部の画素Pの温度センサーの出力温度係数の2倍である。
周縁部の画素Pの梁部7の幅W2幅は、中央部の画素Pの梁部7の幅W1の幅の2倍である。さらに、周縁部の画素Pの梁部7における熱電対材料13e1,13e2の本数(4本)は、中央部の画素Pの梁部7における熱電対材料13e1,13e2の本数(2本)の2倍である。中央部の画素Pと周縁部の画素Pとで、梁部7の長さは同じである。
梁部7の熱抵抗は、梁部7及び梁部7における熱電対材料13e1,13e2の長さに比例し、断面積に反比例する。したがって、周縁部の画素Pの梁部7の熱抵抗は、中央部の画素Pの梁部7の熱抵抗の半分である。
この実施例において、図9に示された実施例と同様に、周縁部の画素Pのメンブレン部5の面積は、中央部の画素Pのメンブレン部5の面積の2倍である。したがって、周縁部の画素Pのメンブレン部5の熱容量は、中央部の画素Pのメンブレン部5の熱容量の2倍である。
また、周縁部の画素Pの赤外線吸収膜15の面積は、中央部の画素Pの赤外線吸収膜15の面積の2倍である。したがって、周縁部の画素Pの受光量は、中央部の画素Pの受光量の2倍である。
例えば、集光レンズ3の集光特性は、中央部の画素Pと周縁部の画素Pとで約2倍の赤外線受光量差が生じるような集光特性である。図9に示された実施例と同様に、周縁部の画素Pの赤外線検出感度はS2=2P・2Tc・R/2=2・S1であり、時定数はt2=2C・R/2=t1である。周縁部の画素Pは、中心部の画素Pに対して、赤外線検出感度が2倍で、かつ応答速度が等しくなっている。これにより、センサーアレイ領域1の周縁部での赤外線受光量の低下が補正されている。
なお、この実施例においても、周縁部の画素Pと中心部の画素Pとの間の画素Pについては、集光レンズ3の集光特性に起因する周縁部の画素Pでの光量低下が補正され、かつ、温度センサー13の応答速度が均一にされるように、メンブレン部5及び赤外線受光膜15の面積、温度センサー13の出力温度係数Tc、及び梁部7の熱抵抗が適宜設定される。
図9から図13に示された各実施例の構成は、温度センサーを構成する素子としてMOSFETやボロメータが用いられる場合にも適用可能である。
また、図9から図13に示された各実施例において、センサーアレイ領域1における各画素Pの赤外線吸収膜15の面積はメンブレン部5の面積とほぼ等しく又は等しくされているが、各画素Pの赤外線吸収膜15の面積はメンブレン部5の面積とは異なっていてもよい。
また、図9から図13に示された各実施例において、図2に示された実施例と同様に、赤外線吸収膜15と集光レンズ3との間に赤外線反射膜が配置されてもよい。
本発明の赤外線センサー装置は、各画素が梁部によって基板に対して中空状に支持されたメンブレン部に形成されており、センサーアレイ領域がメンブレン部の面積が互いに異なっていることによってメンブレン部の熱容量Cが互いに異なっている画素を含んでいる場合、次の構成(1),(2)を備えていればよい。
構成(1):画素の赤外線検出感度Sは、集光レンズの集光特性に起因する周縁部の画素での光量低下が補正されるように、センサーアレイ領域の中央部から周縁部へ向かって高くなるように変化されている。
構成(2):梁部は、センサーアレイ領域において画素の温度センサーの応答速度(時定数t)が均一になるように、支持しているメンブレン部の面積(熱容量C)が大きいほど熱抵抗Rが小さくされている。
本発明の赤外線センサー装置において、メンブレン部の熱容量Cが互いに異なっている画素が配置されている場合、各画素において温度センサーの時定数t(=C・R)が等しくなるように、各画素の梁部の熱抵抗Rが設計される。これにより、各画素において温度センサーの応答速度は等しくされる。
さらに、各画素の赤外線検出感度S(∝Q・Tc・R)が集光レンズの集光特性に起因する周縁部の画素での光量低下を補正するように、各画素において赤外線吸収膜の受光量Q、温度センサーの出力温度係数Tc及び梁部の熱抵抗Rが設計される。
以上、本発明の実施例が説明されたが、本発明は、実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、上記実施例では、センサーアレイ領域1は複数の画素がライン状に配置されたものであるが、本発明の赤外線センサー装置のセンサーアレイ領域は複数の画素がマトリクス状に配置されたものであってもよい。
また、上記実施例では、画素Pは基板9とは反対側から赤外線を受光するものであるが(図15の断面図を参照。)、本発明の赤外線センサー装置の画素は、画素の下の基板に設けられた貫通孔を介して赤外線を受光するものであってもよい。
また、上記実施例で示された各構成部材の材料、形状、配置、面積比、温度センサーを構成する素子の直列接続段数などは一例であり、本発明の赤外線センサー装置はこれらに限定されるものではない。