JP2013200312A - 劣化判定装置、劣化判定方法、及びプログラム - Google Patents

劣化判定装置、劣化判定方法、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】蓄電池の容量を推定することができる劣化判定装置を提供する。
【解決手段】測定対象の電池の劣化状態を判定する劣化判定装置の整流器は、備える出力端子に電池と負荷とが並列に接続され、設定値に応じた出力電圧を出力端子に出力可能にする。擬似負荷装置は、整流器の出力端子に負荷とは別に並列に接続される。電流測定部は、電池から擬似負荷装置と負荷とに流れる電池の放電電流の電流値を測定する。整流器電圧制御部は、出力電圧の設定値を制御して、電池の劣化判定試験時における整流器の出力電圧を前記電池からの放電を行わせる電圧にする。制御部は、劣化判定試験の実施時に電池を放電させて擬似負荷装置と負荷とに流す放電電流の電流値が、劣化判定試験を実施する前に負荷に流す電流に応じて定められる劣化判定試験前電流値を上回る所定の電流値になるように擬似負荷装置に流す電流を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、二次電池をバックアップに備えた電力供給システムであって、二次電池の劣化診断機能を備える劣化判定装置、劣化判定方法、及びプログラムに関する。
本願は、2005年8月19日に日本に出願された特願2005−238741号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来から、電話交換等の通信用機器に直接電力を供給する直流電力供給システムにおいては、浮動充電方式でバックアップ用の蓄電池が維持されている。このシステムにおいては、整流器の出力側に負荷設備と蓄電池が並列に接続されており、常時、整流器が負荷に直流電力を供給すると共に、蓄電池の充電状態に合わせて電池が完全充電となるように必要な充電電流が供給されている。このシステムでは、停電や、整流器の故障が起きると、その瞬間に蓄電池からの放電が行われ、一瞬でも負荷設備への電力供給が途絶えることがない。
このような、信頼性が求められるシステムでは、蓄電池が用いられていることから、蓄電池の残容量を把握することによって、蓄電池の性能が十分発揮できるか否かを求め、システムの状態を把握しておくことが望ましい。
このような背景から、バックアップ用蓄電池の状態把握や監視法がいくつか検討されてきている。これらのうちの一つには、電源システムが電力を供給中に、電池からの電力供給の正常性を確認するものがある。これは、整流器の出力電圧を所定の時間だけ低下させることによって、蓄電池からの放電を行わせ、その際の電圧特性を見極めるものであった(非特許文献1参照)。
KOZUKA, et al. "Development of On-line Battery Testing Technology", Proceeding of INTELE ’97, 18-2,p.397.
しかしながら、上述した従来技術における、整流器の出力電圧を所定の時間だけ低下させることで蓄電池からの放電を行わせる方式は、蓄電池の充放電回路の正常性を確認することが目的である。従って、蓄電池の残容量について把握することができないという問題があった。
ここで、仮に「蓄電池の残容量を推定する」ことが試みられていても、負荷の容量が常時変化する実負荷に直接放電させることから、放電電流値が必ずしも一定とした値となる保証が無い。このため、負荷の容量の変化に応じて負荷に流れる電流の電流値が変化する影響を受けることなく放電電圧特性を測定することが困難であり、測定された放電電圧特性は定電流放電特性と異なり、容量推定を行うことができなかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、蓄電池の容量を推定することができる劣化判定装置、劣化判定方法、及びプログラムを提供する。
上述した課題を解決するために、本発明は、測定対象の電池の劣化状態を判定する劣化判定装置であって、備える出力端子に負荷と測定対象の電池とが並列に接続され、供給される設定値に応じた出力電圧を前記出力端子に出力可能とする整流器と、前記整流器の出力端子に前記負荷とは別に並列に接続される擬似負荷装置と、前記電池から前記擬似負荷装置と前記負荷とに流れる前記電池の放電電流の電流値を測定する電流測定部と、前記出力電圧の設定値を制御して、前記電池の劣化判定試験時における前記整流器の出力電圧を前記電池からの放電を行わせる電圧にする整流器電圧制御部と、前記劣化判定試験の実施時に前記電池を放電させて前記擬似負荷装置と前記負荷とに流す放電電流の電流値が、前記劣化判定試験を実施する前に前記負荷に流す電流に応じて定められる劣化判定試験前電流値を上回る所定の電流値になるように前記擬似負荷装置に流す電流を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
これにより、測定対象の電池の劣化状態を判定する劣化判定装置は、負荷に電力を供給している整流器からの出力電圧を低下させ、測定対象電池を出力側に並列に接続した整流器と電池とから整流器の出力に並列に接続された負荷と整流器の出力に負荷とは別に並列に接続された擬似負荷装置とに流れる電流値を測定し、測定結果が所定の電流値となるように擬似負荷装置の負荷を制御する。
また、本発明は、上述の劣化判定装置において、前記電流測定部は、前記負荷に流れる電流の電流値を測定する負荷電流測定部と、前記電池の放電電流の電流値を測定する放電電流測定部と、を備え、前記制御部は、前記負荷電流測定部によって前記測定された負荷に流れる電流の電流値から定められた前記劣化判定試験前電流値に基づいて、前記測定された劣化判定試験前電流値を上回る前記所定の電流値の前記電池の放電電流の放電電流値を定め、前記劣化判定試験の実施時に前記擬似負荷装置と前記負荷とに流す前記放電電流の電流値が前記放電電流値になるように前記擬似負荷装置に流す電流を制御することを特徴とする。
さらにまた、本発明は、上述の劣化判定装置において、前記電池から前記擬似負荷装置と前記負荷とに前記放電電流値の放電電流を流して、当該放電電流値の放電電流における放電時間と、前記放電時間における前記放電電流に対応した前記電池の端子間電圧とに基づいて、前記電池の残存容量を算出する演算部を備えることを特徴とする。これにより、劣化判定装置は、測定対象となる電池の所定の電流値における放電時間と端子間電圧と残存容量との関係を示す電池データを参照して、擬似負荷装置と負荷とに放電する放電電流における放電時間と放電時間における放電電流に対応した電池の端子間電圧とに基づいて、電池の残存容量を算出する。
また、本発明は、上述の劣化判定装置において、前記出力電圧の設定値を制御して、前記電池の劣化判定試験の実施時における前記整流器の出力電圧を、前記負荷が許容する電圧範囲の下限電圧より高く、前記劣化判定試験を実施する前に設定されていた電圧より低い、前記電池からの放電を行わせる電圧にすることを特徴とする。
また、本発明は、上述の劣化判定装置において、前記整流器電圧制御部は、前記劣化判定試験の実施時に前記電池から前記負荷と前記擬似負荷装置とに電力を供給している状況において前記電池の電圧が所定の閾値電圧以下に低下した場合に前記整流器の電圧を低下させるように制御していた制御状態を解除することを特徴とする。
また、本発明は、測定対象の電池の劣化状態を判定する劣化判定方法であって、測定対象の電池の劣化状態を判定する劣化判定方法であって、負荷と測定対象の電池とが整流器の出力端子に並列に接続される当該整流器から、供給される設定値に応じた出力電圧を前記出力端子に出力可能にするステップと、前記整流器の出力端子に前記負荷とは別に並列に擬似負荷装置を接続するステップと、前記電池から前記擬似負荷装置と前記負荷とに流れる前記電池の放電電流の電流値を電流測定部が測定するステップと、整流器電圧制御部が前記出力電圧の設定値を制御して、前記電池の劣化判定試験時における前記整流器の出力電圧を、前記電池からの放電を行わせる電圧にするステップと、前記劣化判定試験の実施時に前記電池を放電させて前記擬似負荷装置と前記負荷とに流す放電電流の電流値が、前記劣化判定試験を実施する前に前記負荷に流す電流に応じて定められる劣化判定試験前電流値を上回る所定の電流値になるように前記擬似負荷装置に流す電流を制御するステップと、を備えることを特徴とする。
また、本発明は、測定対象の電池の劣化状態を判定する劣化判定装置のコンピュータに、負荷と測定対象の電池とが整流器の出力端子に並列に接続される当該整流器から、供給される設定値に応じた出力電圧を前記出力端子に出力可能にするステップと、前記整流器の出力端子に前記負荷とは別に並列に擬似負荷装置を接続するステップと、前記電池から前記擬似負荷装置と前記負荷とに流す前記電池の放電電流の電流値を電流測定部が測定するステップと、整流器電圧制御部が前記出力電圧の設定値を制御して、前記電池の劣化判定試験時における前記整流器の出力電圧を、前記電池からの放電を行わせる電圧にするステップと、前記劣化判定試験の実施時に前記電池を放電させて前記擬似負荷装置と前記負荷とに流す放電電流の電流値が、前記劣化判定試験を実施する前に前記負荷に流す電流に応じて定められる劣化判定試験前電流値を上回る所定の電流値になるように前記擬似負荷装置に流す電流を制御するステップと、を実行させるためのプログラムである。
なお、本発明は、上記の他、上述した課題を解決するために、以下に例示する特徴を有するものとしてもよい。一例は、測定対象電池の劣化状態を判定する劣化判定装置であって、負荷に電力を供給する整流器からの出力電圧を低下させる整流器電圧制御部と、前記測定対象電池を出力側に並列に接続した整流器と、前記整流器の出力に並列に接続された負荷と、同じく前記整流器の出力に前記負荷とは別に並列に接続された擬似負荷装置と、前記整流器と前記電池とから前記負荷と前記擬似負荷装置とに流れる電流値を測定する負荷電流測定部と、前記負荷電流測定部の測定結果が所定の電流値となるように前記擬似負荷装置の負荷を制御する制御部と、測定対象となる電池の所定の電流値における放電時間と前記電池の端子間電圧と残存容量との関係を示す電池データを記憶する電池データ記憶部と、前記電池データ記憶部に記憶された前記電池データを参照し、前記擬似負荷装置と前記負荷とに放電する放電電流における放電時間と前記放電時間における前記放電電流に対応した前記電池の端子間電圧とに基づいて、前記電池の残存容量を算出する演算部とを有することを特徴とする。
また、一例は、上述の劣化判定装置において、前記電池データ記憶部は、放電時において、任意の放電電流と任意の放電経過時間における電池の端子間電圧と放電開始前に充電によって維持されていた際の電池の端子間電圧の差と電池残存容量の関係を示す電池データを記憶することを特徴とする。
また、一例は、上述の劣化判定装置において、前記電池データ記憶部は、任意の放電電流と任意の放電時間、基準となる電池の充電状態における電池の端子間電圧と放電時の電池の端子間電圧の差と電池残存容量との関係を示す電池データを記憶することを特徴とする。
さらにまた、本発明は、上述の劣化判定装置において、前記電池データ記憶部は、残存容量毎の、電池の端子間電圧と放電経過時間との関係を示す電池データを記憶することを特徴とする。
また、一例は、上述の劣化判定装置において、前記電池データ記憶部は、製造業者、納品業者、製造ロット、電池機種、電池の温度、放電電流値、放電経過時間のうち少なくとも一つ以上を含む放電条件毎に電池データを記憶することを特徴とする。
また、一例は、上述の劣化判定装置において、前記整流器電圧制御手段は、前記電池から前記負荷と前記擬似負荷装置とに電力を供給している場合に前記電池の電圧が所定値以下に低下した場合に前記整流器の電圧低下を解除することを特徴とする。
また、一例は、測定対象電池の劣化状態を判定する劣化判定方法であって、負荷に電力を供給している整流器からの出力電圧を低下させ、前記測定対象電池を出力側に並列に接続した整流器と前記電池とから前記整流器の出力に並列に接続された負荷と前記整流器の出力に前記負荷とは別に並列に接続された擬似負荷装置とに流れる電流値を測定し、前記測定結果が所定の電流値となるように前記擬似負荷装置の負荷を制御し、測定対象となる電池の所定の電流値における放電時間と前記電池の端子間電圧と残存容量との関係を示す電池データを記憶する電池データ記憶部を参照し、前記擬似負荷装置と前記負荷とに放電する放電電流における放電時間と前記放電時間における前記放電電流に対応した前記電池の端子間電圧とに基づいて、前記電池の残存容量を算出することを特徴とする。
また、一例は、測定対象電池の劣化状態を判定する劣化判定装置のコンピュータを、負荷に電力を供給している整流器からの出力電圧を低下させる手段、前記測定対象電池を出力側に並列に接続した整流器と前記電池とから前記整流器の出力に並列に接続された負荷と前記整流器の出力に前記負荷とは別に並列に接続された擬似負荷装置とに流れる電流値を測定する手段、前記測定結果が所定の電流値となるように前記擬似負荷装置の負荷を制御する手段、測定対象となる電池の所定の電流値における放電時間と前記電池の端子間電圧と残存容量との関係を示す電池データを記憶する電池データ記憶部を参照し、前記擬似負荷装置と前記負荷とに放電する放電電流における放電時間と前記放電時間における前記放電電流に対応した前記電池の端子間電圧とに基づいて、前記電池の残存容量を算出する手段として機能させることを特徴とする。__
以上説明したように、この発明によれば、擬似負荷装置を備えるようにしたので、電池からの放電電流を一定に調整することができ、精度良く放電電圧特性を得ることができる。
この発明の一実施形態による劣化判定装置を適用した二次電池劣化診断機能付き直流電源装置1の構成を示す概略ブロック図である。 制御装置100の構成を示す概略ブロック図である。 電池データ記憶部104に記憶される電池データの一例を示す図面である。 電池データの一例を示す図面である。 二次電池劣化診断機付き直流電源装置1の動作について説明するためのフローチャートである。 二次電池劣化診断機付き直流電源装置1の動作について説明するための図面である。 劣化判定試験中の各設定電圧と蓄電池の放電電圧の関係を説明するための図面である。 初期状態にある電池の放電曲線と、各残存容量における劣化状態にある電池の放電曲線を模式的に示した図である。 各放電時間における、初期状態にある電池の端子間電圧と、劣化した状態にある電池の端子間電圧との差ΔVを示す図である。 任意の放電経過時間における、100%容量電池の開放電圧と容量の低下した電池の端子間電圧の差を示す図である。 電池データの一例を示す図面である。 交流電力供給装置における二次電池自動劣化診断機の適用例を示す概略ブロック図である。 交流電力供給装置における二次電池自動劣化診断機の適用例を示す概略ブロック図である。
以下、本発明の一実施形態による劣化判定装置について図面を参照して説明する。
本実施形態における劣化判定装置は、指定する任意の時刻に、指定する任意の電流で、任意の時間だけ蓄電池の放電を行わせ、この時の放電特性から蓄電池の劣化状態を推定するものである。すなわち、負荷設備に電力を供給している間に蓄電池からの放電を行わせるため、本実施形態では、動作中の整流器の出力電圧を負荷が許容する電圧範囲内で、指定の値まで低下させる。これによって蓄電池からの放電を行わせる。しかし、この状態では、蓄電池の放電電流は、負荷が必要とする電流値のままであるので、本実施形態では、擬似負荷装置を設け、指定する任意の一定電流で蓄電池からの放電が行われるように電流調整する。これにより、一定の電流で放電させることができ、いわゆる「定電流放電特性」を求めることができる。
蓄電池の劣化状態は、定電流放電中の電圧の経時変化曲線に現れるので、指定する任意の経過時間において、対象とする電池の端子間電圧を測定する。測定した端子間電圧値から、予め求めておいた、蓄電池の劣化と端子間電圧との関係を示す電池データに照合させて、対象電池の容量を推定する。
以下、この発明の一実施形態における劣化判定装置について説明する。
図1は、この発明の一実施形態による劣化判定装置を適用した二次電池劣化診断機能付き直流電源装置1の構成を示す概略ブロック図である。
二次電池劣化診断機能付き直流電源装置1は、制御装置100、交流電源109、整流器200、交流電源300、負荷400、擬似負荷装置500、組電池600、回路切り離しスイッチ700、負荷電流センサ800、組電池放電電流センサ810、温度センサ820、電圧センサ830、セル電圧調整回路900によって構成される。
交流電源300から供給される交流電力は、整流器200によって直流電力に変換され、組電池600および負荷400に供給される。組電池600は、リチウムイオン二次電池を複数個接続して構成されており、整流器200と負荷400とに接続され、充電、放電が可能である。
交流電源109は、交流電流を制御装置100に供給する。
擬似負荷装置500は、制御装置100からの擬似負荷制御信号に基づいて、負荷400と擬似負荷装置500との電流値の総和が所定の電流値になるように組電池600からの放電を行わせる。
回路切り離しスイッチ700は、擬似負荷制御信号に含まれるオン、オフの信号に基づいてオン、オフし、オフの場合に擬似負荷装置500を組電池600から切り離す。
負荷電流センサ800は、負荷400に供給される電流値を測定し、測定結果を制御装置100に出力する。組電池放電電流センサ810は、組電池600から供給される電流を検出し、検出結果を制御装置100に出力する。温度センサ820は、組電池600の温度を測定し、測定結果を制御装置100に出力する。電圧センサ830は、組電池600の電圧を検出し、検出結果を制御装置100に出力する。セル電圧調整回路900は、組電池600を構成するリチウムイオン二次電池の各セルの電圧を制御する。
次に、制御装置100の構成を説明する。図2は、制御装置100の構成を示す概略ブロック図である。
データ入力部101は、負荷電流センサ800、組電池放電電流センサ810、温度センサ820、電圧センサ830から出力される測定結果を入力し、制御部103と演算部105に出力する。測定条件設定値入力部102は、ユーザからの入力を受け付ける機能を有し、キーボード、ファンクションキーで構成される。制御部103は、整流器出力制御信号を整流器200に出力し、測定条件設定値入力部102から入力された設定値の範囲内で整流器200からの出力電圧を低下させる機能を有する。また、制御部103は、擬似負荷制御信号を擬似負荷装置500に出力して負荷400と擬似負荷装置500とに流れる電流の総和が測定条件設定値入力部102から入力された設定値になるように制御する。
電池データ記憶部104には、例えば、製造業者、納品業者、製造ロット等の電池の製造や流通等に関する情報と、「任意の時間における端子間電圧の差と種々の残存容量を有する電池容量との関係」を示す電池データや「新品電池(容量100%)の開放電圧と、種々の残存容量の電池を放電させた際の端子間電圧との差と残存容量の関係」、さらに「維持充電時の充電電圧(以下、本文、または図中において、「維持充電電圧」と簡略化した表現とする場合もある。)と種々の残存容量の電池を放電させた際の端子間電圧との差と残存容量の関係」の電池データが記憶されている。ここで、残存容量とは、上記のような電力供給システムにおけるバックアップ蓄電池においては、完全充電状態において保有する容量のことをいう。この電池データ記憶部104に記憶される電池データの一例を図3に示す。ここでは、任意の放電経過時間における、100%容量電池の端子間電圧と容量の低下した電池の端子間電圧の差の関係を示す電池データが記憶される。この電池データは、任意の電流値が電流値I1〜Inの場合について、電池の機種(A〜X)毎に記憶される。このように記憶される一例を図4に示す。また、必要により、種々の温度Te(n)毎に作成される。
演算部105は、データ入力部101から出力される組電池600の端子間電圧値を受信する機能と、受信した端子間電圧値と電池データ記憶部104に格納されたデータとを比較し、測定対象電池の残存容量の算出、劣化判定を行う機能を有する。
表示部106は、演算部105の演算結果をメータによって表示する。電源部107は、交流電源109が出力するAC100[V]を直流電源に変換し、劣化判定装置100の内部電源を供給する。データ送信部110は、外部通信インタフェース108を介して監視センタの端末に接続され、演算部105の演算結果となるデータを監視センタの端末に送信する。セル電圧調整回路制御部111は、セル電圧を制御するための制御信号をセル電圧調整回路900に出力する。
次に、上述した二次電池劣化診断機付き直流電源装置1の動作について、図5のフローチャートを用いて説明する。
まず、待機中において(ステップS1)、整流器200から負荷400に供給される負荷電流を計測し、最大電流値の算出する(ステップS2)。次に、測定条件設定値入力部102から劣化判定処理の開始指示がユーザによって入力されると、劣化判定処理を開始する(ステップS3)。ここでは、劣化判定処理の開始指示に続き、ユーザによって入力される、整流器200から出力される電圧の低下を継続する放電時間の設定値、電流の設定値を受け付ける。
各種設定値が入力されると、制御部103は、整流器200の出力電圧を下げるように整流器200に整流器出力制御信号を出力する(ステップS4)。
整流器からの出力電圧に伴い、組電池600からの放電が開始される。制御部103は、負荷400と擬似負荷装置500に流れる電流値の合計(組電池放電電流センサ810による検出結果の値)が、指定された一定の電流値となるように擬似負荷装置500が分担する電流値を擬似負荷制御信号によって適宜制御する(ステップS5)。
制御部103は、また、劣化判定処理が開始された時点から、蓄電池放電時間のカウントを開始する(ステップS6)。そして、電圧センサ830によって組電池600の端子間電圧を計測し(ステップS7)、組電池600の電圧が所定の値まで低下したか否かを検出する(ステップS8)。組電池600の電圧が所定の値まで低下した場合には、整流器の電圧低下を解除して整流器出力電圧を通常電圧に戻すとともに、警報を監視センタの端末に転送し(ステップS9)、ステップS1に移行する。
一方、組電池600の電圧が所定の値以上である場合、蓄電池放電時間のカウント値が測定条件設定値入力部102から入力された放電時間に達したか否かを検出する(ステップS10)。カウント値が放電時間に達していない場合は、ステップS5に移行する。
一方、カウント値が放電時間に達した場合、その放電時間における対象電池の端子間電圧を電圧センサ830によって測定し、温度センサ820の測定結果と、測定結果の電圧値を記録する(ステップS11)。温度センサ820の検出結果、電池電圧が記録されると、演算部105は、測定時間、測定温度に対応する電池データを電池データ記憶部104に記憶された電池データを参照し、記録された電池電圧に基づいて、電池容量の算出を行う(ステップS12)。
この電池の容量の算出には、種々の残存容量を有する蓄電池の放電特性(端子間電圧の時間変化特性)から求まる、「任意の時間における端子間電圧の差と電池容量の関係」が使用できる。任意の放電電流、任意の周囲温度で上記の関係を求めておけばよい。なお、「新品電池(容量が100%)の開放電圧と種々の残存容量の電池を放電させた際の端子間電圧との差と電池容量の関係」を用いて、残容量の算出を行うことも可能である。さらに、「維持充電時の充電電圧と種々の残存容量の電池を放電させた際の端子間電圧との差と電池容量の関係」から、残容量の算出を行うことも可能である。また、ここでは、温度センサ820の測定結果、測定条件設定値入力部102から入力される電池機種に基づき、合致する条件の電池データが選択されて参照される。
電池容量が算出されると、制御部103は、整流器200の出力電圧を通常の出力電圧値に戻した後(ステップS13)、算出した電池容量の値を出力する(ステップS14)。この出力は、表示部106による表示とデータ送信部110から外部の監視センタの端末への送信によって行われる。
そして、測定結果が出力されると、制御部103は、劣化判定処理を終了する(ステップS15)。
なお、このプロセスの進行中、停電発生や整流器の故障検出についても並行して行われる。そして、ひとたび上記のトラブルが発生した場合、組電池600から負荷400への電力供給が継続して行われ、このプロセスでの容量推定作業はキャンセルされる。停電終了後は、整流器200の出力電圧は通常の値に設定され、負荷400への電力供給と組電池600の充電が行われる。
ここで、二次電池劣化診断機付き直流電源装置1の動作について図6を用いてさらに説明する。
時刻T1において劣化判定試験が開始されると、制御部103からの指示に従い、整流器200の出力電圧が低下する(符号a)。整流器200の出力電圧を、負荷400が動作可能な電圧範囲の下限値より高い値で、かつ、負荷400への供給電力が蓄電池からの放電のみとなるような電圧に設定する。出力電圧が低下すると、組電池600から電力が供給されることにより、蓄電池電流が出力され(符号b)、擬似負荷消費電流が発生する(符号c)。そして、指定された放電時間が経過し、時刻T2において試験が終了すると、制御部103からの指示に基づいて、整流器200の出力電圧は通常の電圧に戻り、組電池600に充電が開始される(符号e)。そして擬似負荷装置500の回路切り替えスイッチ700がオフになることにより、擬似負荷装置500の消費電流が0になる(符号f)。なお、この図においては、蓄電池の放電電流IB=擬似負荷電流IDL+負荷電流Iである。
さらに、劣化判定試験中の各設定電圧と蓄電池の放電電圧の関係を、図7を用いて説明する。同図は、直流給電システムにおける電圧供給電圧の上下限と通常の整流器動作電圧Vn、さらに試験実施時の整流器電圧VTを示している。試験実施時の整流器電圧VTは、システムの下限電圧よりも高い値に設定される。試験の開始に伴い、整流器出力電圧は、試験電圧VTに設定されると、これと同時に蓄電池放電が開始される。極端に容量が失われていない正常な蓄電池の場合、電圧の経時変化は、放電カーブ(符号a)に沿って変化し、所定の時間T2において試験が終了する。容量が低下している電池の場合、放電カーブ(符号b)のようなプロファイルで放電が進行し、設定放電時間より短い時間で試験が終了する(B点)。B点では整流器出力電圧と同じ電圧になるので、蓄電池のみからの放電は行えなくなり、実効的に試験は終了となる。制御部103はこの状態を検出し、容量推定はこの時間T3以前の段階で行い、さらに、整流器の電圧低下動作は終了し、通常の電圧Vnに戻す。一方、B点に至った状態を制御部103が見落とした場合に備え、異常検出電圧VBを設定し、システムの保護を行う。この例は、放電カーブ(符号c)に示される。即ち、B’点で、制御部103が試験の終了を検出し損なった場合、さらに放電が進行する。システムの最低電圧VLまで低下すると、負荷に影響を及ぼす恐れがある。
そこで、異常検出電圧VBを設定し、システムからの出力がこの電圧に低下するような事があったら、試験を終了し、整流器の出力低下の停止・警報発生等の処置を行う。
ここで、上述した容量推定を行う計算は、試験開始時に設定された放電時間の最大値以内で有れば、一回でなく、数回行うことも可能であり、数回の容量推定によって、算出値が目標とする精度(例えば、3〜4回の測定値の差が5%)以内に収まった場合に、設定放電時間内でも試験を終了することも可能である。一方、目標制度内に収まっていない場合は、設定放電時間いっぱいの放電を行い、容量推定を行って試験を終了する。
以上説明した実施形態によれば、電池容量を算出した後、制御部103が整流器200の出力電圧を適正な値に戻すようにした。これにより、整流器200からは負荷400への電力供給とともに組電池600の充電が行われ、負荷側に供給する電力の品質には影響が生じない。
また、この実施形態によれば、組電池600の電池電圧が所定の値まで低下した場合には、制御部103は、整流器200への出力電圧を元に戻すので、組電池600を放電するにあたり、劣化判定試験後の停電等に備え、組電池600が完全放電とならないようにすることができる。さらに、いくつかの検出電圧の設定により、試験によりシステムに問題が生じることを防止するようにした。
なお、上述した実施形態において、電池データ記憶部104に、電圧差ΔVと残存容量との関係を示す電池データを記憶する場合について説明したが、図8に示す放電曲線を示すデータを利用するようにしてもよい。図8(a)は、初期状態にある電池の放電曲線と、各残存容量における劣化状態にある電池の放電曲線を模式的に示した図である。この図において、Vcn(Tn)とは、残存容量がCnである電池を放電した際の、放電時間Tn経過時における端子間電圧を意味する。すなわち、電池機種や放電電流毎に、残存容量と種々の経過時間における端子間電圧の関係を求める。ここで図8(b)は、各残存容量を有する電池の各放電経過時間後の端子間電圧と残存容量との関係を示す図面である。このように求めた関係を容量推定に用いることによって、予め定められた放電電流において、指定された放電時間が経過した時点での端子間電圧を測定し、容量を推定することができる。
また、電池データ記憶部104に記憶する電池データとして、他の情報を用いることが可能である。図9は、各放電時間における、初期状態にある端子間電圧と、劣化した状態にある端子間電圧との差ΔVを示す図である。図9において、放電時間Tn経過時における、初期状態(放電容量が100%)にある端子間電圧をV100(Tn)と示し、劣化して残存容量が80%になった端子間電圧はV80(Tn)、残存容量が60%になった端子間電圧はV60(Tn)と示してある。また、本図において、放電時間Tn経過時における、初期状態にある端子間電圧V100(Tn)と、劣化状態にある端子間電圧V60(Tn)との電圧差ΔVを、矢印bで示す。
このような放電特性を利用し、各放電時間における、初期状態にある電池の開放電圧Vopenと劣化状態にある端子間電圧との電圧差ΔV´(図9の符号(c))と、残存容量の関係を示した情報を用いるようにしてもよい。
図10は、任意の放電経過時間における、100%容量電池の開放電圧と容量の低下した端子間電圧の差を示す図である。この場合、電池データ記憶部104は、本図の関係を示す電池データを記憶しておく。このように記憶される電池データの一例を図11に示す。このような電池データが電池機種毎に作成される。なお、同様に図を「維持充電時の充電電圧と種々の残存容量の電池を放電させた際の端子間電圧との差と電池容量の関係」について作成しておくことも可能である。実際の電源システムにおいては、電池は整流装置等の充電装置によって維持されているので、開放電圧よりも、「維持充電時の充電電圧」との関係の方が実用的である。
なお、以上説明した実施形態では、負荷400に供給する電力が直流である場合について説明したが、直流供給系のみならず、交流供給系にも適用可能である。図12、図13は、交流電力供給装置における二次電池自動劣化診断機の適用例を示す概略ブロック図である。図12、図13において、バックアップ用蓄電池の専用充電器を備えた交流電力供給システムにおいては、直流供給系において整流器の電圧調整に代わって、専用充電器の充電電圧の調整を行い、さらに、蓄電池の放電が実負荷ではなく専用の擬似負荷に対して行われるが、蓄電池の定電流放電によって容量を推定することは基本的に同じである。
なお、試験のための放電中の過放電等による負荷への影響を防ぐため組電池600の総電圧を測定し、予め設定された危険予知のための電圧値まで低下したら蓄電池放電を停止させることもできる。
また、図1における制御装置100の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより劣化判定を行ってもよい。
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
1 二次電池劣化診断機能付き直流電源装置 100 制御装置 101 データ入力部 102 測定条件設定値入力部 103 制御部 104 電池データ記憶部 105 演算部 106 表示部 107 電源部 400 負荷 500 擬似負荷装置 600 組電池 800 負荷電流センサ 810 組電池放電電流センサ 820 温度センサ 830 電圧センサ

Claims (7)

  1. 測定対象の電池の劣化状態を判定する劣化判定装置であって、
    備える出力端子に負荷と測定対象の電池とが並列に接続され、供給される設定値に応じた出力電圧を前記出力端子に出力可能とする整流器と、
    前記整流器の出力端子に前記負荷とは別に並列に接続される擬似負荷装置と、
    前記電池から前記擬似負荷装置と前記負荷とに流れる前記電池の放電電流の電流値を測定する電流測定部と、
    前記出力電圧の設定値を制御して、前記電池の劣化判定試験時における前記整流器の出力電圧を前記電池からの放電を行わせる電圧にする整流器電圧制御部と、
    前記劣化判定試験の実施時に前記電池を放電させて前記擬似負荷装置と前記負荷とに流す放電電流の電流値が、前記劣化判定試験を実施する前に前記負荷に流す電流に応じて定められる劣化判定試験前電流値を上回る所定の電流値になるように前記擬似負荷装置に流す電流を制御する制御部と、
    を備えることを特徴とする劣化判定装置。
  2. 前記電流測定部は、
    前記負荷に流れる電流の電流値を測定する負荷電流測定部と、
    前記電池の放電電流の電流値を測定する放電電流測定部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記負荷電流測定部によって前記測定された負荷に流れる電流の電流値から定められた前記劣化判定試験前電流値に基づいて、前記測定された劣化判定試験前電流値を上回る前記所定の電流値の前記電池の放電電流の放電電流値を定め、前記劣化判定試験の実施時に前記擬似負荷装置と前記負荷とに流す前記放電電流の電流値が前記放電電流値になるように前記擬似負荷装置に流す電流を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の劣化判定装置。
  3. 前記電池から前記擬似負荷装置と前記負荷とに前記放電電流値の放電電流を流して、当該放電電流値の放電電流における放電時間と、前記放電時間における前記放電電流に対応した前記電池の端子間電圧とに基づいて、前記電池の残存容量を算出する演算部
    を備えることを特徴とする請求項2に記載の劣化判定装置。
  4. 前記整流器電圧制御部は、
    前記出力電圧の設定値を制御して、前記電池の劣化判定試験の実施時における前記整流器の出力電圧を、前記負荷が許容する電圧範囲の下限電圧より高く、前記劣化判定試験を実施する前に設定されていた電圧より低い、前記電池からの放電を行わせる電圧にする
    ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の劣化判定装置。
  5. 前記整流器電圧制御部は、
    前記劣化判定試験の実施時に前記電池から前記負荷と前記擬似負荷装置とに電力を供給している状況において前記電池の電圧が所定の閾値電圧以下に低下した場合に前記整流器の電圧を低下させるように制御していた制御状態を解除する
    ことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の劣化判定装置。
  6. 測定対象の電池の劣化状態を判定する劣化判定方法であって、
    負荷と測定対象の電池とが整流器の出力端子に並列に接続される当該整流器から、供給される設定値に応じた出力電圧を前記出力端子に出力可能にするステップと、
    前記整流器の出力端子に前記負荷とは別に並列に擬似負荷装置を接続するステップと、
    前記電池から前記擬似負荷装置と前記負荷とに流れる前記電池の放電電流の電流値を電流測定部が測定するステップと、
    整流器電圧制御部が前記出力電圧の設定値を制御して、前記電池の劣化判定試験時における前記整流器の出力電圧を、前記電池からの放電を行わせる電圧にするステップと、
    前記劣化判定試験の実施時に前記電池を放電させて前記擬似負荷装置と前記負荷とに流す放電電流の電流値が、前記劣化判定試験を実施する前に前記負荷に流す電流に応じて定められる劣化判定試験前電流値を上回る所定の電流値になるように前記擬似負荷装置に流す電流を制御するステップと、
    を備えることを特徴とする劣化判定方法。
  7. 測定対象の電池の劣化状態を判定する劣化判定装置のコンピュータに、
    負荷と測定対象の電池とが整流器の出力端子に並列に接続される当該整流器から、供給される設定値に応じた出力電圧を前記出力端子に出力可能にするステップと、
    前記整流器の出力端子に前記負荷とは別に並列に擬似負荷装置を接続するステップと、
    前記電池から前記擬似負荷装置と前記負荷とに流す前記電池の放電電流の電流値を電流測定部が測定するステップと、
    整流器電圧制御部が前記出力電圧の設定値を制御して、前記電池の劣化判定試験時における前記整流器の出力電圧を、前記電池からの放電を行わせる電圧にするステップと、
    前記劣化判定試験の実施時に前記電池を放電させて前記擬似負荷装置と前記負荷とに流す放電電流の電流値が、前記劣化判定試験を実施する前に前記負荷に流す電流に応じて定められる劣化判定試験前電流値を上回る所定の電流値になるように前記擬似負荷装置に流す電流を制御するステップと、
    を実行させるためのプログラム。
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