JP2013200575A - 全光信号処理デバイス - Google Patents

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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

【課題】シリコン光導波路内の自由キャリアの応答時間による繰り返し周波数の制限という問題点を払拭し、自由キャリアの応答時間に依存しない新たな超高速全光型信号処理デバイスを提供する。
【解決手段】本発明は、入力信号光が入力されるシリコン光導波路の非線形光学効果を用いて、そこから出力される出力信号光を制御信号光によって制御する。この制御信号光として、ランダムな光パルス列を入射して、該制御信号光によって相互位相変調を受けた入力信号の位相と第1の導波路を伝搬した光信号の基準位相との間の位相差ずれΔφを補償し、自由キャリアによる屈折率変化の揺らぎを打ち消し、キャリア応答時間に左右されない光信号の強度に依存した非線形光学効果の非線形性を用いて全光信号処理を行う。
【選択図】図5

Description

本発明は、入力信号光が入力されるシリコン光導波路の非線形光学効果を用いて、そこから出力される出力信号光を制御信号光によって制御する全光信号処理デバイスに関する。
近年、シリコンをベースとした集積光回路は電気回路との融合や光インターコネクションなどの目的から研究が盛んになってきている。シリコンをコアとするシリコン光導波路[特許文献1参照]は導波路断面積を非常に小さくする事ができ、閉じ込められる光パワー密度は従来の光導波路に比べて2桁〜3桁大きくなる上、非線形性も同様に2桁〜3桁強いため、大きな非線形光学効果が期待できる。
非線形光学効果による屈折率変化はフェムト秒レベルの非常に速い応答を示し、超高速な光信号処理が実現可能である。しかし、実際にはシリコン導波路内の二光子吸収という現象によって発生する自由キャリアの屈折率変化の応答時間はナノ秒レベルであり、光素子の応答速度を制限していた。これらの原因によって、シリコン導波路の非線形光学効果を用いた光信号処理デバイスの応答速度は10Gb/sが限界と言われている。
また、将来のフォトニクスネットワークでは160Gb/sを超えるような高速かつ低消費電力の光信号処理デバイスが求められているが、現状ではシリコン導波路を用いて実用的な高速光信号処理を行う技術は開発されていない。
従来技術の一例として、非特許文献1に開示の技術構成を図1に挙げ、図2(左)には、自由キャリアを完全に緩和させる手法を示す。図1に示す空間干渉計において、一方の入力ポートに信号光がcw光として入力され、他方の入力ポートに制御光が入力される。信号光は3dBカプラによって上部導波路と下部導波路に分配される。下部導波路は分配された入力信号光がそのまま伝搬するのに対し、上部導波路を伝搬する入力信号光はシリコン光導波路に入力され、ここで制御光によって相互位相変調を受けながら伝搬する。これによって信号光は制御光の光パワーに依存した非線形位相シフトを受ける。この空間干渉計は、シリコン光導波路の非線形光学効果を用いた光スイッチとして機能するが、従来手法で光スイッチングを行うと、光信号の強度波形が裾を引くような形で劣化してしまう。これは、シリコン光導波路中に光信号を入射した事によって二光子吸収が起こるため、二光子吸収の過程で発生した自由キャリアが緩和するまでの振る舞いが見えているからである。導波路中の屈折率変化はキャリア密度変化に依存(キャリアプラズマ効果)し、従来では自由キャリアによる影響が完全に緩和するまでの時間領域を繰り返し周波数としていたため、図2(左)のように光スイッチの繰り返し周波数を大きく制限していた。
特開2004-133446公報
Ozdal Boyraz, Prakash koonath, Varun Raghunathan, and Bahram Jalali, "All optical switching and continuum generation in silicon waveguides," Optics Express, Vol.12, No.17, pp.4094-4102, 2004 C.R.S.Fludger, V.Handerek, and R.J.Mears, "Pump to Signal RIN Transfer in Raman Fiber Amplifiers," JOURNAL OF LIGHTWAVE TECHNOLOGY, VOL.19, NO.8, AUGUST 2001 K.Uchiyama et al., "100Gb/s all-optical demultiplexing using nonlinear optical loop mirror with gating-width control", Electron.Lett.,29, pp.1870-1871(1993)
自由キャリアが発生しないような状況を作ってやれば、非線形光学効果のみの屈折率変化によるフェムト秒レベルの超高速応答な光信号処理の実現が可能となる。図2(右)は、本発明が提案する自由キャリアを定常状態にさせる手法を説明する図である。本発明はシリコン光導波路の自由キャリア緩和時間よりも速い繰り返し周波数を持つ光信号を制御光として入射し、自由キャリアを定常状態にする事で、自由キャリアの発生を抑制する状態を作りだす事に着目した。これにより、図2(右)のようなキャリアの変動による屈折率変化の緩和過程を抑制し、非線形光学効果による屈折率変化を支配的とした超高速光信号処理が可能となる。
そこで、本発明はシリコン光導波路に関して、従来技術に代表されるシリコン光導波路内の自由キャリアの応答時間による繰り返し周波数の制限という問題点を払拭し、自由キャリアの応答時間に依存しない新たな超高速全光信号処理デバイスを提供することを目的としている。
本発明の全光信号処理デバイスは、入力信号光が入力されるシリコン光導波路の非線形光学効果を用いて、そこから出力される出力信号光を制御信号光によって制御する。この制御信号光として、シリコン光導波路内の自由キャリアの応答時間よりも速い繰り返し周波数の光信号を入射して、自由キャリアを定常状態にし、キャリア応答時間に左右されない光信号の強度に依存した非線形光学効果の非線形性を用いて例えば、光スイッチ、光変調、光信号処理再生(光2R/3R)の光信号処理を行う。
シリコン光導波路中にシリコン光導波路内の自由キャリアの応答時間よりも速い繰り返し周波数を持つ光信号を入射すると、自由キャリアは一定時間後に定常状態となり、自由キャリアの応答時間による屈折率変化の緩和現象の影響は抑制され、光信号の強度のみに依存した非線形光学効果による屈折率変化が支配的となる。この方法によって今までシリコン導波路光デバイスでは実現不可能であった160Gb/sを超えるような超高速光信号処理が可能となる。
シリコン光導波路に光信号を入射すると、非線形光学効果、すなわち光の強度に比例した屈折率変化を伴う自己位相変調が発生する。またシリコン導波路内では二光子吸収の影響によって入射光の強度に依存してシリコン光導波路中の自由キャリア密度が増加する。これは以下の式のようなキャリア密度Nの時間tに関するレート方程式で入力光電界の関数として記述でき、屈折率変化量Δnはキャリア密度変化量ΔNに関係している。
Figure 2013200575
ここで、Eは入力電界強度、βTPAは二光子吸収係数、ωは入力光信号の角周波数とする。また、屈折率変化Δnによる位相変化量Δφは、
Figure 2013200575
と表せる。
ここで、λは入力光信号の波長、Leffは伝搬中の損失を考慮した実効長である。
図3は、光パルス入射時におけるシリコン導波路伝搬後の屈折率・位相変化を示す図である。ある光パルスをシリコン光導波路へ入射すると図3のような自己位相変調による屈折率変化と自由キャリア密度変化による屈折率変化が起きる。現在の光通信で必要とされている40Gb/sを超えるような光パルスを入力したとすると、自由キャリアの長い応答時間によって緩和現象が見られるため、シリコン導波路を用いた光信号処理デバイスのボトルネックとなっていた。
しかし、シリコン導波路に自由キャリアの緩和時間よりも速い繰り返し周波数を持つ光信号を伝送させるとキャリアは一定時間後に定常状態となる。例えば、シリコン導波路内での自由キャリアの緩和時間は1ナノ秒レベルであるため、繰り返し周波数はこれよりも早い10GHz(100ピコ秒)以上の光信号となる。これは、自由キャリア吸収や導波路自体の伝搬損失によって入力信号の光パワーが減衰し、二光子吸収による自由キャリアの生成も減衰する事によって、一定時間後にキャリア密度が定常状態となる事を意味する。
この状態では、自由キャリア密度は定常状態となっており、新たに光信号を入力しても自由キャリアが生成される事がないため、非線形光学効果のみによる屈折率変化が支配的となる。図4は入力光パルス列を入射した時のシリコン導波路伝搬後の位相の時間特性の解析結果を示している。一定時間後に光パワーが定常状態となり、光パワーに比例した自己位相変調による位相変化が支配的となっているのが見て分かる。出力光における光パワーの時間的な減衰は二光子吸収とその過程で発生した自由キャリアがもたらす吸収によるものである。従って、この定常状態の領域では、キャリアの応答時間に依存しない超高速光信号処理が可能となる。
本発明によれば、制御光信号に対してシリコンのキャリア緩和時間よりも繰り返し周波数を速く設定する事で、シリコン光導波路内で発生した自由キャリアによる屈折率変化に依存しない160Gbpsを超える高速光信号処理動作が可能となる。
非特許文献1に開示の技術構成を示す図である。 (左)は自由キャリアを完全に緩和させる手法を説明する図であり、(右)は本発明が提案する自由キャリアを定常状態にさせる手法を説明する図である。 光パルス入射時におけるシリコン導波路伝搬後の屈折率・位相変化を示す図である。 入力光パルス列を入射した時のシリコン導波路伝搬後の位相の時間特性の解析結果を示す図である。 本発明を具体化する全光信号処理デバイスの第1の実施形態を示す図である。 図6は、入力信号光に対する上部導波路と下部導波路伝搬時の光パワーと位相差を示す図である。 図7は、制御光にランダム信号を用いた場合における位相制御方法を説明する図である。 本発明を具体化する全光信号処理デバイスの第2の実施形態を示す図である。 制御光にランダム信号を用いた場合でのキャリア変動による位相成分補償原理を説明する図である。 本発明を具体化する全光信号処理デバイスの第3の実施形態を示す図である。 ループ型線形導波路による自由キャリアの緩和時間による位相差成分の補償手法を説明する図である。 シリコン光導波路において、信号光にcw光を用いた場合による光信号処理デバイスを説明する図である。
以下、例示に基づき本発明を説明する。
(第1の実施形態)
図5は、本発明を具体化する全光信号処理デバイスの第1の実施形態を示す図である。図5に示す全光信号処理デバイスは、シリコン光導波路中を進行し、光パワーに依存した非線形光学効果による屈折率変化を利用した、マッハツェンダー干渉計の形態を有している。この全光信号処理デバイスの動作について説明する。本実施形態の全光信号処理デバイスにおいては入力ポート1に波長がλ1の信号光が入力され、入力ポート2に波長がλ2の制御光が入力される。この時の制御光信号の繰り返し周波数は、シリコン光導波路内における自由キャリアの応答時間よりも速い事を条件とする。
入力ポート1から入力された信号光は3dBカプラ5によって上部導波路と下部導波路に分配される。また、制御光の信号パターンに応じて次のように分けるものとする。
(1)制御光信号に規則正しい周期的な光パルス列を用いた場合
ポート2より入力される制御光は周期的な光信号とする。周期信号として用いるものは一例として、”11111111”、”01010101”、“00010001”のようなものであるとする。この時に’1’から次の’1’までの時間間隔はシリコン光導波路内における自由キャリアの応答時間よりも速い事を条件とする。この手法を用いる事で、光サンプリング回路、NRZ/RZ信号変換、または光信号処理再生回路(光2R/3R回路)などに利用可能である。
下部導波路は分配された入力信号光がそのまま(後述の位相シフタΔφを介して)伝搬するのに対し、上部導波路を伝搬する入力信号光は入力ポート2より入力された制御光によって相互位相変調を受けながら伝搬する。これによって信号光は制御光の光パワーに依存した非線形位相シフトを受ける。
図6は、入力信号光に対する上部導波路と下部導波路伝搬時の光パワーと位相差を示す図である。周期的信号の一例として、入力光信号と制御光信号を連続パルス列(‘1111111…’)とした場合、上部導波路を伝搬して制御光信号との相互位相変調によって制御光信号の強度に依存した屈折率変化、つまり位相変化を受けた入力光信号の光パワーと位相差は図6右のような時間的変化を取る。一方、下部導波路を伝搬した入力光信号は図6左のような光パワーと位相差を取る。
制御光の光パワーを調節する事によって、上部導波路伝搬後の信号光の光パワーが最大となる点での位相と最小となる点での位相差を操作する事ができる。更に上下導波路の導波路長を設定する事によって3dBカプラ7から上部導波路と下部導波路での位相差によって光信号が干渉した合波信号が出力され、入力ポート3より出力光信号として得られる。
この時に、非線形位相シフトをΔφNLとすると、干渉後の出力光信号の光パワーPoutは導波路の損失が一切無いと仮定すると、入力パワーPinに対して、
Figure 2013200575
で表される。ΔφNL=が180度となる時に出力光波形は最大となる。
上部導波路では制御光入力によって、自由キャリアのキャリア密度は定常状態となっている。これは上部導波路と下部導波路において自由キャリアの密度が異なっている事を意味する。これによって、図6右下のように下部導波路を伝搬した後の光信号の基準位相と上部導波路を伝搬した光信号の基準位相はΔφだけずれているため、完全な干渉を起こす事ができない。従って、この位相差ずれを、位相シフタを用いる事によって基準位相を合わせ、最大の干渉条件、つまり最適な出力パワーが得られるものとする。
(2)制御光信号にランダムな伝送信号を用いる場合
図5のポート2より入力される制御光信号において、ランダムな伝送信号を伝搬させる場合における全光信号処理デバイスの動作について説明する。図7は、制御光にランダム信号を用いた場合における位相制御方法を説明する図である。この手法を用いる事で、例えば波長変換素子として利用が可能である。
下部導波路は分配された入力信号光がそのまま伝搬するのに対し、上部導波路を伝搬する入力信号光は入力ポート2より入力された制御光によって相互位相変調を受けながら伝搬する。尚、制御光はランダムな信号とする。制御光がランダム信号の場合には、図7中央図のように光信号’0’が続いた場合には自由キャリア密度は減少し続けるため、屈折率変化、すなわち伝搬後の位相変化の揺らぎが一定ではなくなるが、図6の位相シフタをアダプティブに制御する事によって変化した位相変化を補償する。位相シフタは例えば、熱光学効果などの原理を用い、位相シフタのヒータ部分に流す電流をアダプティブに制御するものとする。位相シフタの制御の応答時間をτp、シリコン導波路中の自由キャリアの応答時間をτcとすると、τp<τcとなるようにする。この位相シフタの制御によって図7のように制御光がランダム信号の場合においても、自由キャリアによる屈折率変化の揺らぎを打ち消す事を特徴とする。
制御光信号の光パワーを調節する事によって、上部導波路伝搬後の信号光の光パワーが最大となる点での位相と最小となる点での位相差を操作する事ができる。更に上下導波路の導波路長を設定する事によって3dBカプラ7から上部導波路と下部導波路での位相差によって光信号が干渉した合波信号が出力され、入力ポート3より出力光信号として得られる。この時に、非線形位相シフトをΔφNLとすると、干渉後の出力光信号の光パワーPoutは導波路の損失が一切無いと仮定すると、入力パワーPinに対して、
Figure 2013200575
で表される。ΔφNLが180度となる時に出力光波形は最大となる。
下部導波路では入力光信号の光パワー上部導波路では制御光入力によって、自由キャリア度は定常状態となっているため、上部導波路と下部導波路において自由キャリアの密度が異なっている。従って下のように下部導波路を伝搬した後の光信号の基準位相と上部導波路を伝搬した光信号の基準位相はΔφだけずれているため、完全な干渉を起こす事ができない。この位相差ずれに対して、自由キャリア密度変化がもたらす時間的な位相変化に追従させるように位相シフタを時間的に制御する事によって位相補償を行う。これによって、相互位相変調による屈折率変化を支配的にする事で、シリコン光導波路内の自由キャリアの緩和時間に依存しない超高速光信号処理デバイスが実現できる。
(第2の実施形態)
図8は、本発明を具体化する全光信号処理デバイスの第2の実施形態を示す図である。図5に示す全光信号処理デバイスは、導波路中を進行する光強度依存の屈折率変化を利用するシリコン光導波路で構成されたマッハツェンダー干渉計の形態を利用するものである。この全光信号処理デバイスの動作について説明する。本実施形態の全光信号処理デバイスにおいては図8の入力ポート1に波長がλ1の信号光が入力され、入力ポート2に波長がλ2の制御光が入力される。入力ポート1から入力された信号光は3dBカプラ5によって上部導波路と下部導波路に均等に分配される。以下、制御光の信号に応じて次のように2パターンに分けるものとする。
(1)制御光信号に規則正しい周期的な光パルス列を用いた場合
上部導波路を伝搬する入力信号光は図8のポート2より入力された制御光によって相互位相変調を受けながら伝搬する。ポート2より入力される制御光は周期的な光信号とする。周期信号として用いるものは一例として、”11111111”、”01010101”、“00010001”のようなものであるとする。この時に’1’から次の’1’までの時間間隔はシリコン光導波路内における自由キャリアの応答時間よりも速い事を条件とする。この手法を用いる事で、光サンプリング回路、NRZ/RZ信号変換、または光信号処理再生回路(光2R/3R回路)などに利用可能である。
制御光の光パワーを調節する事によって、相互位相変調によって信号光が受ける位相変化が光パワーのピーク部分と裾部分での位相差(非線形位相シフト)を操作する事ができる。更に上下導波路の導波路長を設定する事によって3dBカプラ7から上部導波路と下部導波路での位相差によって光信号が干渉した合波信号が出力され、入力ポート3より出力光信号として得られる。この時に、非線形位相シフトをΔφNLとすると、干渉後の出力光信号の光パワーPoutは導波路の損失が一切無いと仮定すると、入力パワーPinに対して、
Figure 2013200575
で表される。つまり、ΔφNL=180度となる時に出力光波形は最大となる。
また、上部導波路では制御光入力によって自由キャリア密度は定常状態となっているが、このキャリアの存在によって上部導波路の屈折率が変化しているため、完全な干渉を起こす事ができない。従って、この屈折率変化量を下部導波路と合わせるため、入力ポート4より入力ポート2から入射する制御光と同じ制御光を入射する事で、上部導波路と下部導波路のキャリア密度を揃え、最大の干渉条件、すなわち最大の出力パワーが得られる事を特徴とする。この場合、下部導波路においてはポート5からポート8へ向かう入力光信号とポート8からポート5へ向かう制御光はすれ違うため、相互位相変調は受けない。ポート7での干渉により、自由キャリアの応答時間に依存しない制御光信号と時間的に重なり合った部分の入力光信号だけがポート9に出力される。
(2)制御光信号にランダムな伝送信号を用いる場合
図8のポート2より入力される制御光信号において、ランダムな伝送信号を伝搬させる場合における全光信号処理デバイスの動作について説明する。図9は、制御光にランダム信号を用いた場合でのキャリア変動による位相成分補償原理を説明する図である。この手法を用いる事で、例えば波長変換素子として利用が可能である。制御光信号にランダムの伝送信号を用いる場合には、ポート5からポート8へと向かう入力信号光とポート8からポート5へ向かう制御光とのすれ違いを考える。このすれ違いの時定数をτsとし、シリコン光導波路内の自由キャリアの緩和時間をτcとし、τs<τcとなるようにする。一般に、すれ違いの時定数は以下のように近似できる事が知られている[非特許文献2参照]。
Figure 2013200575
ここにおいて、Lはシリコン光導波路の導波路作用長であり、図8ではポート1からポート5、8を経由したポート4までの距離である。vgは導波路を伝搬する光の群速度である。この下部導波路でのすれ違いの時定数を制御する事によって上部導波路で起きる自由キャリア密度のゆらぎ(図9中央)を相殺し、相互位相変調による位相変調効果を支配的にする事を特徴とする。例えば、シリコンの屈折率を3.4、光導波路長を1cmとすると、すれ違いの時定数τsが230psとなる。キャリアの緩和時間τcはナノ秒オーダーなので、これよりも短くなるように導波路長を設定する。ポート7での干渉により、自由キャリアの応答時間に依存しない制御光信号と時間的に重なり合った部分の入力光信号だけがポート9に出力される。
(第3の実施形態)
図10は、本発明を具体化する全光信号処理デバイスの第3の実施形態を示す図である。図10に示す全光信号処理デバイスは、ループ型線形導波路[非特許文献3参照]とシリコン光導波路を用いる。ポート1から入力された信号は3dBカプラ2によって左周りに伝搬する信号光3と右回りに伝搬する信号光4に分配される。3dBカプラ2から左周り3経由でシリコン光導波路端面7までの光学距離をL1、3dBカプラ2から右回り4経由でシリコン光導波路端面8までの光学距離をL2とすると、L1=L2満たすような構成とする。
(1)制御光信号に規則正しい周期的な光パルス列を用いた場合
ポート5より入力される制御光は周期的な光信号とする。周期信号として用いるものは一例として、”11111111”、”01010101”、“00010001”のようなものであるとする。この時に’1’から次の’1’までの時間間隔はシリコン光導波路内における自由キャリアの応答時間よりも速い事を条件とする。
制御信号光は常に周期的な光パルスがポート5より入射され、シリコン光導波路を伝搬するため、シリコン光導波路内の自由キャリア密度は定常状態となっている。3dBカプラ2で分岐されて右回りで伝搬する信号光4は3dBカプラ6でポート5より入力される制御光と同方向で伝搬するため、相互位相変調を受ける。一方、3dBカプラ2で分岐されて左回りで伝搬する信号光3は3dBカプラ6でポート5より入力される制御光と異なる方向で伝搬するため、相互位相変調は受けないため、信号光は位相変調を受けない。
これらの2つの信号間での位相差が180度となるように制御光信号を制御する。シリコン光導波路伝搬後の光は再度、3dBカプラ2で干渉を起こし、自由キャリアの緩和時間に依存しない制御光信号と時間的に重なり合った部分の入力光信号だけがポート9に出力される。
(2)制御光信号にランダムな光信号を用いる場合
図9のポート5より入力される制御光信号において、ランダムな伝送信号を伝搬させる場合における全光信号処理デバイスの動作について説明する。図11は、ループ型線形導波路による自由キャリアの緩和時間による位相差成分の補償手法を説明する図である。制御光にランダムの伝送信号を用いる場合には、左周りで伝搬する光3と制御光とのすれ違いを考える。このすれ違いの時定数をτsとし、シリコン光導波路内の自由キャリアの緩和時間をτcとし、τs<τcとなるようにする。一般に、すれ違いの時定数は以下のように近似できる事が知られている[非特許文献2参照]。
Figure 2013200575
ここにおいて、Lはシリコン光導波路の導波路長である。
このすれ違いの時定数を制御する事によって右回りで伝搬する光がシリコン光導波路内で制御光と同方向で伝搬した際に発生する自由キャリア密度のゆらぎ(図11中央)を相殺し、相互位相変調による位相変調効果を支配的にする事を特徴とする。例えば、シリコンの屈折率を3.4、光導波路長を1cmとすると、すれ違いの時定数τsが230psとなる。キャリアの緩和時間τcはナノ秒オーダーなので、これよりも短くなるように導波路長を設定する。これにより、自由キャリアの応答時間に依存しない制御光信号と時間的に重なり合った部分の入力光信号だけがポート9に出力される。
(第4の実施形態)
図12は本発明を具体化する全光信号処理デバイスの第4の実施形態を示す図である。図12に示す全光信号処理デバイスは、シリコン光導波路中を進行し、光パワーに依存した非線形光学効果による屈折率変化を利用したものである。この全光信号処理デバイスについて説明する。本実施形態の全光信号処理デバイスにおいては、入力ポート1に波長がλ1の信号光がcw光として入力され、入力ポート2に波長がλ2の制御光が入力される。この時の制御光信号の繰り返し周波数はシリコン光導波路における自由キャリアの応答時間よりも速い事を条件とする。この場合は、光位相変調素子としての利用が可能である。
入力ポート1より入力される信号光と入力ポート2より制御光は3dBカプラ3によってシリコン光導波路内を相互位相変調を受けながら伝搬する。制御光の光パワーを調節する事で、相互位相変調によって信号光が受ける位相変化が光パワーのピーク部分と裾部分での位相差(非線形位相シフト)を操作する事ができる。
また、ポート3からポート4へと向かう入力信号光とポート4からポート3へ向かう制御光とのすれ違いを考える。このすれ違いの時定数をτsとし、シリコン光導波路内の自由キャリアの緩和時間をτcとし、τs<τcとなるようにする。一般に、すれ違いの時定数は以下のように近似できる事が知られている[非特許文献2参照]。
Figure 2013200575
ここにおいて、Lはシリコン光導波路の導波路作用長である。これによって、自由キャリアに密度のゆらぎを相殺し、相互位相変調による位相変調効果を支配的にする事を特徴とする。例えば、シリコンの屈折率を3.4、光導波路長を1cmとすると、すれ違いの時定数τsが230psとなる。キャリアの緩和時間τcはナノ秒オーダーなので、これよりも短くなるように導波路長を設定する。
相互位相変調を受けた信号光は3dBカプラ4で分配され、ポート6より入力制御光信号の光パワーに依存した位相変調を受けて出力される。

Claims (4)

  1. 入力信号光が入力されるシリコン光導波路の非線形光学効果を用いて、そこから出力される出力信号光を制御信号光によって制御する全光信号処理デバイスにおいて、
    前記入力信号光は第1の導波路と第2の導波路に分配され、
    第1の導波路に接続されるシリコン導波路に制御信号光としてランダムな光パルス列の光信号を入射して、
    第1の導波路を伝搬する入力信号光は該ランダムな光パルス列からなる制御信号光によって相互位相変調を受けながら伝搬して、該入力信号光は制御信号光の光パワーに依存した非線形位相シフトを受け、
    第2の導波路は分配された入力信号光を、位相シフタを介して伝搬し、
    前記位相シフタは、第2の導波路を伝搬した後の光信号の基準位相と第1の導波路を伝搬した光信号の基準位相との間の位相差ずれΔφを補償するために、時間的に制御し、自由キャリアによる屈折率変化の揺らぎを打ち消し、
    制御光信号の光パワーを調節する事によって、第1の導波路伝搬後の信号光の光パワーが最大となる点での位相と最小となる点での位相差を操作し、かつ、第1及び第2の導波路の導波路長を設定する事によって両導波路での位相差によって、
    第1の導波路で前記非線形位相シフトを受けた前記入力信号光と第2の導波路に位相シフタを介して伝搬した当該入力信号光をカプラにより干渉させて合波し、当該合波信号を出力光信号として出力することを特徴とする全光信号処理デバイス。
  2. 入力信号光が入力されるシリコン光導波路の非線形光学効果を用いて、そこから出力される出力信号光を制御信号光によって制御する全光信号処理デバイスにおいて、
    前記入力信号光は第1の導波路と第2の導波路に分配され、
    第1の導波路に接続されるシリコン導波路に制御信号光としてランダムな光パルス列の光信号を入射して、
    第1の導波路を伝搬する入力信号光は該ランダム光パルス列からなる制御信号光によって相互位相変調を受けながら伝搬して、該入力信号光は制御信号光の光パワーに依存した非線形位相シフトを受け、
    第2の導波路は分配された入力信号光を伝搬し、
    第1の導波路の屈折率変化量を第2の導波路と合わせるため、前記制御信号光と同じ制御信号光を第2の導波路に逆向きで入射する事で、第1の導波路と第2の導波路のキャリア密度を揃え、
    第2導波路でのすれ違いの時定数を制御する事によって第1導波路で起きる自由キャリア密度のゆらぎを相殺し、
    制御光信号の光パワーを調節する事によって、第1の導波路伝搬後の信号光の光パワーが最大となる点での位相と最小となる点での位相差を操作し、かつ、第1及び第2の導波路の導波路長を設定する事によって両導波路での位相差によって、
    第1の導波路で前記非線形位相シフトを受けた前記入力信号光と第2の導波路に伝搬し前記キャリア密度を揃えた当該入力信号光の光信号をカプラにより干渉させて合波し、当該合波信号を出力光信号として出力することを特徴とする全光信号処理デバイス。
  3. 入力信号光が入力されるシリコン光導波路の非線形光学効果を用いて、そこから出力される出力信号光を制御信号光によって制御する全光信号処理デバイスにおいて、
    前記入力信号光をカプラによって分配して、第1のループ型線形導波路及び第2のループ型線形導波路を介して前記シリコン光導波路の両側に入力し、
    第1のループ型線形導波路に接続される導波路に制御信号光としてランダムな光パルス列の光信号を入射して、
    第1のループ型線形導波路を伝搬する入力信号光はランダム光パルス列からなる制御信号光と同方向に伝搬する事によって相互位相変調を受けながら伝搬し、
    第2のループ型線形導波路は分配された入力信号光を伝搬し、入力された制御光信号とは逆方向に伝搬し、
    第1及び第2のループ型線形導波路間において前記制御信号光と第2のループ型線形導波路に分配された入力信号光とのすれ違いの時定数を制御する事によって第1のループ型線形導波路を伝搬する入力信号光が前記制御信号光と同方向で伝搬した際に発生する自由キャリア密度のゆらぎを相殺し、
    シリコン光導波路伝搬後の光信号は再度前記カプラで干渉を起こし、自由キャリア数の変動による影響を受けない状態にして、制御光信号と時間的に重なり合った部分の入力光信号だけが出力されることを特徴とする全光信号処理デバイス。
  4. 入力信号光が入力されるシリコン光導波路の非線形光学効果を用いて、そこから出力される出力信号光を制御信号光によって制御する全光信号処理デバイスにおいて、
    制御信号光としてランダムな光パルス列の光信号を入射して、
    前記入力信号光とランダムな光パルス列からなる前記制御信号光はカプラによって合波され、その後シリコン光導波路を伝搬するcw光である入力信号光は、前記ランダムな光パルス列からなる制御信号光によって相互位相変調を受けながら伝搬して、該入力信号光は制御信号光の光パワーに依存した非線形位相シフトを受け、
    さらに前記制御信号光と同じ制御信号光を該シリコン光導波路へ逆向きに入射する事で、キャリア数の変動による影響を受けない状態にして、前記制御光信号の光パワーに依存した位相変調効果を前記入力光信号が受け、出力信号光として出力されることを特徴とする全光信号処理デバイス。
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