JP2013201057A - 有機elディスプレイパネル及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】低コスト、低消費電力、長寿命の有機ELディスプレイパネルを提供する。
【解決手段】透光性基板1上の発光表示エリアに、画素電極2、有機発光層、正孔注入層4、正孔輸送層5、有機発光層、電子輸送層10、対向電極11を形成すると共に、画素電極2に対応した発光領域を区画する隔壁3を形成し、画素電極2及び対向電極11から有機発光層に電流を流すことにより、該有機発光層を発光させる有機ELディスプレイパネルであって、前記発光表示エリアは、隔壁3によって赤色二次画素、緑色二次画素及び青色二次画素に分け、赤色二次画素には赤色有機発光層6、緑色二次画素には緑色有機発光層7、青色二次画素には第一青色有機発光層8と第二青色有機発光層9を形成し、第二青色有機発光層9及び電子輸送層10は発光表示エリア全面に形成する。
【選択図】図1
【解決手段】透光性基板1上の発光表示エリアに、画素電極2、有機発光層、正孔注入層4、正孔輸送層5、有機発光層、電子輸送層10、対向電極11を形成すると共に、画素電極2に対応した発光領域を区画する隔壁3を形成し、画素電極2及び対向電極11から有機発光層に電流を流すことにより、該有機発光層を発光させる有機ELディスプレイパネルであって、前記発光表示エリアは、隔壁3によって赤色二次画素、緑色二次画素及び青色二次画素に分け、赤色二次画素には赤色有機発光層6、緑色二次画素には緑色有機発光層7、青色二次画素には第一青色有機発光層8と第二青色有機発光層9を形成し、第二青色有機発光層9及び電子輸送層10は発光表示エリア全面に形成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと称する)ディスプレイパネル及び有機ELディスプレイパネルの製造方法に関する。
有機EL素子は一対の電極と、該電極間に設けられる有機化合物を含む発光層(以下、有機発光層という場合がある)とを含んで構成される。有機EL素子に電圧を印加すると、陽極から正孔が注入されるとともに陰極から電子が注入され、これら正孔と電子とが有機発光層において結合することによって発光する。
有機発光層、電極を形成する材料を真空蒸着法等により薄膜形成し、このときに微細パターンのマスク(以下ファインメタルマスクと称する)を用いてパターニングする。
しかし、この方法ではファインメタルマスクを使用するため、基板が大型化すればするほどパターニング精度が出にくいという問題がある。また、真空中で成膜するためにスループットが悪いという問題がある。
そこで、最近では有機発光層の高分子材料や低分子材料を溶剤に溶かして塗工液(以下インキと称する)にし、これをウェットコーティング法で薄膜形成する方法が試みられるようになってきている。薄膜形成するためのウェットコーティング法としては、スピンコート法、バーコート法、スリットコート法、ディップコート法等があるが、高精細にパターニングしたりRGB3色に塗り分けしたりするためには、これらのウェットコーティング法では難しく、塗りわけ・パターニングを得意とする印刷法による薄膜形成が最も有効であると考えられる。
この有機発光インキを印刷する方法としては、弾性を有するゴムブランケットを用いるオフセット印刷法(例えば特許文献1参照)や同じく弾性を有するゴム版や樹脂版を用いる凸版印刷法(例えば特許文献2参照)、更にはインクジェット法(例えば特許文献3参照)、ノズルプリント法などが提案されている。
通常の有機ELディスプレイパネルは、1層の有機発光層を含んで構成されている。有機ELディスプレイパネルとして当然に高輝度で高効率、長寿命に発光することが求められている。
有機ELディスプレイパネルにおいて、青色二次画素の寿命が赤色二次画素、緑色二次画素の寿命より短いと、ディスプレイ駆動時に青色のみ暗くなって赤みがかるという問題がある。
またウェットコーティング法を使用すると真空蒸着法よりも成膜環境が悪く、真空蒸着法と比較して効率、寿命が低い。
青色有機発光材料及び第二正孔輸送材料をファインメタルマスクの使用をせず真空蒸着法にて成膜する方法(例えば特許文献4参照)もあるが、青色有機発光材料が必要な場所は青色二次画素だけなのに対してファインメタルマスクを使用しない真空蒸着法により赤や緑色二次画素にも不必要な青色材料が成膜される。更に基板だけでなく装置の壁面に材料が付着したりして、材料ロスが非常に大きい
また赤色二次画素や緑色二次画素の上に不必要な青色有機発光材料及び第二正孔輸送材料が積層されるため、赤色二次画素と緑色二次画素が厚膜になってしまい高電圧駆動してしまう可能性がある。
また赤色二次画素や緑色二次画素の上に不必要な青色有機発光材料及び第二正孔輸送材料が積層されるため、赤色二次画素と緑色二次画素が厚膜になってしまい高電圧駆動してしまう可能性がある。
本発明は上記従来技術における問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は低コスト、低消費電力、長寿命の有機ELディスプレイパネル及びその製造方法を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、基板上の発光表示エリアに、画素電極、有機発光層、電子輸送層、対向電極が順次形成されると共に、前記画素電極に対応した発光領域を区画する樹脂組成物からなる隔壁が形成され、前記画素電極及び前記対向電極から前記有機発光層に電流を流すことにより、該有機発光層を発光させる有機ELディスプレイパネルであって、前記発光表示エリアは、前記隔壁によって赤色二次画素、緑色二次画素及び青色二次画素に分けられ、前記赤色二次画素には赤色有機発光層、前記緑色二次画素には緑色有機発光層、前記青色二次画素には第一青色有機発光層と第二青色有機発光層が形成され、前記第二青色有機発光層及び前記電子輸送層は発光表示エリア全面に形成されることを特徴とする有機ELディスプレイパネルである。
請求項2に記載の発明は、前記第二青色有機発光層は、膜厚が10nm以下に形成されることを特徴とする請求項1に記載の有機ELディスプレイパネルである。
請求項3に記載の発明は、前記第一青色有機発光層及び前記第二青色有機発光層は同一の材料にて形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機ELディスプレイパネルである。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3に記載の有機ELディスプレイパネルを製造する有機ELディスプレイパネルの製造方法であって、前記基板上に前記隔壁を形成する工程と、前記隔壁に囲まれた領域に塗布方式によりインクを付与して画素を形成する工程とを備え、前記赤色有機発光層は赤色二次画素、前記緑色有機発光層は緑色二次画素、前記第一青色有機発光層は青色二次画素がそれぞれ塗布方式により形成され、前記第二青色有機発光層及び前記電子輸送層は蒸着方式により発光表示エリア全面に形成されることを特徴とする有機ELディスプレイパネルの製造方法である。
本発明によれば、低コスト、低消費電力、長寿命の有機ELディスプレイパネル及びその製造方法を提供でき、特に有機ELディスプレイパネルの青色二次画素の効率、寿命を改善することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を、パッシブマトリックスタイプの有機ELディスプレイパネルを作成する場合を例に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。図1は本発明の実施形態に係る有機ELディスプレイパネルの断面の模式図である。
有機ELディスプレイパネルにおける有機EL素子は、透光性基板1上に形成される。透光性基板1としては、ガラス基板やプラスチック製のフィルムまたはシートを用いることができる。プラスチック製のフィルムを用いれば、巻取りにより高分子EL素子の製造が可能となり、安価にディスプレイパネルを提供できる。上記プラスチックとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート等を用いることができる。また、これらのフィルムは水蒸気バリア性、酸素バリア性を示す酸化ケイ素といった金属酸化物、窒化ケイ素といった窒化物やポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、エチレン-酢酸ビニル共重合体鹸化物からなるバリア層が必要に応じて設けられる。
透光性基板1上の発光表示エリアには、陽極としてパターニングされた画素電極2が設けられる。画素電極2の材料としては、ITO(インジウム錫複合酸化物)、IZO(インジウム亜鉛複合酸化物)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化アルミニウム複合酸化物等の透明電極材料が使用できる。なお、画素電極2の材料は、低抵抗であること、耐溶剤性があること、透明性があることなどからITOが好ましい。ITOはスパッタ法により透光性基板1上に形成され、フォトリソグラフィー法によりパターニングされてライン状の画素電極2となる。
ライン状の画素電極2を形成後、隣接する画素電極2との間に感光性材料を用いて、フォトリソグラフィー法により隔壁3が形成される。更に詳しくは、感光性樹脂組成物を透光性基板1に塗布する工程と、パターン露光、現像して隔壁パターンを形成する工程を少なくとも有する。
隔壁3を形成する感光性材料としては本実施形態ではポジ型レジストを用いるが、これに限らずネガ型レジストやそのほかの樹脂をドライエッチングなどによりパターニングして使用しても良い。ポジ型レジストは市販のものを使用できるが、絶縁性を有する必要がある。隔壁3が十分な絶縁性を有さない場合には、隔壁3を通じて隣り合う画素電極2に電流が流れてしまい、異常発光や電流のリーク等の表示不良が発生してしまう。上記隔壁3を形成する感光性材料としては、具体的にはポリイミド系、アクリル樹脂系、ノボラック樹脂系、フルオレン樹脂系といったものが挙げられるが、本発明ではこれに限定するものではない。また、有機EL素子の表示品位を上げる目的で、光遮光性の材料を感光性材料に含有させても良い。
隔壁3を形成する感光性樹脂は、例えばスピンコーター、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、グラビアコーター等の公知の塗布方法を用いて塗布される。次に、パターン露光、現像して隔壁パターンを形成する工程では、従来公知の露光、現像方法により隔壁部のパターンを形成する。
パターン露光の方式としては、カラーフィルターなどでも用いられているプロキシミティ露光が生産性やコストの点から好ましいが、本発明はこれに限定するものではない。ここでプロキシミティ露光の場合、隔壁3をパターニングするためにフォトマスクを使用するが、このフォトマスクは隔壁3が求める形となるように設計される必要がある。多くの場合、隔壁3とほぼ同一のパターンでポジまたはネガの違いに対応したパターンを持つフォトマスクを作製することで求める隔壁形状が得られる。ポジ型レジストにより隔壁3を形成する場合には、隔壁3のある部分が遮光されるようなフォトマスクの設計となる。露光、現像により隔壁3をパターニングした後、焼成工程にて加熱することによりパターニングしたフォトレジスト樹脂を硬化させて隔壁3とする。この時の焼成温度は180℃以上とする事が好ましい。焼成温度がこれより低いと、十分な耐性や安定性が得られなくなってしまうためである。
また、隔壁3は上記の露光、現像方式以外にも印刷法などによるパターン形成をする事ができる。例えば反転オフセット印刷方式の場合、まずブランケット上に隔壁3を形成する樹脂をベタで形成し、次にパターンの不要となる部分を刷版に転写する事により除去する。最後にブランケット上に残ったパターンを被印刷基板にアライメントを合わせて、転写するという方法により隔壁3のパターン形成が行われる。また、隔壁3のパターン形成後に焼成により硬化処理が行われる。この反転オフセット印刷法の場合も、隔壁3を形成する樹脂成分としては、例えばポリイミド系、アクリル樹脂系、ノボラック樹脂系、フルオレン樹脂系といったものが挙げられるが本発明ではこれに限定するものではない。
本発明における隔壁3は、厚みが0.5μmから5.0μmの範囲にあることが望ましい。隔壁3が薄すぎると隣接画素間で正孔輸送層経由でのリーク電流の発生や、ショートの防止効果が得られないことがあり、好ましくない。
有機ELディスプレイパネルにおいて、画素電極2の間に隔壁3を設けた場合、隔壁3を直行・横断して陰極層を形成することになる。このように隔壁3をまたぐ形で陰極層を形成する場合、隔壁3が高すぎると陰極層の断線が起こってしまい表示不良となる。隔壁3の高さが5.0μmを超えると隔壁3の断面が順テーパー形状であっても陰極の断線が起きやすくなってしまい好ましくない。
以上のように隔壁3を形成したのち、正孔注入層4を形成する。正孔注入層4を形成する正孔注入材料の例としては銅フタロシアニン、テトラ(t−ブチル)銅フタロシアニン等の金属フタロシアニン類及び無金属フタロシアニン類、キナクリドン化合物、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン等の芳香族アミン系低分子正孔注入輸送材料やポリ(パラ−フェニレンビニレン)、ポリアニリン等の高分子正孔輸送材料、PEDOT:PSS等のポリチオフェンオリゴマー材料、その他公知の正孔注入材料の中から選ぶことができる。
正孔注入層4の形成方法としては、ノズルプリント法、スピンコート法、スリットコート法、インクジェット法、凸版印刷法等公知の成膜方法を使用することができる。
上記正孔注入層4を形成した後、正孔輸送層5を形成する。正孔輸送層5を形成する正孔輸送材料の例としては銅フタロシアニン、テトラ(t−ブチル)銅フタロシアニン等の金属フタロシアニン類及び無金属フタロシアニン類、キナクリドン化合物、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン等の芳香族アミン系低分子正孔注入輸送材料やポリ(パラ−フェニレンビニレン)、ポリアニリン等の高分子正孔輸送材料、ポリチオフェンオリゴマー材料、その他公知の正孔輸送材料の中から選ぶことができる。
正孔輸送層5の形成方法としては、ノズルプリント法、スピンコート法、スリットコート法、インクジェット法、凸版印刷法等公知の成膜方法を使用することができる。
正孔輸送層5の形成後、赤色有機発光層6、緑色有機発光層7及び第一青色有機発光層8を形成する。赤色有機発光層6、緑色有機発光層7及び第一青色有機発光層8は、電流を通すことにより発光する層である。上記赤色有機発光層6、緑色有機発光層7及び第一青色有機発光層8を形成する有機発光材料は、一般に有機発光材料として用いられているものであれば良く、クマリン系、ペリレン系、ピラン系、アンスロン系、ポルフィレン系、キナクリドン系、N,N’―ジアルキル置換キナクリドン系、ナフタルイミド系、N,N’―ジアリール置換ピロロピロール系等、一重項状態から発光可能な公知の蛍光性低分子材料や、希土類金属錯体系の三重項状態から発光可能な公知の燐光性低分子材料が挙げられる。
これらの有機発光材料は、溶媒に溶解または安定に分散させて有機発光インキとなる。有機発光材料を溶解または分散する溶媒としては、例えばトルエン、キシレン、アセトン、アニソール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等の単独またはこれらの混合溶媒が挙げられる。中でも、トルエン、キシレン、アニソールといった芳香族有機溶剤が有機発光材料の溶解性の面から好適である。又、有機発光インキには、必要に応じて、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤等が添加されても良い。
上記赤色有機発光層6、緑色有機発光層7、第一青色有機発光層8の形成方法としては、ノズルプリント法、スリットコート法、インクジェット法や凸版印刷法、凹版オフセット印刷法、凸版反転オフセット印刷法等によりパターン形成することが可能である。
赤色有機発光層6、緑色有機発光層7及び第一青色有機発光層8を形成した後、発光表示エリア全面に第二青色有機発光層9を形成する。第二青色有機発光層9の材料としては、前記記載の第一青色有機発光層8と同じものを使用することが好ましい。
同じ材料を使用することで第一青色有機発光層8と第二青色有機発光層9との間の電子の注入障壁が緩和する。異なる材料を使用して第二青色有機発光層9のエネルギーギャップを広くすることで励起子の失活を防ぐことが可能であるが、第一青色有機発光層8への注入障壁が高くなる。また第一青色有機発光層8への注入障壁を低くしてエネルギーギャップを狭くすると、励起子の失活を防ぐことが困難になる。上記のように第一青色有機発光層8と第二青色有機発光層9とで同じ材料を使用することで、両者間の電子の注入障壁を高くさせずに他層への励起子の失活を防ぐことが出来る。
第二青色有機発光層9の形成方法としては真空蒸着法により形成することが可能である。
第一青色有機発光層8を正孔輸送層5と同じ塗布方式にすることで正孔輸送層5と第一青色有機発光層8の界面の状態を改善し、第二青色有機発光層9を後述する電子輸送層10と同じ真空蒸着法により形成することで第二青色有機発光層9と電子輸送層10の界面の状態を改善することが出来る。
第二青色有機発光層9の膜厚は10nm以下が好ましい。第二青色有機発光層9は有機ELディスプレイパネル全面、すなわち発光表示エリア全面に成膜されるので、10nm以上になると赤色有機発光層6や緑色有機発光層7が高電圧駆動してしまう。
第二青色有機発光層9を形成した後、発光表示エリア全面に電子輸送層10を形成する。電子輸送層10の材料としては、一般に電子輸送材料として用いられているものであれば良く、トリアゾール系、オキサゾール系、オキサジアゾール系、シロール系、ボロン系等の低分子系材料が挙げられ、真空蒸着法による成膜形成が可能である。
電子輸送層10を形成した後、発光表示エリア全面に陰極層である対向電極11を形成する。対向電極11の材料としては、有機発光層の発光特性に応じたものを使用でき、例えば、リチウム、マグネシウム、カルシウム、イッテルビウム、アルミニウムなどの金属単体やこれらと金、銀などの安定な金属との合金などが挙げられる。また、インジウム、亜鉛、錫などの導電性酸化物を用いることもできる。陰極層の形成方法としてはマスクを用いた真空蒸着法による形成方法が挙げられる。
なお、本発明の有機ELディスプレイパネルでは、陽極である画素電極2と陰極である対向電極11との間に陽極層側から正孔注入層4、正孔輸送層5、赤色有機発光層6、緑色有機発光層7、第一青色有機発光層8、第二青色有機発光層9と電子輸送層10を積層した構成が可能であるが、陽極層と陰極層の間において正孔ブロック層、電子注入層といった層を必要に応じ選択した積層構造をとることが出来る。また、これらの層を形成する際には正孔輸送層5や有機発光層6〜9、陰極層と同様の形成方法が使用できる。
最後にこれらの有機EL構成体を、外部の酸素や水分から保護するために、透光性基板1に対してガラスキャップ12と接着剤13を用いて密閉封止し、有機ELディスプレイパネルを得ることが出来る。また、透光性基板1が可撓性を有する場合は封止剤と可撓性フィルムを用いて封止を行っても良い。
次に本発明の実施例について図1及び図2を参照して説明する。
(実施例1)
図2は、本発明の実施例1に係る有機ELディスプレイパネルの製造工程を説明するための模式図である。透光性基板1として対角1.8インチサイズのガラス基板を使用し、この透光性基板1の上にスパッタ法を用いてITO(インジウム-錫酸化物)薄膜を形成し、フォトリソグラフィー法と酸溶液によるエッチングでITO膜をパターニングして、二次画素電極2を形成した。二次画素電極2のラインパターンは、線幅80μm、スペース45μmでラインが約32mm角の中に約176ライン形成されるパターンとした。
(実施例1)
図2は、本発明の実施例1に係る有機ELディスプレイパネルの製造工程を説明するための模式図である。透光性基板1として対角1.8インチサイズのガラス基板を使用し、この透光性基板1の上にスパッタ法を用いてITO(インジウム-錫酸化物)薄膜を形成し、フォトリソグラフィー法と酸溶液によるエッチングでITO膜をパターニングして、二次画素電極2を形成した。二次画素電極2のラインパターンは、線幅80μm、スペース45μmでラインが約32mm角の中に約176ライン形成されるパターンとした。
次に隔壁3を画素電極2と平行なライン形状になるよう以下のように形成した。画素電極2を形成した透光性基板1上にポジ型感光性レジスト「AZエレクトリックマテリアルズ製LC100」を全面スピンコートした。スピンコートの条件を150rpmで5秒間回転させた後500rpmで20秒間回転させ、隔壁3の高さを2.0μmとした。全面に塗布した感光性材料に対し、フォトリソグラフィー法により露光、現像を行い画素電極2の間を覆うとともに、画素を構成するために格子状パターンを有する隔壁3を形成した。その後、隔壁3を230℃で30分間、オーブンにて焼成を行った。
次に、正孔注入インキとしてバイトロンCH−8000:40ml、超純水:40ml、1−プロパノール:20ml(20体積%)を混合し、調液してインキとした。尚、正孔注入インキ塗布前の基板に前処理としてオーク製作所製UV/O3洗浄装置にて3分間紫外線照射を行った。そして、図2に示すようなノズルプリント装置20を用いて、正孔注入材料のインキを透光性基板1上の画素電極2上にノズルプリント法によって塗布し、正孔注入層4を形成する。上記ノズルプリント装置20は、有機インクが収容されるインクタンク21と、インクの液柱を吐出するインクノズル22とを備えている。インクノズル22からインクの液柱23を画素電極2の表面に向けて吐出する。画素電極2に付着したインクは、粘度が低いために隔壁3で区切られた領域内で平均化する。その後、乾燥し定着させる。
なお、ノズルプリント装置20は、少なくとも1つ以上のインクノズル22を備えたマルチノズルであってもよい。マルチノズル化することで生産性を向上させることができる。
その後、透光性基板1を30℃の減圧乾燥炉に入れて減圧乾燥を行った。このとき約40秒で10kPaとなり、5分後に0.5kPaとなった後、大気圧に戻し、減圧乾燥工程を終了し、正孔注入層4を形成した。このときの正孔注入層4の膜厚は画素中心部で50nmとなった。
次に、図1に示したように隔壁3に挟まれた画素電極2の真上にそのラインパターンに合わせて正孔輸送層5をノズルプリント法によりパターン形成した。
正孔輸送層5の材料には「American Dye Source製のADS252BE」を用いて濃度1%になるようにキシレンに溶解させたインキを用いた。その後、N2(窒素ガス)環境にて180℃、30分ベークを行った。このときの膜厚は画素中心部で20nmとなった。
次に、隔壁3に挟まれた画素電極2の真上にそのラインパターンに合わせて赤色有機発光層6、緑色有機発光層7、第一青色有機発光層8をノズルプリント法によりパターン形成した。
赤色二次画素の有機発光層6のホスト材料には2,2′,2″-(1,3,5-ベンゼントリイル)トリス(1-フェニル-1H-ベンゾイミダゾール)(TPBi)、ドープ材料には2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチルー21H,23H−ポリフィリンプラチナ2(PtOEP)を用いて重量比率をTPBi/PtOEP=0.90/0.10にて濃度4%になるようにトルエンに溶解させた有機発光インキを用いた。その後、N2環境にて100℃、30分ベークを行った。このときの膜厚は画素中心部で50nmとなった。
緑色二次画素の有機発光層7のホスト材料にはTPBi、ドープ材料にはトリス(2−(p−トリル)ピリジン)イリジウムIII(Ir(mppy)3)を用いて重量比率をTPBi/Ir(mppy)3=0.94/0.06にて濃度4%になるようにトルエンに溶解させた有機発光インキを用いた。その後、N2環境にて100℃、30分ベークを行った。このときの膜厚は画素中心部で70nmとなった。
青色二次画素の有機発光層(第一青色有機発光層)8はジフェニルアントラセン誘導体を濃度4%になるようにトルエンに溶解させた有機発光インキを用いた。その後、N2環境にて100℃、30分ベークを行った。このときの膜厚は画素中心部で45nmとなった。
なお、インク中の有機発光材料の濃度は、0.1重量%以上10.0重量%以下の範囲であればよく、3.0重量%以上8.0重量%以下であることがより好ましい。このように、濃度を0.1重量%以上10.0重量%以下とすることでノズルプリント塗布時の膜厚が大きくなりすぎず、ノズルプリント塗布時のパターン精度を維持することができる。なお、上記比率の有機発光材料の重量は、上記のホスト材料とドーパント材料を合わせた重量を表している。
次に、青色有機発光材料であるジフェニルアントラセン誘導体を抵抗加熱蒸着法により5nmマスク蒸着して全面に第二青色有機発光層9を形成した。
次に電子輸送材料であるAlq3を抵抗加熱蒸着法により30nmマスク蒸着して全面に電子輸送層10を形成した。
最後にLiF(フッ化リチウム)、Al(アルミニウム)からなる対向電極11を抵抗加熱蒸着法によりマスク蒸着して形成した。このときLiF(フッ化リチウム)層を0.5nmの厚さで形成した後、Al(アルミニウム)を300nm形成した。最後にこれらの有機EL構成体を、外部の酸素や水分から保護するために、透光性基板1に対し、ガラスキャップ12と接着剤13を用いて密閉封止し、有機ELディスプレイパネルを作製した。
得られたパッシブ型有機ELディスプレイパネルは、電極同士の短絡がなく選択した画素のみを点灯でき、発光むらの無い良好な表示装置を得た。青色二次画素のみを点灯させた時、輝度は6.0Vで150cd/m2を示した。初期輝度200cd/m2における輝度半減時間は700時間であった。
前記得られたパッシブ型有機ELディスプレイパネルにおいて赤色二次画素のみを点灯させた時、輝度は5.7Vで150cd/m2を示した。初期輝度200cd/m2における輝度半減時間は1000時間であった。
前記得られたパッシブ型有機ELディスプレイパネルにおいて緑色二次画素のみを点灯させた時、輝度は4.0Vで150cd/m2を示した。初期輝度200cd/m2における輝度半減時間は800時間であった。
(比較例1)
比較例1では、前記実施例1において、第一青色有機発光層8を形成した後、第二青色有機発光層9を形成せずに有機ELディスプレイパネルを作製したものである。すなわち、比較例1においては、第二青色有機発光層9を形成しない以外は実施例1と同様にして有機ELディスプレイパネルを作製した。
比較例1では、前記実施例1において、第一青色有機発光層8を形成した後、第二青色有機発光層9を形成せずに有機ELディスプレイパネルを作製したものである。すなわち、比較例1においては、第二青色有機発光層9を形成しない以外は実施例1と同様にして有機ELディスプレイパネルを作製した。
比較例1で得られたパッシブ型有機ELディスプレイパネルは、電極同士の短絡がなく選択した画素のみを点灯でき、発光むらの無い良好な表示装置を得た。青色二次画素のみを点灯させた時、輝度は7.0Vで150cd/m2を示した。初期輝度200cd/m2における輝度半減時間は400時間であった。
前記比較例1で得られたパッシブ型有機ELディスプレイパネルにおいて赤色二次画素のみを点灯させた時、輝度は5.7Vで150cd/m2を示した。初期輝度200cd/m2における輝度半減時間は1100時間であった。
前記比較例1で得られたパッシブ型有機ELディスプレイパネルにおいて緑色二次画素のみを点灯させた時、輝度は4.0Vで150cd/m2を示した。初期輝度200cd/m2における輝度半減時間は820時間であった。
上記の比較結果から明らかなように、実施例1に示したように第二青色有機発光層9を形成することにより、電子輸送層10との界面を改善し、青色二次画素の特性を向上させることが可能である。
(実施例2)
実施例2は、前記実施例1において、前記第一青色有機発光層8の膜厚を20nmにて形成した後、第二青色有機発光層9を30nmにて形成した。それ以外は実施例1と同様にして有機ELディスプレイパネルを作製した。
実施例2は、前記実施例1において、前記第一青色有機発光層8の膜厚を20nmにて形成した後、第二青色有機発光層9を30nmにて形成した。それ以外は実施例1と同様にして有機ELディスプレイパネルを作製した。
前記実施例2で得られたパッシブ型有機ELディスプレイパネルは、電極同士の短絡がなく選択した画素のみを点灯でき、発光むらの無い良好な表示装置を得た。青色二次画素のみを点灯させた時、輝度は6.0Vで150cd/m2を示した。初期輝度200cd/m2における輝度半減時間は700時間であった。
前記実施例2で得られたパッシブ型有機ELディスプレイパネルにおいて赤色二次画素のみを点灯させた時、輝度は8.6Vで150cd/m2を示した。初期輝度200cd/m2における輝度半減時間は950時間であった。
前記実施例2で得られたパッシブ型有機ELディスプレイパネルにおいて緑色二次画素のみを点灯させた時、輝度は6.8Vで150cd/m2を示した。初期輝度200cd/m2における輝度半減時間は880時間であった。
実施例2のように第二青色有機発光層9を10nm以上で形成すると青色二次画素の特性は向上するが、赤色二次画素、緑色二次画素が第二青色有機発光層9の影響により高電圧駆動や寿命の低下を引き起こしてしまう。しかし、第二青色有機発光層9を10nm以下で形成することにより赤色二次画素、緑色二次画素の特性を低下させずに青色二次画素の特性を向上させることが可能である。
1…透光性基板、2…画素電極、3…隔壁、4…正孔注入層、5…正孔輸送層、6…赤色有機発光層、7…緑色有機発光層、8…第一青色有機発光層、9…第二青色有機発光層、10…電子輸送層、11…対向電極、12…ガラスキャップ、13…接着剤、20…ノズルプリント装置、21…インクタンク、22…インクノズル、23…インクの液柱。
Claims (4)
- 基板上の発光表示エリアに、画素電極、有機発光層、電子輸送層、対向電極が順次形成されると共に、前記画素電極に対応した発光領域を区画する樹脂組成物からなる隔壁が形成され、前記画素電極及び前記対向電極から前記有機発光層に電流を流すことにより、該有機発光層を発光させる有機ELディスプレイパネルであって、
前記発光表示エリアは、前記隔壁によって赤色二次画素、緑色二次画素及び青色二次画素に分けられ、前記赤色二次画素には赤色有機発光層、前記緑色二次画素には緑色有機発光層、前記青色二次画素には第一青色有機発光層と第二青色有機発光層が形成され、前記第二青色有機発光層及び前記電子輸送層は発光表示エリア全面に形成されることを特徴とする有機ELディスプレイパネル。 - 前記第二青色有機発光層は、膜厚が10nm以下に形成されることを特徴とする請求項1に記載の有機ELディスプレイパネル。
- 前記第一青色有機発光層及び前記第二青色有機発光層は同一の材料にて形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機ELディスプレイパネル。
- 請求項1ないし3に記載の有機ELディスプレイパネルを製造する有機ELディスプレイパネルの製造方法であって、
前記基板上に前記隔壁を形成する工程と、前記隔壁に囲まれた領域に塗布方式によりインクを付与して画素を形成する工程とを備え、
前記赤色有機発光層は赤色二次画素、前記緑色有機発光層は緑色二次画素、前記第一青色有機発光層は青色二次画素がそれぞれ塗布方式により形成され、前記第二青色有機発光層及び前記電子輸送層は蒸着方式により発光表示エリア全面に形成されることを特徴とする有機ELディスプレイパネルの製造方法。
Priority Applications (1)
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| JP2012069512A JP2013201057A (ja) | 2012-03-26 | 2012-03-26 | 有機elディスプレイパネル及びその製造方法 |
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| JP (1) | JP2013201057A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2019003735A (ja) * | 2017-06-12 | 2019-01-10 | 株式会社Joled | 有機電界発光素子、有機電界発光パネル、有機電界発光装置および電子機器 |
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2012
- 2012-03-26 JP JP2012069512A patent/JP2013201057A/ja active Pending
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