JP2013201202A - Kセル用るつぼ、kセル、およびmbe装置 - Google Patents

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【課題】不純物が混入することなく、高強度のシリコンの分子線を安定して供給でき、かつ長寿命のKセル用るつぼ、Kセル、およびMBE装置の提供。
【解決手段】Kセル用るつぼ20において、炭素からなるるつぼの表面がタンタルカーバイドでコーティングされ、またはタンタルからなるるつぼの表面がタンタルカーバイドでコーティングされる。Kセル100において、一端からるつぼ20が挿入され、他端にベース板が設けられた円筒状の反射板3と、挿入されたるつぼを加熱するように、反射板の内部でベース板12に取り付けられたヒーター6を有し、ヒーターは、反射板の内部の空間に自立する、またはヒーターの一部がヒーターサポート9に支持されて、反射板の内部の空間に配置される。
【選択図】図3

Description

本発明は、Kセル用るつぼ、Kセル、およびMBE装置に関し、特にシリコンの分子線を得るためのKセル用るつぼ、Kセル、およびそれらを備えたMBE装置に関する。
基板上に半導体材料等の層を制御性良く堆積させるために、分子線エピタキシ(Molecular Beam Epitaxy: MBE)装置が用いられる。分子線エピタキシ装置では、真空チャンバ中に配置したクヌードセンセル(Knudsen-Cells、以下「Kセル」という。)にガリウムやインジウム等の材料を入れて加熱することにより、材料を蒸発させて分子線とし、同じく真空チャンバ中に配置した基板上にこれらの材料からなる層を成長させる。材料としてシリコンを用いる場合、シリコンの融点は1414℃と高いため、従来のPBN(Pyrolytic Boron Nitride)るつぼを用いると、高温でるつぼとシリコンが反応するという問題があった。一方、Kセルに代えて、電子ビームを用いてシリコンを溶解する方法も提案されたが、分子線の制御性が悪い、小型化が困難である等の問題があった。
これに対して、Kセル用るつぼを、W、Ta、Mo等の高融点金属から形成し、シリコンが溶融した場合に、るつぼの内壁にるつぼ材料とシリコンが反応して金属シリサイドを形成して保護することにより、高温におけるシリコンとるつぼ材料との反応を防止したKセル用るつぼが提案されていた(例えば、特許公報1参照)。
特開平10−214787号公報
高融点金属からなるるつぼでは、内面にシリサイドを形成することによりシリコンに対する耐性は向上するが、高温で長時間使用した場合、るつぼとシリコンの反応が進んでるつぼが変形する。このため、るつぼの寿命は100時間程度と短くなるという問題があった。
また、るつぼの厚みが通常のPBNるつぼのように1mm程度では、金属シリサイドの形成時にシリコンがるつぼを溶かして穴が開くため、るつぼの厚みは少なくとも3mm程度にする必要がある。このため、るつぼの開口部の口径が小さくなり、分子線のフラックス強度が低下し、フラックス強度を大きくするには更に高温にする必要があり、るつぼの寿命が短くなるという問題があった。
更に、Kセルにおいても、シリコンの融点のような高温では、PBN等からなるヒーターの絶縁材が分解するため、成長膜に不純物が混入するという問題があった。
そこで、本発明は、不純物が混入することなく、高強度のシリコンの分子線を安定して供給でき、かつ長寿命のKセル用るつぼ、Kセル、およびMBE装置の提供を目的とする。
本発明は、炭素からなるるつぼの表面が、タンタルカーバイドでコーティングされたことを特徴とするKセル用るつぼ、またはタンタルからなるるつぼの表面が、タンタルカーバイドでコーティングされたことを特徴とするKセル用るつぼに関する。
また、本発明は、一端からるつぼが挿入され、他端にベース板が設けられた円筒状の反射板と、挿入されたるつぼを加熱するように、反射板の内部でベース板に取り付けられたヒーターとを含み、ヒーターは、反射板の内部の空間に自立することを特徴とするKセル、または一端からるつぼが挿入され、他端にベース板が設けられた円筒状の反射板と、挿入されたるつぼを加熱するように、反射板の内部でベース板に取り付けられたヒーターと、反射板の内部でベース板に取り付けられたヒーターサポートとを含み、ヒーターの一部がヒーターサポートに支持されて、反射板の内部の空間に配置されることを特徴とするKセルに関する。
また、本発明は、上記Kセルを備えた分子線エピタキシ装置に関する。
以上のように、本発明のKセル用るつぼ、Kセル、およびMBE装置を用いることにより、フラックス強度の大きなシリコンの分子線を安定して供給できるとともに、Kセル用るつぼやKセルの長寿命化が可能となる。また、不純物の混入しない成長膜を得ることができる。
本発明の実施の形態にかかるMBE装置の概略図である。 本発明の実施の形態にかかるるつぼの断面図である。 本発明の実施の形態にかかるKセルの部分断面図である。 本発明の実施の形態にかかるKセルの概略図である。
図1は、全体が500で表される、本発明の実施の形態にかかるMBE装置の概略図である。MBE装置500は、チャンバ510を含む。チャンバ510には、ホルダ520が設けられ、ホルダ520の上には、シリコン等の基板530が配置される。複数のKセル100とそのシャッタ120がフランジ110に取り付けられ、これがチャンバ510に取り付けられる。
チャンバ510内は、真空ポンプ(図示せず)で排気されて高真空に保持される。基板ホルダ530に向うように複数のKセル100が配置される。各Kセル100には、後述するるつぼ(図2参照)が挿入され、るつぼ中には、例えばシリコン、ゲルマニウム、ガリウム、砒素等の成膜用の材料が挿入されている。
Kセルを用いてるつぼ中の材料を加熱すると、基板530に向かって分子線130が照射される。基板530への分子線130の供給は、基板530とKセル100との間のシャッタ120を開閉することで行われる。
図2は、全体が20で表される、本発明の実施の形態にかかるKセル用るつぼの断面図である。るつぼ20は、円筒状のカップであり、開口部の周囲には鍔部が設けられている。るつぼ20の寸法は、例えば、高さhが90mm、厚さtが1〜2mm、鍔部の直径rが33mm、開口部の直径r’が19mmである。
るつぼ20は炭素(C)から形成され、表面にはタンタルカーバイド(TaC)がコーティングされている。コーティングは、例えばCVD法を用いて行われ、コーティングされたタンタルカーバイドの膜厚は、例えば20μmである。コーティングは、通常、るつぼ20全体に行われるが、少なくともるつぼ20の内壁にはコーティングが必要である。
また、るつぼ20は、タンタル(Ta)から形成され、表面にはタンタルカーバイド(TaC)がコーティングされたものでも良い。コーティングは、例えば浸炭法を用いて行われ、コーティングされたタンタルカーバイドの膜厚は、例えば200μmである。コーティングは、通常、るつぼ20全体に行われるが、少なくともるつぼ20の内壁にはコーティングが必要である。
本発明の実施の形態にかかるるつぼ20では、炭素またはタンタルからなるるつぼ20の表面がタンタルカーバイドで被覆されているため、るつぼ20中にシリコンを入れて例えば1400℃以上、好ましくは1500℃以上の高温にしてシリコンを溶融させても、るつぼ20の材料とシリコンとは反応しない。このため、るつぼ20の寿命を、従来の高融点金属るつぼの場合に比べて2倍以上に延ばすことが可能となる。また、るつぼ20の材料の溶け込みが無いため、不純物の混入しない成長膜が形成できる。
また、るつぼ20の膜厚tはPBNるつぼと同等の1〜2mm程度にでき、高融点金属るつぼの3mm以上に比較して薄くなる。このため、開口部の直径r’も大きくなり、同一加熱温度において分子線のフラックス強度を大きくすることができる。
図3は、全体が100で表される、本発明の実施の形態にかかるKセルの部分断面図である。X−XはKセル100の長手方向の中心線であり、図3はKセルの左半分の断面を表す。なお、理解しやすくするために、縦方向については一部を省略して記載し、また図示された寸法は、実際の寸法には対応していない。
本発明の実施の形態にかかるKセル100は、円筒状の反射板1を含む。反射板1は、たとえばW、Ta、Mo等の高融点金属からなる。反射板1の一端(上端)は開口部を有し、るつぼ20(破線で表示)がその中に挿入される。るつぼ20の鍔部が反射板1の上端に載置され、反射板1の端部に設けられた爪(図示せず)で固定される。反射板1の他端(下端)には例えばMoからなるベース板2が固定されている。ベース板2の上にも、W、Ta、Mo等の高融点金属からなる反射板3が設けられている。るつぼ20の温度は、下方からるつぼ20の底に接するように設けられた熱電対(図示せず)で測定される。
ベース板2、12には、例えばアルミナからなる絶縁ブッシュ7と、例えばMoからなる固定金具8を用いて、ヒーター6のリード部5が固定されている。ベース板12の下部にはロッド10が設けられ、ロッド10の他端はフランジ(図2に符号110で表示)に固定されている。
ヒーター6は、WやTaからなる発熱部4と、Taからなるリード部5からなる。発熱部4は、直径が0.2〜2.0mm、好ましくは0.6〜1.0mmの金属線であり、図3に示すようならせん状でも、直線状でも良い。
更に、ベース部2には、例えばWやTaからなるヒーターサポート9が固定されている。ヒーターサポート9はX−X軸に平行な方向に延びて、上部で発熱部4を吊るして支持する構造となっている。これにより、ヒーター6は、反射板1とるつぼ20との間の空間に、ヒーター絶縁材等に接することなく配置される。なお、ヒーター6の発熱部4が比較的太い場合は、ヒーターサポート9を設けなくても、反射板1とるつぼ20との間の空間に発熱部4が自立状態で、即ちヒーターサポートやヒーター絶縁材で支えることなく保持される。
図4は、本発明の実施の形態にかかるKセル100を、開口部からX−X軸方向に見た場合の概略図である。(a)に示すように、るつぼ20と反射板との間に、X−X軸方向に延在するヒーター6を複数設けても良い。この場合、るつぼ20が均一に加熱されるように、ヒーター6はるつぼ20の周囲に均等に配置される。また、(b)に示すように、ヒーター6は、るつぼ20の周囲をらせん状に囲むものであっても良い。
以上のように、本発明の実施の形態にかかるKセルでは、ヒーター6は、WやTaからなるヒーターサポート9で中空に保持された構造、または自立構造であるため、従来構造のようにPBN等からなるヒーター絶縁材に接していない。このため、シリコンの分子線を得るために、るつぼ20の温度をシリコンの溶融温度(1414℃)以上に加熱してもPBN等の分解は起きず、不純物の混入しない成長膜が作製できる。
なお、上述のるつぼ20(図2)は、上述のKセル100(図3)に取り付けて用いるのが好ましいが、他のKセルに取り付けてもかまわない。また、上述のKセル100には、るつぼ20以外の他のるつぼを挿入して用いてもかまわない。
1 反射板
2 ベース板
3 反射板
4 発熱部
5 リード部
6 ヒーター
7 絶縁ブッシュ
8 固定金具
9 ヒーターサポート
10 ロッド
12 ベース板
20 るつぼ
100 Kセル
500 MBE装置

Claims (8)

  1. 炭素からなるるつぼの表面が、タンタルカーバイドでコーティングされたことを特徴とするKセル用るつぼ。
  2. タンタルからなるるつぼの表面が、タンタルカーバイドでコーティングされたことを特徴とするKセル用るつぼ。
  3. 上記るつぼは、シリコンの分子線を形成するために使用されることを特徴とする請求項1または2に記載のKセル用るつぼ。
  4. るつぼを加熱するためのKセルであって、
    一端からるつぼが挿入され、他端にベース板が設けられた円筒状の反射板と、
    挿入されたるつぼを加熱するように、該反射板の内部で該ベース板に取り付けられたヒーターとを含み、
    該ヒーターは、該反射板の内部の空間に自立することを特徴とするKセル。
  5. るつぼを加熱するためのKセルであって、
    一端からるつぼが挿入され、他端にベース板が設けられた円筒状の反射板と、
    挿入されたるつぼを加熱するように、該反射板の内部で該ベース板に取り付けられたヒーターと、
    該反射板の内部で該ベース板に取り付けられたヒーターサポートとを含み、
    該ヒーターの一部が該ヒーターサポートに支持されて、該反射板の内部の空間に配置されることを特徴とするKセル。
  6. 上記ヒーターは、上記Kセルにるつぼが挿入された場合に、上記反射板と該るつぼとの間に配置されことを特徴とする請求項4または5に記載のKセル。
  7. 請求項4〜6のいずれかに記載のKセルを備えた分子線エピタキシ装置。
  8. 請求項1〜3のいずれかに記載のるつぼが上記Kセルに挿入されたことを特徴とする請求項7に記載の分子線エピタキシ装置。
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