JP2013201718A - 画像処理装置および量子化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 印刷画像における低明度域の色域を拡大し、高い発色性を実現する。
【解決手段】 HT処理部106は、黒色の色材量データを量子化し、有彩色の色材量データを量子化する。その際、黒色の色材量データを量子化した量子化色材量データの空間周波数の低周波成分の位相と、第一の有彩色の色材量データを量子化した量子化色材量データの空間周波数の低周波成分の位相が逆になるように、第一の有彩色の色材量データを量子化する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、色材量データを量子化する画像処理に関する。
インクジェットプリンタの色域(色再現域)を拡大して高い発色性を実現する技術として次の技術が知られている。
特許文献1が開示する技術は、シアンC、マゼンタM、イエローY、ブラックKの基本色に加えて、レッドR、グリーンG、ブルーBなどの特色インクを利用する。例えば、MドットとYドットを重ねて記録した赤色よりも高彩度の赤色を再現するRインクを追加することで、赤色領域の色域を拡大する。
特許文献2が開示する技術は、入力色信号に応じて最適な記録順を設定する。例えば、YドットとCドットを重ねる場合、Yドットの上にCドットを重ねる(YC順)場合とCドットの上にYドットを重ねる(CY順)場合は発色が異なる。そこで、YC順でしか再現できない色はYC順に記録し、CY順でしか再現できない色はCY順で記録して、固定的な記録順に比べて色域を拡大する。
特許文献3が開示する技術は、特色ドットと他の色ドットが重なると特色インクの発色性が低下するため、特色ドットと基本色ドットをできるだけ重ねないようにドット配置を制御する。例えば、記録材の使用量に相当する、九値に量子化された色材量データを2×4の所定のドット配置パターンに対応付けて、ドットを記録する/記録しないの二値データに変換する際、特色については他の色と異なるドット配置パターンを用意する。これにより、特色のドットに他の色のドットが重畳する確率を低減し、特色インクの発色性を充分に発揮させて、色域を拡大する。
しかし、上記の技術には次の課題がある。特許文献1および特許文献3の技術は、基本色以外のインクを必要とし、インク数の増加によるプリンタ構造の複雑化、大型化を招く。
特許文献2の技術は、例えばYからGを経由してCに至る中間明度域を拡大することができる。しかし、例えばYからKに至る低明度域を拡大することはできない。低明度域における色域の拡大は、近年よく使われる顔料インクを用いるプリンタで顕著な課題である。
特開平6-233126号公報 特開2004-155181号公報 特開2005-088579号公報 特開2002-374412号公報
本発明は、印刷画像における低明度域の色域を拡大し、高い発色性を実現することを目的とする。
本発明は、前記の目的を達成する一手段として、以下の構成を備える。
本発明にかかる画像処理は、黒色の色材量データを量子化し、有彩色の色材量データを量子化する際に、前記黒色の色材量データを量子化した量子化色材量データの空間周波数の低周波成分の位相と、第一の有彩色の色材量データを量子化した量子化色材量データの空間周波数の低周波成分の位相が逆になるように、前記第一の有彩色の色材量データを量子化することを特徴とする。
本発明によれば、印刷画像における低明度域の色域を拡大し、高い発色性を実現することができる。
実施例の画像処理装置と記録装置の構成例を説明するブロック図。 画像処理装置が実行する画像処理を説明するフローチャート。 HT処理部の構成例を示すブロック図。 ブラックのHT処理を説明するフローチャート。 誤差拡散マトリクスおよび累積誤差の記憶領域の一例を示す図。 制約情報演算部のブラックの制約情報の演算に関する構成例を示すブロック図。 ブラックの制約情報Krの演算を説明するフローチャート。 有彩色のHT処理を説明するフローチャート。 制約情報演算部の有彩色の制約情報の演算に関する構成例を示すブロック図。 有彩色の制約情報KC1rの演算を説明するフローチャート。 理想的な記録によって得られるドット配置を示す図。 ミスレジストレーションが発生した場合のドット配置を示す図。 ミスレジストレーションが発生した場合のドット配置を示す図。 実施例2のHT処理部の構成例を示す図。 実施例3の制約情報演算部のブラックの制約情報の演算に関する構成例を示すブロック図。 実施例3のブラックの制約情報Krの演算を説明するフローチャート。 フィルタの一例を示す図。 実施例3の制約情報演算部の有彩色の制約情報の演算に関する構成例を示すブロック図。 実施例3の有彩色の制約情報KC1rの演算を説明するフローチャート。
以下、本発明にかかる実施例の画像処理を図面を参照して詳細に説明する。
[装置の構成]
図1のブロック図により実施例の画像処理装置と記録装置の構成例を説明する。
画像処理装置11は、例えば、一般的なパーソナルコンピュータ(PC)にプリンタドライバをインストールすることにより実現される。つまり、後述する画像処理装置11の各部の機能は、PCのCPUがRAMをワークメモリとしてプリンタドライバのプログラムを実行することにより実現される。なお、後述する画像処理装置11の各部の処理を実行するプログラムを組み込んだワンチップマイクロコントローラをプリンタ12に搭載することで、プリンタ12が画像処理装置11を備える構成にすることも可能である。
●画像処理装置
画像処理装置11の入力画像バッファ102は、入力される印刷対象の画像データをバッファする。色分解部103は、色分解用ルックアップテーブル(LUT)104を参照して、例えばRGB画像データである入力画像データをプリンタ12が備えるインク色に対応する色材量データ(CMYKデータ)に色分解する。色材量データは、色分解画像バッファ105に格納される。
ハーフトーン(HT)処理部106は、色分解画像バッファ105に格納された色材量データ(各色が三階調以上の多階調を有する)を、制約情報バッファ107に蓄えられた値に基づき、各色二値の色材量データにハーフトーン処理(HT処理)する。二値の色材量データは、HT画像バッファ108に格納される。
HT画像バッファ108に格納された二値の色材量データは、画像処理装置11とプリンタ12を接続する例えばUSBのようなシリアルバス110を介して、プリンタ12へ入力される。
制約情報演算部109は、詳細は後述するが、HT画像バッファ108に格納された二値の色材量データと、色分解画像バッファ105に格納された多値の色材量データに基づく所定の演算により制約情報を作成する。そして、作成した制約情報により制約情報バッファ107を更新する。
制約情報バッファ107は、記録する画像上の位置のドットがオンになり易いか否か(ドットが形成され易いか否か)を示す値(制約情報)を蓄える。制約情報バッファ107は、ブラック(黒色)と有彩色の組み合わせごとに用意される。例えば、ブラックが一色で有彩色がN色だとすると、次式の数NB分、制約情報バッファ107を用意する。
NB = N×(N-1)/2 + 1 …(1)
●プリンタ
プリンタ12は、熱転写方式、インクジェット方式などの記録装置で、記録ヘッド201を、記録媒体202に対して相対的に縦横に移動して、画像処理装置11からバンド単位に入力される二値の色材量データが示す画像を記録媒体202上に形成する。なお、記録ヘッド201は、一つ以上の記録素子(インクジェット方式であればノズル)を有する。また、相対的な縦横の移動は、ヘッド制御部204が移動部203を制御して記録ヘッド201を移動させ、搬送部205を制御して記録媒体202を搬送させることで実現される。
パス分解部207は、画像処理装置11から入力される各色二値の色材量データをマルチパス記録に対応させて分解する。インク色選択部206は、パス分解部207から入力される色材量データに対応するインク色を、記録ヘッド201に搭載されたインク色の中から選択する。なお、以下では、記録ヘッド201がシアンC、マゼンタM、イエローY、ブラックKの四色(プロセスカラー)のインクを搭載する例を示すが、色の組み合わせは、これに限定されない。
[画像処理]
図2のフローチャートにより画像処理装置11が実行する画像処理を説明する。
画像処理装置11は、画像データが入力されると、入力画像データを入力画像バッファ102に格納する(S101)。なお、入力画像データは、例えばRGB各色8ビットのRGB画像データである。
次に、画像処理装置11は、色分解部103により、入力画像バッファ102に格納した画像データを色材量データに色分解する(S102)。色材量データは色分解画像バッファ105に格納される。色分解部103は、公知の技術を利用して、入力されたRGB画像データをCMYKの色材量データに変換する。
C = 3DLUTC(R, G, B);
M = 3DLUTM(R, G, B);
Y = 3DLUTY(R, G, B);
K = 3DLUTK(R, G, B); …(2)
ここで、3DLUTXは色分解用LUT104に含まれる、X色の色材量データ生成用の三次元LUT。
色材量データは、例えばCMYK各色8ビットの画像データであるが、多階調のデータであれば階調数に制限はない。また、上述したように、記録ヘッド201は四色のインクを搭載するため、入力画像データをCMYKの4プレーンの画像データに変換する。もし、記録ヘッド201が四色を超えるインクを搭載する場合は、入力画像データを、インクの色数に合った色材量データに色分解すればよい。
次に、画像処理装置11は、HT処理部106により、色分解画像バッファ105に格納された色材量データKと、制約情報バッファ107に蓄えられた値の合計を二値データに変換するブラック用のHT処理を行う(S103)。HT処理後の二値の色材量データK(以下、色材量データK')は、HT画像バッファ108に格納される。なお、HT処理部106は、誤差拡散法または平均誤差最小法などにより、多値の色材量データを二値の色材量データに量子化する。なお、以下では、色材量データの量子化結果を「量子化色材量データ」と呼ぶ場合がある。
上述したように、制約情報バッファ107は、記録する画像上の位置にドットが形成され易いか否かを示す制約情報を格納し、制約情報はHT画像の更新に伴い更新される。ただし、処理の開始時、制約情報バッファ107には初期値として零が設定されている。位置(X, Y)における制約情報には次の四種類がある。
Kr(X, Y):ブラックのHT画像に基づく制約情報、
KC1r(X, Y)、KC2r(X, Y):ブラックと有彩色一色のHT画像の重畳に基づく制約情報、
KC1C2r(X, Y):ブラックと有彩色二色の重畳に基づく制約情報。
ただし、初期値は次のとおり、
Kr(X, Y) = 0;
KC1r(X, Y) = 0;
KC2r(X, Y) = 0;
KC1C2r(X, Y) = 0;
なお、位置(X, Y)を明示せずにKr、KC1r、KC2r、KC1C2rと表記する場合がある。
また、制約情報の更新は後述するが、制約情報バッファ107が格納する値の平均値は零であり、ドットが形成され易い位置の値は正値、ドットが形成され難い位置の値は負値である。
次に、画像処理装置11は、HT画像バッファ108に蓄えられた色材量データK'をバンド単位にプリンタ12に出力する(S104)。そして、制約情報演算部109によりKドットの配置に基づき制約情報Krを演算し(S105)、制約情報Krによって制約情報バッファ107が格納する値を更新する(S106)。
次に、画像処理装置11は、HT処理部106により、色分解画像バッファ105に格納された色材量データC、M、Yと、制約情報バッファ107に蓄えられた値の合計を二値データに変換する有彩色用のHT処理を行う(S107)。HT処理後の二値の色材量データC、M、Y(以下、色材量データC'、M'、Y')は、HT画像バッファ108に格納される。なお、HT処理部106は、誤差拡散法または平均誤差最小法などにより、多値の色材量データを二値の色材量データに量子化する。
次に、画像処理装置11は、HT画像バッファ108に蓄えられた色材量データC'、M'、Y'をバンド単位にプリンタ12に出力する(S108)。画像処理装置11は、以上の処理をバンド単位に繰り返して、入力画像データに対応する色材量データをプリンタ12に出力する。
●ブラックのHT処理部
図3のブロック図によりHT処理部106の構成例を示す。また、図4のフローチャートによりブラックのHT処理を説明する。
HT処理部106は、注目画素の色材量データK(x)を入力し(S401)、加算部301により色材量データK(x)に制約情報を加算する(S402)。なお、制約情報の初期値は零であるから、ブラックのHT処理において実質的に制約情報は加算されない。
次に、HT処理部106は、累積誤差加算部303により色材量データK(x)に誤差拡散処理の累積誤差を加算し(S403)、閾値選択部304により量子化閾値Thを設定する(S404)。なお、量子化閾値Thとして128などを設定するが、ドット生成遅延を回避するため、平均量子化誤差が小さくなるように、色材量データK(x)に応じて閾値Thを次のように変更してもよい。
Th(x) = f(K(x)) …(3)
式(3)における関数fの例として、例えば特許文献4は次式を提案する。
Th(x) = {K(x)×(N-1) + 128}/N …(4)
ここで、Nは2以上の自然数。
次に、量子化部305により下式のように注目画素の二値の色材量データK(x)'を決定する(S405)。色材量データK(x)'はHT画像バッファ108に格納される。
if (Kd < Th)
K(x)' = 0;
if (Kd ≧ Th)
K(x)' = 255; …(5)
ここで、Kdは誤差加算後の色材量データK(x)。
次に、HT処理部106は、誤差演算部306により誤差加算後の色材量データKdと二値の色材量データK(x)'の誤差Er(x)を次式により算出する(S406)。
Er(x) = Kd - K(x)' …(6)
次に、HT処理部106は、誤差拡散部307により誤差Er(x)を拡散し(S407)、ブラックの一画素分の量子化が終了する。そして、ステップS408の判定により、色分解画像バッファ105に格納された色材量データKの全画素を処理するまでステップS401からS407を繰り返す。
図5により誤差拡散マトリクスおよび累積誤差の記憶領域の一例を示す。図5(a)に示す誤差拡散マトリクスは、×印で示す注目画素に対して主走査方向に隣接する次画素に拡散する誤差分を示す係数K1、副走査方向に隣接する次行の三画素に拡散する誤差分を示す係数K2、K3、K4を有する。誤差拡散係数の値は例えばK1=7/16、K2=3/16、K3=5/16、K4=1/16である。勿論、誤差拡散係数は固定する必要はなく画像の階調に応じて変更してもよいし、誤差の拡散先の画素も四画素に限らず、より多くの画素に誤差を拡散してもよい。
累積誤差バッファ303は、誤差拡散部307が拡散した誤差を画素ごとに累積する。図5(b)は累積誤差バッファ303の記憶領域を示す。累積誤差バッファ303は、記憶領域E0と、入力画像データの主走査方向(横方向)の画素数W分の記憶領域E(x)(1≦x≦W)を有する。誤差拡散部307は、例えば次式に従い累積誤差を累積誤差バッファ303に格納する。
if (x = 1)
E(x) = E0 + Er(x)×8/16;
if (1 < x)
E(x-1) = E(x-1) + Er(x)×3/16;
if (1 < x < W)
E(x) = E0 + Er(x)×5/16;
if (x < W) {
E(x+1) = E(x+1) + Er(x)×7/16;
E0 = Er(x)×1/16;
};
if (x = W) {
E(x) = E0 + Er(x)×13/16;
E0 = 0;
}; …(7)
累積誤差加算部303は、下式のように、注目画素の位置xに対応する記憶領域E(x)に格納された累積誤差を色材量データK(x)に加算する。
Kd = K(x) + E(x) …(8)
ブラックのHT処理により、ブラックの色材によって形成されるドット位置、つまりKドットのオンオフパターン(ドット配置)を表す量子化色材量データK'が決定する。
●ブラックの制約情報の演算
図6のブロック図により制約情報演算部109のブラックの制約情報の演算に関する構成例を示す。また、図7のフローチャートによりブラックの制約情報Krの演算を説明する。
制約情報演算部109の色分解画像データフィルタ601は、色分解画像バッファ105に格納された色材量データKに下式のフィルタ処理を施す(S701)。
Kf = K*Fm …(9)
ここで、Fmはフィルタ、
*はコンボリューションを表す。
図6に示すフィルタFmの一例はサイズが3×3、かつ、係数がほぼ同心円状に並んだ等方的加重平均フィルタであるが、フィルタFmはこれに限らない。サイズは5×5、7×7、9×9、あるいは、3×5、5×7、5×9でもよいし、フィルタ係数の配置が楕円状の非等方フィルタでもよい。なお、フィルタFmの特性はローパス特性であることが望ましい。
次に、HTデータフィルタ602は、HT画像バッファ108に格納された色材量データK'に下式のローパスフィルタ処理を施す(S702)。
K'LPF = K'*LPFB …(10)
ここで、LPFBはローパスフィルタ。
図6に示すローパスフィルタLPFBはフィルタFmと同等の構成であるが、ローパス特性を有するフィルタであれば、図6に示す構成(サイズ、フィルタ係数)に制限されない。
次に、加算部603は、画素ごとに、フィルタ処理後の色材量データKfからローパスフィルタ処理後の色材量データK'LPFを減算した差分値を第一の制約情報Krとする(S703)。
Kr = Kf - K'LPF …(11)
次に、制約情報演算部109、制約情報Krにより制約情報バッファ107を更新する(S704)。
色材量データKの平均的な値から色材量データK'の平均的な値を減算することにより、Kドットのオン領域では小さな正値または負値をもち、Kドットのオフ領域では大きな正値をもつ制約情報Krが得られる。このような制約情報Krを有彩色の色材量データに加算した後、HT処理を行えば、Kドットのオン領域に有彩色のオンドットが配置され難くなり、Kドットのオフ領域に有彩色のオンドットが配置され易くなるようにHT処理を制御することができる。なお、色材量データと制約情報の加算により色材量データがレンジ(例えば0-255)を逸脱する場合は、逸脱したデータをレンジ内(例えば0または255)にすればよい。
●有彩色のHT処理
図8のフローチャートにより有彩色のHT処理を説明する。
HT処理部106は、HT処理する有彩色を選択する(S901)。選択順は、例えば目立つ色から目立たない色の順でもよいし、使用量が多い色から使用量が少ない色の順でもよいが、ここでは第一の有彩色としてシアンCを選ぶとする。
次に、HT処理部106は、注目画素の色材量データC(x)と、対応する制約情報Kr(x)を入力し(S902)、加算部301により色材量データC(x)と制約情報Kr(x)の加算値を計算する(S903)。
C(x) = C(x) + hc1Kr(x) …(12)
ここで、hc1は実数。
次に、HT処理部106は、累積誤差加算部303により色材量データC(x)に誤差拡散処理の累積誤差を加算し(S904)、閾値選択部304により量子化閾値Thを設定する(S905)。そして、量子化部305により下式のように注目画素の二値の色材量データC(x)'を決定する(S906)。色材量データC(x)'はHT画像バッファ108に格納される。
if (Cd < Th)
C(x)' = 0;
if (Cd ≧ Th)
C(x)' = 255; …(13)
ここで、Cdは誤差加算後の色材量データC(x)。
次に、HT処理部106は、誤差演算部306により誤差加算後の色材量データCdと二値の色材量データC(x)'の誤差Er(x)を次式により算出する(S907)。
Er(x) = Cd - C(x)' …(14)
次に、HT処理部106は、誤差拡散部307により誤差Er(x)を拡散し(S908)、シアンの一画素分の量子化が終了する。そして、ステップS909の判定により、色分解画像バッファ105に格納された色材量データCの全画素を処理するまでステップS902からS908を繰り返す。
シアンのHT処理により、シアンの色材によって形成されるドット位置、つまりCドットのオンオフパターン(ドット配置)を表す量子化色材量データC'が決定する。
次に、HT処理部106は、全有彩色のHT処理が終了したか否かを判定する(S910)。全有彩色のHT処理が終了した場合はHT処理を終了するが、未了の場合は制約情報演算部109に制約情報の演算を実行させる。
制約情報演算部109は、有彩色のドット配置に基づいて有彩色の制約情報KC1rを演算する(S911)。詳細は後述するが、制約情報KC1rは、Kと有彩色(この例ではC)のドット配置による紙白部の空間周波数の低周波成分の位相と、次にHT処理する有彩色のドット配置の空間周波数の低周波成分の位相を同相にするための情報である。制約情報KC1rを参照して次の有彩色をHT処理することで、紙白ができるだけ生じないようにすることができる。
次に、制約情報演算部109は、制約情報により制約情報バッファ107を更新する(S912)。更新された制約情報(この例ではKC1r)は、次の有彩色のドット配置を決定するための情報として参照される。
次に、HT処理部106は、処理をステップS901に戻し、次の有彩色のHT処理を実行するが、その前に制約情報KC1rの演算を説明する。
●有彩色の制約情報KC1rの演算
図9のブロック図により制約情報演算部109の有彩色の制約情報の演算に関する構成例を示す。また、図10のフローチャートにより有彩色の制約情報KC1rの演算(S911)を説明する。なお、ここでは有彩色のHT処理がシアンから開始されたとして説明する。
乗算部1001は、HT画像バッファ108に格納された色材量データK'とC'の乗算処理を行う(S1101)。つまり、シアンと色材量データC'とブラックの色材量データK'の乗算値KC(以下、HT積)を算出する。
KC = 255 - (255 - C')×(255 - K')/255
または、KC = Max(C', K') …(15)
上式はドットオフ0、ドットオン255の例であり、逆にドットオン0、ドットオフ255ならば下式を用いる。
KC = C'×K'/255
または、KC = Min(C', K') …(15')
次に、HT積平均化処理部1002は、HT積KCの部分的な平均値を算出する(S1102)。ブラックの制約情報の演算においては、ブラックの色分解後の色材量データKをフィルタ処理をした。ここでは、ブラックとシアンの色分解後の色材量データKとCの積をフィルタ処理する、あるいは、色材量データKとCをそれぞれフィルタ処理した後に乗算する、は何れも不適当である。その理由は、下記のように、シアンのドット配置の決定がブラックのドット配置に依存するためである。
HT処理における濃度の保存性により、HT処理前後の濃度の関係は次式で表される。
E[K'] = E[K] かつ E[C'] = E[C] …(16)
また、K'が表すドット配置とC'が表すドット配置は排他的に決められるため次式が成り立つ。
E[K'×C'] ≠ E[K']×E[C'] = E[K]×E[C] …(17)
式(17)が示すように、HT処理後の濃度は、HT処理前のデータからは求められず、HT積から求める必要がある。ただし、この処理は補正処理による色の変化を防ぐためのものであり、画像全体ではなく、部分的な平均をとる。例えば、下式の平均化フィルタ処理を行う。
KCm = KC*LPFm …(18)
次に、HT積フィルタ1003は、HT積KCにローパスフィルタLPFBによるフィルタ処理を施す(S1103)。
KCLPF = KC*LPFB …(19)
次に、加算部1004は、画素ごとに、HT積平均化処理部1002が算出した部分的な平均値から、HT積フィルタ1003が算出した値を減算した差分値を第二の制約情報KC1rとする(S1104)。
KC1r = KCm - KCLPF …(20)
図9に示すフィルタLPFmとLPFBは一例であり他のフィルタでも構わない。ただし、フィルタLPFmはHT積の部分的な領域(図9の例では5×5画素領域)の平均値を求めるフィルタであり、注目画素のローパスフィルタとして機能するフィルタLPFBとは異なる必要がある。
また、図9および式(19)には、ブラックの制約情報の演算と同様のフィルタLPFBを用いる例を示したが、他のフィルタを用いても構わない。ただし、フィルタ特性はローパス特性であることが望ましい。また、HT積平均化処理部1002の処理は、HT積の部分的な領域の平均値を求めることができればフィルタ処理に限らない。また、HT積平均化処理部1002がフィルタ処理を行う場合、当該フィルタからHT積フィルタ処理部1003のフィルタを減算することで、ステップS1102-S1104の処理をまとめたフィルタ処理にすることができる。
フィルタLPFmによりHT積を部分的に平均化した値からフィルタLPFBによりHT積をフィルタ処理した値を減算すると、HT積が255の領域では小さな正値または負値をもち、HT積が0の領域では大きな正値をもつ制約情報KC1rが得られる。このような制約情報KC1rを有彩色の色材量データに加算した後、HT処理を行えば、HT積が255の領域に有彩色のオンドットが配置され難くなり、HT積が0の領域に有彩色のオンドットが配置され易くなるようにHT処理を制御することができる。
●有彩色のHT処理(二色目)
HT処理部106は、シアンのHT処理と制約情報KC1rの演算が終了すると、次にHT処理する有彩色を決定する(S901)。ここでは第二の有彩色としてマゼンタMを選ぶとする。
次に、HT処理部106は、注目画素の色材量データM(x)と、対応する制約情報Kr(x)およびKC1r(x)を入力し(S902)、加算部301により色材量データM(x)、制約情報Kr(x)、KC1r(x)の加算値を計算する(S903)。二色目に付いては、ブラックの制約条件Krだけではなくブラックと第一の有彩色(この例ではシアン)から算出した制約情報KC1rも加算する。
M(x) = M(x) + hm1Kr(x) + hm2KC1r(x) …(21)
ここで、hm1、hm2は実数。
ステップS904からS909の処理は、一色目と同様であり、詳細説明を省略する。この例では、ステップS910において、シアンとマゼンタのHT処理は終了しているが、イエローのHT処理が未了であるから制約情報演算部109に制約情報の演算を実行させる。
制約情報演算部109は、有彩色のドット配置に基づいて有彩色の制約情報KC2rとKC1C2rを演算する(S911)。詳細は後述するが、制約情報KC2rは、Kと有彩色(この例ではM)のドット配置による紙白部の空間周波数の低周波成分と、次にHT処理する有彩色のドット配置の空間周波数の低周波成分を同位相にするための情報である。また、制約情報KC1C2rは、Kと有彩色(この例ではCとM)のドット配置による紙白部の空間周波数の低周波成分と、次にHT処理する有彩色の空間周波数の低周波成分を同位相にするための情報である。制約情報KC2r、KC1C2rを参照して次の有彩色をHT処理することで、紙白ができるだけ生じないようにする。
次に、制約情報演算部109は、制約情報により制約情報バッファ107を更新する(S912)。更新された制約情報(この例ではKC2r、KC1C2r)は、次の有彩色のドット配置を決定するための情報として参照される。
次に、HT処理部106は、処理をステップS901に戻し、次の有彩色のHT処理を実行するが、その前に制約情報KC1C2rの演算を説明する。なお、制約情報KC2rは、制約情報KC1rと同様の処理により演算され、その説明を省略する。
●有彩色の制約情報KC1C2rの演算
ここではシアン、マゼンタの順にHT処理されたとして説明する。
図9に示す乗算部1001は、HT画像バッファ108に格納された色材量データK'、C'、M'の乗算処理を行う(S1101)。つまり、マゼンタと色材量データM'、シアンと色材量データC'、ブラックの色材量データK'の乗算値KCM(HT積)を算出する。
KCM = 255 - (255 - M')×(255 - C')×(255 - K')/2552
または、KC = Max(M', C', K') …(22)
上式はドットオフ0、ドットオン255の例であり、逆にドットオン0、ドットオフ255ならば下式を用いる。
KC = M'×C'×K'/2552
または、KC = Min(M', C', K') …(22')
次に、HT積平均化処理部1002は、HT積KCMの部分的な平均値を算出する(S1102)。
KCMm = KCM*LPFm …(23)
次に、HT積フィルタ1003は、HT積KCMにローパスフィルタLPFBによるフィルタ処理を施す(S1103)。
KCMLPF = KCM*LPFB …(24)
次に、加算部1004は、画素ごとに、HT積平均化処理部1002が算出した部分的な平均値から、HT積フィルタ1003が算出した値を減算し、減算結果を制約情報KC1C2rとする(S1104)。
KC1C2r = KCMm - KCMLPF …(25)
●有彩色のHT処理(三色目)
HT処理部106は、シアンのHT処理と制約情報KC2r、KC1C2rの演算が終了すると、次にHT処理する有彩色を決定する(S901)。ここではイエローYを選ぶとする。
次に、HT処理部106は、注目画素の色材量データY(x)と、対応する制約情報Kr(x)、KC1r(x)、KC2r(x)、KC1C2r(x)を入力する(S902)。そして、加算部301により色材量データY(x)、制約情報Kr(x)、KC1r(x)、KC2r(x)、KC1C2r(x)の加算値を計算する(S903)。
Y(x) = Y(x) + hy1Kr(x) + hy2KC1r + hy3KC2r + hy4KC1C2r …(26)
ここで、hy1、hy2、hy3、hy4は実数。
ステップS904からS909の処理は、一、二色目と同様であり、詳細説明を省略する。そして、HT処理部106は、ステップS910において全有彩色のHT処理が終了したと判定し、HT処理を終了する。
[色域拡大の効果]
上記の処理により、空間周波数の低周波成分の位相が逆になるようにブラックのドットパターンと有彩色のドットパターンを形成する。また、有彩色の間では空間周波数の低周波成分の位相を共有するようにドットパターンを形成する。これにより、ブラックドットと有彩色ドットをより排他的に配置して、低明度域において、より彩度の高い色を再現して、色域を拡大することができる。
さらに、ブラックと有彩色のドット配置による紙白部の空間周波数の低周波成分と、次に記録する有彩色の空間周波数の低周波成分が同位相になるように有彩色ドットを配置するため、紙白の露出を低減することができる。その結果、低明度域において、紙白の露出によって生じる濃度や彩度の低下を抑制することができる。
[ドット位置ずれ耐性の効果]
上記の処理、つまりブラックドットと有彩色ドットの排他的配置、有彩色ドットの紙白部への配置により、ドット位置ずれ耐性の効果が得られる。図11から図13によりドット位置ずれ耐性の効果を説明する。なお、図11(a)、図12(a)、図13(a)は本実施例によるドット配置を示し、図11(b)、図12(b)、図13(b)は出願人が提案する別の排他的配置処理によるドット配置を示す。
図11から図13に示す模式図の各セルの一辺は約20μm(1200dpi相当)とする。また、ドット配置図においてセル内のWは紙白部を、C/Kはブラックドットにシアンドットまたはマゼンタドットの重畳を、Y/Kはブラックドットにイエロードットの重畳を、Y/C/Kは三種類のドットの重畳を表す。なお、図には、ドット配置を理解し易いように斜め方向に隣接するドット間に紙白が存在するように記載するが、実際には、斜め方向に隣接するドット間に紙白は存在しない。
図11により理想的な記録によって得られるドット配置を示す。本実施例によるドット配置においても、別の排他的配置処理によるドット配置においても紙白部Wは出現しない。ただし、別の排他的配置処理によるドット配置(図11(b))は、ブラックドットと有彩色ドットの重畳面積が小さく(図11(a)の9セルに対して図11(b)は8セル)低明度域の色域はより広くなる。
しかし、実際の印刷においては様々な変動によりドットの位置ずれ(ミスレジストレーション)が発生する。図12によりミスレジストレーションが発生した場合のドット配置を示す。図12はブラックドットが下方向に20μmずれた様子を示す。
本実施例によるドット配置(図12(a))と別の排他的配置処理によるドット配置(図12(b))のどちらにおいても紙白部が出現する。しかし、図12(a)においては紙白部の面積が半分に抑えられている(図12(b)の4セルに対して図12(a)の2セル)。これは、本実施例が、紙白部の空間周波数の低周波成分と有彩色ドットの空間周波数の低周波成分が同位相になるように有彩色ドットを配置する効果である。
図13によりミスレジストレーションが発生した場合のドット配置を示す。図13はブラックドットが下方向に20μmずれ、さらにイエロードットが左方向に20μmずれた様子を示す。本実施例によるドット配置(図13(a))においては、紙白部の面積が半分に抑えられ(図13(b)の4セルに対して図13(a)の2セル)。さらに、ブラックドットと有彩色ドットの重畳面積もやや少ない(図13(b)の11セルに対して図13(a)の10セル)。これは、ブラックドットと有彩色ドットを排他的配置し、さらに、有彩色ドット同士は同じ空間周波数の低周波成分を共有する効果である。
このように、実際の印刷においては、図11から図13に示す状態が、印刷領域により混合して出現する。位置ずれ前の色と位置ずれ後の色の間の変化は、紙白部の出現率の変化量やブラックドットと有彩ドットの重畳面積の変化量から、別の排他的配置処理の方が大きいことが明らかである。つまり、本実施例による処理には、別の排他的配置処理に比べて色むらを低減する効果もある。
このように、低明度域の色域を拡大し、ミスレジストレーションを招く変動が発生する場合も高い発色性と階調性を実現することができる。
[変形例]
上記では、制約情報と色分解後の色材量データの加算により、ブラックのドット配置の低周波成分の位相と有彩色のドット配置の低周波成分の位相を逆にし、異なる色のドット配置の高周波成分については無相関にする排他的配置処理を説明した。ただし、低周波成分から取り出した制約情報を例えばHT処理の閾値Thや量子化誤差Erに反映してもよい。
以下、本発明にかかる実施例2の画像処理を説明する。なお、実施例2において、実施例1と略同様の構成については、同一符号を付して、その詳細説明を省略する。
実施例1では、HT処理部106において誤差拡散処理を行う例を説明した。実施例2では、誤差拡散法に代えてより高速処理が可能なディザ法を用いる例を説明する。
図14により実施例2のHT処理部106の構成例を示す。
図14(a)に示すHT処理部106は、注目画素の色材量データK(x)を入力し、加算部1601により色材量データK(x)に制約情報を加算する。なお、実施例1と同様に、制約情報の初期値は零であるから、ブラックのHT処理において実質的に制約情報は加算されない。
次に、HT処理部106は、量子化部1603により注目画素の色材量データK(x)と、注目画素位置に対応する閾値マトリクス1602の要素(閾値)を比較して二値の色材量データK'(x)を出力する。図14(b)はディザ処理による二値化の概要を示し、色材量データK(x)は閾値マトリクス1602の対応する閾値Th(x)と比較されて、下式に示すように、色材量データK(x)'に二値化される。
if (K(x) ≦ Th(x))
K(x)' = 0;
if (K(x) > Th(x))
K(x)' = 255; …(27)
上記の量子化を色材量データKの全画素に施すことにより、Kドットのオンオフパターン(ドット配置)が決定する。なお、閾値マトリクス1602は周知であるが、例えばベイヤ配列、ドット集中型、ブルーノイズマスク配列などの閾値マトリクスを使用する。
有彩色のHT処理は、図8に示す処理のステップS904からS908の誤差拡散処理を上記のディザ処理に置き換えたものになる。ただし、閾値マトリクス1602は、通常、ブラックと異なるものを使用することが望ましい。さらに、有彩色ごとに閾値マトリクスを異ならせてもよい。また、制約情報の演算は、実施例1と同様であり、その詳細説明を省略する。
以下、本発明にかかる実施例3の画像処理を説明する。なお、実施例3において、実施例1、2と略同様の構成については、同一符号を付して、その詳細説明を省略する。
上述した実施例1、2では、画像の濃度に関わらず同じフィルタにより制約情報を生成する例を示した。しかし、一般に、HT処理画像は、濃度に応じて空間周波数特性が変化し、同じフィルタにより制約情報を生成すると問題が生じる場合がある。例えば、低濃度域では何ら問題ない画像でも高濃度域で粒状性が目立ったり、逆に、高濃度域では問題ない画像の低濃度域で色むらが目立つことがある。そこで、実施例3では、画像の濃度値に応じて制約情報を生成するフィルタを変更して、画像の濃度に応じて制約情報の周波数特性を変更して、画像の濃度に依存する画質劣化を防ぐ。
実施例3におけるHT処理は、制約情報の演算を除き、実施例1、2の処理と同様である。従って、以下、実施例3における制約情報の演算を説明する。
●ブラックの制約情報の演算
図15のブロック図により実施例3の制約情報演算部109のブラックの制約情報の演算に関する構成例を示す。また、図16のフローチャートにより実施例3のブラックの制約情報Krの演算を説明する。
図15に示す制約情報演算部109において、実施例1と異なる構成は、フィルタ設定部2001を備えることである。フィルタ設定部2001は、色分解後の色材量データKから制約情報Krの演算に用いるフィルタを設定する。つまり、フィルタ設定部2001は、色材量データKに基づき、色分解画像データフィルタ601(Fm)を設定し(S2101)、HTデータフィルタ602(LPFB)を設定する(S2102)。以降の処理は図7に示すステップS701からS704の処理と同様である。
フィルタ設定部2001は、色材量データKに基づきフィルタFmを設定するが、例えば、下式のように二次元ガウスフィルタを設定する。
Fm = F'm/ΣF'm …(28)
ここで、F'm(K, x, y) = {1/(2πσx(K)σy(K))}e-p/2
p = {x/(σx(K))}2-2{x/(σx(K))}{y/(σy(K))}+{y/(σy(K))}2
図17によりフィルタの一例を示す。説明を簡略化するために、3×3の正方形のフィルタを示すが、5×5、7×7、9×9のような正方形でも、3×5、5×7、5×9のような長方形でもよい。ただし、フィルタはローパス特性であることが望ましい。図17(a)はσx(30)=1.0、σy(30)=1.0のフィルタFmを示す。図17(b)はσx(40)=0.9、σy(40)=0.9のフィルタFmを示す。
また、フィルタ設定部2001は、色材量データKに基づきフィルタLPFBを設定するが、例えば、下式のように二次元ガウスフィルタを設定する。
LPFB = LPF'B/ΣLPF'B …(29)
ここで、LPF'B(K, x, y) = {1/(2πσx(K)σy(K))}e-p/2
p = {x/(σx(K))}2-2{x/(σx(K))}{y/(σy(K))}+{y/(σy(K))}2
図17(c)はσx(30)=1.0、σy(30)=1.0のフィルタLPFBを示す。図17(d)はσx(40)=0.9、σy(40)=0.9のフィルタLPFBを示す。
図17に示すようにフィルタFmとLFPBのフィルタ係数は、色材量データKの値により変化する。なお、図17には、フィルタFmとLPFBで同じフィルタ係数を用いる例を示すが、勿論、フィルタ係数は異なってもよい。
●有彩色の制約情報KC1rの演算
図18のブロック図により実施例3の制約情報演算部109の有彩色の制約情報の演算に関する構成例を示す。また、図19のフローチャートにより実施例3の有彩色の制約情報KC1rの演算(S911)を説明する。なお、ここでは有彩色のHT処理がシアンから開始されたとして説明する。
図18に示す制約情報演算部109において、実施例1と異なる構成は、フィルタ設定部2301を備えることである。フィルタ設定部2301は、色分解後の色材量データKとCから制約情報KC1rの演算に用いるフィルタを設定する。つまり、フィルタ設定部2301は、色材量データKとCに基づき、HT積平均化処理部1002のフィルタLPFmを設定し(S2401)、HT積フィルタ1003(LPFB)を設定する(S2402)。以降の処理は図10に示すステップS1101からS1104の処理と同様である。
フィルタ設定部2301は、色材量データKとCに基づきフィルタLPFmを設定するが、例えば、下式のように二次元ガウスフィルタを設定する。
LPFm = LPF'm/ΣLPF'm …(30)
ここで、LPF'm(K, C, x, y) = {1/(2πσx(K, C)σy(K, C))}e-p/2
p = {x/(σx(K, C))}2-2{x/(σx(K, C))}{y/(σy(K, C))}+{y/(σy(K, C))}2
なお、図9に示したフィルタLPFmはσx(K, C)=1、σy(K, C)=1の例である。ただし、充分な効果を得るにはK、Cが小さいほどσ値が大きくなることが望ましい。また、実装上は、σ(K+C)のように一変数の関数として、簡易化してもよい。
また、フィルタ設定部2301は、色材量データKとCに基づきフィルタLPFBを設定するが、例えば、下式のように二次元ガウスフィルタを設定する。
LPFB = LPF'B/ΣLPF'B …(31)
ここで、LPF'B(K, C, x, y) = {1/(2πσx(K)σy(K))}e-p/2
p = {x/(σx(K, C))}2-2{x/(σx(K, C))}{y/(σy(K, C))}+{y/(σy(K, C))}2
ここで、フィルタLPFは図17(c)や図17(c)のようになるが、これに限られるものではない。ただし、σはσx(K, C)、σy(K, C)に基づいて決まるので、例えば、σx(10, 10)=0.9とσy(10, 10)=0.9、σx(20, 10)=1.0とσy(20, 10)=1.0などにすればよい。充分な効果を得るにはK、Cが小さいほどσ値が大きくなることが望ましい。また、LPFBはローパス特性を有することが好ましい。
制約情報KC2r、KC1C2rの演算についても色分解後の色材量データからフィルタのσを決めればよい。例えば、σx(10, 10, 10)=0.8とσy(10, 10, 10)=0.8、σx(20, 10, 10)=0.9とσy(20, 10, 10)=0.9などにすればよい。充分な効果を得るにはK、C、Mが小さいほどσ値が大きくなることが望ましい。また、LPFBはローパス特性を有することが好ましい。
[変形例]
上述した実施例においては、所定方向に配列した複数のノズルを有する記録ヘッド201をノズルの配列方向と交差する方向に記録媒体202上を走査して、記録媒体202にインクを吐出して画像を形成するインクジェット記録方式の画像処理装置を説明した。しかし、インクジェット方式以外の他の方式により記録を行う記録装置(例えば熱転写方式)にも本発明を適用することができる。この場合、インク滴を吐出するノズルの代わりにドットを記録する記録素子が配列された記録へッドを用いる。
また、記録媒体202の幅に対応する記録幅(長さ)の記録ヘッドに対して記録媒体202を移動して記録を行う、所謂フルライン型の記録装置にも本発明を適用することができる。
[その他の実施例]
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

Claims (10)

  1. 黒色の色材量データを量子化し、有彩色の色材量データを量子化する量子化手段を有し、
    前記量子化手段は、前記黒色の色材量データを量子化した量子化色材量データの空間周波数の低周波成分の位相と、第一の有彩色の色材量データを量子化した量子化色材量データの空間周波数の低周波成分の位相が逆になるように、前記第一の有彩色の色材量データを量子化することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記量子化手段は、前記黒色の量子化色材量データと前記第一の有彩色の量子化色材量データを重畳した場合の紙白部の空間周波数の低周波成分の位相と、第二の有彩色の色材量データを量子化した量子化色材量データの空間周波数の低周波成分の位相が同相になるように、前記第二の有彩色の色材量データを量子化することを特徴とする請求項1に記載された画像処理装置。
  3. 前記量子化手段は、前記第一の有彩色の色材量データを量子化する場合に前記第一の有彩色のドットがオンになり易いか否かを示す値として、前記黒色の色材量データと前記黒色の量子化色材量データから第一の制約情報を生成する生成手段と、
    前記第一の有彩色の色材量データと前記第一の制約情報の値を加算した加算値をハーフトーン処理して前記第一の有彩色の量子化色材量データにするハーフトーン手段とを有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載された画像処理装置。
  4. 前記生成手段は、前記黒色の色材量データをローパスフィルタ処理した結果から、前記黒色の量子化色材量データをローパスフィルタ処理した結果を減算した差分値を前記第一の制約情報にすることを特徴とする請求項3に記載された画像処理装置。
  5. 前記生成手段は、前記第二の有彩色の色材量データを量子化する場合に前記第二の有彩色のドットがオンになり易いか否かを示す値として、前記黒色の量子化色材量データと前記第一の有彩色の量子化色材量データから第二の制約情報を生成し、
    前記ハーフトーン手段は、前記第二の有彩色の色材量データと前記第一および第二の制約情報の値を加算した加算値をハーフトーン処理して前記第二の有彩色の量子化色材量データにすることを特徴とする請求項3または請求項4に記載された画像処理装置。
  6. 前記生成手段は、前記黒色の量子化色材量データと前記第一の有彩色の量子化色材量データを乗算した乗算値を平均化処理した値から、前記乗算値をローパスフィルタ処理した値を減算した差分値を前記第二の制約情報にすることを特徴とする請求項5に記載された画像処理装置。
  7. 前記生成手段は、前記色材量データが示す濃度に基づき前記ローパスフィルタ処理および前記平均化処理の特性を変更して、前記第一および第二の制約情報の周波数特性を変更することを特徴とする請求項6に記載された画像処理装置。
  8. 異なる色の量子化色材量データの空間周波数の高周波成分は互いに無相関であることを特徴とする請求項1から請求項7の何れか一項に記載された画像処理装置。
  9. 黒色の色材量データを量子化し、有彩色の色材量データを量子化する量子化方法であって、
    前記黒色の色材量データを量子化した量子化色材量データの空間周波数の低周波成分の位相と、第一の有彩色の色材量データを量子化した量子化色材量データの空間周波数の低周波成分の位相が逆になるように、前記第一の有彩色の色材量データを量子化することを特徴とする量子化方法。
  10. コンピュータを請求項1から請求項8の何れか一項に記載された画像処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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