JP2013209659A - 多孔質材加工用樹脂液および成形多孔質材の製造方法 - Google Patents

多孔質材加工用樹脂液および成形多孔質材の製造方法 Download PDF

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正則 小川
Shin Fujii
慎 藤井
Naohiro Mizutani
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Abstract

【課題】 本発明の課題は、成形樹脂含浸多孔質材の表面に樹脂光沢が発生することを防止することにある。
【解決手段】 多孔質材の表面に塗布または多孔質材内部に含浸または混合せしめる熱硬化性樹脂液であり、該熱硬化性樹脂液には樹脂分に対して5質量%以上のコロイダルシリカが添加されている多孔質材加工用樹脂液を多孔質材の表面に塗布、または含浸することで、該樹脂液にはコロイダルシリカが添加されているため、該樹脂含浸多孔質材をプレス成形して、表面に該樹脂液が滲出しても、樹脂光沢が発生しない。
【選択図】 なし

Description

本発明は、主として自動車や建物の内装材や外装材として使用される成形多孔質材用の樹脂液および該樹脂液を使用した成形多孔質材の製造方法に関するものである。
従来から、自動車や建物の内装材、外装材として、例えば繊維シート等からなる多孔質材を表皮材や基材として用い、該多孔質材の表面に熱硬化性樹脂液を塗布、あるいは該多孔質材の内部に含浸せしめたうえ、ホットプレスして所定形状に成形した成形多孔質材が用いられている。
上記従来の成形多孔質材にあって、多孔質材は、全体的にみると厚みが略均一となっているが、部分的な目付ムラ、成形形状等に起因して、部分的にみると極僅かに厚みの差を有しており、このような目付ムラ、成形形状等に起因した部分的な極僅かの厚み差を解消または防止することは極めて困難である。このような部分的な極僅かの厚み差により、成形多孔質材には、部分的な樹脂塗布量の大小差が生じたり、プレス時に多孔質材の表面におよぼされる面圧に部分的な差が生じたり等して、ホットプレス時に該多孔質材に含浸されている熱硬化性樹脂液が多孔質材の表面に部分的に滲出してしまう場合がある。そして、この滲出した熱硬化性樹脂液は、含有する熱硬化性樹脂によって該成形多孔質材の表面に部分的に小さな斑点状の樹脂光沢を生じさせてしまう。近年では自動車等も高級感の面から該多孔質材表面の外観を重視しており、このような小さな斑点状の樹脂光沢が生じた該成形多孔質材は、外観不良として問題点となってきた。
なお、該樹脂光沢の発生は、含浸されている熱硬化性樹脂液中の熱硬化性樹脂が該多孔質材の繊維シート表面に連続皮膜として存在せず、小さな粒子として該繊維シート表面に結着されているためと考えられる。つまり、ホットプレス時に該熱硬化性樹脂液中の熱硬化性樹脂が溶融−硬化の過程を経て硬化するとき、該多孔質材表面に滲出した熱硬化性樹脂液中の熱硬化性樹脂は、小さな粒子の状態からプレス圧によって潰れた状態となって硬化し、その結果、該成形多孔質材の表面に小さな斑点状の樹脂光沢を生じさせる。
本発明は上記従来の問題点を解消し、成形多孔質材の表面に樹脂光沢が発生しないようにすることを目的とするものであり、多孔質材の表面に塗布または多孔質材内部に含浸せしめる熱硬化性樹脂液であり、該熱硬化性樹脂液には樹脂分に対して5質量%以上のコロイダルシリカが添加されており、該樹脂液を該多孔質材の表面に塗布または多孔質材内部に含浸せしめてプレス成形したときに、プレス圧によって該樹脂液が該多孔質材の表面に滲出しても該コロイダルシリカによって該多孔質材の表面に樹脂液に含まれている熱硬化性樹脂による樹脂光沢が表れないようにされている多孔質材加工用樹脂液、および上記多孔質材加工用樹脂液を多孔質材の表面に塗布あるいは該多孔質材内部に含浸せしめ、該樹脂液を塗布または含浸した多孔質材をプレス成形する成形多孔質材の製造方法を提供するものである。また通常、上記多孔質材は繊維シートである。
〔作用〕
多孔質材加工用の樹脂液中に樹脂分に対して5質量%以上のコロイダルシリカを添加したものを、多孔質材の表面に塗布あるいは多孔質材内部に含浸せしめプレス成形を行なうと、該多孔質材表面にはプレス圧によって熱硬化性樹脂液が滲出するが、該熱硬化性樹脂液に含まれていた熱硬化性樹脂の表面には粒子径の小さなコロイダルシリカの粒子が結着しているため、該コロイダルシリカの艶消し効果によって樹脂光沢が発生しない。
〔効果〕
したがって本発明では、プレス圧によって熱硬化性樹脂液が滲出しても表面に樹脂光沢が現れない外観良好な成形多孔質材が得られる。
本発明を以下に詳細に説明する。
〔多孔質材〕
本発明の対象とする多孔質材とは、例えばケナフ繊維、麻繊維、ヤシ繊維、竹繊維、アバカ等の植物繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ウレタン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、アセテート繊維等の合成繊維、羊毛、モヘア、カシミア、ラクダ毛、アルパカ、ビキュナ、アンゴラ、蚕糸等の天然繊維、とうもろこし等のデンプンから得られる乳酸を原料とした生分解性繊維、レーヨン(人絹、スフ)、ポリノジック、キュプラ、アセテート、トリアセテート等のセルロース系人造繊維、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、石綿繊維等の無機繊維、これらの繊維を使用した繊維製品のスクラップを解繊して得られた再生繊維等の一種または二種以上繊維からなる繊維シート、あるいは上記繊維の全部または一部として、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体等のポリオレフィン系繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリウレタン繊維、ポリエステル繊維、ポリエステル共重合体繊維、ポリアミド繊維、ポリアミド共重合体繊維等の融点が180℃以下の低融点繊維を使用した繊維シートが主なものであるが、上記繊維シート以外、ポリスチレン発泡体、ポリエチレン発泡体、ポリプロピレン発泡体、ポリウレタン発泡体等のプラスチック発泡体も発明の対象とする多孔質材に包含される。
上記繊維シートは、上記混合繊維のウェブのシートあるいはマットをニードルパンチングによって絡合する方法、あるいはスパンボンド法による方法、あるいは繊維のウェブのシートあるいはマットが上記低融点繊維からなるか、あるいは上記低融点繊維が混合されている場合には上記シートあるいはマットを加熱して該低融点繊維を軟化せしめることによってバインダーとするか、あるいは上記シートまたはマットに合成樹脂バインダーを含浸あるいは混合して結着するか、あるいは上記混合繊維のウェブのシートまたはマットをニードルパンチングによって絡合した上で該低融点繊維を加熱軟化せしめてバインダーとするか、あるいは上記合成樹脂バインダーを含浸して結着する方法、更に上記混合繊維を編織する方法等によって製造される。
〔樹脂〕
上記多孔質材に塗布または含浸または混合される樹脂には、例えばフェノール系樹脂(PF)、メラミン樹脂(MF)、尿素樹脂(UF)等のような熱硬化性合成樹脂が使用され、また該合成樹脂を生成するメラミン樹脂プレポリマー、尿素樹脂プレポリマー(初期縮合体)、フェノール樹脂プレポリマー(初期縮合体)等のプレポリマーのような合成樹脂前駆体を使用してもよい。該合成樹脂は単独あるいは二種以上併用されてもよく、通常はエマルジョン、ラテックス、水溶液、有機溶剤溶液等の樹脂液として使用される。
本発明で使用される樹脂として望ましいのは、フェノール系樹脂である。該フェノール系樹脂には、フェノール系化合物に対してホルムアルデヒド類を過剰にしてアルカリ触媒で反応することによって得られるレゾールと、ホルムアルデヒド類に対してフェノールを過剰にして酸触媒で反応することによって得られるノボラックとの二つの型がある。該レゾールはフェノールとホルムアルデヒドが付加した種々のフェノールアルコールの混合物からなり、通常は水溶液で提供される。該ノボラックはフェノールアルコールに更にフェノールが縮合したジヒドロキシジフェニルメタン系の種々な誘導体からなり、通常は粉末で提供される。
本発明において望ましいフェノール系樹脂は、フェノール−アルキルレゾルシン共縮合物である。該フェノール−アルキルレゾルシン共縮合物は、該共縮合物(初期共縮合物)の水溶液の安定が良く、かつフェノールのみからなる縮合物(初期縮合物)に比較して、常温で長期間保存することが出来るという利点がある。また該水溶液をシート基材に含浸あるいは塗布させ、プレキュアして得られる繊維シートの安定性が良く、該繊維シートを長期間保存しても成形性を喪失しない。また更にアルキルレゾルシンはホルムアルデヒド類との反応性が高く、遊離アルデヒドを捕捉して反応するので、樹脂中の遊離アルデヒド量が少なくなる等の利点も有する。
上記フェノール系樹脂には、その製造の際に必要に応じて触媒またはpH調整剤を混合してもよい。更に、本発明のフェノール系樹脂の初期縮合物(初期共縮合物を含む)には、ホルムアルデヒド類あるいはアルキロール化トリアゾン誘導体等の硬化剤を添加混合してもよい。更にまた、水溶性のフェノール系樹脂を用いる場合、その安定性を改良するために、フェノール系樹脂をスルホメチル化および/またはスルフィメチル化してもよい。
本発明で使用する樹脂液には、更に、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、燐酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、アルミナ、シリカ、珪藻土、ドロマイト、石膏、タルク、クレー、アスベスト、マイカ、ケイ酸カルシウム、ベントナイト、ホワイトカーボン、カーボンブラック、鉄粉、アルミニウム粉、ガラス粉、石粉、高炉スラグ、フライアッシュ、セメント、ジルコニア粉等の無機充填材;天然ゴムまたはその誘導体;スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、イソプレンゴム、イソプレン−イソブチレンゴム等の合成ゴム;ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、澱粉、澱粉誘導体、ニカワ、ゼラチン、血粉、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミド等の水溶性高分子や天然ガム類;木粉、クルミ粉、ヤシガラ粉、小麦粉、米粉等の有機充填材;ステアリン酸、パルミチン酸等の高級脂肪酸、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール;ブチリルステアレート、グリセリンモノステアレート等の脂肪酸のエステル類;脂肪酸アミド類;カルナバワックス等の天然ワックス類、合成ワックス類;パラフィン類、パラフィン油、シリコンオイル、シリコン樹脂、フッ素樹脂、ポリビニルアルコール、グリス等の離型剤;アゾジカーボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、P,P’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、アゾビス−2,2’−(2−メチルグロピオニトリル)等の有機発泡剤;重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、重炭酸アンモニウム等の無機発泡剤;シラスバルーン、パーライト、ガラスバルーン、発泡ガラス、中空セラミックス等の中空粒体;発泡ポリエチレン、発泡ポリスチレン、発泡ポリプロピレン等のプラスチック発泡体や発泡粒;顔料、染料、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶化促進剤、防炎剤、撥水剤、撥油剤、防虫剤、防腐剤、ワックス類、界面活性剤、滑剤、老化防止剤、紫外線吸収剤;DBP、DOP、ジシクロヘキシルフタレートのようなフタール酸エステル系可塑剤やその他のトリクレジルホスフェート等の可塑剤等を添加、混合してもよい。
〔コロイダルシリカ〕
本発明に使用されるコロイダルシリカは、シリカ微粒子、あるいは表面にアルミナコーティングをしたシリカ微粒子であり、通常平均粒径が1〜100nm、望ましくは3〜50nmである。該コロイダルシリカは通常は水に分散した分散液として提供される。該シリカ微粒子において、平均粒径が100nmを越える場合、樹脂滲出層が白っぽくなるおそれがあり、平均粒径が1nm未満の場合、表面積が過大となって分散液の安定性が悪くなる。
〔調合〕
本発明の樹脂液にあっては、樹脂液中の樹脂分に対して上記コロイダルシリカは無水ケイ酸(SiO)としては5質量%以上添加することが必要である。コロイダルシリカの添加量が5質量%未満の場合には、樹脂光沢発生防止効果が奏されない。望ましい添加量は樹脂:SiOの質量比が95:5〜40:60になるように設定することである。
〔樹脂液含浸または塗布〕
上記多孔質材に上記樹脂液を含浸あるいは塗布するには、通常は液状樹脂あるいは樹脂溶液あるいは樹脂エマルジョンに該多孔質材を浸漬するか、あるいはナイフコーター、ロールコーター、フローコーター等によって塗布する。樹脂液を含浸または混合した樹脂液含浸多孔質材中の樹脂液量を調整するには、上記樹脂液を含浸または塗布後、該多孔質材を絞りロールやプレス盤を使用して絞る。
樹脂がフェノール系樹脂の場合、水あるいは水と水溶性有機溶剤との混合溶剤等を用いて初期縮合物の水溶液(初期縮合物液)として該多孔質材に含浸あるいは塗布する。そして、上記多孔質材に樹脂を含浸あるいは塗布した後、該樹脂含浸多孔質材は望ましくは加熱して乾燥する。
さらに、上記多孔質材に膨張黒鉛等の粉末状固体難燃剤を添加してもよい。該添加は、該樹脂組成物の溶液またはエマルジョンに粉末状固体難燃剤を分散させた分散液を調製し、これらを該多孔質材へ塗布、含浸すればよい。あるいは上記のように該多孔質材へ該樹脂液を塗布、含浸した後、水溶性樹脂の水溶液、アルカリ可溶性樹脂のエマルジョン等に上記粉末状固体難燃剤を分散させた分散液を調製し、該分散液を該多孔質材へ塗布あるいは含浸すればよい。
〔多孔質材の成形〕
本発明の多孔質材は平板状あるいは所定形状に成形されるが、通常、成形にはホットプレス成形が適用され、本発明の多孔質材に熱硬化性樹脂が含浸されている場合にはホットプレス温度は該熱硬化性樹脂の硬化温度以上に設定され、上記多孔質材に膨張黒鉛が添加されている場合には、ホットプレスの温度は該膨張黒鉛の膨張開始温度以下に設定される。本発明の多孔質材はホットプレスにより平板状に成形した後、更にホットプレスにより所定形状に成形されてもよく、また低融点繊維や熱可塑性樹脂が含まれている場合には、加熱して該低融点繊維や熱可塑性樹脂を軟化させてからコールドプレスによって所定形状に成形してもよい。しかし前記したように本発明の多孔質材が繊維シート場合、該繊維シートは他の繊維、特に低融点繊維を45質量%以下の量で含んでいるから、該低融点繊維の軟化点以上の温度のホットプレスを適用しても離型性は良好である。本発明の多孔質材は、複数枚重ねて使用してもよい。
本発明の成形多孔質材は、例えば、自動車の天井材、ダッシュサイレンサ、フードサイレンサ、エンジンアンダーカバーサイレンサ、シリンダーヘッドカバーサイレンサ、ダッシュアウターサイレンサ、フロアマット、ダッシュボード、ドアトリアム等の内外装材の基材、あるいは基材に積層する補強材あるいは、吸音材、断熱材、建築材料等として有用である。
上記プレス成形においては、該多孔質材に塗布、含浸、あるいは混合されている樹脂液が該多孔質材表面に滲出して来るが、該樹脂液滲出層にはコロイダルシリカが含まれているので、樹脂光沢の発生は効果的に防止される。
本発明の多孔質材の片面または両面に、不織布を積層してもよい。また該不織布に対して、該多孔質材に用いられる樹脂を塗布または含浸または混合してもよい。本発明の多孔質材と不織布との接着は、ホットメルトシート、ホットメルト接着剤粉末を介して行なうか、該多孔質材に樹脂が塗布されている場合該樹脂により接着させてもよい。
該ホットメルトシートやホットメルト接着剤粉末は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体等のポリオレフィン系樹脂(ポリオレフィン系樹脂の変性物を含む)、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエステル共重合体、ポリアミド、ポリアミド共重合体等の1種または2種以上の混合物等の低融点樹脂を材料とする。
ホットメルトシートを接着に使用する場合には、例えば、Tダイより押し出されたホットメルトシートを上記多孔質材にラミネートし、更に上記多孔質材に不織布を積層して熱圧プレス成形する。
通気性を確保するためには、該ホットメルトシートは多孔性であることが望ましい。該ホットメルトシートを多孔性にするには、該ホットメルトシートに予め多孔を設けるか、あるいは上記多孔質材に該ホットメルトシートをラミネートしてからニードル等によって多孔を設けるか、あるいは該多孔質材多孔質材に例えば、Tダイより押出された加熱軟化状態のホットメルトシートをラミネートし、押圧すると該フィルムに微細な多孔が形成される。該多孔は、多孔質材表面の毛羽によって形成されるものである。この方法ではホットメルトシートを予め多孔にする工程を必要としないし、また微細な多孔は製品の吸音性にとって良い影響を及ぼす。上記ホットメルト接着剤粉末を接着に使用する場合には、積層物の通気性は確保される。
上記積層多孔質材を所定形状に成形して得られる成形物の通気抵抗は0.1〜100kPa・s/mであることが望ましい。通気抵抗が0.1〜100kPa・s/mの範囲にある成形物は吸音性に優れる。
以下、本発明を実施例によって説明する。なお本発明は以下に示される実施例のみに限定されるものではない。
本実施例に使用したコロイダルシリカ分散液を下記する。
日産化学工業(株):スノーテックス20、スノーテックス30、スノーテックス40
、スノーテックスC、スノーテックスN、スノーテックスO、
スノーテックスS、スノーテックス20L、スノーテックスOL
(商品名)
日華化学(株):プライムートンFF−1(商品名)
共栄社化学(株):CLA−530(商品名)
コルケート(株):HAS−10(商品名)
日本化学工業(株):シリカドール(商品名)
〔実施例1〕
ポリエステル繊維からなるニードルパンチング法による目付量80g/m2の不織布を繊維シートとして使用した。レゾール型フェノール−ホルムアルデヒド初期縮合物(固形分:40質量%水溶液)と、コロイダルシリカ液としてスノーテックス40(日産化学工業製:SiO濃度40質量%水溶液、商品名)との混合物(初期縮合物(樹脂)/スノーテックス(SiO)=95〜20/5〜80質量比)からなる樹脂液を調製した。該繊維シートに該樹脂液を含浸させた後、マングルロールにて該繊維シートを絞って該樹脂液を該繊維シートに対して40%の含浸量になるように調節し、120℃で4分間乾燥させプレキュアさせた樹脂含浸繊維シートを表皮材とし、基材としてメラミン樹脂フォーム(厚さ:20mm、密度:8.5kg/m3)を用い、該表皮材と基材を重合させ200℃×60秒熱圧成形し、厚さt=10mmおよび5mmの成形物を得た結果を表1に示す。
〔比較例1〕
実施例1において、樹脂液を初期縮合物(樹脂)/スノーテックス(SiO)=97/3質量比とした他は同様にして熱圧成形させた成形物の結果を表1に示す。
Figure 2013209659
表1の結果より、成形物の厚さが小さくなると、成形時における表面への面圧力が大きくなり、表面に生じる樹脂光沢現象が激しくなることが判る。また、比較例1(試料No.7)に見られるように、コロイダルシリカの初期縮合物に対する添加比率が少なくなると樹脂光沢が表面に発生する割合が大きくなり外観が悪くなることが判る。また、実施例1の試料No.4〜No.6に見られるようにコロイダルシリカの初期縮合物に対する添加比率が一定以上含まれる場合、樹脂光沢にはそれ以上の変化は見られないことが判る。
〔実施例2〕
ポリエステル樹脂からなるニードルパンチング法による目付量800g/m2、厚さ15mmからなる不織布である繊維シートに、実施例1で用いた樹脂液を含浸させた後、マングルロールにて該繊維シートを絞って該樹脂液を該繊維シートに対して60%の塗布量になるように調節し、吸引しながら120℃で8分間乾燥させ、プレキュアした繊維シートを210℃×60秒熱圧成形し、厚さt=10mmおよび5mmの成形物を得た結果を表2に示す。
〔比較例2〕
実施例2において、比較例1で用いた樹脂液とした他は実施例2と同様にして熱圧成形した成形物の結果を表2に示す。
Figure 2013209659
表2の結果より、比較例2(試料No.14)に示すように、コロイダルシリカの初期縮合物に対する添加量が少なくなると樹脂光沢発生現象が大きくなることが判る。また、実施例2の試料No.14に示すように初期縮合物に対するコロイダルシリカの添加量が多くなると、結果として、表面の外観は良くとも、強度に対する影響が悪くなることが判る。
〔実施例3〕
ポリエステル繊維からなるニードルパンチング法による目付量80g/m2の不織布を繊維シートとして使用した。スルホメチル化フェノール−アルキルレゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物(固形分:45質量%水溶液)40質量部、カーボンブラック(固形分:30質量%水分散溶液)1質量部、フッ素系撥水撥油剤(固形分:25質量%水溶液)2質量部、窒素、リン含有難燃剤(固形分:40質量%水分散溶液)5質量部、ワックス系内部離型剤(固形分:40質量%水分散溶液)0.5質量部、スノーテックス20(日産化学工業(株)製:SiO濃度20質量%水溶液、商品名)20質量部、水31.5質量部からなる樹脂液を調製した。該繊維シートに該樹脂液を該繊維シートに対して30質量%の塗布量になるようにロールにて塗布含浸し、更に該繊維シートの裏面にホットメルト接着剤としてポリアミド粉末(粒子径:400〜500μm、融点:130℃)を8g/m2の塗布量で散布させた後、140℃で3分間乾燥させプレキュアすると同時に、該ホットメルト接着剤を該繊維シートに融着固定させ難燃性繊維シートを得た。該難燃性繊維シートを表皮材として使用し、難燃性基材としてメラミン樹脂フォーム(厚さ:20mm、密度:8.5kg/m3)を用い、該難燃性繊維シートの裏面と該メラミン樹脂フォームを重合させて200℃で60秒間熱圧プレス成形し所定形状の成形物を得た。得られた成形物は剛性に優れ、両端の厚さt=2〜3mmに圧縮された成形部分にも樹脂光沢発生現象は見られず、外観も異常が無くまた難燃性に優れた成形物で、自動車のエンジンフードサイレンサや、ダッシュアウタサイレンサとして有用である。
〔比較例3〕
実施例3において、樹脂液のスノーテックスを水に変更した以外は同様にして成形物を得た。得られた成形物は、剛性は良好であるが表面の全面に樹脂光沢発生が見られ、特に両端の厚さt=2〜3mmに圧縮された面は光沢発生が激しく、外観不良であった。
〔実施例4〕
ポリエステル繊維からなるニードルパンチング法による目付量50g/m2の不織布を繊維シートとして使用した。スルフィメチル化フェノール−アルキルレゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物(固形分:45質量%水溶液)40質量部、カーボンブラック(固形分:30質量%水分散溶液)1質量部、フッ素系撥水撥油剤(固形分:25質量%水溶液)2質量部、窒素、リン含有難燃剤(固形分:40質量%水分散溶液)5質量部、スノーテックスC(日産化学工業(株)製:SiO濃度20質量%水溶液、商品名)30質量部、水22質量部からなる樹脂液を調製した。該繊維シートに該樹脂液を該繊維シートに対して20質量%の塗布量になるようにロールにて塗布含浸し、140℃で2分間乾燥させプレキュアされた難燃性繊維シートを得た。該難燃性繊維シートを表皮材として使用し、難燃性基材としてポリリン酸アンモニウム粉末が繊維の20質量%、および硬化剤入りノボラック型フェノール樹脂粉末が繊維の25質量%混合された再生繊維からなる未硬化難燃性フェルト原綿(厚さ:20mm、目付量:1000g/m2)を用い、該難燃性繊維シートの裏面と該未硬化フェルト原綿とを重合させて200℃で60秒間熱圧プレス成形し所定形状の成形物を得た。得られた成形物は剛性に優れ、樹脂による樹脂光沢発生現象は見られず、表皮外観も異常が無く、また難燃性に優れた成形物で、自動車のエンジンフードサイレンサや、ダッシュアウタサイレンサ、シリンダーヘッドカバーサイレンサ、エンジンアンダーカバーサイレンサ等として有用である。
〔実施例5〕
ポリエステル・レヨン繊維からなるケミカルボンド法による不織布(厚さ:1.0mm、目付量:150g/m2)を繊維シートとして使用した。メチル化トリメチロールメラミン樹脂(固形分:60質量%水溶液)20質量部、フッ素系撥水撥油剤(固形分:25質量%水溶液)1質量部、窒素、リン含有難燃剤(固形分:40質量%水分散溶液)3質量部、スノーテックスN(日産化学工業(株)製:SiO濃度20質量%水溶液、商品名)30質量部、水44.6質量部、および有機アミン系硬化剤1.4質量部からなる樹脂液を調製した。該繊維シートに該樹脂液を該繊維シートに対して10質量%の塗布量になるようにロールにて塗布含浸し、110℃で2分間乾燥させ難燃性繊維シートを得た。該難燃性繊維シートを表皮材として使用し、難燃性基材としてレゾール型フェノール樹脂が添加されたガラスウール原綿(厚さ:50mm、目付量:600g/m2)を用い、該難燃性繊維シートと該ガラスウール原綿の間に、厚さ5mmのウレタンフォームの両面にメチレンジイソシアネートが10g/m2の塗布量で塗布されたウレタンフォームをクッション層として挟み込み、200℃で50秒間熱圧プレス成形し所定形状の成形物を得た。得られた成形物は、樹脂光沢発生現象が無く、表皮外観も良好な成形物であった。
〔実施例6〕
ポリエステル繊維からなるニードルパンチング法による目付量70g/m2の不織布を繊維シートとして使用した。フェノール−レゾルシン−ホルムアルデヒド初期縮合物(固形分:45質量%水溶液)40質量部、カーボンブラック(固形分:30質量%水分散溶液)1質量部、フッ素系撥水撥油剤(固形分:25質量%水溶液)2質量部、窒素、リン含有難燃剤(固形分:40質量%水分散溶液)5質量部、スノーテックスS(日産化学工業(株)製:SiO濃度30質量%水溶液、商品名)20質量部、水32質量部からなる樹脂液を調製した。該繊維シートに該樹脂液を該繊維シートに対して25質量%の塗布量になるようにロールにて塗布含浸し、更に該繊維シートの裏面にホットメルト接着剤としてポリアミド粉末(粒子径:40〜50μm、融点:130℃)5質量部、ポリリン酸アンモニウム粉末(粒子径:30〜40μm)20質量部、アクリルエマルジョン(固形分:50質量%)15質量部、水60質量部からなる樹脂液をスプレーにて100g/m2(wet)の塗布量で塗布し、140℃で4分間乾燥させプレキュアさせた難燃性繊維シートを得た。該難燃性繊維シートを表皮材として使用し、難燃性基材としてメラミン樹脂フォーム(厚さ:20mm、密度:9.1kg/m3)を用い、該難燃性繊維シートの裏面と該メラミン樹脂フォームを重合させて200℃で60秒間熱圧プレス成形し所定形状の成形物を得た。得られた成形物は剛性に優れ、厚さが2〜3mm程度に圧縮された成形部分でも樹脂光沢発生現象が表皮材表面に見られず、外観が良好で剛性に優れ、また難燃性、吸音性に優れた成形物で、自動車のエンジンフードサイレンサや、ダッシュアウタサイレンサとして有用である。
〔比較例4〕
実施例6において、樹脂液のスノーテックスSを水に変更した以外は同様にして成形して得られた成形物は、剛性、吸音性、難燃性は良好であるが、表皮材表面に樹脂光沢発生が見られ、特に厚さが2〜3mmに圧縮された即ち、成形時における面圧が大きくなる部分に樹脂光沢発生現象が激しく現れ、外観が悪く見栄えが悪くなる。
〔実施例7〕
ポリエステル繊維からなるニードルパンチング法による目付量120g/m2の不織布を繊維シートとして使用した。フェノール−ホルムアルデヒド初期縮合物(固形分:45質量%水溶液)40質量部、カーボンブラック(固形分:30質量%水分散溶液)1質量部、界面活性剤からなる内部添加用離型剤(固形分:30質量%水溶液)2質量部、スノーテックス40(日産化学工業(株)製:SiO濃度40質量%水溶液、商品名)5質量部、水52質量部からなる樹脂液を調製した。該繊維シートに該樹脂液を該繊維シートに対して25質量%の塗布量になるようにロールにて塗布含浸し、130℃で3分間乾燥させプレキュアさせた繊維シートを表皮材とし、基材としてレゾール型フェノール樹脂が添加されたガラスウール原綿(厚さ:50mm、目付量:600g/m2)を用い、該表皮材と重合させ200℃で60秒間熱圧成形した後、所定形状にトリムを行なった結果を表3に示す。
〔実施例8〕
実施例7において、界面活性剤からなる内部添加用離型剤を除き、水を54質量部とし
た他は同様にして成形した後、所定形状にトリムを行なった結果を表3に示す。
〔比較例5〕
実施例7において、スノーテックス40を除き、水を57質量部とした他は同様にして
成形した後、所定形状にトリムを行なった結果を表3に示す。
〔実施例6〕
実施例7において、スノーテックス40および内部添加用離型剤を除き、水を59質量
部とした他は同様にして成形した後、所定形状にトリムを行なった結果を表3に示す。
Figure 2013209659
試験結果より実施例8および比較例5からシリカの添加により従来の内部離型剤と同程
度の脱型効果があることが判る。またトリム性でもシリカを添加することにより鋭敏なト
リム面が得られることが判る。これらはシリカにより繊維間相互の結着が強固になり、ま
た繊維の硬さおよび剛性の向上による結果と思われる。
本発明によって得られる成形多孔質材は表面に樹脂光沢の発生が見られないので、優れ
た外観を有するから、自動車や建物の内装材や外装材等に有用である。

Claims (4)

  1. 多孔質材の表面に塗布または多孔質材内部に含浸せしめる熱硬化性樹脂液であり、該熱硬化性樹脂液には樹脂分に対して5質量%以上のコロイダルシリカが添加されており、
    該樹脂液を該多孔質材の表面に塗布または多孔質材内部に含浸せしめてプレス成形したときに、プレス圧によって該樹脂液が該多孔質材の表面に滲出しても該コロイダルシリカによって該多孔質材の表面に樹脂液に含まれている熱硬化性樹脂による樹脂光沢が表れないようにされている
    ことを特徴とする多孔質材加工用樹脂液。
  2. 上記多孔質材は繊維シートである請求項1に記載の多孔質材加工用樹脂液。
  3. 請求項1の多孔質材加工用樹脂液を多孔質材の表面に塗布あるいは該多孔質材内部に含浸せしめ、該樹脂液を塗布または含浸した多孔質材をプレス成形することによって、プレス圧で該樹脂液が該多孔質材の表面に滲出しても、該コロイダルシリカによって該多孔質材の表面に該樹脂液に含まれている熱硬化性樹脂による樹脂光沢が表れないようにする
    ことを特徴とする成形多孔質材の製造方法。
  4. 上記多孔質材は繊維シートである請求項3に記載の成形多孔質材の製造方法。
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