JP2013242201A - プロセスガス分析装置用の昇華性芳香族化合物除去部材、ならびにそれを含むプロセスガス分析装置 - Google Patents

プロセスガス分析装置用の昇華性芳香族化合物除去部材、ならびにそれを含むプロセスガス分析装置 Download PDF

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Abstract

【課題】サンプリング誤差が少なくなると同時に、配管系の昇華性芳香族化合物の結晶化による閉塞が防止できる昇華性芳香族化合物除去部材と、この部材を設置することにより、年間を通じて安定なプロセスガス成分の連続分析が可能なプロセスガス分析装置を提供すること。
【解決手段】不揮発性酸を含有する活性炭である吸着剤を有する、プロセスガス分析装置用の昇華性芳香族化合物除去部材、ならびに、昇華性芳香族化合物を含有するプロセスガスを導入する試料ガス導入部材と、上記昇華性芳香族化合物を除去する上記昇華性芳香族化合物除去部材と、上記試料ガス導入部材と上記除去部材との間に設けられたプロセスガス前処理部材と、上記除去部材の下流側に設けられたガス分析計とを有する、プロセスガス分析装置を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、プロセスガス分析装置用の昇華性芳香族化合物除去部材、ならびにそれを含むプロセスガス分析装置に関する。
従来、高ダスト及びVOC成分を多く含む高温石炭ガス化炉ガスの連続分析では、水洗浄式サンプリング装置を用いて、ダスト及びナフタレンとその化合物など、VOC成分の除去、試料ガスの冷却除湿を行っている。水洗浄式サンプリング方法には、水エジェクタ方式(図11参照)及び水洗バブラー式(図12参照)による試料ガス洗浄方法がある。
特許文献1には、ナフタレンが活性炭で除去できることが記載されている。しかしながら、活性炭を前処理に使用した場合、測定ガスも吸着してしまい、ガス分析の前処理には使用できない。
特開2008−163256号公報
本発明者らは、より精度の高いガス測定においては、従来方式では、ダスト除去は可能であるが、VOC成分であるナフタレンは昇華性物質であるため、洗浄水温度以下の飽和蒸気圧における濃度まで下げることはできないため問題となる場合があること、試料ガス流量(g)と洗浄水流量(w)との体積比g/wが25℃1atomにおいて通常1以下であり、洗浄水中への試料ガスの被測定成分ガスの溶解損失や、洗浄水中の溶存酸素の脱ガス現象による測定値への影響が無視できない場合があることを見出した。
具体例を示すと、水洗塔を用いる場合、石炭ガス化炉ガス中の酸素濃度は0.5%前後であるところ、水洗式洗浄塔で処理すると1.5%となり、約3倍まで増加し、監視上限濃度を超えてしまう。また、CO2は、石炭ガス化成分を燃料として用いる場合の発熱量を示すので重要な測定項目であるが、10〜20%の場合、水洗式洗浄塔で処理すると1/2までに半減する。このように従来のサンプリング装置では、石炭ガス化反応の効率監視も不正確になり、本プラントの安全な運転が維持できなくなる場合がある。
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、可溶性のガス成分の溶解損失が小さく、洗浄水の浪費がなく、溶存ガスの脱ガス現象による誤差が小さいプロセスガス分析装置、ならびにそれに用いる昇華性芳香族化合物除去部材を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、後段に特定の吸着剤を有する昇華性芳香族化合物除去部材を設置することにより、配管系や冷却器内での昇華性芳香族化合物の結晶化による閉塞が防止され、さらに、サンプリング誤差が少なくなることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、不揮発性酸を含有する活性炭である吸着剤を有する、プロセスガス分析装置用の昇華性芳香族化合物除去部材を提供する。
本発明の昇華性芳香族化合物除去部材では、昇華性芳香族化合物の吸着剤として不揮発性酸を含有する活性炭を使用するため、配管系や冷却器内での昇華性芳香族化合物の結晶化による閉塞を防止し、さらに、サンプリング誤差を少なくできる。
上記不揮発性酸は、りん酸であることが好ましい。
この場合に、不揮発性酸としてりん酸を使用することにより、取り扱いをより効果的に容易にでき、測定成分に対する作用をより効果的に低減できる。
上記吸着剤における上記不揮発性酸の含有量は、0.5重量%以上であることが好ましい。
この場合に、より効果的にCO2などの測定ガス成分の吸着を防ぐことができ、応答速度の遅れをより効果的に小さくできる。
さらに、上記不揮発性酸の含有量は、50重量%以下であることが好ましい。
この場合に、昇華性芳香族化合物の除去率をより高めることができ、配管系や冷却器内での昇華性芳香族化合物の結晶化による閉塞をより効果的に少なく出来る。
また、上記吸着剤は、さらに、10〜50重量%の水を含有することが好ましい。
この場合に、水が不揮発性酸を溶かして酸性の液になることで、より効果的にCO2などの測定ガス成分の吸着を防ぐことができる。
また、本発明は、昇華性芳香族化合物を含有するプロセスガスを導入する試料ガス導入部材と、上記昇華性芳香族化合物を除去する、上記の昇華性芳香族化合物除去部材と、上記試料ガス導入部材と上記除去部材との間に設けられたプロセスガス前処理部材と、上記除去部材の下流側に設けられたガス分析計とを有する、プロセスガス分析装置を提供する。
本発明におけるプロセスガス分析装置の構成によれば、年間を通じて安定なプロセスガス成分の連続分析が可能となる。
上記プロセスガス前処理部材は、水洗浄器であることが好ましい。
この場合に、より効果的に試料ガス中の昇華性芳香族化合物の濃度を低減できる。
さらに、上記水洗浄器における、25℃1atmでのプロセスガス流量Gと水流量Wとの体積比G/Wは、5以上であることが好ましい。
この場合に、ガス/水流量比を所定値に保つことにより、測定ガス濃度をより効果的に正確に計測することができる。
また、上記プロセスガス前処理部材と上記昇華性芳香族化合物除去部材との間に、さらに、冷却器を有していてもよい。
この場合に、より効果的に試料ガス中の昇華性芳香族化合物の濃度を低減できる。
本発明によれば、ナフタレンなどの昇華性芳香族化合物を気相状態で選択的に除去することにより、指示誤差や応答速度の遅れが少なくなり、石炭ガス化などのプロセスガス分析計の精度向上及びプラントの安全運転に貢献できる。
本発明の実施の一形態に係るプロセスガス分析装置の構成を示す図である。 本発明の他の実施の一形態に係るプロセスガス分析装置の構成を示す図である。 本発明の実施の一形態に係る昇華性芳香族化合物除去部材の構成を示す図である。 本発明の実施の一形態に係る昇華性芳香族化合物除去部材のカラムの構成を示す図である。 実施例のプロセスガス分析装置の、サンプリングフロー図である。 実施例のプロセスガス分析装置における、試料ガス中ナフタレン濃度の除去ステップの計算例を示す図である。 実施例の水洗浄装置における、G/Wに対する試料ガス中CO2の回収率変化を表すグラフである。 実施例の水洗浄装置における、G/Wに対する試料ガス中溶存酸素の脱気影響を表すグラフである。 実施例の昇華性芳香族化合物除去部材における、りん酸濃度とCO2応答特性との関係を表すグラフである。 実施例の昇華性芳香族化合物除去部材における、りん酸濃度とナフタレン破過特性との関係を表すグラフである。 従来例の水ジェット式洗浄装置を概略的に表す図である。 従来例の水洗バブラー式洗浄装置を概略的に表す図である。
[プロセスガス分析装置]
本発明のプロセスガス分析装置は、昇華性芳香族化合物を含有するプロセスガスを導入する試料ガス導入部材と、昇華性芳香族化合物を除去する昇華性芳香族化合物除去部材と、上記試料ガス導入部材と上記除去部材との間に設けられたプロセスガス前処理部材と、除去部材の下流側に設けられたガス分析計とを有する。昇華性芳香族化合物除去部材は、不揮発性酸を含有する吸着剤を有する。
本発明のプロセスガス分析装置で分析するプロセスガスとしては、コークス炉ガス、石炭ガス化ガス、製鉄炉ガス、石油精製プロセスガス、有機性廃棄物ガス化ガス等が挙げられる。これらのプロセスガスは、ナフタレン、アントラセン、パラジクロロベンゼン等の昇華性芳香族化合物を含有している。昇華性芳香族化合物は、「昇華性」であるため、ガス状で流れてきたものが冷えて結晶化するという点、「芳香族化合物」は材料(特にプラスチックやポリ塩化ビニルでできた継ぎ手などの部品)を劣化させる点で問題となる。
図1に、本発明の実施の一形態に係るプロセスガス分析装置10の構成を示すと、4は試料ガス導入部材、6はプロセスガス前処理部材、2は昇華性芳香族化合物除去部材(以下、単に除去部材と称する場合がある)、8はガス分析計である。また、図2に本発明の他の実施の一形態に係るプロセスガス分析装置11の構成を示すと、プロセスガス前処理部材6は後述のように水洗浄器61であってもよく、この場合、水洗浄器61と除去部材2との間にさらに冷却器65を設けても良い。冷却器としては、蛇管式冷却器または蛇管式冷却器付きウェットフィルタ等が使用できる。冷却器を設けることにより、プロセスガス中の昇華性芳香族化合物をより確実に除去することができる。蛇管は、1〜2mのステンレス管が好ましく使用できる。これにより、プロセスガスを確実に室温まで冷却できる。
(1)試料ガス導入部材
試料ガス導入部材は、プロセスガス分析装置にプロセスガスを導入する。試料ガス導入部材としてはプローブ管が使用できる。試料ガス導入部材には、試料ガス導入部材を加熱・保温する加熱部を有していても良い。試料ガス導入部材は、プロセスガスが流通するダクトに挿入され、プロセスガスを吸引採取し、水洗浄器に導入する。試料ガス導入部材の材質は、耐熱性および耐食性を有するステンレス鋼などの金属素材あるいはセラミックスなどの無機素材を用いることが好ましい。試料ガス導入部材としては、例えば外径6mm/内径4mmあるいは外径8mm/内径6mm、長さ1〜5m程度のストレート管を用い、プロセスガス流路となるその内部は、表面滑性を有することが好ましい。
試料ガス導入部材の使用温度は、水分や低沸点物の凝縮およびこれに伴う腐食やナフタレンの発生・付着等を回避するために、100〜500℃に維持することが好ましい。ダクト内が約300〜400℃程度の高温状態の場合には、プロセスガスをそのまま採取することによって、試料ガス導入部材の温度は200℃以上の高温を維持することができるが、通常、プロセスガス温度の変化あるいは燃焼設備の立ち上げや負荷変動、冬季や寒冷地などの補完として加熱部を設けることが好ましい。加熱部は、試料ガス導入部材の外周全体を覆うことによって、効率的な加熱を行い、保温機能を確保することができる。
(2)プロセスガス前処理部材
プロセスガス前処理部材は、上記試料ガス導入部材から導入された試料ガスから、昇華性芳香族化合物を除去する。ここでの除去方法としては、試料中に含まれる昇華性芳香族化合物の濃度を、下流の昇華性芳香族化合物除去部材の処理温度における昇華性芳香族化合物の飽和蒸気圧以下とすることが出来れば特に限定されない。プロセスガス前処理部材としては、試料ガスの冷却機構を有し、昇華性芳香族化合物を析出、除去できる部材であればよい。プロセスガス前処理部材による処理後の試料ガスの温度は、例えば40℃以下、好ましくは、洗浄水の温度(例えば15〜25℃)とする。プロセスガス前処理部材としては、水洗浄器が好ましく使用できる。
(2−1)水洗浄器
水洗浄器では、上記試料ガス導入部材から導入された試料ガスに水分(洗浄水)を注入(供給)して、試料ガスを冷却・洗浄する。水分は、霧状の水分として供給されてもよい。洗浄水は、市水又は工業用水等の給水ラインから供給できる。試料ガス流量は、2〜5L/min(ドライベース、25℃、1気圧)とすることができる。試料ガス流量G(ドライベース、25℃、1気圧)と洗浄水流量W(25℃、1気圧)との比G/Wは、5以上(例えば5〜15)が好ましく、10以上がより好ましい。G/Wが5未満では、試料ガス中のCO2などの可溶性ガスが洗浄水に溶け込み、可溶性ガスの測定値が不正確となる場合があり、また、洗浄水中の溶存酸素が試料ガス中に入り込み、酸素濃度の測定値が不正確となる場合がある。G/Wが15超では、試料ガスの洗浄及び冷却が不十分となり、昇華性芳香族化合物の除去が不十分となる場合がある。水洗浄器を通過した試料ガスと水分の混合物は、例えば、気液分離器により分離され、ここで析出した昇華性芳香族化合物は、水と共にドレンポットに回収される。
(3)昇華性芳香族化合物除去部材
本発明の昇華性芳香族化合物除去部材は、不揮発性酸を含有する吸着剤を含有する。昇華性芳香族化合物除去部材としては、気相状態で昇華性芳香族化合物を除去できる部材が好ましい。気相状態で昇華性芳香族化合物を除去することにより、プロセスガスへの酸素の混入やCO2などの可溶性ガスの溶解損失が防止しやすくなる。昇華性芳香族化合物除去部材としては、昇華性芳香族化合物を除去する吸着剤を充填したカラムが挙げられる。カラム容量と吸着剤の充填量は、処理する昇華性芳香族化合物の濃度、流量及び使用時間により異なるが、たとえば、カラム容量200〜400mL、吸着剤50〜200gとすることができる。カラムとしては、1系列、2系列、2対シリーズの2系列などの任意のカラムが使用できる。2系列にすることは、連続測定においてより有利な効果が得られる。
図3に、本発明の実施の一形態に係る昇華性芳香族化合物除去部材200の構成を示す。昇華性芳香族化合物除去部材200は、入口側にキャップ210を有し、カラム本体220、スペーサ230、出口側キャップ240より構成されている。キャップ210及び240には、ガスが通過する穴が設けられ、図に示す管径の小さい部分にも貫通穴が設けられている。図中の矢印は、ガスの流れ方向を示す。スペーサ230はドレントラップ機構であり、水が溜まるスペースである。入口側と出口側にキャップを付けることで、保存している間も吸着剤の水分量を保持することが出来る。キャップの管径の小さい部分のガスの入口側と出口側は、保存中は蓋などでシールしていてもよい。また、出口側キャップ240とスペーサ230は、予め接着(下部接着シール)していてもよい。
カラム本体220は、図4に示すように、入口キャップ側から順に、プラスチックネット201/フィルタ層202〜204/吸着剤粒子層205/フィルタ層206〜208/プラスチックネット209を備えている。プラスチックネットを配置することにより、ナフタレン等の昇華性芳香族化合物の結晶などによる目詰まりを防止できる。フィルタ層203、204、206、207は、フィルタ層202、208より目を細かくしてもよい。
吸着剤
本発明の昇華性芳香族化合物除去部材では、吸着剤として不揮発性酸を含有する活性炭を含んでいる。不揮発性酸としては、りん酸、硫酸、過マンガン酸等が挙げられる。これに加えて、上記不揮発性酸の塩を含有していてもよい。不揮発性酸としては、取扱い面や測定成分に対する作用を考慮するとりん酸が好ましい。昇華性芳香族化合物除去部材は、本発明の効果を妨げない範囲で、他の吸着剤を併用してもよい。
吸着剤における不揮発性酸の濃度は、0.5重量%以上(例えば0.5〜50重量%)が好ましく、5〜50重量%がより好ましく、10〜50重量%がさらに好ましい。不揮発性酸を含有しない場合には、CO2の90%応答性が悪い。不揮発性酸の含有濃度が0.5重量%未満では、CO2の90%応答性が不十分な場合がある。不揮発性酸の濃度が50重量%を超える場合には、昇華性芳香族化合物の除去率が十分でない場合がある。
不揮発性酸を含有する活性炭は、例えば、非揮発性酸の溶液に活性炭を浸漬した後、取り出して溶媒を除去すること等、公知の方法により製造できる。
2対シリーズカラムの場合、吸着剤における不揮発性酸の含有量は同じであっても異なっていても良く、例えば、不揮発性酸濃度が0重量%と5重量%のカラム、5重量%と10重量%のカラム、10重量%と15重量%のカラム、15重量%と20重量%のカラム、20重量%と30重量%のカラム等が使用できる。
吸着剤は、上記に加えて水を含んでいることが好ましい。この場合に、水が不揮発性酸を溶かして酸性の液になることで、より効果的にCO2などの測定ガス成分の吸着を防ぐことができる。水の含有量としては、0.5〜50重量%が好ましく、20〜50重量%がより好ましい。水の含有量が0.5重量%未満では、CO2の90%応答性が不十分な場合がある。水の含有量が50重量%を超える場合には、ガスの通気性が十分でない場合がある。さらに、吸着剤中の不揮発性酸の濃度が10重量%未満である場合には、水の含有量は40〜50重量%であることが好ましい。
吸着剤への水の添加方法は、不揮発性酸を含有する吸着剤に水を含ませることができれば特に限定されないが、例えば所定量の水をスプレーすること、又は、水に上記吸着剤を浸漬した後、速やかに取り出して余分の水を除去すること等により製造できる。水の除去は、例えば、75〜100℃にて2〜5時間の処理により行うことができる。
(4)冷却器
上記プロセスガス前処理装置が水洗浄器である場合、水洗浄器と除去部材との間には、冷却器を設けても良い。冷却器を設けることにより、水洗浄器においてプロセスガスの洗浄及び冷却が不十分な場合にも、プロセスガスを確実に洗浄水温度、好ましくは25℃まで冷却でき、昇華性芳香族化合物濃度を、洗浄水温度での昇華性芳香族化合物の飽和蒸気圧以下にすることができる。
冷却器としては、ステンレス製の蛇管式冷却器が好ましく使用できる。蛇管式冷却器では、蛇管に市水又は工業用水などの供給口から冷却水を導入して、蛇管の外側を通過するガスを冷却する。冷却水の温度は、好ましくは、常温(例えば5〜30℃、好ましくは25℃以下)とすることができる。冷却器出口の試料ガスの温度は、好ましくは常温(例えば5〜30℃、好ましくは25℃以下)とすることができる。蛇管外側に析出・付着した昇華性芳香族化合物は、例えば、蛇管に振動を与えて付着物を遊離させた後に水等で洗浄して、ドレンポットに回収できる。冷却水は、上記の市水又は工業用水等の給水ラインから供給できる。ガス蛇管式冷却器の下流には、さらにウェットフィルタを設け、析出した昇華性芳香族化合物や、ダストを捕獲しても良い。冷却器を設けた場合、プロセスガス中の昇華性芳香族化合物を、冷却水温度(例えば5〜30℃、好ましくは25℃以下)の飽和蒸気圧の濃度まで、より確実に除去することができる。
(5)ガス分析計
ガス分析計では、プロセスガス中のO2濃度、CO濃度、CO2濃度ならびにCH4濃度等を分析する。O2濃度は、上記プロセスの安定稼動のために重要な測定項目である。O2濃度が高いと危険であるため、例えば0.5vol%程度の監視上限濃度が設定される。CO2濃度は、ガス化ガスの発熱量の指標を示す重要な測定項目である。これらのガス分析は、プロセス制御に使用されるため、早い応答速度(例えば2分以下)が必要である。
ガス分析は、室温以下の温度(例えば、0〜15℃、好ましくは5℃程度)で行う。ガス分析される試料ガスは、ガス分析計において上記測定温度に冷却される。この場合に、上記測定温度における昇華性芳香族化合物の飽和蒸気圧を超える昇華性芳香族化合物が試料ガスに含まれていると、昇華性芳香族化合物が析出し、目詰まりしてしまい、連続測定ができなくなる。このため、ガス分析される試料ガス中の昇華性芳香族化合物の濃度は、上記測定温度における昇華性芳香族化合物の飽和蒸気圧以下とすることが好ましい。
以下、実施例のプロセスガス分析装置について、図面を参照しながら説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
図5に実施例のプロセスガス分析装置12を示す。プロセスガス分析装置12を、試料ガス導入部材としてのプローブ管40と、プロセスガス前処理部材としての水洗浄器60と蛇管式冷却器付ウェットフィルタ62と、昇華性芳香族化合物除去部材としての気相ナフタレン除去ユニット20と、分析計80とから構成した。プロセスガス分析装置12では、水洗浄器60と、蛇管式冷却器付ウェットフィルタ62と、気相ナフタレン除去ユニット20とにより、試料ガス中のナフタレン濃度を所定の濃度まで低下させた。
<試料ガス導入部材>
試料ガス導入部材としてのプローブ管40を、プロセスガスが流通するダクトに挿入し、プロセスガスを吸引採取し、水洗浄器60に導入した。プローブ管40としては、外径6mm/内径4mmあるいは外径8mm/内径6mm、長さ1〜5m程度のステンレス製のストレート管を用いた。プローブ管40の使用温度は100〜500℃に維持した。ダクト内は約300〜400℃程度であり、プロセスガスをそのまま採取することによって、プローブ管40の温度は200℃以上の高温を維持していた。
<プロセスガス前処理部材>
吸引採取されたプロセスガスを、加熱された状態で、その下流に設けたプロセスガス前処理部材としての水洗浄器60に導入した。プロセスガスの導入量は、3L/min(1atm、25℃換算)とした。市水又は工業用水の給水ライン31から、流量計付きバルブ32ならびにマグネットモーターバルブ33を開くことにより、種々の流量の洗浄水を水洗浄器60に供給した。そして、プロセスガス中のダスト並びにガスの冷却により析出したナフタレンを洗浄水中に集塵した。
水洗浄器60を通過したプロセスガスと洗浄水の混合流体は、マグネットモーターバルブ34を介してドレンセパレータ35へ導入した。プロセスガスと洗浄水の混合流体を気液分離し、液体はドレンポット36に集め、気体は蛇管式冷却器付ウェットフィルタ62へ導入した。ここで、モーターバルブ34付近でのプロセスガスの温度は40℃程度であった。また、水洗浄器60は、下流37からの清浄ガスのエアパージにより、定期的に清浄を行うことができる。エアパージにより、水洗浄器60内に付着したダストならびにナフタレンを除去することができる。
蛇管式冷却器付ウェットフィルタ62では、給水ライン31から、流量計付きバルブ38を開くことにより蛇管63に冷却水25を供給し、プロセスガスを冷却水の温度(25℃)まで冷却してナフタレンを析出させた。蛇管63の外部に付着する等して析出したナフタレンは、ドレンポット39又はフィルタ64で捕捉した。蛇管式冷却器付ウェットフィルタ62を通過したプロセスガスは、昇華性芳香族化合物除去部材としての気相ナフタレン除去ユニット20に導入した。
<昇華性芳香族化合物除去部材>
昇華性芳香族化合物除去部材としての気相ナフタレン除去ユニット20には、約300mLの容積のナフタレン除去カラム(不図示)を設けた。ナフタレン除去カラムは、順に、プラスチックネット/フィルタ層/吸着剤粒子層(吸着剤100g充填)/フィルタ層/プラスチックネット/ドレントラップ機構より構成した。ナフタレン除去カラムの入口側にはキャップ21を、出口側にはキャップ22を設けた。吸着剤としては、所定の濃度のりん酸を含有する活性炭(吸着剤1)、ならびに所定の濃度のりん酸を含有する活性炭にさらに水を含有させた活性炭(吸着剤2、3)を使用した。また、比較例として、上記吸着剤1〜3においてりん酸を含有しない活性炭(りん酸濃度0%)を作製し、使用した。
吸着剤1は、りん酸水溶液に活性炭を含浸後、110℃4時間、真空乾燥することにより作製した。吸着剤2は、100gの吸着剤1に対して40gの割合の水をスプレーすることにより作製した。吸着剤3は、吸着剤1を、水に浸漬後に数秒で取り出し、80℃で3時間処理して作製した。吸着剤3の含水量は、53.3重量%(平均値)であった。
<ガス分析計>
上記吸着剤を充填したナフタレン除去カラムを通したプロセスガスのうち、0.5L/minを吸引ポンプ43を介して分析計ライン46へ導入し、残りの2.5L/minを吸引ポンプ42を介してバイパスライン45へ流した。分析計ライン46では、導入したガスを電子冷却器44で5℃付近まで冷却した。このガスを、ガス分析計80に導入して、O2,CO2濃度を測定した。ここで、電子冷却器44を2段構えとして、詰まりが生じた場合に交換してもよい。
<試料ガス中ナフタレン濃度の低下ステップ>
図6に、ナフタレン濃度の低下ステップを示す。水洗浄器60の出口付近での試料ガスの温度を40℃とすると、ナフタレンの濃度は、水洗浄器60により、40℃の飽和蒸気圧下において592ppmまで低下する(ステップ1)。次に、蛇管式冷却器付ウェットフィルタ62の出口付近での温度は、冷却水の水温25℃であり、ナフタレンの濃度は25℃の飽和蒸気圧下において120ppmまで低下する(ステップ2)。
ここで、分析計80では、後述のように試料ガスは5℃付近もしくは10℃付近まで冷却される。この場合のナフタレン濃度は、各温度での飽和蒸気圧下において10ppmもしくは20ppmまで低下する。分析計80に導入される試料ガス中のナフタレン濃度がこれより高いと、分析計80中の配管にナフタレンが析出・付着し、問題となる。従って、約5℃付近まで冷やす冷却器を使用する場合、気相ナフタレン除去ユニット20では、蛇管式冷却器付ウェットフィルタ62を通過したガス中の120ppmのナフタレンから110ppm(91.2%)のナフタレンを除去することが求められる(ステップ3)。すなわち、気相ナフタレン除去ユニット20におけるナフタレンの除去効率は92%以上であることが目標となる。
<水洗浄器におけるCO2の溶解損失>
水洗浄器60における、洗浄水の流量WとCO2回収率の関係を図7に示す。なお、プロセスガスの流量Gは3L/min(1atm、25℃換算)とした。洗浄水の流量Wとプロセスガスの流量Gとの比G/Wが5以上の場合に、CO2の溶解損失を10%未満(即ち、CO2回収率は90%以上)とすることができた。O2の発生を抑える観点からは、G/Wは10以上がより好ましい。
<水洗浄器における溶存酸素の脱気影響>
プロセスガスに代えて酸素を含まない窒素ガスを用いて、水洗浄器60における、洗浄水の流量Wによる洗浄水中の溶存酸素の脱気への影響を図8に示す。なお、窒素ガスの流量Gは3L/min(1atm、25℃換算)とした。洗浄水の流量Wとガスの流量Gとの比G/Wが5以上の場合、洗浄水から脱気されて窒素ガス中に含まれる酸素量は、0.05vol%未満となり、酸素の発生が抑えられた。
<CO2応答性に対するりん酸及び水添加効果>
上記吸着剤のりん酸及び水含有量とCO2の90%応答速度との関係を図9に示す。りん酸濃度は重量%を示す。昇華性芳香族化合物除去部材において、吸着カラムに活性炭のみを使用した場合には、90%応答には5〜6分を要した。活性炭にりん酸を添加することにより、応答性は向上した。水を含ませることにより、応答性はさらに向上し、低いりん酸含有量においても40〜50秒で90%応答が得られた。
<ナフタレン除去に対するりん酸添加効果>
上記吸着剤1に、100ppmのナフタレンを含有するガスをSV(触媒に流すガスの流量/触媒の容量)=4200(hr−1)で流し、ナフタレン除去に対するりん酸添加効果を検討した。結果を図10に示す。30重量%程度のりん酸濃度まで、ナフタレンの除去率は96%以上を確保できた。また、ナフタレンの他、パラジクロロベンゼンも除去されたことが確認できた。
本発明では、水洗浄器などのプロセスガス前処理部材の出口ガスは、任意に設けられる蛇管式冷却器などの冷却器を通過後、昇華性芳香族化合物除去部材を通過することにより、気相状態で外気温度飽和濃度以下まで昇華性芳香族化合物を除去するので、途中の配管や継ぎ手等の接続部での昇華性芳香族化合物の結晶化による閉塞が起こらないという顕著な効果が得られる。
以上、水洗浄器において、25℃1atomにおけるプロセスガス流量Gと水流量Wとの体積比G/Wが5以上であることが望ましい例を示したが、運転中ナフタレンやダストによる詰まりが発生する恐れがある場合は、供給水量を一時的に増大して、装置内管壁に付着するダスト類を強制的に除去するシステムを組み込むことができる。
10,11,12 プロセスガス分析装置
2、200 昇華性芳香族化合物除去部材
20 気相ナフタレン除去ユニット
4 試料ガス導入部材
40 プローブ管
6 プロセスガス前処理部
60,61 水洗浄器
62 蛇管式冷却器付ウェットフィルタ
65 冷却器
8,80 ガス分析計

Claims (9)

  1. 不揮発性酸を含有する活性炭である吸着剤を有する、プロセスガス分析装置用の昇華性芳香族化合物除去部材。
  2. 前記不揮発性酸がりん酸である、請求項1記載のプロセスガス分析装置用の昇華性芳香族化合物除去部材。
  3. 前記吸着剤における前記不揮発性酸の含有量が0.5重量%以上である、請求項1又は2記載のプロセスガス分析装置用の昇華性芳香族化合物除去部材。
  4. 前記不揮発性酸の含有量が50重量%以下である、請求項1〜3の何れか1項に記載のプロセスガス分析装置用の昇華性芳香族化合物除去部材。
  5. 前記吸着剤が、さらに、10〜50重量%の水を含有する、請求項1〜4の何れか1項に記載のプロセスガス分析装置用の昇華性芳香族化合物除去部材。
  6. 昇華性芳香族化合物を含有するプロセスガスを導入する試料ガス導入部材と、
    該昇華性芳香族化合物を除去する、請求項1〜5の何れか1項に記載のプロセスガス分析装置用の昇華性芳香族化合物除去部材と、
    該試料ガス導入部材と該除去部材との間に設けられたプロセスガス前処理部材と、
    該除去部材の下流側に設けられたガス分析計と
    を有する、プロセスガス分析装置。
  7. 前記プロセスガス前処理部材が水洗浄器である、請求項6記載のプロセスガス分析装置。
  8. 前記水洗浄器において、25℃1atomにおけるプロセスガス流量Gと水流量Wとの体積比G/Wが5以上である、請求項7記載のプロセスガス分析装置。
  9. 前記プロセスガス前処理部材と前記昇華性芳香族化合物除去部材との間に、さらに、冷却器を有する、請求項6〜8の何れか1項に記載のプロセスガス分析装置。
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