JP2013246899A - サージ防護デバイスの寿命診断装置 - Google Patents

サージ防護デバイスの寿命診断装置 Download PDF

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Abstract

【課題】サージ防護デバイスのインパルス寿命特性を考慮した正確な寿命判定ができる低コストなサージ防護デバイスの寿命診断装置を提供する。
【解決手段】サージ防護デバイスの寿命診断装置は、サージ防護デバイスに流れるサージ電流を検出する電流センサからの信号が入力される入力部11と、当該入力部11からのアナログ信号のピーク値をホールドするピークホールド部12と、当該ピークホールド部12によりホールドされたアナログ信号を指数関数的に減衰させる減衰部13とを有する第1〜第nサージ検出ユニットU1〜Unからの信号を受けて、サージ防護デバイスの寿命診断を行う処理装置1とその診断結果を表示する表示装置2とを備える。
【選択図】図3

Description

この発明は、サージ防護デバイスの寿命診断装置に関し、より詳しくは、サージ電流のピーク値に基づいて酸化亜鉛などを用いたサージ防護デバイスの寿命を診断するサージ防護デバイスの寿命診断装置に関する。
従来、サージ防護デバイス(SPD:Surge Protective Device)の寿命診断に関しては、種々の方法が開発されており、特許文献1(特許第4756904号)には、凡そ5種類の手法が挙げられ、その問題点が纏められている。それらの改善策としてサージ電流に比例した電圧の一定量の変化の度にサージ波形を記録して、サージ波形の面積を正確に積算することによって、サージ防護デバイスの寿命を診断する装置が記載されている。
上記特許文献1のサージ防護デバイスの寿命診断装置では、サージ波形の面積を計測し積算して、サージ防護デバイスの寿命判定に用いている。
しかしながら、上記サージ防護デバイスの寿命診断方装置では、サージの強度を適切に加味していないため、サージ防護デバイスの寿命を正確に判定できないという問題がある。
特許第4756904号
そこで、この発明の課題は、サージ防護デバイスのインパルス寿命特性を考慮した正確な寿命判定ができるサージ防護デバイスの低コストな寿命診断装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明のサージ防護デバイスの寿命診断装置は、
サージ防護デバイスに流れるサージ電流を検出する電流センサと、
上記電流センサにより検出された上記サージ電流をA/D変換するA/D変換器と、
上記A/D変換器によりA/D変換された上記サージ電流のピーク値に基づいて、上記サージ防護デバイスが上記サージ電流により受けたダメージ量に相当する値を演算する演算部と、
上記演算部により演算された上記サージ防護デバイスが上記サージ電流により受けたダメージ量に相当する値を積算する積算部と、
上記積算部により積算された積算値が予め設定された閾値以上か否かを判定する積算値判定部と
を備え、
上記演算部は、上記サージ防護デバイスが上記サージ電流により受けたダメージ量に相当する値Yを、
Figure 2013246899
ただし、IIN : 上記サージ電流のピーク値を表すデジタル値
: 基準電流値
α : 上記サージ防護デバイスによって決まる定数
により演算する。
上記構成によれば、図1に示すサージ防護デバイスのインパルス寿命特性例1(サージ防護デバイスの耐用回数とインパルス電流値との関係)に基づいて、サージ防護デバイスによって決まる定数αを決定して、上記式を用いて演算部によりサージ防護デバイスがサージ電流により受けたダメージ量に相当する値Yを演算することによって、サージ防護デバイスに与えられるダメージの累積量を正確に求めることが可能になるので、サージ防護デバイスのインパルス寿命特性を考慮した正確な寿命判定を低コストで行うことができる。
また、一実施形態のサージ防護デバイスの寿命診断装置では、
上記電流センサにより検出された上記サージ電流のピーク値を保持するピークホールド部を備え、
上記A/D変換器は、上記ピークホールド部により保持された上記サージ電流のピーク値を表すアナログ信号をA/D変換する。
上記実施形態によれば、ピークホールド部により保持されたサージ電流のピーク値を表すアナログ信号をA/D変換器によりA/D変換することによって、A/D変換や演算の処理動作が遅くても十分対応可能であり、高速サンプリング用の高価なA/D変換器や高速処理ができるDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ;Digital Signal Processor)などが用いなくても良く、コストを低減できる。
また、一実施形態のサージ防護デバイスの寿命診断装置では、
上記ピークホールド部から出力された上記サージ電流のピーク値を表すアナログ信号を指数関数的に減衰させる減衰部を備えた。
上記実施形態によれば、ピークホールド部から出力されたサージ電流のピーク値を表すアナログ信号を減衰部により指数関数的に減衰させることによって、比較的動作の遅い処理装置でも、その遅いサンプリング周期の間に十分なデータ処理を行う時間を確保することができる。
また、一実施形態のサージ防護デバイスの寿命診断装置では、
上記積算部により積算された上記積算値が上記閾値以上であると上記積算値判定部が判定すると、上記サージ防護デバイスが寿命に達したことを報知する報知部を備えた。
上記実施形態によれば、積算部により積算された積算値が閾値以上であると積算値判定部が判定すると、サージ防護デバイスが寿命に達したことを報知部により報知することによって、サージ防護デバイスが壊れる前に交換などのメンテナンスを迅速に行うことができる。
また、一実施形態のサージ防護デバイスの寿命診断装置では、
上記電流センサにより検出された上記サージ電流の継続時間を計測する継続時間計測部を備え、
上記演算部は、上記継続時間計測部により計測された上記継続時間に基づいて、上記サージ防護デバイスが上記サージ電流により受けたダメージ量に相当する値Yを、
Figure 2013246899
ただし、 IIN : 上記サージ電流のピーク値を表すデジタル値
: 基準電流値
α : 上記サージ防護デバイスによって決まる定数
IN : 上記サージ電流の継続時間
: 基準継続時間
γ : 上記サージ防護デバイスによって決まる定数
により演算する。
上記実施形態によれば、図1に示すサージ防護デバイスのインパルス寿命特性例1(サージ防護デバイスの耐用回数とインパルス電流値との関係)や、図2に示すサージ防護デバイスのインパルス寿命特性例2(インパルス電流とサージ波尾長(インパルス長)との関係)に基づいて、サージ防護デバイスによって決まる定数α,γを決定して、演算部によりサージ防護デバイスがサージ電流により受けたダメージ量に相当する値Yを演算するとき、上記式を用いてサージ電流の継続時間による補正を行うことによって、サージ防護デバイスに与えられるダメージの累積量をより正確に求めることできる。
また、一実施形態のサージ防護デバイスの寿命診断装置では、
上記継続時間計測部は、
上記電流センサにより検出された上記サージ電流のレベルと予め設定されたレベル判定値とを比較するレベル比較器と、
上記レベル比較器により上記サージ電流のレベルが上記レベル判定値を越えた状態を継続していた上記継続時間を計測するタイマと
を有する。
上記実施形態によれば、レベル比較器によりサージ電流のレベルがレベル判定値を越えた状態を継続していた継続時間をタイマにより計測するので、簡単な構成でサージ電流の継続時間を容易に計測できる。
また、一実施形態のサージ防護デバイスの寿命診断装置では、
上記電流センサは、磁路を形成するコアの一部に空隙が設けられた変流器である。
上記実施形態によれば、磁路を形成するコアの一部に空隙が設けられた変流器により、サージ防護デバイスに流れるサージ電流を検出することによって、低コストな変流器で雷サージの大電流を飽和させずに測定することができる。
以上より明らかなように、この発明によれば、サージ防護デバイスのインパルス寿命特性を考慮した正確な寿命判定ができる低コストなサージ防護デバイスの寿命診断装置を実現することができる。
図1はサージ防護デバイスのインパルス寿命特性例1を示す図である。 図2はサージ防護デバイスのインパルス寿命特性例2を示す図である。 図3はこの発明の第1実施形態のサージ防護デバイスの寿命診断装置の全体の構成を示すブロック図である。 図4は上記サージ防護デバイスの寿命診断装置の入力部の回路図である。 図5は上記サージ防護デバイスの寿命診断装置の制御部とその周辺の構成を示す図である。 図6は上記サージ防護デバイスの寿命診断装置の制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。 図7はこの発明の第2実施形態のサージ防護デバイスの寿命診断装置の全体の構成を示すブロック図である。 図8は上記サージ防護デバイスの寿命診断装置の制御部とその周辺の構成を示す図である。 図9は上記サージ防護デバイスの寿命診断装置の制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。
図1は酸化亜鉛を用いたサージ防護デバイスのインパルス寿命特性例1(サージ防護デバイスの耐用回数とインパルス電流値との関係)を示している。図1において、横軸は耐用回数[回]を表し、縦軸はサージ電流値[kA]を表している。また、「◆」印はサージ波尾長が20μsec、「■」印はサージ波尾長が100μsec、「▲」印はサージ波尾長が1000μsecのときの特性を表す。
図1に示されるように、サージ防護デバイスのインパルス寿命特性は、サージ電流値が2倍になれば、寿命は1/10〜1/100程度に減退するものである。逆にサージ電流値が1/2になれば、寿命は10〜100倍に増加する。それ故、サージ防護デバイスの寿命を判定するには、サージ電流の大きさを加味することが不可欠であって、かつそれは単純な比例関係ではないことは明らかである。
図1の両対数グラフ上の直線グラフの示すところに拠れば、サージ電流値をIとし、サージ防護デバイスの耐用回数上限値をNとすると、近似的に次式(1)の関係が成り立つ。
LogN=−αLogI+C ……… (1)
ただし、−α : 両対数グラフにおける近似直線の傾き、
C : 定数
ここで、
C=αLog(I)+Log(N)
ただし、I : 比較の基準となる電流値
: Iにおけるサージ防護デバイスの耐用回数
とおけば、式(1)は、
Log(N/N)=−αLog(I/I) ……… (2)
となるので、
N/N=(I/I)−α ……… (3)
となることが明らかである。
図1では、例えばサージ波尾長が20μsecの場合、電流値が28kAなら耐用回数は10回、電流値が42kAなら10回である。それ故、式(2)においてIを28kAとすれば、
α=5.6788・・・
となる。
一方、図2は酸化亜鉛を用いたサージ防護デバイスのインパルス寿命特性例2(インパルス電流とサージ波尾長(インパルス長)との関係)を示している。図2において、横軸はサージ波尾長[μsec]を表し、縦軸は電流値[kA]を表している。また、「◆」印は耐用回数が2.E+00回(2回)、「■」印は耐用回数が1.E+01回(十回)、「▲」印は耐用回数が1.E+02回(百回)、「●」印は耐用回数が1.E+03回(千回)、「◇」印は耐用回数が1.E+04回(1万回)、「○」印は耐用回数が1.E+05回(十万回)、「□」印は耐用回数が1.E+06回(百万回)のときの特性を表す。なお、図2中の浮動小数点形式の表現では、指数底10は記号Eで表わしかつ掛け算記号「×」は省略しており、例えば、1.×10(+01乗)は、1.E+01で表わされる。
図2の対数グラフ上の直線グラフの示すところに拠れば、サージ電流値をIとし、サージ波形の継続時間(サージ波尾長ともいう)をTとすると、近似的に次式(4)の関係が成り立つ。
LogT=−βLogI+D ……… (4)
ただし、−β : 両対数グラフにおける近似直線の傾き
D : 定数
ここで、
D=βLog(I)+Log(T)
ただし、T : 比較の基準となるサージ波形の継続時間
: Tにおける電流値
とおけば、
(T/T)=(I/I)−β ……… (5)
となり、
I=(T/T)−1/β・I ……… (6)
が成立する。
図2では、例えば耐用回数2回(2E+0回)の場合、サージ電流の継続時間Tが20μsecなら電流値Iは100kAとなるが、サージ電流の継続時間Tが100μsecなら電流値Iは30kAしか耐えられないこととなる。それ故、この場合は、上記式(5)により、
β=1.3367・・・
となる。
いま、上記式(3)が継続時間T=20μsecのサージ電流に対して成立しているとすれば、T以外の継続時間のサージ電流に対しては上記式(6)より、上記式(3)でIをI・(T/T)1/βで置き換えて、次式(7)が成り立つ。
N/N=(T/T)−α/β・(I/I)−α ……… (7)
ただし、αは図1においてサージ電流の継続時間がTのグラフ上の2点(N,I)、(N,I)のデータに対して、
α=−(Log(N/N))/Log(I/I) ……… (8)
となる値である。
また、βは図2においてサージ耐用回数がNのグラフ上の2点(T,I)、(T,I)のデータに対して、
β=−(Log(T/T))/Log(I/I) ……… (9)
となる値である。
ここで、N、I、Tは、上記式(8)と上記式(9)において共通の値である。
上記式(7)の右辺は、サージの電流値Iとその継続時間Tによるサージが印加された場合のサージ防護デバイスの耐用回数の基準耐用回数に対する比を表している。故に、この逆数は、この電流値Iとその継続時間Tによってサージ防護デバイスに与えられるダメージに比例した量になる。
本発明者は、単純に電流値とサージの継続時間の積を記憶させて積算するより、この継続時間Tによる補正計算を行った値を記憶させて積算したほうが、サージ防護デバイスに与えられるダメージの累積量をより正確に表現できることに着目し、この発明のサージ防護デバイスの寿命診断装置を実現したものである。
確かに、図1の示すところに拠れば、100万回に耐えられるようなサージでも、その電流値が10倍になれば1〜10回程度で壊れる可能性のあることを示している。それ故、単純なサージ電流値の積算方式やそれにサージの継続時間を考慮したサージ電流波形の面積によるサージの実効値や平均値の累積計算方式では、サージ防護デバイスの寿命判定が全く正しくできないことは明らかである。
ところで、入力部の電流センサが巨大な雷サージで飽和して実際の電流値より小さな値しか検出できないようになると、その後の補正演算も意味がなくなるので、入力部は過大なサージ電流でも飽和しないよう配慮する必要が有る。
この発明のサージ防護デバイスの寿命診断装置では、電流値の補正に加え、最大50kAにも及ぶ雷サージを飽和させずに低コストな変流器で測定するため、コアに透磁率の低い磁性体を用い、かつ、コアの一部に空隙を設けた変流器を使用している。このような空芯CTは、飽和しないので適切ではあるが、電線に容易にクランプできる構造のものは見当たらないので、本発明者は、この発明のサージ防護デバイスの寿命診断装置を設計する段階において専用のCTを製作した。
また、計測された電流のピーク値は指数関数的に緩慢に減衰させることによって、比較的に動作の遅い制御部でも、その遅いサンプリング周期の間に十分なデータ処理を行う時間を保証している。
以下、この発明のサージ防護デバイスの寿命診断装置を図示の実施の形態により詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図3はこの発明の第1実施形態のサージ防護デバイスの寿命診断装置の全体の構成を示すブロック図を示している。
この第1実施形態のサージ防護デバイスの寿命診断装置は、図3に示すように、第1サージ検出ユニットU1と、第2サージ検出ユニットU2と、…、第Nサージ検出ユニットUnと、第1〜第nサージ検出ユニットU1,U2,…,Unからの信号を受けて、サージ防護デバイスの寿命診断を行う処理装置1と、処理装置1の診断結果を表示する表示装置2とを備えている。
上記第1〜第nサージ検出ユニットU1,U2,…,Unは、サージ防護デバイスに流れるサージ電流を検出する電流センサ(図4に示す変流器CT)からのサージ電流を表す信号が入力される入力部11と、入力部11からのサージ電流を表すアナログ信号のピーク値をホールドするピークホールド部12と、ピークホールド部12によりホールドされたサージ電流のピーク値を表すアナログ信号を指数関数的に減衰させる減衰部13とを有する。
また、上記処理装置1は、減衰部13から出力されたサージ電流のピーク値を表すアナログ信号をA/D変換するA/D変換器1aと、A/D変換器1aによりA/D変換されたサージ電流のピーク値に基づいて、サージ防護デバイスがサージ電流により受けたダメージ量に相当する値を演算する演算部1bと、演算部1bにより演算されたサージ防護デバイスがサージ電流により受けたダメージ量に相当する値を積算する積算部1cと、積算部1cにより積算された積算値が予め設定された閾値以上か否かを判定する積算値判定部1dと、積算部1cにより積算された積算値が閾値以上であると積算値判定部1dが判定すると、サージ防護デバイスが寿命に達したことを報知する報知部1eとを備えている。
図4は上記第1実施形態のサージ防護デバイスの寿命診断装置の入力部11とピークホールド部12および減衰部13の回路の具体例を示している。
入力部11は、サージ防護デバイスに流れるサージ電流を検出する電流センサの一例としての変流器CTの出力端子間に接続されたシャント抵抗R1と、シャント抵抗R1の一端に一端が接続された抵抗R2と、抵抗R2の他端にアノードが接続され、カソードが+15Vに接続されたダイオードD1と、抵抗R2の他端にカソードが接続され、アノードが−15Vに接続されたダイオードD2とを有する。上記シャント抵抗R1の他端をグランドGNDに接続している。この実施の形態では、シャント抵抗R1は、最大抵抗値1kΩの半固定抵抗であり、抵抗R2は3.3kΩである。
また、ピークホールド部12は、抵抗R2の他端に非反転入力端子が接続された差動増幅器AMP1と、差動増幅器AMP1の出力端子に一端が接続された抵抗R3と、抵抗R3の他端にアノードが接続されたダイオードD3と、ダイオードD3のカソードに一端が接続され、他端がグランドGNDに接続されたピークホールド用のコンデンサC1と、差動増幅器AMP1の+15Vが接続された電源入力端子とグランドGNDとの間に接続されたコンデンサC11と、差動増幅器AMP1の−15Vが接続された電源入力端子とグランドGNDとの間に接続されたコンデンサC12とを有する。上記ダイオードD3のカソードを差動増幅器AMP1の反転入力端子に接続している。この実施の形態では、抵抗R3は220Ω、コンデンサC1は0.01μFである。
また、減衰部13は、ダイオードD3のカソードが非反転入力端子に接続された差動増幅器AMP2と、差動増幅器AMP2の非反転入力端子とグランドGNDとの間に接続された放電用の抵抗R4と、差動増幅器AMP2の+15Vが接続された電源入力端子とグランドGNDとの間に接続されたコンデンサC21と、差動増幅器AMP2の−15Vが接続された電源入力端子とグランドGNDとの間に接続されたコンデンサC22とを有する。上記差動増幅器AMP2の出力端子を反転入力端子に接続している。この実施の形態では、抵抗R4は10MΩである。
上記減衰部13の差動増幅器AMP2の出力端子が処理装置1の入力端子に接続され、処理装置1の他方の入力端子がグランドGNDに接続されている。
図4に示すように、測定対象の接地回路のサージ電流経路SLに流れる電流を半円状またはコの字状のコアを使ったギャップ有り変流器CT(またはギャップを設けたクランプCTとも言う)で検出し、ピークホールド部12によりサージ電流のピーク値を保持する。
ギャップ有り変流器CTのコアの透磁率μyとコアそのものの透磁率μXとは、次式(10)の関係があり、ギャップが大きくなるほど透磁率は低下するので、感度は低下するが大電流でも飽和しにくくなる。
μy=1/(1/μX+LGAP/L) ……… (10)
ただし、L : コア部分の磁路長
GAP : 空隙部分の磁路長
入力部11では、変流器CTの二次側の電流をシャント抵抗R1に通して電圧に変換し、次段の差動増幅器AMP1でそのピーク値を検出して保持させている。電流センサは測定対称のサージ電流波形が忠実に再現されることが望ましい。なお、入力部11には、ロゴスキーコイルや空芯CTのように大電流でも飽和しない変流器を用いても良い。
図4では、差動増幅器AMP1で検出されたピーク値は片極性であるが、実際にはもう一回路あって、負極性のサージ電流の場合をカバーしている(処理装置1側も同様)。この差動増幅器AMP1で検出されて保持されたピーク値は、減衰部13の放電用抵抗R4によって緩慢に減衰させ、次のサージ入力に備えている。
コストを重視しない設計例では、処理装置1がデータをサンプリングしたときにそのサンプリングパルスによってこの保持された値をリセットさせても良い。
しかし、このサンプリングパルスを処理装置1外に供給するには、専用のインターフェース回路が必要である。この第1実施形態では、雷サージによるサージ防護デバイスのダメージを累積演算しており、雷サージの頻度に応じた観測で十分なので、コストを考慮して簡単な放電用の抵抗R4によって保持したピーク値を自然に緩慢に減衰させ、データをクリアさせている。処理装置1のA/D変換器1は、1回/1msecの割合でデータをサンプリングするが、ピーク値は数十msec掛かって減衰するので、大きな誤差無く、サージ電流のピーク値をサンプリングできる。
上記第1実施形態のサージ防護デバイスの寿命診断装置において、第1〜第nサージ検出ユニットU1,U2,…,Unのいずれかの入力部11にサージ電流が入力されると、入力部11からのサージ電流を表すアナログ信号のピーク値をピークホールド部12がホールドし、そのホールドされたサージ電流のピーク値を表すアナログ信号を減衰部13により指数関数的に減衰させる。
そして、上記処理装置1は、減衰部13から出力されたサージ電流のピーク値を表すアナログ信号をA/D変換器1aによりA/D変換する。
次に、演算部1bでは、A/D変換器1aによりA/D変換されたサージ電流のピーク値に基づいて、次式(11)により、サージ防護デバイスがサージ電流により受けたダメージ量に相当する値Yを演算する。
Figure 2013246899
ただし、IIN : サージ電流のピーク値を表すデジタル値
: 基準電流値
α : サージ防護デバイスによって決まる定数
ここで、αは上記式(8)を用いてサージ防護デバイスによって決まる定数である。
次に、演算部1bにより演算されたサージ防護デバイスがサージ電流により受けたダメージ量に相当する値Yを積算部1cにより積算する。
そうして、積算部1cにより積算された積算値が予め設定された閾値以上か否かを積算値判定部1dにより判定する。
次に、積算部1cにより積算された積算値が閾値以上であると積算値判定部1dが判定すると、サージ防護デバイスが寿命に達したことを表す情報を報知部1eから表示装置2に出力する。
また、図5は処理装置1とその周辺の構成を示している。図5に示すように、処理装置1は、A/D変換器1aと、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)と、メモリと、I/Fとを有し、このCPUとメモリとI/Fが演算部1b,積算部1c,積算値判定部1d,報知部1eとして機能する。このように、処理装置1は、低コストのマイクロコンピュータと入出力回路などからなり、A/D変換器1aによりデータのサンプリングは1kHzと低速である。
処理装置1がサージ検出時のみ動作すれば良いような場合、CPUは常時演算する必要がないのでスリープモードを使って省電力化を試みたり、データを不揮発性メモリに記憶させ、サージ検出時のみ処理装置1の電源を供給したりしても良い。
また、上記式(11)に拘らずに、類似の計算式で大きな電流値により大きな重み付けをして累積する方法でも、単純な加算による累積演算より精度の高い寿命診断ができる。
図6は上記サージ防護デバイスの寿命診断装置の処理装置1の動作を説明するためのフローチャートを示している。
まず、処理がスタートすると、図6に示すステップS1でサージ入力が有るか否かを判定し、サージ入力が有ると判定するとステップS2に進む一方、サージ入力がないと判定すると、ステップS1を繰り返す。なお、この処理がスタートする前に、積算値は予めゼロにリセットされているものとする。
そして、ステップS2では、サージ電流のピーク値IINに基づいて、演算部1bにより上記式(11)の演算を行った後、その演算結果を積算部1cにより積算する。
次に、ステップS3に進み、積算部1cにより積算された積算値が予め設定された閾値以上か否かを積算値判定部1dにより判定して、積算値が予め設定された閾値以上であると判定すると、ステップS4に進む一方、積算値が予め設定された閾値未満であると判定すると、ステップS4をスキップする。
そして、ステップS4では、サージ防護デバイスが寿命に達したことを報知部1eにより報知する。
次に、ステップS5に進み、サージが継続中であるか否かを判定して、サージが継続中であると判定すると、ステップS5を繰り返す一方、サージが継続中でないと判定すると、ステップS1に戻る。
このように、上記処理装置1は、ピークホールド部12で得られたサージ電流のピーク値情報から上記式(11)による演算を行った結果を累積して、ある一定の閾値を超えた場合、サージ防護デバイスの寿命と判断して警報を出力する。
上記構成のサージ防護デバイスの寿命診断装置によれば、図1に示すサージ防護デバイスのインパルス寿命特性例1(サージ防護デバイスの耐用回数とインパルス電流値との関係)に基づいて、サージ防護デバイスによって決まる定数αを決定して、上記式(11)を用いて演算部1bによりサージ防護デバイスがサージ電流により受けたダメージ量に相当する値Yを演算することによって、サージ防護デバイスに与えられるダメージの累積量を正確に求めることが可能になるので、サージ防護デバイスのインパルス寿命特性を考慮した正確な寿命判定を低コストで行うことができる。
上記サージ防護デバイスの寿命診断装置を適用すれば、電流の大きさに対して適正な重み付けを行った積算を行えるので、単に電流値を積算するかまたはパルス数をカウントするだけの寿命診断装置より、より正しい寿命診断(判定)ができる。
また、上記ピークホールド部12により保持されたサージ電流のピーク値を表すアナログ信号をA/D変換器1aによりA/D変換することによって、時間延長して処理装置1に伝達しているので、A/D変換や演算の処理動作が遅くても十分対応可能であり、高速サンプリング用の高価なA/D変換器や高速処理ができるDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ;Digital Signal Processor)などを用いなくても良く、コストを低減することができる。
上記ピークホールド部12から出力された上記サージ電流のピーク値を表すアナログ信号を減衰部13により指数関数的に減衰させることによって、比較的動作の遅い処理装置でも、その遅いサンプリング周期の間に十分なデータ処理を行う時間を確保することができる。
また、上記積算部1cにより積算された積算値が閾値以上であると積算値判定部1dが判定すると、サージ防護デバイスが寿命に達したことを報知部1eにより報知することによって、サージ防護デバイスが壊れる前に交換などのメンテナンスを迅速に行うことができる。
また、磁路を形成するコアの一部に空隙が設けられた変流器CTにより、サージ防護デバイスに流れるサージ電流を検出することによって、低コストな変流器CTで雷サージの大電流を飽和させずに測定することができる。また、透磁率が低くかつ空隙を有するコアを電流センサに用いているので、大電流でも非飽和でサージ電流を精度良く検出できるので、電流の大きさに対して適正な重み付けを行っている効果が阻害されず正しい寿命判定が行うことができる。
〔第2実施形態〕
第2実施形態は第1実施形態に更にサージの継続時間による補正演算を加味したものである。
図7はこの発明の第2実施形態のサージ防護デバイスの寿命診断装置の全体の構成を示し、図8は上記サージ防護デバイスの寿命診断装置の制御部とその周辺の構成を示している。この第2実施形態のサージ防護デバイスの寿命診断装置は、第1〜第nサージ検出ユニットU1,U2,…,Unの構成と制御装置の第2のA/D変換器1fおよび演算部1bの処理を除いて第1実施形態のサージ防護デバイスの寿命診断装置と同一の構成をしている。
この第2実施形態のサージ防護デバイスの寿命診断装置の第1〜第nサージ検出ユニットU1,U2,…,Unは、図7に示すように、入力部11とピークホールド部12と減衰部13以外に、入力部11から出力されたサージ電流のレベルと予め設定されたレベル判定値とを比較するレベル比較器14と、そのレベル比較器14によりサージ電流のレベルがレベル判定値を越えた状態を継続していた継続時間を計測するためのタイマの一例としての積分器15を有している。
上記レベル比較器14と積分器15で継続時間計測部を構成している。なお、この実施の形態では、タイマとして積分器15を用いたが、これに限らず、カウンタ回路などを用いたものでもよい。
また、制御装置1は、積分器15から出力された継続時間を表すアナログ信号をA/D変換する第2のA/D変換器1fを備えている。
また、図8に示すように、減衰部13の出力端子が積分器15のリセット端子に接続されている。
上記第1実施形態のサージ防護デバイスの寿命診断装置において、第1〜第nサージ検出ユニットU1,U2,…,Unのいずれかの入力部11にサージ電流が入力されると、入力部11からのサージ電流を表すアナログ信号のピーク値をピークホールド部12がホールドし、そのホールドされたサージ電流のピーク値を表すアナログ信号を減衰部13により指数関数的に減衰させる。
また、入力部11から出力されたサージ電流のレベルと予め設定されたレベル判定値とをレベル比較器14により比較して、そのレベル比較器14によりサージ電流のレベルがレベル判定値を越えたときのレベル比較器14の出力電圧を積分器15で積分する。これにより、積分器15から継続時間を表すアナログ信号が出力される。
そして、上記処理装置1のA/D変換器1aにより、減衰部13から出力されたサージ電流のピーク値を表すアナログ信号をA/D変換すると共に、A/D変換器1fにより、積分器15から出力された継続時間を表すアナログ信号をA/D変換する。
そして、演算部1bでは、A/D変換器1aによりA/D変換されたサージ電流のピーク値を表すデジタル値およびA/D変換器1fによりA/D変換されたサージ電流の継続時間を表すデジタル値に基づいて、次式(12)により、サージ防護デバイスがサージ電流により受けたダメージ量に相当する値Yを演算する。
Figure 2013246899
ただし、 IIN : サージ電流のピーク値を表すデジタル値
: 基準電流値
α : サージ防護デバイスによって決まる定数
IN : サージ電流の継続時間を表すデジタル値
: 基準継続時間
γ : サージ防護デバイスによって決まる定数
ここで、γはα/βであり、αは上記式(8)を用いてサージ防護デバイスによって決まる定数であり、βは上記式(9)を用いてサージ防護デバイスによって決まる定数である。
次に、演算部1bにより演算されたサージ防護デバイスがサージ電流により受けたダメージ量に相当する値Yを積算部1cにより積算する。
そうして、積算部1cにより積算された積算値が予め設定された閾値以上か否かを積算値判定部1dにより判定する。
次に、積算部1cにより積算された積算値が閾値以上であると積算値判定部1dが判定すると、サージ防護デバイスが寿命に達したことを表す情報を報知部1eから表示装置2に出力する。
図9は上記サージ防護デバイスの寿命診断装置の処理装置1の動作を説明するためのフローチャートである。
まず、処理がスタートすると、図9に示すステップS11でサージ入力が有るか否かを判定し、サージ入力が有ると判定するとステップS12に進む一方、サージ入力がないと判定すると、ステップS11を繰り返す。なお、この処理がスタートする前に、積算値は予めゼロにリセットされているものとする。
そして、ステップS12では、サージ電流のピーク値IINおよび継続時間TINに基づいて、演算部1bにより上記式(11)の演算を行った後、その演算結果を積算部1cにより積算する。
次に、ステップS13に進み、積算部1cにより積算された積算値が予め設定された閾値以上か否かを積算値判定部1dにより判定して、積算値が予め設定された閾値以上であると判定すると、ステップS14に進む一方、積算値が予め設定された閾値未満であると判定すると、ステップS14をスキップする。
そして、ステップS14では、サージ防護デバイスが寿命に達したことを報知部1eにより報知する。
次に、ステップS15に進み、サージが継続中であるか否かを判定して、サージが継続中であると判定すると、ステップS15を繰り返す一方、サージが継続中でないと判定すると、ステップS11に戻る。
このように、上記処理装置1の動作は、第1実施形態の場合とほぼ同様であるが、ピークホールド部12で得られたサージ電流のピーク値情報と継続時間情報とから上記式(12)による演算を行った結果を累積して、ある一定の閾値を超えた場合、サージ防護デバイスの寿命と判断して警報を出力する。
上記第2実施形態では、サージ電流のピーク値情報は一定時間後にゼロとなり、この信号によってサージ電流の継続時間をカウントする積分器15がリセットされる。
上記第2実施形態のサージ防護デバイスの寿命診断装置は、第1実施形態のサージ防護デバイスの寿命診断装置と同様の効果を有する。
また、上記演算部1bによりサージ防護デバイスがサージ電流により受けたダメージ量に相当する値Yを演算するとき、上記式(12)を用いてサージ電流の継続時間による補正を行うことによって、サージ防護デバイスに与えられるダメージの累積量をより正確に求めることできる。
また、上記レベル比較器14によりサージ電流のレベルがレベル判定値を越えた状態を継続していた継続時間を積分器15により計測するので、簡単な構成でサージ電流の継続時間を容易に計測できる。
上記第1,第2実施形態では、サージ防護デバイスが寿命に達したことを表す情報を報知部1eから表示装置2に出力して、表示装置2に警報を表示したが、サージ防護デバイスが寿命に達したことを表す情報を報知する手段はこれに限らず、音声や警報音などの他の手段によりサージ防護デバイスが寿命に達したことを報知してもよい。
この発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記第1,第2実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。
1…処理装置
1a…A/D変換器
1b…演算部
1c…積算部
1d…積算値判定部
1e…報知部
1f…A/D変換器
2…表示装置
11…入力部
12…ピークホールド部
13…減衰部
14…レベル比較器
15…積分器
U1,U2,〜,Un…第1,第2,〜,第nサージ検出ユニット

Claims (7)

  1. サージ防護デバイスに流れるサージ電流を検出する電流センサと、
    上記電流センサにより検出された上記サージ電流をA/D変換するA/D変換器と、
    上記A/D変換器によりA/D変換された上記サージ電流のピーク値に基づいて、上記サージ防護デバイスが上記サージ電流により受けたダメージ量に相当する値を演算する演算部と、
    上記演算部により演算された上記サージ防護デバイスが上記サージ電流により受けたダメージ量に相当する値を積算する積算部と、
    上記積算部により積算された積算値が予め設定された閾値以上か否かを判定する積算値判定部と
    を備え、
    上記演算部は、上記サージ防護デバイスが上記サージ電流により受けたダメージ量に相当する値Yを、
    Figure 2013246899
    ただし、IIN : 上記サージ電流のピーク値を表すデジタル値
    : 基準電流値
    α : 上記サージ防護デバイスによって決まる定数
    により演算することを特徴とするサージ防護デバイスの寿命診断装置。
  2. 請求項1に記載のサージ防護デバイスの寿命診断装置において、
    上記電流センサにより検出された上記サージ電流のピーク値を保持するピークホールド部を備え、
    上記A/D変換器は、上記ピークホールド部により保持された上記サージ電流のピーク値を表すアナログ信号をA/D変換することを特徴とするサージ防護デバイスの寿命診断装置。
  3. 請求項2に記載のサージ防護デバイスの寿命診断装置において、
    上記ピークホールド部から出力された上記サージ電流のピーク値を表すアナログ信号を指数関数的に減衰させる減衰部を備えたことを特徴とするサージ防護デバイスの寿命診断装置。
  4. 請求項1から3までのいずれか1つに記載のサージ防護デバイスの寿命診断装置において、
    上記積算部により積算された上記積算値が上記閾値以上であると上記積算値判定部が判定すると、上記サージ防護デバイスが寿命に達したことを報知する報知部を備えたことを特徴とするサージ防護デバイスの寿命診断装置。
  5. 請求項1から4までのいずれか1つに記載のサージ防護デバイスの寿命診断装置において、
    上記電流センサにより検出された上記サージ電流の継続時間を計測する継続時間計測部を備え、
    上記演算部は、上記継続時間計測部により計測された上記継続時間に基づいて、上記サージ防護デバイスが上記サージ電流により受けたダメージ量に相当する値Yを、
    Figure 2013246899
    ただし、 IIN : 上記サージ電流のピーク値を表すデジタル値
    : 基準電流値
    α : 上記サージ防護デバイスによって決まる定数
    IN : 上記サージ電流の継続時間
    : 基準継続時間
    γ : 上記サージ防護デバイスによって決まる定数
    により演算することを特徴とするサージ防護デバイスの寿命診断装置。
  6. 請求項5に記載のサージ防護デバイスの寿命診断装置において、
    上記継続時間計測部は、
    上記電流センサにより検出された上記サージ電流のレベルと予め設定されたレベル判定値とを比較するレベル比較器と、
    上記レベル比較器により上記サージ電流のレベルが上記レベル判定値を越えた状態を継続していた上記継続時間を計測するタイマと
    を有することを特徴とするサージ防護デバイスの寿命診断装置。
  7. 請求項1から6までのいずれか1つに記載のサージ防護デバイスの寿命診断装置において、
    上記電流センサは、磁路を形成するコアの一部に空隙が設けられた変流器であることを特徴とするサージ防護デバイスの寿命診断装置。
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