JP2013247103A - 金属空気二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属空気二次電池における充電過電圧を低減する。
【解決手段】金属イオンを吸蔵・放出する負極部材と、酸素をイオン化する正極部材と、前記負極部材と前記正極部材との間に設置された電解質が含浸されているセパレータと、を有する金属空気二次電池において、前記正極部材は、2nm以下の細孔を有し、前記細孔の容積Aと、前記二次電池の放電容量から算出される生成物体積Bとの比(B/A)が0.1以下であることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、充放電可能な金属空気二次電池に関するものである。
近年、自動車業界においては、ガソリン等の燃料で駆動するエンジンを用いた従来の自動車に代わって、電気で駆動するモータをエンジンと併用するハイブリッド電気自動車(HEV)や、モータのみで駆動する電気自動車(EV)の開発が進められている。モータを用いたこれらの自動車(以下では単に電気自動車と総称する)の性能は、電気エネルギーの供給源である蓄電池の特性によって大きく左右される。そのため、優れた特性を有する蓄電池の開発が進められている。
リチウムイオン二次電池は、他の従来の二次電池と比べて軽量かつ高出力という特徴を有していることから、電気自動車をはじめとする他の様々な装置に搭載される蓄電池において広く利用されている。現在、実際に得られているリチウムイオン二次電池の重量エネルギー密度は約100Wh/kg程度であり、その理論的な上限は400Wh/kg程度であると考えられている。しかし、電気自動車の本格的な普及のためにはさらなる大容量の蓄電池が求められており、少なくとも500Wh/kg程度の重量エネルギー密度が必要であるとも言われている。そのため、リチウムイオン二次電池よりも大きな重量エネルギー密度が期待できる革新型電池の開発が求められている。
リチウムイオン二次電池の重量エネルギー密度を制約している要因の1つに、コバルト酸リチウムに代表される含リチウム遷移金属酸化物を正極材料に用いていることがある。すなわち、その構成元素である遷移金属元素は重金属であるため、これを正極材料として蓄電池に組み込むと重量が増加し、結果として重量エネルギー密度が小さくなってしまう。そこで、こうした制約を避けるため、正極材料に大気中の酸素を利用し、負極材料に金属を利用する金属空気電池が近年注目されている。金属空気電池を蓄電池として用いて電力貯蔵を行うと、従来のリチウムイオン電池と比べて重量を低減することができるため、
コスト低減が見込める。
従来、亜鉛を用いた金属空気電池が実用化されており、補聴器の電源等に使用されている。しかし、これまでの金属空気電池は一次電池としての実用化に留まっており、充放電可能な二次電池としての実用化は未だなされていない。
従来の金属空気電池の二次電池化を阻む大きな理由としては、充放電エネルギー効率が低いことが挙げられ、この主要因は充電電圧が高いためである。これに関連して、以下のような技術が特許文献1に開示されている。
特許文献1には、リチウム空気電池において、アルカリ金属またはアルカリ土類金属と、遷移金属と、酸素を有する複合酸化物を触媒として用いる構成が開示されている。
また、金属空気二次電池用に限定されるものではないが、炭素材料に関して下記の技術が特許文献2に開示されている。
特開2009−252638号公報 特開2006−335596号公報
特許文献1に開示される電池では、充電電圧が4.3V程度といぜんとして高く、そのために充放電エネルギー効率が低い。
また、特許文献2に開示される炭素材料は、充電電圧の言及がない。
上記に鑑みて、本発明の目的は、充電過電圧を低減した金属空気二次電池を提供することにある。
本発明による金属空気二次電池は、金属イオンを吸蔵・放出する負極部材と、酸素をイオン化する正極部材と、前記負極部材と前記正極部材との間に設置された電解質が含浸されているセパレータと、を有する金属空気二次電池において、前記正極部材は、2nm以下の細孔を有し、前記細孔の容積Aと、前記二次電池の放電容量から算出される生成物体積Bとの比(B/A)が0.1以下であることを特徴とする。
本発明によれば、金属空気二次電池における充電過電圧の低減を達成することができる。
本発明の一実施形態による金属空気二次電池の断面を示す模式図である。 本発明の一実施形態による金属空気二次電池の正極部材の構成を示す模式図である。
以下に図面および表を用いて、本発明の一実施形態による金属空気二次電池について説明する。図1は、本発明の一実施形態による金属空気二次電池の断面を示す模式図である。この金属空気二次電池は、負極に金属リチウム(Li)を使用した継手構造の電池セルを有するリチウム空気二次電池である。
図1に示す金属空気二次電池では、正極部材1と負極部材3とが電解液を含浸させたセパレータ2を間に挟んで配置されており、これらが1つの電池セルを構成している。負極部材3の周囲にはOリング4が配置されている。この電池セルは、押さえ板5が締め付けバネ7から受ける締め付け力により、押さえ板5と集電体6の間に挟まれた状態で固定されている。集電体6と酸素封入弁8の間には、正極活物質として作用する酸素ガスが封入されている。
負極部材3は、セパレータ2に含浸されている電解液との間で金属イオンを吸蔵および放出するものである。本実施形態では、直径8mm、厚さ1mmの円板状の金属リチウムを負極部材3として使用した。この負極部材3の電極面積は、セパレータ2に接する部分の金属リチウムの面積として定義することができ、約0.5cm2である。また、セパレータ2には、負極部材3よりも大きな直径13mmの円板状のポリエチレンを使用した。
正極部材1は、正極活物質である酸素をイオン化するものである。
図1の金属空気二次電池では、放電時において、以下の式(1)〜(3)で表される放電反応が行われる。
(負極側)2Li→2Li++2e- −−− (1)
(正極側)O2+2Li++2e-→Li22 −−− (2)
(全反応)2Li+O2→Li22 −−− (3)
一方、充電時においては、以下の式(4)〜(6)で表される充電反応が行われる。
(負極側)2Li←2Li++2e- −−− (4)
(正極側)O2+2Li++2e-←Li22 −−− (5)
(全反応)2Li+O2←Li22 −−− (6)
図2は、正極部材1の構成を示す模式図である。図2に示すように、正極部材1は、触媒1b、バインダ1cおよび担体1dを混合し、これを基材1aに塗布することによって構成される。本実施形態では、触媒1b、バインダ1cおよび担体1dを、それぞれ5:4:1の重量比で混合し、これを基材1aに塗布して正極部材1とした。
基材1aは、正極部材1を主に構成する導電性の物質であり、たとえば炭素や金属などが用いられる。基材1aとしては、比表面積が大きく(たとえば100m2/g以上)、かつ電気伝導性が高いものが好ましい。たとえば、活性炭や金属多孔質体などを基材1aとして用いることができる。
触媒1bは、正極側における上記の式(2)の反応や式(5)の反応を助け、これにより放電電圧を向上させると共に充電電圧を低下させる機能を有する粉末状の物質である。
担体1dは、触媒1bを基材1aに担持する機能を有しており、バインダ1cは、基材1a、触媒1bおよび担体1dを互いに結着させる機能を有する。なお、触媒1b、バインダ1c、担体1dとして用いられる物質の詳細については、後述する各実施例においてそれぞれ説明する。
なお、正極部材1の大きさは、前述のセパレータ2よりも小さく、かつ負極部材3よりも大きくすることが好ましい。すなわち、セパレータ2が最も大きく、正極部材1、負極部材3の順に小さくなるように、これらの大きさを設定することができる。
セパレータ2には、LiPF6を電解質とする電解液が含浸されている。この電解液には、1モルのLiPF6を非水溶媒であるプロピレンカーボネートに溶かしたものを使用した。正極部材1の表面と負極部材3の表面に電解液をそれぞれ数滴程度ずつ滴下した後、これらの表面を内側にして正極部材1と負極部材3の間にセパレータ2を挟み込むことで、電解液をセパレータ2に含浸させた。
集電体6は、厚さ1mmのステンレス鋼製メッシュである。なお、前述のように正極部材1において基材1aを金属多孔質体とした場合は、これを集電体6と兼用することも可能である。
押さえ板5はステンレス鋼製であり、締め付けバネ7から受ける締め付け力に応じて、負極部材3およびOリング4をセパレータ2の方向に加勢する。これにより、負極部材3、セパレータ2および正極部材1が互いに密着される構造とした。
本実施形態では、酸素封入弁8を開け、濃度99.9%の酸素ガスを500ml/分の流量で10〜15分程度流すことで、集電体6の外側から電池セルの内部に流入させた。その後、酸素封入弁8を閉じることで、電池セルの内部に酸素ガスを封入した。
なお、以上説明したような金属空気二次電池の組み立ては、グローブボックス内で行った。
次に、触媒1b、バインダ1cおよび担体1dの詳細について説明する。本実施形態では、触媒1bとして二酸化マンガン(MnO2)を、担体1dとしてカーボンを、バインダ1cとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)をそれぞれ使用した。また、担体1dとしては、カーボンを用いた。その具体例を、実施例1〜7、比較例1として、表1を基に以下に説明する。表1は、本発明の実施例1〜7および比較例1に用いた材料と、平均充電電圧の一覧を示している。
(実施例1)
実施例1では、担体1dとして、総細孔容積が15.8mL/g(ここでgは担体の重量を示す。以下同様)、2nm以下のミクロ細孔容積が0.499mL/gのものを用いて正極部材1を構成した。
(実施例2〜7)
実施例2〜7では、それぞれ表1に示す担体1dを用いて同様に正極部材1を構成した。
(比較例1)
比較例1では、実施例7に示した担体1dと同じ材料で正極部材1を構成した。
次に、本実施形態による金属空気二次電池を使用した充放電評価の実験結果について説明する。本実施形態では、上記実施例1〜7および比較例1による各金属空気二次電池を使用して、次のような充放電評価の実験を行った。
ここでは、充放電条件として、前述のように電極面積を0.5cm2としたときに、放電時は0.1mA/cm2の定電流放電を行い、充電時は0.02mA/cm2の定電流充電を行った。この時、充電時の平均電圧をそれぞれ測定し、表1に平均充電電圧として示した。
なお、実験では、実施例1〜7および比較例1の各金属空気二次電池を端子付きデシケータ内にそれぞれ設置し、デシケータの内部にアルゴンガスを封入した後、デシケータの外側端子を充放電評価装置に取り付けて測定を行った。
本実験により得られた平均充電電圧を表1に示す。この表のとおり、平均充電電圧は、2nm以下の細孔容積と、生成物体積占有比率が10%を超えると上昇し、4Vになることが分かった。
また、平均充電電圧は2nm以下の細孔容積/総細孔容積の比率が少なくとも15%以上であれば充電電圧が低いことがわかった。
この結果は次のように考えられる。
2nm以下の細孔が多いほど、絶縁物であるLi22が析出する大きさが小さいため、充電時に分解がしやすいと考えられる。しかし今回の結果は、実施例で示すように、我々の研究によれば、2nm以下の細孔容積に占める生成物体積の比が、ある一定以上になると充電過電圧が上昇することを初めて見出した。このような知見は、特開2006−335596号公報に示すような、2nm以下の細孔が総細孔容積の90%以上であるような材料であっても、金属空気二次電池として充電過電圧を下げるためには、生成物の量、つまり、放電容量を規制しなければならない。
以上説明したような本実験結果により、担体1dの細孔容積と、放電容量で定義される生成物体積の比を規定することで、充電過電圧が低い金属空気二次電池を提供することができる。
以上説明した実施の形態によると、金属空気二次電池は、リチウムイオンを吸蔵および放出する負極部材3と、酸素をイオン化する正極部材1と、負極部材3と正極部材1の間に配置されたセパレータ2に含浸された電解質とを備え、前記正極部材の細孔容積Aと、前記金属空気二次電池の最大放電容量x(Ah)から算出される生成物体積Bにおいて、B/A比を一定値以下にするようにxを制御して用いることを特徴としたので、金属空気二次電池における充電過電圧の低減を達成することができる。
特に、実施例1〜7に示すように、細孔は2nm以下の細孔を有し、その細孔容積と最大放電容量から算出される生成物体積の比が0.1以下であると充電電圧を低減できる。ここで、2nm以下の細孔は、BET法で測定したもので定義される。
また、実施例1〜7に示すように、2nm以下の細孔容積と、総細孔容積の比が少なくとも15%以上あることで、充電電圧を低減できる。
さらに実施例1〜7に示したように、担体1dとして炭素を用いているが、これに限定されるものではなく、導電性材料、例えば、アルミ、ニッケル、SUSなどであってもよい。これらの導電性材料は、それ自身が細孔を有してもよいし、粉末を固めて正極部材を形成することで細孔を形成してもかまわない。
なお、以上説明した実施の形態では、実施例1〜7、および比較例1において触媒1bとしてMnO2を用いた例を示したが、本発明の骨子は担体1dに関するものであるため、触媒にはPtなどの貴金属触媒や、酸化物などの一般に用いられるものでもよい。
また、以上説明した実施の形態では、LiPF6を電解質とし、プロピレンカーボネートを溶媒とした電解液をセパレータ2に含浸させて用いた例を説明したが、一般的なリチウムイオン電池等で利用される他の非水系電解液を用いてもよい。すなわち、プロピレンカーボネート以外の溶媒として、たとえばエチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、テトラヒドロフラン、1,2−ジエトキシエタン、クロルエチレンカーボネート、クロルプロピレンカーボネート等を用いることができる。望ましくは、これらのうち高沸点の環状化合物を溶媒として用いることが好ましい。
さらに、エチレンオキシド、アクリロニトリル、フッ化ビニリデン、メタクリル酸メチル、ヘキサフルオロプロピレンなどの高分子に保持させた固体電解質や、イオン液体などを、非水系電解液の代わりに使用してもよい。
また、LiPF6以外の電解質として、一般的なリチウムイオン二次電池等で利用される他の電解質を用いてもよい。たとえば、LiBF4、LiClO4、LiCF3SO3、LiCF3CO2、LiAsF6、LiSbF6、LiTFSIなどを電解質として用いることができる。あるいは、リチウムトリフルオロメタンスルホンイミドで代表されるリチウムのイミド塩などのようなリチウム塩を電解質として用いることもできる。
また、エチレンオキシド、アクリロニトリル、フッ化ビニリデン、メタクリル酸メチル、ヘキサフルオロプロピレンの高分子に、非水電解液を含浸させたゲル電解質を使用してもよい。
上記実施の形態では、負極部材3として金属リチウムを用いることにより、負極部材3がリチウムイオンを吸蔵および放出する例を説明したが、他の金属によるイオンを負極部材3が吸蔵および放出するようにしてもよい。たとえば、Na、Ca、Mg、Zn、Al、Fe等の金属を負極部材3として用いることで、これらのイオンを負極部材3が吸蔵および放出することができる。
上記実施の形態では、バインダ1cとしてPVDFを用いた例を説明したが、一般的なリチウムイオン二次電池等で利用される他のバインダ(結着材)を用いてもよい。たとえば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素系樹脂や、スチレンブタジエンゴム(SBR)などをバインダ1cとして用いることができる。
上記実施の形態では、セパレータ2にポリエチレンを用いた例を説明したが、一般的なリチウムイオン二次電池等で利用される他の材料を用いてもよい。たとえば、ポリプロピレンなどの多孔質セパレータや、金属イオン導電性を有するガラスセラミックスなどを用いてセパレータ2を構成することができる。
上記実施の形態では継手構造の電池セルを使用した例を説明したが、電池セルの形態はこれに限定されない。たとえば、ラミネート型、円筒型などの電池セルも使用可能である。すなわち、金属空気二次電池の反応が確認できるものであれば、本発明は電池セルの形態に依存しない。
1 正極部材
1a 基材
1b 触媒
1c バインダ
1d 担体
2 セパレータ
3 負極部材
4 Oリング
5 押さえ板
6 集電体
7 締め付けバネ
8 酸素封入弁

Claims (5)

  1. 金属イオンを吸蔵・放出する負極部材と、酸素をイオン化する正極部材と、前記負極部材と前記正極部材との間に設置された電解質が含浸されているセパレータと、を有する金属空気二次電池において、
    前記正極部材は、2nm以下の細孔を有し、
    前記細孔の容積Aと、前記二次電池の放電容量から算出される生成物体積Bとの比(B/A)が0.1以下であることを特徴とする金属空気二次電池。
  2. 請求項1において、前記正極部材は、導電性材料であることを特徴とする金属空気二次電池。
  3. 請求項1または2において、前記正極部材の細孔は、BET法によって計測された2nm以下の細孔を有することを特徴とする金属空気二次電池。
  4. 請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記正極部材の細孔において、2nm以下の細孔容積と、総細孔容積との比が15%以上であることを特徴とする金属空気二次電池。
  5. 請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記負極部材は、Li、Na、Ca、Mg、Zn、Al、Feのいずれかの金属によるイオンを吸蔵および放出することを特徴とする金属空気二次電池。
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