JP2013257302A - ヘテロダイン干渉装置 - Google Patents

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宏夫 藤田
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Abstract

【課題】 ヘテロダイン干渉装置において、2次元干渉画像が通常のCCDカメラで検出できるように、画像の信号周波数を100Hz程度以下に設定すると共に、干渉画像強度から高精度な位相情報を検出すること。
【解決手段】 周波数の異なる2光波を作成するために2個の音響光学素子(AOD)を用い、各AODを互いの周波数が異なる2周波数成分を有する信号で駆動する。このとき、各AODから2周波数成分の差の周波数を有する2ビーム光が重なってビートを発生する。2組のビート光波間の周波数差を100Hz程度に設定すると、上記の2組のビート光波が干渉したビート画像の周波数は100Hz程度となる。検出したビート画像に対して、ビート画像信号の1周期を3、あるいは4分割したタイミングに同期して3、あるいは4枚のビート画像を検出し、検出した画像強度を演算して位相情報を算出してサンプルの高さ情報を含む3次元形状を算出する。
【選択図】図1

Description

本発明はヘテロダイン干渉法を原理として、サブミクロンメートル領域のサンプルの3次元高さ形状を測定するヘテロダイン干渉装置の構成に関する。
近年、生物や工業などの多くの分野で波長領域、あるいは波長以下の微細な高さ形状を測定するニーズが高まり、干渉計を用いた計測が多く行われている。通常用いられる干渉計は同じ光周波数を有する物体光と参照光の2つの光波を干渉させ、得られた干渉縞の強度分布から位相分布を算出している。この干渉縞は時間的には静止しており、静止画像を検出することになる。同じ周波数の光を干渉させる意味でホモダイン干渉法と称されるが、一般的には干渉縞の強度から位相を算出する場合の精度は波長の数10分の1程度しかなく、数10ナノメートル領域の高さ分布を測定することは困難であった。
上記のホモダイン干渉に対して、更なる高精度な測定ができる干渉計測、すなわち、周波数の異なる2つの光波を干渉させるヘテロダイン干渉法も良く知られている。図6に従来のヘテロダイン干渉法の原理構成図を示して動作を説明する。レーザ光源61から出射したレーザ光はビームスプリッター(BS)611で2方向に分けられ、BS611を透過したレーザ光612は高さ形状が測定されるサンプル62に照射される。サンプル62で反射されたレーザ光は物体光613となる。BS611で反射された他方のレーザ光614は周波数シフター63に入射し、レーザ光の周波数が変換される。64は周波数シフター駆動信号部で、周波数シフター63を駆動して、周波数のシフト量を設定する。周波数が変換されたレーザ光615は参照光となる。ここで、周波数シフター63には音響光学素子が多く用いられており、周波数のシフト量は数10MHzから数100KHzが一般的である。
レーザ光源61から発せられるレーザ光の周波数をf0とし、物体光613の周波数はf0、参照光615の周波数はf1とする。すなわち、ヘテロダイン干渉では物体光613と参照光615の周波数を異なる値に設定することが必要である。物体光613と参照光615をフォトダイオードなどから成る光電変換部65に入射させると、干渉が生じて光電変換された信号が生じる。この信号がビート信号616で、周波数f0とf1の差の周波数f0−f1を持つ。この差の周波数は、低い場合で数100KHzの領域で、光領域の周波数が有する位相などの情報がビート周波数の領域の低周波数で検出することができる。このビート周波数は周波数シフター駆動信号部64からの信号周波数に依存して決まる。
ビート信号616の位相はサンプル62の高さに応じて変化するため、位相の検出が重要である。しかし、単独のビート信号だけからは位相が検出できない。そこで、比較信号器66を用いることが必要で、ビート信号616と同一の周波数の比較信号617を発する。なお、比較信号617の位相は一定である。位相比較器67はビート信号616と比較信号617の位相を比較し、サンプル62の高さに応じて変化する物体光613の位相変化を検出する。形状算出部68は検出された位相からサンプルの高さを算出する。このように従来のヘテロダイン干渉計ではビート周波数の周波数が数100KHz以上と高いため、画像としての計測ができず、二つの電気信号間の位相を検出する構成である。
図7(a)にヘテロダイン干渉装置の具体的な構成例を示す。レーザ光源70を出たレーザ光700は光学系71に入射する。レーザ光700の周波数はf0である。光学系71はレーザ光の周波数を変換する周波数シフターとして音響光学素子(以下AODと略記)72を含む。AOD72はAOD制御回路720により駆動され、周波数が異なる2本に分離した2ビーム光を発生する。2ビーム光の各々の周波数はf1とf2である。2ビーム光はビームスプリッター725で2つの方向に分割され、ビームスプリッター725で反射した2ビーム光は参照光73として75の受光器1で光電変換されて参照信号752を発生する。ビームスプリッター725を透過した2ビーム光は対物レンズ727を介してサンプル62に照射されて反射し、さらにビームスプリッター725で反射して物体光74として76の受光器2で光電変換されて物体光信号762を発生する。なお、物体光74と参照光73の各々は周波数の異なる2ビーム光である。
参照光信号752と物体光信号762は同じ周波数で2ビーム光の差の周波数f1−f2を有するビート信号である。参照光信号752の位相φrは一定であるが、物体光信号762の位相φsはサンプル62の高さ形状に応じて変化する。位相差検出部77は物体光信号762と参照光信号752の位相差φs−φrを比較して位相φs検出する。データ処理部78は検出された位相差からサンプルの高さ情報を算出する。
図7(b)に参照光信号752と物体光信号762を示して位相比較動作を説明する。二つの信号の周波数は共にf1−f2であり、いずれも2ビーム光が干渉して得られたビート信号である。参照光信号752はサンプル情報を含まないため、位相は一定である。物体光74はサンプルの高さに応じて位相が変化するため、物体光信号762は位相が変化する。参照光信号752の位相を0に設定したとき、検出した位相差が物体光の位相に相当する。位相φと高さの関係は、レーザ光の波長をλとしたとき、位相の1度は反射光検出の場合はλ/720となり、透過光検出の場合はλ/360となる。波長が633nmのHe−Neレーザの場合の位相の1度は反射の場合で0.88nm、透過の場合で1.8nmとなる。以上のことから、ヘテロダイン干渉の場合は従来のホモダイン干渉と比較して数10倍以上の高感度な高さ形状が測定できることになる
図7に示した従来のヘテロダイン干渉装置はAOD72から2ビーム光を発生させる構成である。図8(a)にAOD72から2ビーム光を発生させる場合、AOD72を駆動する信号系を示して動作を説明する。発振周波数faを発する発振器82と、発振周波数fmを発する発振器83に対して振幅変調部84で二つの信号間の振幅変調を行い、2周波数成分のfa±fmを有する信号でAOD72を駆動する。AOD72に入射したレーザ光700は回折と周波数シフトを受けて、異なる方向に進行する2ビーム光85と86に分離する。この分離の大きさθmは周波数fmに比例し、回折される角度θaは周波数faに比例する。また、2ビーム光85と86の間の周波数の差は2fmで、その2つの光波が干渉したとき、周波数が2fmのビート信号が得られる。通常のAODの駆動周波数はfaが40MHz、fmが200KHz程度である。したがって、ビート信号の周波数は400KHz程度である。
図8(b)に3次元形状が測定されるサンプルに2ビーム光を照射した様子を示す。2ビーム光の強度分布は850と860に示すように、ピーク強度間の距離が各ビームスポット径程度に分離した状態で用いることが多い。このような状態はビート周波数が数100KHz程度の場合である。微小なスポット径に集光した2ビーム光850と860が照射された2点間にΔhの高さの差があれば、2ビーム光の間に光路長の差が生じ、それがビート信号の位相の変化として検出される。したがって、図7に示したヘテロダイン干渉装置はサンプルに照射された2ビーム光の間の位相の変化を検出する差動型の構成であって、ポイント計測法である。本技術の詳細は本願発明者により、技術文献、「光学」第21巻 第5号(1992)pp327〜 pp332に詳細に述べられている。
発明が解決しようとする課題
従来のヘテロダイン干渉装置は、周波数の異なる接近した2本の光波をサンプルに照射し、そのスポット光が照射された2点間の光路差を位相に変換して高さ形状を測定する差動型構成である。すなわち、ポイント計測である。そのため、広がりをもつサンプルの場合、2ビーム光を2次元面内で走査する必要がある。2次元走査するには走査を行わせる2次元走査光学系を付加する必要があり、そのために光学装置が複雑、大型化する問題点がある。また、サンプルを機械的に2次元移動させる場合は、測定時間が長くなるという問題点もある。
さらには、ビート信号に着目すると、ビート信号の周波数が200KHz程度以上ということも問題である。ヘテロダイン光学装置をポイント計測から面計測へと機能アップを計る場合、例えばCCDカメラなどでビート画像を検出する必要がある。そのためには、CCDカメラの応答周波数帯、例えば50Hz程度、のビート画像であることが必要になる。したがって、AODから発せられるビート信号の周波数を現状の1000分の1以下の低周波数に設定する必要がある。上記の諸課題を解決するため、本発明はビート信号の低周波数化、例えば100Hz以下を実現し、通常のCCDカメラなどを用いた面計測が可能なヘテロダイン干渉光学装置を実現することで、計測時間が短く、計測精度が高い高さ形状測定を実現することを目的とする。
課題を解決するための手段
上記の目的を達成するために、本発明のうちの請求項1に記載のヘテロダイン干渉装置は、レーザ光源から発せられるレーザ光を該レーザ光の周波数を変換する第1の音響光学素子と第2の音響光学素子に入射すると共に前記第1と第2の音響光学素子を音響光学素子駆動部から出力される異なる周波数の信号で駆動して、前記第1と第2の音響光学素子の各々から周波数が異なる物体光と参照光の二つの光波を作成し、第1の周波数を有する物体光は高さ形状が測定されるサンプルに照射して反射あるいは透過させ、第2の周波数を有する参照光と前記物体光を干渉させて前記物体光と参照光の周波数の差の周波数を有して干渉光強度が時間的に正弦波状に変化する2次元広がりを有するビート画像を作成するヘテロダイン干渉光学系と、前記ビート画像の周波数近傍の周波数帯域で応答して前記ビート画像を検出するカメラから成る画像検出部と、前記ビート画像の1周期の期間内の定められたタイミングに同期して前記ビート画像を複数枚検出するように画像検出動作を制御する画像検出制御部と、前記検出された複数枚の画像間の強度を演算して前記ビート画像の位相を算出する画像処理部と、該画像処理部で得られた位相から前記物体の高さ形状を算出する形状算出部とから構成される。
また、請求項2に記載の発明は請求項1に記載のヘテロダイン干渉装置に関わり、前記ヘテロダイン干渉光学系で作成される前記の物体光と参照光の光波の各々は共に周波数が異なる2つに分離して進行する2ビーム光から構成され、前記物体光と参照光の各々は前記2ビーム光を構成する各光波が実質的に重ね合わせられた状態で進行して前記2ビーム光の差の周波数を有するビート光波を発生する状態であり、前記物体光と参照光を干渉させて前記のビート画像を作成するように構成される。また、請求項3に記載の発明は請求項1に記載のヘテロダイン干渉装置に関わり、前記画像検出制御部は前記ビート画像の1周期を3、あるいは4分割したタイミングを設定し、該タイミングに応じて前記画像検出部で3、あるいは4枚のビート画像を検出するように構成される。
発明の効果
本発明によるヘテロダイン干渉装置は、市販されているレベルのCCDカメラで2次元のビート画像を検出して高さ形状を含めた3次元形状を測定する装置である。従来のヘテロダイン干渉装置はビート画像信号の周波数が数100KHz程度以上であるため、面計測が不可能であった。そのため、広がりのあるサンプルを計測する場合、測定時間が長くなるという問題があったが、本発明で面計測が可能となり、測定時間が大幅に短縮されるという効果がある。さらには、検出されたビート画像に対して、時間的位相シフト法を採用して複数の画像の強度を演算して位相情報を算出するため、レーザ光の強度変動などの影響を受けなで正確な位相検出が可能で、3次元計測精度が大幅に向上するという効果もある。上記の低周波数のビート画像の作成に対しては、2個の音響光学素子を用い、2組のビート光波を作成し、ビート光波どうしを干渉させてビート画像を得る構成である。このビート画像の周波数は音響光学素子を駆動する信号の周波数で容易に変えることが可能なため、使用するCCDカメラの応答速度に合わせて自在に設定することができ、調整が簡略できるという効果がある。
本発明によるヘテロダイン干渉装置は、微少なスポットに集光したレーザ光が照射されたポイント位置の計測を面の計測にまで拡大すると共に、その画像を通常のカメラ、例えばCCDカメラ、で計測可能にする構成である。ヘテロダイン干渉には周波数の異なる二つの光波を干渉させる必要がある。周波数の異なる二つの光波を作成するために2個の音響光学素子(AOD)を用いる。AODは駆動周波数に応じてレーザ光の周波数をシフトさせる働きがあり、二つのAODを異なる周波数で駆動して、レーザ光源から放射されるレーザ光(周波数f0)とは周波数が異なり、周波数f1とf2を有する二光波を作成する。
周波数がf1の光はサンプルに照射し、サンプルで反射、あるいは透過した光を物体光とする。周波数がf2の光はサンプルには照射しないで参照光となし、物体光と参照光を干渉させる。物体光と参照光は周波数が異なるため、干渉することにより、差の周波数(f1−f2=f3)で強度が正弦的に変化するビート画像が得られる。このビート画像は2次元的な広がりを持っており、その全体をCCDなどのカメラで検出する。現在市販されているCCDカメラの周波数応答は100Hz程度であるため、2次元のビート画像を検出するためには、ビート画像の周波数が100Hz以下であることが必要である。100Hz以下のビート周波数を得るためには、AODの駆動周波数差を100Hz以下にする必要があるが、通常のAODは50MHz程度の周波数で駆動しているため、50MHzの周波数領域で100Hzほどの差を付けることは困難である。そのため、本発明ではAODを2周波数成分の信号で駆動する。
第1のAOD(AOD1)をfa±f1の2周波数成分の信号で駆動すると、AOD1からは光周波数がf0+fa+f1とf0+fa−f1の2ビーム光が得られる。第2のAOD(AOD2)をfa±f2の2周波数成分の信号で駆動すると、AOD2からは光周波数がf0+fa+f2とf0+fa−f2の2ビーム光が作成される。これらの2組の2ビーム光はわずかに分離しているが、実質的には重なり合って進行する。そのため、物体光としての2ビーム光と参照光としての2ビーム光は干渉してビート周波数が2f1と2f2のビート信号を発する。これらの2組のビート光波を干渉させたビート画像の周波数は2(f1−f2)である。
周波数faを50MHzとしたとき、周波数f1を5KHz、周波数f2を5KHz+50Hzに設定すれば、ビート画像の周波数は100Hzとなる。高い周波数faに50Hzの差を付けるのは困難であるが、低い周波数f1、f2に50Hzの差を付けるのは容易である。このような2周波数成分の信号でAODを駆動して2組のビート信号どうしを干渉させることで、各ビート信号の有する周波数領域よりも低い周波数(100Hz以下)を有するビート画像に設定でき、2次元画像を検出するヘテロダイン干渉が実現できる。
CCDカメラで検出されたビート画像には物体の高さ(凹凸)情報が含まれている。すなわち、物体に照射された2ビーム光はサンプルの凹凸に応じて光路長が変化し、それが位相の変化となってビート画像の強度の変化として検出されるため、ビート画像の強度を解析することが重要である。ところが、1枚だけのビート画像の強度から位相を検出することができない。すなわち、時間的に正弦波状に変化するビート画像強度の振幅、バイアス強度が不定のため、どの位相で画像を検出したかを決定できないためである。そのため、ビート画像の1周期の特定のタイミングに同期して複数の画像を検出する。
正弦波信号の位相算出に位相シフト法が多く用いられている。時間的に静止した干渉縞の強度から位相を算出するとき、干渉縞を空間的に移動させ、各空間位置で検出した複数の画像強度から位相を算出するのが位相シフト法である。本発明においても、時間的に正弦波状に強度が変化するビート画像に対して、その1周期の期間の特定のタイミング毎に複数の画像を検出する。このとき、ビート画像の1周期を3、または4分割したタイミング、すなわち、π/4、あるいはπ/3のステップで画像を検出する。このとき、3あるいは4枚のビート画像を検出する。以上のビート画像の検出を時間的位相シフトと称する。
時間的位相シフトで検出した画像に対して、特定のアルゴリズムにしたがって画像解析を行う。ここで重要なことは、ビート画像強度の振幅、バイアス強度が未知であっても、複数の画像間で演算することで、未知であった振幅、バイアス強度がキャンセルされて正確な位相の値が決定できることである。位相が決定できれば、レーザ光の波長と位相の値からサンプルの高さ分布が検出できる。
以下に図面を用いて本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1に本発明によるヘテロダイン干渉装置の動作を説明する構成ブロック図を示す。10はレーザ光源で周波数f0のレーザ光100を発する。11はヘテロダイン干渉光学系で、第1の音響光学素子(第1のAOD)110、第2の音響光学素子(第2のAOD)112、及びビームスプリッターや多数のレンズなどから構成される。レーザ光100はビームスプリッターで2方向に分割され、一方の光は第1のAOD110に入射し、他方の光は第2のAOD112に入射する。二つの音響光学素子は音響光学素子駆動部13で駆動され、それぞれ周波数が異なるビーム102と104に変換される。ビーム102はビームスプリッター114を通って高さ形状が測定されるサンプル12に照射される。サンプル12で反射したレーザ光は同じビームスプリッター114で反射され、物体光としてCCDカメラなどから成る画像検出部14に入射する。反射光だけでなく、サンプル12を透過した光でも同様である。第2のAODを通ったビーム104はミラー116で反射され、参照光として画像検出部14に入射する。
画像検出部14に入射する物体光と参照光の周波数は互いに異なるため、二つの光が干渉したときは、物体光と参照光の差の周波数のビート信号が得られる。また、物体光と参照光は広がりを持つため、干渉した光も広がりを有する。したがって、画像検出部14は広がりを持ったビート画像を検出する。ビート画像は時間的には正弦波状に強度が変化するもので、画像検出制御部15でビート画像の検出タイミングを決定する。すなわち、ビート画像の1周期をN分割したタイミングを決定する。通常はN=3またはN=4とするため、3枚あるいは4枚のビート画像を検出する。このときのタイミングを変化させて画像を検出する動作が時間的位相シフトである。
画像検出部14で検出された複数のビート画像は画像処理部16で画像強度の相互の演算を行う。この演算は一般に用いられる位相シフトによる画像演算で、画像強度に対応する位相を算出する。形状算出部17は画像処理部16で検出された位相データをサンプル12の高さに変換するもので、画像全体の位相データから3次元形状を算出する。
図2に音響光学素子駆動部13の構成例を示して、レーザ光の周波数変調動作を説明する。20はDC電圧源で、電圧Vの直流電圧を発生する。21は電圧制御発振器(VCO)で、直流電圧を交流信号に変換するもので、直流電圧Vが印加されたとき、周波数fの交流信号を発生する。例えば、V=0.5voltのとき、周波数40MHzの交流信号を発生する。22はVCO21で発生した周波数fで、25の振幅変調回路1と26の振幅変調回路2にそれぞれ印加される。23と24は交流信号源で、それぞれ周波数mとnの交流信号を発生し、周波数mは振幅変調回路1に入力され、周波数nは振幅変調回路2に入力される。振幅変調回路1は交流信号fとmの間で振幅変調を行い、周波数がf±mの2周波数成分を有する第1のAOD駆動信号252を作成し、第1のAOD110を駆動する。振幅変調回路2は交流信号fとnの間で振幅変調を行い、周波数がf±nの2周波数成分を有する第2のAOD駆動信号262を作成し、第2のAOD112を駆動する。
第1のAOD駆動信号252で駆動される第1のAOD110は2本に分離した2ビーム光272と274を発生する。第2のAOD駆動信号262で駆動される第2のAOD112は2本に分離した2ビーム光282と284を発生する。2組の2ビーム光の各々はAOD内を進行する超音波によりドップラーシフトを受けて光の周波数が変調される。この超音波はAOD駆動信号に応じて発生するため、光周波数は駆動信号252と262に応じて変調される。AODに入射するレーザ光の周波数をf0としたとき、2ビーム光を構成するビーム272の周波数はf0+f+m、ビーム274の周波数はf0+f−mである。したがって、2ビーム光272と274の差周波数は2mである。同じく、2ビーム光を構成するビーム282の周波数はf0+f+n、ビーム284の周波数はf0+f−nである。したがって、2ビーム光282と284の差周波数は2nである。例えば、周波数m、nを1000Hzと1050Hzに設定したとき、2m=2000Hz、2n=2100Hzである。
2組の2ビーム光の間の分離角度は周波数m、nに比例するため、周波数m、nが低いほど2ビームへの分離が小さくなる。通常のAODでは周波数が200KHz程度で3mrad程度の分離角度となるため、周波数が1KHz程度では分離角度がマイクロrad程度で、実質的に重なった状態の1ビーム状態で進行する。周波数m、nが1KHz程度の場合、物体光となる2ビーム272、274と参照光となる2ビーム282、284の各々は2KHz程度のビート周波数を発するため、物体光と参照光が干渉したとき、各々の周波数差の2(m−n)がビート画像の周波数である。周波数m、nを1000Hzと1050Hzに設定したとき、2(m−n)=100Hzとなり、CCDカメラで検出できる程度に十分な低周波数のビート画像が得られる。
図3にビート画像の検出方法を示す。図3(a)31はCCDカメラで検出されたビート画像の画素位置(x、y)である。全画素の画像強度はサンプル各位置の凹凸量に応じて変動しており、全画素の強度を位相に変換して高さを算出する。点(x、y)の強度をI(x、y)とすれば、
I(x、y)=Ib(x、y)+Ia・cos(φ(x、y))で表される。ここで、Ibはバイアス強度、Iaは振幅、φは位相である。ビート画像の強度から位相を算出する場合、Ib及びIaの値が未知であるため、一つの画像の強度値だけからは位相を算出することができない。そこで、複数のビート画像を検出して、ビート画像間の強度を演算することで位相を検出する必要がある。
図3(b)にビート画像の点(x、y)における強度の時間に対する画像検出の方法を示す。32はビート画像の点(x、y)における強度の時間的な変化を表し、正弦波状に強度が変化する様子を示す。ビート画像の強度信号32の1周期の期間をTとしたとき、Tを4分割したタイミングごとに画像を検出する。画像33はt=0での検出、画像34はt=T/4での検出、画像35はt=2T/4での検出、画像36はt=3T/4での検出である。検出した位置(x、Y)での画像強度をI0、I1,I2,I3とする。図3(b)の実施例では周期Tを4分割したタイミングで4枚のビート画像を検出する例を示したが、他の実施例として、周期Tを3分割したタイミングで3枚のビート画像を検出してもよい。この場合はt=0、T/3、2T/3のタイミングでビート画像を検出する。
図4に検出したビート画像の強度I0、I1,I2,I3から位相を算出するときの演算例を示す。式1は点(x、y)における4枚のビート画像の強度で、位相φを求める。ビート画像信号の1周期を4分割したタイミングで画像検出を行っているため、位相のシフト量はπ/2のステップとなっている。式2はI0、I1,I2,I3の4つの画像強度に対して、2組の強度の差の商を演算するもので、バイアス強度Ibと振幅Iaの各々がキャンセルされることになる。したがって(I3−I1)/(I0−I2)の演算により、tan(φ)が求められ、式3により位相φが決定できる。以上は画像の点(x、y)での位相算出であるが、この演算を全画素に対して行えば、サンプルの凹凸に対応する位相分布が決定できる。
式4と式5に検出した位相φをサンプルの高さに変換する関係式を示す。式4はサンプルに照射したレーザ光が反射した場合、式5は同じく透過した場合の関係式で、λはレーザ光の波長、hは高さである。波長λが633nmのHe−Neレーザの場合、反射の場合で位相の1度はλ/720で0.88nmである。透過の場合は同じくλ/360で、1.76nmに相当する。
図5にヘテロダイン干渉光学系の構成例を示す。レーザ光源10から発せられたレーザ光100はレンズ系50によりビーム径を変換されてビームスプリッター(BS)52に入射する。BS52を透過したレーザ光は第1の音響光学素子(AOD)に入射して回折、周波数シフト作用を受けて物体光としてサンプル53に入射し、透過光が反射ミラーで反射する。BS52で反射したレーザ光は反射ミラー55で反射され、第2のAOD112に入射し、回折、周波数シフト作用を受けて参照光となる。なお、物体光はサンプル53を透過した例で示したが、サンプルで反射した場合でも同様である。
物体光と参照光はBS56で重ね合わせられて干渉して低周波数のビート画像となる。ビート画像はレンズ57でビーム形状を変換して画像を撮影するのに適した大きさになって、CCDカメラ58で画像検出される。
以上の説明で明らかなごとく、本発明は通常のCCDカメラで検出される低周波数領域の2次元ビート画像を作成すると共に、そのビート画像信号の1周期の特定のタイミングごとに画像を検出する構成である。すなわち、物体光と参照光の両方をビート信号としてそのビート信号間の差周波数のビート画像を作成することで低周波数化を実現し、従来の静的な干渉計測で用いられていた位相シフト法をヘテロダイン干渉計測に応用して高精度な位相検出を行う構成である。
本発明のヘテロダイン干渉装置の構成と動作を説明するブロック図である。 本発明の音響光学素子を駆動する音響光学素子駆動部の構成を表す図である。 (a)はCCDカメラで画像を検出するときの観測点を示す図、(b)はビート画像を検出するときのタイミングを説明する図である。 画像強度から位相を検出するときの式の説明である。 ヘテロダイン干渉計の構成を表す図である。 従来のヘテロダイン干渉法の原理を説明する図である。 (a)は従来の差動型ヘテロダイン干渉計の構成を説明する図、(b)はビート信号の位相を検出する図である。 (a)は従来の音響光学素子から2ビーム光を作成するときの構成を示す図、(b)は2ビーム光がサンプルに照射されたときの様子を示す図である。
110 第1の音響光学素子
112 第2の音響光学素子
13 音響光学素子駆動部
14 画像検出部
15 画像検出制御部
16 画像処理部
17 形状算出部

Claims (3)

  1. レーザ光源から発せられるレーザ光を該レーザ光の周波数を変換する第1の音響光学素子と第2の音響光学素子に入射すると共に前記第1と第2の音響光学素子を音響光学素子駆動部から出力される異なる周波数の信号で駆動して、前記第1と第2の音響光学素子の各々から周波数が異なる物体光と参照光の二つの光波を作成し、第1の周波数を有する物体光は高さ形状が測定されるサンプルに照射して反射あるいは透過させ、第2の周波数を有する参照光と前記物体光を干渉させて前記物体光と参照光の周波数の差の周波数を有して干渉光強度が時間的に正弦波状に変化する2次元広がりを有するビート画像を作成するヘテロダイン干渉光学系と、前記ビート画像の周波数近傍の周波数帯域で応答して前記ビート画像を検出するカメラから成る画像検出部と、前記ビート画像の1周期の期間内の定められたタイミングに同期して前記ビート画像を複数枚検出するように画像検出動作を制御する画像検出制御部と、前記検出された複数枚の画像間の強度を演算して前記ビート画像の位相を算出する画像処理部と、該画像処理部で得られた位相から前記物体の高さ形状を算出する形状算出部とから構成されることを特徴とするヘテロダイン干渉装置。
  2. 前記ヘテロダイン干渉光学系で作成される前記の物体光と参照光の光波の各々は共に周波数が異なる2つに分離して進行する2ビーム光から構成され、前記物体光と参照光の各々は前記2ビーム光を構成する各光波が実質的に重ね合わせられた状態で進行して前記2ビーム光の差の周波数を有するビート光波を発生する状態であり、前記物体光と参照光を干渉させて前記のビート画像を作成することを特徴とする請求項1に記載のヘテロダイン干渉装置。
  3. 前記画像検出制御部は前記ビート画像の1周期を3、あるいは4分割したタイミングを設定し、該タイミングに応じて前記画像検出部で3、あるいは4枚のビート画像を検出することを特徴とする請求項1に記載のヘテロダイン干渉装置。
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