図1は、本発明を適用可能な部品取付装置の概略構成を示す平面図である。また、図2は、図1に示す部品取付装置の部分正面図である。さらに、図3は、図1に示す部品取付装置の主要な電気的構成を示すブロック図である。これらの図に示す部品取付装置1は、表面実装部品Psおよびリード部品Plの両方を基板Sに対して取付可能な構成を具備する。なお、図1、図2および以下で示す図では、各図の方向関係を明確にするために、Z軸方向を鉛直方向とするXYZ直交座標軸を適宜示すこととする。
部品取付装置1では、基台11上に基板搬送機構2が配置されており、基板Sを所定の搬送方向Xに搬送可能となっている。より詳しくは、基板搬送機構2は、基台11上において基板Sを図1の右側から左側へ搬送する一対のコンベア21、21を有している。そして、コンベア21、21は制御ユニット200の駆動制御部210からの指令に応じて、基板Sの搬送を実行する。具体的には、コンベア21、21は、装置外部より搬入した基板Sを、所定の作業位置L(図1および図2に示す基板Sの位置)で停止させ、図略の固定手段により固定して保持する。そして、後述するヘッドユニット6が作業位置Lに固定された基板Sへの電子部品P(表面実装部品Ps、リード部品Pl)の取り付けを完了すると、コンベア21、21は基板Sを装置外部へ搬出する。
また、基台11上には、作業位置Lに固定された基板Sを下方から補助的に支持するバックアップ部3が配置されている。このバックアップ部3は、平板状のバックアッププレート31(プッシュアッププレート)の上面に着脱自在に配置された複数のクリンチピン100を下方から基板Sに突き当てることで、基板Sを支持する。このようなクリンチピン100が用いられる理由は次のとおりである。
この部品取付装置1では、表面実装部品Psおよびリード部品Plが基板Sに取り付けられる。これらのうちリード部品Plの取り付けは、リード部品Plに一定の荷重を掛けつつ、リード部品Plのリードを基板Sに差し込んで行われる。そのため、コンベア21、21による保持のみでは、リード部品Plの取り付けに伴う荷重によって基板Sが撓むおそれがある。そこで、リード部品Plの取付箇所に応じた配置箇所にクリンチピン100を配置して、当該取付箇所をクリンチピン100で支持することで、リード部品Plの取り付けによる基板Sの撓みを抑制することとしている。また、リード部品Plを基板Sに取り付けるためには、リード部品Plのリードlをクリンチする必要もある。そこで、このクリンチピン100は、基板Sの撓みを抑制する機能のほか、基板Sに取り付けられたリード部品Plのリードlをクリンチする機能も兼ね備える。なお、生産する基板Sの品種が異なれば、リード部品Plの取付箇所も異なる。そこで、クリンチピン100の配置箇所は、リード部品Plの配置箇所に応じて変更可能となっている。
図4〜図6を用いて、クリンチピン100の具体例について詳述しておく。ここで、図4は、クリンチピンの一例の構成を概略的に示す斜視図である。図5および図6は、図4に示したクリンチピンの構成および動作を概略的に示す部分断面図である。このクリンチピン100は、抵抗やコンデンサといったリード部品Plを基板Sに取り付けるためにバックアッププレート31に配置されるものであり、図4〜図6では、クリンチピン100の作業対象であるリード部品Pl、基板Sやバックアッププレート31が併記されている。なお、図4では、基板Sに隠れる構成についても、基板Sを透かして示している。
リード部品Plからは、針金状のリードlが所定本数(図の例では2本)延設されている。このリードlは、リード部品Plを基板Sに連結する機能と、リード部品Plを基板Sのパターンに電気的に接続する機能とを果たす。一方、基板Sには、リード部品Plのリードlを差し込むための差込孔hが、部品Pの取付箇所Waに対して設けられている。差込孔hは基板Sを貫通しており、基板Sの表面Sf(一方主面)から裏面Sb(他方主面)へ向かう部品取付方向D(Z軸方向に平行な方向)から差込孔hに差し込まれて基板Sの下方に突出したリードlが折り曲げられることで、リード部品Plが基板Sに取り付けられる。
図4〜図6に示すように、クリンチピン100は、Z軸方向に延びる円筒形状を有している。より具体的には、クリンチピン100は、Z軸方向に延びる円筒形状のベース部材110の上端に、Z軸に対して回転対称な形状のリード受け部材120を固定した概略構成を備える。このリード受け部材120の上面には、リード受け部材120の径方向に切られて上方および側方に開口するリード受け溝123が所定個数(図の例では2本)形成されている。これらリード受け溝123は、リード部品Plのリードlに対応して設けられており、リード受け部材120の中心線(回転対称軸)に対して回転対称(図の例では180度対称)に形成されている。リード受け溝123は、リード受け部材120の中心線のやや外側から周面にかけて形成されており、リード受け部材120の周面に向けて下る斜面形状を有する。より詳しくは、リード受け溝123は、急斜面と当該急斜面より傾斜角の小さい緩斜面とをアールで滑らかに接続した形状を有し、リード受け部材120の中心線から周面に向けて急斜面から緩斜面へ到るように形成されている。つまり、この実施形態では、リード受け溝123が、部品取付方向Dに対して傾斜した傾斜部として機能する。
リード部品Plを基板Sにクリンチする際には、クリンチピン100のリード受け溝123が基板Sの差込孔hの下方に位置するように、クリンチピン100が基板Sの下方の配置箇所Wbに配置される。そして、リード部品Plのリードlを差込孔hに差し込んだ状態から、リード部品Plが下方に押し込まれる。これによって、基板Sの下方に突出したリードlが、リード受け溝123に接触した後さらに押し込まれて、リード受け溝123の形状に沿って折れ曲がる。こうして、リードlが曲げられて、リード部品Plが基板Sに取り付けられる。この際、図5に示すように、リードlの端はリード受け部材120の周面より外側に突出する。
さらに、リード受け部材120の上面には、支持突起124が形成されており、クリンチピン100は、この支持突起124で基板Sの裏面Sbに接して、基板Sを支持する。これによって、リード部品Plの取り付けに伴って働く荷重に抗して、基板Sをクリンチピン100で支持して、基板Sの撓みが抑制されている。また、ベース部材110の下端には、磁石135がネジ止めされており、クリンチピン100は、磁力によってバックアッププレート31に装着されている。これによって、基板Sからの力に抗して、クリンチピン100をバックアッププレート31上にしっかりと立設することができる。
また、クリンチピン100は、リード受け溝123に沿って曲げられてリード受け部材120の周面より突出したリードlに対して、追加的な加工を行う追加加工機構140を有する。この追加加工機構140は、外筒141の上端に形成された刃141aを用いて、リードlを切断する加工を行うものである。具体的には、追加加工機構140は、Z軸方向に延びる円筒形状を有した中空の外筒141と、外筒141の中空部を横断するように外筒141の内壁に架かるブリッジ142と、ブリッジ142から下方に延びて外向きフランジ143aを下端に有するシャフト143とで構成される。この追加加工機構140は、次のようにしてベース部材110に取り付けられている。
図5および図6に示すように、ベース部材110の内部には、Z軸方向に延びる内部空間150が形成されている。内部空間150は、上端がリード受け部材120で閉塞され、下端が蓋部材160で閉塞されている。この蓋部材160は、上方を向いて内部空間150に突出する凸部161を有する。内部空間150を囲むベース部材110の内壁には内向きフランジ110aが設けられており、内部空間150は、内向きフランジ110aより下側の下方空間150aと、内向きフランジ110aより上側の上方空間150bとに大別される。
そして、追加加工機構140のシャフト143は、ベース部材110の内部空間150に配置されて、Z軸方向に移動自在となっている。具体的には、内向きフランジ110aで囲まれる孔に対して、シャフト143の上端が下方から挿入されている。そして、シャフト143の下端のフランジ143aが下方空間150aに位置し、シャフト143の上端がフランジ143aから上方空間150bへ突出している。その結果、フランジ143aが蓋部材160の凸部161に突き当たる下方位置(図5の位置)と、フランジ143aがフランジ110aに突き当たる上方位置(図6の位置)との間で、シャフト143はZ軸方向に移動できる。
追加加工機構140のブリッジ142は、ベース部材110に設けられた横孔151に配置されている。この横孔151は、ベース部材110を水平方向に貫通しつつ上方空間150bに連通しており、ブリッジ142の可動域を確保するためにZ軸方向に所定の幅を持って設けられている。そして、ブリッジ142は横孔151内を移動することで、ベース部材110と干渉すること無くシャフト143に伴ってZ軸方向に移動できる。
追加加工機構140の外筒141は、ベース部材110およびリード受け部材120の外側に嵌められて、横孔151から突出するブリッジ142の両端で支持される。こうして、外筒141は、ブリッジ142を介してシャフト143に接続されており、シャフト143に伴ってZ軸方向へ移動できる。
このように、外筒141、ブリッジ142およびシャフト143で構成される追加加工機構140は、Z軸方向へ移動自在となっている。そして、この追加加工機構140の移動は、クリンチピン100に設けられた圧入孔171および圧縮バネ172によって実行される。つまり、ベース部材110を貫通する圧入孔171は下方空間150aに連通しており、圧入孔171から下方空間150aに圧入された空気はシャフト143を下面から押し上げる。一方、圧縮バネ172は、上方空間150bにおいて、リード受け部材120とブリッジ142の間に設けられており、ブリッジ142を介してシャフト143を押し下げる。このような構成を具備していることから、圧入孔171から空気を圧入することで、シャフト143に伴って外筒141を上昇できる一方、圧入孔171を大気圧に開放することで、シャフト143に伴って外筒141を下降できる。具体的には、チューブを介して圧力調整機構93(図3)に圧入孔171は接続されており、この圧力調整機構に93よって圧入孔171への空気の圧入や、圧入孔171の大気圧への開放が実行される。
また、追加加工機構140は、外筒141の上方でリード受け部材120の外側に嵌められたリング状の基板保護部材144をさらに備える。この基板保護部材144は、リード受け溝123の傾斜面の下端よりやや上方に位置している。したがって、図5および図6の状態において、リード受け溝123に沿って曲げられたリードlは、リード受け溝123の傾斜面と基板保護部材144の間から外側に突出する。そのため、図6の位置まで外筒141を上昇させることで、部品取付方向Dの逆方向からリードlに突き当たった外筒141(の刃141a)と基板保護部材144とでリードlを挟んで、リードlを切断することができる。このようにクリンチピン100は、リード受け溝123に沿って曲げられたリードlに対して切断加工を施すことができる。
以上が、クリンチピン100の具体例の詳細である。図1〜図3に戻って、部品取付装置1について説明を続ける。上述のようなクリンチピン100が配置されるバックアップ部3は、駆動制御部210からの指令に応じてバックアッププレート31を昇降させる昇降機構35を備えている。具体的には、コンベア21、21が基板Sを作業位置Lに固定している際には、昇降機構35はバックアッププレート31の上面を初期高さz0に位置決めして、クリンチピン100の上端で基板Sを下方から支持する。一方、コンベア21、21が基板Sを搬送する際には、昇降機構35はバックアッププレート31の上面を初期高さz0から下降させて、搬送中の基板Sとクリンチピン100との干渉を防止する。
コンベア21、21の前方側(+Y軸方向側)および後方側(−Y軸方向側)には、部品供給部4が配置されている。この部品供給部4は、表面実装部品供給部4sとリード部品供給部4lとで構成される。表面実装部品供給部4sは、電子部品Pとしての表面実装部品Psを供給するフィーダ41sをX軸方向に多数並べた構成を具備する。各フィーダ41sは、表面実装部品Psを収納・保持したテープを巻き回したリール(図示省略)を設けたテープフィーダであり、表面実装部品Psをヘッドユニット6に供給可能となっている。具体的には、テープには、集積回路(IC)、トランジスタ、コンデンサ等の小片状のチップ電子部品Psが所定間隔おきに収納、保持されている。そして、フィーダ41sは、リールからテープをヘッドユニット6側に送り出すことで、該テープ内の表面実装部品Psを間欠的に部品吸着位置に繰り出す。その結果、ヘッドユニット6の取付ヘッド61に装着された吸着ノズル62によって表面実装部品Psのピックアップが可能となる。
一方、リード部品供給部4lは、電子部品Pとしてのリード部品Plを供給するフィーダ41lをX軸方向に多数並べた構成を具備する。各フィーダ41lは、例えば特開2007−180280号公報に記載されたフィーダと同様に、複数のリード部品Plを所定間隔おきに保持するキャリアテープ(図示省略)を設けたものであり、キャリアテープをヘッドユニット6側に送り出すことによって、リード部品Plを間欠的に部品吸着位置に送り出す。その結果、ヘッドユニット6の取付ヘッド61に装着された吸着ノズル62によってリード部品Plのピックアップが可能となる。
ヘッドユニット6は、取付ヘッド61の吸着ノズル62により吸着保持した電子部品Pを基板Sに搬送して、ユーザより指示された取付箇所に移載するものである。具体的には、ヘッドユニット6は、前方側でX軸方向に一列に配列された6個の取付ヘッド61Fと、後方側でX軸方向に一列に配列された6個の取付ヘッド61Rとの合計12個の取付ヘッド61を有している。すなわち、図1および図2に示すように、ヘッドユニット6では、鉛直方向Zに延設された取付ヘッド61Fが6本、X軸方向に等ピッチで列状に設けられている。また、取付ヘッド61Fに対して後方側(−Y軸方向側)にも、前列と同様に構成された後列が設けられている。つまり、鉛直方向Zに延設された取付ヘッド61Rが6本、X軸方向に等ピッチで列状に設けられている。なお、取付ヘッド61Fと取付ヘッド61RとはX軸方向に半ピッチずれて配置されており、図1に示すように平面視でジグザグ状に配置されている。このため、Y軸方向から見ると、図2に示すように12本の取付ヘッド61は互いに重なり合うことなくX軸方向に一列に並んでいる。
吸着ノズル62が装着される各取付ヘッド61の先端部は、圧力切換機構7を介して負圧発生装置、正圧発生装置、及び大気のいずれかに連通可能とされている。そして、制御ユニット200の把持制御部220が圧力切換機構7をコントロールすることで取付ヘッド61の先端部に与える圧力を切り換え可能となっている。したがって、圧力切換によって負圧発生装置からの負圧吸着力を取付ヘッド61の先端部に与えると、当該先端部に装着された吸着ノズル62が電子部品Pを吸着して保持する。逆に、正圧発生装置からの正圧を取付ヘッド61の先端部に与えると、吸着ノズル62による電子部品Pの吸着保持が解除されて、電子部品Pが基板Sに取り付けられる。そして、電子部品Pの取付後、吸着ノズル62は大気開放とされる。このようにヘッドユニット6では把持制御部220による負圧吸着力及び正圧供給の制御により電子部品Pの着脱が可能となっている。
各取付ヘッド61はヘッドユニット6に対して図略のノズル昇降駆動機構により昇降(Z軸方向の移動)可能に、かつ図略のノズル回転駆動機構によりノズル中心軸回りに回転(図2のR方向の回転)可能となっている。これらの駆動機構のうちノズル昇降駆動機構は電子部品Pの吸着もしくは取付を行う時の下降位置(下降端)と、電子部品Pの搬送を行う時の上昇位置(上昇端)との間で取付ヘッド61を昇降させるものである。一方、ノズル回転駆動機構は吸着ノズル62を必要に応じて回転させるための機構であり、回転駆動により電子部品Pを取付時における所定のR方向に位置させることが可能となっている。なお、これらの駆動機構については、それぞれZ軸サーボモータMz、R軸サーボモータMrおよび所定の動力伝達機構で構成されており、駆動制御部210によりZ軸サーボモータMzおよびR軸サーボモータMrを駆動制御することで、各取付ヘッド61をZ軸方向およびR方向に移動させることができる。
これら取付ヘッド61を保持するヘッドユニット6は、基台11の所定範囲にわたりX軸方向及びY軸方向(X軸及びZ軸方向と直交する方向)に移動可能となっている。すなわち、ヘッドユニット6は、X軸方向に延びる取付ヘッド支持部材63に対してX軸に沿って移動可能に支持されている。また、取付ヘッド支持部材63は、両端部がY軸方向の固定レール64に支持され、この固定レール64に沿ってY軸方向に移動可能になっている。そして、このヘッドユニット6は、X軸サーボモータMxによりボールねじ66を介してX軸方向に駆動され、取付ヘッド支持部材63はY軸サーボモータMyによりボールねじ68を介してY軸方向へ駆動される。したがって、駆動制御部210がX軸サーボモータMxおよびY軸サーボモータMyを駆動制御することで、XY面内の所定位置にヘッドユニット6を移動させることができる。その結果、ヘッドユニット6を適宜移動させて、取付ヘッド61に吸着された電子部品Pを部品供給部4から取付箇所まで搬送するといった動作が実行できる。
また、部品取付装置1には、電子部品Pを撮像する2種類のカメラ(部品認識カメラC1、部品検査カメラC2)が設けられている。部品認識カメラC1は、照明部およびCCD(Charge Coupled Device)カメラなどから構成されて、基台11上に配置されており、各取付ヘッド61の吸着ノズル62による電子部品Pの吸着状態を確認するために主に用いられる。具体的には、駆動制御部210がヘッドユニット6を適宜移動させることで、部品認識カメラC1の上方に吸着ノズル62の吸着する電子部品Pを移動させる。そして、この状態で部品認識カメラC1の撮像した電子部品Pの画像が制御ユニット200(の画像処理部230)に転送される。制御ユニット200は、この画像に基づいて駆動制御部210によりR軸サーボモータMrを制御することで、取付ヘッド61をR方向に適宜回転させて、基板Sに取り付けられる電子部品Pの角度を適切に調整する。
一方、部品検査カメラC2は、照明部およびCCDカメラなどから構成されて、ヘッドユニット6に搭載されており、基板Sに取り付けられた電子部品Pの取付状態を検査するために主に用いられる。具体的には、駆動制御部210がヘッドユニット6を適宜移動させることで、電子部品Pの取付箇所の上方に部品検査カメラC2を移動させる。そして、この状態で部品検査カメラC2の撮像した電子部品Pの画像が画像処理部230に転送される。画像処理部230は、転送されてきた電子部品Pの画像から、電子部品Pの取付状態の良否を判定する。
後に詳述するように、この実施形態では、ヘッドユニット6の取付ヘッド61によって、バックアッププレート31上の所定の配置箇所にクリンチピン100を配置する。つまり、バックアップ部3の後方側(−Y軸方向側)に配置されたオードノズルチェンジャ81では、取付ヘッド61の先端部に取り付け可能な吸着ノズル62として、電子部品P用の吸着ノズル62pとクリンチピン100用の吸着ノズル62cとが準備されており、取付ヘッド61に取り付ける吸着ノズル62をこれらの間で交換することができる。また、バックアップ部3の前方側(+Y軸方向側)には、複数のクリンチピン100を収容するストッカ82が配置されている。そして、クリンチピン100用の吸着ノズル62cが取り付けられた取付ヘッド61を用いて、ストッカ82からバックアッププレート31へとクリンチピン100を吸着・搬送することで、バックアッププレート31の所定の配置箇所にクリンチピン100を配置することができる。なお、この際の取付ヘッド61の移動は、上述の電子部品Pの搬送と同様にして、駆動制御部210によって制御される。
図3に示すように、部品取付装置1には、ユーザとのインターフェースとして機能するディスプレイ91および入力機器92を備える。ディスプレイ91は、部品取付装置1の動作状態等を表示する機能のほか、タッチパネルで構成されてユーザからの入力を受け付ける入力端末としての機能も有する。また、入力機器92は、マウスやキーボードで構成されており、ユーザからの入力を受け付ける機能を果たす。なお、これらディスプレイ91および入力機器92に対する入出力の制御は、制御ユニット200の入出力制御部240によって実行される。
また、上述のとおり、この実施形態にかかるクリンチピン100は、リード受け溝123に沿って曲げられたリードlに対して切断加工を施す追加加工機構140を有する。そこで、制御ユニット200は、追加加工機構140の動作を制御するために追加加工制御部245を有する。この追加加工制御部245は、上述の圧力調整機構93による圧力調整を制御して、追加加工機構140の外筒141をZ軸方向に移動させることで、リードlに追加的な加工(切断加工)を施す。具体的には、追加加工制御部245は、切断加工を行わない間は圧入孔171を大気圧へ開放して、外筒141を下方位置(図5に示す位置)に下降させておく。一方、追加加工制御部245は、切断加工を行う際には圧入孔171に空気を圧入して、外筒141を上方位置(図6に示す位置)まで上昇させる。
このように構成された部品取付装置1全体の動作は、主制御部250によって統括的に制御される。つまり、この主制御部250は、記憶部260に記憶されているプログラムやデータに基づいてバス270を介して制御ユニット200の各部と互いに信号のやり取りを行って、装置1全体を制御する。具体的には、記憶部260には、ピン配置プログラム261および取付プログラム262(生産プログラム)が記憶されている。ピン配置プログラム261は、クリンチピン100をバックアッププレート31の配置箇所に配置するために、取付ヘッド61等を制御するためのプログラムである。また、取付プログラム262は、電子部品Pを基板Sの取付箇所に取り付けるために、取付ヘッド61等を制御するためのプログラムであり、基板Sに対して電子部品Pを取り付ける位置、角度のほか、取付手順等の情報が組み込まれている。続いては、主制御部250の制御下で実行される動作の一例について説明する。
図7は、図1の部品取付装置で実行される動作の一例を示すフローチャートである。同図では、生産基板の品種が切り換えられた際のフローチャートが示されている。つまり、ユーザインターフェース91、92を介して、ユーザより基板品種の切換が指示されると、同図のフローチャートが実行される。ステップS101では、記憶部260に記憶されている取付プログラム262から、基板Sに電子部品Pを取り付ける位置および角度を示す基板データが読み出される。そして、この基板データは、ディスプレイ91に一覧で表示される(図5)。
図8は、ディスプレイへの基板データの表示態様の一例を示す図である。図8に示すようにディスプレイ91では、電子部品P1、P2…のそれぞれについて、当該電子部品を取り付ける位置(X座標、Y座標)と、当該電子部品を取り付ける角度(R角度)が示される。また、ディスプレイ91では、電子部品P1、P2…のそれぞれがリード部品Plであるか否かを指定するためのリード部品チェックボックスが示される。そして、ユーザは、ディスプレイ91のタッチパネル機能あるいは入力機器92を用いて、リード部品Plである電子部品Pのリード部品チェックボックスにチェックを入れる(ステップS102)。ちなみに、図8の例では、電子部品P2、P6のリード部品チェックボックスにチェックが入れられている。
ステップS103では、ステップS102でのユーザの入力結果に基づいて、リード部品Plの搭載情報が抽出される。具体的には、同ステップでは、ユーザによってリード部品Plであると指定された電子部品P2、P6の取付箇所の位置(X座標、Y座標)が抽出される。そして、リード部品P2、P6の取付箇所の位置から、クリンチピン100の配置箇所の位置が求められる。なお、リード部品Plの取付箇所とクリンチピン100の配置箇所とは、Z軸方向への位置が異なるのみである。したがって、リード部品P2、P6の取付箇所の位置(X座標、Y座標)が、クリンチピン100の配置箇所の位置(X座標、Y座標)として求められる。
また、このステップS103では、ユーザによってリード部品Plであると指定された電子部品P2、P6の取付角度(R方向)が抽出されて、クリンチピン100の配置角度として求められる。つまり、クリンチピン100は、リード部品Plのリードlをリード受け溝123で受けて、リードlをクリンチする。したがって、リードlに対してリード受け溝123が傾いていると、リードlをリード受け溝123で適切に受けることができず、リードlを確実にクリンチできないおそれがある。そこで、リード部品Plの取付角度にクリンチピン100の配置角度を合わせて、リードlをリード受け溝123で的確に受けるために、ステップS103では、リード部品Plの取付角度(R方向)がクリンチピン100の配置角度(R方向)として求められる。
続いて、ステップS104において取付ヘッド61の吸着ノズル62がクリンチピン用の吸着ノズル62cに交換されると、ステップS105のクリンチピン配置処理が実行される。このクリンチピン配置処理では、ステップS103で求められた配置位置および角度に基づいて、クリンチピン100がバックアッププレート31に配置される。詳述すると、主制御部250は、ストッカ82に収容されている配置対象のクリンチピン100を部品検査カメラC2で撮像して、当該クリンチピン100の角度を把握する。具体的には、クリンチピン100のリード受け溝123、あるいはクリンチピン100に付されたマーカを認識した結果に基づいて、クリンチピン100の角度が把握される。そして、ステップS103で求められた配置位置および角度と、部品検査カメラC2により認識したクリンチピン100の角度に基づいて、クリンチピン100のバックアッププレート31への配置が実行される(図9)。ここで、図9は、バックアッププレートへのクリンチピンの配置態様の一例を模式的に示した平面図である。図9に示すように、ユーザが指定したリード部品Plを取り付ける位置および角度に応じて、クリンチピン100がバックアッププレート31に配置される。
なお、クリンチピン配置処理においては、バックアッププレート31の上面の高さが初期高さz0から変更される。この理由は次のとおりである。つまり、作業位置Lに固定された基板Sに電子部品Pを取り付ける際は、取付ヘッド61は、部品取付高さzfにある基板Sの表面Sfに対して作業を行う。これに対して、クリンチピン100の配置を行う際には、取付ヘッド61は、バックアッププレート31の上面に対して作業を行う。したがって、取付ヘッド61は、部品取付高さzfにある基板Sの表面Sfと、バックアッププレート31の上面との両方にアクセスできるだけの移動範囲を有する必要がある。そのため、クリンチピン配置処理時のバックアッププレート31の上面の高さが、部品取付高さzfと大きく異なると、取付ヘッド61の移動範囲を広く確保する必要があるが、この移動範囲を確保することは必ずしも簡単でない。
これに対応するため、クリンチピン配置処理を実行するにあたっては、初期高さz0よりも部品取付高さzfの側に、バックアッププレート31の上面の高さを上昇させる。このような構成では、取付ヘッド61が基板Sに電子部品Pを取り付けるために移動する範囲と、取付ヘッド61がクリンチピン100を配置するために移動する範囲とを近接させることができる。そのため、取付ヘッド61の移動範囲を広く確保する必要が無く、装置1の構成の簡素化を図ることができる。
ステップS105において、リード部品Plの取り付けに必要な全てのクリンチピン100が配置されて、クリンチピン配置処理が完了すると、取付ヘッド61の吸着ノズル62が電子部品用の吸着ノズル62pに交換されるとともに(ステップS106)、基板Sが搬入されて作業位置Lに固定される(ステップS107)。こうして、電子部品Pの取付を開始するための準備が完了する。
ステップS108の表面実装部品取付処理では、表面実装部品Psの基板Sへの取り付けが実行される。具体的には、表面実装部品供給部4sが供給する表面実装部品Psを、取付ヘッド61が吸着ノズル62pで吸着保持して、基板Sの表面Sfの取付箇所まで搬送する。そして、吸着ノズル62pに正圧が与えられて、吸着ノズル62pから基板Sの取付箇所へ表面実装部品Psが取り付けられる。この取付動作が全ての表面実装部品Psについて実行されると、ステップS109が実行される。
ステップS109のリード部品取付処理では、リード部品Plの基板Sへの取り付けが実行される。具体的には、リード部品供給部4lが供給するリード部品Plを、取付ヘッド61が吸着ノズル62pで吸着保持して、基板Sの表面Sfの取付箇所まで搬送する。そして、取付ヘッド61によって、Z軸方向から下向きにリード部品Plへ一定の荷重を掛けつつ、取付箇所に設けられた差込孔にリード部品Plのリードを差し込む。この際、リード部品Plに掛ける荷重の調整は、Z軸サーボモータMzの駆動電流を制御することで行なわれる。また、リード部品Plの取付位置の下方には、クリンチピン100が配置されているため、基板Sの裏面Sbから突出したリード部品Plのリードは、クリンチピン100のリード受け溝123に沿って曲げられる。その結果、リード部品Plが基板Sに取り付けられる。この取付動作が全てのリード部品Plについて実行されると、ステップS110が実行される。
ステップS110では、リード受け溝123に沿って曲げられたリードlに対して、切断加工処理が実行される。具体的には、追加加工機構140の外筒141が上昇して、基板保護部材144との間でリードlを挟んで、リードlを切断する。これによって、基板Sに取り付けられたリード部品Plのリードlを適当な長さに切断することができる。
続くステップS111では、基板Sが作業位置Lから搬出され、さらにステップS112では、全ての基板Sの生産が完了したか否かが判断される。そして、生産が未完了である場合(ステップS112で「NO」の場合)には、ステップS107に戻って、基板Sの生産が継続される。一方、生産が完了している場合(ステップS112で「YES」の場合)には、生産基板を終了する。
以上に説明したように、この実施形態によれば、基板Sの表面Sfから裏面Sbへ向かう部品取付方向Dから基板Sの差込孔hにリード部品Plのリードlを差し込むことで、リード部品Plを基板Sに取り付けることができる。具体的には、差込孔hに差し込まれたリードlが基板Sの裏面Sb側でクリンチピン100に接触して曲げられることで、リード部品Plが基板Sに取り付けられる。さらに、クリンチピン100は、基板Sの差込孔hに差し込まれてリード受け溝123に沿って曲げられたリードlに部品取付方向Dの逆方向から移動してきて突き当たって、リードlに加工を行う外筒141を有している。こうして、この実施形態にかかるクリンチピン100は、リード部品Plのリードlをリード受け溝123に沿わせて曲げる加工とは別の追加的な加工を、基板Sの差込孔hに差し込まれたリードlにさらに施すことが可能となっている。
また、この実施形態では、リードlに突き当たる外筒141によって、リードlを切断する切断加工が実行される。このような構成では、リードlの曲げ加工およびリードlの切断加工の両方を、一のクリンチピン100で実行することができる。そのため、基板Sの生産ラインにおいて、リードlの切断加工のために装置を別途設ける必要が無く、コスト等の面で有利となる。
特に、この実施形態では、リード受け溝123に沿って曲げられたリードと基板Sとの間で、基板Sへの追加的な加工を行う外筒141から基板Sを保護する基板保護部材144が設けられている。したがって、外筒141によって基板Sを傷付けることなく、外筒141による切断加工をリードlに施すことが可能となっている。
さらに、この実施形態では、外筒141の上端にリードlと接する刃141aが形成されている。これによって、リードlを確実に切断することができ、リードlの切断加工の確度を向上させることが可能となっている。なお、刃141aの形成位置は外筒141の上端に限られず、例えば基板保護部材144の下端にリードlに接する刃141aを設けても、同様にリードlの切断加工の確度を向上させることができる。
その他
上述のように、上記実施形態では、部品取付装置1が本発明の「部品取付装置」の一例に相当し、コンベア21、21が本発明の「基板固定手段」の一例に相当し、リード部品供給部4lが本発明の「部品供給手段」の一例に相当し、取付ヘッド61が本発明の「作業ヘッド」の一例に相当し、バックアッププレート31が本発明の「支持部材」の一例に相当し、クリンチピン100が本発明の「クリンチ装置」の一例に相当し、リード受け部材120が本発明の「リード受け部材」の一例に相当し、リード受け溝123が本発明の「傾斜部」の一例にに相当し、外筒141が本発明の「突当部材」の一例に相当し、基板保護部材144が本発明の「保護部材」に相当する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能である。例えば、リード受け溝123に沿って曲げられたリードlに対して、外筒141を用いて実行する追加的な加工は、上述の切断加工に限られない。例えば、リード受け溝123に沿わせるだけではリードlの曲げが不十分であるような場合には、リードlをさらに曲げる加工を追加的に実行できることが好適となる。そこで、次に説明するように、この曲げ加工を外筒141に実行させても良い。
つまり、図5に示した状態から、外筒141を上昇させることで、リード受け溝123から外側に突出したリードlを外筒141で上方に押し遣やって、リードlを曲げることができる。これによって、リード受け溝123に沿って曲げられたリードlに対して、さらなる曲げ加工を実行することができ、リードlをしっかりと曲げて、リード部品Plを基板Sに確実に取り付けることが可能となる。
ちなみに、図5等に示した構成では、リードlが外筒141と基板保護部材144との間に挟み込まれると、リードlが切断されてしまう。したがって、リードlの切断加工までは行わない場合には、外筒141の上端の刃141aおよび基板保護部材144を排除すると良い。これによって、リードlを切断すること無く、追加の曲げ加工のみをリードlに施すことができる。しかも、基板保護部材144が排除されたことで、外筒141の上端をより上方にまで移動することができるため、追加の曲げ加工においてリードlをよりしっかりと曲げることができ、リード部品Plの基板Sへの取り付けをより確実に行うことができる。
外筒141を昇降させる具体的な構成も、上述の圧入孔171や圧縮バネ172を用いたもの以外に、種々のものを採用することができる。
また、上記実施形態では、クリンチピン100の把持は、吸着によって実行されていた。しかしながら、クリンチピン100の把持態様は吸着に限られない。具体的に、空気圧で爪を開閉可能なチャックを用いて、これらの把持を行うようにしても良い。また、表面実装部品Psあるいはリード部品Plの把持態様についても、同様の変形が可能である。
また、上記実施形態では、表面実装部品Psおよびリード部品Plの両方を基板Sに取り付け可能な部品取付装置1に対して本発明を適用した場合について説明を行なった。しかしながら、例えば、表面実装部品Psの基板Sへの取り付けを行わない部品取付装置1に対して本発明を適用することも可能である。
また、上記実施形態では、鉛直方向の上方から下方へ向けて電子部品Pは取り付けられており、換言すれば、部品取付方向Dは、鉛直下方を向いていた。しかしながら、部品取付方向Dはこれに限られず、例えば鉛直上方を向く方向であっても良い。
また、上記実施形態では、電子部品Pの取り付けとクリンチピン100の配置とを共通の取付ヘッド61で実行していた。しかしながら、電子部品Pの取り付けを行う取付ヘッド61とは別に、クリンチピン100の配置を行う機構を設けても構わない。
また、上記実施形態では、クリンチピン配置処理が作業者の手によらず自動的に実行されていた。しかしながら、クリンチピン100の配置は作業者の手によって実行されても構わない。
また、上記実施形態では、クリンチピン100は、その配置箇所を変更可能に構成されていた。しかしながら、特許文献1のように、その配置箇所が固定されているクリンチピン100に対しても本発明を適用することもできる。