JP2013521802A - ポリヒドロキシアルカノエートの製造 - Google Patents
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Abstract
ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)を生産するためのプロセスが提供されており、該プロセスは、培地でPHA生産微生物を含むバイオマスを培養する工程と、PHA含有微生物からPHAを取り出すために選択された顕微微生物を使用して前記PHA生産微生物を加水分解する工程と、を含む。
さらに、PHA生産微生物とPHA非生産微生物を含む培地において、PHA非生産微生物よりもPHA生産微生物の比率を高める方法およびPHA含有微生物からPHAを抽出する方法が提供される。
【選択図】図1
さらに、PHA生産微生物とPHA非生産微生物を含む培地において、PHA非生産微生物よりもPHA生産微生物の比率を高める方法およびPHA含有微生物からPHAを抽出する方法が提供される。
【選択図】図1
Description
本願は、ポリヒドロキシアルカノエートあるいはポリヒドロキシアルカン酸塩(PHA:polyhydroxyalkanoate)の製造プロセスに関する。
ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)は、増殖制限条件下で多くの種類のバクテリアのバイオマスに蓄積されるポリエステルである。PHAは生分解性であり再生可能資源から生産可能なことから、生分解性ではない石油由来のプラスチックの代替物として使用される。周知のプロセスでは、PHAの無菌培養を導入している。しかし、そのようなプロセスでは、選択された、つまり遺伝子組み換えされたバクテリア菌株を培養する必要がある。さらに、そのようなプロセスでは、専用装置の他に材料や器具も加熱殺菌する必要がある。無菌培養は非無菌培養よりも数倍の費用がかかる。
PHAを生産するための安価な炭素源やエネルギー源が検討される。そのような炭素源やエネルギー源となるのは、都市下水、都市下水処理場の活性汚泥、製紙工場廃水、コーンスティープリカー、モラセス、ヤシ油工場廃水の活性スラッジ、デンプンおよびデンプン含有廃棄物、工場廃水含有脂肪酸、である。いくつかの周知プロセスでは、有機廃棄物を酸発酵し、生産された有機酸をPHA生産微生物種により重合してPHAを生産している(つまり、2ステージシステムである)。
炭素源やエネルギー源が多すぎるとグリコーゲン蓄積顕微微生物が増殖してしまうことがあるが、これについては、揮発性脂肪酸の混合物を使って培地を酸性化することで解決することができる。PHA合成物の脂肪酸は有機廃棄物から生産されうる。通常、有機廃棄物をPHA生産バクテリアによりさらに利用されうる脂肪酸に変換する際の第1工程が加水分解および酸発酵である。しかし、様々な有機廃棄物を使って発酵を行う場合は、残留溶存有機物および粒子によりバイオマス中のPHA生産量が減少してしまうことが多く、さらに生産されるPHAの質も低下してしまう。
他の公知となっているプロセスでは、有機物を一酸化炭素および水素を使って熱によりガス化し、続いてこのガスを細胞物質へバクテリア吸収あるいは細菌同化することでPHAが生産される。しかし、このような方法は、光合成細菌に対して嫌気条件のもとでしか適用できず、これが1つの難点となっている。従って、このような方法では、適用可能な、PHAの生産に使用されうる有機物の種類が限定されてしまうことが多い。
PHAを生産するうえで、いくつかの周知技術でも特異的選択法を導入し、PHA生産顕微微生物を選択するようにしている。PHA生産顕微微生物を選択する1つの周知の選択方法では、まず細胞が栄養制限なく所望の濃度にまで増殖され、その後、必須栄養素を制限してPHAを合成する、というフィースト−ファミンサイクル(FF:Feast-Famine cycle)が発酵リアクタに適用される。しかし、このような方法を用いることができるのはバッチ処理とセミバッチ処理とに限られる。さらに、このような方法では、PHA非生産顕微微生物が、滞留PHA生産顕微微生物の増殖に有害となりうる好ましくないレベルにまで蓄積しないようにするためにオペレーション条件を制限する必要がある。このような方法では、顕微微生物は飢餓状態にある間、細胞飢餓に起因して本来の細胞挙動を頻繁に長期間変化させる傾向がある。このことがPHA生産顕微微生物などの顕微微生物の増殖率に悪影響を及ぼすおそれがある。顕微微生物が「細胞飢餓モード」に切り替わると、PHA生産顕微微生物のPHA生産能力にも悪影響を及ぼすおそれがある。加えて、多くのフィースト−ファミンサイクルが実行されると、上述のようにPHAを生産しない顕微微生物やPHA収率の低い顕微微生物が蓄積されることで、細胞濃度が高まることにより、滞留PHA生産顕微微生物の増殖に悪影響を及ぼすおそれがある。さらに、起動期間が長いことから、バッチ生産には高額な起動費がかかる。
さらに、PHAグラニュール(PHA粒体)及び細胞バイオマスが固体であることから、PHAの回収は技術的に難しい。現在の技術によれば、PHA含有バイオマスは、乾燥バイオマスをPHAの有機溶剤で抽出することにより、あるいは、細胞破壊物質を添加して化学的に、あるいは、酵素により処理される。一般に、細胞をミリングしたり還元剤で処理した後に抽出が可能になる。
PHAを化学的に抽出する際に可燃性の毒性有機溶剤を使用せずに済むように、より安全な溶剤を用いたその他の方法が開発されている。例えば、タンパク質分解酵素を用いることができる。しかし、そのようなプロセスは費用がかかるだけでなく、大規模なオペレーションに対しては修正することができず、さらに該プロセスから得られるPHAの割合は相対的に少ない。換言すれば、PHAを抽出する周知技術は相対的に非効率的であり、望ましいスループットを得ることができない。
つまり、PHAを生産する現在の周知技術には、いくつかの難点がある。以下にそれらの難点を記載する。
1)選択された、つまり遺伝子組み換えされた菌株を無菌培養する必要があり、これには装置や培地を殺菌するために、さらにPHAを生合成する間、無菌状態に保つために高額な費用がかかること、
2)比較的高額な栄養素、例えば、純粋な無機塩やグルコース、あるいはその他の炭素源やエネルギー源を使用する必要があること、
3)パッチ処理に限定され、さらにPHA生産顕微微生物の通常の細胞挙動を破壊するおそれがある選択技術を用いる必要があること、
4)バクテリア細胞からPHAを抽出するために、高額で可燃性の毒性有機溶剤を用いたり、エネルギーを消費するような方法を用いる必要があること。
1)選択された、つまり遺伝子組み換えされた菌株を無菌培養する必要があり、これには装置や培地を殺菌するために、さらにPHAを生合成する間、無菌状態に保つために高額な費用がかかること、
2)比較的高額な栄養素、例えば、純粋な無機塩やグルコース、あるいはその他の炭素源やエネルギー源を使用する必要があること、
3)パッチ処理に限定され、さらにPHA生産顕微微生物の通常の細胞挙動を破壊するおそれがある選択技術を用いる必要があること、
4)バクテリア細胞からPHAを抽出するために、高額で可燃性の毒性有機溶剤を用いたり、エネルギーを消費するような方法を用いる必要があること。
さらに、PHAを合成し抽出する周知の方法は費用がかかり、環境を汚染し、さらに工業化するのが難しいという問題がある。従って、上述した難点を克服するか、少なくとも改善することができるPHAの生産方法を提供することが求められている。さらに、上述した難点を克服するか、少なくとも改善することができるPHA生産顕微微生物を選択する方法を提供することが求められている。さらに、上述した難点を克服するか、少なくとも改善することができるPHA生産顕微微生物からPHAを抽出するための方法を提供することが求められている。
第1の態様によれば、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)を生産するためのプロセスが提供される。該プロセスは、培地でPHA生産微生物含有バイオマスを培養する工程と、前記PHA含有微生物からPHAを取り出すために選択される微生物により前記PHA生産微生物を加水分解する工程と、を含む。上記プロセスでは溶剤を使用せずにPHAを抽出することができるという点で有利であり、多くの利点を有する。まず、微生物(マイクローブ)を使用してPHAを抽出することで、生産コストが削減される。これは、化学溶剤を使用せずにPHAを得ることができるので化学溶剤を購入する必要がなくなることから、溶剤が材料費ではなくなるためである。従って、ここに開示したプロセスを用いてより経済的にPHAを生産することができる。次に、顕微微生物を使用してPHAを抽出することで溶剤を使用せずに済むことから、廃棄が必要となる有毒物が産出されない。
さらに有利なことに、該プロセスでは、PHAを抽出する際に可燃性の毒性有機毒性溶剤を使用せずに済む。該プロセスは、PHAの生産コストを削減でき、さらに可燃性の毒性有機溶剤の使用により生じるおそれのある環境への悪影響を和らげることができ、よって石油由来のプラスチックよりもPHAプラスチックの経済的実行可能性を高めることができる。一実施形態では、培地は水素ガスを含む。別の実施形態では、該プロセスはさらに水素ガス流を前記培地に注入する工程を含む。好適には、この水素ガスを前記培地全体に実質的に均一に分散する。水素ガス流を前記培地に注入することで、前記培地に水素ガスを注入しない場合よりもPHAの収率が増加する。
一実施形態では、培地は炭水化物源などの炭素栄養源を含む。炭水化物源の存在により顕微微生物にエネルギー源が供給され、これによりPHAが生産できるようになる。該プロセスはさらに、生産されるPHAの質量に対する質量比が0.01〜0.1の範囲で培地への水素供給を維持する工程を含むようにしてもよい。特定の質量比を維持することにより、相対的に高水準のPHAを生産できることが知得されている。該プロセスはさらに、生産されるPHAの質量に対する質量比が1〜5の範囲で培地への炭水化物供給を維持する工程を含むようにしてもよい。さらに、生産されるPHAの質量に対する、存在する炭水化物の質量比は、PHAの一定の有効生産量を維持するうえで極めて重要であることが知得されている。該プロセスはさらに、生産されるPHAの質量に対する質量比が0.5〜5の範囲で培地への有機酸と脂質の少なくとも一方の供給を維持する工程をさらに含みうる。同様に、有機酸や脂質の量により生産されるPHAのコンシステンシーや水準が決定されることも知得されている。
一実施形態では、該プロセスは前記培地に揮発性有機化合物(VOC)を供給する工程を含む。別の実施形態では、該プロセスはさらに、揮発性有機化合物を含むガスを前記媒体に注入する工程を含む。さらに該プロセスは、生産されるPHAの量に対して0.5〜5の範囲の質量比で培地へのガス状揮発性有機化合物の供給を維持する工程を含みうる。生産されるPHAの質量に対する、供給される揮発性有機化合物の質量比は、PHAの一定の有効生産量を維持するうえで極めて重要である。意外にも、前記培地に揮発性有機化合物を注入しない場合よりも揮発性有機化合物を含むガスを前記培地に注入する場合のほうがPHAの生産収率が増加することが知得されている。揮発性有機化合物を培地に添加すると、側鎖に置換基を導入することによってPHAの合成が強化される。有利なことに、揮発性有機化合物の使用を導入したプロセスを広範囲の微生物に対して好気条件下で用いることができる。このことは嫌気条件下で用いる場合よりもバクテリアの増殖およびPHAの生産により効果的である。揮発性有機化合物はPHA生産のために炭素源とエネルギー源とを供給しうる。有利なことに、VOCをガス状態で培地に供給することで高純度のVOCを供給することができる。これは、液体のVOCには不純物が含まれていることがあるが、ガス状態のVOCには不純物が含まれていないためである。
一実施形態では、該プロセスは、培地のpHを6〜8の範囲に維持する工程を含む。有利なことに、pHを特定の範囲に維持することでPHAの生産量が全体的に増加する。培地のpHを維持する工程は、前記培地に有機酸を供給する工程を含みうる。
一実施形態では、該プロセスは、前記培養工程の間、前記培地を通常の好気状態に維持する工程を含む。前記培養工程の間、該培地は0.1mgL-1〜1mgL-1の溶存酸素を含みうる。
別の実施形態では、該プロセスは、前記培養工程の間、100mgL-1〜1000mgL-1の有機炭素を含むように培地を維持する工程を含みうる。
該プロセスは前記培養工程の前に、微生物発酵ゾーンにPHA生産微生物集団を発酵させる工程をさらに含みうる。この微生物発酵ゾーンをPHA生産微生物を含む微生物の天然源で満たすようにしてもよい。揮発性有機化合物と水素とを生産するために前記発酵ゾーンで使用されうる微生物や顕微微生物としては、アセトバクター(Acetobacter)属、バクテロイデス(Bacteroides)属、クロストリジウム(Clostridium)属、シトロバクター(Citrobacter)属、エンテロバクター(Enterobacter)属、ムーレラ(Moorella)属、プロピオニバクテリウム(Propionibacterium)属、ルミノコッカス(Ruminococcus)属、サーモアナエロビウム(Thermoanaerobium)属などの種が挙げられうるが、これらに限定されない。
一実施形態では、微生物発酵ゾーンは実質的に嫌気状態に維持される。一実施形態では、該プロセスは前記微生物発酵ゾーンで水素を生産する工程を含む。有利なことに、上述のように、生産される水素を培地への注入に使用してもよい。
一実施形態では、前記発酵ゾーンは、液相および気相から構成される。別の実施形態では、該プロセスは、前記微生物発酵ゾーンから揮発性有機化合物を得る工程を含む。一実施形態では、この揮発性化合物を得る工程は、前記発酵ゾーンに隣接するかその上方の気相を除去する工程を含む。有利なことに、上述のように、生産される揮発性有機化合物を培地への注入に使用してもよい。微生物発酵ゾーンは5〜8の範囲のpHに維持されうる。さらに、微生物発酵ゾーンは、−50mV〜−400mVの還元電位に維持されうる。
第2の態様によれば、PHA生産微生物とPHA非生産微生物とを含む培地において、PHA非生産微生物よりもPHA生産微生物の比率を高める方法が提供されている。該方法は、PHA非生産微生物よりも多くのPHA微生物を有する培地を生産するために、PHA非生産微生物よりもPHA生産微生物を高速に増殖することを可能にする条件のもとで、一定期間、前記培地を選択ゾーンで培養する工程(a2)を含む。有利なことに、該方法は正の選択を与えるものであり、PHA生産微生物は増殖率を高めるために「選択」される。さらに有利なことに、該方法によって細胞飢餓により生じる微生物の細胞挙動が不利に変更されることはない。これにより、PHA生産微生物は、全体の増殖率やPHAの生産率をそれほど低下させずに、PHAを継続的に増殖、繁殖および生産できる。このPHA生産微生物としては、アシネトバクター(Acinetobacter)属、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、アルカニボラクス(Alcanivorax)属、アゾトバクター(Azotobacter)属、バチルス(Bacillus)属、ブルクホルデリア(Burkholderia)属、デルフチア(Delftia)属、クレブシエラ(Klebsiella)属、マリノバクター(Marinobacter)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、ラルストニア(Ralstonia)属、リゾビウム(Rhisobium)属などの種が挙げられるが、これらに限定されない。
一実施形態では、工程(a2)の前に、該方法は、PHA生産微生物中のPHA量を増やすために培地に炭素源を供給する工程(a1)をさらに含む。有利なことに、この工程によりPHA生産微生物が高速に繁殖できるようになり、さらに該工程により、これらの顕微微生物中のPHA量を回復し増やすことができる。
別の実施形態では、供給工程(a1)と培養工程(a2)とは別々のチャンバで行われる。このようにすることで、供給工程(a1)と培養工程(a2)とを2つのそれぞれ別のオペレーション条件で同時に行うことができる。このため、該方法を連続プロセスに用いることができ、その結果、膨大なオペレーション時間を節約することができ、さらに、プロセスの全体効率を高めることができ、有利である。
一実施形態では、該方法は、培養工程(a2)が行われるチャンバから培地を渡し、供給工程(a1)が行われている他のチャンバに(a2)に戻す工程(a3)をさらに含む。上記工程により、炭素源の存在下で、「正の選択」が行われたPHA生産微生物が炭素源を高速に吸収できるようになり、その結果、PHAの生産量を全体的に増やすことができる。好適には、工程(a1)、(a2)、および(a3)の各々を連続して行う。これにより、供給工程と培養工程間の培地サイクルを連続的に行うことを可能とし、PHAの生産に加えて、「正の選択」を高速に行うことができるという点で有利である。さらに有利なことに、該方法を連続プロセスに組み込むことができ、また、該方法はバッチ処理における使用だけに限定されない。したがって全体のスループットを高めることができる。
一実施形態では、培地は供給工程(a1)が行われるチャンバに約6〜24時間滞留する。培地は培養工程(a2)が行われるチャンバに0.5〜2時間滞留しうる。一実施形態では、培地が培養工程(a2)が行われるチャンバに滞留する時間に対して、供給工程(a1)が行われるチャンバに滞留する時間の比率は5〜15である。培養工程(a2)において、溶存酸素は1mgL-1〜10mgL−に維持されうる。有利なことに、上記条件の各々は、該方法の全体の成功と有効性に関係する。
第3の態様によれば、PHA含有微生物からPHAを抽出する方法が提供されている。該方法は、PHA含有微生物からPHAを取り出すためにPHA含有微生物の細胞壁を加水分解する工程と、前記取り出されたPHAを前記微生物から分離する工程と、を含む。有利なことに、該方法はPHA含有微生物からPHAを抽出するための費用効果的かつ実効的な方法である。
一実施形態では、この加水分解工程は、バクテリア細胞壁を加水分解する酵素を放出する微生物を使用する工程を含む。この、バクテリア細胞壁を加水分解する酵素を放出する微生物は、アブシディア(Absidia)属、アガリクス(Agaricus)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、Chaetpmium属、フザリウム(Fusarium)属、ニューロスポーラ(Neurospora)属、ペニシリウム(Penicillium)属、Phaneroptiaete属、フィアロフォラ(Phialophora)属、Pleurotus属、 Rhizoctonia属、およびトリコデルマ(Trichoderma)属からの菌よりなる群から選択される菌を含みうる。
一実施形態では、この加水分解工程は分離工程と同時に行われる。これにより、加水分解酵素と前記取り出されたPHAとの接触時間を短縮することができる。有利なことに、このために、加水分解酵素によってPHAが不適切に加水分解されてしまう可能性を低くすることができる。上記分離工程は、浮上分離法、遠心分離法、膜分離法のうちの少なくとも1つの方法を用いる工程を含みうる。
第4の態様によれば、以下の各工程を含むポリヒドロキシアルカノエート(PHA)を生産するための工程が提供されている。各工程は、(a)PHA非生産微生物よりもPHA生産微生物を高速に増殖することができる条件下で、PHA生産微生物およびPHA非生産微生物を含む培地を選択ゾーンにおいて培養する工程であって、該培養工程は一定期間、PHA非生産微生物よりも多くのPHA微生物を有する培地を生産するために行われる工程、
(b)培地にPHA生産微生物を培養するために前記培養工程(a)で生産された培地を培養ゾーンに供給する工程、
(c)前記供給工程(b)で生産された前記PHAを抽出ゾーンに供給する工程であって、前記PHA生産微生物は前記PHA含有微生物からPHAを取り出すために微生物により加水分解される工程、および
(d)前記培地から前記PHAを分離する工程、である。一実施形態では、該プロセスの工程(a)〜(d)のうちの少なくとも1つの工程は非無菌条件下で行われる。
(b)培地にPHA生産微生物を培養するために前記培養工程(a)で生産された培地を培養ゾーンに供給する工程、
(c)前記供給工程(b)で生産された前記PHAを抽出ゾーンに供給する工程であって、前記PHA生産微生物は前記PHA含有微生物からPHAを取り出すために微生物により加水分解される工程、および
(d)前記培地から前記PHAを分離する工程、である。一実施形態では、該プロセスの工程(a)〜(d)のうちの少なくとも1つの工程は非無菌条件下で行われる。
別の実施形態では、該プロセスは、工程(b)で生産されたPHA生産微生物の一部を選択ゾーンに戻す工程をさらに含む。
[定義]
本文で用いる次の単語および用語は以下に示す意味を有するものとする。
本文で用いる次の単語および用語は以下に示す意味を有するものとする。
本明細書で用いる「ポリヒドロキシアルカノエート」(PHA)は、広義には、再生可能で熱可塑性の脂肪族ポリエステルおよび/または共ポリエステルのことを指し、それぞれのモノマーのヒドロキシ脂肪酸の重合(ヒドロキシ脂肪酸の二重体を含む)により、あるいは、デンプン、砂糖、脂質などの細菌発酵により生産されうるものである。PHAポリマーは、ポリ-β-ヒロドキシ酪酸(PHB)(3−ヒドロキシ酪酸としても周知である)、ポリ−α-ヒロドキシ酪酸(2−ヒドロキシ酪酸としても周知である)、3−ポリ乳酸、3−ヒドロキシバレラート、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシバレラート、5−ヒドロキシバレラート、6−ヒドロキシヘキサン酸、ポリヒドロキシ酪酸吉草酸(PHBV)、ポリグリコール酸(PLA)などを含み、さらに、PHAの共重合体、ブレンド、混合物、これらの組合せを含みうる。
本明細書の文脈において使用されているように、用語「バイオマス」は、天然のPHA生産バクテリア、遺伝子組み換えPHA生産バクテリア、あるいはこれらの混合物を含みうる。さらに、前記バイオマスは大腸菌とアエロモナス細菌との混合培養などの様々な種類のPHA生産バクテリアの混合物を含みうる。バイオマスはさらに、植物バイオマス、バクテリアバイオマス、および/あるいはいずれのPHA含有バイオマスの混合物を含みうる。
本明細書の文脈において使用されているように、「非無菌」との用語は、培地や器具を実質的に滅菌、殺菌していないことを指し、従って、対象物以外の微生物の存在を容認するものである。また、対象となる微生物を不純培養することも包含しうる。これに対応して「無菌」との用語も同様に理解されたい。
本明細書との関連で用いられているように、「嫌気性の」との用語は、酸素、硝酸塩、および/または硫酸塩などの電子受容体が全く存在しないか、実質的に存在しない状態を指す。
本明細書との関連で用いられているように、「好気性の」との用語は、酸素、硝酸塩、および/または硫酸塩などの最終電子受容体が少なくとも1つ存在する状態を指す。
本明細書との関連で用いられているように、「バッチ処理」との用語は、反応物質の全てあるいは一部をリアクタに添加し、所定の反応過程に従って処理し、この間はリアクタから生産物は除去されない処理を言う。
本明細書との関連で用いられているように、「連続処理」との用語は、使用時に、あるいはオペレーション時に反応物質を連続的に導入し、生産物を同時に連続的に回収する処理を言う。
本明細書との関連で用いられているように、「栄養素」との用語は、微生物を増殖させるか微生物の増殖に関わる物質を含むものと解される。
「微生物」(マイクローブ;microbes)との用語は、「顕微的微生物」(マイクロオーガニズム;microorganisms)などの、例えば、バクテリア、菌類、ウイルス、生物学的存在のようなもの、および、これらバクテリアや菌類、ウイルスの組合せを指す。本文において、微生物および顕微的微生物は互換的に使用されるものとする。
「天然源」との用語は自然環境に発生する物質のことを言い、1以上の生物学的存在を含みうるものである。例えば、顕微的微生物の天然源を土壌、排水、および食品廃棄物から得ることができる。
本明細書において使用されている「揮発性有機化合物」との用語には該用語の通常の意味が与えられるものとする。さらに該用語は、高蒸発性炭素系化学物質、室温で容易に蒸発し炭素を含む化合物、および/または大気中の光化学反応に関与する炭素を含む化合物を含むものとするが、これらに限定されない。VOCはPHAを生産する微生物集団を含む密閉された醗酵チャンバの気相から発見されうる。典型的な揮発性有機化合物としては、アルコールおよび脂肪酸が挙げられ、具体的には炭素数の少ないアルコールおよび脂肪酸が挙げられる。
特に明記しない限り、「含む(comprising)、(comprise)」及びこれらが文法的に変化したものは、列挙された要素を含むと共に、列挙されていない更なる要素を包含することも許容するような「オープン」又は「包含的」な表現を意図している。
本明細書で用いる「約」は、処方における構成要素濃度との関連において、一般には表示値の±5%を意味し、より一般的には表示値の±4%を意味し、更に一般には表示値の±3%を意味し、更に一般には表示値の±2%を意味し、更に一般には表示値の±1%を意味し、更に一般には表示値の±0.5%を意味する。
本明細書の開示の全体を通して、ある実施形態は範囲形式で開示される。範囲形式による記載は、主に便宜上且つ簡潔さのためであり、開示された範囲に対する柔軟性のない限定として解釈されるべきでないことは理解されたい。従って、ある範囲の記載の場合には、その範囲内における全ての可能な部分的範囲と共に、個々の数値も具体的に開示されていると考慮すべきである。例えば、1〜6等の範囲の記載の場合、1〜3や1〜4、1〜5、2〜4、2〜6、3〜6等の部分的範囲と共に、その範囲内の個々の数、例えば、1、2、3、4、5及び6も具体的に開示されていると考慮すべきである。これは範囲の広さとは関係なく適用される。
[任意の実施例]
ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)を生産するためのプロセスの例示的で非限定的実施形態であって、PHA生産微生物とPHA非生産微生物とを含む培地において、PHA非生産微生物よりもPHA生産微生物の比率を高める方法と、PHA含有微生物からPHAを抽出する方法と、を以下に開示する。
ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)を生産するためのプロセスの例示的で非限定的実施形態であって、PHA生産微生物とPHA非生産微生物とを含む培地において、PHA非生産微生物よりもPHA生産微生物の比率を高める方法と、PHA含有微生物からPHAを抽出する方法と、を以下に開示する。
ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)の生産プロセスは、PHA生産微生物含有バイオマスを培地で培養する工程と、前記バイオマスを抽出ゾーンに供給する工程と、を含み、前記PHA生産微生物は、PHA含有微生物からPHAを取り出すために顕微微生物により加水分解される。加水分解工程は、バクテリア細胞壁を加水分解する酵素を放出する顕微微生物を使用する工程を含む。バクテリア細胞壁を加水分解する酵素を放出する顕微微生物は、アブシディア(Absidia)属、アガリクス(Agaricus)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、Chaetpmium属、フザリウム(Fusarium)属、ニューロスポーラ(Neurospora)属、ペニシリウム(Penicillium)属、Phaneroptiaete属、フィアロフォラ(Phialophora)属、Pleurotus属、 Rhizoctonia属、およびトリコデルマ(Trichoderma)属からの菌よりなる群から選択される菌を含みうる。
一実施形態では、PHA生産プロセスは、PHA生産微生物含有バイオマスを水素含有培地で培養する工程を含む。一実施形態では、該プロセスは前記培地に水素ガス流を注入する工程をさらに含む。一実施形態では、バイオマスは、アシネトバクター(Acinetobacter)属、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、アルカニボラクス(Alcanivorax)属、アゾトバクター(Azotobacter)属、バチルス(Bacillus)属、ブルクホルデリア(Burkholderia)属、デルフチア(Delftia)属、クレブシエラ(Klebsiella)属、マリノバクター(Marinobacter)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、ラルストニア(Ralstonia)属、リゾビウム(Rhisobium)属からなる属から選択されるPHA生産バクテリアを含む。一実施形態では、培地は揮発性有機化合物(VOC)を含む。VOCは揮発性脂肪酸およびアルコールのうちの1つ以上を含みうる。
一実施形態では、培地は炭水化物などの炭素栄養源を含む。該方法はさらに、生産されるPHA量に対する水素の質量比が約0.01〜約0.1、約0.02〜約0.09、約0.03〜約0.08、約0.04〜約0.07、約0.05〜約0.06の範囲で培地への水素供給を維持する工程を含みうる。好適には、生産されるPHA量に対する水素の質量比は約0.02である。別の実施形態では、該プロセスは、生産されるPHA量に対する炭水化物の質量比が約1〜約5、約2〜約4、あるいは約2〜約3の範囲で培地への炭水化物供給を維持する工程を含みうる。好適には、生産されるPHA量に対する炭水化物の質量比は約2である。該プロセスはさらに、生産されるPHA量に対する有機酸あるいは脂質の質量比が約0.5〜約5、約1〜約4.5、約1.5〜約4、約2〜3.5、あるいは約2.5〜約3の範囲で培地への有機酸あるいは脂質の供給を維持する工程を含みうる。好適には、生産されるPHA量に対する有機酸あるいは脂質の質量比は約1である。
一実施形態では、該プロセスは、生産されるPHA量に対する揮発性有機酸の質量比が約1〜約5、約2〜約4、あるいは約2〜約3の範囲で培地への有機酸あるいは脂質の供給を維持する工程を含みうる。好適には、生産されるPHA量に対する有機酸あるいは脂質の質量比は約2である。
該プロセスはさらに、培地のpHを約6〜約8、約6.5〜約7.5、あるいは約6.5〜約7の範囲に維持する工程を含みうる。一実施形態では、培地のpHを維持する工程は、有機酸を前記培地に供給することを含む。該プロセスは、前記培養工程の間、前記培地を通常の好気状態に維持する工程をさらに含みうる。
一実施形態では、該プロセスは前記培養工程の間、培地の溶存酸素を約0.1mgL-1〜約1mgL-1、約0.2mgL-1〜約0.9mgL-1、約0.3mgL-1〜約0.8mgL-1、約0.4〜約0.7mgL-1、あるいは約0.5mgL-1〜約0.6mgL-1に維持する工程を含む。好適には、前記培養工程の間、培地は約0.5mgL-1の溶存酸素を含む。
別の実施形態では、該プロセスは前記培養工程の間、培地の有機炭素を約100mgL-1〜約1000mgL-1、約200mgL-1〜約900mgL-1、約300mgL-1〜約800mgL-1、約400mgL-1〜約700mgL-1、あるいは約500mgL-1〜約600mgL-1に維持する工程を含む。好適には、培地の有機炭素は約500mgL-1に維持される。
一実施形態では、培養ゾーンの水素ガスは培地にわたって実質的に均一に分散される。水素ガスは培地にわたって実質的に水平及び垂直に均一に分散されうる。
一実施形態では、培養ゾーンのガス状揮発性有機化合物は前記培地にわたって実質的に均一に分散される。このガス状揮発性有機化合物は実質的に水平及び垂直に均一に培地に分散されうる。一実施形態では、前記培養工程の前に、該プロセスは微生物発酵ゾーンにおいてPHA生産微生物集団を発酵させる工程を含む。この微生物発酵ゾーンは、PHA生産微生物含有の微生物の天然源で満たされうる。
一実施形態では、有機化合物は微生物発酵ゾーンで発酵される。発酵された有機化合物は、炭水化物、液体脂質および固体脂質、微生物バイオマス、および廃棄された有機化合物であって、アセトバクター(Acetobacter)属、バクテロイデス(Bacteroides)属、クロストリジウム(Clostridium)属、シトロバクター(Citrobacter)属、エンテロバクター(Enterobacter)属、ムーレラ(Moorella)属、プロピオニバクテリウム(Propionibacterium)属、ルミノコッカス(Ruminococcus)属、サーモアナエロビウム(Thermoanaerobium)属(これらに限定されない)などの属から選択されるバクテリアにより発酵されるもの、のうちの少なくとも1つを含みうる。微生物発酵ゾーンに供給される発酵炭水化物と発酵微生物バイオマスとの質量比は約1〜約10、約2〜約9、約3〜約8、約4〜約7、および約5〜約6に維持されうる。好適には、微生物発酵ゾーンに供給される発酵炭水化物と発酵微生物バイオマスとの質量比は3に維持される。
一実施形態では、微生物発酵ゾーンは実質的に嫌気状態に維持される。微生物発酵ゾーンは嫌気性顕微微生物の天然源で接種されうる。一実施形態では、嫌気性顕微微生物の天然源は土壌、利水システムの底質、あるいは嫌気性スラッジである。
該プロセスは、前記微生物発酵ゾーンで水素ガスを生産する工程を含みうる。該プロセスは、前記微生物発酵ゾーンでガス状揮発性有機化合物を生産する工程を含みうる。この揮発性有機化合物は微生物発酵ゾーンから抽出されて前記培養ゾーンに移されうる。典型的には、発酵ゾーンは密閉容器内に含まれ、液体発酵相と、その上方に揮発相とを有する。揮発相はチャンパ内に含まれる。従って、真空を利用してチャンバから揮発性有機化合物を抽出することができる。抽出された揮発性有機化合物はPHA生産微生物培養のために培地に渡される。一実施形態では、該プロセスは、微生物発酵ゾーンのpHを5〜8の範囲に維持する工程を含む。該プロセスは、微生物発酵ゾーンの還元電位を約−50mV〜約−400mV、約−100mV〜約−350mV、約−150mV〜約−300mV、あるいは約−200mV〜約−250mVに維持する工程をさらに含む。
別の実施形態では、前記培養工程後に、該プロセスは前記培養したPHA生産微生物からPHAを抽出する工程を含む。一実施形態では、この抽出工程は、前記PHAを取り出すために前記PHA生産微生物を加水分解する工程を含む。加水分解する工程は、バクテリア細胞壁を加水分解する酵素を放出する微生物の使用を含みうる。一実施形態では、バクテリア細胞壁を加水分解する酵素を放出する顕微微生物は、アブシディア(Absidia)属、アガリクス(Agaricus)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、Chaetpmium属、フザリウム(Fusarium)属、ニューロスポーラ(Neurospora)属、ペニシリウム(Penicillium)属、Phaneroptiaete属、フィアロフォラ(Phialophora)属、Pleurotus属、 Rhizoctonia属、およびトリコデルマ(Trichoderma)属からの菌よりなる群から選択される菌である。
一実施形態では、前記加水分解工程の前に、前記PHA生産微生物はバイオマスから実質的に分離される。この抽出工程は、抽出ゾーンで、通常の酸性条件で行われうる。前記抽出ゾーンの酸性条件とは、約2〜約5、あるいは約3〜約4の範囲のpHであってよい。
一実施形態では、該プロセスは、前記取り出したPHAを前記微生物から分離する工程をさらに含む。さらに、この抽出工程を分離工程と同時に実行することもできる。このようにすることで加水分解酵素と前記取り出したPHAとの接触時間を短縮することができる。一実施形態では、該プロセスは酸化剤、例えば過酸化水素や次亜塩素酸ナトリウム(sodium hypochlorate) を前記抽出ゾーンに導入する工程を含む。バクテリア細胞壁および非PHAポリマーを溶解するために、約0.5〜約2%(w/v)あるいは約1〜約1.5%(w/v)の次亜塩素酸ナトリウムの溶液を用いてバクテリアバイオマスを処理するようにしてもよい。この、次亜塩素酸ナトリウムを用いて行うバクテリア細胞壁と非PHAポリマーを溶解するためのバクテリアバイオマスの処理は、約1時間〜約8時間、約2時間〜約7時間、約3時間〜約6時間、あるいは約4時間〜約5時間実行されうる。この、次亜塩素酸ナトリウムを用いて行うバクテリア細胞壁と非PHAポリマーを溶解するためのバクテリアバイオマスの処理は、約11〜約12、あるいは約10.5〜約11.5のpHで同様に実行されうる。
一実施形態では、本文に開示されている炭水化物、有機酸、脂質、栄養素は以下の供給源のうちの少なくとも1つから供給されてよく、それらは、都市下水処理場で処理できない水(リジェクトウォーター)、グルコースあるいはグルコース含有廃棄物、糖あるいは糖含有廃棄物、ラクトースあるいはラクトース含有廃棄物であって、例えば乳清、酢酸塩、酢あるいは酢酸塩含有廃棄物、吉草酸あるいは吉草酸含有廃棄物、ステビア抽出物、レバウディオサイドA(RA;rebaudioside)ステビア抽出物、カッサバ澱粉、トウモロコシ澱粉、ジャガイモ澱粉、及び澱粉含有廃棄物、ヤシ油、植物油、その他トマト、ジャガイモ、チーズ、大豆、植物油、サトウキビ(モラセス)処理場からの排水、および、都市下水処理場や工業排水処理場からの食品廃棄物、固体有機性廃棄物、廃棄バイオマス、である。
PHA生産微生物とPHA非生産微生物を含む培地において、PHA非生産微生物によりもPHA生産微生物の比率を高める方法は、PHA非生産微生物よりも多くのPHA微生物を有する培地を生産するために、PHA非生産微生物よりもPHA生産微生物を高速に増殖することを可能にする条件のもとで一定期間、前記培地を選択ゾーンで培養する工程(a2)を含む。一実施形態では、選択ゾーンの条件は、PHA非生産微生物よりもPHA生産微生物を高速に増殖することができるだけでなく、細胞飢餓により生じる微生物の細胞挙動に実質的にマイナスの生理学的変化をもたらさないものとする。
一実施形態では、工程(a2)の前に、該方法はPHA生産微生物中に存在するPHAの量を増やすために炭素源を前記培地に供給する工程(a1)をさらに含む。この供給工程(a1)と培養工程(a2)とは、別々のチャンバで行われてよい。
一実施形態では、該方法は、培養工程(a2)が行われるチャンバから培地を渡し、供給工程(a1)が行われている他のチャンバに(a2)に戻す工程(a3)をさらに含む
一実施形態では、工程(a1)、(a2)、および(a3)の各々を連続して行う。
一実施形態では、工程(a1)、(a2)、および(a3)の各々を連続して行う。
培地は供給工程(a1)が行われるチャンバに約6時間〜約24時間、約8時間〜約22時間、約10時間〜約20時間、約12時間〜約18時間、あるいは約14時間〜約16時間滞留しうる。培地は培養工程(a2)が行われるチャンバに約0.5時間〜約2時間、あるいは、1時間〜約1.5時間滞留しうる。培地が培養工程(a2)が行われるチャンバに滞留する時間に対して、供給工程(a1)が行われるチャンバに滞留する時間の比率は、約5〜約10、約6〜約10、約7〜約10、約8〜約10、あるいは約9〜約10である。
一実施形態では、培養工程(a2)において溶存酸素は、約1mgL-1〜約10mgL-1、約2mgL-1〜約9mgL-1、約3mgL〜約8mgL-1、約4mgL-1〜約7mgL-1、約5mgL-1〜約6mgL-1、に維持される。好適には、培養工程(a2)において、溶存酸素は3mgL-1に維持される。
PHA含有微生物からPHAを抽出する方法であって、該方法は、PHA含有微生物からPHAを取り出すためにPHA含有微生物の細胞壁を加水分解する工程と、前記微生物から前記取り出したPHAを分離する工程と、を含む。
一実施形態では、この加水分解工程は、バクテリア細胞壁を加水分解する酵素を放出する顕微微生物を用いる工程を含む。バクテリア細胞壁を加水分解する酵素を放出する顕微微生物は、アブシディア(Absidia)属、アガリクス(Agaricus)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、Chaetpmium属、フザリウム(Fusarium)属、ニューロスポーラ(Neurospora)属、ペニシリウム(Penicillium)属、Phaneroptiaete属、フィアロフォラ(Phialophora)属、Pleurotus属、 Rhizoctonia属、およびトリコデルマ(Trichoderma)属からの菌よりなる群から選択される菌であってよい。この加水分解工程を分離工程と同時に実行することもでき、このようにすることで、加水分解酵素と前記取り出したPHAとの接触時間を短縮することができる。
一実施形態では、この分離工程は、浮上分離法、遠心分離法、膜分離法のうちの少なくとも1つの方法を用いる工程を含む。
開示のプロセス及び/または方法は非無菌状態でも同様に実行されてもよい。
添付の図面は開示した実施形態を示すとともに、開示の実施形態の原理を説明するものである。しかし、各図面は単に例示を目的とするものであって、本発明の範囲を定義することを目的としたものではない。
図1を参照すると、PHAの生産に使用するためのシステム100が示されている。システム100は、攪拌層(2、4)、嫌気リアクタ6、好気リアクタ(8、10、12)、沈殿槽(14、16)、エアコンプレッサ18、貯蔵タンク(20、22、24、26、28)、セパレータ30、粒状活性炭(GAC;Granulated Activated Carbon)フィルタ32、ポンプ(34、36、38、40、42、44、46、48、50、52)、空気流量計54から構成される。
2つの攪拌層(2、4)は無機栄養素と有機栄養素とを貯蔵するためにそれぞれ提供される。攪拌層2は無機培地(以下、「M2」と称する)を収容する。この無機培地は嫌気リアクタ8に供給される。リアクタ8では、PHAの生産に適した微生物の繁殖が好適に刺激される。
以下のように攪拌槽2の無機培地M2が準備される。15Lの水道水に300gのグルコースを溶かす。リジェクトウォーター、無機栄養素溶液、発酵後の有機酸溶液、その他の溶液、酢酸、吉草酸、塩素酸、および水酸化ナトリウムからなる群より選択されるその他の溶液5Lをこの溶液に加え、培地中の炭水化物の最終濃度が20g/Lとなるようする。約1g/Lの揮発性酢酸を含む、都市の下水処理場から得た(都市排水処理場を)拒絶する水5Lをさらに培地に加える。揮発性酢酸の最終濃度は約5g/Lである。都市下水処理場を拒絶する水を使用しないのであれば無機栄養素を手動で加えて、各々の最終濃度を実現するようにしてもよい。
無機培地M2のpHは6.5〜8.2の範囲に維持される。次いで、この無機培地M2を1L/時間(24L/日)の割合でリアクタ8にポンプ供給する。
以下のように攪拌槽4の有機培地M1を準備する。10Lの水道水に300gのグルコースを溶かす。この溶液に(PHAが抽出された状態の)バイオマス懸濁液10Lをさらに加え、本培地中の炭水化物の最終濃度が約20g/L、タンパク質の最終濃度が約0.8g/L(つまり、窒素の最終濃度は約0.12g/L)となるようにする。次いで、この有機培地M1を1L/時間(24L/日)の割合で嫌気リアクタ6にポンプ供給する。さらに、この有機栄養培地を1L/時間(24L/日)の割合でリアクタ10にポンプ供給する。
嫌気リアクタ6は主として有機酸、揮発性有機化合物及び水素ガスを生産するために発酵リアクタとしての役割を果たす。嫌気リアクタ6のオペレーションボリュームは13Lである。嫌気リアクタ6を起動するために、リアクタ6を攪拌槽4からの6Lの有機培地と1Lの嫌気性土壌懸濁液で満たす。この土壌懸濁液は、湿地帯や湖岸堤から得た0.5kgの湿式嫌気性土壌を1Lの水道水と混合することにより作られる。次にこの土壌混合物を1時間沈殿させ、0.1mmのふるいでろ過し、土壌堆積物を除去する。次に、このろ過した土壌懸濁液を嫌気リアクタ6に加える。
リアクタ6は酸化還元電位(ORP)を−50mV以下に維持した状態で、嫌気状態に維持されている。この後、バッチ培養が4日間続く。この間、pHは約6〜8に維持される。この時間の間、有機化合物はリアクタ6に供給された1以上のバクテリア種により発酵され、水素、揮発性有機化合物及び有機酸が生産される。
連続オペレーションの間、有機媒体(以下「M1」と称する)が1L/時間の割合で攪拌槽4からリアクタ6に供給される。リアクタ12から排出される溶解(lysed)バイオマス及び/または無傷(intact)バイオマスは1L/時間(24L/日)の割合で嫌気性リアクタ12中にリサイクルされる。リアクタ10から排出される揮発性有機化合物は、10L/時間(240L/日)のガスレートで嫌気性リアクタ6中にリサイクルされる。嫌気的発酵による生産物であって、主として有機酸、揮発性有機化合物、及び水素はリアクタ10に送られる。
リアクタ8のオペレーションボリュームは6Lである。リアクタ8は栄養素が不足した段階であり、PHAを十分に生産あるいは保存できない微生物よりもPHAの生産および/または保存が可能な微生物を優先的に選択してこの段階を切り抜けるようにしている。
リアクタ8を起動するために、3Lの有機媒体M1と、2.5Lの無機媒体M2と、0.5Lの嫌気性土壌懸濁液とをリアクタ8に加える。土壌が嫌気性であるという点では異なるものの、この土壌懸濁液は上記と同様の方法により得られる。次いで、2日間バッチ培養を行う。
連続オペレーションの場合、リアクタ8には1L/時間の割合で攪拌槽2から無機媒体M2が供給される。さらに、リアクタ8は3L/時間の割合でリアクタ10からポンプ供給されるバイオマスを受け取る。2L/分の割合で空気がリアクタ8に供給される。これにより通気速度が0.33L/分となる。空気は、リアクタ8、10、および12と流体連結しているコンプレッサ18からが供給される。このエアフローはフローメーター54により監視される。PHA生産微生物が豊富にされたリアクタ8中の微生物懸濁液は4L/時間の割合でリアクタ10内にポンプで送り返される。
リアクタ10のオペレーションボリュームは13Lである。リアクタ10はPHAの生産および貯蔵が可能な微生物の培養を介してPHA生産を行うためのメインリアクタである。リアクタ10を起動するために、リアクタ10を攪拌槽4からの10Lの有機培地M1、攪拌槽2からの2Lの無機培地M2、および1Lの好気性土壌懸濁液で満たす。土壌懸濁液はリアクタ8の場合と同様の方法で得られる。その後、2日間バッチ培養を行う。
連続オペレーションの場合、リアクタ10には1L/時間の割合で有機培地M1が攪拌槽2から供給される。有機培地がリアクタ10に供給される割合は、全有機炭素(TOC;Total Organic Carbon)濃度が約500mg/Lとなるように調整することができる。リアクタ6からの有機酸、揮発性有機化合物、水素、および反応生成物が2L/時間の割合でリアクタ10にポンプ供給される。リアクタ10に水素ガスを渡すことによりPHA含有微生物の増殖が著しく高まることが認められている。リアクタ10に揮発性有機化合物を渡すことによりPHA含有微生物の増殖が著しく高まることが認められている。リアクタ8からのバイオマスは3L/時間の割合でリアクタ10にポンプ供給される。リアクタ10中の通気速度はリアクタ8中の通気速度の10分の1以下である。つまり、空気は約0.4L/分で供給され、通気速度は0.03L/分である。溶存酸素濃度が約0.5mg/Lとなるよう必要に応じてエアフローレートを調整してもよい。揮発性有機化合物が豊富な、リアクタ10から排出されるガスの一部は10L/時間(240L/日)のガスレートでリアクタ6に戻され、リサイクルされる。
リアクタ10の上部からの懸濁液は、6L/時間の割合で沈殿槽14に排出される。沈殿槽14の上部からの液体は重力により下水管に排出される。沈殿槽14の底部の沈殿したバイオマスは、3L/時間の割合でリアクタ8に、3L/時間の割合でリアクタ10に、および0.5L/時間の割合でリアクタ12にポンプ供給される。
リアクタ12には微生物からのPHA抽出物が供給される。リアクタ12のオペレーションボリュームは13Lである。リアクタ12を起動するために、沈殿槽14からの沈殿バイオマス11Lおよび好気性酸性森林土壌懸濁液2Lをリアクタ12に加える。この土壌懸濁液は1kgの好気性酸性森林土壌懸濁液を2Lの水道水と混合することにより得られる。この混合物を1時間1時間沈殿させ、1mmのふるいでろ過し、土壌堆積物を除去する。次に、この結果得られる土壌懸濁液をリアクタ12に加える。リアクタ内容物のpHは0.1Mの塩酸溶液を用いて約4.5に調整される。バッチ培養を4日間行う。その後、リアクタ12は、バクテリア細胞壁を加水分解するために細胞外酵素を放出可能な顕微微生物で満たされる。
この連続工程の間、リアクタ12には、攪拌槽からポンプ供給されるバイオマスが2L/時間の割合で供給される。pHを4.3〜4.6の範囲に維持すべく、リアクタ12には貯蔵タンク28から、0.01〜0.1L/時間の割合で0.1Mの塩酸を連続的に加える。この段階で、微生物の一部を溶解し、PHAがグラニュール形態、つまり粒状の形態で細胞から抽出される。
リアクタ12の上部の泡は分離槽16に排出される。この分離槽16ではPHAグラニュールと細胞残屑とが分離される。加水分解酵素とPHAグラニュールとの相互作用を最小に抑えるために、PHA生産微生物の細胞からのPHAの抽出と、細胞残屑からのPHAグラニュールの分離とは同時に行われる。PHAグラニュールは約3.5のpHで浮遊させることで細胞残屑から分離される。分離槽16から流出される液体の一部は、1L/時間の割合でリアクタ6に戻され、リサイクルされる。
次いで、加工していない生のPHAが0.5L/時間の割合で槽20に渡される。ここでは、槽26からポンプ供給される漂白溶液により、該PHAがさらに浄化処理される。浄化されたPHAは槽22に渡され、乾式造粒装置24にポンプ供給されるまで該槽22に貯蔵される。乾燥は60度で、造粒は180度で行われうる。
好気性リアクタ8、10、12から流出する空気は0.44L/分の割合でこれらのリアクタの上部から流出される。その後、流出された空気はセパレータ30とグラニュール活性炭素ろ過器32に送られて処理され、周辺環境に排出される。
図2aおよび図2bを参照する。図2aにはリアクタ6で生じている、時間に対するpHの変化を示したグラフが、図2bにはリアクタ6で生じている、時間に対するORPの変化を示したグラフが描かれている。図2aから明らかなように、pHは9日間にわたって7.5から5.5へと漸減した。また、10日目はpHのさらなる変化は見られなかった。発酵プロセスによりさらに多くの有機酸が生産されると、これに応じて、リアクタ中の正味の有機酸濃度が実質的に一定となるまでpH値が低下すると仮定される。pHが一定したのはpHが定常状態に達したことによるものであり、定常状態においては、リアクタ10に送られる有機酸の量が、有機酸濃度の正味の増減なしに、発酵リアクタで新たに合成される有機酸に置換される。
第2グラフでは、酸化還元電位は最初の8日間にわたって急激に減少しており、その後2日間にわたっては、ほぼ−220mVでほぼ一定している。酸化還元電位の陰性が強いということは、発酵および有機酸と水素の生産に不可欠な嫌気状態であることを示す。リアクタ内は定常値に達するまで、時間とともにより嫌気状態になったことが分かる。
図3を参照すると、リアクタ10における、時間に対するバイオマスの濃度変化を示したグラフが描かれている。想定した通り、バイオマス濃度はほぼ一定のペースで成長し、ピークは40時間目の約5g/Lであった。その後、バイオマス濃度は約5g/Lの値に維持されている。この濃度において微生物集団を最大に維持することができ、さらなる増殖は有機栄養素の吸収率のような阻害要因により阻止される。
開示の方法およびプロセスの各々を様々な産業に利用することができ、特に包装材料としての、および、従来の医療機器および再生医療に応用するための生体材料としての生分解性プラスチックの生産に利用することができる。
開示の方法およびプロセスの各々により、PHAをPHA含有バイオマスに効率的かつ経済的に合成することができる。さらに、開示の方法およびプロセスの各々は廃水や固体有機性廃棄物をPHA生産のための培地として用いることを可能にするので、これらの方法により使用する原材料費を抑えることができる。
一実施形態では、嫌気的発酵、好気性バイオマスの増殖、PHAの微好気的生合成、バイオマス含有PHAの微生物加水分解、およびPHAの浮選濃度(flotative concentration)を独自に組合せることで、 開示の方法によりPHAを確実に連続生産することができる。
さらに、各々の開示の方法では、PHAの化学的抽出を行う際に可燃性の毒性有機溶剤を使用する必要がない。有利なことに、開示の方法により環境汚染を最小に抑えることができる。
さらに、開示の方法およびプロセスの各々は、バクテリアの純粋培養の使用だけに限定されない。有利なことに、該方法およびプロセスの各々を無菌状態で実行することができる。さらに有利なことに、多くの資源を浪費する必要なく、外来微生物のいない無菌状態にプロセス条件を維持することができる。
PHA生産微生物とPHA非生産微生物とを含む培地でPHA非生産微生物よりもPHA生産微生物の比率を高めるための開示の方法は、バッチ処理での使用だけに限定されない。有利なことに、開示の方法の各々は細胞飢餓に起因する、顕微微生物本来の細胞挙動の変化を頻繁に招くものではなく、これが生じた場合は、PHA生産顕微微生物などの顕微微生物の増殖率に悪影響を及ぼすおそれがある。従って、本明細書に開示の方法を用いることで、周知のプロセスで実行されるファミン−フィーストサイクルの間、細胞生理学における妨害が存在しないためにPHA生産率を高めることができる。
さらに有利なことに、開示の方法を全体のプロセス効率を高める連続プロセスで用いるようにしてもよい。
本文に開示された内容を読めば、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明をその他様々に変形したり適応させることができることは当業者には明らかであり、また、そのような変形や適応は添付の請求項の範囲内においてなされるものとする。
Claims (43)
- ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)を生産するためのプロセスであって、
PHA生産微生物含有バイオマスを培地で培養する工程と、
PHA含有微生物から選択した顕微微生物を使用して前記PHA生産微生物を加水分解する工程と、を含むプロセス。 - 前記培地は水素ガスを含む、請求項1記載のプロセス。
- 前記培地に水素ガス流を注入する工程を含む、請求項2記載の方法。
- 前記培地に揮発性有機化合物を供給する工程を含む、前述の請求項のいずれかに記載の方法。
- 揮発性有機化合物を含むガスを前記培地に注入する工程を含む、請求項4記載のプロセス。
- 生産されるPHAの量に対して、質量比0.5〜5で前記培地への揮発性有機化合物の供給を維持する工程を含む、請求項4または5に記載のプロセス。
- 前記培地は炭素栄養源を含む、前述の請求項のいずれかに記載のプロセス。
- 前記炭素栄養源は炭水化物を含む、請求項7記載のプロセス。
- 生産されるPHAの量に対して、質量比0.01〜0.1で前記培地への水素供給を維持する工程を含む、請求項2または3に記載のプロセス。
- 生産されるPHAの量に対して、質量比1〜5で前記培地への炭水化物供給を維持する工程を含む、前述の請求項のいずれかに記載のプロセス。
- 生産されるPHAの質量に対して、質量比0.5〜5で前記培地への有機酸および脂質のうちの少なくとも一方の供給を維持する工程を含む、前述の請求項のいずれかに記載のプロセス。
- 前記培地のpHを6〜8の範囲に維持する工程を含む、前述の請求項のいずれかに記載のプロセス。
- 前記培地のpHを維持する工程は、前記培地に有機酸を供給する工程を含む、請求項12記載のプロセス。
- 前記培養工程の間、前記培地を通常の好気状態に維持する工程を含む、前述の請求項のいずれかに記載のプロセス。
- 前記培養工程の間、前記培地は0.1mgL-1〜1mgL-1の溶存酸素を含む、請求項14記載のプロセス。
- 前記培養工程の間、前記培地を100mgL-1〜1000mgL-1の有機炭素に維持する工程を含む、前述の請求項のいずれかに記載のプロセス。
- 前記培養工程は、培養ゾーンで前記PHA生産微生物を培養する工程を含み、前記水素ガスは前記培地にわたって実質的に均一に分散される、前述の請求項のいずれかに記載のプロセス。
- 前記培養工程の前に、前記プロセスは微生物発酵ゾーンにおいてPHA生産微生物集団を発酵させる工程を含む、前述の請求項のいずれかに記載のプロセス。
- 前記微生物発酵ゾーンはPHA生産微生物含有の微生物の天然源で満たされる、請求項18記載のプロセス。
- 前記微生物発酵ゾーンは実質的に嫌気状態に維持される、請求項18または19記載のプロセス。
- 前記微生物発酵ゾーンにおいて水素ガスを生産する工程を含む、請求項18から20のいずれかに記載のプロセス。
- 前記微生物発酵ゾーンから前記揮発性有機化合物を得る工程を含む、請求項18から21のいずれかに記載のプロセス。
- 前記揮発性有機化合物を得る工程は、前記発酵ゾーン上方の気相を除去する工程を含む、請求項22記載のプロセス。
- 前記微生物発酵ゾーンをpH5〜8に維持する工程を含む、請求項18から21のいずれかに記載のプロセス。
- 前記微生物発酵ゾーンを−50mV〜−400mVの還元電位に維持する工程を含む、請求項18から23のいずれかに記載のプロセス。
- 前記培養工程後、前記プロセスは前記培養されたPHA生産微生物からPHAを抽出する工程を含む、前述の請求項のいずれかに記載のプロセス。
- 前記抽出工程は、前記PHAを取り出すために、前記PHA生産微生物を加水分解する工程を含む、請求項25記載のプロセス。
- 前記加水分解工程は、バクテリア細胞壁を加水分解する酵素を放出する顕微微生物を使用することを含む、請求項26記載のプロセス。
- 前記バクテリア細胞壁を加水分解する酵素を放出する顕微微生物は、アブシディア(Absidia)属、アガリクス(Agaricus)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、Chaetpmium属、フザリウム(Fusarium)属、ニューロスポーラ(Neurospora)属、ペニシリウム(Penicillium)属、Phaneroptiaete属、フィアロフォラ(Phialophora)属、Pleurotus属、 Rhizoctonia属、およびトリコデルマ(Trichoderma)属からの菌よりなる群から選択される、請求項27記載のプロセス。
- 前記加水分解工程の前に、前記PHA生産微生物は前記バイオマスから実質的に分離される、請求項26から29のいずれかに記載のプロセス。
- 前記抽出工程は、抽出ゾーンで通常の酸性条件で行われる、請求項26から29のいずれかに記載のプロセス。
- 前記抽出ゾーンの酸性条件とは、pHが2〜5の範囲内である、請求項30記載のプロセス。
- 前記微生物から前記取り出されたPHAを分離する工程をさらに含む、請求項28から31のいずれかに記載のプロセス。
- 前記抽出工程は前記分離工程と同時に行われ、これにより前記加水分解酵素と前記取り出されたPHAとの接触時間が短縮される、請求項32記載のプロセス。
- 前記抽出ゾーンに酸化剤を導入する工程を含む、請求項29記載のプロセス。
- PHA含有微生物からPHAを抽出する方法であって、該方法は、前記PHA含有微生物からPHAを取り出すために前記PHA含有微生物の前記細胞壁を加水分解する工程と、前記取り出されたPHAを前記微生物から分離する工程と、を含む方法。
- 前記加水分解工程は、バクテリア細胞壁を加水分解する酵素を放出する顕微微生物を用いる工程を含む、請求項36記載の方法。
- 前記バクテリア細胞壁を加水分解する酵素を放出する顕微微生物は、アブシディア(Absidia)属、アガリクス(Agaricus)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、Chaetpmium属、フザリウム(Fusarium)属、ニューロスポーラ(Neurospora)属、ペニシリウム(Penicillium)属、Phaneroptiaete属、フィアロフォラ(Phialophora)属、Pleurotus属、 Rhizoctonia属、およびトリコデルマ(Trichoderma)属からの菌よりなる群から選択される、請求項37記載の方法。
- 前記加水分解工程は前記分離工程と同時に行われ、これにより前記加水分解酵素と前記取り出されたPHAとの接触時間が短縮される、請求項36から38のいずれかに記載の方法。
- 前記分離工程は、浮上分離法、遠心分離法、膜分離法のうちの少なくとも1つを用いる、請求項36から38のいずれかに記載の方法。
- ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)を生産するためのプロセスであって、
(a)PHA生産微生物とPHA非生産微生物とを含む培地を、前記PHA非生産微生物よりも前記PHA生産微生物を高速に増殖できる条件下で選択ゾーンにおいて培養する工程であって、前記培養工程は前記PHA非生産微生物よりも多くのPHA微生物を有する培地を生産するために一定期間行われるものであり、
(b)水素ガス含有の培地に前記PHA生産微生物を培養するために、前記培養工程(a)で生産された前記培地を培養ゾーンに供給する工程と、
(c)前記供給工程(a)で生産された前記PHAを抽出ゾーンに供給する工程であって、前記PHA生産微生物は前記PHA含有微生物からPHAを取り出すために顕微微生物により加水分解されるものであって、
(d)前記PHAを前記培地から分離する工程と、を含むプロセス。 - 前記(a)から(d)の工程のうちの少なくとも1つの工程は非無菌状態で行われる、請求項41記載のプロセス。
- 前記工程(b)で生産された前記PHA生産微生物の少なくとも一部を前記選択ゾーンに戻す工程を含む、請求項41または42に記載のプロセス。
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