JP2014001054A - 光ファイバの巻取方法および巻取装置、ならびに光ファイバの製造方法 - Google Patents

光ファイバの巻取方法および巻取装置、ならびに光ファイバの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光ファイバ巻き取り速度が変動する場合でも、巻き取りボビンに光ファイバを巻き取る際の巻き乱れを防止できる光ファイバの巻取方法を提供する。
【解決手段】光ファイバ2の巻き取りにあたって、巻き取りボビン8の鍔部17と光ファイバ2とが互いに近づく方向に巻き取りボビン8をトラバースする際に、巻き取りボビン8が反転指令位置に達してから反転するまでの時間をΔtとし、反転指令位置での巻き取りボビン8のトラバースの速度をVとして、鍔部17に近接する近接位置P1から光ファイバ2の巻き付け位置までの距離L(V)がV・Δtとなったときに、巻き取りボビン8が反転指令位置に達したことを認識し、それに伴って巻き取りボビン8に反転指令を発し、トラバース方向を反転させる。
【選択図】図5

Description

本発明は、光ファイバの巻取方法および巻取装置、ならびに光ファイバの製造方法に関する。
近年、光ファイバの製造は、コストダウン等を目的として紡糸速度の高線速化、および光ファイバの長尺化がなされており、紡糸時に使用されるボビンには、長さ100km以上の光ファイバが巻かれることが少なくない。このため、光ファイバの出荷時には、光ファイバを必要な長さだけ引き出して、他のボビンに巻きなおすことが行われる(いわゆる「巻き返し」)。
光ファイバをボビンに巻き取る際には、光ファイバを胴部上で整列させるために、ボビンまたは光ファイバを回転軸方向に移動(トラバース)させつつ巻き取りを行う(特許文献1、2参照)。
図7は、光ファイバをボビンに巻き取る巻取装置を示す。
この巻取装置31は、巻取装置1は、光ファイバ2を供給する光ファイバ供給部3と、光ファイバ2を巻き取る巻き取り機34と、を備えている。
光ファイバ供給部3は、送り出しボビン11と、引き取り機12と、光ファイバ2をガイドする複数のガイドプーリー13と、ダンサーローラ14と、を備えている。
巻き取り機34は、光ファイバ2を巻き取る巻き取りボビン8と、巻き取りボビン8を光ファイバ2に対して回転軸方向に往復トラバースさせるトラバース機構9と、を有する。
トラバース装置9は、巻き取りボビン8を回転軸方向に往復動させることによって、光ファイバ2を巻き取りボビン8に整列巻きさせることができる。
特許文献1には、ボビンを回転軸方向に往復動させつつ線材の巻き取りを行い、その際、光センサによってボビン鍔部の位置を検知して、その位置に基づいてトラバースの反転動作を制御する方法が開示されている。
この方法では、光ファイバの巻き取り速度が変動すると、ボビン位置を検知してから反転動作までの時間遅延に相当する長さの光ファイバが余分に巻かれる(過巻)ため、巻き乱れが生じてしまう問題があった。
特開平5−8934号公報 特開平7−33326号公報
特許文献2に記載の方法では、光ファイバがボビン鍔部に到達する前に鍔部の位置を検知し、鍔部検出から所定の時間が経過した後に反転動作をさせることにより、光ファイバが余分に巻かれるのを抑制しているが、巻き取り速度が変動する場合には、光ファイバの巻取りの過不足による巻き乱れが生じるおそれがあった。
ボビンの反転に至る前に光ファイバの巻き取り速度が定常に到達すれば、巻き取り速度の変動は起こりにくく、鍔部付近での光ファイバの巻き取りの過不足は生じないが、近年、巻き取り速度は高速化しているため、反転前に定常巻き取り速度に到達させるのは難しい。
無理に反転前に定常巻き取り速度に到達するよう巻き取り速度を高めた場合、ガイドプーリーにおける回転抵抗により巻き取り張力が変動し、巻き乱れが生じやすくなる。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、光ファイバ巻き取り速度が変動する場合でも、巻き取りボビンに光ファイバを巻き取る際の巻き乱れを防止できる光ファイバの巻取方法および巻取装置、ならびに光ファイバの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では以下の構成を提供する。
本発明は、巻き取り胴部と鍔部とを有する巻き取りボビンに光ファイバを巻き取る方法であって、前記光ファイバの巻き取りにあたって、前記巻き取りボビンと前記光ファイバのうち少なくとも一方である移動体を回転軸方向に往復トラバースさせ、前記鍔部と前記光ファイバとが互いに近づく方向に前記移動体をトラバースする際に、前記移動体が反転指令位置に達したことにより発せられた反転指令によって、前記移動体のトラバース方向を反転させ、前記移動体が前記反転指令位置に達してから反転するまでの時間をΔtとし、前記移動体が前記反転指令位置に達した時の前記トラバースの速度をVとして、前記鍔部に近接する近接位置から前記光ファイバの巻き付け位置までの前記回転軸方向の距離がV・Δtとなったときに、前記移動体が反転指令位置に達したことを認識し、それに伴って前記移動体に反転指令を発し、前記トラバース方向を反転させる光ファイバの巻取方法を提供する。
前記トラバース速度は、光ファイバの巻き取り速度に比例していてもよい。
本発明は、紡糸により得られた光ファイバを、前記光ファイバの巻取方法によって、巻き取りボビンに巻き取る光ファイバの製造方法を提供する。
本発明は、巻き取り胴部と鍔部とを有する巻き取りボビンに光ファイバを巻き取る装置であって、前記光ファイバを供給する光ファイバ供給部と、前記巻き取りボビンと、前記巻き取りボビンと前記光ファイバのうち少なくとも一方である移動体を回転軸方向に往復トラバースさせるトラバース機構と、前記移動体のトラバース速度を検出する速度センサと、前記移動体の回転軸方向の位置を検出可能な位置センサと、前記移動体のトラバースの速度および方向を調整する制御部と、を備え、前記移動体が前記反転指令位置に達してから反転するまでの時間をΔtとし、前記移動体が前記反転指令位置に達した時の前記トラバースの速度をVとして、前記制御部は、前記鍔部と前記光ファイバとが互いに近づく方向に前記移動体をトラバースする際に、前記速度センサによって検出されたトラバース速度と、前記位置センサによって検出された前記移動体の位置に基づいて、前記鍔部に近接する近接位置から前記光ファイバの巻き付け位置までの前記回転軸方向の距離がV・Δtとなったときに、前記移動体が反転指令位置に達したことを認識し、それに伴って前記移動体に反転指令を発し、前記トラバース方向を反転させる光ファイバの巻取装置を提供する。
本発明によれば、トラバース速度に応じて反転指令位置を補正するため、巻き取りボビンへの巻き始めや巻き終わりなどのように、巻き取り速度が非定常である場合でも、確実に巻き取りボビンの鍔部に近接した位置でトラバース方向を反転することができる。
従って、巻き取り速度およびトラバース速度が変動した場合でも巻き乱れを防ぎ、光ファイバを巻き取りボビンに良好な巻き状態で巻き取ることができる。
本発明の光ファイバの巻取方法の実施形態を実施できる巻取装置を示す概略構成図である。 トラバースによって、光ファイバと巻き取りボビンとの相対位置が変化する過程を模式的に示す図である。 トラバースによって、光ファイバと巻き取りボビンとの相対位置が変化する過程を模式的に示す図である。 巻き取りボビンが反転指令位置に達してから反転するまでの時系列を示す図である。 トラバースによって、光ファイバと巻き取りボビンとの相対位置が変化する過程を模式的に示す図である。 トラバース方向の距離とトラバース速度との関係を示すグラフである。 従来の光ファイバの巻取装置の一例を示す概略構成図である。
(第1実施形態)
図1は、本発明の光ファイバの巻取方法の第1実施形態を実施できる巻取装置1を示す概略構成図である。
巻取装置1は、光ファイバ2を供給する光ファイバ供給部3と、光ファイバ2を巻き取る巻き取り機4と、巻き取りボビン8のトラバース速度を検出するトラバース速度センサ5と、巻き取りボビン8の回転軸方向の位置を検出可能なボビン位置センサ6と、巻き取りボビン8のトラバースの速度および方向を調整する制御部7と、を備えている。
光ファイバ供給部3は、送り出しボビン11と、送り出しボビン11から所定の速度で光ファイバを送り出すための引き取り機12と、光ファイバ2をガイドする複数のガイドプーリー13と、光ファイバ2の張力を調整するダンサーローラ14と、を備えている。
ダンサーローラ14は、巻き取り機4における光ファイバ2の速度と、引き取り機12における光ファイバ2の速度とが相対的に変化した場合に、高さ位置の調整により光ファイバ2の張力を一定に保つことができる。
巻き取り機4は、光ファイバ2を巻き取る巻き取りボビン8(移動体)と、巻き取りボビン8を光ファイバ2に対して回転軸方向に往復トラバースさせるトラバース機構9と、を有する。
巻き取りボビン8は、光ファイバ2が巻き付けられる円筒状の巻き取り胴部16と、その両端部に形成された鍔部17(17A、17B)とを有する。
巻き取り胴部16は、円筒状に形成され、その外周面に光ファイバ2を巻き取ることができる。
鍔部17は、巻き取り胴部16の中心軸C1に対しほぼ垂直な円環状板であり、巻き取り胴部16の両端部から拡径方向に延出して形成されている。鍔部17は、巻き取られる光ファイバ2が巻き取り胴部16から脱落するのを阻止する機能を有する。
巻き取りボビン8は、後述する巻取駆動機構(図示せず)により中心軸C1を回転軸として軸回りに回転駆動し、巻き取り胴部16に、光ファイバ2を1層または多層に巻き取ることができる。
トラバース機構9は、巻き取りボビン8の巻き取り胴部16に挿通して巻き取りボビン8を支持する支持胴部18と、台部19と、台部19に立設して支持胴部18の両端部を支持する支持柱部20とを有する。
支持胴部18は、円筒状とされ、中心軸を巻き取り胴部16の中心軸C1にほぼ一致させ、巻取駆動機構(図示せず)により軸回りに回転駆動することによって、巻き取りボビン8を軸回りに回転駆動させることができる。
トラバース機構9は、往復動駆動機構(図示せず)によって、支持胴部18の回転軸方向に往復動可能であり、巻き取りボビン8を中心軸C1方向に往復動させ、これによって、光ファイバ2を巻き取りボビン8に整列巻きさせることができる。
トラバース速度センサ5は、トラバース機構9のトラバース速度(巻き取り胴部16)を検出し、速度検出信号を制御部7に送出することができる。
トラバース速度センサ5としては、巻き取りボビン8のトラバース速度が光ファイバ2の巻き取り速度に比例する場合には、引き取り機12のローラを駆動するモーターに内蔵された検出器(エンコーダ等)を使用することができる。トラバース速度センサ5は光ファイバ2の線速に応じた速度検出信号を送出するが、この速度検出信号はトラバース速度に応じた信号となる。
トラバース速度センサ5としては、例えばトラバース機構9を往復動させる往復動駆動機構(図示せず)として使用されるモーターに内蔵された検出器等を使用してもよい。
ボビン位置センサ6は、巻き取りボビン8の回転軸方向(図1の左右方向)の位置を検出可能なセンサであって、巻き取りボビン8の回転軸方向の位置を検出し、位置検出信号を制御部7に送出することができる。
ボビン位置センサ6としては、例えばトラバース機構9を往復動させる往復動駆動機構(図示せず)として使用されるモーターに内蔵された検出器(エンコーダ等)が使用できる。
ボビン位置センサとしては、光学センサを使用してもよい。例えば、ガイドプーリー13aに対して位置決めされた発光部と受光部とを備えた光学センサを使用できる。この光学センサは、巻き取りボビン8が回転軸方向に移動する際に発光部からの光が鍔部17で遮られて受光部に到達しなくなったことを、受光部から制御部7へ送信される信号の有無に基づいて検知することによって、巻き取りボビン8の位置(鍔部17の位置)を検出できる。
制御部7は、トラバース速度センサ5からの速度検出信号とボビン位置センサ6からの位置検出信号に基づいて、トラバース機構9に駆動信号を送出し、トラバース機構9の速度および方向を調整できる。
次に、巻取装置1を用いた場合を例として、本発明の光ファイバの巻取方法の第1実施形態を説明する。
図1に示すように、引き取り機12を駆動させて光ファイバ2を送り出しボビン11から繰り出すとともに、トラバース機構9によって巻き取りボビン8を往復トラバースさせつつ、巻取駆動機構(図示せず)により巻き取りボビン8を軸回りに回転駆動することによって、光ファイバ2を巻き取りボビン8の巻き取り胴部16に巻き取る。
巻き取りボビン8のトラバース速度と光ファイバ2の巻き取り速度とは独立していてもよいが、通常、巻き取りボビン8のトラバース速度は光ファイバ2の巻き取り速度に依存する。例えば、巻き取りボビン8のトラバース速度は光ファイバ2の巻き取り速度に比例させることができる。
以下、巻き取りボビン8のトラバース方向が反転する際の巻取装置1の動作を説明する。
図2は、巻き取りボビン8のトラバースによって、ガイドプーリー13aを経由して供給される光ファイバ2と、巻き取りボビン8との相対位置が変化する過程を模式的に示す図である。
この実施形態では、実際には巻き取りボビン8の移動によって鍔部17が光ファイバ2に近づくが、この図では、巻き取りボビン8ではなく光ファイバ2の位置が変化するように前記相対位置の変化を図示している。
符号13aは巻き取りボビン8に最も近いガイドプーリー13であり、ガイドプーリー13aを経た光ファイバ2は、直接、巻き取りボビン8に巻き取られる。
光ファイバ2の巻き取り位置と、巻き取り胴部16の一端側の鍔部17(17A)とが近づく過程では、巻き取りボビン8が所定の反転指令位置に達したことによって、ボビン位置センサ6が巻き取りボビン8の位置を検出し、位置検出信号を制御部7に送出する。
制御部7は、この位置検出信号に基づいて、反転指令をトラバース機構9に送信して巻き取りボビン8のトラバース方向を反転させる。
図4は、巻き取りボビン8が反転指令位置に達してから反転するまでの時系列を示す図である。
光ファイバ2の巻き取り速度が定常速度であって、そのときの巻き取りボビン8のトラバースの速度がV0(一定速度)である場合に、巻き取りボビン8が反転指令位置に達した時をt0、制御部7が反転指令をトラバース機構9に送出する時をt1、巻き取りボビン8が反転する時をt2とする。
反転指令位置がトラバース速度に依存せず、一定とされている場合には、実質的にt0=t1とすることができる。
巻き取りボビン8が反転指令位置に達した時t0から、巻き取りボビン8が反転する時t2までの経過時間をΔt(遅延時間)とする。この遅延時間Δtは、光ファイバ2の巻き取り速度および巻き取りボビン8のトラバース速度にかかわらず一定である。
遅延時間Δtは、巻き取りボビン8が反転指令位置に達してから反転するまで複数のステップがある場合には、それらすべてのステップを含む時間である。例えば、トラバース機構9が信号を受けてから動作するまでの遅延時間を含む。
通常、巻き取りボビン8のトラバース速度は、光ファイバ2の巻き取り速度に依存するため、遅延時間Δtは厳密には巻き取り速度に依存しているが、トラバース速度は巻き取り速度に比べて小さいため、巻き取り速度に依存しないとみなすことができる。
図2に示すように、光ファイバ2の巻き取り速度が定常速度である場合(トラバース速度はV0)(図4参照)、巻き取りボビン8は、t0で反転指令位置に達し(このときの巻き取りボビン8に対する光ファイバ2の相対位置を図2に仮想線で示す)、t1でのトラバース機構9への反転指令送出を経て、t2で反転する(このときの光ファイバ2の相対位置を図2に実線で示す)。
この例では、巻き取りボビン8は、光ファイバ2が鍔部17に近接する位置P1(以下、近接位置P1という)で反転する。
なお、「光ファイバ2が鍔部17に近接する」は、光ファイバ2が鍔部17からわずかな距離だけ離れている場合、および鍔部17内面に当接する場合を含む。近接位置にある光ファイバ2と鍔部17との軸方向の距離は例えば10mm以下とすることができる。
反転指令位置から反転位置までの巻き取りボビン8の回転軸方向の距離ΔL0は、トラバース速度V0と遅延時間Δt(図4参照)との積「V0・Δt」となる。
すなわち、光ファイバ2の巻き取り速度が定常速度である場合には、想定する反転位置(近接位置P1)から距離ΔL0だけ手前の位置を「反転指令位置」に設定することで、近接位置P1での反転が可能となる。
しかしながら、実際には、巻き取りボビン8への光ファイバ2の巻き始めや巻き終わりでは、定常速度での光ファイバ2の巻き取りが可能となるとは限らない。すなわち、巻き取り速度は、定常の速度より遅い場合も、定常の速度より速い場合もある。
巻き取り速度が非定常である場合には、例えば反転位置が鍔部17から大きく離れた位置となることなどによって巻き乱れが生じるおそれがある。
図3に示すように、例えば、巻き取り速度が定常速度より遅い場合には(トラバース速度はV(<V0))、定常速度の場合と同じ反転指令位置を設定すると、反転指令位置(図3に仮想線で示す)から、反転位置(図3に実線で示す)までの巻き取りボビン8の移動距離は、トラバース速度が遅いぶん短くなる。
具体的には、巻き取りボビン8は、定常速度の場合の反転位置(近接位置P1)に比べてΔL’(=ΔL0−V・Δt)だけ手前の位置で反転し、この反転位置のずれは巻き乱れの原因となる。
トラバース速度Vは非定常の速度であって、変動し得る。なお、トラバース速度Vは、光ファイバ2と巻き取りボビン8との相対的な速度である。
本実施形態の巻取方法では、以下の手法を採用することによって、非定常の巻き取り速度においても、常に巻き取りボビン8の鍔部17に近接した位置で反転することを可能とする。
巻き取りボビン8が反転指令位置に達した時t0におけるトラバースの速度Vをトラバース速度センサ5(図1参照)で検出する。トラバース速度センサ5は、速度検出信号を制御部7に送出する。
一方、ボビン位置センサ6は、巻き取りボビン8の位置を検出し、位置検出信号を制御部7に送る。
図5に示すように、制御部7は、速度検出信号および位置検出信号に基づいて、光ファイバ2の巻き付け位置から近接位置P1までの回転軸方向の距離ΔL(V)が「V/V0・ΔL0」となったときに、巻き取りボビン8が反転指令位置に達したと認識して、反転指令をトラバース機構9に送信し、巻き取りボビン8のトラバース方向を反転させる。
ΔL0=V0・Δtであるから、「V/V0・ΔL0」は、「V・Δt」である。
この方法では、反転までの距離がトラバース速度に比例すること(図6参照)を利用して、トラバース速度に応じて反転指令位置を補正している。
巻き取りボビン8のトラバース速度が巻き取り速度に比例する場合には、巻き取り速度の定常速度VF0と、非定常の巻き取り速度をVFとの比「VF/VF0」は、「V/V0」に等しくなる。
なお、トラバース速度VがV0に等しければ、ΔL(V)はΔL0となる。
光ファイバ2が一方の鍔部17Aに近接する位置P1で反転した巻き取りボビン8は、逆の方向(光ファイバ2が他方の鍔部17Bに近づく方向)にトラバースし、光ファイバ2が鍔部17Bに近接する位置で反転する。
この反転の際にも、同様に、近接位置P1から巻き付け位置までの距離がV/V0・ΔL0(=V・Δt)なったときに、巻き取りボビン8が反転指令位置に達したことを検出し、これに伴って制御部7が反転指令を発し、巻き取りボビン8のトラバース方向を反転させる。
この過程を繰り返すことによって、光ファイバ2を巻き取りボビン8に多層に巻き取ることができる。
上述の光ファイバの巻取方法によれば、トラバース距離がトラバース速度に比例すること(図6参照)を利用して、トラバース速度に応じて反転指令位置を補正するため、巻き取りボビンへの巻き始めや巻き終わりなどのように、巻き取り速度が非定常である場合でも、確実に鍔部17に近接した位置P1でトラバース方向を反転することができる。
従って、光ファイバ2の巻き取り速度および巻き取りボビン8のトラバース速度が変動した場合でも、巻き乱れを防ぐことができる。
(第2実施形態)
第1実施形態では、巻き取りボビン8をトラバースさせつつ光ファイバ2の巻き取りを行ったが、これに代えて、ガイドプーリー13a(移動体)をトラバースさせつつ巻き取りを行うこともできる。以下、図2〜図5を利用して説明する。
ガイドプーリー13aを巻き取りボビン8の回転軸方向に往復トラバースさせることによって、光ファイバ2の巻き取り位置を移動させつつ光ファイバ2の巻き取りを行う。
図2および図4に示すように、光ファイバ2の巻き取り速度が定常速度である場合(トラバース速度はV0)に、光ファイバ2と鍔部17(17A)とが近づく過程では、ガイドプーリー13a(または光ファイバ2)はt0で反転指令位置に達し(光ファイバ2の相対位置を図2に仮想線で示す)、t1での反転指令送出を経て、t2で反転する(このときの光ファイバ2の相対位置を図2に実線で示す)。
反転指令位置から反転位置までのガイドプーリー13aの移動距離ΔL0は、トラバース速度V0と遅延時間Δtとの積「V0・Δt」となる。
本実施形態の巻取方法では、ガイドプーリー13a(または光ファイバ2)が反転指令位置に達した時t0におけるトラバースの速度Vをトラバース速度センサ(図示略)で検出する。トラバース速度センサは、速度検出信号を制御部7に送出する。
トラバース速度センサとしては、例えばガイドプーリー13aを往復動させる往復動駆動機構(トラバース機構)として使用されるモーターに内蔵された検出器(エンコーダ等)が使用できる。
一方、位置センサ(図示略)は、ガイドプーリー13aの位置を検出し、位置検出信号を制御部7に送る。
位置センサとしては、例えばガイドプーリー13aを往復動させる往復動駆動機構として使用されるモーターに内蔵された検出器が使用できる。
図5に示すように、制御部7は、速度検出信号および位置検出信号に基づいて、光ファイバ2の巻き付け位置から近接位置P1までの回転軸方向の距離ΔL(V)が「V/V0・ΔL0」(=「V・Δt」)となったときに、ガイドプーリー13a(または光ファイバ2)が反転指令位置に達したと認識して、反転指令をガイドプーリー13aに送信し、ガイドプーリー13aのトラバース方向を反転させる。
この光ファイバの巻取方法によれば、第1実施形態と同様に、巻き取り速度が非定常である場合でも、確実に鍔部17に近接した位置P1でトラバース方向を反転することができる。
従って、巻き乱れを防ぐことができる。
第1実施形態では巻き取りボビン8をトラバースさせ、第2実施形態ではガイドプーリー13aをトラバースさせたが、巻き取りボビン8とガイドプーリー13aの両方をトラバースさせることもできる。すなわち、巻き取りボビン8とガイドプーリー13aの両方を、鍔部17と光ファイバ2とが互いに近づく方向にトラバースさせ、その際に第1および第2実施形態と同様の方法でトラバース方向を反転させることができる。
第1および第2実施形態では、送り出しボビン11から巻き取りボビン8(切割り用ボビン)への巻き取り(巻き返し)を行ったが、本発明の巻取方法は、光ファイバの製造方法に一工程として組み込むこともできる。
すなわち、公知の紡糸方法により得られた光ファイバを、第1実施形態または第2実施形態の方法によって巻き取りボビン8に巻き取ることもできる。
巻き取りボビンの形状は図示例に限定されず、他の形状のものであっても同様の効果を得ることができる。
以下、具体例を示して本発明の作用効果を明確にする。
(実施例1)
図1に示す巻取装置1を作製した。
本実施例では、巻き取りボビン8のトラバース速度は、光ファイバ2の巻き取り速度に比例する。
光ファイバ2の定常巻き取り速度VF0を1200m/minとし、巻き取りボビン8の反転位置を、近接位置P1とした(図2参照)。
反転指令位置(図2に仮想線で示す)から、反転位置(図2に実線で示す)までの巻き取りボビン8の移動距離ΔL0は1.75mmであった。
図5に示すように、近接位置P1から光ファイバ2までの距離ΔL(V)が1.75×VF/1200[mm](=「VF/VF0・ΔL0」)となったときに、巻き取りボビン8が反転指令位置に達したことを検出し、これに伴って制御部7が反転指令をトラバース機構9に送信して巻き取りボビン8のトラバース方向を反転させるように設定した。
光ファイバ2の巻き取り速度VFを定常速度VF0より遅くし、巻き取り速度の増減速レートを300m/minとして、送り出しボビン11(紡糸ボビン)から巻き取りボビン8(切割り用ボビン)に、満巻き(多層巻き)となるまで巻き返しを実施した。
1回目のターン(反転)時の光ファイバ2の線速は、300m/min、2回目のターン時の線速は600m/min、3回目のターン時は900m/min、4回目のターン時は1200m/minであった。
巻き取りボビン8に巻き付けられた光ファイバ2の外観を検査したところ、巻き乱れは見られず、良好な状態であった。
満巻きとなった光ファイバ2についてOTDR測定を実施し、巻き乱れなどによる波形の乱れがないか確認したところ、問題はなかった。
巻き取りボビン8の光ファイバ2を再度巻き返しして繰り出し性を確認したところ、繰り出し性に問題はなかった。また、露出した下層側の光ファイバ2を確認したところ、鍔部17に近接する位置P1まで巻かれていたことが確認できた。
(比較例1)
本比較例では、定常速度の場合と同じ反転指令位置を設定した。反転指令位置は巻き取り速度に依存させず、固定とした。
実施例1と同様にして、光ファイバ2の巻き取り速度VFを定常速度VF0より遅くして、送り出しボビン11(紡糸ボビン)から巻き取りボビン8(切割り用ボビン)に、満巻きとなるまで巻き返しを実施した。
巻き取りボビン8に巻き付けられた光ファイバ2の外観を検査したところ、巻き乱れが見られた。
満巻きとなった光ファイバ2についてOTDR測定を実施し、巻き乱れなどによる波形の乱れがないか確認したところ、下層側の光ファイバ2でOTDR波形の段差が見られた。
巻き取りボビン8の光ファイバ2を再度巻き返しして繰り出し性を確認したところ、繰り出しがスムーズにできない場合があった。
(比較例2)
巻き取り速度の増減速レートを1200m/minとしたこと以外は比較例1と同様にして、送り出しボビン11(紡糸ボビン)から巻き取りボビン8(切割り用ボビン)に、満巻きとなるまで巻き返しを実施した。
巻き取りボビン8に巻き付けられた光ファイバ2の外観を検査したところ、巻き乱れが見られた。
満巻きとなった光ファイバ2についてOTDR測定を実施し、巻き乱れなどによる波形の乱れがないか確認したところ、下層側の光ファイバ2でOTDR波形の段差が見られた。
巻き取りボビン8の光ファイバ2を再度巻き返しして繰り出し性を確認したところ、繰り出しがスムーズにできない場合があった。
1・・・巻取装置、2・・・光ファイバ、3・・・光ファイバ供給部、4・・・巻き取り機、5・・・トラバース速度センサ、6・・・ボビン位置センサ、7・・・制御部、8・・・巻き取りボビン、9・・・トラバース機構、13a・・・ガイドプーリー、16・・・巻き取り胴部、17・・・鍔部、P1・・・近接位置(鍔部に近接する位置)。

Claims (4)

  1. 巻き取り胴部と鍔部とを有する巻き取りボビンに光ファイバを巻き取る方法であって、
    前記光ファイバの巻き取りにあたって、前記巻き取りボビンと前記光ファイバのうち少なくとも一方である移動体を回転軸方向に往復トラバースさせ、
    前記鍔部と前記光ファイバとが互いに近づく方向に前記移動体をトラバースする際に、前記移動体が反転指令位置に達したことにより発せられた反転指令によって、前記移動体のトラバース方向を反転させ、
    前記移動体が前記反転指令位置に達してから反転するまでの時間をΔtとし、
    前記移動体が前記反転指令位置に達した時の前記トラバースの速度をVとして、
    前記鍔部に近接する近接位置から前記光ファイバの巻き付け位置までの前記回転軸方向の距離がV・Δtとなったときに、前記移動体が反転指令位置に達したことを認識し、それに伴って前記移動体に反転指令を発し、前記トラバース方向を反転させることを特徴とする光ファイバの巻取方法。
  2. 前記トラバース速度は、光ファイバの巻き取り速度に比例することを特徴とする請求項1に記載の光ファイバの巻取方法。
  3. 紡糸により得られた光ファイバを、請求項1または2に記載の光ファイバの巻取方法によって、巻き取りボビンに巻き取ることを特徴とする光ファイバの製造方法。
  4. 巻き取り胴部と鍔部とを有する巻き取りボビンに光ファイバを巻き取る装置であって、
    前記光ファイバを供給する光ファイバ供給部と、前記巻き取りボビンと、前記巻き取りボビンと前記光ファイバのうち少なくとも一方である移動体を回転軸方向に往復トラバースさせるトラバース機構と、前記移動体のトラバース速度を検出する速度センサと、前記移動体の回転軸方向の位置を検出可能な位置センサと、前記移動体のトラバースの速度および方向を調整する制御部と、を備え、
    前記移動体が前記反転指令位置に達してから反転するまでの時間をΔtとし、
    前記移動体が前記反転指令位置に達した時の前記トラバースの速度をVとして、
    前記制御部は、前記鍔部と前記光ファイバとが互いに近づく方向に前記移動体をトラバースする際に、前記速度センサによって検出されたトラバース速度と、前記位置センサによって検出された前記移動体の位置に基づいて、前記鍔部に近接する近接位置から前記光ファイバの巻き付け位置までの前記回転軸方向の距離がV・Δtとなったときに、前記移動体が反転指令位置に達したことを認識し、それに伴って前記移動体に反転指令を発し、前記トラバース方向を反転させることを特徴とする光ファイバの巻取装置。
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