JP2014001054A - 光ファイバの巻取方法および巻取装置、ならびに光ファイバの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光ファイバ2の巻き取りにあたって、巻き取りボビン8の鍔部17と光ファイバ2とが互いに近づく方向に巻き取りボビン8をトラバースする際に、巻き取りボビン8が反転指令位置に達してから反転するまでの時間をΔtとし、反転指令位置での巻き取りボビン8のトラバースの速度をVとして、鍔部17に近接する近接位置P1から光ファイバ2の巻き付け位置までの距離L(V)がV・Δtとなったときに、巻き取りボビン8が反転指令位置に達したことを認識し、それに伴って巻き取りボビン8に反転指令を発し、トラバース方向を反転させる。
【選択図】図5
Description
光ファイバをボビンに巻き取る際には、光ファイバを胴部上で整列させるために、ボビンまたは光ファイバを回転軸方向に移動(トラバース)させつつ巻き取りを行う(特許文献1、2参照)。
この巻取装置31は、巻取装置1は、光ファイバ2を供給する光ファイバ供給部3と、光ファイバ2を巻き取る巻き取り機34と、を備えている。
光ファイバ供給部3は、送り出しボビン11と、引き取り機12と、光ファイバ2をガイドする複数のガイドプーリー13と、ダンサーローラ14と、を備えている。
巻き取り機34は、光ファイバ2を巻き取る巻き取りボビン8と、巻き取りボビン8を光ファイバ2に対して回転軸方向に往復トラバースさせるトラバース機構9と、を有する。
トラバース装置9は、巻き取りボビン8を回転軸方向に往復動させることによって、光ファイバ2を巻き取りボビン8に整列巻きさせることができる。
この方法では、光ファイバの巻き取り速度が変動すると、ボビン位置を検知してから反転動作までの時間遅延に相当する長さの光ファイバが余分に巻かれる(過巻)ため、巻き乱れが生じてしまう問題があった。
ボビンの反転に至る前に光ファイバの巻き取り速度が定常に到達すれば、巻き取り速度の変動は起こりにくく、鍔部付近での光ファイバの巻き取りの過不足は生じないが、近年、巻き取り速度は高速化しているため、反転前に定常巻き取り速度に到達させるのは難しい。
無理に反転前に定常巻き取り速度に到達するよう巻き取り速度を高めた場合、ガイドプーリーにおける回転抵抗により巻き取り張力が変動し、巻き乱れが生じやすくなる。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、光ファイバ巻き取り速度が変動する場合でも、巻き取りボビンに光ファイバを巻き取る際の巻き乱れを防止できる光ファイバの巻取方法および巻取装置、ならびに光ファイバの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、巻き取り胴部と鍔部とを有する巻き取りボビンに光ファイバを巻き取る方法であって、前記光ファイバの巻き取りにあたって、前記巻き取りボビンと前記光ファイバのうち少なくとも一方である移動体を回転軸方向に往復トラバースさせ、前記鍔部と前記光ファイバとが互いに近づく方向に前記移動体をトラバースする際に、前記移動体が反転指令位置に達したことにより発せられた反転指令によって、前記移動体のトラバース方向を反転させ、前記移動体が前記反転指令位置に達してから反転するまでの時間をΔtとし、前記移動体が前記反転指令位置に達した時の前記トラバースの速度をVとして、前記鍔部に近接する近接位置から前記光ファイバの巻き付け位置までの前記回転軸方向の距離がV・Δtとなったときに、前記移動体が反転指令位置に達したことを認識し、それに伴って前記移動体に反転指令を発し、前記トラバース方向を反転させる光ファイバの巻取方法を提供する。
前記トラバース速度は、光ファイバの巻き取り速度に比例していてもよい。
従って、巻き取り速度およびトラバース速度が変動した場合でも巻き乱れを防ぎ、光ファイバを巻き取りボビンに良好な巻き状態で巻き取ることができる。
図1は、本発明の光ファイバの巻取方法の第1実施形態を実施できる巻取装置1を示す概略構成図である。
巻取装置1は、光ファイバ2を供給する光ファイバ供給部3と、光ファイバ2を巻き取る巻き取り機4と、巻き取りボビン8のトラバース速度を検出するトラバース速度センサ5と、巻き取りボビン8の回転軸方向の位置を検出可能なボビン位置センサ6と、巻き取りボビン8のトラバースの速度および方向を調整する制御部7と、を備えている。
ダンサーローラ14は、巻き取り機4における光ファイバ2の速度と、引き取り機12における光ファイバ2の速度とが相対的に変化した場合に、高さ位置の調整により光ファイバ2の張力を一定に保つことができる。
巻き取りボビン8は、光ファイバ2が巻き付けられる円筒状の巻き取り胴部16と、その両端部に形成された鍔部17(17A、17B)とを有する。
巻き取り胴部16は、円筒状に形成され、その外周面に光ファイバ2を巻き取ることができる。
巻き取りボビン8は、後述する巻取駆動機構(図示せず)により中心軸C1を回転軸として軸回りに回転駆動し、巻き取り胴部16に、光ファイバ2を1層または多層に巻き取ることができる。
支持胴部18は、円筒状とされ、中心軸を巻き取り胴部16の中心軸C1にほぼ一致させ、巻取駆動機構(図示せず)により軸回りに回転駆動することによって、巻き取りボビン8を軸回りに回転駆動させることができる。
トラバース機構9は、往復動駆動機構(図示せず)によって、支持胴部18の回転軸方向に往復動可能であり、巻き取りボビン8を中心軸C1方向に往復動させ、これによって、光ファイバ2を巻き取りボビン8に整列巻きさせることができる。
トラバース速度センサ5としては、巻き取りボビン8のトラバース速度が光ファイバ2の巻き取り速度に比例する場合には、引き取り機12のローラを駆動するモーターに内蔵された検出器(エンコーダ等)を使用することができる。トラバース速度センサ5は光ファイバ2の線速に応じた速度検出信号を送出するが、この速度検出信号はトラバース速度に応じた信号となる。
トラバース速度センサ5としては、例えばトラバース機構9を往復動させる往復動駆動機構(図示せず)として使用されるモーターに内蔵された検出器等を使用してもよい。
ボビン位置センサ6としては、例えばトラバース機構9を往復動させる往復動駆動機構(図示せず)として使用されるモーターに内蔵された検出器(エンコーダ等)が使用できる。
図1に示すように、引き取り機12を駆動させて光ファイバ2を送り出しボビン11から繰り出すとともに、トラバース機構9によって巻き取りボビン8を往復トラバースさせつつ、巻取駆動機構(図示せず)により巻き取りボビン8を軸回りに回転駆動することによって、光ファイバ2を巻き取りボビン8の巻き取り胴部16に巻き取る。
巻き取りボビン8のトラバース速度と光ファイバ2の巻き取り速度とは独立していてもよいが、通常、巻き取りボビン8のトラバース速度は光ファイバ2の巻き取り速度に依存する。例えば、巻き取りボビン8のトラバース速度は光ファイバ2の巻き取り速度に比例させることができる。
図2は、巻き取りボビン8のトラバースによって、ガイドプーリー13aを経由して供給される光ファイバ2と、巻き取りボビン8との相対位置が変化する過程を模式的に示す図である。
この実施形態では、実際には巻き取りボビン8の移動によって鍔部17が光ファイバ2に近づくが、この図では、巻き取りボビン8ではなく光ファイバ2の位置が変化するように前記相対位置の変化を図示している。
符号13aは巻き取りボビン8に最も近いガイドプーリー13であり、ガイドプーリー13aを経た光ファイバ2は、直接、巻き取りボビン8に巻き取られる。
制御部7は、この位置検出信号に基づいて、反転指令をトラバース機構9に送信して巻き取りボビン8のトラバース方向を反転させる。
光ファイバ2の巻き取り速度が定常速度であって、そのときの巻き取りボビン8のトラバースの速度がV0(一定速度)である場合に、巻き取りボビン8が反転指令位置に達した時をt0、制御部7が反転指令をトラバース機構9に送出する時をt1、巻き取りボビン8が反転する時をt2とする。
反転指令位置がトラバース速度に依存せず、一定とされている場合には、実質的にt0=t1とすることができる。
遅延時間Δtは、巻き取りボビン8が反転指令位置に達してから反転するまで複数のステップがある場合には、それらすべてのステップを含む時間である。例えば、トラバース機構9が信号を受けてから動作するまでの遅延時間を含む。
通常、巻き取りボビン8のトラバース速度は、光ファイバ2の巻き取り速度に依存するため、遅延時間Δtは厳密には巻き取り速度に依存しているが、トラバース速度は巻き取り速度に比べて小さいため、巻き取り速度に依存しないとみなすことができる。
この例では、巻き取りボビン8は、光ファイバ2が鍔部17に近接する位置P1(以下、近接位置P1という)で反転する。
なお、「光ファイバ2が鍔部17に近接する」は、光ファイバ2が鍔部17からわずかな距離だけ離れている場合、および鍔部17内面に当接する場合を含む。近接位置にある光ファイバ2と鍔部17との軸方向の距離は例えば10mm以下とすることができる。
すなわち、光ファイバ2の巻き取り速度が定常速度である場合には、想定する反転位置(近接位置P1)から距離ΔL0だけ手前の位置を「反転指令位置」に設定することで、近接位置P1での反転が可能となる。
巻き取り速度が非定常である場合には、例えば反転位置が鍔部17から大きく離れた位置となることなどによって巻き乱れが生じるおそれがある。
具体的には、巻き取りボビン8は、定常速度の場合の反転位置(近接位置P1)に比べてΔL’(=ΔL0−V・Δt)だけ手前の位置で反転し、この反転位置のずれは巻き乱れの原因となる。
トラバース速度Vは非定常の速度であって、変動し得る。なお、トラバース速度Vは、光ファイバ2と巻き取りボビン8との相対的な速度である。
巻き取りボビン8が反転指令位置に達した時t0におけるトラバースの速度Vをトラバース速度センサ5(図1参照)で検出する。トラバース速度センサ5は、速度検出信号を制御部7に送出する。
一方、ボビン位置センサ6は、巻き取りボビン8の位置を検出し、位置検出信号を制御部7に送る。
ΔL0=V0・Δtであるから、「V/V0・ΔL0」は、「V・Δt」である。
この方法では、反転までの距離がトラバース速度に比例すること(図6参照)を利用して、トラバース速度に応じて反転指令位置を補正している。
なお、トラバース速度VがV0に等しければ、ΔL(V)はΔL0となる。
この反転の際にも、同様に、近接位置P1から巻き付け位置までの距離がV/V0・ΔL0(=V・Δt)なったときに、巻き取りボビン8が反転指令位置に達したことを検出し、これに伴って制御部7が反転指令を発し、巻き取りボビン8のトラバース方向を反転させる。
この過程を繰り返すことによって、光ファイバ2を巻き取りボビン8に多層に巻き取ることができる。
従って、光ファイバ2の巻き取り速度および巻き取りボビン8のトラバース速度が変動した場合でも、巻き乱れを防ぐことができる。
第1実施形態では、巻き取りボビン8をトラバースさせつつ光ファイバ2の巻き取りを行ったが、これに代えて、ガイドプーリー13a(移動体)をトラバースさせつつ巻き取りを行うこともできる。以下、図2〜図5を利用して説明する。
ガイドプーリー13aを巻き取りボビン8の回転軸方向に往復トラバースさせることによって、光ファイバ2の巻き取り位置を移動させつつ光ファイバ2の巻き取りを行う。
反転指令位置から反転位置までのガイドプーリー13aの移動距離ΔL0は、トラバース速度V0と遅延時間Δtとの積「V0・Δt」となる。
トラバース速度センサとしては、例えばガイドプーリー13aを往復動させる往復動駆動機構(トラバース機構)として使用されるモーターに内蔵された検出器(エンコーダ等)が使用できる。
位置センサとしては、例えばガイドプーリー13aを往復動させる往復動駆動機構として使用されるモーターに内蔵された検出器が使用できる。
従って、巻き乱れを防ぐことができる。
すなわち、公知の紡糸方法により得られた光ファイバを、第1実施形態または第2実施形態の方法によって巻き取りボビン8に巻き取ることもできる。
巻き取りボビンの形状は図示例に限定されず、他の形状のものであっても同様の効果を得ることができる。
(実施例1)
図1に示す巻取装置1を作製した。
本実施例では、巻き取りボビン8のトラバース速度は、光ファイバ2の巻き取り速度に比例する。
光ファイバ2の定常巻き取り速度VF0を1200m/minとし、巻き取りボビン8の反転位置を、近接位置P1とした(図2参照)。
反転指令位置(図2に仮想線で示す)から、反転位置(図2に実線で示す)までの巻き取りボビン8の移動距離ΔL0は1.75mmであった。
図5に示すように、近接位置P1から光ファイバ2までの距離ΔL(V)が1.75×VF/1200[mm](=「VF/VF0・ΔL0」)となったときに、巻き取りボビン8が反転指令位置に達したことを検出し、これに伴って制御部7が反転指令をトラバース機構9に送信して巻き取りボビン8のトラバース方向を反転させるように設定した。
光ファイバ2の巻き取り速度VFを定常速度VF0より遅くし、巻き取り速度の増減速レートを300m/min2として、送り出しボビン11(紡糸ボビン)から巻き取りボビン8(切割り用ボビン)に、満巻き(多層巻き)となるまで巻き返しを実施した。
巻き取りボビン8に巻き付けられた光ファイバ2の外観を検査したところ、巻き乱れは見られず、良好な状態であった。
満巻きとなった光ファイバ2についてOTDR測定を実施し、巻き乱れなどによる波形の乱れがないか確認したところ、問題はなかった。
巻き取りボビン8の光ファイバ2を再度巻き返しして繰り出し性を確認したところ、繰り出し性に問題はなかった。また、露出した下層側の光ファイバ2を確認したところ、鍔部17に近接する位置P1まで巻かれていたことが確認できた。
本比較例では、定常速度の場合と同じ反転指令位置を設定した。反転指令位置は巻き取り速度に依存させず、固定とした。
実施例1と同様にして、光ファイバ2の巻き取り速度VFを定常速度VF0より遅くして、送り出しボビン11(紡糸ボビン)から巻き取りボビン8(切割り用ボビン)に、満巻きとなるまで巻き返しを実施した。
巻き取りボビン8に巻き付けられた光ファイバ2の外観を検査したところ、巻き乱れが見られた。
満巻きとなった光ファイバ2についてOTDR測定を実施し、巻き乱れなどによる波形の乱れがないか確認したところ、下層側の光ファイバ2でOTDR波形の段差が見られた。
巻き取りボビン8の光ファイバ2を再度巻き返しして繰り出し性を確認したところ、繰り出しがスムーズにできない場合があった。
巻き取り速度の増減速レートを1200m/min2としたこと以外は比較例1と同様にして、送り出しボビン11(紡糸ボビン)から巻き取りボビン8(切割り用ボビン)に、満巻きとなるまで巻き返しを実施した。
巻き取りボビン8に巻き付けられた光ファイバ2の外観を検査したところ、巻き乱れが見られた。
満巻きとなった光ファイバ2についてOTDR測定を実施し、巻き乱れなどによる波形の乱れがないか確認したところ、下層側の光ファイバ2でOTDR波形の段差が見られた。
巻き取りボビン8の光ファイバ2を再度巻き返しして繰り出し性を確認したところ、繰り出しがスムーズにできない場合があった。
Claims (4)
- 巻き取り胴部と鍔部とを有する巻き取りボビンに光ファイバを巻き取る方法であって、
前記光ファイバの巻き取りにあたって、前記巻き取りボビンと前記光ファイバのうち少なくとも一方である移動体を回転軸方向に往復トラバースさせ、
前記鍔部と前記光ファイバとが互いに近づく方向に前記移動体をトラバースする際に、前記移動体が反転指令位置に達したことにより発せられた反転指令によって、前記移動体のトラバース方向を反転させ、
前記移動体が前記反転指令位置に達してから反転するまでの時間をΔtとし、
前記移動体が前記反転指令位置に達した時の前記トラバースの速度をVとして、
前記鍔部に近接する近接位置から前記光ファイバの巻き付け位置までの前記回転軸方向の距離がV・Δtとなったときに、前記移動体が反転指令位置に達したことを認識し、それに伴って前記移動体に反転指令を発し、前記トラバース方向を反転させることを特徴とする光ファイバの巻取方法。 - 前記トラバース速度は、光ファイバの巻き取り速度に比例することを特徴とする請求項1に記載の光ファイバの巻取方法。
- 紡糸により得られた光ファイバを、請求項1または2に記載の光ファイバの巻取方法によって、巻き取りボビンに巻き取ることを特徴とする光ファイバの製造方法。
- 巻き取り胴部と鍔部とを有する巻き取りボビンに光ファイバを巻き取る装置であって、
前記光ファイバを供給する光ファイバ供給部と、前記巻き取りボビンと、前記巻き取りボビンと前記光ファイバのうち少なくとも一方である移動体を回転軸方向に往復トラバースさせるトラバース機構と、前記移動体のトラバース速度を検出する速度センサと、前記移動体の回転軸方向の位置を検出可能な位置センサと、前記移動体のトラバースの速度および方向を調整する制御部と、を備え、
前記移動体が前記反転指令位置に達してから反転するまでの時間をΔtとし、
前記移動体が前記反転指令位置に達した時の前記トラバースの速度をVとして、
前記制御部は、前記鍔部と前記光ファイバとが互いに近づく方向に前記移動体をトラバースする際に、前記速度センサによって検出されたトラバース速度と、前記位置センサによって検出された前記移動体の位置に基づいて、前記鍔部に近接する近接位置から前記光ファイバの巻き付け位置までの前記回転軸方向の距離がV・Δtとなったときに、前記移動体が反転指令位置に達したことを認識し、それに伴って前記移動体に反転指令を発し、前記トラバース方向を反転させることを特徴とする光ファイバの巻取装置。
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