以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1にかかる粉体供給装置の構成を、図1および図2に示す装置構成図を用いて説明する。なお、図1は、粉体供給装置の正面側から見た断面図であり、図2は装置の側面図である。
図1および図2に示すように、粉体供給装置1は、ホッパ2と、アジテータ3と、導入用ケーシング4と、スクリュー5と、バレル6と、排出用ケーシング7とを備えている。
本実施の形態1にかかる粉体供給装置1では、例えば0.1μm〜数十μmの粒径分布を含むような粉体または粉粒体が粉体原料として取り扱われる。このような粉体原料としては、ファインセラミックス、金属材料、高分子材料、電池・電子材料、複合材料、医薬品材料、食品材料など、電子、エネルギ、医療、食品などの各種技術分野にて用いられる無機物および有機物の微粉が対象となる。また、粉体原料は、複数種類の粉体原料(粉体材料)が混合されて構成されているような場合であっても良い。
ホッパ2は、図示上方に向けて開口された開口部より粉体原料が投入され、図示下方において連通する導入用ケーシング4に粉体原料を供給する装置である。ホッパ2は、導入用ケーシング4と解除可能に接続されており、例えば、清掃時などメンテナンスの際には、ホッパ2は導入用ケーシング4と分離可能とされている。
導入用ケーシング4は、上述したようにホッパ2の下方に配置されており、バレル6における粉体原料の第1ゾーンに粉体原料を導入可能に連通されており、バレル6内に粉体原料を連続的に導入するための粉体原料の貯留容器としての機能を有している。なお、バレル6の詳細構成については後述する。
アジテータ3は、導入用ケーシング4内に導入された粉体原料にブリッジなどの部分的な凝集が生じないように、粉体原料を攪拌する装置である。具体的には、アジテータ3は、導入用ケーシング4内に配置され、水平方向の回転軸周りに回転駆動されることで粉体原料を攪拌する複数の攪拌部材31(線状部材)と、導入用ケーシング4の外部に配置されて複数の攪拌部材31を一体的に回転駆動させるアジテータ駆動装置32とを備える。また、導入用ケーシング4内の粉体原料が、回転駆動される攪拌部材31により効率的に攪拌されるように、導入用ケーシング4内における攪拌空間41の下面が攪拌部材31の回動軌跡に沿った大略円周面として形成されている(図2参照)。
導入用ケーシング4において、アジテータ3の攪拌部材31が回動される攪拌空間41のさらに下方の部分には、攪拌空間41に上部が連通された大略U字状断面を有する粉体原料の導入空間61が形成されている。本実施の形態1では、この導入空間61を画定する部分(以降、バレルケーシング62とする。)が、バレル6の一部となっている。さらに、バレルケーシング62と連通するように粉体原料の搬送管63がバレルケーシング62の端部に接続されている。すなわち、本実施の形態1では、バレル6は、導入用ケーシング4の攪拌空間41の下方の導入空間61を形成するバレルケーシング62と、このバレルケーシング62に連通されて延在する円筒状の搬送管63とにより構成されている。なお、本実施の形態1では、バレルケーシング62が、導入用ケーシング4の一部と一体的に形成されるような場合を例として説明するが、このような場合に代えて、導入用ケーシング4とバレルケーシング62とを別体部材として形成しても良い。
バレル6は、全体的には大略円筒状に形成されており、バレルケーシング62では上方が開口されて導入空間61と攪拌空間41とが連通されている。本実施の形態1では、バレル6の大略円筒状の内部空間が粉体原料の搬送が行われる粉体輸送通路となっている。バレル6内には、スクリュー5が配置されている。スクリュー5は、スクリューシャフト51と、スクリューシャフト51の周面に形成されたフライト52とを有しており、フライト52の外周端がバレル6の内周面に接触しない程度に所望の隙間が確保された状態にて、バレル6(すなわち、バレルケーシング62および搬送管63)内にてスクリュー5が回転駆動される。
バレルケーシング62の軸方向の側面を貫通するように、スクリュー5のスクリューシャフト51の端部51aが配置されている。また、このスクリューシャフト51の端部51aを回転駆動させるスクリュー駆動装置57が、バレルケーシング62の側面に備えられている。なお、スクリュー駆動装置57は、駆動モータ58(図2参照)と、駆動モータ58の駆動力を所定の回転量に変換してスクリュー5を回転駆動させるギアボックス59とにより構成されている。本実施の形態1では、スクリュー5およびスクリュー駆動装置57が、粉体輸送通路を通して粉体原料を搬送する粉体搬送手段の一例となっている。
バレル6における搬送管63の下流側端部(すなわち、粉体輸送通路の下流側端部)は、粉体原料がバレル6内部より排出される排出口63aとなっており、この排出口63aは排出用ケーシング7に連通されている。
排出用ケーシング7の下方には、搬送管63の排出口63aを通して排出用ケーシング7内に排出された粉体原料を受け入れる容器である受けタンク71が設けられている。また、排出用ケーシング7の上方側には吸引配管72が連通されており、この吸引配管72は負圧発生装置73に接続されている。負圧発生装置73は、吸引配管72を通して排出用ケーシング7内に作用させる負圧を発生する装置(負圧発生手段)であり、例えば、エジェクタ、真空ポンプ・ブロワなど負圧を発生する機能を有する装置が用いられる。負圧発生装置73にて発生された負圧は、吸引配管72を通して排出用ケーシング7内に作用し、さらに搬送管63の排出口63aを通して搬送管63内の粉体原料に作用するように、その圧力が設定されている。なお、排出用ケーシング7と吸引配管72との接続部分にはフィルタ74が設けられており、吸引配管72内に粉体原料が入り込むことを防止している。さらに排出用ケーシング7には負圧の圧力を検出する圧力計75が設けられている。
また、粉体供給装置1におけるそれぞれの構成部は、秤8により支持されている。秤8は、粉体供給装置1内に保持されている粉体原料の重量を測定する機能を有しており、粉体原料の搬送により減少する重量を測定することで、粉体供給装置1において粉体原料の定量供給が行われる。
次に、このような構成を有する粉体供給装置1において、スクリュー5とバレル6との関係について、図3を用いて詳細に説明する。
図3に示すように、バレル6は、その搬送方向において大きく2つのゾーンに区分される。具体的には、2つのゾーンとして、粉体原料が導入される第1ゾーンS1と、第1ゾーンS1より搬送された粉体原料に対して圧縮を行うとともに、粉体原料をバレル6外へ排出する第2ゾーンS2とに区分されている。なお、第2ゾーンS2は、概ね搬送管63内にて粉体原料の搬送が行われるゾーンであるとも言うことができる。
第1ゾーンS1は、主として、バレルケーシング62とバレルケーシング62により囲まれたスクリュー5の部分とにより構成されるが、搬送管63の一部が含まれるような場合であっても良い。第1ゾーンS1では、ホッパ2および導入用ケーシング4を通じて、アジテータ3にて攪拌された状態の粉体原料が、バレルケーシング62とスクリュー5との間に形成された導入空間61内に導入される。
第2ゾーンS2は、主として、搬送管63と搬送管63により囲まれたスクリュー5の部分とにより構成される。第2ゾーンS2では、スクリュー5の周囲全体が搬送管63に囲まれるととともに、後述するように搬送される粉体原料に対して抵抗が付与されることにより、粉体原料に対する圧縮作用が施される。第2ゾーンS2にて粉体原料の圧縮が行われることにより、搬送される粉体原料の定量化および均一化を図ることができる。
また、搬送管63内にて、粉体原料は排出口63aに向けて定量的に搬送され、排出口63aより排出用ケーシング7内に排出される。なお、本実施の形態1では、スクリュー5のフライト52のピッチおよび角度(軸方向とフライト52とがなす角度)が、第1ゾーンS1および第2ゾーンS2において同一となっている。
また、第2ゾーンS2において、搬送管63の排出口63aに隣接するように、スクリュー5のフライト52が形成されていない空間(すなわち、フライト52が存在しない空間)65が配置されている。この空間65内では、スクリュー5の回転駆動により搬送される粉体原料に対して、後述するように負圧を作用させること、さらに抵抗を与えることで圧縮作用を施して、空間65内の粉体原料のかさ密度を均一化することができる。そのため、この空間65は、粉体原料充填用空間65と言うことができる。
また、図3に示すように、搬送管63の排出口63aには、排出管63内の粉体原料を排出口63aより排出する複数の排出羽根81が設けられている。ここで、排出羽根81の詳細を図4A、図4Bに示す。なお、図4Aは、図3のA−A線矢視図である。
図3、図4A、図4Bに示すように、排出羽根81は板状部材により形成されており、スクリュー5のスクリューシャフト51における搬送方向下流側の端部に固定され、スクリューシャフト51の周面より径方向に延在している。それぞれの排出羽根81は、径方向の中央側部分に対して外側部分が傾斜して形成されており、すなわち、それぞれの排出羽根81は搬送管63の軸方向の断面に対して傾斜された面を有している。具体的には、それぞれの排出羽根81は、スクリューシャフト51の軸を回転中心としてスクリューシャフト51と一体的に回転駆動され、回転駆動されることにより周囲に存在する粉体原料に対して搬送(排出)方向に推力を与える向きに、外側部分が傾斜されている。
本実施の形態1では、例えば、8枚の排出羽根81が等間隔にて設けられている。また、図3に示すように、排出羽根81の一部は搬送管63内に位置され、他の一部は搬送管63よりも外側に位置されている。より具体的には、それぞれの排出羽根81の回転方向前端部分81aが搬送管63内に位置されるとともに、回転方向後端部分81bが搬送管63外に位置される。なお、図4Aにおいて、それぞれの排出羽根81の回転方向は、図示反時計方向となっている。
このように複数の排出羽根81が設けられ、さらにそれぞれの排出羽根81が傾斜部分を有していることにより、空間65内の粉体原料に対して、排出羽根81の傾斜部分によって搬送方向への推力を与えることができ、排出口63aより安定して粉体原料を排出することができる。
また、このような排出羽根81は、スクリューシャフト51に固定されて、スクリューシャフト51により回転駆動される構成が採用されているため、排出羽根81を回転駆動させるための専用の駆動装置を設ける必要がない。
また、排出羽根81の一部が搬送管63より外側に位置されていることにより、搬送管63内の粉体原料を効率的に排出することができる。
また、回転駆動される排出羽根81の端縁が粉体原料に接触することにより、粉体原料の分散効果を高めることができる。
また、それぞれの排出羽根81は、搬送される粉体原料に対して抵抗を与えることができ、特に空間65内に搬送された粉体原料に対する圧縮作用を高める効果を得ることができる。このような抵抗の付与により、空間65内の粉体原料のかさ密度を均一化することができ、粉体供給装置1における粉体供給の定量性および均一性を高めることができる。なお、図4Aに示すように、回転方向に隣接する排出羽根81の間には、粉体原料の通過を許容する開口部分82が形成されているため、粉体原料に対して抵抗を付与しながら、粉体原料の搬送を行うことができる。本実施の形態1では、それぞれの排出羽根井81が、粉体原料に対して搬送方向に対する抵抗を与える抵抗部材の一例となっている。
このような構成を有する本実施の形態1の粉体供給装置1において、粉体原料を搬送して供給する動作について説明する。
まず、ホッパ2内に粉体原料が投入されると、投入された粉体原料は導入用ケーシング4内に導入される。導入用ケーシング4の攪拌空間41内では、アジテータ駆動装置32により複数の攪拌部材31が一体的に回転駆動されて粉体原料の攪拌が行われ、ブリッジなど部分的な凝集が生じることが抑制される。それとともに、粉体原料は、バレル6における第1ゾーンS1内に導入される。
第1ゾーンS1では、バレルケーシング62内にスクリュー5が配置されており、導入された粉体原料はスクリュー5のフライト52間の空間に導入される。スクリュー5は、スクリュー駆動装置57により回転駆動されており、フライト52間に導入された粉体原料は、スクリュー5の回転駆動により軸方向に沿って搬送され、第2ゾーンS2へと向かう。
第2ゾーンS2において、第1ゾーンS1より搬送された粉体原料は、スクリュー5の回転駆動により軸方向に沿って搬送される。第2ゾーンS2では、搬送管63の排出口63aに複数の排出羽根81が設けられていることにより、排出羽根81が抵抗となって、搬送される粉体原料に対する圧縮作用を施すことができる。このように粉体原料に対する圧縮が行われることにより、空間65において粉体原料のかさ密度を均一に保つことができる。
さらに、負圧発生装置73にて発生された負圧が、搬送管63の排出口63aを通して空間65内の粉体原料に対して作用する。この負圧作用により、粉体原料中に含まれている気体が吸引除去されて、粉体原料のかさ密度をさらに均一に保つことができる。特に、搬送管63の排出口63aを通して負圧が作用する構成が採用されているため、搬送管63の外周側に位置する粉体原料と中央側に位置する粉体原料とに対して、均一に負圧を作用させることが可能となる。よって、空間65内の粉体原料に対して負圧作用を均一化することができ、かさ密度の均一性をさらに高めることができる。
また、搬送管63の排出口63aに設けられている複数の排出羽根81の回転駆動によって、排出羽根81の端縁を粉体原料に接触させることで、粉体原料を切り落とすように分散させることができる。それとともに、それぞれの排出羽根81の傾斜部分にて粉体原料に対して排出口63a外向きの推力が与えられる。排出羽根81の一部が排出口63a外に位置されているため、軸方向の推力と径方向の遠心力との作用により、粉体原料が均一に分散された状態にて排出口63aより排出用ケーシング7内に定量的に排出される。なお、粉体供給装置1が保持する粉体原料の重量は秤8により測定されており、粉体供給の定量性について秤8にて測定・確認される。
本実施の形態1の粉体供給装置1によれば、負圧発生装置73にて発生された負圧を、搬送管63の排出口63aを通して粉体原料に対して作用させている。この負圧作用により、粉体原料中に含まれている気体が吸引除去されて、粉体原料のかさ密度を均一に保つことができる。また、搬送管63の排出口63aに複数の排出羽根81が設けられていることにより、空間65内の粉体原料に対して抵抗を与えることができ、粉体原料に対する圧密化を安定して行うことができる。さらに、排出羽根81の傾斜部分にて粉体原料に対して排出口63a外向きの推力を与えて粉体原料を分散させながら、排出口63aより効果的に排出することができる。よって、搬送供給される粉体原料の定量性や均一性を向上させることができる。
(排出羽根の変形例)
本実施の形態1の粉体供給装置1では、図4Aおよび図4Bに示すような形態の排出羽根81を一例として採用する場合について説明したが、排出羽根の形態はこのような形態のみに限定されない。排出羽根のいくつかの変形例について図面を用いて説明する。
(変形例1)
図5Aおよび図5Bに変形例1に係る排出羽根181を示す。図5Aおよび図5Bに示すように、変形例1に係る形態では、回転中心をその中心として形成されてスクリューシャフト51に固定された円板状の本体部180と、本体部180の外周より放射状に延在するとともに等間隔にて形成された複数(例えば8枚)の排出羽根181とを備えている。
それぞれの排出羽根181は、内周側の幅と外周側の幅とが実質的に同じ大きさとなるように形成されている。また、それぞれの排出羽根181は、搬送管63の軸方向の断面に対して傾斜された面を有している点については、図4Aおよび図4Bの排出羽根81と同様である。さらに、それぞれの排出羽根181の回転方向前端部分181aが搬送管63内に位置されるとともに、回転方向後端部分181bが搬送管63外に位置される。
このような構成の排出羽根181は、スクリューシャフト51の回転とともに回転駆動され、粉体原料に対して抵抗を与えながら、傾斜された面にて粉体原料に対して排出口63a外向きの推力を与えることができる。また、それぞれの排出羽根181の間の外周側部分に比較的大きな間隙、すなわち開口部分182を形成することができ、粉体原料の排出性を良好とすることができる。
(変形例2)
次に、図6Aおよび図6Bに変形例2に係る排出羽根281を示す。図6Aおよび図6Bに示すように、変形例2に係る形態では、回転中心をその中心として形成されてスクリューシャフト51に固定された円板状の本体部280と、本体部280の外周より放射状に延在するとともに等間隔にて形成された複数(例えば8枚)の排出羽根281とを備えている。
それぞれの排出羽根281は、内周側の幅よりも外周側の幅が大きい大略扇形状に形成されている。また、それぞれの排出羽根281が傾斜している点、および回転方向前端部分281aが搬送管63内に位置されるとともに、回転方向後端部分281bが搬送管63外に位置されている点については、変形例1の形態と同様である。
このような構成の排出羽根281では、回転方向に隣接する排出羽根281の間に形成される開口部分282が、搬送管63の中央側から搬送管63の内周面付近にまで、略一定の幅にて形成されている。したがって、搬送管63内の粉体原料に対して、それぞれの開口部分282を通して負圧を均一に作用させることができ、かさ密度の均一性を高めることができる。また、排出羽根281では、中央側部分(円板状の本体部280(抵抗付与領域))だけでなく外周側部分においても、粉体原料に対して効果的に抵抗を与えることができる。特にスクリュー5の回転駆動により搬送管63内を搬送される粉体原料に対して、搬送管63の内周面付近(すなわち、排出羽根281の外周側部分)において抵抗を効果的に与えることで、粉体原料に対する圧縮効果を高めることができる。また、それぞれの排出羽根281において、回転速度が最も早い外周側部分にて粉体原料と接触する大きな面積を確保できることで、粉体原料に対して大きな推力および遠心力を与えることができ、分散効果や排出性を高めることができる。
(変形例3)
次に、図7Aおよび図7Bに変形例3に係る排出羽根381を示す。図7Aおよび図7Bに示すように、変形例3に係る形態では、回転中心をその中心として形成されてスクリューシャフト51に固定された円板状の本体部380と、本体部380の外周より放射状に延在するとともに等間隔にて形成された複数(例えば8枚)の排出羽根381とを備えている。
それぞれの排出羽根381は、内周側の幅よりも外周側の幅が大きい大略T字形状に形成されている。また、それぞれの排出羽根381が傾斜している点、および回転方向前端部分381aが搬送管63内に位置されるとともに、回転方向後端部分381bが搬送管63外に位置されている点については、変形例1、2の形態と同様である。
このような構成の排出羽根381では、中央側部分だけでなく外周側部分においても、粉体原料に対して効果的に抵抗を与えることができ、粉体原料に対する圧縮効果を高めることができる。それとともに、粉体原料に対して大きな推力および遠心力を与えることができ、分散効果や排出性を高めることができる。
また、隣接する排出羽根381の端縁間の間隔(すなわち、開口部分382)が、内周側よりも外周側が小さくなるように設定されている。そのため、端縁間の間隔が比較的大きな内周側の部分において、粉体原料が通過する空間を確保しながら、端縁間の間隔が比較的小さな外周側の部分において、粉体原料に対して抵抗、推力、および遠心力を与えることができる。よって、粉体原料に対する圧縮作用を施しながら、粉体供給における定量性や均一性を高めることができる。また、それぞれの開口部分282は、搬送管63の中央と内周面との中間位置にて最も大きくなるように形成されている。これにより、搬送管63内の粉体原料に対して、それぞれの開口部分282を通して効果的に負圧を作用させることができ、かさ密度を均一化することができる。
上述の変形例1から3の形態の排出羽根では、搬送管63の軸方向から見た場合に、排出羽根同士が重なり合わないように配置されている形態が採用されているが、回転方向に隣接する一方の排出羽根の端縁が他方の排出羽根に重ねるように配置されるような形態を採用しても良い。このように重なり合う形態では、軸方向から見た場合の排出羽根間の間隙(「第1の間隙」とする。)が大幅に減少される、あるいは間隙が存在しないようにすることができる。しかしながら、それぞれの排出羽根が傾斜した面を有しているため、軸方向と直交する方向から見た場合には、排出羽根間の間隙(すなわち、隣接する排出羽根の軸方向における端縁間の距離:「第2の間隙」とする。)が確保されることになる。
例えば、第1の間隙を小さく設定することで、粉体原料に対して与える抵抗を大きくすることができるとともに、第2の間隙を大きく設定することで、粉体原料の排出(通過)に必要な間隙面積を確保して、粉体原料の排出性を高めることができる。このように、第1の間隙と第2の間隙を調整することで、粉体原料に対して与える抵抗、推力、遠心力を調整することができ、求められる仕様に応じた定量性や均一性を得ることが可能となる。特に、それぞれの排出羽根を搬送方向から投影したときに、搬送管63内に形成される粉体輸送通路を実質的に全て覆うように排出羽根を配置する(すなわち、第1の間隙を実質的に無くす)ことにより、第2の間隙を通して粉体原料に対して負圧を作用させながら、粉体原料に対して効果的に抵抗を付与することができる。よって、負圧作用と抵抗付与との相互作用により、粉体原料のかさ密度の均一化効果を高めることができ、粉体搬送における定量性を高めることが可能となる。
このように圧縮作用と分散作用とを発揮できるような排出羽根は、その厚み寸法に対して広い幅寸法を有する板状部材により構成することが好ましい。また、排出羽根における搬送方向上流側の面を、搬送管63の軸方向に対して直交する面として形成するとともに、搬送方向下流側の面を、軸方向に対して傾斜した面として形成しても良い。このような形態の排出羽根では、搬送方向上流側の直交面にて、粉体原料に対して効果的に抵抗を付与することができるとともに、搬送方向下流側の傾斜面にて粉体原料に対して効果的に推力を与えることができる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2にかかる粉体供給装置101の構成を図8に示す。なお、図8において、上述した実施の形態の粉体供給装置と同じ構成部には、同じ参照番号を付してその説明を省略する。なお、図8では、粉体供給装置101において、主として、スクリューおよびバレルの構成について図示している。
図8に示すように、粉体供給装置101は、バレルケーシング62内に配置される第1スクリュー151と、第1スクリュー151と連結されて搬送管63内に配置される第2スクリュー154とにより構成されるスクリュー105と、スクリュー105が配置されるバレル6とを備えている。第1スクリュー151は、スクリューシャフト152と、スクリューシャフト152の周面に形成されたフライト153とを有しており、第2スクリュー154は、スクリューシャフト155と、スクリューシャフト155の周面に形成されたフライト156とを有している。
バレル6は、バレルケーシング62と、このバレルケーシング62に連通されて延在する搬送管63とにより構成される。バレル6内において、第1スクリュー151は主としてバレルケーシング62内に配置されて、この部分が第1ゾーンS1となっている。第2スクリュー154は主として搬送管63内に配置されて、この部分が第2ゾーンS2となっている。搬送管63は、搬送方向に沿って一定の径となるように形成されている。
第1ゾーンS1では、図8に示すようにフライト153の角度が比較的小さく設定され、また、フライト153のピッチも広く確保することで、それぞれのフライト153間に粉体原料がより均一に導入されるようにしている。
これに対して第2ゾーンS2では、フライト156の角度が第1ゾーンS1における角度よりも大きく設定され、また、フライト156のピッチが第1ゾーンS1におけるピッチよりも狭く設定されている。第2ゾーンS2において、このようにフライト156の角度およびピッチが設定されていることにより、スクリュー105の回転とともに搬送される粉体原料に対して、圧縮が行われる。第2ゾーンS2にて粉体原料の圧縮が行われることにより、フライト156間の粉体原料が圧密化されて、搬送される粉体原料の定量化および均一化を図ることができる。なお、搬送管63の排出口63aに隣接する空間が、フライトが存在しない空間65として設けられている点、さらに排出口63aに複数の排出羽根81が設けられている点については、上記実施の形態1と同様である。
このような本実施の形態2の粉体供給装置101では、第2ゾーンS2において、粉体原料に対する圧縮効果を高めることができる。また、負圧発生装置73にて発生された負圧を搬送管63の排出口63aを通して空間65内の粉体原料に対して作用させることができ、圧縮効果の向上と合わせて、かさ密度の均一化を図ることができる。さらに複数の排出羽根81が設けられていることにより、空間65内に搬送される粉体原料のかさ密度をより均一な状態とすることができ、粉体供給における定量性および均一性を高めることができる。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3にかかる粉体供給装置201の構成を図9に示す。なお、図9において、上述した実施の形態の粉体供給装置と同じ構成部には、同じ参照番号を付してその説明を省略する。
図9に示すように、本実施の形態3の粉体供給装置201では、スクリューとして、コイルスクリュー251が備えられている。コイルスクリュー251は、例えば角形断面形状を有する螺旋状に形成されたコイルフライト252と、コイルフライト252における粉体原料の搬送方向上流側の端部に固定された回転駆動力伝達用シャフト253とを備えている。回転駆動力伝達用シャフト253は、スクリュー駆動装置57に連結されて、回転駆動力が伝達され、これによりコイルフライト252が回転駆動される。なお、コイルフライト252は、角形断面を有する場合を例として説明するが、その他の断面形状(例えば、円形断面など)を採用することもできる。本実施の形態3では、コイルスクリュー251およびスクリュー駆動装置57が、粉体原料の搬送を行う粉体搬送手段の一例となっている。
搬送管63の排出口63a内に設置されている複数の排出羽根81は、コイルフライト252の螺旋中心(すなわち、搬送管63の中心軸)上に配置された排出羽根用シャフト282の一端(下流側端部)に固定されている。排出羽根用シャフト282の他端(上流側端部)は、回転駆動力伝達用シャフト253の端部に連結されており、回転駆動力伝達用シャフト253とともに排出羽根用シャフト282が回転駆動されるように構成されている。なお、排出羽根用シャフト282の軸径は、コイルフライト252の内径よりも小さく形成されている。
粉体供給装置201において、コイルスクリュー251が採用されていることにより、湿度などの影響によりスクリューシャフトなど部材の表面に付着し易いという特性を有するような粉体原料に対して、コイルスクリュー251への付着を抑制でき、安定した搬送を行うことが可能となる。
一方、このようなコイルスクリュー251では、螺旋状のコイルフライト252の特性上、スクリューシャフト5等と比して、スクリュー自体による圧縮作用は低くなる。しかしながら、搬送管63の排出口63aにおいて、複数の排出羽根81が設置されていることにより、粉体原料に対して抵抗を付与して圧縮作用を高めることができる。
このように、湿度などの影響による粉体原料の付着を抑制できるコイルスクリュー251を採用するとともに、コイルスクリュー251の特性による圧縮作用の低下を複数の排出羽根81による抵抗の付与により補い、かつ排出羽根81による推力の付与により粉体原料に対する分散効果および排出性を高めることができ、粉体原料の定量的かつ均一な搬送を実現できる。さらに、搬送管63の排出口63aを通して、粉体原料に対して負圧を作用させているため、排出羽根81による抵抗の付与を合わせて、粉体原料のかさ密度の均一化を図ることができ、粉体原料の定量的かつ均一な搬送を効果的に実現できる。
また、排出羽根81を回動させる排出羽根用シャフト282が、コイルフライト252の内側に配置されていることにより、搬送管63の中心軸付近に粉体原料が滞留することを抑制でき、粉体原料の搬送における定量性および均一性を高めることができる。
上記それぞれの実施の形態では、搬送管63の排出口63aに複数の排出羽根81等が設けられていれば、粉体原料に対して抵抗を与えて圧縮作用を施しながら、推力を与えて分散効果を得て、定量性および均一性を高めることができるしたがって、ホッパ2、アジテータ3、導入用ケーシング4、バレル6、排出用ケーシング7などは、上述した構成以外の形態を採ることができる。
また、スクリュー5についても、1条ねじの構成を例として説明したが、ねじ条数については様々な仕様を採っても良い。また、上述したようにコイルスクリューなど、様々な形態のスクリューを採用することもできる。
また、粉体供給装置1に装置内の粉体原料の重量を測定する測定装置を備えさせて、粉体原料が搬送されて装置外へ排出されることによる装置内の粉体原料の重量減少を測定して、重量の減少量を定量的とするような粉体供給装置としても良い。
また、上記それぞれの実施の形態では、排出羽根を設けて、搬送管内を搬送される粉体原料に対して抵抗を付与する場合を例として説明したが、本発明はこのような場合のみに限定されず、排出羽根が設けられない形態であっても良い。搬送管の排出口より粉体原料に対して負圧を作用させる形態であれば、負圧作用による気体の除去効果を得ることができ、粉体原料のかさ密度の均一化効果を得ることができる。ただし、負圧作用に合わせて、粉体原料に対して抵抗を付与することで、より効果的に粉体原料の圧密化を行うことが可能となる。
粉体原料に対して抵抗を与える抵抗部材としては、上述の実施の形態にて一例として説明したそれぞれの排出羽根の他に、様々な形態の部材を採用できる。例えば、搬送管の内径に実質的に合致するような外径を有する円盤状部材に、粉体原料の通過を許容する1つまたは複数の開口部分を形成した形態の円盤状部材を抵抗部材として採用しても良い。
また、抵抗部材は必ずしも回転駆動される必要はなく、例えば、搬送管の内周面に固定されて、搬送管の中央側へと延在する複数の棒状部材を抵抗部材として採用しても良い。
また、それぞれの排出羽根(排出羽根群)をスクリューの軸方向(搬送方向)において異なる位置に複数配置させるような構成としても良い。このような構成では、スクリューの軸方向において異なる位置に配置される排出羽根群において、一方の開口部分に他方の排出羽根が位置するように、回転方向における排出羽根の位置を設定することで、搬送方向から投影したときに開口面積を低減させる、あるいは開口面積を実質的に無くすこと(すなわち開口を全て覆うこと)が可能となる。
ここで、それぞれの上記実施の形態の粉体供給装置における変形例について説明する。
まず、図1に示す粉体供給装置1では、バレル6を構成する円筒状の搬送管63における端部である排出口63aが、円筒状の排出用ケーシング7の円筒面に接続されて、連通さるような構成が採用されている。このような構成では、排出口63aが円筒状の排出用ケーシング7の円筒面上に位置することになる。そのため、排出口63aに設けられている複数の排出羽根81の一部が搬送管63内に位置され、他部が搬送管63外へ位置されるという構成は、排出口63aの少なくとも下部において実現されていれば良い。排出口63aの少なくとも下部において排出羽根81の一部が搬送管63外へ位置されていることにより、推力および遠心力の作用により粉体原料を分散させながら排出口63aより排出することができる。
ここで、変形例に係る搬送管363と排出用ケーシング307との接続構成を図10に示す。図10に示す構成では、搬送管363の端部である排出口363aと、排出ケーシング307の中心軸Sとの位置が調整可能とされている。具体的には、円筒状の排出ケーシング307の側面に側筒372を設け、この側筒372内に排出管363が挿入されて、その挿入長さを調整することで、排出ケーシング307の中心軸Sに対する排出口363aの位置を調整することが可能となっている。なお、この変形例では、スクリューとして上記実施の形態3のコイルスクリュー251が用いられた構成を例としている。
このような構成では、排出ケーシング307の中心軸に対する排出口363aの位置を調整することができるため、粉体原料の排出位置を調整して排出性を良好にできる。また、搬送管363の排出口363aを搬送管363の軸方向に直交する面内に形成することができる。したがって、それぞれの排出羽根81がその回転位置に拘わらず、一部が搬送管363外へ露出した構成とすることができ、粉体原料の排出性を良好にできる。
なお、それぞれの排出羽根81の一部が搬送管63外に位置し、他部が搬送管63内に位置する形態を中心に説明したが、それぞれの排出羽根81が全て搬送管63内に位置されるような構成を採用しても良い。全ての排出羽根81が搬送管63内に配置されたとしても排出口63aに近い位置に配置されていれば、排出羽根を設けない場合に比して、排出性を良好とすることができる。
上述の説明では、粉体供給装置が1本のスクリューを備える1軸構成である場合を例として説明したが、2本のスクリューを備える2軸構成を採用しても良く、さらに3軸以上の構成を採用しても良い。
また、上記それぞれの実施の形態では、スクリューを用いた粉体供給装置を例として説明したが、本発明はこのような構成のみに限定されない。粉体輸送通路内に沿って粉体搬送手段により粉体原料が搬送されるような装置に対して、粉体輸送通路の排出口を通して粉体輸送通路内に負圧を作用させることで本発明の効果を得ることができる。したがって、粉体輸送通路を通して搬送される粉体原料のかさ密度が変化するような構成の装置であればスクリューを用いた構成に限られず、本発明を適用することが可能である。
(実施例)
ここで、本発明の粉体供給装置において、粉体輸送通路の排出口を通して粉体輸送通路内の粉体原料に対して負圧を作用させることにより、かさ密度の均一性を高め、粉体供給における定量性を高めることができるという本発明の効果について、実施例を用いて測定を用いて確認を行った結果を説明する。
本発明の粉体供給装置の実施例として、上述の実施の形態1の粉体供給装置1(図1等参照)を用いて、粉体原料の供給量のバラツキ度合い(すなわち、定量性)の測定を行った。粉体原料としては重曹を使用した。
まず、本実施例の比較例として、負圧発生装置73により負圧を発生させない状態にて、すなわち、排出用ケーシング7の圧力計75が常圧(大気圧)となる状態にて、粉体供給装置1にて粉体原料の搬送を行った。この搬送において、所定時間(2分)搬送管63の排出口63aを通して受けタンク71に供給された粉体原料の重量(kg)の測定を行い、異なる時間帯にてこの測定を3回行った。
次に、本実施例として、負圧発生装置73により負圧を発生させて、排出用ケーシング7の圧力計75を−50mmAqとした状態にて、粉体供給装置1にて粉体原料の搬送を行った。この搬送において、所定時間(2分)搬送管63の排出口63aを通して受けタンク71に供給された粉体原料の重量(kg)の測定を行い、異なる時間帯にてこの測定を3回行った。
実施例と比較例の測定結果は次の通りであった。
(比較例)
圧力計75の圧力: 大気圧
搬送時間: 2分
粉体供給量: 3.570kg(1回目)
3.552kg(2回目)
3.561kg(3回目)
(実施例)
圧力計75の圧力: −150mmAq
搬送時間: 2分
粉体供給量: 3.781kg(1回目)
3.782kg(2回目)
3.781kg(3回目)
実施例と比較例とにおける所定時間あたりの粉体供給量を比較すると、負圧を作用させた実施例では、比較例に比して所定時間あたりの粉体供給量のばらつきが明らかに抑制されていることが判る。また、粉体供給量自体についても、比較例に比して実施例では増加していることが判る。
なお、具体的なデータは示さないが、この測定において、負圧をさらに高めた場合には、ある負圧を超えるとバレル6とスクリューシャフト51のフライト52との間の実質的なシール性(気密性)が失われた状態となり、定量供給が行えない状態となった。このような負圧の限度は、バレル6とスクリューシャフト51のフライト52との間の隙間の大きさや、粉体原料の種類などにより異なるものである。なお、重曹を用いた例では、例えば、−1500mmAqを超えた負圧を作用させるとシール性の喪失が生じることが確認された。
なお、上記様々な実施の形態のうちの任意の実施の形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。