JP2014001082A - 炭化焼成方法、および、炭化焼成品 - Google Patents

炭化焼成方法、および、炭化焼成品 Download PDF

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Abstract

【課題】炭化焼成をする場合において、密閉窯を用いなくても、陶器などの内側表面を大量に炭化焼成させることができるようにした炭化焼成方法を提供することを目的とする。
【解決手段】蓋体3と容器本体2とからなる土瓶や土鍋などの作品1の内側表面を炭化焼成させる場合、容器本体2の内部に炭、籾殻、おが屑などの炭化焼成材4を入れ、その後、蓋体3で蓋をして加熱処理する。この加熱処理においては、トンネル窯などを用い、台車に載せた状態で入口から出口までを搬送させ、その状態で加熱焼成させる。そして、容器本体2と蓋体3で囲まれた内側表面を炭化焼成させて炭化焼成層5を形成する。また、必要に応じて、容器本体2の内側空間に他の小さな湯飲みなどの作品を入れ、蓋体3で蓋をしてその作品についても炭化焼成させるようにする。
【選択図】図3

Description

本発明は、陶器などの内側表面を炭化焼成させる炭化焼成方法に関するものであり、より詳しくは、トンネル窯を用いて陶器などを大量に炭化焼成させることができるようにした炭化焼成方法に関するものである。
従来より、陶器の表面を炭化させる炭化焼成方法が各種提案されている。この炭化焼成方法は、一般的に、密閉可能な窯(以下、「密閉窯」という)の中に炭や籾殻やおが屑と陶器を入れ、その状態で密閉窯を密閉して長時間加熱させることで陶器の表面を炭化させるようにしたものである(特許文献1など)。このように密閉窯を用いて陶器の表面を炭化焼成させれば、その炭化焼成層に接する水のクラスターを分解させることができるため、水の味を柔らかにすることができると言われている。
特開2001−294475号公報
しかしながら、このような密閉窯を用いて陶器を炭化焼成させる方法では、次のような問題がある。
すなわち、従来の炭化焼成方法では、密閉窯の中に陶器や炭、籾殻、おが屑などを入れて加熱するため、大量の陶器を炭化焼成させようとすると、密閉窯の中で陶器を大量に棚積みしなければならない。しかしながら、密閉窯の中で陶器などを棚積みすると、その棚積み作業や取り出し作業に時間がかかってしまう。しかも、このように炭化焼成された陶器を密閉窯の中から取り出す際には、陶器が完全に冷却した後でなければ取り出すことができず、どうしても次の陶器を加熱焼成させるまでに時間がかかってしまうという問題があった。
さらには、従来のように、密閉窯の中に炭や籾殻、おが屑などを入れて加熱する場合、密閉窯を大きくすればするほど大量の炭や籾殻、おが屑などを入れておかなければならず、大量の材料が必要になってコストが高くなってしまっていた。
そこで、本発明は上記課題を解決するために、陶器などを炭化焼成させる場合において、密閉窯を用いなくても、大量に陶器などを炭化焼成させることができるようにした炭化焼成方法を提供することを目的とするものである。
すなわち、本発明は上記課題を解決するために、開口部を有する容器本体と、当該容器本体の開口部を塞ぐ蓋体とを有してなり、少なくとも前記容器本体の内側表面を炭化焼成する炭化焼成方法において、前記容器本体の内部に炭、籾殻、おが屑などの炭化焼成材を入れる工程と、当該炭化焼成材を入れた容器本体の開口部を前記蓋体で蓋をする工程と、当該蓋をされた容器本体を加熱させ、当該容器本体の内側表面に炭化焼成層を形成する工程とを備えるようにしたものである。
このようにすれば、容器本体と蓋体とによって内部にほぼ密閉された空間を形成することができるため、従来のような密閉窯を用いることなく、大量に炭化焼成された陶器などを生産することができるようになる。また、容器本体の内側空間に少ない量の炭化焼成材を入れて炭化焼成させることができるため、材料コストも低減させることができる。
また、このような発明において、容器本体の内側を炭化焼成させる場合、トンネル窯に前記蓋をされた容器本体を順次搬入することで加熱処理し、少なくとも前記容器本体の内側表面に炭化焼成層を形成させるようにする。
このようにすれば、トンネル窯で容器本体を順次搬入して炭化焼成させることができるため、従来のように密閉窯で加熱・冷却させてから取り出すといった作業が不要になり、炭化焼成された容器本体を大量に生産することができるようになる。
加えて、このような発明において、前記容器本体と蓋体とで囲まれた空間内に、前記炭化焼成材と他の作品を入れ、前記蓋体で蓋をして、前記容器本体の内側表面および前記他の作品の表面に炭化焼成層を形成させる。
このようにすれば、容器本体の内側表面と他の作品の表面に同時に炭化焼成層を形成させることができ、他の作品も炭化焼成させる際のコストを低減させることができるようになる。
本発明では、開口部を有する容器本体と、当該容器本体の開口部を塞ぐ蓋体とを有してなり、少なくとも前記容器本体の内側表面を炭化焼成する炭化焼成方法において、前記容器本体の内部に炭、籾殻、おが屑などの炭化焼成材を入れる工程と、当該炭化焼成材を入れた容器本体の開口部を前記蓋体で蓋をする工程と、当該蓋をされた容器本体を加熱させ、当該容器本体の内側表面に炭化焼成層を形成する工程とを備えるようにしたので、容器本体と蓋体とによって内部にほぼ密閉された空間を形成でき、従来のような密閉窯を用いることなく、大量に炭化焼成された陶器などを生産することができるようになる。また、容器本体の内側空間に少ない量の炭化焼成材を入れて炭化焼成させることができるため、材料コストを低減させることもできる。
本実施の形態における容器本体と蓋体からなる陶器を示す図 同形態における容器本体を示す図 同形態における炭化焼成方法の工程を示す模式図 同形態における炭化焼成工程を示す図
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
この実施の形態における陶器の炭化焼成方法は、図1に示すような土瓶や鍋などのように容器本体2と蓋体3からなる陶器(以下、「作品1」という)の内側表面を炭化焼成させるものであって、素焼きされた容器本体2の内側表面に釉薬を掛ける第一工程と、その釉薬を掛けた容器本体2の内側に炭、籾殻、おが屑などの炭化焼成材4を投入する第二工程と、このように炭化焼成材4の投入された容器本体2に蓋体3を被せてトンネル窯などで加熱する第三工程とを備え、これによって容器本体2の内側表面を炭化焼成させた炭化焼成品10を製造できるようにしたものである。以下、本実施の形態における各工程について詳細に説明する。
まず、この炭化焼成の対象となる作品1は、図2に示すような大きな開口部21(図2参照)を有する容器本体2と、その大きな開口部21を覆う蓋体3(図1参照)とを備えて成るものであって、例えば、蓋付きの土瓶や土鍋などを例として挙げることができる。なお、本実施の形態においては、図面として蓋付きの土瓶を例に挙げて説明するが、蓋体の存在しない花瓶や装飾品などについても適用することができる。なお、花瓶や装飾品などを炭化焼成する場合には、別途用意された蓋体を用いて大きな開口部を閉じ、これによって、容器本体の内側表面を炭化焼成させるようにする。
このような作品1の内側表面に炭化焼成層5を形成する際の第一工程(図4:ST2)では、素焼きされた容器本体2の内側表面および外側表面に釉薬を塗布し(図3(a))、これによって、素焼きされた表面をガラス質の物質で覆って耐水性を持たせるようにする。この釉薬を掛けた後においては、少なくとも一時間ほど放置して乾燥させる。
次の第二工程(図4:ST3)では、図3(b)に示すように、この乾燥させた容器本体2の内部に炭化焼成材4を投入する。この炭化焼成材4としては、例えば、炭、籾殻、おが屑などを用いることができる。これらの炭化焼成材4を投入する量としては、適宜調整することができるが、好適には容器本体2の2/3〜満杯程度入れるようにする。そして、このように炭化焼成材4を投入した後に、開口部21に蓋体3を被せて内側空間を塞ぐようにする(図3(c))。なお、このように蓋体3を被せた状態では、土瓶の注ぎ口22や空気孔31などが小さく開口した状態となるため、厳密には内部が密閉された状態とはならないが、このように小さな開口部が存在している場合であっても、炭化焼成する上では大きな問題とはならない。しかしながら、このような注ぎ口22や空気孔31などが大きく形成されている場合は、必要に応じてその部分に粘土6を詰めて塞ぐようにする。
次の第三工程では、このように炭化焼成材4を内側空間に封じ込めた状態で、作品1を図示しないトンネル窯に入れて加熱する(図4:ST4)。このトンネル窯は、両端に開口した入口と出口を有するものであって、作品1を載置した台車をゆっくりとトンネル内で移動させ、反対側の出口側から搬出させるようにしたものである。ここでは、焼成温度として1000℃〜1200℃とし、搬入から搬出までの時間として30時間〜40時間とする。この間、作品1はトンネル窯内で高温で加熱されることになるが、蓋体3で覆われた容器本体2の内部については、酸素の供給が断たたれた還元雰囲気状態となり、そこで炭化焼成材4が燃焼されて表面に炭化焼成層5が形成されることになる(図3(d))。
そして、このように炭化焼成させた後、その炭化焼成品10が冷却した状態で、必要に応じて注ぎ口22や空気孔31に詰められていた粘土6を取り除く。このとき、注ぎ口22や空気孔31に詰められていた粘土6は、加熱によって水分が蒸発して収縮するため、注ぎ口22や空気孔31から簡単に取り出すことができる。そして、このように粘土6を取り除くとともに、蓋体3を開け、内部に残っていた炭化焼成材4を取り除いて内側表面を洗浄する。これにより、容器本体2の内側表面と蓋体3の内側表面にのみ炭化焼成層5を形成した炭化焼成品10を製造することができる。
このように上記実施の形態によれば、蓋体3と容器本体2とからなる作品1の内側表面を炭化焼成させる際、容器本体2の内部に炭、籾殻、おが屑などの炭化焼成材4を入れて蓋体3で蓋をし、その状態で加熱させて内側表面を炭化焼成させるようにしたので、従来のような密閉窯を用いることなく、内側表面に炭化焼成層5を形成することができるようになる。これにより、トンネル窯などを用いて炭化焼成品10を大量に生産することができるようになる。さらには、容器本体2の内側空間に少ない量の炭化焼成材4を入れて炭化焼成させることができるため、材料コストを低減させることができるようになる。
また、トンネル窯で順次容器本体2を投入して炭化焼成させることができるため、従来のように密閉窯を密閉させて加熱・冷却し、その後、炭化焼成品10を取り出すといった作業が不要になるため、容器本体2を大量生産することができるようになる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。
例えば、上記実施の形態では、作品1として蓋体3と容器本体2とからなる土瓶などを例に挙げて説明したが、容器本体2のみからなる作品にこのような炭化焼成方法を適用することもできる。この場合、容器本体の大きな開口部を塞ぐ蓋体を別途用意し、炭化焼成材4を入れてこの蓋体で蓋をして炭化焼成する。そして、その蓋体を取り除いて、容器本体2の内側表面にのみ炭化焼成層5の形成した作品を得るようにする。
また、上記実施の形態では、容器本体2の内部に炭化焼成材4を入れて炭化焼成するようにしたが、その容器本体2の内側空間に収納可能な他の作品(例えば、小さな湯飲みなど)を入れ、容器本体2に投入された炭化焼成材4によって同時にその作品の内側表面・外側表面に炭化焼成層を形成するようにしてもよい。
さらには、上記実施の形態として、釉薬を塗布してから炭化焼成層5を形成するようにしたが、装飾品などを作る場合においては釉薬などを塗布することなく炭化焼成層5を形成するようにしてもよい。
加えて、上記実施の形態では、他の窯としてトンネル窯を用いて加熱させるようにしたが、トンネル窯に限定することなく、他の窯などを用いることができる。
また、上記実施の形態では、蓋体3を用いて容器本体2の開口部21を塞ぐようにしたが、その容器本体2を逆向けにして台の上に置き、その台と容器本体2の内側空間に炭化焼成材4を入れて加熱焼成させるようにしてもよい。
本発明は、内側に炭化焼成層を形成した容器を大量生産できるようにする分野において利用することができる。
作品・・・1
炭化焼成品・・・10
容器本体・・・2
大きな開口部・・・21
注ぎ口・・・22
蓋体・・・3
空気孔・・・31
炭化焼成材・・・4
炭化焼成層・・・5
粘土・・・6

Claims (4)

  1. 開口部を有する容器本体と、当該容器本体の開口部を塞ぐ蓋体とを有してなり、少なくとも前記容器本体の内側表面を炭化焼成する炭化焼成方法において、
    前記容器本体の内部に炭、籾殻、おが屑などの炭化焼成材を入れる工程と、
    当該炭化焼成材を入れた容器本体の開口部を前記蓋体で蓋をする工程と、
    当該蓋をされた容器本体を加熱させ、当該容器本体の内側表面に炭化焼成層を形成する工程と、
    を備えるようにしたことを特徴とする炭化焼成方法。
  2. 前記炭化焼成させる工程が、トンネル窯に前記蓋をされた容器本体を順次搬入することで加熱処理し、少なくとも前記容器本体の内側表面に炭化焼成層を形成するものである請求項1に記載の炭化焼成方法。
  3. 前記炭化焼成させる工程が、前記容器本体と蓋体とで囲まれた空間内に、前記炭化焼成材と他の作品を入れ、前記蓋体で蓋をして加熱処理することで、前記容器本体の内側表面と前記他の作品の表面に炭化焼成層を形成させるものである請求項1に記載の炭化焼成方法。
  4. 開口部を有する容器本体と、
    当該容器本体の開口部を塞ぐ蓋体とを有してなり、
    前記容器本体と蓋体で囲まれた内側表面にのみ炭化焼成層を形成した炭化焼成品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106380182A (zh) * 2016-08-30 2017-02-08 平定县冠窑砂器陶艺有限公司 一种用于温酒的砂质器皿及其制作方法
WO2017037947A1 (ja) * 2015-09-04 2017-03-09 株式会社木下不動産 飲用容器およびその製造方法

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