JP2014001702A - 蒸気弁装置およびその製造方法 - Google Patents

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【課題】母材に下盛層を下盛溶接し、表面硬化層を肉盛溶接する場合に亀裂が発生するのを防止可能な蒸気弁装置を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、高温蒸気の流路に設けられ、母材1に溶接部を形成した蒸気弁装置であって、溶接部は、フェライト系耐熱鋼製の母材1に下盛溶接により形成したNi基合金製の下盛層2と、下盛層2上に肉盛溶接により形成した硬質合金製の表面硬化層3と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、蒸気弁装置およびその製造方法に関する。
火力発電プラントの蒸気タービン発電設備には、蒸気流量の制御機能を有する蒸気弁装置が設けられている。その主な蒸気弁装置としては、主蒸気止め弁、蒸気加減弁、再熱蒸気止め弁、およびインターセプト弁などが挙げられる。
例えば、蒸気加減弁は、弁棒と、この弁棒に連動する弁体を弁棒の軸方向に移動させ、弁の開度を変化させることにより、蒸気流量を調整している。一連の流量調整動作の中で、弁棒はバルブスタンド内部に設置されたブッシュを、弁体はスリーブを、それぞれガイドとして移動する。弁棒および弁体は、軸方向に対して直交する方向に固定されていないことから、蒸気圧力による振動でブッシュおよびスリーブに対して摺動を繰り返すことになる。
従来の蒸気タービン発電設備の蒸気条件下(538℃又は566℃)における蒸気弁装置は、蒸気弁摺動部への耐酸化性(酸化スケール生成の抑制)、耐摩耗性(高温硬さの向上)処理の検討が行われている。
弁体とスリーブ、弁棒とブッシュなどの摺動部における間隙は、蒸気の漏洩および蒸気圧力による振動を防止するため、微小である。そして、この間隙に高温蒸気が流入すると、酸化スケールが生成される。この酸化スケールは、時間の経過に伴い摺動部に堆積することで弁が固着する、いわゆるスティック現象の要因となる。このスティック現象を抑制するため、従来の蒸気弁装置では、摺動部の摺動面にCo基硬質合金であるステライト(商品名)の肉盛溶接が施されている。
また、従来の蒸気弁装置では、高温高圧の過熱蒸気の流入または流出による熱衝撃、蒸気弁急閉時の衝撃荷重による弁座または弁体のシート部の損傷、蒸気の流れによるエロージョン(浸食)、コロージョン(腐食)などの摩耗による損傷を防止する必要がある。そのため、従来の蒸気弁装置では、弁座や弁体のシート部に、耐熱衝撃性および耐酸化性を有し、弁母材より硬度の高いステライトの肉盛溶接が施されている。
このように高温で使用される機器の高温部材は、高温での耐摩耗性、耐酸化性に優れていることが要求される。また、当然のこととして応力が作用する構造部材としては、要求される高温強度を満足する必要がある。
前述のステライトは、Coを主成分とし、30%程度のCr、4〜15%のタングステンを含有するCo基硬質合金であり、耐摩耗性に優れた材料として知られている。
また、このステライトは高温でも硬度の低下が小さく、CrやCoを多く含んでいるため耐酸化性に優れている。しかし、ステライト自体は、靭性に乏しいことから溶接後の冷却速度が速いと、熱応力によってステライトの肉盛溶接部に割れが発生することもある。そのため、ステライトは、溶接施工にあたっては予熱、層間温度、および後熱処理などを充分に管理して行うことが重要である。
また、肉盛溶接を行う母材の性質によっては、母材自体にも割れが発生することがある。従来の蒸気弁装置では、母材にSUS309系溶接材料(オーステナイト系ステンレス鋼)を下盛溶接し、その上にステライトを肉盛溶接する方法が一般的であった。
このようなステライトの肉盛溶接部や母材の割れを防止する技術として、例えば特許文献1に開示されたものがある。この技術では、母材への下盛溶接材料をSUS309系溶接材料(オーステナイト系ステンレス鋼)から、延性を有するNi基合金に変更し、その上面にステライトを肉盛する方法が開示されている。
特開平8−215842号公報
前述の特許文献1に開示された技術では、下盛溶接材料をNi基合金に変更して改善を図っているものの、下盛溶接を行う母材にCrを9〜13%程度含有するマルテンサイト系耐熱鋼が用いられている。このマルテンサイト系耐熱鋼は、焼入硬化性が大きいため下盛溶接時にミクロ割れが発生し、母材自体の割れ問題は解決されていないのが現状である。
本発明の実施形態は、このような事情を考慮してなされたもので、母材に下盛層を下盛溶接し、表面硬化層を肉盛溶接する場合に母材に亀裂が発生するのを防止可能な蒸気弁装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の実施形態に係る蒸気弁装置は、高温蒸気の流路に設けられ、母材に溶接部を形成した蒸気弁装置であって、前記溶接部は、フェライト系耐熱鋼製の母材に下盛溶接により形成したNi基合金製の下盛層と、前記下盛層上に肉盛溶接により形成した硬質合金製の表面硬化層と、を備えることを特徴とする。
本発明の実施形態に係る蒸気弁装置の製造方法は、高温蒸気の流路に設けられ、母材に溶接部を形成する蒸気弁装置の製造方法であって、フェライト系耐熱鋼製の母材にNi基合金製の下盛層を下盛溶接により形成する下盛層形成ステップと、前記下盛層上に硬質合金製の表面硬化層を肉盛溶接により形成する表面硬化層形成ステップと、を有することを特徴とする。
本発明の実施形態によれば、母材に下盛層を下盛溶接し、表面硬化層を肉盛溶接する場合に亀裂の発生を未然に防止することができる。
本発明に係る蒸気弁装置の製造方法の一実施形態において、断面逆台形状の開先に溶接部を形成した例を示す拡大断面図である。 一実施形態において、断面円弧状の開先に溶接部を形成した変形例を示す拡大断面図である。 一実施形態において、円筒形状の母材であるブッシュに溶接部を形成した変形例を示す拡大断面図である。 本発明の一実施形態に係る蒸気弁装置の製造方法が適用された蒸気加減弁の弁体周辺部の構造を示す縦断面図である。 本発明の一実施形態に係る蒸気弁装置の製造方法が適用された組合せ再熱弁の弁体周辺部の構造を示す縦断面図である。
以下に、本発明に係る蒸気弁装置およびその製造方法の実施形態および実施例について、図面を参照して説明する。
(実施形態)
図1は本発明に係る蒸気弁装置の製造方法の一実施形態において、断面逆台形状の開先に溶接部を形成した例を示す拡大断面図である。なお、本実施形態の溶接部は、例えば高温蒸気条件下(蒸気温度600℃以上)において、蒸気弁装置の摺動部、弁座または弁体のシート部に形成される。
図1に示すように、本実施形態は、母材1に肉盛のために断面逆台形状の開先部1aが予め形成されている。この開先部1aには、下盛層2が下盛溶接により形成されている。この下盛層2の上には、表面硬化層3が肉盛溶接により形成されている。
母材1は、例えばCrを9%程度含有するフェライト系耐熱鋼により成形されている。下盛層2の材料には、延性の大きいNi基合金が用いられている。表面硬化層3の材料には、Co基硬質合金であるステライトが用いられている。
本実施形態は、ステライトを肉盛溶接して表面硬化層3を形成する場合、母材1の材料に、従来のようなCrを9〜13%程度含有するマルテンサイト系耐熱鋼ではなく、炭素の固溶量が少なく溶接性が良好な例えばCrを9%程度含有するフェライト系耐熱鋼が用いられている。
また、本実施形態は、母材1への表面硬化層3であるステライトの肉盛溶接に先立って、延性の大きいNi基合金を母材1へ下盛溶接して下盛層2を形成している。その後、下盛層2の上に溶接速度や溶接時の温度などが管理されたPTA溶接(Plasma Transferred Arc)にて表面硬化層3であるステライトを肉盛溶接している。
次に、本実施形態の作用を説明する。
近年、蒸気タービンの効率向上を目的として、蒸気温度を600℃以上とした火力発電プラントが運転している。この蒸気温度の高温化に適した蒸気弁装置の材料としては、従来の耐熱合金鋼として使用されているCrを9〜13%程度含有するマルテンサイト系耐熱鋼と比べ、強度および耐酸化性の向上のため、Crを9%含有する9Cr鋼やCrを12%含有する12Cr鋼などのフェライト系耐熱鋼が適している。
したがって、本実施形態に係る蒸気弁装置における摺動部材および弁シート部は、高温で使用される高温部材として最適なものが選択される。例えば、Crを9%程度含有するフェライト系耐熱鋼を母材1としてステライトの表面硬化層3を形成するに当たり、ステライトと同程度の熱膨張係数にある延性の大きいNi基合金を下盛層2として形成し、その上に、溶接速度や溶接時の温度などが管理されたPTA溶接にてステライトを肉盛成形して表面硬化層3が形成される。
このように本実施形態によれば、Ni基合金を下盛層2として形成することにより、母材1のフェライト系耐熱鋼との熱膨張係数の差が小さく、またステライトとは、熱膨張係数の差がほとんどないため、加熱冷却の熱サイクルに伴う熱反応力の発生も小さくすることができる。さらに、下盛層2のNi基合金は、延性が大きいため、ステライトおよび母材1の割れに対して緩衝材となるので、溶接部の割れ発生を未然に防止することができる。
さらに、本実施形態によれば、高温での使用中においても熱応力の発生が小さく、熱疲労やクリープ損傷に対して信頼性が向上する。また、下盛層2のNi基合金は、炭素の固溶量が小さいため、母材1側の溶接境界の炭素移行を防止し、脱炭現象による強度低下も低減させるという効果がある。
以上のように、本実施形態を用いた摺動部や弁シート部などを有する蒸気弁装置によれば、その製作に際しては歩留り良く部材を製作することができるとともに、従来の温度以上の高温蒸気条件下において耐酸化、高温硬さについて有効な特性が得られる。その結果、酸化スケールの生成を防止し、摺動による摩耗量の減少が期待でき、蒸気弁の動作不調を防止することができ、使用に際しても劣化損傷が少なく、蒸気弁装置として信頼性を高めることができる。
図2は一実施形態において、断面円弧状の開先に溶接部を形成した変形例を示す拡大断面図である。この変形例は、母材1に肉盛のために断面円弧状の開先部1bが形成されている。この開先部1bには、下盛層2が下盛溶接により形成されている。この下盛層2の上には、表面硬化層3が肉盛溶接により形成されている。
また、母材1、下盛層2および表面硬化層3は、前記実施形態と同様の材質のものが用いられている。その他の作用効果は、前記実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
図3は一実施形態において、円筒形状の母材であるブッシュに溶接部を形成した変形例を示す拡大断面図である。この変形例は、円筒形状の母材1であるブッシュの外周面1cに下盛層2が下盛溶接により形成されている。この下盛層2の上には、表面硬化層3が肉盛溶接により形成されている。
また、母材1であるブッシュの外周面1c、下盛層2および表面硬化層3は、前記実施形態と同様の材質のものが用いられている。その他の作用効果は、前記実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
(実施例)
図4は本発明の一実施形態に係る蒸気弁装置の製造方法が適用された蒸気加減弁の弁体周辺部の構造を示す縦断面図である。
図4に示す蒸気加減弁は、弁棒4と、この弁棒4に連動する弁体6を軸方向に移動させ、弁の開度を変化させることにより、蒸気流量を調整している。
一連の流量調整動作の中で、弁棒4はバルブスタンド11の内部に設置されたブッシュ5を、弁体6はスリーブ7を、それぞれガイドとして移動する。弁棒4および弁体6は、軸方向に対して直交する方向に固定されていないので、蒸気圧力による振動により摺動を繰り返すことになる。
図5は本発明の一実施形態に係る蒸気弁装置の製造方法が適用された組合せ再熱弁の弁体周辺部の構造を示す縦断面図である。
図5に示す組合せ再熱弁も図4に示す蒸気加減弁と同様に、弁棒4と、この弁棒4に連動する弁体6を軸方向に移動させ、弁の開度を変化させることにより、蒸気流量を調整している。
一連の流量調整動作の中で、図5に示す組合せ再熱弁の弁棒4は、上蓋12および案内片13の内部に設置されたブッシュ5、およびガイドブッシュ9を、弁体6はスリーブ7を、それぞれガイドとして移動する。弁棒4および弁体6は、軸方向に対して直交する方向に固定されていないので、蒸気圧力による振動により摺動を繰り返すことになる。
ステライトを肉盛溶接して表面硬化層を形成する部位は、図4および図5に示すようにブッシュ5と接触する弁棒4の外周面、弁棒4をガイドするブッシュ5の内周面、弁体6をガイドするスリーブ7の内周面、スリーブ7の内周面と接触する弁体6の外周面、弁体6の弁シート部10、および弁座8の弁シート部10である。
ステライトを肉盛溶接した表面は、非常に硬く、加工性が悪くなるので、弁棒4、ブッシュ5、スリーブ7、弁体6の実際に摺動する面、および弁シート部10のみに加工処理する。
肉盛溶接する母材として例えばブッシュ5では、Crを9%程度含有するフェライト系耐熱鋼のASTM(American Society for Testing and Materials:米国材料試験協会) A182 Grade F91(9%Cr−1%Mo−0.25V鋼)を用い、ブッシュ5の内周面に下盛溶接前の機械加工を施し、下記溶接施工条件にて主要成分として例えば、
18〜22%Cr−≦0.75%Ti−≦1.5%Fe−2〜3%(Nb+Ta)を含有するNi基合金から成る溶接棒で下記条件により、下盛溶接を行った。
図3にNi基合金を用いた下盛溶接およびステライトの肉盛溶接を施した表面硬化層3の断面を示す。図3において、符号2が下盛層を示している。
予熱:300〜350℃、溶接:TIG(Tungsten Inert Gas)溶接 Arガス、後熱処理:740℃×1hr/1inch(空冷)である。
次に、ステライトの肉盛溶接は、溶接速度が安定している自動溶接のPTA(Plasma Transferred Arc)溶接にて肉盛成形を行った。また、溶接施工時の予熱、層間、後熱処理の温度管理を徹底した。
肉盛材料は、コバルト基質合金粉末でAWS A5,13 RCoCr−A相当材のステライト(アメリカ溶接協会の規格、主成分:Cr28%−4%W−1%C−残部Co)を使用し、以下の溶接施工条件にてPTA溶接にて肉盛成形を行った。
予熱:300〜350℃、溶接:PTA溶接 Arガス、溶接速度:50〜70mm/min、ウィービング幅:10〜15mm、後熱処理:740℃×1hr/1inch(空冷)である。
ブッシュ5の内面は、ステライトを肉盛溶接した後、機械加工仕上げを行い、所定の形状、寸法および表面粗さに仕上げた。
このように本実施形態の製造方法により製造したブッシュ5のステライトの肉盛部に割れの発生はみられず、信頼性の高い品質であることが確認された。
なお、本実施例では、ASTM A182 Grade F91材を合金母材とした場合について説明したが、別途3%以下のCrを含有するフェライト系耐熱鋼についても、同様に本実施例によるNi基合金を下盛溶接し、その後ステライトを肉盛溶接し、その効果を確認したが、割れの発生は確認されずに良好であった。
次に、本発明に係る蒸気弁装置の一実施例の作用および効果について説明する。
前述の従来の材料構成における熱膨張係数は、母材である9〜13Crマルテンサイト系耐熱鋼は、約12.0×10−6/℃、下盛溶接材であるオーステナイト系ステンレス鋼は、約19.0×10−6/℃、ステライトは、約15.0×10−6/℃であった。
これに対し、本発明の一実施例における熱膨張係数は、母材1である9Crフェライト系耐熱鋼は、約13.0×10−6/℃、下盛層2であるNi基合金鋼は、約15.0×10−6/℃、表面硬化層3であるステライトは、約15.0×10−6/℃となっている。
すなわち、母材1に直接肉盛する下盛層2としては、熱膨張係数がステライトと同程度で、炭素の固溶量が少なく、延性の大きいNi基合金を使用することによって、
(1)母材1との熱膨張係数の差が小さいため、発生する熱応力が小さくなる。
(2)ステライトとNi基合金との間は、同程度の熱膨張係数にあるので熱応力の発生が少ない。
(3)下盛層2をNi基合金とすることで、炭素の固溶量が少なく、溶接境界での母材1側からの炭素移行を防止することができ、脱炭層の発生を阻止し、強度低下を防止する。
(4)したがって、下盛層2として延性の大きいNi基合金を使用することによって、それが割れの緩衝材となりステライトおよび母材1の割れを防止することが可能となる。
上記(1)〜(4)の要請を満足するNi基合金は、主成分がCr18〜22%−Ti≦0.75%−Fe≦1.5%−(Nb+Ta)2〜3%−Ni残部%の合金鋼やCr21.5%−Mo9%−Fe2.5%−(Nb+Ta)3.7%−Ni61%からなるJIS NCF625などの合金鋼が適しており、さらには下記の組成を含有するものが好ましい。
具体的に、Ni基合金は、Crが18〜22%、より好ましくは20〜22%、Tiが0.75 %以下、より好ましくは0.2〜0.6 %、Feが3%以下、より好ましくは1〜2%、最も好ましくは1.4%、Nb+Taが2〜3%、Niが残部である。
また、本実施例において母材1として用いられるCrを9%程度含有するフェライト系耐熱鋼は、例えばASTM A182 Grade F91(9%Cr−1%Mo−0.25V鋼)を代表として、一般に次の組成を有するものを用いるのが好ましい。
具体的には、Cが0.08〜0.12%、Crが8〜9.5%、Moが0.85〜1.05%、Vが0.18〜0.25%、Mnが0.3〜0.6%、Niが≦0.4%、Nbが0.06〜0.10%、Nが0.03〜0.07%、Feが残部である。
ここで、Cが0.08%未満の場合は、溶接性が向上するものの、強度が低下してしまう。また、Cが0.12%を超えると、逆に強度が向上するものの、溶接性が低下することになる。そのため、上記のようにCが0.08〜0.12%の範囲を含有することにより、溶接性および強度の双方が向上する。
以上のように本発明の実施形態および実施例を説明したが、これらの実施形態および実施例は、単なる例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態および実施例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態、実施例やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
なお、上記実施例では、炭素の固溶量が少なく、溶接性が良好なフェライト系耐熱合金鋼であれば、母材1の材料として、前述のASTM A182 Grade F91に限定されず、今後のさらなる蒸気条件の上昇に伴い、新たな材料が開発されても、本発明の本質から逸脱しなければ適用可能である。
また、本発明の一実施形態では、下盛溶接したNi基合金の上に、ステライトを肉盛溶接して表面硬化層3を形成しているが、ステライト以外に、例えばCo基硬質合金であるトリバロイ(商品名)材、またはNi基硬質合金であるコルモノイ(商品名)材やクレバロイ(商品名)であっても適用可能である。
さらに、今後の更なる蒸気条件の上昇に伴い新たな材料が開発されても、耐熱衝撃性および耐酸化性を有し、母材より硬度の高い材質であれば適用可能である。
1…母材
1a…開先部
1b…開先部
1c…外周面
2…下盛層
3…表面硬化層
4…弁棒
5…ブッシュ
6…弁体
7…スリーブ
8…弁座
9…ガイドブッシュ
10…弁シート部
11…バルブスタンド
12…上蓋
13…案内片

Claims (7)

  1. 高温蒸気の流路に設けられ、母材に溶接部を形成した蒸気弁装置であって、
    前記溶接部は、フェライト系耐熱鋼製の母材に下盛溶接により形成したNi基合金製の下盛層と、
    前記下盛層上に肉盛溶接により形成した硬質合金製の表面硬化層と、
    を備えることを特徴とする蒸気弁装置。
  2. 前記母材のフェライト系耐熱鋼は、Cを0.08〜0.12%の範囲で含有することを特徴とする請求項1に記載の蒸気弁装置。
  3. 前記母材に溶接部を形成する部位は、弁棒をガイドするブッシュの内面、前記ブッシュ内面と接触する前記弁棒外面、弁体をガイドするスリーブの内面、前記スリーブ内面と接触する前記弁体外面、前記弁体および弁座の弁シート部のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の蒸気弁装置。
  4. 前記母材に溶接部を形成する部位は、少なくとも一部に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の蒸気弁装置。
  5. 前記表面硬化層は、Co基硬質合金またはNi基硬質合金の硬質合金としたことを特徴とする請求項1に記載の蒸気弁装置。
  6. 高温蒸気の流路に設けられ、母材に溶接部を形成する蒸気弁装置の製造方法であって、
    フェライト系耐熱鋼製の母材にNi基合金製の下盛層を下盛溶接により形成する下盛層形成ステップと、
    前記下盛層上に硬質合金製の表面硬化層を肉盛溶接により形成する表面硬化層形成ステップと、
    を有することを特徴とする蒸気弁装置の製造方法。
  7. 前記表面硬化層形成ステップは、PTA溶接により肉盛成形を施すことを特徴とする請求項6に記載の蒸気弁装置の製造方法。
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