JP2014004731A - 吸音材及び吸音材の製造方法 - Google Patents

吸音材及び吸音材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】紙を発泡材の一部とする発泡体からなるものにあって、吸音特性が優れた吸音材、及び、吸音材の製造方法を提供する。
【解決手段】パルプ繊維成分と合成樹脂成分と補助剤としての澱粉成分とを発泡させ、多数の空間を形成した発泡セルS1,S2,S3より構成された吸音材1Aであって、合成樹脂成分はポリプロピレン樹脂で、且つ、構造体の密度が26kg/m3〜55kg/m3の範囲であり、各発泡セルの膜厚が薄いものである。
【選択図】図2

Description

本発明は、パルプ繊維成分と合成樹脂成分と補助剤としての澱粉成分とを発泡材とした吸音材及びその製造方法に関する。
従来より紙を発泡材の一部として利用した発泡体が提案されている(特許文献1、2参照)。この発泡体は、パルプ繊維成分として古紙を使用できるため、紙のリサイクルに好適である。そして、発泡体は、多数の空間を形成した発泡セルが密集状態に配置されるため、空気の通過を適度に阻止でき、良好な吸音材としても期待できる。
特許第3326156号公報 特開2000−273800号公報
しかしながら、紙を発泡材の一部として利用した発泡体にあって、更に優れた吸音特性を有するものが要望されている。
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、紙を発泡材の一部とする発泡体からなるものにあって、吸音特性が優れた吸音材、及び、吸音材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、パルプ繊維成分と合成樹脂成分と補助剤としての澱粉成分とを発泡させ、多数の空間を形成した発泡セルより構成された吸音材であって、合成樹脂成分はポリプロピレン樹脂であり、構造体の密度が26kg/m3〜55kg/m3の範囲であることを特徴とする吸音材である。発泡セルは、厚み方向に沿って、表面皮膜層と発泡セル層と表面皮膜層2とから構成され、各表面皮膜層は、発泡セル層より発泡密度が高い発泡セルが密集配置され、発泡セル層は、各表面皮膜層より発泡密度が低い発泡セル)が密集配置されているものを含む。厚み方向の中間位置には、厚み方向の直交方向に沿って延びる仕切皮膜層を有することが好ましい。
他の本発明は、間隔を置いて吐出口が設けられ、前記各吐出口より吐出された発泡体の発泡領域を規制する規制枠壁が設けられた押出し成形機を使用し、前記押出し成形機にパルプ繊維成分とポリプロピレン樹脂成分と補助剤としての澱粉成分と水を供給し、前記パルプ繊維成分と合成樹脂成分と澱粉成分と水を加熱混練して前記各吐出口より、構造体の密度が26kg/m3〜55kg/m3の範囲となる押圧力で吐出させたことを特徴とする吸音材の製造方法である。
本発明によれば、各発泡セルの膜厚が薄いものとなるため、各発泡セルの膜が振動し易く、膜の振動によって音を吸収する。以上より、紙を発泡材の一部とする発泡体からなるものにあって、優れた吸音特性が得られる。
本発明の一実施形態を示し、吸音材の外観斜視図である。 本発明の一実施形態を示し、吸音材の構造模式図である。 本発明の一実施形態を示し、(a)は押出し成形機の要部斜視図、(b)は口金部材の正面図である。 本発明の一実施形態を示し、各種の吸音材における残響室法による吸音率の特性線図である。 本発明の一実施形態を示し、各種の吸音材における残響室法による吸音率の特性線図である。 本発明の他の実施形態を示し、吸音材の構造模式図である。 本発明の他の実施形態を示し、(a)は押出し成形機の要部斜視図、(b)は口金部材の正面図である。 本発明の他の実施形態を示し、仕切皮膜層を有しない吸音材(口金1段の場合)と仕切皮膜層を有する吸音材とにおける残響室法による吸音率の特性線図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(一実施形態)
図1〜図5は本発明の一実施形態を示す。図1に示すように、吸音材1Aは、偏平長方形の板状発泡体であり、発泡体としての密度が26kg/m3〜55kg/m3の範囲である。吸音材1Aは、パルプ繊維成分である紙粉末成分と、合成樹脂成分と、補助剤としての澱粉成分であるコーンスターチとを発泡させ、多数の空間を形成した発泡セルS1,S2,S3より構成されている(図2参照)。紙粉末成分としては、官製葉書等の古紙を紙粉末繊維状にしたものを使用している。合成樹脂成分としては、例えば、ポリプロピレン樹脂のJ3000GP、J2000GP、J2003GP、J2041GA、J715M、H700、(いずれも株式会社プライムポリマーの商品名:プライムポリプロの一種)のいずれかを使用している。
各発泡セルS1,S2,S3は、内部の空隙がセル皮膜によって被われている。発泡セルS1,S2,S3は、その位置によって発泡密度(発泡倍率)が異なり、発泡体1Aは発泡セルS1,S2,S3の密度によって以下のような層構造に形成される。
つまり、吸音材1Aは、厚み方向に沿って、表面皮膜層2と発泡セル層3と表面皮膜層2とから構成されている。各表面皮膜層2は、極薄厚みであり、発泡セル層3より発泡密度が高い発泡セルS2が密集配置されている。各発泡セル層3は、各表面皮膜層2より発泡密度が低い発泡セルS3が密集配置されている。
又、各発泡セル層3には、厚み方向の直交方向に沿って等間隔に複数の縦仕切皮膜層5が形成されている。各発泡セル層3は、縦仕切皮膜層5によって分割されている。縦仕切皮膜層5は、発泡セル層3より発泡密度が高い発泡セルS2が密集配置されている。
次に、上記発泡体1Aを製造する押出し成形機10を説明する。押出し成形機10は、図3(a)に示すように、各発泡材を投入する投入口(図示せず)と、投入された発泡材を混練する混練手段(図示せず)と、混練された発泡材を高温に加熱する加熱手段(図示せず)と、発泡材を押圧する押圧手段(図示せず)と、押圧室の先端側を塞ぐように配置された口金部材11と、この口金部材11の外側を囲むように配置された規制枠壁20とを備えている。口金部材11は、図3(a)、(b)に示すように、水平方向に等間隔Pを置いて配置された複数の吐出口12を1段有する。各吐出口12は、水平方向に対し同じ位置に配置されている。規制枠壁20は、この吐出口12より吐出された発泡材の発泡領域を規制する。規制枠壁20は、偏平長方形状の枠である。
次に、発泡体1Aの製造方法を説明する。押出し成形機10内に、紙粉末成分とポリプロピレン樹脂材と補助剤としてのコーンスターチと水を供給する。そして、紙粉末成分とポリプロピレン樹脂材とコーンスターチと水を加熱混練し、この高温の発泡材を口金部材11の1段の吐出口12より、構造体の密度が26kg/m3〜55kg/m3の範囲となる押圧力で吐出させる。
すると、高温の発泡材に混入された水が各吐出口12より吐出された瞬間に気化し、水の蒸気圧により紙粉末成分とポリプロピレン樹脂材とコーンスターチから成る発泡材が発泡する。この発泡は、規制枠壁20によって規制されるため、規制枠壁20を断面積とする発泡体1Aが連続的に押し出される。各発泡セルS2,S3は、紙粉末成分の柔軟性やコーンスターチの粘着性によって適度な発泡を行い空間形成されたものとなる。
また、各吐出口12から吐出された発泡材は、自由に発泡できず、上記したように規制枠壁20で発泡形成が抑制されると共に、発泡セル同士が互いに干渉することによって発泡形成が抑制される。具体的には、規制枠壁20の内周近傍の位置する発泡セルS2は、規制枠壁20で発泡形成が抑制される。これによって表面皮膜層2が形成される。水平方向の隣り合う吐出口12の中間位置付近の位置する発泡セルS2は、互いの発泡セルS2同士が衝突(干渉)して発泡形成が抑制される。これによって縦仕切皮膜層5が形成される。これらより内側位置に位置する発泡セルS3は、上記発泡セルS2に較べて弱い抑制力しか働かない。これによって発泡セル層3が形成される。
このような発泡によって作成される吸音材1Aであって、密度が26kg/m3〜55kg/m3の範囲のものは、各発泡セルS3の膜厚が薄いものとなる。
上記構成において、吸音材1Aは、多数の空間を形成した発泡セルS2,S3が密集状態に配置されているため、空気、つまり、音の通過を適度に阻止する。しかし、空気の振動によって吸音材1Aの表面皮膜層2が振動し、この振動が発泡セル層3に伝達される。各発泡セルS3の膜厚が薄いため、各発泡セルS3の膜が振動し易く、膜の振動によって音を吸収する。以上より、紙を発泡材の一部とする発泡体からなる吸音材1Aにあって、優れた吸音特性を発揮する。
図4及び図5は、各種の吸音材における残響室法による吸音率測定結果である。図4に示すように、ポリプロピレン樹脂のJ3000GP、J2000GP、J2003GP、J2041GA、H700(いずれも株式会社プライムポリマーの商品名:プライムポリプロの一種)は、ある周波数領域やピーク周波数で優れた吸音率を示すことが確認された。特に、J3000GPは、1/3オクターブバンド中心周波数1250〜2000Hzの範囲で最大0.8の高い吸音率を示した。J3000GPは、一般的な吸音材であるフェルトやシンサレートと比較して、1/3オクターブバンド中心周波数1250〜2000Hzの範囲で高い吸音率を示した。
また、J3000GPについて、密度を可変して吸音率を測定した。図4は、密度が42kg/m3の場合の特性であり、図5は、密度が32kg/m3の場合の特性である。密度が小さい方がより優れた吸音特性を示した。これにより、密度が吸音特性に密接に関係することが確認された。
又、ポリプロピレン樹脂のJ700GP(株式会社プライムポリマーの商品名:プライムポリプロの一種)で、密度が74kg/m3の発泡体は、一般的な吸音材であるフェルトやシンサレートに比較して、全ての周波数帯域で低い吸音率しか示さなかった。発泡セルS3の膜厚が厚いためであると考えられる。以上より、紙を発泡材の一部とする発泡体からなるものにあって、構造体の密度が26kg/m3〜55kg/m3の範囲の吸音材1Aは、吸音特性の向上が確認できた。
以上より、紙を発泡材の一部とする発泡体からなるものにあって、密度が吸音特性に密接に関係し、合成樹脂成分としてポリプロピレン樹脂を使用し、構造体の密度が26kg/m3〜55kg/m3の範囲とすることによって優れた吸音性能を発揮する吸音材1Aが得られる。
(他の実施形態)
図6〜図8は、他の実施形態を示す。吸音材1Bは、前記実施形態と同様に、偏平長方形の板状発泡体であり、発泡体としての密度が26kg/m3〜55kg/m3の範囲である。吸音材1Bは、パルプ繊維成分である紙粉末成分と、合成樹脂成分と、補助剤としての澱粉成分であるコーンスターチとを発泡させ、多数の密閉された発泡セルS1,S2,S3より構成されている(図6参照)。紙粉末成分としては、官製葉書等の古紙を紙粉末繊維状にしたものを使用している。合成樹脂成分は、前記第1実施形態と同様である。
図6に示すように、吸音材1Bは、前記実施形態のものと比較して構造が相違する。つまり、吸音材1Bは、厚み方向に沿って、表面皮膜層2と発泡セル層3と仕切皮膜層4と発泡セル層3と表面皮膜層2とから構成されている。各表面皮膜層2は、極薄厚みであり、発泡セル層3より発泡密度が高い発泡セルS2が密集配置されている。各発泡セル層3は、仕切皮膜層4より発泡密度が低い発泡セルS3が密集配置されている。仕切皮膜層4は、発泡セル層3及び表面皮膜層2より発泡密度が高い発泡セルS1が密集配置されている。仕切皮膜層4は、2層の発泡セル層3の間を連続して仕切っている。仕切皮膜層4は、厚み方向の直交方向に一直線状で、且つ、ほぼ同じ厚みである。
又、各発泡セル層3には、厚み方向の直交方向に沿って等間隔に複数の縦仕切皮膜層5が形成されている。各発泡セル層3は、縦仕切皮膜層5によって分割されている。縦仕切皮膜層5は、発泡セル層3より発泡密度が高い発泡セルS2が密集配置されている。
次に、上記発泡体1Bを製造する押出し成形機10を説明する。押出し成形機10は、図8に示すように、前記実施形態のものと比較するに、口金部材11に、水平方向に等間隔Pを置いて配置された複数の吐出口12、13を上下2段有する。他の構成は、同一であるため、重複説明を省略する。図面の同一構成箇所には同一符号を付して明確化を図る。
この吸音材1Bでも、前記実施形態と同様の理由によって優れた吸音特性を発揮する。
その上、吸音材1Bは、厚み方向の中間位置に、厚み方向の直交方向に沿って延びる仕切皮膜層4を有する。これにより、吸音材1Bの発泡セル層3内を伝搬する振動が仕切被膜層4に達すると、仕切被膜層4でランダムな振動が平面振動にリセットされ、その後、更に発泡セル層3内を伝搬することになるため、仕切被膜層4で振動吸収が促進され、更に優れた吸音特性を発揮すると考えられる。
図5において、合成樹脂成分がポリプロピレン樹脂のH700で、構造体の密度が共に37kg/m3の場合について、仕切皮膜層4を有しない吸音材1A(口金1段の場合)と仕切皮膜層4を有する吸音材1B(口金2段の場合)とにおける残響室法による吸音率測定結果が示されている。仕切皮膜層4が振動吸収に影響を及ぼし、仕切皮膜層4を有する吸音材1Bの方が仕切皮膜層4を有しない吸音材1Aに較べて1000Hz〜2000Hzの会話明瞭度の領域の内で高い吸音特性を発揮することが確認された。これにより、仕切皮膜層4による振動吸収効果が確認された。
図5において、合成樹脂成分がポリプロピレン樹脂のH700であり、共に仕切皮膜層4を有する吸音材1B(口金2段の場合)の場合において、構造体の密度が37kg/m3の場合と構造体の密度が27kg/m3の場合とにおける残響室法による吸音率測定結果が示されている。構造体の密度を小さくすることによって、高い吸音特性を示す周波数領域が広がり、密度による振動吸収効果が確認された。
図8は、合成樹脂成分がポリプロピレン樹脂のJ3000GPであり、仕切皮膜層4を有しない吸音材1A(口金1段の場合、42kg/m3)と仕切皮膜層4を有する吸音材1B(口金2段の場合、32kg/m3)とにおける残響室法による吸音率測定結果である。仕切皮膜層4による振動吸収効果と構造体の密度による振動吸収効果の相乗効果によって、1000Hz〜2000Hzの会話明瞭度の領域で高い吸音特性を発揮することが確認された。例えば自動車内に使用する吸音材1Aとして好適である。
(その他)
この他の実施形態の発泡体1Bは、仕切皮膜層4を1箇所に有するが、仕切皮膜層4を2箇所所以上有するものであっても良い。仕切皮膜層4は、多ければ多いほど吸音特性の向上になる。
1A,1B 吸音材
S1,S2,S3 発泡セル
2 表面皮膜層
3 発泡セル層
4 仕切皮膜層
10 押出し成形機
12,13 吐出口
20 規制枠壁

Claims (4)

  1. パルプ繊維成分と合成樹脂成分と補助剤としての澱粉成分とを発泡させ、多数の空間を形成した発泡セルより構成された吸音材であって、
    合成樹脂成分はポリプロピレン樹脂であり、構造体の密度が26kg/m3〜55kg/m3の範囲であることを特徴とする吸音材。
  2. 請求項1記載の吸音材であって、
    前記発泡セルは、厚み方向に沿って、表面皮膜層と発泡セル層と表面皮膜層とから構成され、各表面皮膜層は、発泡セル層より発泡密度が高い発泡セルが密集配置され、発泡セル層は、各表面皮膜層より発泡密度が低い発泡セルが密集配置されていることを特徴とする吸音材。
  3. 請求項1又は請求項2記載の吸音材であって、
    厚み方向の中間位置には、厚み方向の直交方向に沿って延びる仕切皮膜層を有することを特徴とする吸音材。
  4. 間隔を置いて配置された吐出口が設けられ、前記各吐出口より吐出された発泡体の発泡領域を規制する規制枠壁が設けられた押出し成形機を使用し、
    前記押出し成形機にパルプ繊維成分とポリプロピレン樹脂成分と補助剤としての澱粉成分と水を供給し、前記パルプ繊維成分と合成樹脂成分と澱粉成分と水を加熱混練して前記各吐出口より、構造体の密度が26kg/m3〜55kg/m3の範囲となる押圧力で吐出させたことを特徴とする吸音材の製造方法。
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