JP2014005446A - 全芳香族ポリアミドを含む樹脂組成物およびフィルム - Google Patents

全芳香族ポリアミドを含む樹脂組成物およびフィルム Download PDF

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Abstract

【課題】400nmの光の光線透過率が高く、アセトンに対する耐薬品性を有し、低熱膨張係数の樹脂組成物およびそのフィルムを得ること。
【解決手段】化学式(I)、(II)、(III)および(IV)で示される構造単位のモル分率をそれぞれl、m、n、oとしたとき、次式(1)、(2)、(3)および(4)を満足する全芳香族ポリアミドと3価以上の多官能化合物とが混合した混合物、または、化学式(I)、(II)、(III)および(IV)で示される構造単位を含む全芳香族ポリアミド構造単位と3価以上の多官能化合物に由来する構造単位とが結合した多官能化合物変性芳香族ポリアミド、を含む樹脂組成物とする。
25≦l≦50 ・・・(1)
l+m=50 ・・・(2)
20≦n≦50 ・・・(3)
95≦l+m+n+o≦100 ・・・(4)
【選択図】なし

Description

本発明は全芳香族ポリアミドと3価以上の多官能化合物または多官能化合物変性芳香族ポリアミドを含む樹脂組成物およびそれからなるフィルムに関する。
昨今、ディスプレーや太陽電池などのハイスペック化に伴い、各部材に求められる特性は年々向上してきている。特にディスプレー用や太陽電池用の基板として用いられているガラスをプラスチックで代替させる検討が広くなされており、ガラスがもつ高透明性、耐熱性、寸法安定性などの特性をプラスチックに求められている。それらの特性だけでなく、ディスプレーや太陽電池を作成するには、様々な溶媒を用いるプロセスがあり溶媒への耐性も求められている。また、基板上には半導体層や、ガスバリヤ層などを形成する場合があるが、基板に凹凸があると基板上に形成された層に欠陥が生じることがあり、基板には凹凸の無い表面性が求められている。
特許文献1には、ポリマー構造中に2,2’−ジトリフルオロメチル−ビフェニル構造を導入し、無色透明性、高靭性、高耐熱性、高寸法安定性を有する成形体が提案されている。しかし、嵩高いジトリフルオロメチル基が導入されることで、ポリマー鎖のパッキングが阻害されるために溶媒への耐性が低く、特にアセトンと接触すると変形、膨潤、白濁する問題があった。
特許文献2、3には、ポリマー構造中にフェノール系水酸基を有した芳香族ポリアミドとエポキシとの反応物が提案されている。しかし、フェノール系水酸基をポリマー構造中に導入すると、透明性と耐熱性、寸法安定性との両立が難しくなる場合があり、耐熱性を向上させるために多量の無機粒子を添加することが必要であり、得られる樹脂組成物の表面が凹凸になる問題があった。
また、特許文献4には、接着力向上のためにエポキシ変性したポリアミドについての提案がなされているが、本発明で得られるような有機溶媒への耐性について示唆や記載もなく、透明性と寸法安定性の両立したポリマーは得られていなかった。
また、特許文献5には、芳香族ポリアミドと多官能化合物からなる樹脂組成物が提案されているが、ここで記載されている芳香族ポリアミドは脂肪族アミンを含む半芳香族ポリアミドであり、寸法変化が大きくなる可能性があった。
また特許文献6には、ポリイミドと多官能化合物とからなる液晶配向剤が提案されているが、透明性と寸法安定性を両立するものはいまだ得られていない。
国際公開第2004−039863号パンフレット 特開2007−246668号公報 特開2010−100695号公報 特開2005−344005号公報 特開2011−256290号公報 特許第4525563合公報
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものである。すなわち、本発明の目的は無色透明性と寸法安定性を両立するだけでなく、平坦な表面性や有機溶媒への耐性を有する、樹脂組成物を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明は、化学式(I)、(II)、(III)および(IV)で示される構造単位のモル分率をそれぞれl、m、n、oとしたとき、次式(1)、(2)、(3)および(4)を満足する全芳香族ポリアミドと3価以上の多官能化合物とが混合した混合物、または、化学式(I)、(II)、(III)および(IV)で示される構造単位を含む全芳香族ポリアミド構造単位と3価以上の多官能化合物に由来する構造単位とが結合した多官能化合物変性芳香族ポリアミド、を含む樹脂組成物であることを特徴とする。
25≦l≦50 ・・・(1)
l+m=50 ・・・(2)
20≦n≦50 ・・・(3)
95≦l+m+n+o≦100 ・・・(4)
Figure 2014005446
、R:−CF、−F、−OCH、−CH、−NO、−CN、−Brから選らばれる基。(ただし、分子内においてこれらの置換基を含む構造単位が混在していてもよい。)
、R:任意の基(n:1〜3の整数)
Figure 2014005446
、R:任意の基(n:1〜4の整数)
:Siを含む基、Pを含む基、Sを含む基、芳香族を含む基、エーテル結合を有する基から選ばれる基。(ただし、分子内においてこれらの置換基を含む構造単位が混在していてもよい。)
Figure 2014005446
Figure 2014005446
:任意の芳香族基
本発明によれば、ディスプレー用表示基板や太陽電池用基板に好適に利用できる、透明、軽量、高靭性、高耐熱性、高寸法安定性を有するだけでなく、表示基板を作成する工程の中で溶媒を用いる際にも、基板上にガスバリヤ層や半導体層などを形成する際にも、工程適性の高いフィルムを提供することが可能となる。
本発明の芳香族ポリアミドは、化学式(I)、(II)、(III)および(IV)で示される構造単位のモル分率をそれぞれl、m、n、oとしたとき、次式(1)、(2)、(3)および(4)を満足する全芳香族ポリアミドと3価以上の多官能化合物とが混合した混合物、または、化学式(I)、(II)、(III)および(IV)で示される構造単位を含む全芳香族ポリアミド構造単位と3価以上の多官能化合物に由来する構造単位とが結合した多官能化合物変性芳香族ポリアミドを含む。
25≦l≦50 ・・・(1)
l+m=50 ・・・(2)
20≦n≦50 ・・・(3)
95≦l+m+n+o≦100 ・・・(4)
Figure 2014005446
、R:−CF、−F、−OCH、−CH、−NO、−CN、−Brから選らばれる基。(ただし、分子内においてこれらの置換基を含む構造単位が混在していてもよい。)
、R:任意の基(n:1〜3の整数)
化学式(I)で示す構造単位において、R、Rは−CF、−F、−OCH、−CH、−NO、−CN、−Brから選らばれる基を選択することができるが、より好ましくは−CF基、−CH基を選択することが好ましい。最も好ましくは−CF基である。これらの基は、無色透明性を向上できる点、平均熱膨張係数を低減できる点や、ヤング率を向上できる点から好ましい。
Figure 2014005446
、R:任意の基(n:1〜4の整数)
:Siを含む基、Pを含む基、Sを含む基、芳香族を含む基、エーテル結合を有する基から選ばれる基。(ただし、分子内においてこれらの置換基を含む構造単位が混在していてもよい。)
化学式(II)で示す構造単位において、RはSiを含む基、Pを含む基、Sを含む基、芳香族を含む基、エーテル結合を有する基を選択することができるが、より好ましくはSを含む基、エーテル結合を含む基である。最も好ましくはSを含む基である。これらの基は、無色透明性を向上できる点、有機溶媒への溶解性が向上できる点から好ましい。
化学式(I)、(II)で示される構造単位において、R、R、R、Rは任意の基を選択することができるが、好ましくは−H、−CF、−F、−CH、−OCH、−NO、−CN、−Br、エーテル結合を有する基から選ばれる基、Siを含む基、Pを含む基、Sを含む基、芳香族を含む基(ただし、分子内においてこれらの置換基を含む構造単位が混在していてもよい。)から選択することができる。最も好ましくは、−H、−CF、−F、−CHから選ばれる基である。これらの基は、無色透明性を向上できる点、平均熱膨張係数を低減できる点や、ヤング率を向上できる点から好ましい。
Figure 2014005446
Figure 2014005446
:任意の芳香族基
化学式(IV)で示す構造単位において、Rは任意の芳香族基を選択することができるが、特に化学式(VI)で示される構造単位が、平均熱膨張係数を低減できる点や、ヤング率を向上できる点、有機溶媒への溶解性を向上できる点から好ましい。
Figure 2014005446
化学式(I)で示される構造単位は、パラ配向性であるのでヤング率やガラス転移温度を高く、熱膨張係数を低く抑えることに寄与し、さらに、側鎖に電子吸引性の置換基を有することで、可視光における光線透過率を向上させることに寄与する効果がある。
化学式(II)で示される構造単位は、ビフェニル構造の間にSiを含む基、Pを含む基、Sを含む基、芳香族を含む基、エーテル結合を有する基のいずれかを有するため、可視光における光線透過率を向上させる効果がある。さらに、Siを含む基、Pを含む基、Sを含む基、芳香族を含む基、エーテル結合を有する基は屈曲性を示すことから、有機溶媒への溶解性も高めることができるため、全芳香族ポリアミドを重合する際に有機溶媒からのポリマーの析出を防ぐことができ、十分に重合度を向上させることができる。
化学式(III)で示される構造単位は、パラ配向性であるのでヤング率やガラス転移温度を高く、熱膨張係数を低く抑えることに寄与する効果がある。
化学式(IV)で示される構造単位は、任意の芳香族カルボン酸残基であるが、イソフタル酸構造やビフェニル構造を用いる事で、全芳香族ポリアミドの有機溶媒への溶解性を高め、重合の際に有機溶媒からのポリマーの析出を防ぐことに効果がある。
全芳香族ポリアミドと3価以上の多官能化合物とが混合した混合物または、全芳香族ポリアミド構造単位と3価以上の多官能化合物に由来する構造単位とが結合した多官能化合物変性芳香族ポリアミドを含むことで、耐薬品性の向上に効果がある。またここで、全芳香族ポリアミド構造単位とは、化学式(I)、(II)、(III)および(IV)で示される構造単位を含む構造単位をいう。ここで、3価以上の多官能化合物に由来する構造単位とは、例えば多官能エポキシ化合物、多官能イソシアネート化合物、多官能カルボジイミド化合物、多官能カルボン酸無水物などに由来する構造単位、または、3価以上の多官能化合物に由来する構造単位の一部または全てが硬化剤と結合した構造単位のことをいう。
本発明の樹脂組成物やフィルムにおける耐薬品性の向上については、全芳香族ポリアミド構造単位の末端基と3価以上の多官能化合物とが反応し、架橋構造をとることによるものと推察している。全芳香族ポリアミドと3価以上の多官能化合物とが混合した混合物、または、多官能化合物変性芳香族ポリアミドを含まない場合は、耐薬品性が低下しディスプレー用表示基板や太陽電池用基板を作成する際に、溶媒を用いる工程において、基板がカールしたりシワが発生したりする問題が発生することがある。
上記において、化学式(I)、(II)、(III)および(IV)で示される構造単位のモル分率をそれぞれl、m、n、oとしたとき、下記式(1)〜(4)を満たすことで、樹脂組成物やフィルムの高剛性、高耐熱性さらには低熱膨張係数を両立でき、さらに可視光における光線透過率を高めることができるため好ましい。
25≦l≦50 ・・・(1)
l+m=50 ・・・(2)
20≦n≦50 ・・・(3)
95≦l+m+n+o≦100 ・・・(4)
より好ましくは、l、m、n、oが下記式(5)〜(8)を満たすことである。
30≦l≦50 ・・・(5)
l+m=50 ・・・(6)
30≦n≦50 ・・・(7)
95≦l+m+n+o≦100 ・・・(8)
より好ましくは、l、m、n、oが下記式(9)〜(12)を満たすことである。
35≦l≦50 ・・・(9)
l+m=50 ・・・(10)
35≦n≦50 ・・・(11)
95≦l+m+n+o≦100 ・・・(12)
最も好ましくは、l、m、n、oが下記式(13)〜(16)を満たすことである。
40≦l≦50 ・・・(13)
l+m=50 ・・・(14)
40≦n≦50 ・・・(15)
95≦l+m+n+o≦100 ・・・(16)
式(1)は化学式(I)で示される構造単位の導入量を示し、lが25未満の場合はフィルムの100℃〜200℃までの平均熱膨張係数が大きくなり、本発明の樹脂組成物上に、半導体層やガスバリア層といった本発明の樹脂組成物と異なる物質層を形成した際に、カールや形成物質の欠陥が生じる問題が発生することがある。
式(3)は化学式(III)で示される構造単位の導入量を示し、nが20未満の場合はフィルムの100℃〜200℃までの平均熱膨張係数が大きくなり、本発明の樹脂組成物上に、半導体層やガスバリア層といった本発明の樹脂組成物と異なる物質層を形成した際に、カールや形成物質の欠陥が生じる問題が発生することがある。
上記した全芳香族ポリアミドは固有粘度(η)が1.5dl/g以上であることが好ましい。より好ましくは1.8dl/g以上であり、さらに好ましくは2.0dl/g以上であり、さらにより好ましくは2.2dl/g以上であり、さらにより好ましくは2.5dl/g以上であり、最も好ましくは3.0dl/g以上である。固有粘度(η)が1.5dl/g未満の場合は、得られる樹脂組成物の靭性が低くハンドリング性が低下し易い。固有粘度(η)を1.5dl/g以上とするには、化学式(I)、(II)、(III)および(IV)で示される構造単位のモル分率をそれぞれl、m、n、oとしたとき、次式(1)、(2)、(3)および(4)を満足せしめることで達成可能である。
本発明の樹脂組成物に含まれる3価以上の多官能化合は、多官能エポキシ樹脂および/または多官能イソシアネート樹脂であることが好ましい。より好ましくは多官能エポキシ樹脂であり、さらにより好ましくは、化学式(VI)で示される構造を含むことである。3価以上の多官能化合が多官能エポキシ樹脂や多官能イソシアネート樹脂でない場合は、耐薬品性の向上効果が低い場合がある。
Figure 2014005446
10,R11,R12:エポキシ基を有する基、またはイソシアネート基を有する基(ただし、これらの基を有する構造単位が分子内に混在していてもよい。)
本発明の樹脂組成物からなるフィルムにおいて、400nmの光の光線透過率は75%以上であることが好ましく、厚みが10μm以上であっても400nmの光の光線透過率が75%以上であることがより好ましい。上記の光線透過率は、より好ましくは80%以上であり、さらに好ましくは83%以上である。また、これらの好ましい光線透過率は、厚みが10μm以上であっても満たしていることが好ましい。
なお、厚みが薄くなれば光線透過率が向上することは自明であり、厚み10μm以上における400nmの光線透過率が75%以上であれば、厚み10μm未満における400nmの光線透過率は75%以上となる。また、厚みが10μmより薄いフィルムでのみ400nmの光線透過率が75%以上となる場合は、その厚みのフィルムを用いることも可能であるが、ハンドリング性を維持させるという観点から、フィルムの厚みは10μm以上であることが好ましい。このように、近紫外領域である400nmの光線透過率が75%以上であることで、さらに無色透明性が向上する。400nmの光線透過率が75%未満の場合は、ディスプレーとして使用した際に、表示画像の輝度や明度が低下する場合がある。厚み10μm以上のフィルムにおける400nmの光線透過率を75%以上とするためには、化学式(I)、(II)、(III)および(IV)で示される構造単位のモル分率をそれぞれl、m、n、oとしたとき、上記した(1)、(2)、(3)および(4)を満足せしめることで達成可能である。
本発明の樹脂組成物からなるフィルムにおいて、少なくとも一方向の100℃〜200℃での熱膨張係数が、−30ppm/℃〜30ppm/℃であることが好ましい。より好ましくは−25ppm/℃〜25ppm/℃であり、最も好ましくは−20ppm/℃〜20ppm/℃である。100℃〜200℃での熱膨張係数が、−30ppm/℃より小さい場合や30ppm/℃より大きい場合、本発明の樹脂組成物上に半導体層やガスバリア層といった本発明の樹脂組成物と異なる物質層を形成した際に、カールや形成物質の欠陥が生じることがある。100℃〜200℃での熱膨張係数を、−30ppm/℃〜30ppm/℃とするためには、化学式(I)、(II)、(III)および(IV)で示される構造単位のモル分率をそれぞれl、m、n、oとしたとき、上記した(1)、(2)、(3)および(4)を満足せしめることで達成可能である。
本発明の樹脂組成物からなるフィルムは、アセトンへの耐薬品性を示すことが好ましい。ここでいう、「アセトンへの耐薬品性」とは、JIS K5600−6−1:1999(方法3)に準じて評価し、「耐性あり」と判断されることである。また、詳細項目については以下の通り規定する。
試験板 :フィルム化したものを用いる。
寸法 :30mm×30mm
厚み :20μm
試験液 :アセトン
滴下箇所 :試験板の中央
期間 :30分
評価 :以下の(a)〜(c)のいずれにも該当しない場合は「○」、いずれか1項目に該当する場合は「△」、2項目以上に該当する場合は「×」と判断する。
(a)水平な台に置いたとき、試験板の最も低い位置と高い位置の差が3mm以上である。
(b)試験板がロール状に巻いた状態になり、1周以上のロールを形成する。
(c)滴下部分について、試験後のヘイズが試験前のヘイズより1%以上大きい。
試験板を調製するためのフィルム化は、以下の手順で作成する。
(1)樹脂をN−メチル−2−ピロリドンに溶解させる。
(2)ガラス板上に(1)で得られたポリマー溶液を展開する。
(3)ガラス板上に展開されたポリマー溶液中を、120℃/60minで乾燥する。
(4)ガラス板からフィルムを剥離し、金枠に固定する。
(5)フィルムを200℃×30分、230℃×3分熱処理を行う。
アセトンへの耐薬品性を向上させるには、全芳香族ポリアミドと3価以上の多官能化合物とが混合した混合物または、全芳香族ポリアミド構造単位と3価以上の多官能化合物に由来する構造単位とが結合した多官能化合物変性芳香族ポリアミドを含む樹脂組成物からフィルムを製造することで達成可能である。
本発明の樹脂組成物からなるフィルムにおいて、少なくとも一方の面の算術平均表面粗さ(Ra)が0.1nm以上10nm以下であることが好ましい。より好ましくは0.1nm以上7nm以下であり、最も好ましくは0.1nm以上5nm以下である。Raが10nmより大きくなると、フィルム表面で光が散乱し光線透過率が低下する場合がある。また他素材との複合体として使用する際に、接着性の低下や他素材への欠陥の原因となる場合がある。Raの下限は特に限定されるものではないが、実質的には0.1nm程度である。Raを上記範囲内とするためには、本発明の樹脂組成物を構成する成分が、化学式(I)、(II)、(III)および(IV)で示される構造単位を有していることが好ましく、無機粒子などの添加剤量が樹脂組成物に対して20質量%以下であることが好ましい。
次に、本発明において使用する全芳香族ポリアミドの製造例を説明するが、もちろんこれに限定されるものではない。
ポリアミド溶液を得る方法は種々の方法が利用可能であり、例えば、低温溶液重合法、界面重合法、溶融重合法、固相重合法などを用いることができる。低温溶液重合法つまりカルボン酸ジクロライドとジアミンから得る場合には、非プロトン性有機極性溶媒中で合成される。
カルボン酸ジクロライドとしてはテレフタル酸ジクロライド、2クロロ−テレフタル酸ジクロライド、イソフタル酸ジクロライド、ナフタレンジカルボニルクロライド、4,4’−ビフェニルカルボン酸ジクロライド、ターフェニルジカルボニルクロライドなどが挙げられるが、最も好ましくは4,4’−ビフェニルカルボン酸ジクロライド、テレフタル酸ジクロライド、イソフタル酸ジクロライドが用いられる。
ジアミンとしては例えば4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノ−3−メチルフェニル)フルオレン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、o−トリジン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル(m−トリジン)、1,1−ビス(4−アミノフェニル)シクロヘキサン、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジンなどが挙げられるが、好ましくは4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニルが挙げられる。
ポリアミド溶液は、単量体として酸ジクロライドとジアミンを使用すると塩化水素が副生するが、これを中和する場合には水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸リチウムなどの無機の中和剤、またエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、アンモニア、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンなどの有機の中和剤が使用される。
2種類以上のジアミンを用いて重合を行う場合、ジアミンは1種類ずつ添加し、該ジアミンに対し10〜99モル%の酸ジクロライドを添加して反応させ、この後に他のジアミンを添加して、さらに酸ジクロライドを添加して反応させる段階的な反応方法、およびすべてのジアミンを混合して添加し、この後に酸ジクロライドを添加して反応させる方法などが利用可能である。また、2種類以上の酸ジクロライドを利用する場合も同様に段階的な方法、同時に添加する方法などが利用できる。いずれの場合においても全ジアミンと全酸ジクロライドのモル比は45:51〜51:45が好ましく、この値を外れた場合、成形に適したポリマー溶液を得ることが困難となることがある。
本発明で用いる3価以上の多官能化合物としては、多官能エポキシ化合物、多官能イソシアネート化合物、多官能カルボジイミド化合物、多官能カルボン酸無水物が好ましく、これらを、単独または2つ以上を組み合わせて使用することができる。反応性、汎用性の点からより好ましくは、多官能エポキシ化合物、多官能イソシアネート化合物が用いられる。
多官能エポキシ化合物としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂、N,N,O−トリグリシジル−m−アミノフェノール、N,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノール、N,N,O−トリグリシジル−4−アミノ−3−メチルフェノール、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−メチレンジアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−2,2’−ジエチル−4,4’−メチレンジアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミンなどのグリシジルアミン型エポキシ樹脂、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアネートなどのトリアジン骨格を有するエポキシ樹脂、テトラフェニオールエタングリシジルエーテル、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタントリグリシジルエーテルなどが上げられるが、透明性や耐薬品性の点からトリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアネートが好ましい。
多官能イソシアネート化合物としては、旭化成ケミカルズ(株)製の製品名デュラネート TPA−100、デュラネート TLA−100、デュラネート TKA−100やビウレット 24A−100、X1072のイソシアネート化合物が例示できる。透明性や耐薬品性の点からデュラネート TPA−100が好ましい。なお、本発明で用いられるイソシアネート化合物は、経日変化を避けるためにアルコール、フェノール、オキシム等でブロック化したものを用いてもよい。
また、本発明において、全芳香族ポリアミドと多官能化合物とを反応させる際に、これらとは別に硬化剤を添加することもできる。硬化剤としては酸無水物、アミン化合物、ポリフェノール化合物などが挙げられる。特にアミン化合物の硬化剤を用いることで、全芳香族ポリアミドとの相溶性が向上するため好ましい。
酸無水物としては、例えば、フタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、マレイン酸無水物、コハク酸無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物などが挙げられる。
アミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリ
エチレンテトラミンなどの脂肪族ポリアミン、メンセンジアミン、イソホロンジアミン、
ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどの脂環族アミン、m−フェニレンジアミン、2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、ジアミノジフェニルメタン、α,α−ビス(4−アミノフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンなどの芳香族アミンが挙げられる。
ポリフェノール化合物としては、例えば、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック、t−ブチルフェノールノボラック、ジシクロペンタジエンクレゾール、テルペンジフェノール、テルペンジカテコール、1,1,3−トリス(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)ブタン、ブチリデンビス(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンなどが挙げられる。
全芳香族ポリアミドと多官能化合物とを反応させる場合、多官能化合物の添加量(仕込量)については、全芳香族ポリアミド100質量部に対して5質量部以上50質量部以下であることが好ましい。より好ましくは10質量部以上40質量部以下であり、さらに好ましくは20質量部以上40質量部以下である。多官能化合物の添加量(仕込み量)が5質部より少ない場合、十分な耐薬品性が得られないことがある。また、多官能化合物の添加量(仕込み量)が50質部を超える場合、架橋反応が進み過ぎてハンドリング性が低下することがある。さらに、硬化剤の添加量(仕込み量)は全芳香族ポリアミド100質量部に対して、0質量部以上60質量部以下とすることが好ましい。より好ましくは、0質量部以上30質部以下であり、さらに好ましくは、0質量部以上20質量部以下である。多官能化合物の添加量(仕込み量)が60質量部を超える場合、光線透過率の低下や十分な耐薬品性が得られないことがある。
本発明における全芳香族ポリアミドは、ジアミンとジカルボン酸ジクロライドを原料とした場合、原料の組成比によってアミン末端あるいはカルボン酸末端となる。全芳香族ポリアミドと3価以上の多官能化合物とが溶解した有機溶媒中を、室温以上の雰囲気にさらすことで、アミン末端あるいはカルボン酸末端が官能基と反応し多官能化合物変性芳香族ポリアミドが得られる。このことにより、全芳香族ポリアミドの分子鎖同士が架橋構造を形成し、耐薬品性が向上すると考えられる。
上記のようにアミン末端あるいはカルボン酸末端を有する全芳香族ポリアミドは、他のアミン、カルボン酸クロライド、カルボン酸無水物によって、末端封止を行ってもよい。
末端封止に用いる化合物としては塩化ベンゾイル、置換塩化ベンゾイル、無水酢酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、4−エチニルアニリン、4−フェニルエチニルフタル酸無水物、無水マレイン酸などが例示できる。
ポリアミドの製造において、使用する非プロトン性極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−、m−またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどを挙げることができ、これらを単独又は混合物として用いるのが望ましいが、更にはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素の使用も可能である。さらにはポリマーの溶解を促進する目的で溶媒には50質量%以下のアルカリ金属、またはアルカリ土類金属の塩を添加することができる。
本発明の樹脂組成物には、表面形成、加工性改善などを目的として10質量%以下の無機質または有機質の添加物を含有させてもよい。表面形成を目的とした添加剤としては例えば、無機粒子ではSiO、TiO、Al、CaSO、BaSO、CaCO、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、フラーレン、ゼオライト、その他の金属微粉末等が挙げられる。また、好ましい有機粒子としては、例えば、架橋ポリビニルベンゼン、架橋アクリル、架橋ポリスチレン、ポリエステル粒子、ポリイミド粒子、ポリアミド粒子、フッ素樹脂粒子等の有機高分子からなる粒子、あるいは、表面に上記有機高分子で被覆等の処理を施した無機粒子が挙げられる。
本発明の全芳香族ポリアミドおよび多官能化合物からなる樹脂組成物の製膜原液は、上記重合法によって得られた全芳香族ポリアミドポリマー溶液に多官能化合物を添加し、そのポリマー溶液を混練することで得ることができる。混練の際には25℃以上に加温しながら攪拌することが好ましい。25℃未満で攪拌した場合、多官能化合物が完全に溶解せずに欠点になる可能性がある。また多官能化合物の添加するタイミングについては、全芳香族ポリアミドの重合前後どちらに添加してもよい。
次にフィルム化について説明する。
上記のように調製された製膜原液は、いわゆる溶液製膜法によりフィルム化が行なわれる。溶液製膜法には乾湿式法、乾式法、湿式法などがありいずれの方法で製膜されても差し支えないが、ここでは乾式法を例にとって説明する。
乾式法で製膜する場合は該原液をスリットダイを用いた間欠コートや、バーコート、スピンコートなどにより塗布する。次いでかかる原液から溶媒を乾燥して除去する。
乾燥条件は例えば、室温〜220℃、180分以内の範囲で行なうことができる。乾燥時間、昇温速度は組成および膜厚によって制御されるが、片側にガラスが密着した状態で他方の片側からのみの乾燥となる為、溶媒の沸点+10℃の穏和な乾燥や、段階的な昇温が好ましい。急激に加熱すると発泡することがある。
次に200℃〜350℃、好ましくは220℃〜300℃の温度で数秒から数分間の熱処理を行ない、フィルムを得る。さらに、熱処理後に除冷することは有効であり、50℃/秒以下の速度で冷却することが有効である。また、熱処理は窒素やアルゴンなど不活性雰囲気下で行うことが好ましい。
他の製造プロセスとしては、フィルムの長手方向(製膜搬送方向。以下MDということがある)と、幅方向(フィルム面内で長手方向と直行する方向。以下TDということがある)ともに1.05倍以上2.50倍以下の延伸倍率にて延伸することが好ましい。MD方向の延伸倍率は好ましくは1.05倍以上1.50倍以下、より好ましくは1.05倍以上1.30倍以下、さらに好ましくは1.05倍以上1.20倍以下、より好ましくは1.06倍以上1.15倍以下である。TD方向の延伸倍率は好ましくは1.05倍以上2.50倍以下、より好ましくは1.05倍以上2.00倍以下、さらに好ましくは1.10倍以上1.80倍以下、より好ましくは1.10倍以上1.50倍以下である。また、MD方向の延伸倍率に対するTD方向の延伸倍率(倍率比)は、1.00以上、1.50以下が好ましい。より好ましくは1.00以上、1.30以下、より好ましくは1.00以上、1.20以下である。
フィルムの構造は、その原料によって決定される。原料が不明であるフィルムの構造分析を行う場合は、質量分析、核磁気共鳴法による分析、分光分析などを用いることができる。
フィルムの厚みは、0.01μm〜1,000μmであることが好ましい。より好ましくは、1μm〜100μmである。より好ましくは2μm〜50μm、より好ましくは2μm〜30μm、さらに好ましくは2μm〜20μmである。フィルムの厚みが1,000μmを超えると光線透過率が低くなることがある。またフィルムの厚みが0.01μm未満では加工性が低下することがある。なお、フィルムの厚みは用途により適切に選定されるべきものであることは言うまでもない。
本発明のフィルムは少なくとも一方向のヤング率が3GPa以上であることが加工時、使用時に負荷される力に対して抵抗でき、平面性が一層良好となるため好ましい。また少なくとも一方向のヤング率が3GPa以上であることによりフィルムの薄膜化が可能になる。
全ての方向のヤング率が3GPa未満であると、加工時に変形を起こすことがある。また、ヤング率に上限はないが、ヤング率が20GPaを超えると、フィルムの靱性が低下し、製膜、加工が困難になることがある。ヤング率は、より好ましくは、少なくとも一方向において5GPa以上であり、さらに好ましくは、少なくとも一方向において5.5GPa以上である。
また、ヤング率の最大値(Em)とそれと直交する方向のヤング率(Ep)の比、Em/Epが、1.1〜3であると、加工時の裁断性が向上するため好ましい。より好ましくは、1.2〜2.5であり、さらに好ましくは1.5〜2.5である。Em/Epが3を超えると、却って、破断しやすくなることがある。
上記した本発明のフィルムは表示材料用基板、太陽電池用基板、回路基板、光電複合回路基板、光導波路基板、半導体実装用基板、多層積層回路基板、透明導電フィルム、位相差フィルムとして好適に用いられるが、それだけでなくタッチパネル、コンデンサー、プリンターリボン、音響振動板、光記録媒体、磁気記録媒体のベースフィルム、包装材料、粘着テープ、接着テープ、加飾材料等種々の用途に好ましく用いられる。
表示材料について、本発明のフィルムを表示材料基板として用いると、薄膜化、軽量化、割れないという大きなメリットを有する表示材料を得ることができる。本発明の表示材料の種類は特に限定は無いが、薄膜、軽量がメリットとなる薄膜ディスプレイ、あるいは薄膜表示体であることが好ましい。薄膜ディスプレイとしては、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、電子ペーパーなどが例示できる。また、特殊な形状を付与したフィルムとしては、プリズムシート、光ファイバーや光導波路、レンズ、マイクロレンズアレイ、光学フィルタ、反射防止膜、平坦化膜、他素材へのコート剤、他素材と貼り合わせた積層品、成型品などに好適に利用できる。
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
本発明における物性の測定方法、効果の評価方法は次の方法に従って行った。
(1)固有粘度(η)
ウベローデ型粘度計を用い、臭化リチウム2.5質量%を含有するN−メチル−2−ピロリドン(NMP)100ml中にサンプル0.5gを溶解し、温度30℃にて下記式より計算した。
固有粘度(η)=ln(t/t0)/0.5 (dl/g)
t0:臭化リチウム5質量%含有のNMPの流下時間(秒)
t:サンプルを溶解した溶液の流下時間(秒)
(2)フィルム厚み
アンリツ株式会社製の接触式電子マイクロ厚み計 K351C(接触部:K−402B STAND)を用いて、フィルム内の5箇所の厚みを測定し、その平均値をフィルム厚みとした。
(3)波長400nmの光の光線透過率
下記装置を用いて測定し、下記式を用いて算出した。
透過率(%)=(Tr1/Tr0)×100
ただしTr1は試料を通過した光の強度、Tr0は試料を通過しない以外は同一の距離の空気中を通過した光の強度である。
装置:UV測定器U−3410(日立計測社製)
波長範囲:300nm〜800nm(うち、400nmの波長における値を利用)
測定速度:120nm/分
測定モード:透過
(4)平均熱膨張係数(100℃〜200℃での熱膨張係数)
平均熱膨張係数はJIS K7197−1991に準拠して250℃まで昇温した後の降温過程に於いて測定した。25℃、75RH%における初期試料長をL0、温度T1の時の試料長をL1、温度T2の時の試料長をL2とするとT1からT2の平均熱膨張係数を以下の式で求めた。
なお、T2=100(℃)、T1=200(℃)、L0=15mmである。
熱膨張係数(ppm/℃)=(((L2−L1)/L0)/(T2−T1))×10
昇温、降温速度:5℃/min
試料幅:4mm
荷重:フィルム厚み10μmのとき44.5mN
なお、フィルム厚みに比例して荷重は変更する。
加重=44.5(mN)×d(μm)/10(μm)
d(μm):フィルム厚み
(5)アセトンに対する耐性(アセトンへの耐薬品性)
JIS K5600−6−1:1999(方法3)に準じて評価し、「耐性あり」か否かを判断した。また、詳細項目については以下の通りである。
試験板 :フィルム化したものを用いる。
寸法 :30mm×30mm
厚み :20μm
試験液 :アセトン
滴下箇所 :試験板の中央
期間 :30分
評価 :以下の(a)〜(c)のいずれにも該当しない場合は「○」、いずれか1項目に該当する場合は「△」、2項目以上に該当する場合は「×」と判断する。アセトンに対する耐性は、△〜○であれば耐性有りと評価した。
(a)水平な台に置いたとき、試験板の最も低い位置と高い位置の差が3mm以上である。
(b)試験板がロール状に巻いた状態になり、1周以上のロールを形成する。
(c)滴下部分について、試験後のヘイズが試験前のヘイズより1%以上大きい。
試験板を調製するためのフィルム化は、以下の手順で作成する。
(1)樹脂をN−メチル−2−ピロリドンに溶解させる。
(2)ガラス板上に(1)で得られたポリマー溶液を展開する。
(3)ガラス板上に展開されたポリマー溶液中を、120℃/60minで乾燥する。
(4)ガラス板からフィルムを剥離し、金枠に固定する。
(5)フィルムを200℃×30分、230℃×3分熱処理を行う。
(6)算術平均表面粗さ(Ra)
デジタルインスツルメンツ社製原子間力顕微鏡NanoScopeIIIを用いて、以下の条件で測定した。
探針:ナノセンサーズ社製SPMプローブNCH−W型、単結晶シリコン
走査モ−ド :タッピングモ−ド
走査範囲 :30μm×30μm
走査速度 :0.5Hz
走査角度 :0°
Xオフセット:0nm
Yオフセット:0nm
測定環境 :温度23℃、相対湿度65%、大気中
また本測定における、うねり成分の「カットオフ」については、Flattenモードにより以下の条件にて実施した。
Flatten order :3
Data Scale :25nm
Color table :2
Color contrast:0
Color offset :2
<使用原料について>
実施例において原料は下記のものを使用した。また使用したジアミンおよび酸ジクロライドの構造式が明確なものについては化学式(VII)に示す。
[ジアミン]
ジアミン1:2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル(東レ・ファインケミカル株式会社製)
ジアミン2:4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(和歌山精化工業株式会社製)
ジアミン3:m−トリジン(和歌山精化工業株式会社製)
[酸ジクロライド]
酸ジクロライド1:テレフタル酸ジクロライド(東京化成工業株式会社製)
酸ジクロライド2:ビフェニルジカルボニルクロライド(東レ・ファインケミカル株式会社製)
酸ジクロライド3:イソフタル酸ジクロライド(東京化成工業株式会社製)
[多官能化合物]
多官能エポキシ化合物:TEPIC−S (日産化学工業株式会社製)
多官能イソシアネート化合物:デュラネート TPA−100(旭化成ケミカルズ株式会社製)
多官能イソシアネート化合物:デュラネート X1072(旭化成ケミカルズ株式会社製)
[二官能化合物]
二官能イソシアネート化合物:4,4’−ジイソシアネート−3,3’−ジメチルジフェニルメタン(シグマアルドリッチジャパン合同会社)
Figure 2014005446
(実施例1)
攪拌機を備えた300ml3つ口フラスコ中に無水塩化リチウム2.70gを入れ、窒素気流下攪拌をしながら110℃まで加熱して乾燥する。30℃まで放冷した後に、ジアミン1を5.89g、ジアミン2を1.14g、N−メチル−2−ピロリドン109mlを入れ窒素雰囲気下で攪拌した。次いで、0℃に冷却し30分かけて酸ジクロライド2 1.28gを5回に分けて添加し次いで、酸ジクロライド1 3.74gを5回に分けて添加した。添加終了後30分撹拌し、その後室温に戻し60分攪拌した。次に反応で発生した塩化水素を炭酸リチウムで中和して、全芳香族ポリアミドポリマー溶液を得た。
得られたポリマー溶液に水を入れてミキサーを用いてポリマーを粉砕し、濾取、乾燥してポリマーを単離した。単離したポリマーを固形分濃度が7質量%になるようにN−メチル−2−ピロリドンに溶解し全芳香族ポリアミド有機溶媒溶液を得た。その溶液に、多官能化合物としてTEPIC−Sをポリマー100質量部に対して30質量部となるように、硬化剤としてジアミン1をポリマー100質量部に対して4.5質量部となるように添加し、60℃で3時間攪拌して全芳香族ポリアミドと多官能化合物との混合溶液を得た。得られた混合溶液の一部をガラス板上に取り、バーコーターを用いて390μmの厚みの均一な膜を形成せしめた。これを120℃で60分間加熱し、自己支持性のフィルムを得た。得られたフィルムをガラス板から剥離して金枠に固定し、200℃で30分間加熱した。さらに、230℃で3分間熱処理を行いフィルムを得た(乾式製膜)。得られたフィルムの物性を測定し、表1に示した。
(実施例2〜9)
ジアミン、酸ジクロライド、多官能化合物、硬化剤の種類および添加量等を表1の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして重合・溶液調整・製膜を実施した。得られたフィルムの物性を測定し、表1に示した。
(実施例10)
ジアミン、酸ジクロライド、多官能化合物、硬化剤の種類および添加量等を表1の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして重合・溶液調整・製膜を実施した。良好なポリマー溶液を得たが、製膜工程後(230℃/3min)にフィルムが破断したため、光線透過率と熱膨張係数の測定は出来なかった。しかし、破断したサンプル(20mm×20mm)を用いて、アセトンへの耐薬品性およびAFMの測定を実施した。結果を表1に示す。
(実施例11、12)
ジアミン、酸ジクロライド、多官能化合物、硬化剤の種類および添加量等を表1の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして重合・溶液調整・製膜を実施した。得られたフィルムの物性を測定し、表1に示した。
(比較例1)
多官能化合物と硬化剤を添加しないこと以外は、実施例1と同様にして重合・溶液調整・製膜を実施した。得られたフィルムの物性を測定し、表1に示した。
(比較例2)
多官能化合物の代わりに、二官能イソシアネート化合物(4,4’−ジイソシアネートー3,3’−ジメチルジフェニルメタン)を用いること以外は、実施例1と同様にして重合・溶液調整を実施した。しかしながら、全芳香族ポリアミド有機溶媒溶液に二官能イソシアネート化合物は溶解せず、良好なポリマー溶液およびフィルムを得る事ができなかった。
Figure 2014005446

Claims (9)

  1. 化学式(I)、(II)、(III)および(IV)で示される構造単位のモル分率をそれぞれl、m、n、oとしたとき、次式(1)、(2)、(3)および(4)を満足する全芳香族ポリアミドと3価以上の多官能化合物とが混合した混合物、または、化学式(I)、(II)、(III)および(IV)で示される構造単位を含む全芳香族ポリアミド構造単位と3価以上の多官能化合物に由来する構造単位とが結合した多官能化合物変性芳香族ポリアミド、を含む樹脂組成物。
    25≦l≦50 ・・・(1)
    l+m=50 ・・・(2)
    20≦n≦50 ・・・(3)
    95≦l+m+n+o≦100 ・・・(4)
    Figure 2014005446
    、R:−CF、−F、−OCH、−CH、−NO、−CN、−Brから選らばれる基。(ただし、分子内においてこれらの置換基を含む構造単位が混在していてもよい。)
    、R:任意の基(n:1〜3の整数)
    Figure 2014005446
    、R:任意の基(n:1〜4の整数)
    :Siを含む基、Pを含む基、Sを含む基、芳香族を含む基、エーテル結合を有する基から選ばれる基。(ただし、分子内においてこれらの置換基を含む構造単位が混在していてもよい。)
    Figure 2014005446
    Figure 2014005446
    :任意の芳香族基
  2. 全芳香族ポリアミドの固有粘度(η)が1.5dl/g以上である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 3価以上の多官能化合物が多官能エポキシ樹脂および/または多官能イソシアネート樹脂である、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 3価以上の多官能化合物が化学式(V)で示される構造を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
    Figure 2014005446
    10,R11,R12:エポキシ基を有する基、またはイソシアネート基を有する基(ただし、これらの基を有する構造単位が分子内に混在していてもよい。)
  5. 請求項1に記載の樹脂組成物からなるフィルム。
  6. 厚みが10μm以上であって、400nmの光線透過率が75%以上である、請求項5に記載のフィルム。
  7. 少なくとも1方向の100℃〜200℃での熱膨張係数が、−30ppm/℃〜30ppm/℃である、請求項5または6に記載のフィルム。
  8. アセトンへの耐薬品性を示す、請求項5〜7のいずれかに記載のフィルム。
  9. 少なくとも一方の面の算術平均表面粗さ(Ra)が0.1nm以上10nm以下である、請求項5〜8のいずれかに記載のフィルム。
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