JP2014005482A - 高炉の操業方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低揮発分炭を含む微粉炭を吹き込みながら銑鉄を製造したとしても、高炉内の通気性の低下を確実に防止して安定的に銑鉄を製造することができるようにする。
【解決手段】高炉の羽口から熱風と共に低揮発分炭を含む微粉炭を吹き込みながら銑鉄を製造するに際し、PCR×V/100≦273P(ただし、P>0)、PCR×V/100≧90を満たすように、低揮発分炭を含む微粉炭を吹き込む。PCRは銑鉄1トン当たりの微粉炭の吹き込み量(kg/溶銑t)、Vは吹き込んだ全微粉炭中の低揮発分炭の配合比(%)、Pは全鉄源中の自溶性ペレットの配合量(T/溶鉄t)である。
【選択図】図1

Description

本発明は、高炉の羽口から熱風と共に低揮発分炭を含む微粉炭を吹き込みながら銑鉄を製造する高炉の操業方法に関する。
従来から、高炉では、その上部から鉄鉱石、コークス、石灰石などの原料を層状に装入し、下部から熱風を吹込んで、鉄鉱石の還元、溶解等の一連の反応を行わせ、銑鉄を製造している。高炉の操業では、還元材として、微粉炭を高炉の羽口から熱風と共に吹き込んで操業しており、この技術として特許文献1〜特許文献4に示すものがある。
特許文献1は、微粉炭吹き込み量が120kg/tを越える高炉への微粉炭吹き込み操業において、揮発分が20質量%以下の低揮発分炭を使用するに際して、全微粉炭の10〜38質量%を該低揮発分炭とし、かつ揮発分が30質量%以上の高揮発分炭を62〜90質量%混合して羽口から吹き込んでいる。
特許文献2は、高炉羽口から160kg/pt以上の吹込量で微粉炭を吹き込む高炉操業方法において、配合されるいずれの炭種の揮発分含有率も25質量%以下である微粉炭を吹き込むとともに、Al23含有率が1.75質量%以上で、かつCaO含有率とSiO2含有率との和からMgO含有率を差し引いた値が11質量%以下の焼結鉱を炉頂部から装入している。
特許文献3は、高炉送風羽口より熱風と共に微粉炭を吹込む高炉操業方法において、微粉炭の許容揮発分含有量が、−0.2×(PC/R)+60、但し、PC/R(微粉炭比)=微粉炭量(kg/hr) /出銑量で示される値以下となるように石炭を配合して高炉内に吹き込んでいる。
特許文献4は、羽口部から微粉炭を高炉の内部に吹込む高炉操業法において、低揮発分含有微粉炭吹込み位置の手前より、高揮発分含有微粉炭を吹き込んでいる。
特許4224218号公報 特開4572734号公報 特開2000−282112号公報 特開平06−128614号公報
上述した特許文献1〜4は、微粉炭を吹き込んで高炉の操業を行う技術であって、微粉炭のうち低揮発分炭を吹き込む技術も開示されているが、これらの技術を用いたとしても高炉の通気性が低下する場合があった。
そこで、本発明は上記問題点を鑑み、低揮発分炭を含む微粉炭を吹き込みながら銑鉄を製造したとしても、高炉内の通気性の低下を確実に防止して安定的に銑鉄を製造することができる高炉の操業方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明に係る高炉の操業方法は、高炉の羽口から熱風と共に低揮発分炭を含む微粉炭を吹き込みながら銑鉄を製造するに際し、式(1)〜式(2)を満たすように、前記低揮発分炭を含む微粉炭を吹き込むことを特徴とする。
PCR×V/100≦273P ・・・(1)
PCR×V/100≧90 ・・・(2)
ただし、
PCR:銑鉄1トン当たりの微粉炭の吹き込み量(kg/溶銑ton)
V:吹き込んだ全微粉炭中の低揮発分炭の配合比(%)
P:全鉄源中の自溶性ペレットの配合量(ton/溶鉄ton)
P=鉱石比(ton/溶鉄ton)×自溶性ペレット配合比(%)
P>0
なお、「ton/溶銑t」とは、溶鉄1ton当たりのton数のことである。以降、「ton/溶銑t」のことを「T/溶鉄t」と表すこととする。また、この表記に合わせて、「kg/溶銑ton」のことを「kg/溶銑t」と表すこととする。
本発明によれば、低揮発分炭を含む微粉炭を吹き込みながら銑鉄を製造したとしても、高炉内の通気性の低下を確実に防止して安定的に銑鉄を製造することができる。
高炉の全体の概念図を示したものである。 低揮発分炭の吹き込み量と、高炉の下部通気抵抗指数との関係図である。 高炉の操業に用いた低揮発分炭の吹き込み量を90kg/t以上として、自溶性ペレットに対する低揮発分炭の吹き込み量の割合(揮発分炭の吹き込み量/自溶性ペレット)と、下部通気抵抗指数との関係図である。
以下、本発明に係る高炉の操業方法の実施の形態を、図をもとに説明する。
図1は、高炉の全体の概略図を示したものである。
図1に示すように、高炉1は、外部を鋼板製の鉄皮で覆い且つ、内部を耐火物で内張りされた炉体2を有している。高炉1の炉体2は、上部から下方にかけて下広がりになっており、上からシャフト部3、直胴状のベリー部4、さらにその下に、上広がりのボッシュ部5、そして最下部の炉床部6を有する。炉床部6の側壁には、炉内に熱風や微粉炭を吹き込む開口(羽口7)が設けられている。また、炉床部の側壁には、銑鉄(溶銑)を取り出す出銑口8が設けられている。
このような高炉1では、炉体2の上方から焼結鉱、ペレット状にした粉鉱石、コークス、石灰石などの原料を投入すると共に、羽口7から熱風を吹き込むと共に微粉炭を吹き込むことにより、銑鉄を製造する。
近年、世界的に粗鋼生産量が増加していることから、高炉の還元材の一部として使用される微粉炭の需要も多くなってきており、燃焼性の高い高揮発分炭は減少する傾向にある。そんな中、燃焼性が低い低揮発分炭を使用することも検討されている。例えば、特許第4224218号公報では、全微粉炭のうち低揮発分炭の割合を規定することによって燃焼効率を向上させたり、特許第4572734号公報では、投入するCaO等の配合割合を調整することにより未燃焼の低揮発性分炭を消失させたり、特開2000−282112号公報では、許容揮発分含有量を規定することによる石炭の配合を規定している。しかしながらこれらの技術を用いたとしても、未燃焼の微粉炭の消費を促進しつつ通気性を確保することが難しく、低揮発分炭を使用するためには、新しい技術の開発が必要である。
そこで、発明者らは、まず、低揮発分炭の使用による高炉の通気性についての調査を行った。高炉の通気性は、特開2004−263258号公報の段落0011に示されているように、通気抵抗指数の値で評価されるもので、通気抵抗指数が小さい場合、炉下部で発生した還元ガスが安定して炉内を流れ、操業が安定(鉱石の還元や装入物の昇温が安定)することから、通気抵抗指数が小さいほどよいとされている。この通気抵抗指数は、高炉の送風絶対圧力をPb(g/cm)とし、炉頂絶対圧力をPb(g/cm)とし、炉下部で発生するガス量をVb(Nm/min)としたき、[(Pb−Pt)/Vb1.7]で求められる値である。
なお、Pb(g/cm)とは、特開2004−263258号公報の段落0014に示されているように、高炉のボッシュ部におけるガス量( Vb )のことで、送風空気中のN量( Nair×0.79) と、送風空気中のOおよび送風空気中に富化されたOと微粉炭との燃焼反応(O+2C→2CO) により生成するCO量( 2×Nair×0.21+2×NO) との総和として表される。具体的には、[Vb= Nair×0.79+2×Nair×0.21+2×NO]で表される。Nairは、送風空気量(Nm/min) 、NOは、送風空気中への酸素富化量(Nm/min)であ
る。
ここで、未燃焼の低揮発分炭は、高炉の下部で滞留して当該高炉の通気性を阻害すると考えられることから、本発明では、高炉の通気性は、高炉の炉頂ではなく高炉の中段(シャフト2段)に備えられている圧力計の絶対圧力を用いて評価することとした。また、高炉の下側であってシャフト2段での通気性について評価したことから、通気抵抗指数を「下部通気抵抗指数」として表することとする。下部通気抵抗指数が2.0より大きくなると、通気障害による減風が生じることから、下部通気抵抗指数は2.0以下であることが好ましい。なお、この実施形態では、高炉の中段であるシャフト2段に圧力計を設けて通気性について評価しているが、圧力計の位置及び下部通気抵抗指数の数値は限定されない。例えば、圧力計の位置は、高炉の下部通気抵抗が測定できる位置であって高炉の融着帯10を含む位置に設定することが好ましい。また、下部通気抵抗指数は、通気性の度合いを示すものであるため、それ自体の数値も限定されない。例えば、高炉の操業において下部通気抵抗指数の上限値を設定して、当該上限値以下にすればよい。
図2は、低揮発分炭の吹き込み量と、高炉の下部通気抵抗指数との関係をまとめたものである。図2に示すように、低揮発分炭の吹き込み量が増加すると、下部通気抵抗指数が上昇する傾向にある。低揮発分炭の吹き込み量が90kg/溶銑t以上になると下部通気抵抗指数が2.0を超えてしまう傾向にある。しかしながら、実際の操業では、上述したように、世界的に粗鋼生産量が増加するに伴う高揮発分炭の減少に対応して、高揮発分炭の代わりに多くの低揮発分炭を使用する必要があり、例えば、上述したように、低揮発分炭の吹き込み量を90kg/溶銑t以上用いたとしても下部通気抵抗指数を低下させないようにする、即ち、下部通気抵抗指数を2.0以下にすることが必要である。
そこで、発明者らは、低揮発分炭の吹き込み量を90kg/溶銑t以上にしても下部通気抵抗指数は2.0以下にできる方法は無いか様々な角度から検証した。その結果、後述するように、自溶性ペレットと、微粉炭の吹き込み量と、全微粉炭中の低揮発分炭の配合比とのバランスを考慮することによって、低揮発分炭の吹き込み量を90kg/溶銑t以上にしても下部通気抵抗指数は2.0以下にすることができることを見いだした。なお、低揮発性分炭とは、特許第4224218号公報に記載に記載されているように、揮発分が20%以下であり、高揮発性分炭とは、揮発分が30%以上のものである。揮発分は、石炭類の工業分析(JIS M 8812)により求めることができる。
鉄鉱材料(鉄原)としてペレットが良く用いられている。このペレットは、焼結鉱に比べ、気孔が少ないため界面積が小さく、間接還元比率が低い一方で直接還元比率が高い傾向がある。そのため、ペレットを使用すると、直接還元を行うカーボンが多く必要となり、より多くの微粉炭を消費し易くなる。ペレットは、自溶性でないペレット(非自溶性ペレット)と、自溶性ペレットとに分けられ、これらいずれも微粉炭を消費し易い傾向にあるが、それぞれ下記に示すような傾向がある。
非自溶性ペレットは、高温還元性が劣っていると共にCaO/SiO(C/S)が低いものが多いため、これを使用した場合、高炉排出スラグのC/S調整のための多くの副原料が必要となる。また、非自溶性ペレットは溶融し難い性質もあることから、融着帯10の幅が大きくなり、高炉の通気性を低下させてしまう可能性がある。
一方、自溶性ペレットは、非自溶性ペレットに比べて溶融性が高く、直接還元性も高いことから、微粉炭、特に、揮発性の低い低揮発分炭を使用して未燃微粉炭が残留しても高炉下部で消費し易く、融着帯10の幅の拡大を抑制して、高炉の通気性を向上させることができる。このようなことから、本発明では、低揮発分炭を用いて操業するに際しては、ペレットのうち、自溶性ペレットの量(供給量)を用いることとし、低揮発分炭と自溶性ペレットとを同時に用いることによって、多くの低揮発分炭をしても高炉の通気性を確保することとした。
具体的には、銑鉄1トン当たりの微粉炭の吹き込み量をPCR(kg/溶銑t)とし、吹き込んだ全微粉炭中の低揮発分炭の配合比をV(%)とし、全鉄源中の自溶性ペレットの配合量をP(T/溶鉄t)としたとき、式(1)及び式(2)を満たすように、低揮発分炭と、自溶性ペレットとを用いて操業することとしている。
PCR×V/100≦273P ・・・(1)
PCR×V/100≧90 ・・・(2)
ただし、
P>0
全微粉炭中の低揮発分炭の配合比V(%)とは、全微粉炭粉炭量を100%とした時の全微粉炭に含まれる低揮発分炭配合割合のことで、例えば、微粉炭吹込み量が60t/hのときに、低揮発分炭を30t/h使用した場合は30/60×100で50%となる。
全鉄源中の自溶性ペレットの配合量P(T/溶鉄t)とは、鉱石比(T/溶鉄t)×自溶性のペレット配合比(%)で表されるもので、鉱石比(T/溶鉄t)のうち自溶性ペレットの量のことである。ここで、鉱石比とは、溶銑1トン当たりに使用する鉱石の原単位(T/溶銑t)である。自溶性のペレット配合比(%)は、高炉の原料のうち鉄源となる原料を100%とした時の自溶性ペレット配合割合のことである。例えば、鉄源となる原料が16000t/日で自溶性ペレットを1600t/日使用した場合は、自溶性のペレット配合比(%)は、1600/16000×100で10%となる。また、鉱石比が1.6(T/溶鉄t)で自溶性ペレット10%使用した場合は、全鉄源中の自溶性ペレットの配合量P(T/溶鉄t)は、0.16(T/溶鉄t)となる。
なお、補足すると、式(1)及び式(2)の「PCR×V/100」は、低揮発分炭の吹き込み量であり、式(1)は、低揮発分炭の吹き込み量と自溶性ペレットとの関係、式(2)は、低揮発分炭の吹き込み量が90kg/溶銑t以上であることを示している。
図3は、高炉の操業に用いた低揮発分炭の吹き込み量を90kg/t以上として、自溶性ペレットに対する低揮発分炭の吹き込み量の割合(揮発分炭の吹き込み量/自溶性ペレット)と、下部通気抵抗指数との関係をまとめたものである。図3に示すように、自溶性ペレットに対する揮発分炭の吹き込み量の割合、即ち、式(1)を満たす場合、下部通気抵抗指数を2.0以下にすることができる。
表1、2は本発明の高炉の操業方法で高炉の操業を行った実施例と、本発明とは異なる方法で高炉の操業を行った比較例とを示したものである。
Figure 2014005482
Figure 2014005482
まず、実施例及び比較例における実施条件について説明する。
高炉は、炉内容積が5400mであるものを用いた。還元材として、微粉炭及びコークスを用い、微粉炭比は144〜203kg/溶銑t、コークス比は300〜361kg/溶銑tとした。
鉄源として、自溶性ペレット、焼結鉱、塊鉱石、非自溶性ペレットを用いた。自溶性ペ
レットの配合比は21.9〜29.1%、焼結鉱の配合比は42〜51%、塊鉱石は20〜21%、非自溶性ペレットは0〜15.1%とした。自溶性ペレットと非自溶性ペレットの合比は、28〜38%とした。なお、自溶性ペレット以外の条件は、何でもよい。また、自溶性ペレットは、特許第4418836号公報に示されているように、0.8≦CaO/SiO(C/S)≦2.0且つ0.4≦MgO/SiO(Mg/S)≦1.1であり、高温荷重還元試験の圧損急昇温度(Ts)が1310℃上なるものである。圧損急昇温度(Ts)は、Ts=110×C/S+100×M/S+25×%TFe−480で求められるもので、%TFeは全鉄分含有量(質量%)である。副原料は当業者常法通りのものを用いた。出銑量は、9577〜10784t/日とした。なお、生産量及び副原料は、限定しない。
低揮発分炭比率(低VM比率)は、0より大きく70%以下とし、高揮発分炭比率(高VM比率)は、30以上100%未満とした。低揮発分炭VMは、13〜20%、高揮発分炭VMは、32〜44.3%とした。送風圧力は、熱風炉から高炉へ吹き込まれた熱風の圧力計測値を用い、炉下部圧力は、シャフト中段(2段)で通常操業に融着帯10を含む位置で計測された炉体圧力値を用いた。
実施例1〜31では、低揮発分炭の吹き込み量を示す「低VM量(式1の左辺値)」の欄の値が、90kg/溶銑t以上であって、式(2)を満たしており、多くの低揮発分炭を吹き込んで高炉の操業を行っている。このような操業のうえで、実施例1〜31では、低揮発分炭の吹き込み量(低VM量)は、自溶性ペレットの指数を示す「式1の右辺値」の値(指数)よりも小さく式(1)を満たしているため、下部通気抵抗指数を2.0以下にすることができる。
一方、比較例1〜25では、低VM量が「式1の右辺値」の値(指数)よりも大きく、式(1)を満たしていないため、下部通気抵抗指数は2.0よりも大きくなった。
以上 本発明によれば、式(1)及び式(2)を満たしているため、低揮発分炭を含む微粉炭を吹き込みながら銑鉄を製造したとしても、高炉内の通気性の低下を確実に防止して安定的に銑鉄を製造することができる。
なお、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な事項を採用している。
1 高炉
2 炉体
3 シャフト部
4 ベリー部
5 ボッシュ部
6 炉床部
7 羽口
8 出銑口
10 融着帯

Claims (1)

  1. 高炉の羽口から熱風と共に低揮発分炭を含む微粉炭を吹き込みながら銑鉄を製造するに際し、式(1)及び式(2)を満たすように、前記低揮発分炭を含む微粉炭を吹き込むことを特徴とする高炉の操業方法。
    PCR×V/100≦273P ・・・(1)
    PCR×V/100≧90 ・・・(2)
    ただし、
    PCR:銑鉄1トン当たりの微粉炭の吹き込み量(kg/溶銑ton)
    V:吹き込んだ全微粉炭中の低揮発分炭の配合比(%)
    P:全鉄源中の自溶性ペレットの配合量(ton/溶鉄ton)
    P=鉱石比(ton/溶鉄ton)×自溶性ペレット配合比(%)
    P>0
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