JP2014006010A - ヒートポンプ給湯機 - Google Patents

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Abstract

【課題】周囲の環境条件に合わせてヒートポンプ冷媒回路の運転を行うことにより騒音問題を良好に抑制することができるヒートポンプ給湯機を提供する。
【解決手段】タンク10と、このタンクに貯留される液体を加熱するヒートポンプ冷媒回路とを有するヒートポンプ給湯機において、音量を検知する音量検出器60とを備え、音量検出器により検出される値に応じて、ヒートポンプ冷媒回路の運転時の加熱能力を変化させる機能を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ヒートポンプ給湯機に関するものである。
貯湯式のヒートポンプ給湯機は、主として深夜時間帯に沸き上げ運転を行うため、その運転音が問題になる場合がある。ヒートポンプ給湯機の運転音は、一般的には、38〜45dB程度であり、比較的運転は小さい(静かな)音である。この運転音は、加熱能力や季節により変化し、加熱能力が大きい場合(出力が大きい場合)や、外気温度や水温が低下する冬期条件においては、圧縮機の回転数や、送風機の回転数が大きくなり(増速し)、一般的には運転音が大きくなる。このため、周囲の環境(騒音状況)によっては、騒音として問題視される場合がある。昼間、繁華街や工業地帯などの周囲の騒音が大きい条件下においては、目立たなくても、深夜の住宅街などの騒音が極めて小さい場所では、この38dB程度であっても運転音が騒音となる場合もある。
特許文献1のヒートポンプ給湯機は、これに鑑み、貯湯タンク内の残湯量を検出する手段を備え、夜間時間帯の沸き上げ運転時には外気温度と貯湯タンクの残湯量により沸き上げの加熱能力を可変するとともに、昼間の時間帯の沸き上げにおいては、加熱能力を最大として運転を行い、深夜の沸き上げ運転においてはヒートポンプユニットの運転音の低減を図るとともに、昼間の湯切れの防止を図っている。
特開2009−287794号公報
ところで、上記従来のヒートポンプ給湯機は、残湯量によっては、深夜における加熱能力の低減を行うことにより、運転音を低減することができ、騒音問題発生の抑制を図ることができる。
しかしながら、上記従来のヒートポンプ給湯機は、運転音の大小とは本来無関係な残湯量の大小によって加熱能力が決定されるものであるため、周囲の環境条件を考慮したものとは言えず、騒音問題の発生を良好に抑制することができないのが実情である。
そこで、本発明は、周囲の環境条件に合わせてヒートポンプ冷媒回路の運転を行うことにより騒音問題を良好に抑制することができるヒートポンプ給湯機を目的とする。
本発明は、タンクと、このタンクに貯留される液体を加熱するヒートポンプ冷媒回路とを有するヒートポンプ給湯機において、音量を検知する音量検出器とを備え、音量検出器により検出される値に応じて、前記ヒートポンプ冷媒回路の運転時の加熱能力を変化させる機能を有することを特徴とする。
本発明によれば、周囲の環境条件に合わせてヒートポンプ冷媒回路の運転を行うことにより騒音問題を良好に抑制することができる。
本発明の実施形態に係るヒートポンプ給湯機において、ヒートポンプ冷媒回路、貯湯回路、給湯回路、運転制御手段、及び部品の概略構成の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係るヒートポンプ給湯機の沸き上げ運転の一例の図である。 本発明の実施形態に係るヒートポンプ給湯機における騒音の検出と運転モード決定に関するフローである。 本発明の実施形態に係るヒートポンプ給湯機における騒音の検出と運転加熱能力の設定に関するタイムチャートである。
ヒートポンプ給湯機は、一般的に、夜間の割引電気料金を利用してヒートポンプユニット30に備えられるヒートポンプ冷媒回路の運転を行い、水を加熱して高温水として貯湯タンクに蓄えて置き、昼間は、蛇口を開いた湯水の使用時に前記貯湯タンク内の高温水に水を混ぜて適温水として給湯するものである。
ヒートポンプ給湯機には、家庭での使用湯量にあわせ、数種の貯湯タンクの容量が設定されているが、370Lまたは460Lの貯湯タンクを有したシステムがもっとも一般的であり、市場のほとんどを占めている。貯湯ユニット40の容量にあわせ組み合わされるヒートポンプ冷媒回路の加熱能力(出力)も設定されており、一般的には、貯湯タンク容量370Lには加熱能力4.5kWのヒートポンプユニット30が、貯湯タンク容量460Lには、加熱能力6.0kWのヒートポンプユニット30が組み合わされる。この組み合わせは、深夜電力が利用可能な夜間時間(一般的には深夜の23時から朝の7時までの8時間)内で、組み合わされた貯湯タンクの全容量の沸き上げが可能な加熱能力が設定されている。特に、外気温度が低く、水温が低下する冬期条件などでは設定された加熱能力が必要となる。一方、夏期や中間期(春、秋)では入水温度が高いため、必ずしも所定の加熱能力は必要ではなく、夏期などでは、加熱能力を低減させた運転を行う場合もある。
ヒートポンプ冷媒回路の加熱能力は、組み合わされた貯湯ユニット40のタンク容量が沸き上げ可能な能力に設定されているが、実際には、家庭のお湯の使用量や沸き上げ時の水温などにより必要な加熱能力は変化し、通常設定されている加熱能力以下で沸き上げ可能な場合が多い。また、深夜電力に限定せず、湯水の量が不足した場合は、朝や夕方に沸き上げを行う運転を行ってもよく、以上から、必ずしも設定された加熱能力で常時運転を行う必要はない。
一般的に冷凍サイクルは加熱能力を低減させた運転を行ったほうがサイクル効率が向上し、成績係数(COP)が向上する。このため、所定の加熱能力の運転より加熱能力を低減させた運転を行うことにより、効率よく運転することができ、一層の省エネ、光熱費の低減、および運転音の低減が可能となる。また、一方では、貯湯式のヒートポンプ給湯機は、貯湯タンク内に蓄えられた湯水を用いて給湯を行うため、家庭内で給湯を多く使用し、貯湯タンク内の湯水が減少するとお湯が使用できなくなる「湯切れ」という問題が発生する。このため、湯切れを発生ないようにするため、貯湯タンクの残湯量を監視し、適宜ヒートポンプ冷媒回路の沸き上げ運転を行うなどの制御を行っている。ヒートポンプ冷媒回路はガス給湯器などと異なり、時間をかけてお湯が作られる加熱能力となっているため、湯切れが発生した場合は、ヒートポンプ冷媒回路で沸き上げ運転を行っても、すぐに給湯で湯水を使用することはできない。このため、貯湯式では湯切れを防止するとともに、省エネ、低騒音をいかに図るかが重要となる。
まず、ヒートポンプ給湯機の構成および動作について説明する。図1はヒートポンプ給湯機の構成を示す。ヒートポンプ給湯機はヒートポンプ冷媒回路の構成部品を収納したヒートポンプユニット30と、貯湯タンク及び給湯回路構成部品を収納した貯湯ユニット40で構成され、それぞれの制御部は通信し、お互いの状況を監視しているとともに、ユーザーへのインターフェースとしてリモコン50を備えている。
ヒートポンプ冷媒回路は、圧縮機1、水冷媒熱交換器2、減圧装置4、空気熱交換器5を、それぞれ冷媒配管を介して直列に接続して構成されており、その中に炭酸ガス(CO2)冷媒が封入されている。
圧縮機1はPWM制御、電圧制御(例えばPAM制御)及びこれらの組み合わせ制御により、低速(例えば700回転/分)から高速(例えば6000回転/分)まで回転数制御ができるようになっている。ヒートポンプ冷媒回路の出力である加熱能力は基本的に一定で運転を行うため、外気温度の高い夏期では圧縮機1は低速で運転し、外気温度の低い冬期では高速で運転するなど、外気温度の状況や入水温度、出湯温度に応じて回転数を制御している。
水冷媒熱交換器2は、圧縮機1から吐出された高温冷媒を流す冷媒側伝熱管と、貯湯タンク10の下側の低温水を循環し水冷媒熱交換器2で加熱するための水側伝熱管とで構成され、冷媒側伝熱管と水側伝熱管との間で熱交換を行い、冷媒管に流れる冷媒の熱を水に伝達し、水の温度を上昇させる。
貯湯タンク10内の低温水は、貯湯タンク10底部から水冷媒熱交換器2の水側伝熱管に循環ポンプ15により流入され冷媒側伝熱管によって徐々に加熱され、規定温度まで加熱されて貯湯タンク10の上部から貯湯される。
次に、減圧装置4としては一般に電動膨張弁が使用され、水冷媒熱交換器2を経て送られてくる中温高圧冷媒を減圧し、蒸発し易い低圧冷媒として空気熱交換器5へ送る。また、減圧装置4はヒートポンプ冷媒回路の絞り量を変えてヒートポンプ冷媒回路内の冷媒循環量を調節する働きや、冬期低温時にヒートポンプ運転して空気熱交換器5に着霜した場合、前記絞り量を全開にして中温冷媒を空気熱交換器5に多量に送って霜を溶かす除霜装置の役目も行う場合もある。
空気熱交換器5は送風機6の回転により外気を取り入れ空気と冷媒との熱交換を行い、外気から熱を吸収する役目を行う。
貯湯ユニット40は貯湯、給湯などを行うための水循環回路を備えて構成されている。
貯湯回路は、夜間定期的に行う貯湯運転、及び残湯量が規定値以下になった場合のみ運転するタンク沸き上げ運転によって貯湯タンク10に高温水を貯めるための水回路で、貯湯タンク10、循環ポンプ15、水冷媒熱交換器2、貯湯タンク10が水配管を介して順次直列に接続され構成されている。
給湯回路は、給水金具7、減圧弁8、給水水量センサ9、貯湯タンク10、湯水混合弁12、給湯金具13が水配管を介して順次直列に接続され構成されている。水量センサは場合によっては設けずとも制御ができる場合もあり、また、直接水道水を熱交換し給湯するような直接給湯形の給湯機では、減圧弁8を備えていない場合もある。
なお、給水金具7は主として水道などの給水源に接続され、給湯金具13は蛇口14などの家庭内の給湯負荷に接続されている。
なお、給湯機としては、風呂の湯張りの回路や追い焚きの回路(ともに図示せず)を備えているものもある。
次に、ヒートポンプ冷媒回路のヒートポンプユニット制御手段52は、ヒートポンプ冷媒回路の運転・停止並びに圧縮機1の回転数制御を行うと共に、減圧装置4の冷媒絞り量調整など主として冷凍サイクルの運転を制御し、貯湯ユニット40の貯湯ユニット制御手段51は、給湯などの温度調整である湯水混合弁の制御や貯湯タンクの湯水の残湯量を検出し、貯湯タンクの沸き上げタイミングや沸き上げ温度を制御したりし、この貯湯ユニット制御手段51とヒートポンプユニット制御手段52は連携し、給湯機の制御を行っている。ユーザーのインターフェースとしてはリモコン50を備え、給湯温度の設定やエラーの表示運転モードの変更などができるようになっている。循環ポンプはヒートポンプユニット30に備えても、貯湯ユニット40に備えてもよく、タンク下部の水を循環させ、規定温度で沸き上げるよう循環を行う。貯湯タンク10は貯湯温度や貯湯量を検知するための複数の温度センサ10a、10b、10c、10dが備えられており、または、給湯使用量を検出する流量センサ9などにより家庭内の給湯負荷を判定し、省エネ最適運転となるように沸き上げ温度や沸き上げ量、沸き上げ時間を制御する学習制御機能が多くの場合備えられている。
また、ヒートポンプユニット制御手段52は、冬期低温時は高温貯湯の規定温度(例えば90℃)で貯湯すると共に周囲温度や給水温度が低く加熱負荷が大きい場合は高回転数(例えば3000〜4000回転/分)とし、夏期や中間期は加熱負荷が軽い場合は通常貯湯の規定温度(約65℃)で比較的低回転数(例えば1000〜2000回転/分)とするなどの最適運転制御手段を有しているとともに圧縮機1の吐出圧力を検知する圧力センサ(図示せず)や圧縮機吐出温度センサ22等が設けられ、また、外気温度を検出する外気温度センサ23や出湯温度を検出する出湯温度センサ20、入水温度を検出する入水温度センサ21などのセンサを備え、各検出信号はヒートポンプユニット制御手段52に入力されるように構成されている。
次に、ヒートポンプ給湯機の運転動作の一例について、図1のヒートポンプ冷媒回路及び貯湯回路、給湯回路を参照にしながら図2のフローチャートに基づいて説明する。
図2は、夜中の貯湯運転から翌日の給湯使用終了までの1日の運転動作の実施例を示すフローチャートである。
貯湯ユニット制御手段51は、毎日の給湯使用量を記憶学習して翌日の給湯使用量を推定し、夜間の貯湯温度及び貯湯量を決定すると共に、上記貯湯量が夜間電気割引料金の適用される深夜時間(例えば23時〜7時)の8時間以内に沸き上がるように貯湯運転開始時刻を設定する学習制御手段を有している。
上記設定時刻になると貯湯運転を開始(ステップ61)する。即ち、図1における圧縮機1を始動させヒートポンプ運転を開始すると共に循環ポンプ15を運転し、貯湯タンク10底部から循環されるタンク貯湯水を水冷媒熱交換器2で高温冷媒と熱交換して規定温度の高温水とし、貯湯タンク10上部から戻す貯湯運転を行う。
貯湯量判定(ステップ62)において貯湯温度及び貯湯量が規定値に達しないうちは貯湯運転を継続し、規定値に達するとヒートポンプ運転を停止し貯湯運転は終了(ステップ63)する。
朝になって、例えば蛇口14を開き湯水使用が開始(ステップ64)されると、貯湯ユニット制御手段51は、給湯温度が適温(一般的には約42℃)となるように湯水混合弁12からの給水量を調整し、給水金具7、減圧弁8、給水水量センサ9、貯湯タンク10、湯水混合弁12、給湯金具13、蛇口14の給湯回路で適温水を供給する給湯運転を開始(ステップ65)する。なお給湯運転時は、水道の給水源からの水圧で給湯を行う。
次に蛇口を閉じて湯水使用が終了(ステップ66)すると、給湯は停止され、湯水混合弁12は所定の位置に設定され給湯運転は停止(ステップ67)される。
更に貯湯ユニット制御手段51は、給湯運転中(ステップ65)及び給湯運転停止(ステップ67)後に、タンク温度センサ10a、10b、10c、10dによって貯湯タンク10内の貯湯温度及び貯湯量を検知し、タンク残湯量の判定(ステップ68)を行う。
通常は規定量以上残湯しており沸き上げ運転は行わないが、給湯使用量が学習制御による推定量より多く、タンク残湯量が規定値未満になった場合は昼間時間帯または朝夕時間帯においてもタンク沸き上げ運転(ステップ69)を行い、貯湯量判定(ステップ70)において、貯湯温度及び貯湯量が規定値に達してからタンク沸き上げ運転を終了(ステップ71)する。
ここでいう昼間時間帯とは一般的には10時から17時の時間帯をさし、朝夕時間帯とは、7時から10時および17時から23時までの時間帯をさす。この時間帯は、各地域の電力会社の電力メニューとして設定されており、この時間帯に応じて、電気料金が変わる。このため、電気料金が高い昼間時間帯にはあまり運転させず(電気を消費せず)料金の安い深夜時間帯または朝夕時間帯に沸き上げ運転を行うよう一般的には制御される。
前記の湯水使用とタンク残湯量判定を繰り返して1日の給湯使用が終了すると、貯湯ユニット制御手段51は次の学習制御手段を機能させる。即ち、タンク残湯温度及び残湯量を検知して1日毎の湯水使用量を算出し、翌日使用量の推定算出を行い、それに適合した貯湯温度及び貯湯量、ヒートポンプ運転開始時刻等の貯湯運転条件の設定(ステップ72)を行う。
前記運転開始の設定時刻になると、規定のタンク貯湯量になるよう、再び夜間貯湯運転(ステップ61)を行う。
なお、前記学習制御手段は、一般的に過去7日間位の外気温度や湯水使用量等をもとに、夜間の貯湯運転のみで十分間に合うように翌日の湯水使用量を推定算出する。
ところで、図1に示すように、このヒートポンプ給湯機には、ヒートポンプユニット30に音量検出器60が備えられている。これは、一般的に騒音減となるヒートポンプユニット30の周囲の騒音を検出することができるようにヒートポンプ冷媒回路のヒートポンプユニット制御手段52に取り込まれ、その情報は、その他冷凍サイクルの運転情報などと主に、貯湯ユニット40の貯湯ユニット制御手段51に送信され、給湯機全体が制御される。ヒートポンプユニット30の騒音検出部は、ヒートポンプユニット30の内部に内蔵してもよいが、周辺騒音を検出するためには、ヒートポンプユニット30の外部に設置し、周辺騒音と、ヒートポンプ冷媒回路の発生騒音を検出できるようにすることが重要である。このため、内部に設置する場合は、機械室内の冷凍サイクルの運転音がきちんと検出できる場所であったり、送風機6であるプロペラファンの騒音がきちんと検出できる場所であることが望ましく、ヒートポンプユニット30の機械室との仕切り周辺などに設置できる。周辺の騒音をきちんと検出する場合は、ヒートポンプユニット30の外部に配置し周囲環境内に設置することでもよりきめ細やかに騒音を検出することができる。この距離はおおむね2m以内がよく、遠すぎても近すぎても正しい検出はできない。例えば、貯湯ユニット40が隣接される場合には、貯湯ユニット40に取り付けてもよいし、この場合はあらかじめ取り付け位置が設定されているとなおよい。なんにしろ、周辺の騒音がきちんと計測できる壁面であったり、柱であったり、貯湯ユニット40であったり、もしくはヒートポンプユニット30本体に設置する。このように騒音を検出できる音量検出器60を備えることで、深夜を中心に稼働することにより、その運転音がしばしば問題視されるヒートポンプ給湯機をよりきめ細やかに制御、運転することができる。なお、ここでの音量検出器60は周波数ごとの騒音値を分析できるような精度の高いものでなく、より簡易的なオーバーオールの値が検出できるもので充分である。
図3は、ヒートポンプ冷媒回路運転開始前の動作フローを模式的に示すものである。ヒートポンプ冷媒回路の運転開始が指示されたとき(ステップ80)、ヒートポンプユニット30は運転開始前に備え付けられている騒音検出部において、運転開始前の騒音検出を行う。(ステップ81)検出された値をあらかじめ設定されている設定値と比較する。(ステップ82)検出された値が、あらかじめ設定された値より大きい場合は、周辺騒音がある程度存在していると判定し、通常運転モードを選択する。(ステップ83)この通常運転モードはあらかじめ設定されている基本的な加熱能力で運転するモードである。ステップ82で検出された騒音値が小さな値であった場合は、周辺環境の騒音が静かであると判定する。即ち、ヒートポンプ冷媒回路の運転音が周辺環境に騒音として影響を与える可能性があるということを示す。このため、ヒートポンプ冷媒回路の運転モードを低加熱能力運転モードに設定する。(ステップ84)この低加熱能力モードの加熱能力は1種であってもよりきめ細やかに複数あってもよい。但し、加熱能力をむやみに変更するとその制御パラメータは膨大な量となり、COPの低下などを招く恐れがあるため、通常2〜3種類程度の運転モードを備え、3段階程度のモード切り替えができることが運転と効率を両立できる最良の制御である。このように、検出された騒音値からあらかじめ、運転モードを選択し、ヒートポンプ冷媒回路の沸き上げ運転を開始する。(ステップ85)このように制御することにより、より周辺環境に配慮し、騒音による問題の発生のない運転制御をおこなうことができ、快適なヒートポンプ給湯機を提供することができる。
図4は、運転開始後の騒音の検出と運転加熱能力の設定に関するタイムチャートである。ヒートポンプ冷媒回路の運転を開始後、例えば設定されたある一定時間ごとに騒音の検出を行い、その判定を実施する。図4によれば、ある加熱能力設定で、運転が開始される。運転開始とともに、ヒートポンプユニット30の冷凍サイクルが運転を開始し、運転音が上昇していく。例えば、あらかじめ検出した騒音値により、運転音のしきい値を設定するとする。ある定められた検出間隔で運転音の検出を行い、このしきい値以下であれば、そのままの運転を継続する。しかし、このしきい値を超える運転音を検出した場合は、運転している加熱能力を低減するより低い加熱能力運転に切り替える。この切り替えが、さらに運転音の検出を行い、運転を継続する。この運転音の検出は、瞬間的に実施するとイレギュラーな音を検出してしまう場合があるので、ある一定時間の検出を行い、平均化処理や、イレギュラーな値を排除する演算を実施した方がより正しく制御をおこなうことができる。
その他、以上のように騒音を検出する音量検出器60を備えることにより、周辺の騒音状況に合わせたり、運転音を監視しながらの運転をしたりといった様々な制御を行うことができ、ヒートポンプ給湯機の信頼性を向上させることができる。
以上のように、本実施形態に係るヒートポンプ給湯機は、据付された環境下でその環境条件に合わせて適切に運転するものであり、周囲が静かな環境であれば静かな運転を行い、通常の運転音においても周辺騒音と同等であれば、通常の運転を行うなどの運転音に主眼をおいた運転方法を行うものである。従って、周辺騒音が静かな環境下では、ヒートポンプ冷媒回路の沸き上げ時の加熱能力を変化させることにより、ヒートポンプ冷媒回路の運転音を低減し、騒音問題の発生を回避することができる。
即ち、本実施形態に係るヒートポンプ給湯機は、貯湯ユニット40とヒートポンプユニット30からなるヒートポンプ給湯機において、騒音を検知する音量検出器60を備え、音量検出器60により検出される値に応じて、ヒートポンプ冷媒回路の沸き上げ運転の加熱能力を変化させる機能を有するものである。運転音の許容値は、絶対的な音の大きさも重要であるが、周辺騒音の状況が重要である。すなわち、静かな場所では少しの騒音が問題視され、一方騒音がある環境下では、問題にはならない。ヒートポンプ給湯機は住宅地、商業地域、工業地帯、幹線道路のそば、田畑の中などその据付される環境はさまざまである。そのため、その許容される運転音がどの程度であるかは据付されてみないと判断は難しい。このため、ヒートポンプ給湯機の内部に騒音を検出するための音量検出器60を備え、この音量検出器60により検出される値に応じて沸き上げ運転の加熱能力を変化させ、結果的に運転音を変化させることにより、ヒートポンプ冷媒回路が特に深夜に運転することにより、周辺にあたえる騒音の影響を最小限にするとともに、設置したユーザーには使い勝手を損なわない運転を提供することができる。
なお、周辺の騒音により加熱能力を変化させる制御は、自動的に加えるものであってもよいし、ユーザーがキャンセルできる機能を備えていてもよい。たとえば、田畑のなかに設置されているヒートポンプ給湯機などで、周辺は静かであるが、たとえば民家までの距離が離れていれば、騒音について周囲に配慮する必要はなく、通常の一定の加熱能力となる運転を実施しても問題ない。このように設置される環境によって、その条件はさまざまであるため、それらの設定が可能なユーザーインターフェース(たとえば、リモコンで設定する)を備えていてもなおよい。
また、本実施形態に係るヒートポンプ給湯機は、騒音を検出するための音量検出器60をヒートポンプユニット30の内部に備えるまたは周辺に設置するものである。一般的に貯湯式のヒートポンプ給湯機は貯湯ユニット40とヒートポンプユニット30の2つのユニットで構成されている。ヒートポンプユニット30には、水に熱を与え、お湯を製造する冷凍サイクル部品が格納されており、貯湯ユニット40は、ヒートポンプユニット30で製造した湯水を蓄える貯湯タンクを格納し、また、混合弁やバルブなどを内蔵し、湯水を家庭に供給している。この貯湯ユニット40とヒートポンプユニット30は近接して据付してもよいし、設置環境によっては、15m程度離して設置することも可能である。また、寒冷地のような外気温度が低下したり、積雪により貯湯ユニット40が雪で埋もれてしまう可能性がある場合など、貯湯ユニット40を室内に据付ける場合もある。ヒートポンプ給湯機で一般的に問題とさせる音を発生するのはヒートポンプ冷媒回路である。もちろん貯湯ユニット40にもポンプなどが内蔵されており運転音を発生するがその音は比較的小さく、あまり問題視されていない。そのため、離れて設置されることを考えると騒音を検出するための音量検出器60はヒートポンプユニット30の周辺に設置可能あるいは内蔵するほうがよく、これにより、運転音の監視を常に実施することができ、音量検出器60の効果を十分に発揮することができる。設置の場所は騒音を適切に検出できる場所が必要であり、設置時の状況により異なるがおおむねヒートポンプユニット30の周囲2m以内となることが望ましい。距離が離れると正しい検出ができず、また近すぎると音が大きくなるため、その分の補正(修正)なども必要になる。
また、本実施形態に係るヒートポンプ給湯機は、加熱能力を変化させる機能として、ヒートポンプユニット30内の圧縮機1の回転周波数を変化させる機能および送風機6の回転周波数を変化させる機能およびこれらを複合し変化させる機能を有している。加熱能力を変化させるためには、ヒートポンプサイクルで沸き上げる湯水の温度を変化させたり、沸き上げ流量を変化させたりすることにより行うことができる。たとえば、加熱能力低減として沸き上げ流量(循環流量)を低減させる制御を実施したとすると循環ポンプの回転数は低減するため、ポンプの騒音は変化するが、運転音の発生の主原因である送風機6や圧縮機1の回転周波数を変化させないと運転音は大きな変化が発生しない。そのため、加熱能力を低減する運転としては、圧縮機1または送風機6の回転周波数を変化させる、または、両方を変化させることにより変更するものである。
また、本実施形態に係るヒートポンプ給湯機は、ヒートポンプ冷媒回路の沸き上げ運転の開始前に騒音を検出する音量検出器60で騒音の検出を行い、周辺の騒音検出値が小さい値の場合は、加熱能力を低下させた運転モードで沸き上げ運転を開始し、騒音検出値が大きい場合は、加熱能力を所定の加熱能力とする運転モードで沸き上げ運転を開始する、起動時の沸き上げ加熱能力切替機能を有するものである。ヒートポンプ冷媒回路の運転音が騒音ととらえられ、それが問題視されるのは、ヒートポンプ給湯機が設置されている周辺環境によるところが大きい。即ち、静かな環境下では、ちょっとした運転音が問題視され、ざわざわした環境下では、少しくらいの運転音は問題視されない。このことより、ヒートポンプ給湯機の運転においては、設置されている周辺環境が重要である。そのため、まず運転を開始する前に周辺の騒音を検出し、騒音のレベルを判定する。周辺騒音レベルに対する運転モードをあらかじめ設定しておき、例えば、騒音がある設定値以上の場合は、所定の運転を行い、騒音がある設定値未満の場合は、加熱能力を低減した即ち、圧縮機1の回転数を抑制し、送風機6の回転数を抑制し、または双方を複合した運転制御としてヒートポンプ冷媒回路の運転を行う。これにより、周辺環境に適した運転を実施することができる。この加熱能力を低減した運転の加熱能力は、1種類であってもよいし、複数の加熱能力設定値を有していてもよいが、余り多いと制御が複雑化し、例えば、通常と低加熱能力の2種類だけでは物足りない。従って、2〜3種の加熱能力のモードを備え、定常(通常)加熱能力、低加熱能力1、低加熱能力2、低加熱能力3位のモードを有するのが望ましく、この程度設定することでいろいろな据付環境にも対応できる。運転音も、各モードによって小さくなるように加熱能力を設定する。もっとも静かな運転は、35dB以下となるようにするのが望ましい。35dBは一般的に静音といわれる音量であり、このレベルで騒音が問題になることは基本的にはない。しかし、常にこの運転では加熱能力が不足する可能性があるため、複数備える必要がある。
また、本実施例に係るヒートポンプ給湯機は、ヒートポンプ冷媒回路の沸き上げ運転中にある設定された時間毎に音量検出器60で騒音値の検出を行い、検出された値に応じて運転中の加熱能力を変化させるものである。運転中に騒音値を検出することで、例えば、異常音が発生していないか、または、想定した運転音になっているかを常に監視することができ、運転音をより管理した沸き上げ運転が可能となる。そして、想定に対して運転音が異常であった場合は、加熱能力を低減する運転に切り替え、運転音の低減を行う。ただし、騒音は常に変化しており、また設置環境によっては、車の往来があったり、たまたま工事を行っていたりとイレギュラーな行為による音の発生もあり得る。したがって、これらの制御については、そのような配慮も当然必要になる。
また、本実施形態に係るヒートポンプ給湯機は、ヒートポンプ冷媒回路の沸き上げ運転中にある設定された時間毎に音量検出器60で騒音値の検出を行い、検出された値が予め設定された値以上の場合、沸き上げ運転を停止するものである。これにより異常な音(あらかじめ設定されている想定された運転音異常の大きさの音)が発生した場合の周辺への影響を最小限に抑えることができる。
また、本実施形態に係るヒートポンプ給湯機は、ヒートポンプ冷媒回路の沸き上げ運転中にある設定された時間毎に音量検出器60で騒音値の検出を行い、検出された値が予め設定された値以上の場合、沸き上げ運転を停止し、停止状態での騒音を検出し、自らの運転音を計算するとともに、計算算出された運転音の値が、予め設定された値以上の場合は、異常と判定することを特徴とするものである。これは通常発生しうる運転音以上の著しい騒音を発生しながら運転を行った場合、機器の故障があると判断するものである。ヒートポンプユニット30には、回転を伴う機器が搭載されており、また、振動なども発生しうる。このため、機器に何らかの異常が発生した場合に、予想していない大きな騒音を発生する可能性がある。この発明により、このような状況が発生した場合に、周辺に迷惑を与えることなく、機器を停止することができるとともに、リモコン等のユーザーインターフェースを通じて、使用者に異常の発生を伝えることができる。
また、本実施形態に係るヒートポンプ給湯機は、ヒートポンプ冷媒回路の沸き上げ運転中に所定の時間毎に音量検出器60で騒音値の検出を行い、検出された値が予め設定された値以上の場合、その運転状態を記憶する手段によりその運転状態を記憶し、あわせて沸き上げ運転の加熱能力を変化させ、騒音発生運転を回避するとともに、以降の運転時は騒音発生運転として記憶された沸き上げ加熱能力での運転を回避するものである。機器の騒音の発生は、共振によるところが大きく、これはある特定の周波数領域によって発生する場合が多い。従って、大きな運転音が発生していても、運転時の回転周波数をすこし変更することにより、音の発生が抑制される場合が多い。本実施形態に係るヒートポンプ給湯機は、そのような観点を考慮したものであり、運転音により周辺には迷惑をかけることなく、機器の運転を継続させることを目的としており、想定されている運転音よりも大きな値で運転する運転条件(圧縮機1の回転周波数と、送風機6の回転周波数)を記憶し、その運転を実施しないよう制御するものである。これにより、運転条件を変化させながら騒音が発生しない運転条件でヒートポンプ冷媒回路の沸き上げ運転を継続することができる。また併せて、点検を促す表示を例えばリモコン等に表示することにより、運転を継続しながら、点検修理を受けることができ、使用者も困ることがなく、周囲も騒音で迷惑を受けることがない。
また、本実施形態に係るヒートポンプ給湯機は、冷媒として二酸化炭素を用い、超臨界サイクルの冷凍サイクルを有する環境にやさしい、省エネ性に優れた機器である。このような二酸化炭素を冷媒とした超臨界サイクルを採用したヒートポンプ給湯機はR410A冷媒に比較して非常に高い圧力(高圧)となるサイクルである。このため、運転音に対してはより一層のきめ細やかな配慮が必要となる。
1 圧縮機
2 水冷媒熱交換器
4 減圧装置
5 空気熱交換器
6 送風機
7 給水金具
8 減圧弁
9 給水水量センサ
10 貯湯タンク
12 湯水混合弁
13 給湯金具
14 蛇口
15 循環ポンプ
20 出湯温度センサ
21 入水温度センサ
22 圧縮機吐出温度センサ
23 外気温度センサ
30 ヒートポンプユニット
40 貯湯ユニット
50 リモコン
51 貯湯ユニット制御手段
52 ヒートポンプユニット制御手段
60 音量検出器

Claims (6)

  1. タンクと、このタンクに貯留される液体を加熱するヒートポンプ冷媒回路とを有するヒートポンプ給湯機において、
    音量を検知する音量検出器とを備え、音量検出器により検出される値に応じて、前記ヒートポンプ冷媒回路の運転時の加熱能力を変化させる機能を有することを特徴とするヒートポンプ給湯機。
  2. ヒートポンプ冷媒回路の運転開始前に音量を検出する音量検出器で音量の検出を行い、周辺の音量検出値が小さい値の場合は、加熱能力が小さい小加熱能力運転モードで運転を開始し、音量検出値が大きい場合は、前記小加熱能力運転モードよりも加熱能力が大きい大加熱能力運転モードで運転を開始する、起動時の加熱能力切替機能を有することを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ給湯機。
  3. ヒートポンプ冷媒回路の運転中に所定の時間毎に音量検出器で音量値の検出を行い、検出された値に応じて運転中の加熱能力を変化させることを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ給湯機。
  4. ヒートポンプ冷媒回路の運転中にある設定された時間毎に音量検出器で音量値の検出を行い、検出された値が予め設定された値以上の場合、運転を停止することを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ給湯機。
  5. ヒートポンプ冷媒回路の運転中にある設定された時間毎に音量検出器で音量値の検出を行い、検出された値が予め設定された値以上の場合、運転を停止し、停止状態での音量を検出し、自らの運転音を計算するとともに、算出された運転音の値が、予め設定された値以上の場合は、異常と判定することを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ給湯機。
  6. ヒートポンプ冷媒回路の運転中にある設定された時間毎に音量検出器で音量値の検出を行い、検出された値が予め設定された値以上の場合、その運転状態を記憶する手段によりその運転状態を記憶し、音量発生運転を回避するとともに、以降の運転時は音量発生運転として記憶された加熱能力での運転を回避することを特徴とした請求項1に記載のヒートポンプ給湯機。
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