本発明の実施例を具体的に説明する前に、基礎となった知見を説明する。本発明の実施例は、車両に搭載された端末装置間において車車間通信を実行するとともに、交差点等に設置された基地局装置から端末装置へ路車間通信も実行する通信システムに関する。このような通信システムは、ITS(Intelligent Transport Systems)とも呼ばれる。通信システムは、IEEE802.11等の規格に準拠した無線LAN(Local Area Network)と同様に、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)と呼ばれるアクセス制御機能を使用する。そのため、複数の端末装置によって同一の無線チャネルが共有される。一方、ITSでは、不特定多数の端末装置へ情報を送信する必要がある。そのような送信を効率的に実行するために、本通信システムは、パケット信号をブロードキャスト送信する。
車車間通信として、端末装置は、車両の速度あるいは位置等の情報を格納したパケット信号をブロードキャスト送信する。また、他の端末装置は、パケット信号を受信するとともに、前述の情報をもとに車両の接近等を認識する。さらに、車両の接近を運転者に通知することによって、運転者に注意を促す。ここで、路車間通信と車車間通信との干渉を低減するために、基地局装置は、複数のサブフレームが含まれたフレームを繰り返し規定する。基地局装置は、路車間通信のために、複数のサブフレームのいずれかを選択し、選択したサブフレームの先頭部分の期間において、制御情報等が格納されたパケット信号をブロードキャスト送信する。
制御情報には、当該基地局装置がパケット信号をブロードキャスト送信するための期間(以下、「路車送信期間」という)に関する情報が含まれている。端末装置は、制御情報をもとに路車送信期間を特定し、路車送信期間以外の期間(以下、「車車送信期間」という)においてCSMA方式にてパケット信号をブロードキャスト送信する。その結果、路車間通信と車車間通信とが時分割多重される。なお、基地局装置からの制御情報を受信できない端末装置、つまり基地局装置によって形成されたエリアの外に存在する端末装置は、フレームの構成に関係なくCSMA方式にてパケット信号を送信する。
車両間の衝突事故を防止するとともに、歩行者等と車両との衝突事故を防止することも望まれる。これに対応するために、端末装置は、車載される他に歩行者にも携帯される。歩行者が車両に追突されることを防止するために、歩行者に携帯される端末装置は、車載の端末装置に対して、存在している位置を通知する。一方、歩行者に携帯される端末装置は、バッテリで駆動するので、車載の端末装置と比較して処理量の低減が必要とされる。例えば、他の車両の接近は歩行者に対して通知されない。車載の端末装置、歩行者に携帯される端末装置が混在する環境下において、各装置に送信機会が確保されることが望まれる。
次に、本実施例の概略を説明する。以下では、車載の端末装置を「車載用端末装置」といい、歩行者に携帯される端末装置を「携帯用端末装置」という。また、車載用端末装置と携帯用端末装置とを区別せずに「端末装置」ということもあり、車載用端末装置と携帯用端末装置とを総称して「端末装置」ということもある。例えば、携帯用端末装置は、バッテリ駆動である。ここでは、携帯用端末装置の低消費電力化を目的として、携帯用端末装置は、パケット信号をブロードキャスト送信するだけであり、車両の接近を歩行者に通知しないものとする。なお、以下では、携帯用端末装置を使用する場合であっても、車車間通信、路車間通信というものとする。
携帯用端末装置も、車載用端末装置と同様に、車車送信期間においてCSMA方式を実行する。CSMA方式では、ランダム待ち時間の最大値が可変であり、選択されたランダム待ち時間と固定待ち時間を足した期間においてキャリアセンスが実行される。ここで、携帯用端末装置が追加される場合であっても、車載用端末装置間の通信に与える影響を抑制することが望まれる。これに対応するために、車載用端末装置でのランダム待ち時間の最大値は、携帯用端末装置でのランダム待ち時間の最大値よりも短くなるように規定される。なお、携帯用端末装置からブロードキャスト送信される情報量は、車載用端末装置からブロードキャスト送信される情報量よりも少なくされる。その結果、前者のパケット信号長は、後者のパケット信号長よりも短くされる。以下では、ブロードキャスト送信あるいは報知を送信ということもある。
図1は、本発明の実施例に係る通信システム100の構成を示す。これは、ひとつの交差点を上方から見た場合に相当する。通信システム100は、基地局装置10、車両12と総称される第1車両12a、第2車両12b、第3車両12c、第4車両12d、第5車両12e、第6車両12f、第7車両12g、第8車両12h、歩行者16と総称される第1歩行者16a、第2歩行者16b、ネットワーク202を含む。ここでは、第1車両12aのみに示しているが、各車両12には、車載用端末装置14が搭載されている。また、第1歩行者16aのみに示しているが、各歩行者16には、携帯用端末装置18が携帯されている。さらに、エリア212が、基地局装置10の周囲に形成され、エリア外214が、エリア212の外側に形成されている。
図示のごとく、図面の水平方向、つまり左右の方向に向かう道路と、図面の垂直方向、つまり上下の方向に向かう道路とが中心部分で交差している。ここで、図面の上側が方角の「北」に相当し、左側が方角の「西」に相当し、下側が方角の「南」に相当し、右側が方角の「東」に相当する。また、ふたつの道路の交差部分が「交差点」である。第1車両12a、第2車両12bが、左から右へ向かって進んでおり、第3車両12c、第4車両12dが、右から左へ向かって進んでいる。また、第5車両12e、第6車両12fが、上から下へ向かって進んでおり、第7車両12g、第8車両12hが、下から上へ向かって進んでいる。
通信システム100において、基地局装置10は、交差点に固定して設置される。基地局装置10は、端末装置間の通信を制御する。基地局装置10は、図示しないGPS(Global Positioning System)衛星から受信した信号、あるいは図示しない他の基地局装置10にて形成されたフレームをもとに、複数のサブフレームが含まれたフレームを繰り返し生成する。ここで、各サブフレームの先頭部分に路車送信期間が設定可能であるような規定がなされている。
基地局装置10は、フレーム中の複数のサブフレームのうち、他の基地局装置10によって路車送信期間が設定されていないサブフレームを選択する。基地局装置10は、選択したサブフレームの先頭部分に路車送信期間を設定する。基地局装置10は、設定した路車送信期間においてパケット信号を報知する。路車送信期間において、複数のパケット信号が報知されることもある。また、パケット信号には、例えば、事故情報、渋滞情報、信号情報等が含まれる。なお、パケット信号には、路車送信期間が設定されたタイミングに関する情報およびフレームに関する制御情報も含まれる。
車載用端末装置14は、前述のごとく、車両12に搭載され移動可能である。車載用端末装置14は、基地局装置10からのパケット信号を受信すると、エリア212に存在すると推定する。車載用端末装置14は、エリア212に存在する場合、パケット信号に含まれた制御情報、特に路車送信期間が設定されたタイミングに関する情報およびフレームに関する情報をもとに、フレームを生成する。その結果、複数の車載用端末装置14のそれぞれにおいて生成されるフレームは、基地局装置10において生成されるフレームに同期する。車載用端末装置14は、路車送信期間とは異なった期間である車車送信期間においてパケット信号を報知する。ここで、車車送信期間においてCSMA/CAが実行される。一方、車載用端末装置14は、エリア外214に存在していると推定した場合、フレームの構成に関係なく、CSMA/CAを実行することによって、パケット信号を報知する。さらに、車載用端末装置14は、他の車載用端末装置14からのパケット信号を受信することによって、他の車載用端末装置14が搭載された車両の接近を運転者へ通知する。
歩行者16は、携帯用端末装置18を携帯する。携帯用端末装置18は、車載用端末装置14と同様の処理を実行する。しかしながら、携帯用端末装置18は、処理を簡易にするために、車両等の接近を通知しない。また、携帯用端末装置18は、CSMA/CAを実行する際の平均待ち時間が車載用端末装置14での平均待ち時間よりも長くなるように、ランダム待ち時間を設定する。さらに、携帯用端末装置18における送信電力は、他の装置の送信電力よりも小さくなるように設定されてもよい。
図2は、基地局装置10の構成を示す。基地局装置10は、アンテナ20、RF部22、変復調部24、処理部26、ネットワーク通信部28、制御部30を含む。また、処理部26は、フレーム規定部32、選択部34、生成部36を含む。
RF部22は、受信処理として、図示しない端末装置や他の基地局装置10からのパケット信号をアンテナ20にて受信する。RF部22は、受信した無線周波数のパケット信号に対して周波数変換を実行し、ベースバンドのパケット信号を生成する。さらに、RF部22は、ベースバンドのパケット信号を変復調部24に出力する。一般的に、ベースバンドのパケット信号は、同相成分と直交成分によって形成されるので、ふたつの信号線が示されるべきであるが、ここでは、図を明瞭にするためにひとつの信号線だけを示すものとする。RF部22には、LNA(Low Noise Amplifier)、ミキサ、AGC、A/D変換部も含まれる。
RF部22は、送信処理として、変復調部24から入力したベースバンドのパケット信号に対して周波数変換を実行し、無線周波数のパケット信号を生成する。さらに、RF部22は、路車送信期間において、無線周波数のパケット信号をアンテナ20から送信する。また、RF部22には、PA(Power Amplifier)、ミキサ、D/A変換部も含まれる。
変復調部24は、受信処理として、RF部22からのベースバンドのパケット信号に対して、復調を実行する。さらに、変復調部24は、復調した結果を処理部26に出力する。また、変復調部24は、送信処理として、処理部26からのデータに対して、変調を実行する。さらに、変復調部24は、変調した結果をベースバンドのパケット信号としてRF部22に出力する。ここで、通信システム100は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調方式に対応するので、変復調部24は、受信処理としてFFT(Fast Fourier Transform)も実行し、送信処理としてIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)も実行する。
フレーム規定部32は、図示しないGPS衛星からの信号を受信し、受信した信号をもとに時刻の情報を取得する。なお、時刻の情報の取得には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。フレーム規定部32は、時刻の情報をもとに、複数のフレームを生成する。例えば、フレーム規定部32は、時刻の情報にて示されたタイミングを基準にして、「1sec」の期間を10分割することによって、「100msec」のフレームを10個生成する。このような処理を繰り返すことによって、フレームが繰り返されるように規定される。なお、フレーム規定部32は、復調結果から制御情報を検出し、検出した制御情報をもとにフレームを生成してもよい。このような処理は、他の基地局装置10によって形成されたフレームのタイミングに同期したフレームを生成することに相当する。
図3(a)−(d)は、通信システム100において規定されるフレームのフォーマットを示す。図3(a)は、フレームの構成を示す。フレームは、第1サブフレームから第Nサブフレームと示されるN個のサブフレームによって形成されている。例えば、フレームの長さが100msecであり、Nが8である場合、12.5msecの長さのサブフレームが規定される。Nは、8以外であってもよい。図3(b)−(d)の説明は、後述し、図2に戻る。
選択部34は、フレームに含まれた複数のサブフレームのうち、路車送信期間を設定すべきサブフレームを選択する。具体的に説明すると、選択部34は、フレーム規定部32にて規定されたフレームを受けつける。また、選択部34は、図示しないインターフェイスを介して、選択したサブフレームに関する指示を受けつける。選択部34は、指示に対応したサブフレームを選択する。これとは別に、選択部34は、自動的にサブフレームを選択してもよい。その際、選択部34は、RF部22、変復調部24を介して、図示しない他の基地局装置10あるいは車載用端末装置14からの復調結果を入力する。選択部34は、入力した復調結果のうち、他の基地局装置10からの復調結果を抽出する。選択部34は、復調結果を受けつけたサブフレームを特定することによって、復調結果を受けつけていないサブフレームを特定する。
これは、他の基地局装置10によって路車送信期間が設定されていないサブフレーム、つまり未使用のサブフレームを特定することに相当する。未使用のサブフレームが複数存在する場合、選択部34は、ランダムにひとつのサブフレームを選択する。未使用のサブフレームが存在しない場合、つまり複数のサブフレームのそれぞれが使用されている場合に、選択部34は、復調結果に対応した受信電力を取得し、受信電力の小さいサブフレームを優先的に選択する。
図3(b)は、第1基地局装置10aによって生成されるフレームの構成を示す。第1基地局装置10aは、第1サブフレームの先頭部分に路車送信期間を設定する。また、第1基地局装置10aは、第1サブフレームにおいて路車送信期間につづいて車車送信期間を設定する。車車送信期間とは、車載用端末装置14がパケット信号を報知可能な期間である。つまり、第1基地局装置10aは、第1サブフレームの先頭期間である路車送信期間においてパケット信号を報知可能であり、かつフレームのうち、路車送信期間以外の車車送信期間において車載用端末装置14がパケット信号を報知可能であるような規定がなされる。さらに、第1基地局装置10aは、第2サブフレームから第Nサブフレームに車車送信期間のみを設定する。
図3(c)は、第2基地局装置10bによって生成されるフレームの構成を示す。第2基地局装置10bは、第2サブフレームの先頭部分に路車送信期間を設定する。また、第2基地局装置10bは、第2サブフレームにおける路車送信期間の後段、第1サブフレーム、第3サブフレームから第Nサブフレームに車車送信期間を設定する。図3(d)は、第3基地局装置10cによって生成されるフレームの構成を示す。第3基地局装置10cは、第3サブフレームの先頭部分に路車送信期間を設定する。また、第3基地局装置10cは、第3サブフレームにおける路車送信期間の後段、第1サブフレーム、第2サブフレーム、第4サブフレームから第Nサブフレームに車車送信期間を設定する。このように、複数の基地局装置10は、互いに異なったサブフレームを選択し、選択したサブフレームの先頭部分に路車送信期間を設定する。
図4は、図3(a)−(d)に示されたフォーマットの別の表示を示す。ここでは、サブフレーム数Nを「16」としている。図4に示されたフレームのフォーマットは、図3(a)−(d)と同様であり、表示が異なるだけである。図2に戻る。選択部34は、選択したサブフレームの番号を生成部36へ出力する。
生成部36は、選択部34から、サブフレームの番号を受けつける。生成部36は、受けつけたサブフレーム番号のサブフレームに路車送信期間を設定し、路車送信期間において報知すべきパケット信号を生成する。ひとつの路車送信期間において複数のパケット信号が送信される場合、生成部36は、それらを生成する。図5(a)−(b)は、サブフレームの構成を示す。図5(a)は、路車送信期間が設定されたサブフレームを示す。図示のごとく、ひとつのサブフレームは、路車送信期間、車車送信期間の順に構成される。図5(b)は、路車送信期間におけるパケット信号の配置を示す。図示のごとく、路車送信期間において、複数のRSUパケット信号が並べられている。RSUパケット信号は、基地局装置10から送信されるパケット信号である。ここで、前後のパケット信号は、SIFS(Short Interframe Space)だけ離れている。
ここでは、RSUパケット信号の構成を説明する。図6(a)−(b)は、通信システム100において規定されるパケット信号のフォーマットを示す。図6(a)のパケット信号は、先頭から順に、「PLCPプリアンブル」、「Signal」、「Sevice」、「MACヘッダ」、「LLCヘッダ」、「IR制御ヘッダ」、「レイヤ7ヘッダ」、「ELヘッダ」、「ペイロード」、「FCS」、「Tail」を配置する。図6(b)は、IR制御ヘッダの構成を示す。IR制御ヘッダは、先頭から順に、「バージョン」、「識別情報」、「同期情報」、「予約」、「送信時刻」、「路車間通信期間情報」、「拡張領域」を配置する。図2に戻る。
ネットワーク通信部28は、図示しないネットワーク202に接続される。ネットワーク通信部28は、ネットワーク202から、渋滞情報を受けつける。生成部36は、ネットワーク通信部28から、渋滞情報を取得し、データペイロードに格納することによって、前述のRSUパケット信号を生成する。制御部30は、基地局装置10全体の処理を制御する。
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ハードウエアとソフトウエアの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
図7は、車両12に搭載された車載用端末装置14の構成を示す。車載用端末装置14は、アンテナ40、RF部42、変復調部44、処理部46、制御部48を含む。処理部46は、タイミング特定部50、転送決定部56、取得部58、通知部60、生成部62を含み、タイミング特定部50は、抽出部52、キャリアセンス部54を含む。アンテナ40、RF部42、変復調部44は、図2のアンテナ20、RF部22、変復調部24と同様の処理を実行する。そのため、ここでは、差異を中心に説明する。
変復調部44、処理部46は、図示しない他の端末装置や基地局装置10からのパケット信号を受信する。なお、変復調部44、処理部46は、路車送信期間において、基地局装置10からのパケット信号を受信する。変復調部44、処理部46は、車車送信期間において、他の車載用端末装置14および携帯用端末装置18からのパケット信号を受信する。
抽出部52は、変復調部44からの復調結果が、図示しない基地局装置10からのパケット信号である場合に、路車送信期間が配置されたサブフレームのタイミングを特定する。その際、抽出部52は、図1のエリア212内に存在すると推定する。抽出部52は、サブフレームのタイミングと、パケット信号のメッセージヘッダの内容をもとに、フレームを生成する。その結果、抽出部52は、基地局装置10において形成されたフレームに同期したフレームを生成する。パケット信号の報知元が、他の車載用端末装置14および携帯用端末装置18である場合、抽出部52は、同期したフレームの生成処理を省略する。抽出部52は、エリア212内に存在する場合、使用されている路車送信期間を特定した後、残りの車車送信期間を特定する。抽出部52は、フレームおよびサブフレームのタイミング、車車送信期間に関する情報をキャリアセンス部54へ出力する。
一方、抽出部52は、基地局装置10からのパケット信号を受けつけていない場合、つまり基地局装置10に同期したフレームを生成していない場合、図1のエリア外214に存在すると推定する。抽出部52は、エリア外214に存在する場合、フレームの構成と無関係のタイミングを選択し、フレームの構成に関係のないキャリアセンスの実行をキャリアセンス部54に指示する。
キャリアセンス部54は、抽出部52から、フレームおよびサブフレームのタイミング、車車送信期間に関する情報を受けつける。キャリアセンス部54は、車車送信期間内でCSMA/CAを開始することによって送信タイミングを決定する。これは、路車送信期間に対してNAV(Network Allocation Vector)を設定し、NAVを設定した期間以外でキャリアセンスを実行することに相当する。一方、キャリアセンス部54は、抽出部52から、フレームの構成に関係のないキャリアセンスの実行を指示された場合、フレームの構成を考慮せずに、CSMA/CAを実行することによって、送信タイミングを決定する。キャリアセンス部54は、決定した送信タイミングを変復調部44、RF部42へ通知し、パケット信号をブロードキャスト送信させる。
取得部58は、図示しないGPS受信機、ジャイロセンサ、車速センサ等を含んでおり、それらから供給されるデータによって、車載用端末装置14の存在位置、進行方向、移動速度等(以下、「位置情報」と総称する)を取得する。なお、存在位置は、緯度・経度によって示される。これらの取得には公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。取得部58は、位置情報を生成部62へ出力する。
転送決定部56は、制御情報の転送を制御する。制御情報は、例えば、IR制御ヘッダに相当する。転送決定部56は、制御情報のうち、転送対象となる情報を抽出する。転送決定部56は、抽出した情報をもとに、転送すべき情報を生成する。ここでは、この処理の説明を省略する。転送決定部56は、転送すべき情報、つまり制御情報のうちの一部を生成部62に出力する。
生成部62は、取得部58から位置情報を受けつけ、転送決定部56から制御情報の一部を受けつける。生成部62は、図6(a)−(b)に示されたフォーマットを使用し、位置情報をデータペイロードに格納する。生成部62は、パケット信号を生成するとともに、キャリアセンス部54において決定した送信タイミングにて、変復調部44、RF部42、アンテナ40を介して、パケット信号をブロードキャスト送信する。
通知部60は、抽出部52を介して、図示しない基地局装置10からのパケット信号を取得するとともに、図示しない他の車載用端末装置14および携帯用端末装置18からのパケット信号を取得する。通知部60は、取得したパケット信号に対する処理として、パケット信号に格納されたデータの内容に応じて、図示しない他の車両12や歩行者16の接近等を運転者へモニタやスピーカを介して通知する。さらに、通知部60は、渋滞情報等も運転者へモニタやスピーカを介して通知する。
図8は、歩行者16に携帯された携帯用端末装置18の構成を示す。携帯用端末装置18は、アンテナ70、RF部72、変復調部74、処理部76、制御部78を含む。また、処理部76は、取得部80、生成部82、タイミング特定部84を含み、タイミング特定部84は、抽出部86、設定部88、キャリアセンス部90を含む。取得部80は、図7の取得部58と同様に、位置情報を取得する。取得部80は、位置情報を生成部82に出力する。
変復調部74、処理部76は、図7の変復調部44、処理部46と同様に、図示しない他の端末装置や基地局装置10からのパケット信号を受信する。特に、変復調部74、処理部76は、路車送信期間と車車送信期間とが少なくとも含まれたフレームのうち、路車送信期間において基地局装置10からのパケット信号であって、かつフレーム構成に関する情報が含まれたパケット信号を受信する。抽出部86は、抽出部52と同様に、変復調部74からの復調結果が、図示しない基地局装置10からのパケット信号である場合に、路車送信期間が配置されたサブフレームのタイミングを特定する。また、抽出部86は、車車送信期間を特定し、フレームおよびサブフレームのタイミング、車車送信期間に関する情報を設定部88へ出力する。一方、抽出部86は、フレームの構成と無関係のタイミングを選択すると、フレームが規定されていないことを設定部88に指示する。
設定部88は、抽出部86から、フレームおよびサブフレームのタイミング、車車送信期間に関する情報を受けつけると、車載用端末装置14と同様に、車車送信期間にて、キャリアセンスのためのランダム待ち時間を設定する。ここでは、キャリアセンスによるCSMA動作の概要を説明する。図9は、携帯用端末装置18の動作を示す。横軸が時間を示す。ビジーは、他の装置からの信号を受信している状態を示す。ビジー状態が終了した後、DIFS(DCF IFS)の間にわたって待機がなされる。さらに、DIFS終了後、ランダムに選択したコンテンションウインドウとスロットサイズ分をかけあわせたランダムバックオフの間にわたっても待機がされる。ランダムバックオフが前述のランダム待ち時間に相当する。この間に、信号を受信しなかった場合に、パケット信号が送信される。ここで、コンテンションウインドウは、複数のスロットによって構成される。ひとつのスロットのサイズは、13μsecである。また、スロットの数は、0〜Nの乱数によって定められる。
携帯用端末装置18には、車載用端末装置14からのパケット信号の送信に及ぼす影響を低減することが望まれる。これに対応するため、キャリアセンス部90がキャリアセンスのために設定可能な乱数の範囲は、車載用端末装置14がキャリアセンスのために設定可能な乱数の範囲よりも長くなるように設定される。例えば、携帯用端末装置18に対して、キャリアセンスのために設定可能な乱数の範囲は、0〜Nによって定められ、車載用端末装置14に対して、キャリアセンスのために設定可能な乱数の範囲は、0〜N/2によって定められる。なお、前者が0〜2Nであり、後者が0〜Nであってもよい。
これは、携帯用端末装置18が設定可能なランダム待ち時間の範囲が、車載用端末装置14が設定可能なランダム待ち時間の範囲よりも長いことに相当する。また、設定部88が設定可能なランダム待ち時間の最大値は、車載用端末装置14がキャリアセンスのために設定可能なランダム待ち時間の最大値よりも大きくなっている。図8に戻る。なお、フレームが規定されていないことを設定部88から指示された場合、設定部88は、フレームの構成と無関係にランダムバックオフを同様に設定する。
キャリアセンス部90は、設定部88において設定したランダム待ち時間とDIFSとにわたって、キャリアセンスを実行する。変復調部74、RF部72は、キャリアセンス部90におけるキャリアセンスの結果をもとに、パケット信号を報知する。ここで、携帯用端末装置18から報知されるパケット信号の長さは、車載用端末装置14から報知されるパケット信号の長さよりも短い。
本発明の実施例によれば、車載用端末装置に対するランダムバックオフの範囲よりも、携帯用端末装置に対するランダムバックオフの範囲の方が大きいので、車載用端末装置の送信タイミングの遅延量が小さくなり、車載用端末装置の送信に及ぼす影響を低減できる。車載用端末装置に対するランダムバックオフの最大値よりも、携帯用端末装置に対するランダムバックオフの最大値の方が大きいので、携帯用端末装置の送信によって、車載用端末装置の送信に及ぼす影響を低減できる。ランダムバックオフの最大値を大きくしても、実際に送信すべきタイミングはランダムバックオフの中から選択するので、送信確率が低下しても送信機会を確保できる。
次に、本発明の変形例を説明する。変形例も実施例と同様に、歩行者に携帯された携帯用端末装置に関する。変形例に係る携帯用端末装置も、車車送信期間においてCSMA/CAを実行することによって、パケット信号をブロードキャスト送信する。実施例においては、携帯用端末装置におけるキャリアセンスのために設定可能な乱数の範囲が、車載用端末装置におけるキャリアセンスのために設定可能な乱数の範囲よりも長くなるように設定されている。一方、変形例では、携帯用端末装置と車載用端末装置との送信機会を平等にするために、両者の乱数の範囲を等しくする。変形例に係る通信システム100、基地局装置10、車載用端末装置14、携帯用端末装置18は、図1、2、7、8と同様のタイプである。ここでは、差異を中心に説明する。
図8の設定部88によって、キャリアセンス部90がキャリアセンスのために設定可能な乱数の範囲は、車載用端末装置14がキャリアセンスのために設定可能な乱数の範囲に等しくなるように設定される。例えば、携帯用端末装置18に対して、キャリアセンスのために設定可能な乱数の範囲は、0〜Nによって定められ、車載用端末装置14に対して、キャリアセンスのために設定可能な乱数の範囲も、0〜Nによって定められる。これは、携帯用端末装置18によって設定可能なランダム待ち時間の範囲が、車載用端末装置14によって設定可能なランダム待ち時間の範囲に等しいことに相当する。また、設定部88が設定可能なランダム待ち時間の最大値は、車載用端末装置14がキャリアセンスのために設定可能なランダム待ち時間の最大値に等しくなっている。
本発明の変形例によれば、車載用端末装置に対するランダムバックオフの範囲と、携帯用端末装置に対するランダムバックオフの範囲とを等しくするので、両者の送信タイミングの遅延量が同等になり、両者に公平なサービスを提供できる。車載用端末装置に対するランダムバックオフの最大値と、携帯用端末装置に対するランダムバックオフの最大値とを等しくするので、車載用端末装置と携帯用端末装置とに対して公平なサービスを提供できる。
次に、本発明の別の変形例を説明する。本発明の別の変形例は、これまでと同様に、歩行者に携帯された携帯用端末装置に関する。これまでは、車載用端末装置と携帯用端末装置は、車車送信期間においてパケット信号を報知している。一方、別の変形例では、フレームが、路車送信期間、車車送信期間、歩車送信期間によって構成されている。車載用端末装置は、車車送信期間においてパケット信号を報知するが、携帯用端末装置は、歩車送信期間においてパケット信号を報知する。つまり、車載用端末装置がパケット信号を報知可能な期間と、携帯用端末装置がパケット信号を報知可能な期間とは、時分割多重されている。別の変形例に係る通信システム100、基地局装置10、車載用端末装置14、携帯用端末装置18は、図1、2、7、8と同様のタイプである。ここでは、差異を中心に説明する。
図10は、本発明の別の変形例に係るフレームのフォーマットを示す。フレームのフォーマットは、図4と同様に示されており、フレームは、第1サブフレームから第16サブフレームの時分割多重によって構成されている。また、「路」は、路車送信期間を示し、「車」は、車車送信期間を示し、「歩」は、歩車送信期間を示す。ひとつの基地局装置10に対する路車送信期間を設定したサブフレーム以外のサブフレームにおいて、他の基地局装置10に対する他の路車送信期間が設定可能である。例えば、第1サブフレームにおいて、ひとつの基地局装置10に対する路車送信期間が設定され、第2サブフレーム、第3サブフレーム、第6サブフレーム、第7サブフレーム、第10サブフレームから第13サブフレーム、第16サブフレームに、他の基地局装置10に対する他の路車送信期間が設定される。ここでは、路車送信期間と他の路車送信期間を便宜上区別しているが、実質的には、いずれも路車送信期間であり、以下では区別しないこともある。
路車送信期間が設定されていない残りのサブフレームにおいて、歩車送信期間が設定可能である。図10では、第4サブフレーム、第5サブフレーム、第8サブフレーム、第9サブフレーム、第14サブフレーム、第15サブフレームのうち、第5サブフレーム、第8サブフレームに歩車送信期間が設定されている。さらに、フレーム中の路車送信期間と歩車送信期間以外の期間において、車車送信期間が設定される。なお、路車送信期間を設定したサブフレームにおいても、歩車送信期間が設定可能である。図10では、第3サブフレームにおいて、歩車送信期間が、路車送信期間と車車送信期間との間に設定されている。このように、歩車送信期間として、路車送信期間を設定可能な期間のうちM個を歩車間専用指定時間として運用管理機関が割り当てる。
図2の基地局装置10は、事前に運用管理機関によって事前に決定された歩車間専用指定時間の登録を受けつける。歩車間専用指定時間は、歩者送信期間を設定すべき時間に相当する。ここで、歩車間専用指定時間は、他の基地局装置10にも同一の値として登録される。つまり、複数の基地局装置10に対して、共通の歩車送信期間が設定される。生成部36は、IR制御ヘッダに、当該基地局装置10が使用する路車送信期間に関する情報を含めるとともに、歩車送信期間に関する情報も含める。なお、歩車送信期間に関する情報は、他の基地局装置10から送信されるパケット信号にも共通して含められる。
一方、当該基地局装置10が使用する路車送信期間に関する情報は、他の基地局装置10から送信されるパケット信号に含められない。このように、歩車送信期間に関する情報は、複数の基地局装置10からブロードキャスト送信される。なお、歩車送信期間を報知する際には、路車送信期間の指定と同様にサブフレーム番号と長さの指定がなされる。つまり、歩車送信期間は、路車送信期間として基地局装置10から通知される。ただし、携帯用端末装置18には、路車送信期間と歩車送信期間との区別ができるよう、生成部36は、IR制御ヘッダに、路車送信期間と歩車送信期間とを識別するための情報を追加する。
図11(a)−(d)は、本発明の別の変形例に係るパケット信号のフォーマットを示す。これらは、IR制御ヘッダに含まれる情報である。図11(a)は、識別情報であり、4ビットの情報である。ここで、ビット3において、基地局装置10の送信時は「0b1」とされ、車載用端末装置14あるいは携帯用端末装置18の送信時は「0b0」とされる。また、ビット2において、車載用端末装置14の送信時は「0b0」とされ、携帯用端末装置18の送信時は「0b1」とされる。図11(b)−(d)は、路車間通信期間情報の設定を示す。
図12は、本発明の別の変形例に係るパケット信号のフォーマットを示す。これは、拡張領域を示しており、R1からR16の16ビットにて構成されている。拡張領域R1からR16は、路車送信期間1から16を意味する。ビットが「0b0」であれば、路車送信期間として使用されていることを示し、ビットが「0b1」であれば、歩車送信期間として使用されていることを示す。これは、前述の路車送信期間と歩車送信期間とを識別するための情報に相当する。
なお、歩車送信期間を運用管理者がシステム固定指定としてもよい。また、歩車送信期間が存在しないエリアでは、携帯用端末装置18に車車送信期間で送信することを許容してもよい。
図7の車載用端末装置14における抽出部52は、IR制御層レベルで、基地局装置10からのパケット信号か、携帯用端末装置18からのパケット信号かを認識し、100msの制御周期の同期先を決定する。また、抽出部52は、携帯用端末装置18からのパケットに対し、同期テーブル変数を更新する。キャリアセンス部54は、前述のごとく、路車送信期間と歩車送信期間に対してNAVを設定し、NAVを設定した期間以外でのCSMA/CAによって、パケット信号をブロードキャスト送信する。図8の携帯用端末装置18における抽出部86は、基地局装置10より通知された歩車送信期間を認識する。キャリアセンス部90は、特定した歩車送信期間を使用してパケット信号をブロードキャスト送信する。
本発明の別の変形例によれば、車車送信期間と歩車送信期間とを別に規定するので、車車間通信に与える影響を低減できる。路車送信期間と同様に歩車送信期間を指定するので、路車送信期間だけを認識可能な車載用端末装置であっても、歩車送信期間において送信を停止できる。路車送信期間と歩車送信期間とを識別するための情報を送信するので、路車送信期間だけを通知するシステムからの変更を小さくできる。
次に、本発明のさらに別の変形例を説明する。本発明のさらに別の変形例は、これまでと同様に、歩行者に携帯された携帯用端末装置に関する。さらに別の変形例でも、フレームが、路車送信期間、車車送信期間、歩車送信期間によって構成されている。なお、さらに別の変形例と別の変形例とでは、歩車送信期間の設定方法が異なる。さらに別の変形例に係る通信システム100、基地局装置10、車載用端末装置14、携帯用端末装置18は、図1、2、7、8と同様のタイプである。ここでは、差異を中心に説明する。
図13は、本発明のさらに別の変形例に係るフレームのフォーマットを示す。フレームのフォーマットは、図10と同様に示されている。ひとつの基地局装置10に対する路車送信期間を設定したサブフレーム以外のサブフレームにおいて、他の基地局装置10に対する他の路車送信期間が設定可能である。例えば、第1サブフレームにおいて、ひとつの基地局装置10に対する路車送信期間が設定され、第2サブフレーム、第3サブフレーム、第6サブフレーム、第7サブフレーム、第10サブフレームから第13サブフレーム、第16サブフレームに、他の基地局装置10に対する他の路車送信期間が設定される。路車送信期間と他の路車送信期間との関係は別の変形例と同様であり、以下では区別しないこともある。
路車送信期間が設定されていない残りのサブフレームにおいて、歩車送信期間が設定されている。図13では、第4サブフレーム、第5サブフレーム、第8サブフレーム、第9サブフレーム、第14サブフレーム、第15サブフレームに歩車送信期間が設定されている。さらに、フレーム中の路車送信期間と歩車送信期間以外の期間において、車車送信期間が設定される。なお、路車送信期間を設定したサブフレームにおいても、歩車送信期間が設定可能である。つまり、路車送信期間を設定可能な期間のうち、基地局装置10が路車送信期間として実際に使用している期間以外が、歩車送信期間とされる。
図2の基地局装置10は、事前に運用管理機関によって事前に決定された歩車間専用指定時間の登録を受けつける。ここでは、路車送信期間の最大値が3.024msである場合に、路車送信期間を設定可能でありながらも、実際に路車送信期間が設定されていない期間が、歩車送信期間に使用されるとの規定が登録される。また、歩車送信期間が登録されてもよい。生成部36は、IR制御ヘッダに、当該基地局装置10が使用する路車送信期間に関する情報を含める。図14(a)−(b)は、本発明のさらに別の変形例に係るパケット信号のフォーマットを示す。これらは、拡張領域を示しており、b5からb0の6ビットにて、歩者間通信期間長、つまり歩車送信期間の長さに関する情報が通知される。なお、歩車送信期間の長さを固定にする場合、このような情報の通知を省略してもよい。
図7の車載用端末装置14における抽出部52は、IR制御層レベルで、路車送信期間を認識するので、実施例のように、100msの制御周期の同期先を決定する。また、抽出部52は、拡張層レベルで、基地局装置10であるか、携帯用端末装置18であるかを識別する。キャリアセンス部54は、路車送信期間と、図14(a)−(b)にて示された歩車送信期間に対してNAVを設定し、NAVを設定した期間以外でのCSMA/CAによって、パケット信号をブロードキャスト送信する。なお、歩車送信期間が固定である場合、歩車送信期間の特定のために、内部に予め保持していた値が使用される。図8の携帯用端末装置18における抽出部86は、携帯用端末装置18が使用可能な期間のうち、実際に路車送信期間が設定されていない期間を特定する。キャリアセンス部90は、特定した期間を使用してパケット信号をブロードキャスト送信する。
本発明のさらに別の変形例によれば、路車送信期間が配置されていないサブフレームに歩車送信期間が配置されることを予め規定しておくので、路車送信期間で送信すべき情報量を低減できる。
次に、本発明のさらに別の変形例を説明する。さらに別の変形例は、これまで説明した基地局装置に対して、歩車送信期間を登録するための管理装置に関する。管理装置は、前述の運用管理機関に相当する。さらに別の変形例に係る通信システム100、基地局装置10、車載用端末装置14、携帯用端末装置18は、図1、2、7、8と同様のタイプである。ここでは、差異を中心に説明する。
図15は、本発明のさらに別の変形例に係る管理装置110の構成を示す。管理装置110は、入力部112、設定部114、出力部116を含む。入力部112は、管理者から、歩車送信期間に関する情報を受けつける。なお、フレームのフォーマットは、図10あるいは図13のように規定されているので、ここでは説明を省略する。設定部114は、入力部112において受けつけた値をもとに、歩車送信期間に関する情報を設定する。出力部116は、第1基地局装置10aから第M基地局装置10mのような複数の基地局装置10に接続されており、入力部112に設定した情報を複数の基地局装置10に出力する。その結果、複数の基地局装置10には、共通した歩車送信期間が登録される。
本発明のさらに別の変形例によれば、複数の基地局装置に対して歩車送信期間を出力するので、複数の基地局装置に対して共通の歩車送信期間を設定できる。
次に、本発明のさらに別の変形例を説明する。さらに別の変形例は、実施例あるいは変形例と同様の通信システムに関する。本発明のさらに別の変形例に係る車載用端末装置と携帯用端末装置のそれぞれは、フレームの構成を考慮せずに、CSMA/CAを実行することによって、送信タイミングを決定する。これは、通信システムから基地局装置が存在しない場合に相当し、図1のエリア外214での処理と同様である。さらに別の変形例に係る車載用端末装置14、携帯用端末装置18は、図7、図8と同様のタイプである。ここでは、差異を中心に説明する。
図16は、本発明のさらに別の変形例に係る通信システム100の構成を示す。通信システム100は、第1車載用端末装置14a、第2車載用端末装置14b、第1携帯用端末装置18a、第2携帯用端末装置18bを含む。図16では、一例として2台の車載用端末装置14と2台の携帯用端末装置18が示されているが、それぞれの数は「2」でなくてもよい。車載用端末装置14および携帯用端末装置18は、パケット信号を報知する。
図8の設定部88は、キャリアセンスのためのランダム待ち時間を設定する。実施例と同様に、設定部88が設定可能な待ち時間の範囲は、車載用端末装置14がキャリアセンスのために設定可能な待ち時間の範囲よりも長い。また、変形例と同様に、設定部88が設定可能な待ち時間の範囲は、車載用端末装置14がキャリアセンスのために設定可能な待ち時間の範囲と等しくてもよい。設定部88によって設定される乱数の範囲については、実施例あるいは変形例と同様であるので、ここでは説明を省略する。しかしながら、実施例および変形例と異なって、設定部88は、車車送信期間と関係なく、ランダム待ち時間を設定する。
図17(a)−(b)は、通信システム100の動作タイミングを示す。図17(a)は、実施例および変形例におけるフレームの構成を示しており、図3(a)と同様に、路車送信期間と車車送信期間が含まれる。図17(b)は、さらに別の変形例における動作タイミングを示す。図17(b)では、図17(a)と異なって、フレームが規定されていない。そのため、車載用端末装置14および携帯用端末装置18は、どのタイミングにもランダム待ち時間を設定できる。図8に戻る。キャリアセンス部90は、設定部88において設定した待ち時間にわたって、キャリアセンスを実行し、変復調部74、RF部72は、キャリアセンス部90におけるキャリアセンスの結果をもとに、パケット信号を送信する。
図7の車載用端末装置14においてもランダム待ち時間が、実施例あるいは変形例と同様に設定され、CSMA/CAを実行することによって、パケット信号が送信される。
本発明のさらに別の変形例によれば、基地局装置が設置されていない環境においても、実施例あるいは変形例の効果を得ることができる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明の実施例、さらに別の変形例において、携帯用端末装置18が設定可能なランダム待ち時間と、車載用端末装置14がキャリアセンスのために設定可能なランダム待ち時間とが重複している。しかしながらこれに限らず例えば、設定部88が設定可能なランダム待ち時間の範囲は、車載用端末装置14がキャリアセンスのために設定可能なランダム待ち時間の範囲とずれていてもよい。一例では、設定部88でのコンテンションウインドウが、「48」から「63」と規定され、車載用端末装置14でのコンテンションウインドウが、「0」から「47」と規定される。本変形例によれば、ランダム待ち時間をずらすので、パケット信号の衝突確率を低減できる。
本発明の実施例、さらに別の変形例において、携帯用端末装置18が設定可能なランダム待ち時間と、車載用端末装置14がキャリアセンスのために設定可能なランダム待ち時間とが可変に設定される。しかしながらこれに限らず例えば、設定部88が設定可能なランダム待ち時間は固定値であり、車載用端末装置14がキャリアセンスのために設定可能なランダム待ち時間は可変値であってもよい。本変形例によれば、携帯用端末装置18での処理を簡易にできる。
本発明の変形例、さらに別の変形例において、携帯用端末装置18が設定可能なランダム待ち時間と、車載用端末装置14がキャリアセンスのために設定可能なランダム待ち時間とが重複している。しかしながらこれに限らず例えば、設定部88が設定可能なランダム待ち時間の範囲は、車載用端末装置14がキャリアセンスのために設定可能なランダム待ち時間の範囲とずれていてもよい。一例では、設定部88でのコンテンションウインドウに対して、奇数の乱数値が使用され、車載用端末装置14でのコンテンションウインドウに対して、偶数の乱数値が使用される。本変形例によれば、ランダム待ち時間をずらすので、パケット信号の衝突確率を低減できる。
本発明の実施例、変形例、別の変形例、さらに別の変形例において、車載用端末装置14と携帯用端末装置18とは別に構成されている。しかしながらこれに限らず例えば、これらがひとつの端末装置として構成されてもよい。この端末装置は、車載モードで動作する際に車載用端末装置14になり、携帯モードで動作する際に携帯用端末装置18になる。このような端末装置は、状況に応じて、車載用端末装置14と解してもよく、携帯用端末装置18と解してもよい。本変形例によれば、両装置の機能を有したひとつの端末装置を実現することができる。
本発明の実施例、変形例、別の変形例、さらに別の変形例は、次の項目によって特徴付けられてもよい。
(項目1−1)
第1期間と第2期間とが少なくとも含まれたフレームのうち、第1期間において基地局装置からのパケット信号であって、かつフレーム構成に関する情報が含まれたパケット信号を受信する受信部と、
前記受信部において受信したパケット信号をもとに、フレーム中の第2期間を特定する特定部と、
前記特定部において特定した第2期間にて、待ち時間を設定する設定部と、
前記設定部において設定した待ち時間にわたって、キャリアセンスを実行するキャリアセンス部と、
前記キャリアセンス部におけるキャリアセンスの結果をもとに、パケット信号を送信する送信部とを備え、
前記設定部が設定可能な待ち時間の範囲は、第2期間においてパケット信号を送信可能な他種の端末装置がキャリアセンスのために設定可能な待ち時間の範囲よりも長いことを特徴とする端末装置。
例えば、第1期間は路車送信期間に対応し、第2期間は車車送信期間に対応し、他種の端末装置は車載用端末装置に対応し、端末装置は携帯用端末装置に対応する。
例えば、本端末装置の数が増えた結果でトラヒックが増えたとしても、本端末装置が、他種の端末装置よりも、送信時の平均的な待ち時間が長くなるように待ち時間を設定するので、他種の端末装置のサービスの成立性に与える影響を抑制できる。
(項目1−2)
前記設定部が設定可能な待ち時間の最大値は、他種の端末装置がキャリアセンスのために設定可能な待ち時間の最大値よりも大きいことを特徴とする項目1−1に記載の端末装置。
(項目1−3)
前記設定部が設定可能な待ち時間の範囲は、他種の端末装置がキャリアセンスのために設定可能な待ち時間の範囲とずれていることを特徴とする項目1−1に記載の端末装置。
例えば、本端末装置の数が増えた結果でトラヒックが増えたとしても、他種の端末装置と本端末装置とが、互いに異なった送信時の待ち時間を設定するので、本端末装置と他種の端末装置との間のパケット信号の衝突確率の増加を抑制できる。
(項目1−4)
前記設定部が設定可能な待ち時間は固定値であり、他種の端末装置がキャリアセンスのために設定可能な待ち時間は可変値であることを特徴とする項目1−1に記載の端末装置。
例えば、本端末装置の数が増えた結果でトラヒックが増えたとしても、本端末装置の固定の待ち時間が、他種の端末装置の可変の待ち時間の平均値よりも長くなるような設定がなされるので、本端末装置と他種の端末装置との間のパケット信号の衝突確率の増加を抑制できる。
(項目2−1)
第1期間と第2期間とが少なくとも含まれたフレームのうち、第1期間において基地局装置からのパケット信号であって、かつフレーム構成に関する情報が含まれたパケット信号を受信する受信部と、
前記受信部において受信したパケット信号をもとに、フレーム中の第2期間を特定する特定部と、
前記特定部において特定した第2期間にて、待ち時間を設定する設定部と、
前記設定部において設定した待ち時間にわたって、キャリアセンスを実行するキャリアセンス部と、
前記キャリアセンス部におけるキャリアセンスの結果をもとに、パケット信号を送信する送信部とを備え、
前記設定部が設定可能な待ち時間の範囲は、第2期間においてパケット信号を送信可能な他種の端末装置がキャリアセンスのために設定可能な待ち時間の範囲に等しいことを特徴とする端末装置。
例えば、第1期間は路車送信期間に対応し、第2期間は車車送信期間に対応し、他種の端末装置は車載用端末装置に対応し、端末装置は携帯用端末装置に対応する。
例えば、他種の端末装置と本端末装置とが、同じ範囲で待ち時間を設定するので、端末装置の種別やサービス形態にかかわらず、公平な送信期間を付与できる。
(項目2−2)
前記設定部が設定可能な待ち時間の最大値は、他種の端末装置がキャリアセンスのために設定可能な待ち時間の最大値に等しいことを特徴とする項目2−1に記載の端末装置。
例えば、他種の端末装置と本端末装置とが、同じ最大値で待ち時間を設定するので、端末装置の種別やサービス形態にかかわらず、公平な送信期間を付与できる。
(項目2−3)
前記設定部が設定可能な待ち時間の範囲は、他種の端末装置がキャリアセンスのために設定可能な待ち時間の範囲とずれていることを特徴とする項目2−1に記載の端末装置。
例えば、他種の端末装置と本端末装置とが、同じ範囲で待ち時間を設定していても、両者の待ち時間の範囲がずれているので、パケット信号の衝突確率の増加を抑制できる。
(項目3−1)
基地局装置であって、
複数のサブフレームの時分割多重によって形成されたフレームのうち、少なくともひとつのサブフレームに設定された第1期間において送信すべきパケット信号を生成する生成部と、
前記生成部において生成したパケット信号を第1期間において送信する送信部とを備え、
前記送信部がパケット信号を送信すべき第1期間を設定したサブフレーム以外のサブフレームにおいて、他の基地局装置がパケット信号を送信するための他の第1期間が設定可能であり、第1期間と他の第1期間とが設定されたサブフレーム以外のサブフレームにおいて、第1種の端末装置がパケット信号を送信するための第2期間が設定可能であり、フレーム中の第1期間と他の第1期間と第2期間以外の期間において、第2種の端末装置がパケット信号を送信するための第3期間が設定されることを特徴とする基地局装置。
例えば、第1期間および他の第1期間は路車送信期間に対応し、第2期間は歩車送信期間に対応し、第3期間は車車送信期間に対応し、第1種の端末装置は携帯用端末装置に対応し、第2種の端末装置は車載用端末装置に対応する。
例えば、第1種の端末装置、第2種の端末装置、基地局装置のそれぞれが送信可能な期間を別に設定するので、それぞれの無線装置が普及した状況下においても、互いの送信機会に与える影響を低減できる。
(項目3−2)
前記送信部がパケット信号を送信すべき第1期間を設定したサブフレームと、他の基地局装置がパケット信号を送信するための他の第1期間を設定したサブフレームにおいても、第2期間が設定可能であることを特徴とする項目3−1に記載の基地局装置。
例えば、第1期間が設定されたサブフレームに第2期間も設定するので、フレーム中の第2期間の長さを長くできる。
(項目3−3)
前記生成部は、設定した第1期間に関する情報と、設定した第2期間に関する情報とをパケット信号に含めており、設定した第2期間に関する情報は、他の基地局装置から送信されるパケット信号にも共通して含められることを特徴とする項目3−1または項目3−2に記載の基地局装置。
例えば、第2種の端末装置に対して、第1期間と第2期間を識別することなく送信可能な期間を検知させられるので、処理を簡素化できる。
(項目3−4)
前記生成部は、第1期間と第2期間とを識別するための情報もパケット信号に含めることを特徴とする項目3−3に記載の基地局装置。
例えば、第3種の端末装置に対して、第1期間と第2期間とを簡易に識別させることが可能になるので、処理を高速化できる。
(項目4−1)
基地局装置であって、
複数のサブフレームの時分割多重によって形成されたフレームのうち、少なくともひとつのサブフレームに設定された第1期間において送信すべきパケット信号を生成する生成部と、
前記生成部において生成したパケット信号を第1期間において送信する送信部とを備え、
前記送信部がパケット信号を送信すべき第1期間を設定したサブフレーム以外のサブフレームにおいて、他の基地局装置がパケット信号を送信するための他の第1期間が設定可能であり、第1期間と他の第1期間とが設定されたサブフレーム以外のサブフレームにおいて、第1種の端末装置がパケット信号を送信するための第2期間が設定され、フレーム中の第1期間と他の第1期間と第2期間以外の期間において、第2種の端末装置がパケット信号を送信するための第3期間が設定されることを特徴とする基地局装置。
例えば、第1期間および他の第1期間は路車送信期間に対応し、第2期間は歩車送信期間に対応し、第3期間は車車送信期間に対応し、第1種の端末装置は携帯用端末装置に対応し、第2種の端末装置は車載用端末装置に対応する。
例えば、第1種の端末装置、第2種の端末装置、基地局装置のそれぞれが送信可能な期間を別に設定するので、それぞれの無線装置が普及した状況下においても、互いの送信機会に与える影響を低減できる。
(項目4−2)
前記送信部がパケット信号を送信すべき第1期間を設定したサブフレームと、他の基地局装置がパケット信号を送信するための他の第1期間を設定したサブフレームにおいても、第2期間が設定可能であることを特徴とする項目4−1に記載の基地局装置。
例えば、第1種の端末装置と第2種の端末装置の数やトラヒック量をもとに、第2期間を設定するので、運用事業者の設計にしたがったサービスを実現できる。
(項目4−3)
前記生成部は、設定した第1期間に関する情報をパケット信号に含めることを特徴とする項目4−1または項目4−2に記載の基地局装置。
例えば、第1種の端末装置にとって、送信可能時間が簡易に識別されるので、処理を簡素化できる。
(項目5−1)
複数のサブフレームの時分割多重によって形成されたフレームのうち、互いに異なったサブフレームに、各基地局装置がパケット信号を送信するための第1期間が設定可能であり、第1期間が設定されたサブフレーム以外のサブフレームにおいて、第1種の端末装置がパケット信号を送信するための第2期間が設定可能であり、フレーム中の第1期間と第2期間以外の期間において、第2種の端末装置がパケット信号を送信するための第3期間が設定され、第2期間に関する情報を設定する設定部と、
前記設定部において設定した情報を各基地局装置に出力する出力部と、
を備えることを特徴とする管理装置。
例えば、第1期間は路車送信期間に対応し、第2期間は歩車送信期間に対応し、第3期間は車車送信期間に対応し、第1種の端末装置は携帯用端末装置に対応し、第2種の端末装置は車載用端末装置に対応する。
例えば、第1種の端末装置、第2種の端末装置、基地局装置のそれぞれが送信可能な期間を設定するので、それぞれの無線機が普及した状況下においても、互いの送信機会に与える影響を低減できる。
(項目5−2)
前記設定部は、第1期間を設定したサブフレームにおいても、第2期間を設定可能であることを特徴とする項目5−1に記載の管理装置。
例えば、第1期間が設定されたサブフレームに第2期間も設定するので、フレーム中の第2期間の長さを長くできる。