〔非帯電性着色樹脂粒子〕
本発明の非帯電性着色樹脂粒子は、金属酸化物からなる顔料粒子と、前記顔料粒子を被覆する、表面処理剤に由来する層と、前記表面処理剤に由来する層を被覆する樹脂層とを含み、前記表面処理剤が、下記一般式
R1 nR2 pSiXm…(1)
(上記式中、R1は、フッ素原子含有のアルキル基、フッ素原子含有のアリール基、又はフッ素原子含有のアラルキル基を表し、R2は、アルキル基を表し、Xはアルコキシ基又は塩素原子を表し、mは1〜3の整数を表し、nは1〜3の整数を表し、pは0〜2の整数を表し、m+n+p=4である)
で表されるフッ素基含有シラン化合物であり、前記表面処理剤に由来する層の量が、前記顔料粒子の表面積1m2あたり0.05〜2.50mgであり、動粘度が100cSt以下であるシリコーンオイル中に固形分濃度20重量%で分散した状態で、相互の距離が50μmである相互に平行な1対の平板のITO電極間に挟まれて15Vの電圧が60秒間印加されたときに、10nC/cm2以下の帯電量測定値を示す。
上記非帯電性着色樹脂粒子は、一実施形態において、図1に示す構成を有していると考えられる。すなわち、一実施形態に係る非帯電性着色樹脂粒子は、図1に示すように、顔料粒子1の表面に、表面処理剤に由来する層2が存在する。さらに、表面処理剤に由来する層2の表面に、樹脂層3が存在する。この非帯電性着色樹脂粒子では、表面処理剤由来層2が、顔料粒子1と樹脂層3とを結合させ、樹脂層3の剥離を抑制する役割を有すると考えられる。
なお、図1では、1つの非帯電性着色樹脂粒子中に顔料粒子が1つ存在する場合を示しているが、1つの非帯電性着色樹脂粒子中に存在する顔料粒子の数は1つのみに限定されるものではなく、複数の顔料粒子が1つの非帯電性着色樹脂粒子中に存在していてもよい。
〔1.顔料粒子〕
上記顔料粒子は、金属酸化物からなる。上記顔料粒子としては、当該技術分野で顔料として用いられる金属酸化物の粒子であれば特に限定されず、例えば、雲母状酸化鉄、鉄黒等の酸化鉄系顔料、鉛丹、気鉛等の酸化鉛系顔料;チタンホワイト(ルチル型酸化チタン)、チタンイエロー、チタンブラック等の酸化チタン系顔料;酸化コバルト;亜鉛黄のような酸化亜鉛系顔料;モリブデン赤、モリブデンホワイト等の酸化モリブデン系顔料等の粒子が挙げられる。本発明の非帯電性着色樹脂粒子を電気泳動表示装置の背景を表示するのに用いる場合には、紙のような白色背景の表示を実現できることから、上記顔料粒子として、チタンホワイト、モリブデンホワイト等の白色顔料の粒子を用いることが好ましく、より白みに優れた白色背景の表示を実現できることから、上記顔料粒子として、チタンホワイトの粒子を用いることがより好ましい。上記顔料粒子は、1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記顔料粒子の平均粒子径は、電気泳動表示装置に使用される非帯電性着色樹脂粒子に要求される特性に応じて適宜設定できるが、一般に、50〜300nmの範囲内とすればよい。
さらに、上記顔料粒子の比表面積は、0.5〜300m2/gの範囲内であることが好ましい。
〔2.表面処理剤に由来する層〕
上記の表面処理剤に由来する層(以下「表面処理剤由来層」と称する)は、上記顔料粒子を被覆するものである。上記表面処理剤由来層は、上記顔料粒子の表面を表面処理剤で処理することによって形成できる。
上記表面処理剤は、下記一般式
R1 nR2 pSiXm…(1)
(上記式中、R1は、フッ素原子含有のアルキル基、フッ素原子含有のアリール基、又はフッ素原子含有のアラルキル基を表し、R2は、アルキル基を表し、Xはアルコキシ基又は塩素原子を表し、mは1〜3の整数を表し、nは1〜3の整数を表し、pは0〜2の整数を表し、m+n+p=4である)
で表されるフッ素基含有シラン化合物である。
上記R1で表されるフッ素原子含有のアルキル基の炭素数は、1〜25であることが好ましい。上記R1で表されるフッ素原子含有のアリール基の炭素数は、6〜22であることが好ましい。上記R1で表されるフッ素原子含有のアラルキル基の炭素数は7〜30であることが好ましい。上記R2で表されるアルキル基の炭素数は、1〜25であることが好ましい。上記Xで表されるアルコキシ基の炭素数は、1〜15であることが好ましい。
上記フッ素基含有シラン化合物としては、例えば、トリフルオロメチルトリエトキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリクロロシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、(ペンタフルオロフェニル)トリエトキシシラン、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリメトキシシラン、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリクロロシラン、(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリメトキシシラン、ジメトキシ−メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン、トリクロロ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン、ジメチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)クロロシラン、トリクロロ(1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチル)シラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロドデシルトリクロロシラン、ペンタフルオロフェニルエトキシジメチルシラン、ペンタフルオロフェニルジメチルクロロシラン等が挙げられる。上記フッ素基含有シラン化合物は、1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記表面処理剤由来層の量(上記表面処理剤由来層を作成するのに使用したフッ素基含有シラン化合物の量に相当する)は、上記顔料粒子の表面積1m2あたり0.05〜2.50mgである。上記表面処理剤由来層の量が上記顔料粒子の表面積1m2あたり0.05mg未満である場合、着色樹脂粒子の帯電性を十分に低減できない。これは、上記表面処理剤由来層表面のフッ素原子上の負電荷によって顔料粒子表面の正電荷を中和する効果が不十分となるためであると考えられる。上記表面処理剤由来層の量が上記顔料粒子の表面積1m2あたり2.50mgを超える場合にも、着色樹脂粒子の帯電性を十分に低減できない。これは、上記表面処理剤由来層表面のフッ素原子上の負電荷の量が顔料粒子表面の正電荷の量よりも大過剰となり、かえって着色樹脂粒子の帯電性を増大させてしまうためであると考えられる。
上記表面処理剤由来層の量(上記表面処理剤由来層を作成するのに使用したフッ素基含有シラン化合物の量に相当する)は、上記顔料粒子の表面積1m2あたり0.0001〜0.0100ミリモルのフッ素原子を含むことが好ましい。
上記表面処理剤由来層の形成は、顔料粒子を表面処理剤で処理する公知の表面処理方法で行うことができる。上記表面処理方法としては、例えば、顔料粒子を表面処理剤で直接処理する直接法等があり、直接法が簡便である。上記直接法としては、例えば、乾式法、湿式法(スラリー法)、スプレー法等が挙げられる。上記表面処理方法としては、湿式法が最も好適である。これにより、後述の樹脂層を形成する工程を分散重合法にて容易に行うことができる。
上記乾式法としては、インテグラルブレンド法と称される直接法、マスターバッチ法、ドライコンセントレート法等がある。上記乾式法は、顔料粒子と表面処理剤とを乾燥状態(溶媒等の媒体なしの状態)で混合することで、顔料粒子の表面処理を行うものである。この方法では、表面処理剤の添加後に、せん断力のあるヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等を用いて、加温条件下で高速攪拌することで表面処理できる。表面処理時の温度条件は、表面処理剤による処理反応が進行する条件であればよく、必要に応じて加熱すればよい。また、必要に応じて顔料粒子を表面処理の前に乾燥しておくと、処理の効率を向上できる。
上記湿式法は、溶媒中に顔料粒子を分散させた状態で、表面処理剤による表面処理を行うものである。この場合にも、必要に応じて加熱してもよく、顔料粒子を表面処理の前に乾燥してもよい。また、上記湿式法は顔料粒子が溶媒へ分散した状態で顔料粒子の表面処理を進行させる方法であることから、顔料粒子の表面処理効率を向上させるために、表面処理の前に顔料粒子の凝集状態をほぐすことが好ましい。顔料粒子の凝集状態をほぐす方法としては、例えば、攪拌、分散等による粉砕処理、各種ミキサー等によるせん断力を利用した粉砕処理、各種分散剤、乳化剤等の添加による分散処理等が挙げられる。
上記湿式法は、具体的には、例えば、次の手順で行うことができる。すなわち、まず、顔料粒子を溶媒中に分散させて分散液を作製した後、分散液に表面処理剤を添加する。添加後、必要に応じて、ガラスビーズ、スチールビーズ、ジルコニアビーズ等の分散媒体を分散液に加える。分散媒体を含む分散液を分散機に入れ、分散機中で分散液を混合することで、顔料粒子の表面処理を行うことができる。上記分散機としては、例えば、ボールミル;「DYNO(登録商標)−MILL」(ダイノーミル)やDSP−ミル等のビーズミル;ロールミル;サンドミル;アトライター;ニーダー;ナノマイザー等の高圧噴射ミル等が挙げられる。
上記非極性溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン等のパラフィン系炭化水素;イソヘキサン、イソオクタン、イソドデカン等のイソパラフィン系炭化水素;流動パラフィン等のアルキルナフテン系炭化水素;ジメチルシリコーンオイル等のジアルキルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル(フェニルメチルシリコーンオイル)等のアルキルフェニルシリコーンオイル、環状ポリジアルキルシロキサン、環状ポリアルキルフェニルシロキサン等のシリコーンオイル等が挙げられる。これらのうち、作業環境等の環境への影響を考慮して、流動パラフィン等のアルキルナフテン系炭化水素;ジメチルシリコーンオイル等のジアルキルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル(フェニルメチルシリコーンオイル)等のアルキルフェニルシリコーンオイル、環状ポリジアルキルシロキサン、環状ポリアルキルフェニルシロキサン等のシリコーンオイルが上記非極性溶媒として好ましい。上記非極性溶媒は、1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。上記シリコーンオイルは、顔料粒子及び表面処理剤の分散を効率よく行うために、JIS K 2283で規定された測定方法により測定された動粘度が100cSt以下のシリコーンオイルであることが好ましい。
〔3.樹脂層〕
上記樹脂層は、上記表面処理剤に由来する層を被覆するものである。上記樹脂層を構成する樹脂としては、疎水性の樹脂であれば、特に限定されず、公知の樹脂をいずれも使用できる。上記樹脂層としては、ビニル系単量体(少なくとも1つのエチレン性不飽和基(広義のビニル基)を有する化合物)の重合体からなる層が好ましい。
〔3−1.ビニル系単量体〕
上記ビニル系単量体としては、1つのエチレン性不飽和基を有するビニル系単量体(以下「単官能性ビニル系単量体」と称する)を用いることができる。上記単官能性ビニル系単量体は、極性基を有しない単官能性ビニル系単量体であってもよく、極性基を有する単官能性ビニル系単量体であってもよい。本出願書類において、「極性基」とは、シアノ基、アミノ基、アンモニウム基、ヒドロキシル基、カルボニル基、ニトロ基、チオール基、スルホニル基、ホスホニル基、ハロゲン基、及びグリシジル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の置換基を意味する。したがって、上記の極性基を有しない単官能性ビニル系単量体は、上記群を構成する置換基の何れをも含まないビニル系単量体である。
上記の極性基を有しない単官能性ビニル系単量体としては、例えば、後述する極性基を有しない単官能性の芳香族ビニル系単量体;イソプレン、イソブテン、プロピレン、エチレン等のオレフィン類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類等が挙げられる。
上記の極性基を有する単官能性ビニル系単量体としては、例えば、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン等のスチレン誘導体;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、弗化ビニル等のハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロロエチル、アクリル酸フェニル、α−クロロアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル等のアクリル酸誘導体またはメタクリル酸誘導体(α−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類を除く);アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸等のエチレン性不飽和基を有する脂肪酸類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル含窒素複素環化合物;後述するエチレン性不飽和基を有するシリコーンマクロモノマー;後述するエチレン性不飽和基を有する反応性分散剤等が挙げられる。上記単官能性ビニル系単量体は、1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記ビニル系単量体として、2つ以上のエチレン性不飽和基を有するビニル系単量体(以下「架橋性ビニル系単量体」と称する)を用いることができる。上記架橋性ビニル系単量体としては、例えば、後述する極性基を有しない架橋性の芳香族ビニル系単量体;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、デカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールテトラ(メタ)アクリレート、フタル酸ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスルトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体等が挙げられる。なお、本出願書類において、「(メタ)アクリレート」とはアクリレートまたはメタクリレートを意味し、「(メタ)アクリル」とはアクリルまたはメタクリルを意味するものとする。上記架橋性ビニル系単量体は、1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記ビニル系単量体としては、極性基を有しないビニル系単量体(極性基を有しない単官能性ビニル系単量体または極性基を有しない架橋性ビニル系単量体)が好ましく、芳香族ビニル系単量体(後述する極性基を有しない単官能性の芳香族ビニル系単量体、または後述する極性基を有しない架橋性の芳香族ビニル系単量体)がより好ましい。すなわち、上記樹脂層は、極性基を有しないビニル系単量体に由来する構造単位を含む重合体からなることが好ましく、極性基を有しない芳香族ビニル系単量体に由来する構造単位を含む重合体からなることがより好ましい。これにより、樹脂層に含まれる極性基の数を低減できるので、非帯電性着色樹脂粒子の帯電性をさらに低減できる。その結果、本発明の非帯電性着色樹脂粒子を帯電性着色樹脂粒子と組み合わせて電気泳動表示装置に用いたときに、非帯電性着色樹脂粒子と帯電性着色樹脂粒子との凝集、あるいは帯電性着色粒子の泳動方向と同じ方向への非帯電性着色樹脂粒子の泳動による混色の発生をさらに抑制できる。
上記樹脂層を構成する重合体における極性基を有しないビニル系単量体に由来する構造単位の割合(全てのビニル系単量体中における極性基を有しないビニル系単量体の割合に相当する)は、50重量%以上であることが好ましく、80重量%以上であることがより好ましく、100重量%であることが最も好ましい。これにより、樹脂層に含まれる極性基の数をさらに低減できるので、非帯電性着色樹脂粒子の帯電性をさらに低減できる。その結果、本発明の非帯電性着色樹脂粒子を帯電性着色樹脂粒子と組み合わせて電気泳動表示装置に用いたときに、非帯電性着色樹脂粒子と帯電性着色樹脂粒子との凝集、あるいは帯電性着色粒子の泳動方向と同じ方向への非帯電性着色樹脂粒子の泳動による混色の発生をさらに抑制できる。
上記の極性基を有しない芳香族ビニル系単量体は、少なくとも1つのエチレン性不飽和基(広義のビニル基)を有し、かつ芳香族基を有する化合物(芳香族ビニル系単量体)であって、極性基を含まない化合物である。上記の極性基を有しない芳香族ビニル系単量体は、シアノ基、アミノ基、アンモニウム基、ヒドロキシル基、カルボニル基、ニトロ基、チオール基、スルホニル基、ホスホニル基、ハロゲン基、及びグリシジル基の何れをも含まない芳香族ビニル系単量体である。
上記の極性基を有しない芳香族ビニル系単量体は、極性基を有しない単官能性の芳香族ビニル系単量体(1つのエチレン性不飽和基を有する芳香族ビニル系単量体)であってもよく、2つ以上のエチレン性不飽和基を有する芳香族ビニル系単量体である架橋性の芳香族ビニル系単量体であってもよい。上記の極性基を有しない単官能性の芳香族ビニル系単量体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、o−n−ブチルスチレン、m−n−ブチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、o−tert−ブチルスチレン、m−tert−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、o−n−ヘキシルスチレン、m−n−ヘキシルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、o−n−オクチルスチレン、m−n−オクチルスチレン、p−n−オクチルスチレン、o−n−ノニルスチレン、m−n−ノニルスチレン、p−n−ノニルスチレン、o−n−デシルスチレン、m−n−デシルスチレン、p−n−デシルスチレン、o−n−ドデシルスチレン、m−n−ドデシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、n−メトキシスチレン、o−フェニルスチレン、m−フェニルスチレン、p−フェニルスチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、及びそれらの誘導体等が挙げられる。上記の極性基を有しない架橋性の芳香族ビニル系単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン及びこれらの誘導体等の芳香族ジビニル系単量体等が挙げられる。上記の極性基を有しない芳香族ビニル系単量体は、1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記樹脂層は、架橋重合体からなることが好ましい。したがって、上記樹脂層は、上記単官能性ビニル系単量体と上記架橋性ビニル系単量体との共重合体からなることが好ましい。上記共重合体における架橋性ビニル系単量体に由来する構造単位の割合(全てのビニル系単量体中における架橋性ビニル系単量体の割合に相当する)は、0.5〜80重量%の範囲内であることが好ましく、5〜50重量%の範囲内であることがより好ましい。
上記樹脂層の量は、上記顔料粒子100重量部に対して40重量部以上であることが好ましく、また、上記顔料粒子100重量部に対して300重量部以下であることが好ましい。上記樹脂層の量が上記顔料粒子100重量部に対して300重量部を超えると、非帯電性着色樹脂粒子の製造時に非帯電性着色樹脂粒子同士の凝集が起こることがある。上記樹脂層の量が上記顔料粒子100重量部に対して40重量部未満であると、顔料粒子に対して上記樹脂層の被覆が不完全となり、非極性溶媒への非帯電性着色樹脂粒子の分散性が悪化することがある。上記樹脂層の量は、上記顔料粒子100重量部に対して100重量部以上であることがより好ましく、また、上記顔料粒子100重量部に対して250重量部以下であることがより好ましい。
〔3−2.樹脂層の形成方法〕
上記樹脂層は、上記ビニル系単量体を、上記前記表面処理剤に由来する層で被覆された顔料粒子及び重合開始剤の存在下で重合することにより形成できる。
上記樹脂層を形成するための重合に用いる重合開始剤としては、油溶性の過酸化物系重合開始剤またはアゾ系重合開始剤等を用いることができる。上記重合開始剤としては、具体的には、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化オクタノイル、o−クロロ過酸化ベンゾイル、o−メトキシ過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、キュメンハイドロパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,3−ジメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,3,3−トリメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−イソプロピルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、4,4’−アゾビス (4−シアノバレリン酸)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ系重合開始剤等が挙げられる。上記重合開始剤としては、シアノ基、カルボキシル基、アミド基、アンモニウム基、スルホン酸基等の極性基を含まない重合開始剤、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等の有機過酸化物系重合開始剤、ジメチル−2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ系重合開始剤等が好ましい。上記重合開始剤は、1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記重合は、非極性溶媒中での分散重合であることが好ましい。上記非極性溶媒としては、「2.表面処理剤に由来する層」の項で挙げたものをいずれも使用でき、作業環境等の環境への影響を考慮してシリコーンオイルが好ましい。上記シリコーンオイルは、上記分散重合において分散を効率よく行うために、JIS K 2283で規定された測定方法により測定された動粘度が100cSt以下のシリコーンオイルであることが好ましい。
上記分散重合時に上記顔料粒子同士の合着を防ぐため、分散重合は、超音波の照射下、またはマグネチックスターラー等の機械的攪拌装置による撹拌下で行うことが好ましい。また。分散重合は、超音波の照射と、マグネチックスターラー等の機械的攪拌装置による撹拌とを併用して行ってもよい。
上記重合における反応温度及び時間は、特に限定されるものではなく、用いる重合開始剤の種類や使用量及び重合に使用するビニル系単量体の量等により適時調整すればよい。上記重合の反応温度は、40〜120℃の範囲内であることが好ましく、40〜80℃の範囲内であることがより好ましい。上記重合の反応時間は、0.5〜50時間の範囲内であることが好ましく、2〜12時間の範囲内であることがより好ましい。
また、上記重合は、大気雰囲気中で行ってもよく、不活性ガス雰囲気中で行ってもよいが、雰囲気中の酸素による重合速度の遅延及び重合阻害を防止するために、不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。このような不活性ガスとしては、窒素ガス及びアルゴンガスが挙げられるが、経済性の面から窒素ガスが好ましい。
上記樹脂層は、ビニル系単量体の選択により被覆厚さ及び被覆割合を調整することができ、それにより非帯電性着色樹脂粒子の粒子径を制御することが可能である。例えば、後述するように上記樹脂層が、反応性分散剤と極性基を有しない芳香族ビニル系単量体との重合体からなる場合、芳香族ビニル系単量体に対する反応性分散剤の割合を増やすことにより、非帯電性着色樹脂粒子の粒子径を小さくすることができる。また、非極性溶媒に対する親和性が高いビニル系単量体を選択して用いることによって、非帯電性着色樹脂粒子の粒子径を小さくすることができる。
〔3−4.反応性分散剤〕
上記樹脂層は、エチレン性不飽和基を有する反応性分散剤と、極性基を有しない芳香族ビニル系単量体との重合体からなることが好ましい。これにより、非帯電性着色樹脂粒子が非極性溶媒中に分散し易くなる。また、上記樹脂層を分散重合により形成する場合、反応性分散剤とビニル系単量体との分散重合を行うことにより、重合時の粒子同士の合着による凝集を防ぎながら反応性分散剤の分子鎖(例えばシリコーンマクロモノマー由来のシリコーン鎖)が表面へ化学的に固定化された非帯電性着色樹脂粒子を得ることができる。
上記反応性分散剤は、シリコーンマクロモノマーと、極性基を有しないビニル系単量体と、α−メチルスチレンダイマーとの共重合体であることが好ましい。これにより、非帯電性着色樹脂粒子の帯電性をさらに低減できる。その結果、本発明の非帯電性着色樹脂粒子を帯電性着色樹脂粒子と組み合わせて電気泳動表示装置に用いたときに、非帯電性着色樹脂粒子と帯電性着色樹脂粒子との凝集、あるいは帯電性着色粒子の泳動方向と同じ方向への非帯電性着色樹脂粒子の泳動による混色の発生をさらに抑制できる。上記共重合体は、非極性溶媒の存在下で、シリコーンマクロモノマー、極性基を有しないビニル系単量体、及び、α−メチルスチレンダイマーを分散重合することにより得ることができる。
上記のエチレン性不飽和基を有するシリコーンマクロモノマーとしては、片末端にエチレン性不飽和基を有し、かつシリコーン単位(ジメチルポリシロキサン単位等のオルガノシロキサン単位)を有する種々の化合物を使用できる。
上記シリコーンマクロモノマーとしては、例えば、下記一般式(2)で示される構造を有するものが挙げられる。
(上記式中、R
3は水素原子又はメチル基を表し、R
4は、炭素数2〜4のアルキレン基を表し、R
5は、互いに同一又は異なって、炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基を表し、nは、正の整数を表す)
上記一般式(2)中におけるR
4で表される炭素数2〜4のアルキレン基としては、エチレン基、n−プロピレン基(トリメチレン基)、テトラメチレン基、エチルエチレン基等が挙げられる。上記一般式(2)中におけるR
5で表される炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
上記一般式(2)で表される構造を有するシリコーンマクロモノマーとしては、具体的には、例えば、α−ブチル−ω−(3−メタクリロキシプロピル)ポリジメチルシロキサン(例えばJNC株式会社製の「サイラプレーン(登録商標)FM−0721」(商品名))等が挙げられる。上記シリコーンマクロモノマーは、1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記シリコーンマクロモノマーの数平均分子量は、500〜40000の範囲内であることが好ましく、1000〜20000の範囲内であることがより好ましい。上記一般式(2)におけるnは、この範囲内の数平均分子量を与えうる数であることが好ましい。上記一般式(2)におけるnは、3〜500の範囲内であることが好ましく、10〜250の範囲内であることがより好ましい。
上記の極性基を有しないビニル系単量体は、少なくとも1つのエチレン性不飽和基を有する化合物(ビニル系単量体)であって、シアノ基、アミノ基、アンモニウム基、ヒドロキシル基、カルボニル基、ニトロ基、チオール基、スルホニル基、ホスホニル基、ハロゲン基、及びグリシジル基の何れをも含まない化合物である。上記ビニル系単量体が極性基を有しないことにより、本発明の非帯電性着色樹脂粒子の帯電性をさらに低減できる。
上記の極性基を有しないビニル系単量体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、o−n−ブチルスチレン、m−n−ブチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、o−tert−ブチルスチレン、m−tert−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、o−n−ヘキシルスチレン、m−n−ヘキシルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、o−n−オクチルスチレン、m−n−オクチルスチレン、p−n−オクチルスチレン、o−n−ノニルスチレン、m−n−ノニルスチレン、p−n−ノニルスチレン、o−n−デシルスチレン、m−n−デシルスチレン、p−n−デシルスチレン、o−n−ドデシルスチレン、m−n−ドデシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、n−メトキシスチレン、o−フェニルスチレン、m−フェニルスチレン、p−フェニルスチレン等のスチレン類;1−ビニルナフタレン又は2−ビニルナフタレン(ビニルナフタレン類);イソプレン、イソブテン、プロピレン、エチレン等のオレフィン類;これらの誘導体等が挙げられる。上記の極性基を有しないビニル系単量体は、1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記の極性基を有しないビニル系単量体の使用量は、シリコーンマクロモノマー100重量部に対して、2〜50重量部の範囲内であることが好ましく、5〜25重量部の範囲内であることがより好ましい。上記の極性基を有しないビニル系単量体の使用量がシリコーンマクロモノマー100重量部に対して2重量部未満であると、顔料粒子と反応性分散剤との親和性が悪くなるため、顔料粒子と反応性分散剤とが化学的に結合することが難しくなり、その結果、非帯電性着色樹脂粒子を非極性溶媒中に分散させて非帯電性着色樹脂粒子分散体としたときの非帯電性着色樹脂粒子の分散安定性が悪くなることがある。一方、上記の極性基を有しないビニル系単量体の使用量がシリコーンマクロモノマー100重量部に対して50重量部を超えると、顔料粒子と非極性溶媒との親和性が悪くなるため、非帯電性着色樹脂粒子を非極性溶媒中に分散させて非帯電性着色樹脂粒子分散体としたときの非帯電性着色樹脂粒子の分散安定性が悪くなることがある。
上記α−メチルスチレンダイマーは、次式で表される構造を有する付加開裂型の連鎖移動剤である。
α−メチルスチレンダイマーと、シリコーンマクロモノマーと、極性基を有しないビニル系単量体との共重合により、分子量が制御され、かつ末端にα−メチルスチレンダイマーに由来する反応性の二重結合を有する重合性共重合体が反応性分散剤として得られる。
上記α−メチルスチレンダイマーの使用量は、反応性分散剤の数平均分子量によって異なるが、一般には、シリコーンマクロモノマー100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲内であることが好ましい。また、α−メチルスチレンダイマーの代わりに、ラジカル重合性の低いエチレン性不飽和基を含む(メタ)アクリル酸エステル、例えば(メタ)アクリル酸2−プロペニル、(メタ)アクリル酸3−ブテニル等を用いて、反応性の二重結合を有する重合性共重合体を反応性分散剤として得てもよい。
α−メチルスチレンダイマーの使用量がシリコーンマクロモノマー100重量部に対して0.1重量部未満であると、α−メチルスチレンダイマーによる分子量制御が難しくなり、得られる反応性分散剤の数平均分子量が大きくなりすぎることがある。一方、α−メチルスチレンダイマーの使用量がシリコーンマクロモノマー100重量部に対して10重量部を超えると、添加量に見合った効果(反応性分散剤の数平均分子量を低下させる効果)が得られないことがある。
上記反応性分散剤の重量平均分子量は、3000〜200000の範囲内であることが好ましく、5000〜100000の範囲内であることがより好ましい。
非帯電性着色樹脂粒子における上記反応性分散剤の含有量は、特に限定されないが、後述する芳香族ビニル系単量体100重量部に対して1重量部以上であることが好ましく、また、150重量部以下であることが好ましい。上記反応性分散剤の含有量が後述する芳香族ビニル系単量体100重量部に対して1重量部未満であると、所望の着色性を有する非帯電性着色樹脂粒子を得ることができないことがある。上記反応性分散剤の含有量が後述する芳香族ビニル系単量体100重量部に対して150重量部を超えても、それ以上の効果は得られない。上記反応性分散剤の含有量は、後述する芳香族ビニル系単量体100重量部に対して、10重量部以上であることがより好ましく、また、120重量部以下であることがより好ましい。さらに、上記反応性分散剤の含有量は、後述する芳香族ビニル系単量体100重量部に対して、20重量部以上であることがさらに好ましく、また、100重量部以下であることがさらに好ましい。
〔3−5.反応性分散剤の製造方法〕
上記反応性分散剤は、例えば、シリコーンマクロモノマーと、極性基を有しないビニル系単量体と、α−メチルスチレンダイマーとを、非極性溶媒に添加して非極性溶媒中に分散させ、公知の方法により攪拌しながら加熱することにより、共重合させて得ることができる。共重合には、重合開始剤を使用してもよい。重合開始剤は、通常、ビニル系単量体に予め溶解されて用いられる。
上記非極性溶媒としては、「2.表面処理剤に由来する層」の項で挙げたものをいずれも使用でき、作業環境等の環境への影響を考慮してシリコーンオイルが好ましい。
また、反応性分散剤の製造において超音波等による分散を効率よく行うために、上記シリコーンオイルは、JIS K 2283で規定された測定方法により測定された動粘度が100cSt以下のシリコーンオイルであることが好ましい。
上記反応性分散剤の調製に用いられる非極性溶媒の量は、シリコーンマクロモノマーと、極性基を有しないビニル系単量体と、α−メチルスチレンダイマーとの合計量100重量部に対し、20〜400重量部の範囲内であることが好ましく、50〜200重量部の範囲内であることがより好ましい。
上記重合に用いる重合開始剤としては、油溶性の過酸化物系重合開始剤またはアゾ系重合開始剤等を用いることができる。上記重合開始剤としては、具体的には、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化オクタノイル、o−クロロ過酸化ベンゾイル、o−メトキシ過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、キュメンハイドロパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,3−ジメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,3,3−トリメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−イソプロピルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、4,4’−アゾビス (4−シアノバレリン酸)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ系重合開始剤等が挙げられる。上記重合開始剤としては、シアノ基、カルボキシル基、アミド基、アンモニウム基、スルホン酸基等の極性基を含まない重合開始剤、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等の有機過酸化物系重合開始剤、ジメチル−2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ系重合開始剤等が好ましい。上記重合開始剤は、1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記重合開始剤は、上記重合開始剤と単量体混合物(シリコーンマクロモノマーと、極性基を有しないビニル系単量体と、α−メチルスチレンダイマーとの混合物)との全体に対して0.1〜5重量%の範囲内の量で含有されることが好ましい。
上記重合における反応温度及び反応時間は、特に限定されるものではなく、例えば、用いられる重合開始剤の種類や使用量、使用するシリコーンマクロモノマーとビニル系単量体とα−メチルスチレンダイマーとの反応性等により、適時調整することが可能である。上記重合の反応温度は、40〜150℃の範囲内であることが好ましく、40〜80℃の範囲内であることがより好ましい。上記重合の反応時間は、0.5〜50時間の範囲内であることが好ましく、2〜25時間の範囲内であることがより好ましい。
また、上記共重合は、大気雰囲気中で行ってもよく、不活性ガス雰囲気中で行ってもよいが、雰囲気中の酸素による重合速度の遅延及び重合阻害を防止するために、不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。このような不活性ガスとしては、窒素ガス及びアルゴンガスが挙げられるが、経済性の面から窒素ガスが好ましい。
ここで、上記反応性分散剤は、上記反応性分散剤の製造後に、使用した非極性溶媒から分離されても、分離されなくてもよい。分離されない場合は、非極性溶媒中に分散又は溶解した反応性分散剤を、非帯電性着色樹脂粒子の製造にそのまま使用できる。
〔3−6.シリコーンマクロモノマー〕
上記樹脂層が、シリコーンマクロモノマーと極性基を有しないビニル系単量体とα−メチルスチレンダイマーとの共重合体である反応性分散剤と、極性基を有しない芳香族系単量体との重合体からなる場合、上記樹脂層は、反応性分散剤の製造時に使用されたシリコーンマクロモノマー由来の成分に加えて、反応性分散剤及び芳香族ビニル系単量体の共重合時に新たに添加されたシリコーンマクロモノマー由来の成分を含むことが好ましい。反応性分散剤及び芳香族ビニル系単量体の共重合時に、反応性分散剤及び芳香族ビニル系単量体と共に新たにシリコーンマクロモノマーを添加することで、シリコーンマクロモノマーと反応性分散剤及び芳香族ビニル系単量体との共重合体からなる樹脂層を形成することができる。反応性分散剤及び芳香族ビニル系単量体の共重合時に新たに添加されたシリコーンマクロモノマー由来の成分を樹脂層が含むことにより、非帯電性着色樹脂粒子の帯電性をさらに低減できる。その結果、本発明の非帯電性着色樹脂粒子を帯電性着色樹脂粒子と組み合わせて電気泳動表示装置に用いたときに、非帯電性着色樹脂粒子と帯電性着色樹脂粒子との凝集、あるいは帯電性着色粒子の泳動方向と同じ方向への非帯電性着色樹脂粒子の泳動による混色の発生をさらに抑制できる。
ここで、反応性分散剤及び芳香族ビニル系単量体の共重合時に新たに添加するシリコーンマクロモノマーは、反応性分散剤の製造時に用いられるシリコーンマクロモノマーと同一のものであってもよいし、異なるものであってもよい。
反応性分散剤及び芳香族ビニル系単量体の共重合時に新たに添加するシリコーンマクロモノマーの添加量は、特に限定されないが、上記芳香族ビニル系単量体100重量部に対して200重量部以下であることが好ましく、150重量部以下であることがより好ましい。新たに添加するシリコーンマクロモノマーの添加量を200重量部を超えて増量しても、それ以上の効果は得られない。また、新たに添加するシリコーンマクロモノマーの添加量は、下限は特に限定されないが、上記芳香族ビニル系単量体100重量部に対して30重量部以上であることが好ましい。
〔4.非帯電性着色樹脂粒子の性状〕
上記非帯電性着色樹脂粒子は、前述したように、動粘度が100cSt以下であるシリコーンオイル中に固形分濃度20重量%で分散した状態で、相互の距離が50μmである相互に平行な1対の平板のITO電極間に挟まれて15Vの電圧が60秒間印加されたときに測定された帯電量が10nC/cm2以下である。上記非帯電性着色樹脂粒子は、上述の条件で測定された帯電量が10nC/cm2以下であることで、帯電性着色樹脂粒子と組み合わせされて電気泳動表示装置に使用されたときに、非帯電性着色樹脂粒子と帯電性着色樹脂粒子との凝集、あるいは帯電性着色粒子の泳動方向と同じ方向への非帯電性着色樹脂粒子の泳動による混色の発生を抑制でき、良好な表示を実現できる。上記非帯電性着色樹脂粒子は、上述の条件で測定された帯電量が8nC/cm2以下であることがより好ましい。
上記非帯電性着色樹脂粒子の平均粒子径は、50〜1000nmの範囲内であることが好ましく、100〜1000nmの範囲内であることよりが好ましく、200〜800nmの範囲内であることがさらに好ましい。
なお、本出願書類において、非帯電性着色樹脂粒子の平均粒子径は、動的光散乱法を利用した測定方法、例えば実施例の項に記載の測定方法で測定されたZ平均粒子径を意味するものとする。
上記非帯電性着色樹脂粒子の平均粒子径が0.1μm未満であると、上記樹脂層を形成するための重合時に反応系の粘度(非極性溶媒中での分散重合により上記樹脂層を形成する場合には非極性溶媒の粘度)が上昇し、その結果として安定した平均粒子径を有する非帯電性着色樹脂粒子の製造が行えないことがある。一方、上記非帯電性着色樹脂粒子は、その平均粒子径が1000nmを超えると、非帯電性着色樹脂粒子を非極性溶媒中に分散させて非帯電性着色樹脂粒子分散体としたときに非極性溶媒中での分散安定性が悪くなることがある。
上記非帯電性着色樹脂粒子の比重は、1.0〜3.0の範囲内であることが好ましく、1.2〜2.5の範囲内であることがより好ましい。上記非帯電性着色樹脂粒子は、その比重が1.0未満である場合、顔料濃度(顔料粒子の含有率)が低くなるため、発色が悪くなることがある。一方、非帯電性着色樹脂粒子は、その比重が3.0を超えると、非帯電性着色樹脂粒子を非極性溶媒中に分散させて非帯電性着色樹脂粒子分散体を得るときに非極性溶媒への分散性が悪化することがある。
〔非帯電性着色樹脂粒子分散体〕
本発明の非帯電性着色樹脂粒子分散体は、非極性溶媒と、該非極性溶媒中に分散した本発明の非帯電性着色樹脂粒子とを含んでいる。
上記非極性溶媒としては、「2.表面処理剤に由来する層」の項で挙げたものをいずれも使用でき、作業環境等の環境への影響を考慮してシリコーンオイルが好ましい。上記シリコーンオイルは、非帯電性着色樹脂粒子の分散を促進するために、JIS K 2283で規定された測定方法により測定された動粘度が100cSt以下のシリコーンオイルであることが好ましい。
上記非帯電性着色樹脂粒子と非極性溶媒との割合は、特に限定されず、非帯電性着色樹脂粒子分散体の用途に応じて適宜設定できる。例えば、非帯電性着色樹脂粒子分散体を電気泳動表示装置の用途に用いる場合、非帯電性着色樹脂粒子分散体中の非帯電性着色樹脂粒子の含有量は、2〜40重量%であることが好ましく、5〜30重量%の範囲内であることがより好ましい。
上記非帯電性着色樹脂粒子分散体は、本発明の効果を阻害しない範囲で、公知の添加剤が配合されていてもよい。
〔電気泳動表示装置〕
本発明の電気泳動表示装置は、本発明の非帯電性着色樹脂粒子分散体を用いたものである。本発明の電気泳動表示装置は、本発明の非帯電性着色樹脂粒子分散体を含み、上記非帯電性着色樹脂粒子分散体が、前記非極性溶媒中に分散した、前記非帯電性着色樹脂粒子と異なる色調を持つ帯電性着色樹脂粒子をさらに含んでいる。
上記電気泳動表示装置は、帯電性着色樹脂粒子の電気泳動を利用して、画像を表示する。具体的には、上記電気泳動表示装置は、非帯電性着色樹脂粒子がベース色(紙に相当する色)を発色し、帯電性着色樹脂粒子が電気泳動により所望の複数の位置で(所望の形状で)ベース色と異なる色(紙の上に描かれた文字及び/又は絵に相当する色)を発色することにより、文字及び/又は絵が描かれた紙に相当する画像を表示する。単色表示の電気泳動表示装置の場合には、例えば、白色の非帯電性着色樹脂粒子と黒色の帯電性着色樹脂粒子とを組み合わせて用いればよい。カラー表示の電気泳動表示装置の場合には、例えば、白色の非帯電性着色樹脂粒子と、赤色の帯電性着色樹脂粒子、緑色の帯電性着色樹脂粒子、及び青色の帯電性着色樹脂粒子とを組み合わせて用いればよい。
上記非帯電性着色樹脂粒子分散体における上記帯電性着色樹脂粒子の含有量は、非帯電性着色樹脂粒子分散体における帯電性着色樹脂粒子以外の成分100重量部に対して、0.2〜30重量部の範囲内であることが好ましく、0.5〜20重量部の範囲内であることがより好ましい。
上記電気泳動表示装置の構成は、特に限定されないが、例えば、電極を各々が有する一対の互いに対向する基板間に、上記非帯電性着色樹脂粒子分散体からなる表示層を挟んだ構成であって、少なくとも一方の基板がITO電極等の透明電極を有する透明基板である構成が挙げられる。この構成では、一方の基板の電極と他方の基板の電極との間に電圧を印加することで、印加された電圧の極性に応じて、帯電性着色樹脂粒子が一方の基板の側に電気泳動(移動)する。上記電気泳動表示装置では、少なくとも一方の基板の電極をマトリクス状に配列した複数の画素電極とし、各画素電極ごとに電圧を制御することで、画像を表示することができる。上記非帯電性着色樹脂粒子分散体は、複数の透明な有機高分子のマイクロカプセルに封止され、各マイクロカプセルが各画素電極に隣接するように配置されることが好ましい。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
初めに、以下の実施例及び比較例における、着色樹脂粒子の平均粒子径及び帯電量の測定方法、並びに、着色樹脂粒子の極性評価の方法を説明する。
〔着色樹脂粒子の平均粒子径の測定方法〕
以下の実施例及び比較例では、以下のように動的光散乱法を利用して着色樹脂粒子のZ平均粒子径を測定し、測定されたZ平均粒子径を着色樹脂粒子の平均粒子径とした。
すなわち、まず、以下の実施例及び比較例で得られた固形分10重量%の着色樹脂粒子のシリコーンオイル分散液にレーザー光を照射し、着色樹脂粒子から散乱される散乱光強度をマイクロ秒単位の時間変化で測定した。そして、検出された着色樹脂粒子に起因する散乱強度分布を正規分布に当てはめて、平均粒子径を算出するためのキュムラント解析法により着色樹脂粒子のZ平均粒子径を求めた。
このZ平均粒子径の測定は、市販の粒子径測定装置で簡便に実施できる。以下の実施例及び比較例では、マルバーン社(Malvern Instruments Ltd.)の粒子径測定装置(商品名「ゼータサイザーナノZS」)を使用してZ平均粒子径を測定した。通常、市販の粒子径測定装置は、データ解析ソフトが搭載されており、データ解析ソフトが測定データを自動的に解析することでZ平均粒子径を算出できるようになっている。
〔着色樹脂粒子の帯電量の測定方法〕
以下の実施例及び比較例で得られた固形分10重量%の着色樹脂粒子のシリコーンオイル分散液を測定用試料とした。
また、図2に示す治具を以下のようにして作製した。まず、片面全体にITO(平板のITO電極)をコートした1対の矩形の平板であるガラス板(幅20mm、長さ100mm、厚み0.7mm、松浪硝子工業株式会社製、商品名「EAGLE XG」、以下「ITOコートガラス板」と称する)を用意した。図2に示すように、上記1対のITOコートガラス基板11の長さ方向の一端部(長さ45mm)同士を、相互に平行となるように、かつそれぞれのITOコート面12が内側になるようにした状態で、厚み50μmの2枚のスペーサー14を介して重ね(ITOコートガラス基板11でスペーサー14を挟み込み)、ITOコートガラス基板11間の距離が50μmである治具を作製した。厚み50μmの2枚のスペーサー14としては、厚み50μmの2枚の「テフロン(登録商標)」(ポリテトラフルオロエチレン)フィルム(長さ20mm、幅10mm)を用い、これら「テフロン(登録商標)」フィルムを、一方のITOコートガラス基板11における上記一端部(長さ45mm)の長さ方向に沿った両端部(ITOコートガラス基板11の長さ方向に沿った寸法10mm)にそれぞれ貼り付けた。上記治具は、2枚のITOコートガラス板11のITOコート面12間に、幅25mm、長さ20mm、厚み50μmの隙間である測定用試料注入部13を有する。
次いで、上記治具の測定用試料注入部13に、シリンジを用いて測定用試料を毛細管現象により浸透させる。次に、冶具における長さ方向の両端のITOコート面12を電荷量測定装置(ケースレーインスツルメンツ社(Keithley Instruments Inc.)製、商品名「6514型プログラマブルエレクトロメータ」)に接続し、ITOコート面12間に+15Vの電圧を60秒間印加させて電荷量(nC)を測定した。得られた電荷量の測定値を、測定用試料注入部13に対向するITOコート面12の面積(cm2)で除し、これを帯電量(単位面積あたりの電荷密度)(nC/cm2)とした。
〔着色樹脂粒子の極性評価の方法〕
以下の実施例及び比較例で得られた洗浄後の着色樹脂粒子を、シリコーンオイル(信越化学工業株式会社製、商品名「KF−96L−2CS」、25℃での動粘度1cSt、以下「シリコーンオイル2CS」と称する)に分散させることで、固形分10重量%の着色樹脂粒子のシリコーンオイル分散体を得た。
次いで、得られた固形分10重量%の着色樹脂粒子のシリコーンオイル分散体5gを内容量20mLのガラス瓶に計り取り、着色樹脂粒子の固形分が5重量%となるようにシリコーンオイル2CS 5gをさらに加えて、測定用試料を得た。
次に、片面全体にITO(平板のITO電極)をコートした1対の矩形の平板であるガラス板(幅8mm、長さ100mm、厚み0.7mm、松浪硝子工業株式会社製、商品名「EAGLE XG」、以下「ITOコートガラス板」と称する)2枚を、ガラス板同士が互いに平行となるように、かつITOコート面が内側となるように、銅テープを貼り付けたスペーサーをガラス板間に挟んで、ガラス板同士の間隔を1mmとした冶具を作製した。この冶具を測定用試料に浸漬し、冶具の一方のITOコート面の左側(アノード、正極)に+100Vの電圧を印加して10秒間静置した。10秒経過後、測定用試料から冶具を引き上げ、+100Vの電圧を印加した側(左側、一方)のガラス板に着色樹脂粒子が付着していれば、その着色樹脂粒子の極性を負と判断し、+100Vの電圧を印加した側と逆側(右側、他方)のガラス板に着色樹脂粒子が付着していれば、その着色樹脂粒子の極性を正と判断し、何れのガラス板にも着色樹脂粒子が付着していなければ、その着色樹脂粒子は「極性を明確に示さない」と判断した。
〔実施例1〕
(反応性分散剤の作製)
内容量300mlのセパラブルフラスコ中で、非極性溶媒としてのシリコーンオイル(信越化学工業株式会社製、商品名「KF−96L−1CS」、25℃での動粘度1cSt、以下「シリコーンオイル1CS」と称する)100重量部と、予め重合開始剤としての2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)(株式会社日本ファインケム製)2.0重量部を極性基を有しないビニル系単量体としてのメタクリル酸メチル3.0重量部に溶解させることにより作製した2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)のメタクリル酸メチル溶液5.0重量部と、シリコーンマクロモノマー(α−ブチル−ω−(3−メタクリロキシプロピル)ポリジメチルシロキサン、JNC株式会社製、商品名「サイラプレーン(登録商標)FM−0721」、数平均分子量5850、前記一般式(2)で表される化合物であって、R3がメチル基であり、R4がプロピレン基であり、R5がメチル基であり、m≒62であるもの)95.9重量部と、α−メチルスチレンダイマー(日油株式会社製、商品名「ノフマー(登録商標)MSD)1.1重量部とを混合した。得られた混合物を、窒素雰囲気下、50℃で攪拌しながら、20時間、溶液重合に付することにより、反応性分散剤を得た。得られた反応性分散剤の数平均分子量は29100であった。
(着色樹脂粒子の作製)
非極性溶媒としてのシリコーンオイル1CS 60重量部と、顔料粒子としてのルチル型酸化チタン粒子(石原産業株式会社製、商品名「PT−401M」、比表面積20.5m2/g、平均粒子径70nm)20.0重量部と、フッ素基含有シラン化合物(表面処理剤)としての3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社、商品名「KBM−7103」)0.02重量部(酸化チタン粒子の表面積1m2あたり0.15mg)とを、還流管を取り付けた内容量200mLのガラス製ナスフラスコに入れた。ガラス製ナスフラスコの内容物を攪拌しながら150℃で8時間加熱した。これにより、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシランで酸化チタン粒子を表面処理し、表面処理された(3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシランに由来する層で被覆された)酸化チタン粒子を含む混合液を得た。
表面処理された酸化チタンを含む混合液と、反応性分散剤80重量部とを、ジルコニアビーズ(直径1mm)500gを入れた内容量300mLのガラス製ビーズポットに加え、室温で48時間ボールミルによる分散に付して、分散液を得た。その後、シリコーンオイル1CS 200重量部を分散液に加え、ジルコニアビーズを濾別し、表面処理された酸化チタン粒子を含む分散液を得た。
得られた表面処理された酸化チタン粒子を含む分散液をビーズポットから内容量300mLのセパラブルフラスコに移した。このセパラブルフラスコに、シリコーンオイル1CS 580重量部、及び重合開始剤としてラウロイルパーオキサイド(日油株式会社製、商品名「パーロイル(登録商標)L」)6重量部を入れ、ラウロイルパーオキサイドをシリコーンオイル1CSに溶解させた。次いで、上記セパラブルフラスコに、極性基を有しない単官能性の芳香族ビニル系単量体としてのスチレン30.0重量部と、極性基を有しない架橋性の芳香族ビニル系単量体としてのジビニルベンゼン10.0重量部と、上記反応性分散剤20.0重量部とを添加した。次に、セパラブルフラスコを出力150Wの超音波洗浄機(株式会社ヴェルヴォクリーア製、商品名「VS−150」)の洗浄槽(長さ230mm×幅180mm×高さ110mmの内寸)内の60℃に保たれた水に浸漬した。この後、セパラブルフラスコの内容物を、窒素雰囲気下かつ超音波照射下で、60℃で8時間分散重合に付すことで、スチレンとジビニルベンゼンと反応性分散剤とを重合させて、表面処理された酸化チタン粒子がさらに樹脂層で被覆された白色粒子、すなわち着色樹脂粒子を得た。
分散重合終了後、セパラブルフラスコの内容物から着色樹脂粒子を遠心分離により沈降分離し、単離された着色樹脂粒子をシリコーンオイル1CSに再分散させた。この沈降分離及び再分散の操作を3回繰り返して、着色樹脂粒子を洗浄した。
洗浄後の着色樹脂粒子を、シリコーンオイル1CSに分散させることで、固形分10重量%の着色樹脂粒子のシリコーンオイル分散体を得た。
得られたシリコーンオイル分散体中における着色樹脂粒子の平均粒子径は371nmであった。また、得られたシリコーンオイル分散体中における着色樹脂粒子の帯電量は5.1nC/cm2であり、したがって、得られた着色樹脂粒子は非帯電性着色樹脂粒子であった。また、得られた着色樹脂粒子は、極性を明確に示さなかった。
〔実施例2〕
ルチル型酸化チタン粒子(商品名「PT−401M」)の使用量を25.0重量部に変更し、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシランの使用量を0.05重量部(酸化チタン粒子の表面積1m2あたり0.10mg)に変更し、顔料粒子分散液を得る際に使用する分散剤の量を64重量部に変更し、スチレン30.0重量部に代えて、極性基を有する単官能性ビニル系単量体としてのメタクリル酸メチル15.0重量部を使用し、ジビニルベンゼンの使用量を15.0重量部に変更し、顔料粒子分散液から着色樹脂粒子を得る際に使用する分散剤の量を16重量部に変更する以外は、実施例1と同様にして、着色樹脂粒子を得た。
実施例1の着色樹脂粒子に代えて本実施例の着色樹脂粒子を用いる以外は実施例1と同様にして、固形分10重量%の着色樹脂粒子のシリコーンオイル分散体を得た。
得られたシリコーンオイル分散体中における着色樹脂粒子の平均粒子径は368nmであった。また、得られたシリコーンオイル分散体中における着色樹脂粒子の帯電量は9.3nC/cm2であり、したがって、得られた着色樹脂粒子は非帯電性着色樹脂粒子であった。また、得られた着色樹脂粒子は、極性を明確に示さなかった。
〔実施例3〕
フッ素基含有シラン化合物(表面処理剤)として3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン0.06重量部に代えて(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)トリメトキシシラン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、商品名「TSL8233」)0.03重量部(酸化チタン粒子の表面積1m2あたり0.07mg)を使用し、スチレンの使用量を20.0重量部に変更し、ジビニルベンゼンの使用量を15.0重量部に変更する以外は、実施例1と同様にして、着色樹脂粒子を得た。
次いで、実施例1の着色樹脂粒子に代えて本実施例の着色樹脂粒子を用いる以外は実施例1と同様にして、固形分10重量%の着色樹脂粒子のシリコーンオイル分散体を得た。
得られたシリコーンオイル分散体中における着色樹脂粒子の平均粒子径は369nmであった。また、得られたシリコーンオイル分散体中における着色樹脂粒子の帯電量は5.2nC/cm2であり、したがって、得られた着色樹脂粒子は非帯電性着色樹脂粒子であった。また、得られた着色樹脂粒子は、極性を明確に示さなかった。
〔実施例4〕
ルチル型酸化チタン粒子(商品名「PT−401M」)の使用量を25.0重量部に変更し、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシランの使用量を0.03重量部(酸化チタン粒子の表面積1m2あたり0.06mg)に変更し、スチレンの使用量を20.0重量部に変更し、ジビニルベンゼンの使用量を15.0重量部に変更する以外は、実施例1と同様にして、着色樹脂粒子を得た。
次いで、実施例1の着色樹脂粒子に代えて本実施例の着色樹脂粒子を用いる以外は実施例1と同様にして、固形分10重量%の着色樹脂粒子のシリコーンオイル分散体を得た。
得られたシリコーンオイル分散体中における着色樹脂粒子の平均粒子径は401nmであった。また、得られたシリコーンオイル分散体中における着色樹脂粒子の帯電量は6.8nC/cm2であり、したがって、得られた着色樹脂粒子は非帯電性着色樹脂粒子であった。また、得られた着色樹脂粒子は、極性を明確に示さなかった。
〔実施例5〕
ルチル型酸化チタン粒子(商品名「PT−401M」)20.0重量部に代えてルチル型酸化チタン粒子(石原産業株式会社製、商品名「PT−501R」、比表面積8.9m2/g、平均粒子径180nm)20.0重量部を使用し、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシランの使用量を0.02重量部(酸化チタン粒子の表面積1m2あたり0.11mg)に変更し、スチレンの使用量を20.0重量部に変更し、ジビニルベンゼンの使用量を15.0重量部に変更する以外は、実施例1と同様にして、着色樹脂粒子を得た。
次いで、実施例1の着色樹脂粒子に代えて本実施例の着色樹脂粒子を用いる以外は実施例1と同様にして、固形分10重量%の着色樹脂粒子のシリコーンオイル分散体を得た。
得られたシリコーンオイル分散体中における着色樹脂粒子の平均粒子径は389nmであった。また、得られたシリコーンオイル分散体中における着色樹脂粒子の帯電量は6.1nC/cm2であり、したがって、得られた着色樹脂粒子は非帯電性着色樹脂粒子であった。また、得られた着色樹脂粒子は、極性を明確に示さなかった。
〔実施例6〕
3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシランの使用量を0.6重量部(酸化チタン粒子の表面積1m2あたり1.46mg)に変更し、顔料粒子分散液を得る際に使用する分散剤の量を64重量部に変更し、顔料粒子分散液から着色樹脂粒子を得る際に使用する分散剤の量を16重量部に変更する以外は、実施例1と同様にして、着色樹脂粒子を得た。
実施例1の着色樹脂粒子に代えて本実施例の着色樹脂粒子を用いる以外は実施例1と同様にして、固形分10重量%の着色樹脂粒子のシリコーンオイル分散体を得た。
得られたシリコーンオイル分散体中における着色樹脂粒子の平均粒子径は408nmであった。また、得られたシリコーンオイル分散体中における着色樹脂粒子の帯電量は9.2nC/cm2であり、したがって、得られた着色樹脂粒子は非帯電性着色樹脂粒子であった。
〔比較例1〕
ルチル型酸化チタン粒子(商品名「PT−401M」)の使用量を25.0重量部に変更し、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシランの使用量を0.01重量部(酸化チタン粒子の表面積1m2あたり0.02mg)に変更し、顔料粒子分散液を得る際に使用する分散剤の量を64重量部に変更し、顔料粒子分散液から着色樹脂粒子を得る際に使用する分散剤の量を16重量部に変更する以外は、実施例1と同様にして、着色樹脂粒子を得た。
実施例1の着色樹脂粒子に代えて本比較例の着色樹脂粒子を用いる以外は実施例1と同様にして、固形分10重量%の着色樹脂粒子のシリコーンオイル分散体を得た。
得られたシリコーンオイル分散体中における着色樹脂粒子の平均粒子径は361nmであった。また、得られたシリコーンオイル分散体中における着色樹脂粒子の帯電量は15.9nC/cm2であり、したがって、得られた着色樹脂粒子は帯電性着色樹脂粒子であった。また、得られた着色樹脂粒子は、極性を明確に示さなかった。
〔比較例2〕
3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシランの使用量を1.4重量部(酸化チタン粒子の表面積1m2あたり3.41mg)に変更する以外は、実施例1と同様にして、着色樹脂粒子を得た。
実施例1の着色樹脂粒子に代えて本比較例の着色樹脂粒子を用いる以外は実施例1と同様にして、固形分10重量%の着色樹脂粒子のシリコーンオイル分散体を得た。
得られたシリコーンオイル分散体中における着色樹脂粒子の平均粒子径は412nmであった。また、得られたシリコーンオイル分散体中における着色樹脂粒子の帯電量は20.1nC/cm2であり、したがって、得られた着色樹脂粒子は帯電性着色樹脂粒子であった。また、得られた着色樹脂粒子は、極性を明確に示さなかった。
実施例1〜6及び比較例1〜2における、使用した原料の種類及び使用量と、使用した酸化チタンの比表面積と、得られた着色樹脂粒子の評価結果とを、表1にまとめて示す。
表1の実施例1〜6と比較例1・2との比較により、表面処理剤の量を顔料粒子の表面積1m
2あたり0.05〜2.50mgにした場合に(実施例1〜6)、表面処理剤の量が顔料粒子の表面積1m
2あたり0.05mg未満の場合(比較例1)及び表面処理剤の量が顔料粒子の表面積1m
2あたり2.50mgを超える場合(比較例2)と比較して、着色樹脂粒子の帯電性を低下させることができ、前述の測定方法による着色樹脂粒子の帯電量の測定値を10nC/cm
2以下とすることができることが分かった。