JP2014011019A - 二次電池電極用バインダー、二次電池電極用スラリー、二次電池電極及び二次電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】二次電池電極用バインダーは、芳香族ビニル化合物由来の繰り返し単位を主成分とする重合体ブロック(A)と、鎖状共役ジエン化合物由来の繰り返し単位を主成分とする重合体ブロック(B)とを有する[(A)−(B)−(A)]型のブロック共重合体の、主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合と、芳香環の炭素−炭素不飽和結合との合計である全不飽和結合の90%以上を水素化して得られるブロック共重合体水素化物を、酸変性して得られる酸変性単位含有ブロック共重合体水素化物を含有する。
【選択図】なし
Description
〔1〕芳香族ビニル化合物由来の繰り返し単位を主成分とする重合体ブロック(A)と、鎖状共役ジエン化合物由来の繰り返し単位を主成分とする重合体ブロック(B)とを有する[(A)−(B)−(A)]型のブロック共重合体の、主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合と、芳香環の炭素−炭素不飽和結合との合計である全不飽和結合の90%以上を水素化して得られるブロック共重合体水素化物を、酸変性して得られる酸変性単位含有ブロック共重合体水素化物を含有する、二次電池電極用バインダー。
本発明の二次電池電極用バインダーは、特定のブロック共重合体の炭素−炭素不飽和結合を水素化したブロック共重合体水素化物を酸変性して得られる酸変性単位含有ブロック共重合体水素化物を含有する。
本発明で用いるブロック共重合体は、少なくとも2つの重合体ブロック(A)と、少なくとも1つの重合体ブロック(B)とを有し、[(A)−(B)−(A)]型のブロック共重合体である。
ブロック共重合体中の重合体ブロック(A)は、互いに同一であっても、相異なっていてもよい。
ブロック共重合体中の重合体ブロック(B)は、互いに同一であっても、相異なっていてもよい。
また、ブロック共重合体の分子量分布(Mw/Mn)は特に限定されないが、好ましくは2.0以下、より好ましくは1.5以下、特に好ましくは1.2以下である。
本発明において、ブロック共重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、THFを溶媒にしてゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(以下、 GPC)により測定されるポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)で前記の重量平均分子量(Mw)を割った値(Mw/Mn)である。
ブロック共重合体の分子量や分子量分布を上記範囲とすることで、安定性と塗工性の良好な二次電池電極用スラリーを得ることができる。
重合開始剤としては、特に制限されず、公知の重合開始剤(ラジカル重合開始剤、アニオン重合開始剤、カチオン重合開始剤等)が使用できる。
例えば、リビングアニオン重合の場合は、重合開始剤として、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、ヘキシルリチウム、フェニルリチウム等のモノ有機リチウム;ジリチオメタン、1,4−ジオブタン、1,4−ジリチオー2−エチルシクロヘキサン等の多官能性有機リチウム化合物等が使用可能である。
これらの溶媒は、それぞれ単独で用いてもよいし、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することもできる。
これらの溶媒の使用量は、全使用モノマー100質量部に対して、通常200〜2000質量部である。
本発明で用いるブロック共重合体水素化物は、上記のブロック共重合体の主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合、並びに芳香環の炭素−炭素不飽和結合を水素化したものであり、その水素化率は90%以上、好ましくは97%以上、より好ましくは99%以上である。水素化率が高いほど、本発明に係る二次電池電極用バインダーは、高電位に対して化学的に安定となり、長期サイクルにおいても電極構造を維持することができるため、室温サイクル特性に優れる二次電池を得ることができる。なお、ブロック共重合体の主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合の水素化率、並びに芳香環の炭素−炭素不飽和結合の水素化率は、水素化反応前後に1H−NMRスペクトルを測定して水素化反応前後での主鎖及び側鎖部分の炭素−炭素不飽和結合及び芳香環の炭素−炭素不飽和結合に対応するシグナルの積分値の減少量を元に算出することができる。
担持型触媒としては、例えば、比表面積が100〜500m2/g、平均細孔径が100〜1000Å、好ましくは200〜500Åであるものが好ましい。上記の比表面積の値は窒素吸着量を測定し、BET式を用いて算出した値であり、平均細孔径の値は水銀圧入法により測定した値である。
水素化触媒の使用量は、重合体100質量部に対して、通常0.01〜100質量部、好ましくは0.05〜50質量部、より好ましくは0.1〜30質量部である。
また、水素化反応の水素圧力は、通常0.1〜30MPa、好ましくは1〜20MPa、より好ましくは2〜10MPaである。このような水素圧力であるときに水素化率が高くなり、分子鎖切断も減少し、操作性にも優れる。
ペレット状に成形加工する方法としては、直接脱溶媒法や凝固法等の公知の方法が挙げられる。直接脱溶媒法を用いる場合は、例えば、溶融状態のブロック共重合体水素化物をダイからストランド状に押し出し、冷却後、ペレタイザーでカッティングしてペレット状にすることができる。凝固法を用いる場合は、例えば、得られた凝固物を乾燥した後、押出機により溶融状態で押し出し、上記と同様にペレット状にすることができる。
また、ペレット状に成形加工する場合、ブロック共重合体水素化物に酸化防止剤等の配合成分を添加してもよい。
また、ブロック共重合体水素化物の分子量分布(Mw/Mn)は特に限定されないが、好ましくは2.0以下、より好ましくは1.5以下、特に好ましくは1.2以下である。
ブロック共重合体水素化物の分子量や分子量分布を上記範囲とすることで、安定性と塗工性の良好な二次電池電極用スラリーを得ることができる。
本発明で用いる酸変性単位含有ブロック共重合体水素化物は、上記のブロック共重合体水素化物を酸変性したものである。
酸変性する方法は特に限定されず、例えば、不飽和カルボン酸、その無水物を上記のブロック共重合体水素化物にグラフト共重合させる方法が好ましい。不飽和カルボン酸としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸などが、その無水物としては、無水ナジック酸TM、(無水エンドシス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸)、無水マレイン酸、無水シトラコン酸などが例示できる。これらの単量体は単独で用いることもできるし、また複数で用いることもできる。これらの中で、マレイン酸、無水マレイン酸が好ましい。
また、酸変性単位含有ブロック共重合体水素化物の分子量分布(Mw/Mn)は特に限定されないが、好ましくは2.0以下、より好ましくは1.5以下、特に好ましくは1.2以下である。
酸変性単位含有ブロック共重合体水素化物の分子量や分子量分布を上記範囲とすることで、安定性と塗工性の良好な二次電池電極用スラリーを得ることができる。
本発明の二次電池電極用バインダーは、上記の酸変性単位含有ブロック共重合体水素化物を含有し、その他に、後述する二次電池電極用スラリーの塗布性や二次電池の充放電特性を向上させるために添加剤を加えることができる。これらの添加剤としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース系ポリマー、ポリアクリル酸ナトリウムなどのポリアクリル酸塩、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、アクリル酸−ビニルアルコール共重合体、メタクリル酸−ビニルアルコール共重合体、マレイン酸−ビニルアルコール共重合体、変性ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ酢酸ビニル部分ケン化物などが挙げられる。これらの添加剤の含有割合は、二次電池電極用バインダーの固形分合計質量に対して、好ましくは300質量%未満、より好ましくは30質量%以上250質量%以下、特に好ましくは40質量%以上200質量%以下である。二次電池電極用バインダーにおける前記添加剤の含有割合がこの範囲であれば、平滑性が優れた二次電池電極を得ることができる。また、添加剤として、イソチアゾリン系化合物やキレート化合物を加えることもできる。これらの添加剤は、二次電池電極用バインダーに添加する方法以外に、後述する本発明の二次電池電極用スラリーに添加することもできる。
本発明の二次電池電極用スラリーは、上記の二次電池電極用バインダー、電極活物質及び分散媒を含有してなる。
本発明に用いる電極活物質は、二次電池電極内で電子の受け渡しをする物質である。具体的には、主としてリチウムイオン二次電池用活物質が挙げられる。
二次電池電極用スラリーにおける分散媒としては、二次電池電極用バインダーを均一に溶解または分散し得るものであれば特に制限されず、水および有機溶媒のいずれも使用できる。有機溶媒としては、シクロペンタン、シクロヘキサンなどの環状脂肪族炭化水素類;トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;アセトン、エチルメチルケトン、ジイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどのケトン類;メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素など塩素系脂肪族炭化水素;芳酢酸エチル、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトンなどのエステル類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのアシロニトリル類;テトラヒドロフラン、エチレングリコールジエチルエーテルなどのエーテル類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール類;N−メチルピロリドン(以下、「NMP」と記載することがある。)、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類が挙げられる。
二次電池電極用スラリーは、導電剤を含有してもよい。導電剤としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンブラック、グラファイト、気相成長カーボン繊維、およびカーボンナノチューブ等の導電性カーボンを使用することができる。導電剤を含有することにより、電極活物質同士の電気的接触を向上させることができ、二次電池に用いる場合に放電レート特性を改善することができる。二次電池電極用スラリーにおける導電剤の含有量は、電極活物質の総量100質量部に対して、好ましくは1〜20質量部、より好ましくは1〜10質量部である。
二次電池電極用スラリーにおいては、増粘剤を含有してもよい。増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース系ポリマーおよびこれらのアンモニウム塩並びにアルカリ金属塩;(変性)ポリ(メタ)アクリル酸およびこれらのアンモニウム塩並びにアルカリ金属塩;(変性)ポリビニルアルコール、アクリル酸又はアクリル酸塩とビニルアルコールの共重合体、無水マレイン酸又はマレイン酸もしくはフマル酸とビニルアルコールの共重合体などのポリビニルアルコール類;ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、変性ポリアクリル酸、酸化スターチ、リン酸スターチ、カゼイン、各種変性デンプンなどが挙げられる。
二次電池電極用スラリーには、上記成分のほかに、さらに補強材、レベリング剤、電解液分解抑制等の機能を有する電解液添加剤等の他の成分が含まれていてもよく、後述の二次電池電極中に含まれていてもよい。これらは電池反応に影響を及ぼさないものであれば特に限られない。
二次電池電極用スラリーは、上記の二次電池電極用バインダー、電極活物質、分散媒および必要に応じ用いられる導電剤等を混合して得られる。二次電池電極用スラリーを調製するときに使用する分散媒の量は、二次電池電極用スラリーの固形分濃度が、通常1〜80質量%、好ましくは5〜50質量%の範囲となる量である。固形分濃度がこの範囲にあるときに、上記の二次電池電極用バインダーが均一に分散するため好適である。
本発明の二次電池電極は、本発明の二次電池電極用バインダー及び電極活物質を含有してなる電極活物質層を集電体上に形成してなる。
本発明の二次電池電極の製造方法は、特に限定されない。具体的には、(I)上記の二次電池電極用スラリーをシート成形し、得られたシートを集電体上に積層し、電極活物質層を形成する方法(シート成形法)、(II)上記の二次電池電極用スラリーを集電体の少なくとも片面に塗布、乾燥し、電極活物質層を形成する方法(湿式成形法)、及び(III)上記の二次電池電極用スラリーから複合粒子を調製し、これを集電体上に供給してシート成形し、電極活物質層を形成する方法(乾式成形法)等が挙げられる。これらの中でも、(II)湿式成形法が好ましい。(II)湿式成形法は二次電池電極の生産効率に優れている。
本発明で用いる集電体は、電気導電性を有しかつ電気化学的に耐久性のある材料であれば特に制限されないが、耐熱性を有するため金属材料が好ましく、例えば、鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼、チタン、タンタル、金、白金などが挙げられる。中でも、二次電池正極に用いる集電体としてはアルミニウムが特に好ましい。また、二次電池負極に用いる集電体としては銅が特に好ましい。集電体の形状は特に制限されないが、厚さ0.001〜0.5mm程度のシート状のものが好ましい。集電体は、電極活物質層との接着強度を高めるため、予め粗面化処理して使用するのが好ましい。粗面化方法としては、機械的研磨法、電解研磨法、化学研磨法などが挙げられる。機械的研磨法においては、研磨剤粒子を固着した研磨布紙、砥石、エメリバフ、鋼線などを備えたワイヤーブラシ等が使用される。また、電極活物質層と集電体との接着強度や導電性を高めるために、集電体表面に中間層を形成してもよく、中でも、導電性接着剤層を形成するのが好ましい。
本発明の二次電池は、正極、負極、セパレーター及び電解液を有する二次電池であって、正極又は負極の少なくとも一方が、上記二次電池電極である。適用できる二次電池としては、リチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池等が挙げられる。中でも、リチウムイオン二次電池が好ましい。以下、リチウムイオン二次電池に使用する場合について説明する。
本発明に用いられる電解液は、特に限定されないが、例えば、非水系の溶媒に支持電解質としてリチウム塩を溶解したものが使用できる。リチウム塩としては、例えば、LiPF6、LiAsF6、LiBF4、LiSbF6、LiAlCl4、LiClO4、CF3SO3Li、C4F9SO3Li、CF3COOLi、(CF3CO)2NLi、(CF3SO2)2NLi、(C2F5SO2)NLiなどのリチウム塩が挙げられる。特に溶媒に溶けやすく高い解離度を示すLiPF6、LiClO4、CF3SO3Liは好適に用いられる。これらは、単独または2種以上を混合して用いることができる。支持電解質の量は、電解液に対して、通常1質量%以上、好ましくは5質量%以上、また通常は30質量%以下、好ましくは20質量%以下である。支持電解質の量が少なすぎても多すぎてもイオン導電度は低下し、二次電池の充電特性、放電特性が低下する。
セパレーターとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン製や芳香族ポリアミド樹脂製の微孔膜または不織布;無機セラミック粉末を含む多孔質の樹脂コート;など公知のものを用いることができる。例えば、ポリオレフィン系(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ塩化ビニル)、及びこれらの混合物あるいは共重合体等の樹脂からなる微多孔膜、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロオレフィン、ポリエーテルスルフォン、ポリアミド、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリアラミド、ポリシクロオレフィン、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン等の樹脂からなる微多孔膜またはポリオレフィン系の繊維を織ったもの、またはその不織布、絶縁性物質粒子の集合体等が挙げられる。
水素化率は、水素化反応前後に1H−NMRスペクトルを測定して水素化反応前後での主鎖及び側鎖部分の不飽和結合及び芳香環の不飽和結合に対応するシグナルの積分値の減少量を元に算出した。
酸変性単位含有ブロック共重合体水素化物の酸価をJIS K5407:1990に記載の方法に準じて測定し、その値から、酸変性単位含有ブロック共重合体水素化物に対する酸変性単位の含有量を求めた。
ブロック共重合体、ブロック共重合体水素化物および酸変性単位含有ブロック共重合体水素化物の分子量は、THFを溶離液とするGPCによる標準ポリスチレン換算値として380Cにおいて測定した。測定装置としては、東ソー社製、HLC8020GPCを用いた。
JIS Z8803:1991に準じて単一円筒形回転粘度計(25℃、回転数=60rpm、スピンドル形状:4)により二次電池電極用スラリーの粘度を測定し、測定開始後1分の値を求め、これをスラリー粘度Aとした。また、二次電池電極用スラリー作製1日後のスラリー粘度Bを測定した。二次電池電極用スラリーの粘性変化率を下記の式より算出し、以下の基準で評価する。粘性変化率が低いほどスラリー安定性に優れることを示す。
粘性変化率(%)=(B−A)/A×100
A:−20%〜0%、又は、0%〜20%(但し、−20%、20%を除く)
B:−50%〜−20%、又は、20%〜50%(但し、−50%、50%を除く)
C:−50%〜−100%、又は、50%〜100%(但し、−100%、100%を除く)
D:−100%〜−200%、又は、100%〜200%(但し、−200%、200%を除く)
E:200%以上もしくは−200%以下
電極活物質層を形成した電極を、幅1.0cm×長さ10cmの矩形に切って試験片とし、電極活物質層面を上にして固定する。試験片の電極活物質層表面にセロハンテープを貼り付けた後、試験片の一端からセロハンテープを50mm/分の速度で180°方向に引き剥がしたときの応力を測定した。測定を10回行い、その平均値を求めて、これをピール強度(N/m)とし、以下の基準で評価した。ピール強度が大きいほど電極活物質層の結着性に優れる、すなわち強度に優れることを示す。
A:20N/m以上
B:15N/m以上20N/m未満
C:10N/m以上15N/m未満
D:10N/m未満
10セルのハーフセルコイン型リチウムイオン二次電池を25℃雰囲気下、0.2Cの定電流法によって4.2Vに充電し、3.0Vまで放電する充放電を、200サイクル繰り返した。200サイクル終了時の電気容量と5サイクル終了時の電気容量の比(%)で表される充放電容量保持率(=200サイクル終了時の電気容量/5サイクル終了時の電気容量)を求め、これを室温サイクル特性の評価基準とし、以下の基準で評価する。この値が大きいほど室温サイクル特性に優れることを示す。
A:90%以上
B:80%以上90%未満
C:70%以上80%未満
D:60%以上70%未満
E:50%以上60%未満
F:50%未満
〔二次電池電極用バインダー(正極用バインダー)の製造〕
ブロック共重合体(a)の製造
内部が充分に窒素置換された、撹拌装置を備えた反応器に、脱水シクロヘキサン550部、脱水スチレン20.0部、n−ジブチルエーテル0.475部を入れ、60℃で撹拝しながらn−ブチルリチウム(15%シクロヘキサン溶液)0.485部を加えて重合を開始させ、さらに、撹拝しながら60℃で60分反応させた。この時点での重合転化率は99.5%であった(ガスクロマトグラフィーにより測定、以下にて同じ。)。次に、脱水イソプレン60.0部を加え、同温度で30分撹拌を続けた。この時点での重合転化率は99%であった。その後、更に、脱水スチレンを20.0部加え、同温度で60分撹拝した。この時点での重合転化率はほぼ100%であった。次いで、反応液にイソプロピルアルコール0.5部を加えて反応を停止させて、ブロック共重合体(a)を含む溶液(重合体溶液)を得た。得られたブロック共重合体(a)の重量平均分子量(Mw)は83,500、分子量分布(Mw/Mn)は1.06であった。また、ブロック共重合体(a)全体に占めるスチレン由来の全重合体ブロックの重量分率wAと、ブロック共重合体(a)全体に占めるイソプレン由来の全重合体ブロックの重量分率wBとの比(wA:wB)は、40:60であった。
次に、上記重合体溶液を、撹拌装置を備えた耐圧反応器に移送し、水素化触媒としてシリカ−アルミナ担持型ニッケル触媒(E22∪、ニッケル担持量60%1日揮化学工業社製)4.0部及び脱水シクロヘキサン100部を添加して混合した。反応器内部を水素ガスで置換し、さらに溶液を撹拝しながら水素を供給し、温度170℃、圧力4.5MPaにて6時間水素化反応を行った。水素化反応後のブロック共重合体水素化物の重量平均分子量(Mw)は86,200、分子量分布(Mw/Mn)は1.06であった。
セパラブルフラスコに、上記ブロック共重合体水素化物(A)100部、tert−ブチルベンゼン900部、無水マレイン酸25部、及びジクミルペルオキシド(パークミルD、日本油脂製)2.5部を投入し、窒素雰囲気下で撹拌しながら130℃で5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに徐々に加えることにより、ポリマーを析出させた。析出させたポリマーをメタノールでさらに洗浄した。洗浄後のポリマーを60℃で1日真空乾燥させて無水マレイン酸基含有ポリマー(酸変性単位含有ブロック共重合体水素化物)を得た。得られたポリマーの無水マレイン酸含有量は6.2質量%であった。
正極活物質として層状構造を有するコバルト酸リチウム(LiCoO2)(粒子径:12μm)100部と、アセチレンブラック(HS−100:電気化学工業)2.0部と、前記正極用バインダーのNMP溶液を固形分相当量で1.0部となる量と、適量のNMPとをプラネタリーミキサーにて攪拌し、正極用スラリーを調製した。作製した正極用スラリーを用いてスラリー安定性の評価を行った。結果を表1に示す。
集電体として、厚さ20μmのアルミ箔を準備した。上記正極用スラリーをコンマコーターでアルミ箔上に乾燥後の膜厚が65μm程度になるように塗布し、60℃で20分、120℃で20分間乾燥後、150℃、2時間加熱処理して正極原反を得た。この正極原反をロールプレスで圧延し、密度が2.5g/cm3の正極活物質層とアルミ箔とからなる正極を作製した。なお、正極の厚みは70μmであった。作製した正極を用いてピール強度測定を行った。結果を表1に示す。
前記正極を直径16mmの円盤状に切り抜き、この正極の正極活物質層面側に直径18mm、厚さ25μmの円盤状のポリプロピレン製多孔膜からなるセパレーター、負極として用いる金属リチウム、エキスパンドメタルを順に積層し、これをポリプロピレン製パッキンを設置したステンレス鋼製のコイン型外装容器(直径20mm、高さ1.8mm、ステンレス鋼厚さ0.25mm)中に収納した。この容器中に電解液を空気が残らないように注入し、ポリプロピレン製パッキンを介して外装容器に厚さ0.2mmのステンレス鋼のキャップをかぶせて固定し、電池缶を封止して、直径20mm、厚さ約2mmのリチウムイオンコイン電池(ハーフセル)を作製した。 なお、電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とをEC:EMC=3:7(20℃での容積比)で混合してなる混合溶媒にLiPF6を1モル/リットルの濃度で溶解させた溶液を用いた。この電池を用いて室温サイクル特性を評価した。結果を表1に示す。
ブロック共重合体(a)として、下記のブロック共重合体(a)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行って、正極用バインダー、正極用スラリー、正極及び二次電池を作製した。各評価結果を表1に示す。
なお、得られたブロック共重合体水素化物(A)の重量平均分子量(Mw)は85,800、分子量分布(Mw/Mn)は1.10であった。水素化率は99.9%であった。
内部が充分に窒素置換された、撹拌装置を備えた反応器に、脱水シクロヘキサン550部、脱水スチレン12.5部、n−ジブチルエーテル0.475部を入れ、60℃で撹拝しながらn−ブチルリチウム(15%シクロヘキサン溶液)0.485部を加えて重合を開始させ、さらに、撹拝しながら60℃で60分反応させた。この時点での重合転化率は99.5%であった(ガスクロマトグラフィーにより測定、以下にて同じ。)。次に、脱水イソプレン75.0部を加え、同温度で30分撹拌を続けた。この時点での重合転化率は99%であった。その後、更に、脱水スチレンを12.5部加え、同温度で60分撹拝した。この時点での重合転化率はほぼ100%であった。次いで、反応液にイソプロピルアルコール0.5部を加えて反応を停止させて、ブロック共重合体(a)を含む溶液(重合体溶液)を得た。得られたブロック共重合体(a)の重量平均分子量(Mw)は82,500、分子量分布(Mw/Mn)は1.06であった。また、ブロック共重合体(a)全体に占めるスチレン由来の全重合体ブロックの重量分率wAと、ブロック共重合体(a)全体に占めるイソプレン由来の全重合体ブロックの重量分率wBとの比(wA:wB)は、25:75であった。
ブロック共重合体(a)として、下記のブロック共重合体(a)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行って、正極用バインダー、正極用スラリー、正極及び二次電池を作製した。各評価結果を表1に示す。
なお、得られたブロック共重合体水素化物(A)の重量平均分子量(Mw)は89,300、分子量分布(Mw/Mn)は1.12であった。水素化率は99.9%であった。
内部が充分に窒素置換された、撹拌装置を備えた反応器に、脱水シクロヘキサン550部、脱水スチレン35.0部、n−ジブチルエーテル0.475部を入れ、60℃で撹拝しながらn−ブチルリチウム(15%シクロヘキサン溶液)0.485部を加えて重合を開始させ、さらに、撹拝しながら60℃で60分反応させた。この時点での重合転化率は99.5%であった(ガスクロマトグラフィーにより測定、以下にて同じ。)。次に、脱水イソプレン30.0部を加え、同温度で30分撹拌を続けた。この時点での重合転化率は99%であった。その後、更に、脱水スチレンを35.0部加え、同温度で60分撹拝した。この時点での重合転化率はほぼ100%であった。次いで、反応液にイソプロピルアルコール0.5部を加えて反応を停止させて、ブロック共重合体(a)を含む溶液(重合体溶液)を得た。得られたブロック共重合体(a)の重量平均分子量(Mw)は84,200、分子量分布(Mw/Mn)は1.07であった。また、ブロック共重合体(a)全体に占めるスチレン由来の全重合体ブロックの重量分率wAと、ブロック共重合体(a)全体に占めるイソプレン由来の全重合体ブロックの重量分率wBとの比(wA:wB)は、70:30であった。
ブロック共重合体水素化物(A)の製造において、水素化反応の時間を1時間としたこと以外は、実施例1と同様の操作を行って、正極用バインダー、正極用スラリー、正極及び二次電池を作製した。各評価結果を表1に示す。
なお、得られたブロック共重合体水素化物(A)の重量平均分子量(Mw)は87,100、分子量分布(Mw/Mn)は1.11であった。水素化率は97%であった。
酸変性単位含有ブロック共重合体水素化物の製造において、無水マレイン酸の添加量を2部としたこと以外は、実施例1と同様の操作を行って、正極用バインダー、正極用スラリー、正極及び二次電池を作製した。各評価結果を表1に示す。
なお、得られた酸変性単位含有ブロック共重合体水素化物における無水マレイン酸含有量は0.3質量%であった。
酸変性単位含有ブロック共重合体水素化物の製造において、無水マレイン酸の添加量を5部としたこと以外は、実施例1と同様の操作を行って、正極用バインダー、正極用スラリー、正極及び二次電池を作製した。各評価結果を表1に示す。
なお、得られた酸変性単位含有ブロック共重合体水素化物における無水マレイン酸含有量は1質量%であった。
酸変性単位含有ブロック共重合体水素化物の製造において、無水マレイン酸の添加量を35部としたこと以外は、実施例1と同様の操作を行って、正極用バインダー、正極用スラリー、正極及び二次電池を作製した。各評価結果を表1に示す。
なお、得られた酸変性単位含有ブロック共重合体水素化物における無水マレイン酸含有量は10質量%であった。
ブロック共重合体(a)の製造において、n−ブチルリチウム(15%シクロヘキサン溶液)の添加量を0.215部としたこと以外は、実施例1と同様の操作を行って、正極用バインダー、正極用スラリー、正極及び二次電池を作製した。各評価結果を表1に示す。
なお、得られたブロック共重合体水素化物(A)の重量平均分子量(Mw)は180,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.18であった。水素化率は99.9%であった。
ブロック共重合体(a)として、下記のブロック共重合体(a)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行って、正極用バインダー、正極用スラリー、正極及び二次電池を作製した。各評価結果を表1に示す。
なお、得られたブロック共重合体水素化物(A)の重量平均分子量(Mw)は88,100、分子量分布(Mw/Mn)は1.15であった。水素化率は99.9%であった。
内部が充分に窒素置換された、撹拌装置を備えた反応器に、脱水シクロヘキサン550部、脱水スチレン40.0部、n−ジブチルエーテル0.475部を入れ、60℃で撹拝しながらn−ブチルリチウム(15%シクロヘキサン溶液)0.485部を加えて重合を開始させ、さらに、撹拝しながら60℃で60分反応させた。この時点での重合転化率は99.5%であった(ガスクロマトグラフィーにより測定、以下にて同じ。)。次に、脱水イソプレン60.0部を加え、同温度で30分撹拌を続けた。この時点での重合転化率はほぼ100%であった。次いで、反応液にイソプロピルアルコールO.5部を加えて反応を停止させて、ブロック共重合体(a)を含む溶液(重合体溶液)を得た。得られたブロック共重合体(a)の重量平均分子量(Mw)は85,800、分子量分布(Mw/Mn)は1.12であった。
ブロック共重合体水素化物(A)の製造において、水素化反応の時間を10分としたこと以外は、実施例1と同様の操作を行って、正極用バインダー、正極用スラリー、正極及び二次電池を作製した。各評価結果を表1に示す。
なお、得られたブロック共重合体水素化物(A)の重量平均分子量(Mw)は86,500、分子量分布(Mw/Mn)は1.13であった。水素化率は80%であった。
正極用バインダーとして、下記の正極用バインダーを用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行って、正極用スラリー、正極及び二次電池を作製した。各評価結果を表1に示す。
セパラブルフラスコに、マレイン酸変性SEBSブロック共重合体(タフテックM1913、旭化成社製、スチレン含有量30wt%、酸価10)100部、及びNMP1900部を投入し、窒素雰囲気下、170℃で5時間撹拌して乾燥ポリマーを溶解させることにより、正極用バインダーとして、上記ポリマーのNMP溶液を得た。
Claims (8)
- 芳香族ビニル化合物由来の繰り返し単位を主成分とする重合体ブロック(A)と、鎖状共役ジエン化合物由来の繰り返し単位を主成分とする重合体ブロック(B)とを有する[(A)−(B)−(A)]型のブロック共重合体の、主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合と、芳香環の炭素−炭素不飽和結合との合計である全不飽和結合の90%以上を水素化して得られるブロック共重合体水素化物を、酸変性して得られる酸変性単位含有ブロック共重合体水素化物を含有する、二次電池電極用バインダー。
- 酸変性単位含有ブロック共重合体水素化物における酸変性単位の含有割合が0.1〜20質量%である請求項1に記載の二次電池電極用バインダー。
- ブロック共重合体全体に占める全重合体ブロック(A)の重量分率をwAとし、ブロック共重合体全体に占める全重合体ブロック(B)の重量分率をwBとしたときに、wAとwBとの比(wA:wB)が、20:80〜80:20である請求項1または2に記載の二次電池電極用バインダー。
- ブロック共重合体水素化物の重量平均分子量が、30,000〜200,000である請求項1〜3のいずれかに記載の二次電池電極用バインダー。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の二次電池電極用バインダー、電極活物質及び分散媒を含有してなる二次電池電極用スラリー。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の二次電池電極用バインダー及び電極活物質を含有してなる電極活物質層を集電体上に形成してなる二次電池電極。
- 正極、負極、セパレーター及び電解液を有する二次電池であって、前記正極又は負極の少なくとも一方が、請求項6に記載の二次電池電極である二次電池。
- 請求項5に記載の二次電池電極用スラリーを集電体の少なくとも片面に塗布、乾燥する工程を有する二次電池電極の製造方法。
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