JP2014013876A - 太陽電池モジュール及び太陽電池モジュールの製造方法 - Google Patents

太陽電池モジュール及び太陽電池モジュールの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】封止工程において、太陽電池モジュールの端部からの封止樹脂のはみ出しを防ぎ、太陽電池セルの位置ずれを生じにくい太陽電池モジュールの製造方法を実現し、太陽電池セルの位置ずれの少ない太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】電気的に接続された複数の太陽電池セル2を、受光面側ガラス6と非受光面側ガラス7と封止樹脂82とで封止した太陽電池モジュールであって、受光面側ガラス6と非受光面側ガラス7の端部の間に、複数のはみ出し防止壁31と32を配置する。はみ出し防止壁31と32は、受光面側ガラス6の端部に太陽電池モジュールの厚さ方向に複数個配置した。
【選択図】図4

Description

本発明は、太陽電池モジュール及び太陽電池モジュールの製造方法に関し、特に合わせガラス構造を備えた太陽電池モジュール及びその製造方法に関する。
太陽電池モジュールには、その用途や製造方法に応じて種々のものが存在する。このような太陽電池モジュールのひとつとして、合わせガラス構造を備えた太陽電池モジュールがある。この合わせガラス構造を備えた太陽電池モジュールは、互いに電気的に接続された複数の太陽電池セルを受光面側ガラスと非受光面側ガラスとによって挟み込むことにより、太陽電池セルを内部に封止した構造を有するものである。この合わせガラス構造を備えた太陽電池モジュールにおいては、受光面側ガラスを透過して太陽電池モジュール内に入射した太陽光が、太陽電池セルが存在しない部分の封止樹脂を透過して非受光面側ガラスに達し、非受光面側ガラスに達した太陽光が非受光面側ガラスを介して太陽電池モジュール外に透過する。したがって、合わせガラス構造を備えた太陽電池モジュールは、太陽電池モジュールの非受光面側に位置する空間においても太陽光を採光することができるいわゆる採光型太陽電池モジュールとして、好適に利用されるものである。
結晶系シリコン基板を用いた太陽電池セルの場合、封止工程における圧力環境下で太陽電池セルに割れやかけが生じることを防止するために、受光面側ガラスと非受光面側ガラスとの間に介装する封止樹脂の層を厚くすることが必要となる。そのため、太陽電池モジュールとしての厚みが増大することとなり、太陽電池モジュールの端部における封止樹脂の外部への露出面が増大する。その結果、封止樹脂の水分吸収が増えることによる封止樹脂が変色したり、太陽電池セルの特性劣化がおこりやすくなるという問題があった。さらに、封止工程において、軟化状態となった封止樹脂が、太陽電池モジュールの端部から大量にはみ出すという問題もあった。
このような問題を解決する方法として、例えば、特許文献1には、表面側板ガラスと裏面側板ガラスとの間に、太陽電池セルアレイの厚み方向において、太陽電池セルアレイが配置される空間を確保する枠状スペーサ部材を備える太陽電池モジュール及びその製造方法が開示されている。
特開2008−258269号公報
しかしながら、特許文献1に開示の構造及び製造方法では、太陽電池モジュールの封止工程において、太陽電池モジュールの端部からの封止樹脂のはみ出しを十分に止めることができず、太陽電池セルに位置ずれを生じる場合があるという問題があった。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は封止工程において、太陽電池モジュールの端部からの封止樹脂のはみ出しを防ぎ、太陽電池セルの位置ずれを生じにくい太陽電池モジュールの製造方法を実現し、太陽電池セルの位置ずれの少ない太陽電池モジュールを提供することにある。
本発明に係る太陽電池モジュールは、電機的に接続された複数の太陽電池セルを、受光面側ガラスと非受光面側ガラスと封止樹脂とで封止した太陽電池モジュールであって、太陽電池モジュールの1組の対向する端部の、受光面側ガラスと非受光面側ガラスとの間にはみ出し防止壁を有し、はみ出し防止壁は太陽電池モジュールの厚さ方向に複数配置されているものである。
本発明に係る太陽電池モジュールは、はみ出し防止壁が接着層を有するものである。
本発明に係る太陽電池モジュールは、はみ出し防止壁が太陽電池モジュールの厚さ方向に2個配置されているものである。
本発明に係る太陽電池モジュールは、はみ出し防止壁の幅が5mm〜10mmであるものである。
本発明に係る太陽電池モジュールは、はみ出し防止壁が太陽電池モジュールのいずれの端部にも配置されているものである。
本発明に係る太陽電池モジュールは、太陽電池モジュールの1個の端部において、隣接するはみ出し防止壁の間から引出し電極が引出されるものである。
本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法は、受光面側ガラス基板の1組の対向する端部の非受光面上に、複数のはみ出し防止壁を重ねて配置するはみ出し防止壁配置工程と、対向して配置したはみ出し防止壁の間に、少なくとも封止樹脂と複数の太陽電池セルと封止樹脂と非受光面側ガラスとを配置する載置工程と、太陽電池セルを封止する封止工程とを有するものである。
本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法は、載置工程において、はみ出し防止壁を配置した太陽電池モジュールの端部の、太陽電池モジュールの外側にスペーサを配置するものである。
本発明に係る太陽電池モジュールの製造方法は、はみ出し防止壁が接着層を有するものである。
本発明に係る太陽電池モジュール及び太陽電池モジュールの製造方法は、封止工程において太陽電池モジュールの端部からの封止樹脂のはみ出しを防ぎ、太陽電池セルの位置ずれを生じにくいという効果を奏する。
本発明の実施形態1を示すものであって、太陽電池モジュールの受光面側からみた平面図である。 本発明の実施形態1を示すものであって、図1に示す太陽電池モジュールのA−A´線に沿った断面図である。 本発明の実施形態1を示すものであって、図1に示す太陽電池モジュールのB−B´線に沿った断面図である。 本発明の実施形態1を示すものであって、太陽電池モジュールの製造方法を示す断面図である。 本発明の実施形態1を示すものであって、太陽電池モジュールの受光面側からみた平面図である。 本発明の実施形態2を示すものであって、太陽電池モジュールの受光面側からみた平面図である。 本発明の実施形態2を示すものであって、図6に示す太陽電池モジュールをC方向から見た断面図である。
本発明の太陽電池モジュール及び太陽電池モジュールの製造方法について、図面を参照しながら以下に説明する。
〔実施形態1〕
図1は、実施形態1の太陽電池モジュールの構造を示す受光面側からみた平面図である。受光面とは、光エネルギーを電力に変換するために太陽電池セルが光を受ける側の面を示している。
太陽電池モジュール100として十分な出力電力を得るために、複数の太陽電池セル2を内部配線4を用いて直列に電気的に接続することで太陽電池ストリング5を構成し、さらに複数の太陽電池ストリング5を電気的に接続する構造とした。
太陽電池モジュール100は受光面側からみると四角形であり、対向する2組の端部を有している。太陽電池モジュール100の、太陽電池ストリング5を構成する内部配線4とほぼ平行である1組の対向する端部に、はみ出し防止壁3を配置した。はみ出し防止壁3は、細長い略直方体であり、太陽電池モジュールの端部を覆う長さを有するものである。太陽電池セル2として、各辺の長さが約156mmの略四角形の単結晶シリコン基板を用いた太陽電池セルを用いた。単結晶シリコン基板の厚さは、約200μmである。本実施形態においては、単結晶シリコン基板を用いた太陽電池セルを用いたが、多結晶シリコン基板を用いた太陽電池セルを用いてもよい。
太陽電池モジュール100は、正極側と負極側の2個の引出し電極41を有している。図では記載を省略しているが、引出し電極の端は端子ボックスに接続される。
採光をとるために、太陽電池セル間の距離は約15mmとし、太陽電池セルと太陽電池モジュールの端部との距離は約50mmとなるように配置した。それぞれの距離は、この数値に限る必要はなく、太陽電池モジュールの設計に応じて変えることができる。
図2は、図1に示す太陽電池モジュールの図中のA−A´線に沿った断面図であり、図3は、B−B´線に沿った断面図である。
図2に示すように、太陽電池モジュール100は、電気的に接続された複数の太陽電池セル2を受光面側ガラス6と非受光面側ガラス7との間に、封止樹脂8により封止した構造とした。それぞれの太陽電池セル2は、受光面側及び非受光面側のそれぞれに内部配線4を有している。はみ出し防止壁3は、太陽電池モジュール100の1組の対向する端部の、受光面側ガラス6と非受光面側ガラス7との間に配置した。はみ出し防止壁3は、受光面側はみ出し防止壁31と、非受光面側はみ出し防止壁32の2個のはみ出し防止壁を太陽電池モジュール100の厚さ方向に重ねで配置したものである。はみ出し防止壁として、アクリル系樹脂からなる発泡体を用いた。アクリル系樹脂に限定されるものではなく、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ブチルゴムを用いても良い。また、発泡体に限定されるものでもない。受光面側はみ出し防止壁31は、接着層311、312を有し、接着層311は受光面側ガラス6の非受光面側と接着している。非受光面側はみ出し防止壁32は、接着層321、322を有し、接着層322は非受光面ガラス7の受光面側と接着している。さらに、接着層312は接着層321と接着している。はみ出し防止壁に接着層を設けることで、接着層を有さない場合と比較して、ガラスとはみ出し防止壁との接着性をあげることができ、はみ出し防止壁の位置ずれを防ぐことが可能となった。
はみ出し防止壁3の幅tは、約9mmとした。幅tは、5mm以上10mm以下が望ましい。はみ出し防止壁は、封止工程において封止樹脂8が太陽電池モジュールの端部からはみ出すことを防ぐ機能を有する。幅tが5mmより小さい場合、十分なはみ出し防止機能を有さないため、5mm以上が望ましい。また、はみ出し防止壁のある領域は、発電に寄与しない領域となるため、幅が広すぎると太陽電池モジュールの発電効率が大きくならない。さらに、採光型太陽電池モジュールの場合、はみ出し防止壁のある領域は、採光に寄与しない領域となるため、採光率が高くならない。よって、幅tを大きくしすぎることは望ましくない。さらに、採光型太陽電池モジュールは、建築物の窓として利用することが多い。窓として利用する場合、太陽電池モジュールの端部にあるはみ出し防止壁は、窓のサッシで隠れることが意匠性の観点から望ましい。このような理由から、幅tは10mm以下が望ましい。
封止樹脂8として、EVA(エチレンビニルアセテート樹脂)を用いた。封止樹脂は、可視光領域で透過率の高い樹脂が望ましい。アイオノマー樹脂、オレフィン樹脂等の樹脂を用いることもできる。
受光面側ガラス6、非受光面側ガラス7として、厚さ約4mmの強化ガラスを用いた。ガラスの厚さは4mmに限定されるものではなく、また倍強化ガラス、未強化ガラス等を用いても良い。
また、図3に示すように、B−B´線に沿った断面でみると、隣あう太陽電池セル2は内部配線4で直列に接続されている。太陽電池モジュール100の、太陽電池ストリングを構成する複数の太陽電池セルが接続される方向に直交する方向の、1組の端部には、はみ出し防止壁は配置していない。
次に、実施形態1の太陽電池モジュールの製造方法について説明する。
図4は、実施形態1の太陽電池モジュールの製造方法を説明するための断面図である。図4(a)、(b)、(c)は、それぞれ、はみ出し防止壁配置工程、載置工程、封止工程を示すものであり、図1におけるA−A´線に沿った断面に該当する。
まず、複数の太陽電池セルを内部配線で直列に電気的に接続し、太陽電池ストリングを形成した。内部配線としては、厚さ約0.2mmのスズめっきの銅線を用いた。太陽電池セルと内部配線との接続には、半田付けを用いた。導電性ペーストで接続してもよい。その後、複数の太陽電池ストリングを電気的に接続した。複数の太陽電池ストリングの接続には、厚さ約0.2mmの接続部材を用いた。
図4(a)を用いて、はみ出し防止壁配置工程を説明する。受光面側ガラス6の1組の対向する端部の非受光面側上に、受光面側はみ出し防止壁31、非受光面側はみ出し防止壁32をこの順に載置する。重ねて配置するはみ出し防止壁の数は、2個であることが望ましい。製造工程を複雑にしないからである。受光面側はみ出し防止壁31、非受光面側はみ出し防止壁32のいずれとも、接着層を有するアクリル樹脂の発泡体を用いた。受光面側はみ出し防止壁31は、接着層を有するため、受光面側ガラス6の非受光面側へ配置する際に位置ずれがおきにくく、正確な場所に配置することができた。また、非受光面側はみ出し防止壁32を受光面側はみ出し防止壁31の上に配置する際も同様の効果が得られた。さらに、次の工程へ搬送する際に、はみ出し防止壁が動いて位置ずれが生じることを防ぐことも可能となった。
次に、載置工程を行った。図4(b)を用いて、載置工程を説明する。
受光面側ガラス6の対向する1組の端部の非受光面側に配置したはみ出し防止壁の間に、封止樹脂81を配置し、その上に太陽電池セル2を、複数の太陽電池ストリングを電機的に接続した状態で配置した。太陽電池セル2の上に、封止樹脂82、非受光面側ガラス7を配置した。封止樹脂81、82のいずれも、シート状のEVAを用いた。封止樹脂81として用いるシート状のEVAは1枚であってもよく、複数枚であってもよい。封止樹脂82も同様である。受光面側ガラス6と非受光面側ガラス7の間の距離の設計値に応じて決めればよい。シリコン基板を用いた太陽電池セルを封止する場合、太陽電池セル、内部配線を確実に埋没させる必要があるため、受光面側と非受光面側のガラス間の距離は、薄膜シリコン太陽電池と比較して大きくする必要がある。
はみ出し防止壁配置工程において、はみ出し防止壁を受光面側ガラス6の対向する端部に配置しているため、封止樹脂を正確な場所に配置することが可能となった。また、封止樹脂として用いたシート状のEVAは、加熱前はガラスとの接着性が低いため、配置後に位置ずれがおきやすかったが、はみ出し防止壁によって封止樹脂の配置後の位置ずれがおきにくくなるという効果も得られた。
さらに、はみ出し防止壁を介して、受光面側ガラス6と非受光面側ガラス7との間の仮固定をすることができる。これまで、次の封止工程へ太陽電池モジュールを搬送する際に、受光面側ガラスと封止樹脂、封止樹脂と非受光面側ガラスとの間で位置ずれがおきやすいという問題があったが、接着性を有するはみ出し防止壁を、太陽電池モジュールの対向する端部に配置したことで、搬送時の位置ずれを防ぐことが可能となった。
次に、太陽電池モジュールのはみ出し防止壁を配置した1組の対向する端部のそれぞれの外側に、スペーサ9を配置した。スペーサ9は、シリコーン樹脂からなる略直方体のものを用いた。スペーサ9の材料は、シリコーン樹脂に限定されるものではなく、テフロン(登録商標)、エポキシ、ガラス、金属等を用いることができる。また、これらの材料の複合体でもよい。例えば、略直方体の銅をシリコーン樹脂で覆ったスペーサを用いてもよい。銅を用いる構造とすることで、安価でスペーサとして十分な重量を確保することが可能となる。さらに、シリコーン樹脂で覆うことで、受光面側ガラス6または非受光面側ガラス7とスペーサ9が接触した場合にも、ガラスに傷をつけることはなくなり、生産の歩留まりを向上させることができる。また、エポキシにガラス繊維を混ぜた材料を用いたスペーサとしてもよい。エポキシにガラス繊維を混ぜることで、スペーサに強度を持たせることが可能となり、繰り返し、封止工程で使用することができる。
スペーサは、必ずしも太陽電池モジュールの端部に接触する必要はなく、例えば、太陽電池モジュールとスペーサが数mmあくように配置してもよい。
次に、図4(c)を用いて封止工程を説明する。封止装置であるラミネータ装置を用いて、加熱しながら太陽電池モジュールを加圧することで封止した。
まず、ラミネータ装置の155℃に加熱したヒータ−板上に、載置工程で載置した太陽電池モジュールとスペーサ9を、受光面側を下にして載せた。封止樹脂の厚さが厚いため、加熱温度は高めに設定した。
載せた後、ラミネータ装置の上部室と下部室を同じ圧力で減圧した。この操作により、各接合面から空気が除去されるとともに、封止樹脂8に含まれる気泡が除去された。減圧は、はみ出し防止壁を配置しない場合と比較して、長時間行った。はみ出し防止壁を配置していても、各接合面からの空気の除去、封止樹脂に含まれる気泡の除去を行うことはできた。これは、はみ出し防止壁の接着層が通気性を有するためと推測される。太陽電池モジュールの1つの端部に配置するはみ出し防止壁が1つの場合、接着層は、受光面側ガラス6と接着する層と、非受光面側ガラスに接着する層の2層となる。はみ出し防止壁を重ねて配置したことで、接着層の数が増え、減圧が容易になったと推測される。
その後、上部室を大気に戻すことで1気圧に加圧し、加圧状態を保持することで、封止樹脂8を介しての、受光面側ガラス6と非受光面側ガラス7との密着性を向上させた。
封止工程の後に、キュア工程を入れてもよい。キュア工程は、封止樹脂としてEVAを用いた場合に必要となる工程であって、EVAの架橋反応を進行させて封止状態を安定させる工程である。キュア工程は、熱処理装置を用いて行っても良く、ラミネート装置に載置したまま、加熱時間を長くする方法を用いても良い。
次に、比較のためのサンプルを作成し、効果の確認を行った。図5に、説明のための図を示す。太陽電池モジュールを受光面側からみた平面図である。
本実施形態を用いて製造した太陽電池モジュールを実施例とし、比較のために作成したサンプルを比較例1、比較例2とする。実施例と比較例1の異なる点は、比較例1は、スペーサは配置しなかった点である。実施例と比較例2の異なる点は、比較例2は、はみ出し防止壁、スペーサのいずれも配置しなかった点である。
太陽電池モジュールの端部に最も近い太陽電池ストリングを構成する複数の太陽電池セルのうち、一端の太陽電池セル21と受光面側ガラス基板の端部との距離をL1、他端の太陽電池セル22と受光面側ガラスの端部との距離をL2とした。さらに、太陽電池ストリングを構成する太陽電池セルの中央部にある太陽電池セル23と受光面側ガラスの端部との距離をL3とした。
封止工程の前後で太陽電池セルの位置ずれがおきるかどうかを確認するため、封止工程前のL1、L2、L3の長さと、封止工程後のL1、L2、L3の長さを測定し、それぞれの差分を計算した。測定は、ノギスを用いて行った。
実施例は、封止工程前後でL1、L2、L3の長さはほとんど変わらなかった。言い換えると、実施例では、太陽電池ストリングに曲がりはほとんど生じなかった。比較例1は、L1とL2の長さはほとんど変わらなかったが、L3はわずかに長くなった。言い換えると、比較例1では、太陽電池ストリングにわずかな曲がりが生じた。比較例2は、L1とL2の長さはほとんど変わらなかったが、L3は長くなった。言い換えると、比較例2では、太陽電池ストリングに比較例1よりも大きな曲がりが生じた。実施例と比較例1と比較例2とを比較すると、比較例2のみはみ出し防止壁がないことから、はみ出し防止壁がない場合には、太陽電池ストリングが曲がり、太陽電池セルの位置に大きなずれが生じたことがわかる。これは、封止樹脂が軟化状態となったときに、太陽電池モジュールの端部から封止樹脂がはみ出すと同時に、内部でも流動がおき、太陽電池セルの位置が変わったためと考えられる。
封止工程において、太陽電池セルに位置づれが生じると、太陽電池モジュールの意匠性が低下するという問題がおこる。また、太陽電池セルに位置づれが生じることにより、隣接する太陽電池セル同士を接続している内部配線に局所的な曲がりが生じる。内部配線に局所的な曲がりがあると、太陽電池モジュールに繰り返しの温度変化がかかった場合、曲がりの箇所で内部配線に亀裂が生じる場合がある。すなわち、太陽電池セルに位置づれが生じた太陽電池モジュールを、長期間屋外で使用した場合、内部配線が断線の至る可能性がある。はみ出し防止壁を配置することで、封止工程における太陽電池セルの位置づれを防ぎ、高い意匠性を確保するとともに、太陽電池モジュールの長期信頼性を確保することが可能となった。
また、封止工程における太陽電池セルの位置づれを防ぐために、太陽電池セル間に固定テープをはるという手段を取る場合がある。固定テープを用いた太陽電池モジュールを長期間屋外に設置した場合、固定テープが太陽光により劣化し黄変することがあった。合わせガラス構造を備えた太陽電池モジュールの場合、固定テープの黄変は太陽電池モジュールの意匠性の低下につながる。本発明によれば、固定テープを用いることなく、太陽電池セルの位置づれを防ぐことが可能となるため、合わせガラス構造を備えた太陽電池モジュールの長期間にわたる高い意匠性を確保することができるという効果も有する。
さらに、実施例と比較例1を比較すると、はみ出し防止壁があってもスペーサがなければ、わずかに太陽電池セルの位置が変わったことがわかる。言い換えると、スペーサも太陽電池セルの位置が変わることを防止する効果があることがわかる。これは、スペーサを配置することで太陽電池モジュールの厚さ方向の変化が抑止され、封止樹脂の流動を抑えることができたためと考えられる。つまり、本実施形態で示した実施例は、はみ出し防止壁とスペーサを配置したことで、太陽電池セルの位置ずれをより高い精度で防止することができたと推測される。
次に、実施例、比較例1、比較例2において、封止後に太陽電池モジュールの厚さ測定をノギスを用いて行い、厚さ分布を計算した。厚さ測定は、太陽電池モジュールの角部4箇所と、各辺の中央部の4箇所の計8箇所において、端部から約10mm中央部に入った箇所で行った。
実施例においては、厚さの分布はほとんどなかったが、比較例1と比較例2では分布が生じていた。これらの結果より、スペーサを配置することで、封止工程で太陽電池モジュールの厚さに分布が生じることを防ぐことができたことがわかる。さらに詳しくみると、比較例1より比較例2の方が厚さの分布は大きかった。はみ出し防止壁を配置することも、厚さ分布が生じることを防ぐ効果があると考えられる。
本実施形態においては、2個のはみ出し防止壁を重ねて配置した構造について説明したが、2個に限定されるものではなく、3個以上の場合も含まれる。はみ出し防止壁の重ねる数を多くすることで、封止工程における減圧時間を短くすることができると推測される。
また、太陽電池ストリングを構成する太陽電池セルの数、太陽電池モジュールを構成する太陽電池ストリングの数は、本実地形態で示した数に限定されるものではなく、必要に応じて設計すればよい。
〔実施形態2〕
本発明の別の例を、実施形態2を用いて示す。実施形態2の実施形態1と異なる点は、太陽電池モジュールのすべての端部に、はみ出し防止壁を配置したことである。
図6は、本実施形態により製造される太陽電池モジュールを受光面側からみた平面図である。はみ出し防止壁3は、太陽電池モジュール110のいずれの端部にも配置した。
図7は、図6に示す太陽電池モジュール110をC方向からみた断面図である。はみ出し防止壁3として、2個のはみ出し防止壁を重ねて配置した。引出し電極は、2個のはみ出し防止壁の間から引出している。はみ出し防止壁の間から引出したことで、引出し電極が端部で曲がることなく、受光面側および非受光面側ガラスにほぼ平行に引出すことが可能となった。引出し電極の太陽電池セルとの電気的な接合に関初しない箇所は、被覆されていても良い。さらに述べると、受光面側ガラスまたは非受光面側ガラスの端部から外側(封止樹脂のない側)の約3mmまで被覆されていることが望ましい。引出し電極をこのような構造とすることで、受光面側ガラスまたは非受光面側ガラスの端部における曲がりが、より生じにくくなる。被覆により引出し電極の厚さが増すためである。
次に、実施形態2の太陽電池モジュールの製造方法について、実施形態1と異なる点について説明する。
図4(a)で示したはみだし防止壁配置工程において、引出し電極を取り出す端部は、受光面側はみ出し防止壁31のみを配置し、非受光面側はみだし防止壁32を配置しなかった。引出し電極を取り出す端部以外の3個の端部については、受光面側はみ出し防止壁の上に非受光面側はみ出し防止壁を重ねて配置した。
次に、図4(b)で示した載置工程において、引出し電極を取り出す端部の載置の順番について説明する。
封止樹脂81を配置した後、太陽電池セルを配置する際に、はみ出し防止壁配置工程において配置した受光面側はみ出し防止壁31の上に、引出し電極41を配置した。その後、非受光面側はみ出し防止壁32を、受光面側はみ出し防止壁31と非受光面側はみ出し防止壁32で引出し電極41を挟み込むようにして配置した。受光面側はみだし防止壁31と非受光面側はみ出し防止壁は、互いの接着層によって接着されるので、引出し電極41の周囲はほとんど隙間のない状態となる。
その後、封止樹脂82、非受光面側ガラス7を配置した。
太陽電池モジュールのすべての端部に、はみ出し防止壁を配置したことで、太陽電池セルの位置ずれがほとんどおこらなくなり、位置の精度がさらに向上した。太陽電池モジュールの意匠性がさらに良くなったといえる。また、太陽電池モジュールのいずれの端部からも封止樹脂のはみ出しがおこらなくなり、製造工程の中で端部はみ出した封止樹脂をはがす必要がなくなり、工程数を減らすことができた。
さらに、本実施形態の太陽電池モジュールを製造する際には、はみ出し防止壁配置工程、封止工程において、太陽電池モジュールのいずれの端部にもスペーサを配置した。太陽電池モジュールのいずれの端部にもスペーサを配置したことで、太陽電池モジュールの厚さ方向の均一性がより向上した。
スペーサとして、太陽電池モジュールのいずれの端部へも一度に配置することが可能な額縁状のスペーサを用いた。スペーサがばらばらにわかれている場合、コンベアを用いて搬送する際に、太陽電池モジュールとスペーサの間の位置ずれが生じやすくなるため、搬送のために補助部材を用いる必要があった。額縁状のスペーサを用いたことで、はみ出し防止壁配置工程から封止工程へ太陽電池モジュールを、コンベアを用いて搬送する際に、補助部材を用いることなく搬送することが可能となった。
本実施形態においては、引出し電極41を太陽電池モジュールの端部から引き出す場合について述べたが、引出し電極を他の場所から太陽電池モジュールの外へ引き出す方法を用いてもよい。一例として、非受光面側ガラス7に穴をあけ、その穴から太陽電池モジュールの非受光面側に引き出す方法を用いることができる。
以上、実施形態1および実施形態2について具体的に説明を行ったが、本発明はそれらに限定されるものではない。上述した2つの実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、太陽電池モジュール及び太陽電池モジュールの製造方法全般に広く適用することができる。
100、110 太陽電池モジュール
2、21、22、23 太陽電池セル
3 はみ出し防止壁
31 受光面側はみ出し防止壁
32 非受光面側はみ出し防止壁
4 内部配線
41 引出し電極
5 太陽電池ストリング
6 受光面側ガラス
7 非受光面側ガラス
8、81、82 封止樹脂
9 スペーサ

Claims (9)

  1. 電機的に接続された複数の太陽電池セルを、受光面側ガラスと非受光面側ガラスと封止樹脂とで封止した太陽電池モジュールであって、
    前記太陽電池モジュールの1組の対向する端部の、前記受光面側ガラスと前記非受光面側ガラスとの間にはみ出し防止壁を有し、
    前記はみ出し防止壁は前記太陽電池モジュールの厚さ方向に複数配置されている太陽電池モジュール。
  2. 前記はみ出し防止壁は、接着層を有する請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 前記はみ出し防止壁は、前記太陽電池モジュールの厚さ方向に2個配置されている請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール。
  4. 前記はみ出し防止壁の幅は、5mm〜10mmである請求項1から3のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  5. 前記はみ出し防止壁は、前記太陽電池モジュールのいずれの端部にも配置されている請求項1から4のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  6. 前記太陽電池モジュールの1個の端部において、
    隣接する前記はみ出し防止壁の間から引出し電極が引出された請求項1から5のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  7. 受光面側ガラス基板の1組の対向する端部の非受光面上に、複数のはみ出し防止壁を重ねて配置するはみ出し防止壁配置工程と、
    対向して配置した前記はみ出し防止壁の間に、少なくとも封止樹脂と複数の太陽電池セルと封止樹脂と非受光面側ガラスとを配置する載置工程と、
    前記太陽電池セルを封止する封止工程とを有する太陽電池モジュールの製造方法。
  8. 前記載置工程において、前記はみ出し防止壁を配置した太陽電池モジュールの端部の、太陽電池モジュールの外側に、スペーサを配置する請求項7に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  9. 前記はみ出し防止壁は、接着層を有する請求項7又は8に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
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